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1 各国及びの日本の長期戦略の策定状況 村堅太郎 IGES 関 研究センター副所 気候変動とエネルギー エリアリーダー

2 国別目標 (nationally determined contributions) 163 の国別 標 (2017 年 1 25 時点 ) が提出済み 主な国 地域の国別 標 国 地域 国別 標の中 中国 CO2 排出量を2030 年前後にピーク ( 頭打ち ) このピークを前倒しできるよう最 限努 2030 年までにGDP 当たりCO2 排出量を2005 年 で60 65% 削減 次エネルギー消費量における 化 燃料の割合を20% 程度まで増 森林蓄積量を2005 年 で45 億 m3 増 国 経済全体のGHG 排出量を2025 年までに2005 年 で26-28% 削減 ( 地セクター含まず ) 28% 削減に向けて最 限努 する EU 年までの80-95% 削減達成に向け 2030 年までに加盟国合計で1990 年 40% 削減ロシア 2030 年までに1990 年 で25-30% 削減 森林吸収量を最 限算 インド 2030 年までに2005 年 でGDP 当たり排出量を33 35% 削減することを約束 2030 年までに導 される発電容量の40% を 化 電源にする 2030 年までに25 30 億 tco2eq. の炭素吸収源を創出する ただし 実現は先進国が提供する実施 段 ( 援 ) を含む 野 的なグローバル合意次第 本 2030 年までに2005 年 でGHG 排出量を26% 削減 2

3 主要国の GHG 排出量推移と国別目標及び長期目標 ( 概算値 ) 中国中国 インドの 2030 年排出量は Climate Action Tracker の推計に基づく 国 EU28 インド ロシア 本 3 GHG 排出量 ( 百万トン CO2) 年

4 1.5 2 提出済みの国別 標を実施したケース 2 シナリオ 1.5 シナリオ 出典 :UNFCCC

5 パリ協定 : 野心レベル引き上げプロセス (5 年ごとの見直しサイクル ) 5 年毎 ( 国別 標策定の 2 年前 ) に世界全体での取り組みの進捗状況を確認作業 全体の取り組みと 1.5/2 標に向けた道筋の乖離をチェック 各国は 5 年毎に 前期 標よりも 前進的 (progressive) な次期 標を提出 各国は パリ協定の 期気温 標を念頭に 期低 GHG 排出発展戦略 ( 期戦略 ) を策定 5

6 長期戦略 期気温 標を念頭に 期低 GHG 排出発展戦略 ( 期戦略 ) を 2020 年までに策定 提出することを求める ( パリ協定 4 条 19 項 COP21 決定パラ 35,36) G7 各国は 2020 年の期限に 分に先 って 期戦略を策定 提出することにコミット (G7 伊勢志摩サミット 脳宣 ) 6

7 パリ協定が目指すものパリ協定の 期気温 標 地球の気温上昇を産業 命前に べ 2 よりも 分低く 抑え さらには 1.5 未満に抑えるための努 を追求する 世界の排出量の早期ピークアウト 今世紀後半に 為的排出量の実質ゼロ ( ネット ( 正味 ) でゼロ排出 ) 本を含むパリ協定を締結したすべての国は 今世紀後半に脱炭素化した社会を 指すことにコミットすることを意味する CO2 の累積総排出量とそれに対する気温の応答はほぼ 例関係 = 出せば出すほど上がる 定の気温上昇に抑えるために排出できる総量 ( カーボンバジェット ) が決まる 上昇を めたければ 排出をネットでゼロへ 7

8 いつネットゼロに? 今世紀後半のいつ? 出典 :Rockstörm, et al. (2016) を基に作成 今世紀後半のなるべく早期のネットゼロ排出を目指す必要性 8

9 長期戦略の役割と重要性 期的な視点から費 対効果の い短期 中期の政策を 案 実施していくことが可能に 期的展望を すことで 間企業や投資家による脱炭素化に向けた 期的視点を伴う経営判断 投資を促す 国別 標の 5 年サイクルにおいて何が 前進的 なのかを明確化 最終目的地 : 脱炭素化 道筋設定 期戦略 踏み : 5 年毎の国別 標 9

