実験操作方法

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1 実験操作方法 A. サンプル ( 菌液 ) の調製検出目的の菌種に適した方法でサンプル調製を行い 最終的に100μl 程度の菌懸濁液を用意してください このサンプル液のうち40μlを B.EMA 処理 に使用します 残りは氷上もしくは4 で保存し EMA 処理なしサンプルを用意するために40μlを B.EMA 処理 8) 加熱殺菌 ( 不活化処理 ) の操作を行った後 C. 核酸抽出 に使用します なお 菌液に不純物が多く含まれると EMA 処理で光照射が不十分になることがありますので サンプル調製の際にできる限り不純物を除去してください B.EMA 処理 Viable Bacteria Selection Kit for PCR (Gram Negative)( 製品コード7700) もしくは Viable Bacteria Selection Kit for PCR (Gram Positive)( 製品コード7705) を用いた実験操作 必要な試薬など Viable Bacteria Selection Kit for PCR (Gram Negative) ( 製品コード7700) もしくは Viable Bacteria Selection Kit for PCR (Gram Positive) ( 製品コード7705) 本製品は グラム陰性菌もしくはグラム陽性菌を対象としてEMA-PCRを行うための前処理用キットです 対象とする細菌のEMA 処理条件を最適化し 効率よく死菌由来 DNAの修飾を行うことで リアルタイムPCRやエンドポントPCRにより 生菌由来 DNAのみを選択的に検出する系を構築することができます キットの内容 (100 検体分 ) Gram Negative 1. Solution A-gn * 250μl 4 2. Solution B-gn ** 200μl 8 Gram Positive 1. Solution A-gp * 500μl 2 2. Solution B-gp ** 200μl 8 3. Dilution Buffer 1 ml 8 Solution A Solution B * 核酸修飾反応の促進試薬です 前処理操作の成否を確認するためのプラスミドDNA を含みます ** 選択的膜透過性色素 (EMA) を含む溶液です 光による化学反応により物質性状が変化し 核酸修飾能力が減衰しますので 遮光に留意してください -20 で保存する際には アルミパックに入れて下さい 実験操作中は アルミホイル等で覆い できるだけ光に当てないよう注意してください

2 実験操作 1. 準備 [ 作業エリアの確保 ] 作業エリアを消毒用エタノールで拭き コンタミネーション等を予防する [ 実験器具等の準備 ] 手袋をはめる アイスボックスに氷を用意する ヒートブロックの準備 (95 ) 2.EMA 処理 グラム陽性菌の場合は必ず低温 (4 もしくは氷上 ) で操作すること 1) グラム陽性菌の場合 必要に応じてSoution B-gp をDilution Buffer で希釈する ( 用時調製 ) 2) 用意した検体を 1.5 mlチューブに40μl 量り取る 3) Solution A-gn/gp 10μlを添加し 混合する 短時間の緩やかなボルテックス もしくは数回のタッピングで混合する 卓上型小型遠心機で軽くスピンダウンする 4) Solution B-gn/gp *1 5μl を添加し 混合する 短時間の緩やかなボルテックスもしくは数回のタッピングで混合する 卓上型小型遠心機で軽くスピンダウンする *1 Solution B-gn/gp は アルミホイル等で覆い できるだけ光に当てないよう注意してください 5) 遮光して 5(~15) 分間静置する アイスボックスの蓋やアルミホイルで遮光すること 6) 光照射装置 LED Crosslinker 12にセットし 光照射 *2 する ( 照射時間の例 ) *3 EMA 処理を1 回のみ行う場合 : 15 分間光照射する *2 EMA 処理を複数回行う場合 : 各回の処理で5 分間光照射を行い 最後の回のみ15 分間光照射する *2 グラム陽性菌の場合 光照射は 4 ( もしくは氷上 ) で行います その際 光照射装置の AC アダプターが結露すると 感電や火災の恐れがありますので 結露しないように注意してください *3 ハロゲンランプを使用する場合は 光照射は 5 分間で行って下さい 7) サンプルをスピンダウンする 8) ヒートブロックにより各菌種に適した条件 (95 5 分間など ) で加熱殺菌 ( 不活化処理 ) する

