上原記念生命科学財団研究報告集, 28 (2014)

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1 上原記念生命科学財団研究報告集, 28 (2014) 161. HMGB1 の炎症応答, 病態における役割の解析 柳井秀元 Key words:hmgb1, 炎症, 感染, サイトカイン, マクロファージ 東京大学生産技術研究所分子免疫学分野 緒言 HMGB1 は主に核内に存在し, クロマチンの構造の安定化, 遺伝子の転写反応に役割を担うタンパク質として同定されていたが 1,2), 最近の解析から, 一部が細胞質内にも存在し 3,4), 細胞外から取りこまれた核酸の認識やオートファジーに関与していることなどが明らかにされている 5,6). さらに,LPS などの炎症性刺激によって, または細胞死に伴って, 核内から細胞外にまで放出されることが報告されている 7,8). 特に, 細胞外に放出された HMGB1 は,Toll 様受容体 (TLR: Toll-like receptor) を始めとする自然免疫系受容体によって認識され, 腫瘍壊死因子 (Tumor necrosis factorα: TNF-α) といった炎症性サイトカインの誘導を促進する機能が報告されていることから, 敗血症や自己免疫疾患, 虚血性再還流や臓器移植の際の炎症に関与すると考えられている 3,7,9). 実際,HMGB1 中和抗体の投与はこれらの疾患病態を軽減できることも報告されている 3,7). これらのことから,HMGB1 は, 炎症応答誘導機構の理解という点のみならず, 炎症性疾患の治療応用の標的となりうる, という観点からも注目がなされている. しかしながら, コンベンショナルな Hmgb1 遺伝子欠損マウスは, 生後成長することなく死に至ってしまうことから, HMGB1 の生理的機能 役割の検討は個体レベルでの解析が不可能であり, これまで解析がなされていなかった. そこでこの問題点を解決するため, 本研究において,Hmgb1 コンディショナルノックアウトマウスを作製し 10), 炎症 疾患における HMGB1 の役割を解析することにした. 方法および結果 Hmgb1 コンディショナルノックアウトマウスを作製した. このマウスと, 種々のプロモーターによって発現が制御されている Cre リコンビナーゼを発現するマウスを交配し, マクロファージや樹状細胞, 肝臓などの細胞 臓器において Hmgb1 の遺伝子発現を欠損できることを確認した.HMGB1 は LPS 刺激により, マクロファージなどのミエロイド系細胞群から細胞外に放出されることが報告されていたため 7,8), これらの細胞群で HMGB1 を欠損するマウスを作製し ( 以下 Hmgb1 欠損マウス ),LPS をマウスの腹腔内に投与にしてエンドトキシンショック (LPS 誘導性ショック ) を誘導し, 生存率, 血中サイトカインの産生量について検討を行った. その結果, 血中 TNF-α の産生量には, 野生型マウス群 ( コントロール群 ) と比較して Hmgb1 欠損マウス群において有為な差は認められず, また血中 HMGB1 の量にも差異は認められなかった ( 図 1). 1

2 図 1. ミエロイド系細胞群において HMGB1 を欠損させたマウスに LPS を投与した時の血中 TNF-α,IL-6,IL-12p40 産生量の検討. 野生型マウス群 ( コントロール群, 白棒 ) 及びマクロファージを含むミエロイド系細胞群において HMGB1 を欠損させたマウス群 ( 黒棒 ) に LPS を腹腔内投与し, 各時間における血中 TNF-α,IL-6,IL-12p40 の量を検討した. この結果より,LPS 投与時の HMGB1 の放出には, ミエロイド系細胞群だけでなく, その他の細胞 臓器も関与して いることが示唆された. しかしながら一方で,Hmgb1 欠損マウスは,LPS 誘導性ショックによる生存率がコントロー ル群と比較して悪化することが判明した ( 図 2). 図 2. ミエロイド系細胞群において HMGB1 を欠損させたマウスに LPS を投与した時の生存率の検討. コントロール群 ( 白丸 ;8 匹 ) 及びマクロファージを含むミエロイド系細胞群において HMGB1 を欠損させた マウス群 ( 黒丸 ;6 匹 ) に LPS を腹腔内投与し, 生存率を検討した. その後の解析から, 炎症性サイトカインである IL-1β(interleukin-1β) や IL-18 の血中での産生量が Hmgb1 欠損 マウスで高くなっていることが明らかとなり ( 図 3), これが生存率の悪化の一因であると考えられた. 2