10 各国の長期戦略の策定状況 4 カ国が COP22 中に UNFCCC 事務局に提出 ドイツ :2050 年までに 1990 年 80 95% 削減 国 :2050 年までに 2005 年 80% 削減 カナダ :2050 年までに 2005 年 80% 削減 メキシコ :2050 年までに 2000 年 50% 削減 フランス (2050 年までに 1990 年 75% 削減 ) ベニン (2025 年までに気候変動に対し耐性があり低炭素排出な国づくりを 指す ) が 2016 年 12 に提出 英国 中国等でも準備が進む 2050 パスウェイ プラットフォーム の発 :22 ヶ国 15 都市 17 州 地域 196 企業が参加相互学習 経験共有の場へ 10

11 いくつかの特徴 各国の長期戦略の策定状況 国家の発展戦略 経済成 戦略としての位置づけ パリ協定によって世界が 指す未来の中で 国がどうありたいか どうあるべきか またどう実現できるのかを発信 シナリオ分析の実施と国 的対話の実施 ( 後者は独 仏 英 ) 期的に導 すべき優先的な政策措置を提 技術発展 普及など 現実の変化に合わせて 期戦略を定期的に 直すことを前提 11

12 日本の対応 : 地球温暖化対策計画 (2016 年 5 13 閣議決定 ) 技術積み上げ式に策定 部 別対策 施策を列挙 ( 部 個別技術の導 ロードマップを す ) 毎年 進捗状況を対策評価指標等を いて点検し 必要に応じ 機動的に本計画を 直す 出典 :GIO(2016) を基に作成 技術イノベーションの重視 国内投資の促進 国際競争 の向上 期的 戦略的な取組の中で 幅な削減を 指す 12

13 日本における長期戦略の策定状況 2016 夏から検討開始 環境省 経済産業省それぞれで議論の場を設け とりまとめを作成することに 環境省 : 期低炭素ビジョン 委員会 ( 中央環境審議会地球環境部会 ) 技術のみならずライフスタイルや経済社会システムの変 をも視野に れた 期低炭素ビジョン をとりまとめる これを議論の 台として 期戦略の策定につなげていく 経済産業省 : 期地球温暖化対策プラットフォーム 2030 年以降の 期の温室効果ガス削減に向けた論点整理 経済成 と両 する持続可能な地球温暖化対策の在り について検討 FY2017 以降のプロセスについては不明 ただし G7 脳宣 に沿い 2020 年より 分先 って策定することが 込まれる 13

14 基本的な考え 長期戦略策定に向けた提言 ( 詳細は IGES ホームページに掲載 ) 今の産業構造や社会システムを前提として何ができるか という発想ではなく 今世紀後半までにどのような社会を構築すべきか という発想で策定することが必要 提 気候変動は社会への脅威であり 対応が不可避である ことのメッセージの発信 複数の選択肢の提 と多様なステークホルダーの関与による共通意識の醸成 脱炭素社会の実現に向けた炭素価格付けの活 間セクターの潜在 の具現化 14

15 事前のご質問 世界の温暖化防 対策の実 状況 実現性の状況 本の取り組みは 2 度もしくは 1.5 度 標に整合していると えるのか? COP22 を受けて 本政府が取組みを強化したり 対応を検討していることなどがあるのか 26% 削減に向けた温暖化対策は具体的にどんなことなのか? 26% 削減に向けた電源構成は正しいのか? 温暖化防 の から 炭 発電所の増設はどのように認識されているのか CCS の実現性は? 原 が稼動しない場合 26% 削減に向けた課題 政策課題 技術課題を知りたい 再 可能エネルギー活 の施策 向性 2030 年以降の具体的な計画は? 15

16 電力部門の排出原単位 :2 シナリオとの比較 CO 2 emission intensity (kg/kwh) Historical Forecast/projection Historical Forecast/projection Historical Forecast/projection Historical Forecast/projection Japan US EU China 出典 : 栗 倉持 (2014) 国別 標達成で想定される電 部 の排出原単位国際エネルギー機関 (IEA) の新政策シナリオで想定する電 部 の排出原単位 2 標と整合性のある各国シナリオ ( LIMITSプロジェクト DDPP, WEO2014) における電 部 の排出原単位の幅 (CCS 導 を前提 ) 2 標と整合性のある各国シナリオ ( LIMITS プロジェクト DDPP, WEO2014) における電 部 の排出原単位の幅 (CCS 導 を前提としない )