3 C. 核酸抽出 NucleoSpin Tissue XS を用いた DNA 抽出 必要な試薬など 1. EMA 処理をしたサンプル 55~65μl 準備してください 2. EMA 処理をしていないサンプル ( 比較対象として使用 ) 滅菌水 15~25μl を添加し 1の EMA 処理をしたサンプル に液量を揃える B.-2.-8) の加熱殺菌と同様の処理を行う 3. NucleoSpin Tissue XS ( 製品コード /.50/.250) NucleoSpin Tissue XSは 組織 血液 細胞などの微量 少量サンプルからゲノムDNAを精製するキットである シリカ膜技術をもとに 革新的なカラム構造により 従来キットを超えた微量なサンプルへの対応が可能となった 本製品は 漏斗状リングにセットされた小径のシリカ膜を特長としている この構造により 小さい膜領域に正確にサンプルをアプライすることができ さらにわずか5~30μlという少量での溶出が可能である NucleoSpin Tissue XSは LCM 組織 生検サンプル 血液痕 口腔粘膜 法医学サンプル FFPE その他微量サンプルに利用できる 4. 特級エタノール (>96%) 5.20 mg/ml lysozyme in 20 mm Tris-HCl, 2 mm EDTA, 1% Triton X-100 (ph8.0)( グラム陽性菌の場合 ) 実験操作 1. 準備 [ 試薬調製 ] 製品コード (50 回用 ) の場合 Proteinase K( 凍結乾燥品 ) に Buffer PB 1 ml を加え溶解する ( 溶解後の Proteinase K 溶液は -20 で保存 ) Wash Buffer B5 (2 ml) に 特級エタノール (>96%) 8 ml を加える [ 作業エリアの確保 ] 作業エリアを消毒用エタノールで拭き コンタミネーション等を予防する [ 実験器具等の準備 ] 手袋をはめる ヒートブロックの準備 (37 * ) 初めは 37 にセットし 37 での処理が終了したら 設定温度を 56 に変更する また 56 での処理が終了したら 設定温度を 70 に変更する * グラム陰性菌の場合は 37 は必要なし 56 からセットする

4 2. 操作フロー グラム陰性菌 NucleoSpin Tissue XS ( 製品コード /.50/.250) の場合 試料溶液 55~65μl Buffer T1 を 160μl 添加軽く混合し スピンダウン ( 数秒 ) Proteinase K を 16μl 添加ボルテックスにより混合 (2 5 秒 ) し 軽くスピンダウン ( 数秒 ) 56 インキュベーション :10 分 軽くスピンダウン ( 数秒 ) Buffer B3 を 160μl 添加ボルテックスにより混合 (2 5 秒 ) し 軽くスピンダウン ( 数秒 ) 70 インキュベーション :5 分後 ボルテックス 室温に戻ったことを確認し 軽くスピンダウン ( 数秒 ) 特級エタノール (>96%):160μl 添加ボルテックスにより混合 (2 5 秒 ) し 軽くスピンダウン ( 数秒 ) ライセート完成カラムを 2 ml チューブにセットし カラムにライセート全量を添加 ( ライセート中の凝集物が生じた場合は 凝集物ごとカラムへ ) 廃液容器交換 Buffer B5(+EtOH):50μl 廃液を除く 廃液容器を 1.5 ml チューブに交換 Buffer B5(+EtOH):50μl 遠心 * :11,000 g 2 分 室温 ゲノム溶出 Buffer BE:20μl * カラム上部に液が残っていないことを確認してください 残っている場合 追加で遠心を行い完全に除去してください 溶出液 ( ゲノム DNA) 回収 PCR/ リアルタイム PCR へ

