できない状況になっていること 約 6 分間のテレビ番組中で 2 分間を超える放映を し たこと等を理由に損害賠償請求が認容された X1 X2 および Y の双方が上告受理申立て 2 判旨 :Y1 敗訴部分破棄 請求棄却 X1,X2 敗訴部分上告却下ないし上告棄却最高裁は 北朝鮮の著作物について日本国

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1 著作権侵害と一般不法行為の成否 ~ 北朝鮮映画事件 ( 最一小判平成 23 年 12 月 8 日 ) 弁護士南摩雄己 第 1 本稿の目的ある行為について著作権侵害が否定された場合 その行為についてなお違法であるとして民法 709 条に基づく不法行為 ( 以下 一般不法行為 ) が成立しうるか という問題がある 民法の原則どおりに考えれば 違法が存在する限り一般不法行為が成立するとも考えられる しかし 従前の下級審裁判例は 一般論としては例外的に一般不法行為が成立する余地を肯定しながらも 事案の解決としては一般不法行為の成立を否定する例が多かった この問題について最高裁は 北朝鮮映画事件において 特段の事情 がない限り 一般不法行為は成立しないとの判断を示した 本稿ではこの点の最高裁の判断の考察と 今後の実務への影響を考察する 第 2 事案および判旨 1 事案の概要昭和 53 年 司令部を遠く離れて ( 本件映画 ) が 北朝鮮国民 B により制作された 本件映画は 北朝鮮法上は著作権が認められている 平成 14 年 9 月 30 日 X1 は 北朝鮮文化庁傘下の行政機関であり北朝鮮法上本件映画の著作権を有するとされた X2 から 本件映画を含む一連の映画について 日本国内における独占的な上映 放送 第三者に対する利用許諾等について その許諾を受けた A( 平成 20 年 10 月 1 日 会社分割により Y が A の権利義務を承継 ) は 平成 15 年 12 月 15 日 テレビニュース番組 スーパーニュース において 北朝鮮における映画を利用した国民に対する洗脳教育等の状況を報ずる目的で 知りすぎた美人女優 という約 6 分間の企画を放送した 同企画において 本件映画の映像が合計 2 分 8 秒間使用された ( 上記企画内で本件映画を放送した部分を 本件放送 という ) A は 本件放送について X1 および X2 の許諾を受けていなかった X1 X2 は 本件放送が本件映画の著作権を侵害すること等を理由として 550 万円 ( および遅延損害金 ) の損害賠償を求めて本件を提訴した 第一審 ( 東京地裁平成 19 年 12 月 14 日 請求棄却 ) では 北朝鮮の著作物について日本国は保護義務を負わないことを理由に本件映画の著作権侵害が否定された 一般不法行為については 当事者の主張がなく 裁判所の判断もない 原審 ( 知財高裁平成 20 年 12 月 24 日 請求一部認容 ) では 著作権侵害は否定されたが X1 について 日本国内において本件映画の利用について独占的な管理支配をし得る地位を得ていたこと 本件映画に経済的な利用価値があること 作品の放送を許諾することにより現実に利益を得ていたこと 上記映画群のビデオカセット及び DVD の販売が 1 / 5

2 できない状況になっていること 約 6 分間のテレビ番組中で 2 分間を超える放映を し たこと等を理由に損害賠償請求が認容された X1 X2 および Y の双方が上告受理申立て 2 判旨 :Y1 敗訴部分破棄 請求棄却 X1,X2 敗訴部分上告却下ないし上告棄却最高裁は 北朝鮮の著作物について日本国は保護義務を負わないとし 本件映画の著作権侵害を否定した さらに 以下のように判示し 一般不法行為の成立を否定した 同条( 筆者注 : 著作権法 6 条 ) 各号所定の著作物に該当しない著作物の利用行為は... 同法が規律の対象とする著作物の利用による利益とは異なる法的に保護された利益を侵..... 害するなどの特段の事情がない限り 不法行為を構成するものではないと解するのが相当である これを本件についてみるに 本件映画は著作権法 6 条 3 号所定の著作物に該当しないことは前記判示のとおりであるところ 1 審原告 X1 が主張する本件映画を利用することにより享受する利益は 同法が規律の対象とする日本国内における独占的な利用の利益をいうにほかならず 本件放送によって上記の利益が侵害されたとしても 本件放送が 1 審原告 X1 に対する不法行為を構成するとみることはできない 仮に 1 審原告 X1 の主張が 本件放送によって 1 審原告 X1 が本件契約を締結することにより行おうとした営業が妨害され その営業上の利益が侵害されたことをいうものであると解しうるとしても 前記事実関係によれば 本件放送は テレビニュース番組において 北朝鮮の国家の現状等を紹介することを目的とする約 6 分間の企画の中で 同目的上正当な範囲内で 2 時間を越える長さの本件映画のうちの合計 2 分 8 秒間分を放送したものにすぎず これらの事情を考慮すれば 本件放送が 自由競争の範囲を逸脱し 1 審原告の営業を妨害するものであるとは到底いえないのであって 1 審原告 X1 の上記利益を違法に侵害するとみる余地はない 第 3 解説 (1) 本判決の判示についてア最高裁の立場最高裁は 利用行為について著作権侵害が否定された場合の一般不法行為の成否について 特段の事情 がない限り一般不法行為が成立しない と判示した 原則として 一般不法行為の成立を否定する立場である 例外的に一般不法行為が成立する場合が 特段の事情 がある場合である 特段の事情 としては 著作物の利用による利益とは異なる法的に保護された利益を侵害する 場合 など が例示されている 仮に 以下の部分で 営業上の利益 を侵害する場合は かかる利益の侵害があり一般不法行為が成立しうることが示唆されている 営業上の利益 の侵害の有無は 自由競争の範囲を逸脱 しているかどうかで判断されることが示唆されてい 2 / 5

