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1 作成 : 群馬大学電気電子教員 電子回路設計 OP アンプ (2) 小林春夫 桑名杏奈 koba@gunma-u.ac.jp Tel: オフィスアワー : AM9:~AM:( 平日 ) 電気電子棟 (3 号館 )4F 44 室 電子回路設計

2 授業の内容 第 回講義内容の説明と電子回路設計の基礎知識 第 2 回キルヒホッフ則を用いた回路解析と演習 第 3 回集積回路のデバイス モデル 第 4 回 Bipolar トランジスタの基礎 () 第 5 回 Bipolar トランジスタの基礎 (2) 第 6 回 MOS トランジスタの基礎 () 第 7 回 MOS トランジスタの基礎 (2) 第 8 回中間テスト 第 9 回 MOS トランジスタの基礎 (3) 第 回 OP アンプ () OP アンプ (2) 第 回 OP アンプ (3) OP アンプ (4) 第 2 回電源回路 第 3 回高周波回路 電子回路設計 2

3 オペアンプの使用法 (6)2 入力電圧の加算 VinA VinB I A in in - + o A A I B = H22/7/3 電子回路設計 3

4 オペアンプの使用法 (6)2 入力電圧の加算 VinA VinB I A in in I B - + o A A I I A B V out V V ina in inb in o (I A I B ) = - o in (VinA + VinB) 電子回路設計 4

5 オペアンプの使用法 (7)2 入力電圧の減算 VinA VinB I A I B v y v x A 2 A = 電子回路設計 5

6 オペアンプの使用法 (7)2 入力電圧の減算 VinA VinB I A I B v y v x A 2 A I I A B V x V V V ina inb y V V y x V V y x 2 V 2 out = - 2 (VinA - VinB) 電子回路設計 6

7 オペアンプの使用法 (8) 複数入力電圧の積和演算 VinA VinB VinC A B C - + o A A VinD D = 電子回路設計 7

8 オペアンプの使用法 (8) 複数入力電圧の積和演算 VinA VinB VinC A B C - + o A A VinD D VinA A VinB B VinC C VinD D = - o ( ) 電子回路設計 8

9 オペアンプの使用法 (9) 積分回路 I Vin(t) Vim Vip - + A C (t) A 電子回路設計 9

10 オペアンプの使用法 (9) 積分回路 I Vin(t) Vim Vip - + A C (t) A (t) = j C Vin jc t d Vin( t) C Vin 電子回路設計

11 オペアンプの使用法 () 微分回路 I Vin(t) C Vim Vip - + A (t) A 電子回路設計

12 オペアンプの使用法 () 微分回路 I Vin(t) C Vim Vip - + A (t) A jc Vin jcvin (t) = - C d dt Vin (t) 電子回路設計 2

13 OP-Amp によるアクティブ フィルタ フィルタ (Filter): 必要とする周波数帯域の信号のみを通過させ それ以外の帯域の信号を減衰させる回路である 通過域 (Pass Band): 通過させる周波数範囲 ゲイン 減衰域 (Attenuation Band): 通過させない周波数範囲. 従来 LC フィルタは広く実用されたが近年 集積化のため Tr,,C など IC か可能な素子と AMP を用いたフィルタが実用されてきている このようなフィルタはアクティブ フィルタという 通過域減衰域 周波数 電子回路設計 3

14 フィルタの種類 ゲイン 通過域に範囲によって フィルタは 4 種類に分類される :. 低域通過フィルタ (Lowpass Filter) 2. 高域通過フィルタ (Highpass Filter) 3. 帯域通過フィルタ (Bandpass Filter) 4. 帯域除去フィルタ (Band Elimination Filter) ゲイン ゲイン ゲイン 周波数 周波数 周波数 周波数 電子回路設計 4

15 フィルタの伝達関数 フィルタの特性は 伝達関数を用いて表される G(j) N(j) D(j) 2 n a a(j) a 2(j) a n (j) (k 2 k b b (j) b (j) a (j) 2 k n) N(jω) は分子多項式 D(jω) は分母の多項式である N(jω)= の解は伝達関数のゼロ点で D(jω)= の解は伝達関数の極である N(jω) と D(jω) の次数により フィルタの種類が決められる 電子回路設計 5

16 低域通過フィルタ (LPF) G(jω) 理想の LPF 通過域 伝達特性 fc 近似の LPF 減衰域 次 LPF 伝達関数 2 次 LPF 伝達関数 実際の LPF Frequency 直流からある周波数まではゲインは一定の値である 周波数が fc 以上に増加するとゲインは低下する fc はゲインの 3dB 減少する周波数である 遮断周波数 ( カットオフ周波数 ) という G(j) G(j) H H j (j) 2 Q 2 j 2 電子回路設計 6

