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1 2008 年 7 月 15 日 ( 火 ) 金沢大学新技術説明会 肝臓由来分泌タンパク質を標的とした 2 型糖尿病等の治療 篁俊成 (TAKAMURA Toshinari) 金沢大学医薬保健研究域医学系准教授 Tel , Fax ttakamura@m-kanazawa.jp

2 (%) 30.9 米国肥満比率の国際比較 メキシコ-BMI 30 kg/m2 以上の人の割合 英オカスドスオフイ国ーナペイウララタスダイツェンンリトンーダスアラデリンア3.6 日本3.2 韓国Organisation for Economic Co-operation and Development (OECD) Health Data 2004

3 日本人では正常 BMI から動脈硬化のリスクが増大する Men Women P = P = BMI (kg/m 2 ) Ota, Takamura, Kaneko. J Japan Soc Study Obesity 2005

4 予想に反して 肥満とインスリン抵抗性の関連は弱い インスリン感受性指数 (mg kg -1 min -1 ) r=0.195 p= Non-Diabetics Diabetics Body Mass Index (kg/m 2 )

5 肝酵素 ALT 値のみがインスリン抵抗性と関連した インスリン感受性指数 (mg/kg/min) ALT (IU/L) r= p= HOMA-R ALT (IU/L) Non-Diabetics Diabetics r=0.540 p=0.0006

6 肝脂肪化は BMI と独立して インスリン抵抗性を予知する HOMA-IR (n=131) Coefficient t-statistic p-value 脂肪化 < 線維化 炎症 脂肪化 * < 線維化 * 炎症 * All models are adjusted for age, sex, and BMI by multiple linear regression. *Three histological scores are included in the same model. Sakurai, Takamura, et al. J Gastroenterol 42: , 2007

7 代謝異常の中心病態としての脂肪肝 高血圧 耐糖能異常 低 HDL 血症 中心性肥満 高 TG 血症 インスリン抵抗性 脂肪肝 腹部脂肪 パラダイムシフト! Ota, Takamura, Kaneko. Gastroenterology 2007 Matsuzawa, Takamura, Kaneko. Hepatology 2007 Sakurai, Takamura, Kaneko. J Gastroenterol 2007 Nagata, Takamura, Kaneko. Metabolism, in press

8 エネルギー代謝の恒常性を維持する臓器間ネットワーク 骨格筋 脳 脂肪組織 酸化ストレス 過栄養 肝臓 神経 液性因子 腎不全 消化管 動脈硬化 癌化

9 肝の脂肪化がインスリン抵抗性を作る可能性 線維芽細胞 肝細胞 筋原細胞 前脂肪細胞 脂肪化 脂肪細胞 発現遺伝子プロファイルの変化? 肥満 糖尿病の病態形成

10 糖尿病が肝臓発現遺伝子プロファイルに及ぼすインパクト Up-regulated in diabetic liver Down-regulated in diabetic liver Non-DM 8 Non-DM 6 Non-DM 7 Non-DM 4 Non-DM 3 Non-DM 5 Non-DM 2 Non-DM 1 Non-DM 9 DM 12 DM 4 DM 2 DM 6 DM 7 DM 8 DM 11 DM 10 DM 9 DM 5 DM 3 DM 1 DM, type 2 diabetic liver; Non-DM, non-diabetic liver Takamura T, et al. Diabetologia 47: 638, 2004

11 ヒト モデル動物の肝臓発現遺伝子解析 ヒト糖尿病 Diabetologia 2004 Metabolism 2006 Diabetologia 2007 ヒト肥満 Metabolism 2007 Eur J Pharmacol 2008 Obesity, in press 遺伝的肥満 糖尿病モデル動物 Gastroenterology 2007 Eur J Pharmacol, 2008 Hepatology, in press in vitro 脂肪肝システム 食餌性肥満 糖尿病モデル動物 Metabolism 2007 J Biol Chem, in revision 絶食 再摂食モデル Gastroenterology 2007 Hepatology 2007 Metabolism, in press

12 従来技術の問題点 脂肪細胞中心仮説では病態を説明しきれない 既知分子に着目したアプローチでは 画期的な創薬に限界? モデル動物や細胞レベル実験から機能性ホルモンを同定しても ヒトで発現変動しているとは限らない 肝臓は重要な臓器でありながら ヒトからの生検が困難で有り 解析が遅れていた ヒトの臨床サンプルでの検証が困難 提案する情報 システム 肝臓は代謝司令塔であり 最大のホルモン産生臓器 ヒトの病態で発現変動している新規ホルモン候補 ヒトから同定して 動物 細胞レベルで検証することで 臨床応用の実現性高い 世界最大級のヒト肝臓発現遺伝子情報を整備 臨床情報を伴った豊富な組織サンプル 12