3 る 逸脱 の有無は 放送という利用行為であれば 放送の態様 目的 長さ 著作物の利用割合等の諸要素を衡量して判断することが示唆されている イ一般不法行為の原則否定と著作権法の存在意義について最高裁は 利用行為について著作権侵害が成立しない場合 著作権物の利用による利益 の侵害については 原則として一般不法行為が成立しない という立場に立っている この最高裁の立場は 著作権法の存在意義 1に忠実なものと言える すなわち 著作権法は 情報の利用はそもそも自由であるという前提のもと 創作活動を保護し文化を発展させるため 一定の要件を満たす創作に著作権という法的保護を与える法律である 保護要件を満たさない情報は 基本的には自由に利用できるのである 本件の最高裁の立場は こうした立場に非常に整合的である ウ一般不法行為を成立させる 特段の事情 について ( ア ) 著作物の利用による利益とは異なる法的に保護された利益 について... 最高裁は 著作物の利用による利益とは異なる法的に保護された利益 2 を侵害する場合には 例外的に一般不法行為が成立しうる旨判示している 著作権法の存在意義から考えれば 著作権侵害がないということは その情報は自由に 利用 できることである そのため 不法行為の成立を肯定するために 利用以外の被侵害利益を要求することは きわめて論理的であり自然である 最高裁のこの判示は 一般論としては妥当といえる しかしながら 著作物の利用による利益 という概念は不明確 3であり これと同一の利益か別個の利益かの判断は容易ではない 本件を例として考えると 最高裁は 営業権の侵害 は 著作物の利用による利益 ではないと考えているようであるが このような 営業権の侵害 は 放送 という 著作物の利用 によって生ずるものであり まさに 著作物の利用による利益 そのものではいか という疑問がなお残るのである 4 1 本稿では 著作権法の存在意義を 模倣からの保護と捉えている ただし 著作権法の存在理由は こうした1 創作へのインセンティヴの観点ののみならず 2 自然権アプローチによって説明される場合もある 2 法的に保護された利益 という文言は 大学湯事件( 大判大正 7 年 9 月 18 日 民集 4 巻 670 頁 ) 以来の被侵害利益の考え方 および平成 16 年改正後民法 709 条の文言に由来するものであり 本件限りで何か特段の意義を有しているものでないと思われる 3 不明確性が生じた原因は 著作物の利用による利益とは異なる法的に保護された利益 とい.. う 被侵害利益 の判断に 著作物の利用 という 行為態様 に依存する概念を持ち込んでいるためと考えられる 4 こうした判断の困難さについては 著作権の利用による利益とは異なる法的に保護された利益 の有無の判断基準を確立することで 明確化が可能であろう 情報の利用が著作権法上自由であるからと言って およそ態様や内容を問わず すべての利用行為が自由になるとは考えられない ( 自由競争を逸脱した 営業権侵害 や 取引通念上許容できない 背信行為 があった場合等 ) 私人が自由に行為できる私的自治の下にあることを考慮 3 / 5