17 復習 Z2 Vin Z - + Vin 電子回路設計 7

18 復習 Z2 Vin Z - + Vin Z2 Z 電子回路設計 8

19 次 LPF 回路 2 Vin - C + Vin 電子回路設計 9

20 次 LPF 回路 2 Vin - C + Vin 2 //( jc) 2 j 2 C ( jc) ( jc) j 2 C 電子回路設計 2

21 次 LPF 回路 ( 比較 ) Vin C Vin C Vin 2 j C 2 Vin jc 電子回路設計 2

22 一次 LPF のボード線図 ゲイン 2 log A[dB] H [db] Vin H H 2, j log(ω ) -3 db C 2-2dB/Dec log(ω) 位相 θ -π/4 -π/2 Log(ω) 電子回路設計 22

23 一次 LPF のボード線図 ゲイン 2 log A[dB] H [db] 位相 θ -π/4 -π/2 Vin H H 2, j log(ω ) -3 db C 2-2dB/Dec log(ω) Log(ω) のとき H Vin 2 のとき Vin H H exp j のとき Vin 電子回路設計 23 j j H H exp j 2

24 まとめ OP アンプによる演算回路 OP アンプによるアクティブフィルタ 講義資料 : 電子回路設計 24

25 25 付録 周波数応答法 安定な線形時不変システムの解析 設計に強力な手法 制御だけでなく電子回路 通信分野等 他分野でも広く用いられている 周波数領域からのアプローチ 数学的には Fourier 変換と密接な関係 システム表現として 周波数伝達関数 ボーデ線図 ベクトル線図と密接な関係

26 26 周波数応答法 安定な線形 時不変システム 入力 x(t)=k cos (ωt) システム 出力 y(t)= A k cos (ωt+θ) 余弦波を入力し十分時間が経つと 出力 y(t) は余弦波となる

27 27 周波数応答法 入力 : x(t)=k cos (ωt) 出力 : y(t)= A k cos (ωt+θ) 出力周波数 ω: 入力と同じ 出力振幅 A k: 一般に入力と異なる (A =), また ω の関数 A(ω) 出力振幅 A k 入力振幅 k = ゲイン A 出力位相 θ: 一般に入力と異なる (θ=) また ω の関数 θ(ω)

28 28 システムの周波数応答表現 ある安定 線形 時不変システムの特性をそのシステムの全てのω (<ω< ) に対する A(ω) θ(ω) で表す 周波数応答表現 入力 システム 出力 全ての ω (<ω< ) に対する A(ω),θ(ω) のデータ ( 注 ) 余弦波 正弦波は電気的 機械的に発生しやすいので便利

29 ネットワーク アナライザによる電子回路の周波数伝達関数測定 H22/7/3 電子回路設計 29

30 周波数伝達関数 3

31 周波数伝達関数とガウス平面 () F. Gauss H22/7/3 電子回路設計 3

32 周波数伝達関数とガウス平面 (2) H22/7/3 電子回路設計 32

33 周波数伝達関数直交座標と極座標 H22/7/3 電子回路設計 33

34 オイラーの公式 H22/7/3 電子回路設計 34

35 レオンハルト オイラー Leonhard Euler スイス生まれの数学者 物理学者 天文学者 ロシアのサンクト ペテルブルクやドイツのベルリンで活躍 8 世紀最高の数学者 ガリレオ ガリレイ アイザック ニュートン アルベルト アインシュタインとも比較される 物理学者ファインマン : オイラーの公式を 宝石 かつ 数学においてもっとも特筆すべき公式 と評価 オイラーを読め オイラーを読め オイラーは我々すべての師だ! ( ラプラス ) H22/7/3 電子回路設計 35

36 周波数伝達関数の図表現 ボーデ線図 (Bode chart) H. Bode ベル研で活躍 36

37 37 宿題 ラプラス変換の使用 問. 次のシステムの伝達関数を求めよ 問 2. インパルス応答を求めよ 問 3. ステップ応答を求めよ + + 入力 x(t) C y(t) - - 出力 Pierre-Simon Laplace 初期値 y() =

38 38 伝達関数の求め方 I(t) + + 入力 x(t) y(t) C - - 出力 I(t) = x(t) y(t) Q(t) = C y(t) t Q(t) = I(p) dp d y(t) + C y(t) = x(t) dt Y(s)+ C s Y(s) = X(s) Y(s) G(s) = X(s) = +s C

39 39 インパルス応答の求め方 G(s) = +s C x(t) = δ(t) のとき X(s) = Y(s) = G(s) X(s) = = +s C (/C) (/C) +s y(t) = C y(t) (t<) C exp (- t/(c)) (t>) t

40 4 ステップ応答の求め方 G(s) = +s C x(t) = (t<) のとき (t>) X(s) = s (t<) y(t) = - exp (- t/(c)) y(t) (t>) Y(s) = G(s) X(s) = = +s C s s (/C) +s t

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