5 グラム陽性菌 NucleoSpin Tissue XS ( 製品コード /.50/.250) の場合 試料溶液 55~65μl 20 mg/ml lysozyme in 20 mm Tris-HCl, 2 mm EDTA, 1% Triton X-100 (ph8.0) を 160μl 添加軽く混合し スピンダウン ( 数秒 ) 37 インキュベーション :30~60 分 軽くスピンダウン ( 数秒 ) Proteinase K を 16μl 添加軽く混合し スピンダウン ( 数秒 ) 56 インキュベーション :1~3 時間 ( または一晩 ) 完全溶解 軽くスピンダウン ( 数秒 ) Buffer B3 を 160μl 添加ボルテックスにより混合 (2 5 秒 ) し 軽くスピンダウン ( 数秒 ) 70 インキュベーション :5 分後 ボルテックス 室温に戻ったことを確認し 軽くスピンダウン ( 数秒 ) 特級エタノール (>96%):160μl 添加ボルテックスにより混合 (2 5 秒 ) し 軽くスピンダウン ( 数秒 ) ライセート完成カラムを 2 ml チューブにセットし カラムにライセート全量を添加 ( ライセート中の凝集物が生じた場合は 凝集物ごとカラムへ ) 廃液容器交換 廃液を除く 廃液容器を 1.5 ml チューブに交換 Buffer B5(+EtOH):50μl Buffer B5(+EtOH):50μl 遠心 * :11,000 g 2 分 室温 ゲノム溶出 Buffer BE:20μl * カラム上部に液が残っていないことを確認してください 残っている場合 追加で遠心を行い完全に除去してください 溶出液 ( ゲノム DNA) 回収 PCR/ リアルタイム PCR へ

6 D.PCR/ リアルタイム PCR(qPCR) 検出 C. 核酸抽出 で調製したDNAを鋳型としてPCRまたはリアルタイムPCRを行います 検出目的の細菌を対象としたPCRと共に Control Test Kit(Viable Bacteria Selection)( 製品コードCY290) を用いてEMA 処理成否確認のためのPCRを行うことにより より確実な結果の解釈が可能となります ( 次項 ) 1. PCR/qPCR による生菌由来 DNA 検出 2. EMA 処理成否確認のための PCR 反応 生菌由来 DNA 検出の評価 必要な試薬など 1. EMA 処理を行ったサンプル 2. EMA 処理を行っていないサンプル ( 比較対象として使用 ) 3. PCR/ リアルタイム PCR 試薬 実験操作別冊 リアルタイム PCR による遺伝子迅速検出 や 各製品の説明書をご参照ください [ 操作フロー ] 1. PCR/qPCR 用増幅装置のセッティング 2. 反応液を調製し 反応開始 3. 検出 リアルタイムPCR エンドポイントPCR 画面上にリアルタイムで増幅曲線が表示される反応終了 反応終了アガロースゲル電気泳動で確認 判定判定