17 2030 年目標の想定と現状 発電電 量の推移 2030 年の想定及び GDP 成 率 14.9% 8.9% 43.4% 30.6% 0.8% % 3% 27% 25% 20-22% 国別 標では成 率 1.7%/ 年を想定し 2030 年の総発電電 量を 億 kwh と想定 (2013 年の実績値は 9397 億 kwh) 他 2012 年以降 プラスの経済成 でも (201 3 年 2015 年 ) 電 需要の減少傾向 2013 年の実績値は 9397 億 kwh 出典 : 環境省及び IEA を基に作成 17

18 既存及び新増設の石炭火力発電所と長中期目標との整合性 電 広域的運営推進機関による推計 現在 1800 万 kw の 炭 発電の新増設計画があり 仮に全ての計画が実 されると 2030 年 標と整合する排出量を 幅に超過 2050 年 標とも整合しない (2050 年の総排出量の約半分を占めることに ) 年 80% 削減とした場合の 本の総排出量 ( 基準年を 1990 年と 2005 年とした場合 ) 国別 標で想定される 炭 からの排出量 既存プラス新設の 炭 ( 稼働年数 40 年以下 ) 既存の 炭 のみ ( 稼働年数 40 年以下 ) 出典 : 栗 村 (2016) 18

19 世界全般 CCS の現状 CO2 回収 貯留 (CCS) 技術は脱炭素化に向けた重要な技術の つ ただし 規模導 は遅れ気味 本の状況 IEA の理想的な CCS 普及シナリオにおける 2020 年の CCS 削減は年間 3 億 tco2 他 現在の削減キャパは年間 280 万 tco2 経済産業省 環境省 局 級取りまとめ (2013 年 4 ): 商 化を前提に 2030 年までに 炭 に CCS を導 することを検討 2020 年度までに実 化を検証する実証試験 ( 苫 牧 2016 年度より CO2 の圧 開始 ) 崎クールジェンプロジェクト :CCS 付 IGCC/IGFC の実証実験 (2017 年度から IGCC 試験運転開始 ) 2030 年国別 標の達成にはCCSの利 を想定せず CCSの 規模導 に向けた課題 幅なコスト削減の達成 安全性の確認あるいは環境負荷評価 モニタリングを含む 期的な運営 責任体制の確 関連する法整備 近隣住 ( 海底下貯留の場合 ) 漁業関係者の理解 19

20 原子力発電の位置づけ 2030 年エネルギーミックスにおける20 22% という数字 廃炉 40 年ルールが全ての原 炉に適 されれば 2030 年頃の設備容量は現在の半分 ( 浜原発 1 2 号機に運転延 許可 ) 再稼働のみならず 部原 炉の運転期間制限年数の延 あるいは新設が必要 実現可能性? 中 期的課題 コストの上昇 原 技術ロードマップ2015 年度版 (IEA 原 機関) では 2050 年における世界の原 の設備容量の予測を 2010 年版のそれに べ 幅に削減 その理由として 安全 での規制強化などによりコストが 20% 程度上昇するのに対し 想定を上回る再 エネルギーのコスト低下などを挙げている い固定資本を回収する 期安定的料 体系の存在が不可 で 電 市場の 由化に伴い困難が増加 出典 : 経済産業省 20

21 再生可能エネルギーの位置づけ 2030 年エネルギーミックスにおける22 24% という数字 国が認定済みの建設計画が加わるだけで再 エネの 率は20% に近づく課題と取り組み 太陽光への偏重 海外に べ コスト 固定価格買取制度 (FIT) の改正 ベースロード電源 ( 原発 炭 ) の稼働を前提とした系統運 や系統整備 ピーク時に再エネの割合が約 5 割に達する供給エリアも 揚 発電や会社間連系線が蓄電や広域送電の機能を果たし始める 電 需給調整 東電 シュナイダー 双 : 産業 デマンドレスポンスの実証事業 横浜市 東芝 東電系 : 市内各地に蓄電池を設置して 元管理し 電 需給を調整する事業 出典 :ISEP 21

22 2030 年目標の想定と現状 部 別排出量の推移と 2030 年 標 ( 安 ) 産業部 では 13 年 6% 削減を想定するが 主要製造業 ( 排出量でみると製造業全体の半分 ) は 14.4% 減の 込み ( 経 2017 年 1 23 ) 中 企業を含め 産業部 全体での取り組みを後押しする政策措置 出典 :GIO(2016 ) を基に作成 業務 家庭部 では 13 年 40% 削減を想定 それぞれ 2013 年 2012 年をピークに減少傾向 エネルギー消費減少をいかに継続させるかが鍵 電 の排出原単位の改善努 の継続も重要 22

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