4 ( イ ) その他 特段の事情 が肯定される場合 など の文言から 最高裁は 上記の営業権が侵害される場合以外にも 特段の事情 が肯定される場合があり得ることを示唆している ただし具体的にどのような場合に 特段の事情 が肯定されるのかは 判決文からは不明である エ本判決の射程本判決は 文言上は 著作権法 6 条の著作物に当たらないという理由で著作権侵害が否定された場合についての判示である しかしながら 本判決の立場は 著作権法の存在意義から導かれるものである 同様の意義が妥当する限りで 他の理由で著作権が認められない場合についても広く及ぶものと考えられる (2) 従前の下級審裁判例との関係ア従前の下級審裁判例従前の下級審裁判例は 一般論としては例外的に一般不法行為が成立する余地を肯定しながらも 事案の解決としては一般不法行為の成立を否定する例が多かった 例えば 一般論としては 取引における公正かつ自由な競争として 許される範囲を甚だしく逸脱 した場合 ( 木目化粧事件控訴審 東京高判平成 3 年 12 月 17 日 判時 1418 巻 120 号 ) や 当該行為が市場において利益を追求するという観点を離れて 殊更に相手方に損害を与えることのみを目的としてなされたような特段の事情 がある場合 ( サイボウズ事件本案 東京地裁平成 14 年 9 月 5 日 判時 1811 号 127 頁 ) などに一般不法行為が成立するとの判断が示されていた 事案の解決として一般不法行為の成立を肯定した例は 否定例に比べると少ない 肯定例としては前掲木目化粧事件控訴審 5 等がある 6 以上の通説的な下級審裁判例とは異なる流れとして 積極的に一般不法行為を認めたものと評価される裁判例がある YOL ライントピックス事件 ( 知財高判平成 17 してもなお 著作権以外の理由で私人の行為を違法と評価できるのであれば 一般不法行為を認めてよいのではないか 著作権の利用による利益とは異なる法的に保護された利益 の有無は こうした観点から判断すべきと考える 本件についてこの考え方を敷衍すると 営業権侵害 の有無を検討して一般不法行為の成否を判断する考え方は妥当であり 自由競争の範囲を逸脱 の有無を検討している一般論までは妥当である しかし 逸脱 の有無を検討するために 放送の態様 目的 長さ等 専ら著作物にかかる事情のみを衡量している部分には疑問が残る 著作権とは異なる 営業権 の問題であるから 両当事者の営業の観点からの当該行為の位置づけや 当該行為が営業に与える影響等が主たる衡量要素とされるべきである さらに どのような事情まであれば 逸脱 があるのかの判断基準が判然としない点も問題である 5 デッドコピーの事案であり かつ不正競争防止法 2 条 1 項 3 号 ( 商品形態模倣規制 ) 制定前の事案である 現在であれば 一般不法行為以外にも 同条項で損害賠償請求が可能である 6 従前の裁判例については 山根崇邦 著作権侵害が認められない場合における一般不法行為の成否 - 通勤大学法律コース事件 - 知的財産法政策学研究 18 巻 249 頁以下 田村善之 新世代知的財産法政策学の創成 10 頁以下 後者は 他の法理 ( 商品等主体混同法理 不当廉売等 ) で説明可能なものを除けば デッドコピーの事案と保護の欠缺が頻繁に指摘されている成果物の事案以外では ほとんど一般不法行為が否定されていると指摘している 4 / 5

5 年 10 月 6 日 第一審は東京地判平成 16 年 3 月 24 日 判時 1857 号 108 頁 ) および通勤大学法律コース事件 ( 知財高判平成 18 年 3 月 15 日 第一審は東京地判平成 17 年 5 月 17 日 判時 1950 号 147 頁 ) である 7 イ本件の位置づけ本判決は 一般不法行為の成立を否定することが多かった従前の下級審裁判例の実務の流れを敷衍するものと言える 例外的に一般不法行為の成立を認める場合の判断基準についても 自由競争の範囲を逸脱 したかどうかという基準を採用しているが これは木目化粧事件控訴審等の下級審の判断基準を是認したものと言える 他方で 本判決は YOL ライントピックス事件や 通勤大学法律コース事件とは 流れを異にする これらの下級審裁判例は 例外的な判断であったと評価することになると思われる ウ今後の裁判例への影響利用行為について著作権侵害が成立しない場合の一般不法行為の成否については 今後 特段の事情 にどのようなものが含まれるか についての裁判例が積み重なることが予想される 例えば 従前の下級審裁判例が指摘するような 殊更に相手方に損害を与えることのみを目的として 利用行為を行う場合が これに含まれるかどうか などが問題となろう (3) 本件の今後の実務への影響本件により 利用行為が著作権侵害とならない場合には 原則として一般不法行為が成立しないことが明確となった 著作物の利用に関する損害賠償請求の可否を検討するに際しては 1 著作権侵害の有無を中心として 2 営業権侵害の有無 (= 自由競争からの逸脱の有無 ) や 加害目的のみでの行為の有無等の 特段の事情 の有無を検討することになろう もっとも本件判決は従前の下級審裁判例の流れを敷衍するものであるため 本件判決自体を契機として実務が大きく変更されるとは考えにくい 一般不法行為の成否が問題となる 特段の事情 にどのようなものが含まれるのかについて今後も注視する必要がある 以上 7 これらの判決は いずれも当時知財高裁 4 部の塚原朋一裁判長の裁判体により出された判決である 前掲田村 25 頁は これらの判決を 知財高裁第 4 部の挑戦 と銘打っている 5 / 5

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