13 Serial Analysis of Gene Expression (SAGE) 肝臓は分泌タンパクの宝庫 Misu, Takamura, et al. Diabetologia, 2007

14 ヘパトカイン候補遺伝子の絞り込み戦略 DNA チップ情報 SAGE 情報 糖尿病肝 vs. 正常肝遺伝子 A 遺伝子 B 遺伝子 C 糖尿病肝 / 正常肝発現比 インスリン抵抗性 (HOMA) 血糖コントロール (HbA1c) etc. 病態と関連あり 候補遺伝子 Yamashita, Kaneko. BBRC 2000 Takamura, Kaneko. Diabetologia 2004 Takeshita, Takamura, Kaneko. Metabolism 2006 Shimizu, Takamura, Kaneko. Metabolism 2006 Misu, Takamura, Kaneko. Diabetologia 2007 Takeshita, Takamura, Kaneko. Eur J Pharmacol 2008 Takamura, Misu, Kaneko. Obesity, in press

15 BMI 肥満 HbA 1c 血糖コントロール と関連して HOMA-R, MCR インスリン抵抗性 肝臓で発現変動する分泌タンパク候補遺伝子を同定した 糖尿病の病態と関連して発現変動する遺伝子群 ( 金沢大学 篁 金子 他 特願 )

16 肝臓由来生理活性物質が生活習慣病を形成する可能性 臓器間ネットワーク 肥満 過栄養 Skeletal muscle 糖尿病 酸化ストレス インスリン抵抗性 Hepatokine 腎不全 動脈硬化 癌化

17 インスリン感受性指数 (mg/kg/min) 肝遺伝子発現量がインスリン抵抗性 負荷後血糖値と正相関する Selenoprotein P (SeP) を同定した R 2 = 0.43 (p =0.021) SeP 肝遺伝子発現量 glucose 120 min. (mg/dl) R 2 = 0.33 (p =0.049) SeP 肝遺伝子発現量 Misu, Takamura, et al., in revision

18 インスリン抵抗性誘導 血管新生抑制作用を有する糖尿病関連肝臓由来分泌蛋白 SeP 金沢大学 篁 金子 他 WO/2008/ インスリン抵抗性 AMPK 抑制 autocrine paracrine 肝糖新生亢進 筋糖取り込み抑制 アディポネクチン産生抑制 高血糖 Misu, Takamura, et al., in revision

19 Insulin sensitivity in Hepatokine X KO mice Glucose level (mg/dl) Glucose tolerance test ** * Serum insulin level (ng/ml) Serum insulin levels 0min 30min Data are the means±s.e. (n=5-6), * p<0.05, ** p<0.01

20 Serum levels of Hepatokine X in human p=0.013 r=0.401 p= r=0.483 p= r=-0.5

21 肝臓と脳をつなぐ新規 GPCR リガンドの探索 Brain Orphan GPCR expressed in liver and brain Novel peptide ligand Human obesity Human diabetes High-fat diet-fed mice Fasted-refed mice

22 想定されるマーケット 世界的に爆発的広がりを見せる肥満症 糖尿病患者 生活習慣病関連製薬会社肥満症糖尿病高血圧症脂質異常症循環器疾患 動脈硬化症 想定される用途 ヒトの病態で変動している新規ホルモン候補 受容体アゴニスト アンタゴニストを用いた新規の生活習慣病治療薬開発 臨床検査会社糖尿病の病態理解糖尿病の重症度 合併症糖尿病の発症予知 患者の病態にあわせたテーラーメイド治療の実現糖尿病予防に向けた生活習慣是正 22

23 実用化に向けた課題 企業への期待 臨床教室では 膨大な基礎実験には限界がある 遺伝子機能スクリーニング段階からの共同研究 多様なヘパトカインの機能 創薬にむけた受容体同定アゴニスト アンタゴニストの開発血中濃度アッセイ系の確立臨床試験 多彩な観点からの初期機能スクリーニング 企業の強みを生かしたコラボレーション 23

24 本技術に関する知的財産権 発明の名称 : 糖尿病関連肝臓由来分泌タンパク質の 2 型糖尿病または血管障害の診断または治療への利用国際公開番号 : WO/2008/ 出願人 : 国立大学法人金沢大学発明者 : 金子周一 篁俊成 御簾博文 高倉伸幸 お問い合わせ先 ( 有 ) 金沢大学ティ エル オーライセンシング アソシエイト海野徹 TEL FAX umino@kutlo.incu.kanazawa-u.ac.jp 24

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