7 E.EMA 処理の成否確認のための PCR 反応 Viable Bacteria Selection Kit for PCR シリーズの試薬コンポーネントには EMA 処理反応の成否を確認するためのプラスミド DNA があらかじめ添加されており 検体に対して前処理が正しく行われた場合 このプラスミド DNA も同時に修飾を受け PCR 増幅できない状態になります したがって プラスミド DNA 上の領域をターゲットとして PCR 増幅を行うことで EMA 処理操作が阻害を受けずに行われたかどうかを確認することができます EMA 処理をしたサンプルに対し Control Test Kit(Viable Bacteria Selection)( 製品コード CY290) を使用すれば EMA 処理が 検体成分などに由来する反応阻害を受けることなく正しく行われたかどうかを確認することができます 必要な試薬など 1. EMA 処理を行ったサンプル検体の懸濁液を用意し Viable Bacteria Selection Kit for PCR シリーズによる EMA 処理を行った後 NucleoSpin Tissue XS 等による DNA 抽出を行ったもの ( 操作方法は 本書や各製品の説明書を参照 ) 2. Control Test Kit(Viable Bacteria Selection)( 製品コード CY290) 増幅産物の検出はリアルタイム PCR(qPCR: サイクリングプローブ法で検出 ) エンドポイント PCR( アガロースゲル電気泳動で検出 ) のどちらでも行うことができます キットの内容 (25μl 反応 50 回分 ) 1. 2 Cycleave Reaction Mixture *1 2 conc. 625μl 2. Primer/Probe Mix *2 5 conc. 250μl 3. dh 2 O 1 ml 4. Positive Control *3 125μl * 1 : 酵素 バッファー dntp mixture を含む qpcr/pcr 反応試薬です * 2 : 蛍光標識プローブを含んでいますので 遮光に留意してください * 3 : Viable Bacteria Selection Kit for PCR シリーズに添加されているものと同一のプラスミド DNA です 本製品による PCR 増幅対象領域は 既知の微生物ゲノム DNA と顕著な相同性を有していないことを確認しています

8 実験操作反応液組成はリアルタイムPCR エンドポイントPCRで共通です PCR 反応の詳細は 製品説明書をご覧ください 1) 鋳型以外のマスターミックスを 必要本数 +α 調製し 反応チューブに分注し 軽くフタをする ( サンプルの反応以外に Positive Control およびNegative Control 反応も必ず行う ) Positive Control 反応 : キットに添付のPositive Control(PC) を添加する Negative Control 反応 : キットに添付のdH 2 Oを添加する < 反応液組成 > 液量 (1 反応 ) 2 Cycleave Reaction Mixture Primer / Probe Mix (5 conc.) dh 2 O total 12.5μl 5μl 2.5μl 20μl 2) 分注済チューブのうち Negative Control 反応のチューブに dh 2 Oを5μl 添加し しっかりフタをする 3) 分注済チューブのうち Positive Control 反応のチューブに PCを5μl 添加し しっかりフタをする サンプル反応のチューブに サンプルDNAを5μl 添加し しっかりフタをする 4) 反応チューブを軽く遠心する (3 秒程度 ) 5) リアルタイムPCR/PCR 反応に供し 解析する < 反応条件 > 秒 95 5 秒 秒 45 cycles * * 秒リアルタイムPCRの場合 FAMで検出する [ 結果判定について ] コントロール反応 陰性コントロール反応で Ct 値 (162 bp の増幅産物 ) が得られた場合 コンタミネーションの疑い 陽性コントロール反応で Ct 値 (162 bp の増幅産物 ) が得られなかった場合 反応阻害の疑い 再反応を行う

9 検体サンプルの反応上記コントロール反応で適切な結果が得られた条件下で 1 検体サンプルを鋳型とした反応で Ct 値 (162 bp の増幅産物 ) が得られない場合 EMA 処理操作が正しく行われている EMA 処理を行った検体サンプルでの生菌由来 DNA 検出へ進む 2 検体サンプルを鋳型とした反応で Ct 値 (162 bp の増幅産物 ) が得られた場合 検体に由来する成分が EMA 反応を阻害した可能性が高い 検体からの夾雑物の除去あるいは検体の希釈などを検討する 注意 ) プラスミド DNA と細菌ゲノム DNA とでは EMA 処理の作用が異なる場合があります 各菌種に対する EMA 処理の効果については 予め死菌を用いた条件検討により確認してください [ 反応例 ] リアルタイムPCR 反応の場合 EMA 反応が正常に進んだ場合 EMA 反応が正常に進まなかった場合 エンドポイントPCRの場合 M 1 2 M 1:EMA 処理が正常に進んだ場合 2:EMA 処理が正常に進まなかった場合 M:φX174/Hae III digest 162 bp 2% Agarose L03 Apply volume:5μl

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