3 図 3. ミエロイド系細胞群において HMGB1 を欠損させたマウスに LPS を投与した時の血中 IL-1β,IL-18 産生量の検討. コントロール群 ( 白棒 ) 及びマクロファージを含むミエロイド系細胞群において HMGB1 を欠損させたマウス群 ( 黒棒 ) において LPS を腹腔内投与し, 各時間における血中 IL-1β 及び IL-18 の量を検討した.*p < 0.01 (Student の t 検定 ). これらのサイトカインの産生には, 細胞質内におけるカスパーゼ1(caspase-1) の活性化が必須であり,caspase-1 の作用によって IL-1β や IL-18 が不活性型から活性型に変換されることが知られている. 先行研究では, この caspase-1 の活性化はさまざまな刺激に応じて誘導されることが報告されており, また, オートファジーと呼ばれる細胞内のタンパク質分解機構によってその活性化が負の制御を受けることも知られていた. 他の研究グループにより, HMGB1 にはオートファジーを促進する作用があることも報告されていたことから 6),LPS で刺激した際に,IL-1β や IL-18 の産生が Hmgb1 欠損マクロファージにおいて亢進していることが考えられた. 実際,Hmgb1 欠損マクロファージにおいて,LPS によるオートファジーに減弱が認められた. このことから,HMGB1 はオートファジーの促進を介して IL-1β や IL-18 の産生を抑制していること, またこれが LPS ショック時の生存率の低下の要因の一つになっている可能性があるのではないかと考えられた. さらに, オートファジーは細菌感染時の細菌の排除に重要であることが知られていることから, 細菌感染時の HMGB1 の役割についても検討を行ったところ, やはり Hmgb1 欠損マクロファージにおいて感染時のオートファジーに異常が認められ, さらに, リステリア菌感染時の生存率を検討したところ, コントロール群と比較して,Hmgb1 欠損マウスはリステリア感染に高い感受性を示し, 脾臓や肝臓においてリステリア菌の増殖が見られた ( 図 4). 3

4 図 4. ミエロイド系細胞群において HMGB1 を欠損させたマウスにリステリア菌を感染させた時の生存率. コントロール群 ( 白丸 ;9 匹 ) 及びマクロファージを含むミエロイド系細胞群において HMGB1 を欠損させたマウス群 ( 黒丸 ;9 匹 ) においてリステリア菌 (Listeria monocytogenes) を腹腔内に投与し, 生存率を検討した. 考察 上記のように, 本研究において,Hmgb1 コンディショナルノックアウトマウスを作製することが出来た. 本マウス を用いた解析から, 細胞質内 HMGB1 には,LPS 誘導性のショックやリステリア菌の感染症において, 生体を防御す る役割があることが明らかとなった.HMGB1 によるオートファジーの制御がその一つの要因として考えられる. し かしながら, その他の作用への HMGB1 の関与は否定できない. 今後, オートファジーとの関連を含め, 細胞質内 HMGB1 がどのように生体防御に寄与しているか, 本マウスを用いることでその詳細を明らかにしていきたい. 今回作 製したマウスを用いることで, さまざまな細胞 組織において HMGB1 を欠損できるようになったことから, 細胞外に HMGB1 を放出する細胞群の特定や, 血中に放出される HMGB1 量がほとんどないようなマウスを作製することができ る可能性がある. このようなマウスを用い, 炎症性サイトカインとしての細胞外の HMGB1 の役割 機能の解析を行い たいと考えている. このような検討を通じ,HMGB1 を標的とした炎症性疾患 自己免疫疾患の治療応用に向けた分子 基盤の確立を目指すと同時に, 治療薬の開発応用に繋がることが期待される. 共同研究者 本研究の共同研究者は, 東京大学生産技術研究所の谷口維紹である. 本稿を終えるにあたり, 本研究を御支援いただき ました上原記念生命科学財団に深く感謝申し上げます. 文献 1) Read, C. M., Cary, P. D., Crane-Robinson, C., Driscoll, P. C. & Norman, D. G. : Solution structure of a DNAbinding domain from HMG1. Nucleic Acids Res., 21 : , ) Thomas, J. O. & Travers, A. A. : HMG1 and 2, and related 'architectural' DNA-binding proteins. Trends Biochem. Sci., 26 : , ) Andersson, U. & Tracey, K. J. : HMGB1 is a therapeutic target for sterile inflammation and infection. Annu. Rev. Immunol., 29 : , ) Bianchi, M. E. : HMGB1 loves company. J. Leukoc. Biol., 86 : , ) Yanai, H., Ban, T., Wang, Z., Choi, M. K., Kawamura, T., Negishi, H., Nakasato, M., Lu, Y., Hangai, S., Koshiba, R., Savitsky, D., Ronfani, R., Akira, S., Bianchi, M. E., Honda, K., Tamura, T., Kodama, T. & Taniguchi, T. : HMGB proteins function as universal sentinels for nucleic acid-mediated innate immune responses. Nature, 462 : , ) Li, G., Liang, X. & Lotze, M. T. : HMGB1: the central cytokine for all lymphoid cells. Front. Immunol., 4 : 68,

5 7) Harris, H. E., Andersson, U. & Pisetsky, D. S. : HMGB1: a multifunctional alarmin driving autoimmune and inflammatory disease. Nat. Rev. Rheumatol., 8 : , ) Sims, G. P., Rowe, D. C., Rietdijk, S. T., Herbst, R. & Coyle, A. J. : HMGB1 and RAGE in inflammation and cancer. Annu. Rev. Immunol., 28 : , ) Yanai, H., Chiba, S., Ban, T., Nakaima, Y., Onoe, T., Honda, K., Ohdan, H. & Taniguchi, T. : Suppression of immune responses by nonimmunogenic oligodeoxynucelotides with high affinity for high-mobility group box proteins (HMGBs). Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 108 : , ) Yanai, H., Matsuda, A., An, J., Koshiba, R., Nishio, J., Negishi, H., Ikushima, H., Onoe, T., Ohdan, H., Yoshida, N. & Taniguchi, T. : Conditional ablation of HMGB1 in mice reveals its protective function against endotoxemia and bacterial infection. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 110 : ,

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