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1 JST 新技術説明会 2017 年 10 月 3 日 脳内環境制御による革新的神経再生医療技術 公立大学法人 横浜市立大学 大学院生命医科学研究科生体機能医科学研究室 教授竹居光太郎 kohtaro@yokohama-cu.ac.jp

2 新技術の概要 中枢神経系は再生が極めて困難である 我々が発見した神経回路形成因子 LOTUS は 中枢神経系の再生を阻む主要因である Nogo 受容体と PirB 受容体の双方を抑制する また それとは独立した機構で LOTUS は軸索伸長を促進する これらの神経再生を促進する生理作用を利用した革新的な神経再生医療技術を提供する 従来技術 競合技術との比較 中枢神経系の再生医療技術は主として幹細胞移植による補填技術開発を主として発展してきたが 補填後の再生を阻む脳内環境の制御については未だ十分な方法論が存在しない LOTUS は神経再生を阻む脳内環境を制御することができる唯一の生体物質で 且つ副作用が想定されない内在性物質であるため 発生期の内在性の生理作用を利用する画期的な医療技術と言える 新技術の特徴 神経回路形成因子 LOTUS の生理機能を利用した神経再生医療技術 中枢神経系の再生を阻む脳内環境の制御技術 軸索伸長作用の促進技術 想定される用途 中枢神経系の神経再生医療技術 脳外傷, 脊髄損傷, 脳卒中, 脳炎などによる神経障害に対する治療薬開発

3 中枢神経系は損傷後の再生が極めて困難 国内に 10 万人の脊髄損傷受傷者 1. 交通事故 44% 2. 高所からの落下 29% 3. 転倒 13% 出典日本せきずい基金 根本的な治療法は確立されていない 本邦 : 毎年 5000 人受傷 慢性期患者数 20 万人 世界 : 毎年 20 万人受傷 慢性期患者数 250 万人

4 神経再生を阻む脳内環境 : Nogo 受容体と PirB 受容体 ニューロン 損傷 ミエリン 炎症 グリア瘢痕 再生阻害因子 Nogo-A MAG Omgp BLyS CSPG PirB 受容体 Nogo 受容体 軸索伸長阻害

5 従来技術による神経再生促進法 関連分子の遺伝子欠損によって損傷後の運動機能回復は促進する Nogo 受容体の遺伝子欠損マウス 神経再生阻害因子 Nogo, MAG, OMgp の遺伝子欠損マウス Kim et al., Neuron, 44: , 2004, Cafferty et al., J. Neuroscience, 30: , 2010

6 従来技術とその問題点 従来技術では標的分子の遺伝子欠損や, 標的分子の機能阻害抗体による機能回復の方法があるが, 遺伝子欠損させることはできない 機能阻害抗体では一部の受容体機能しか阻害できない 抗体などの外来性物質の導入では免疫源性を有する などの問題があり, 神経再生を阻む脳内環境を十分に制御するまでには至っていない

7 新技術の特徴 従来技術との比較 従来技術の問題点であった, 再生を阻む脳内環境を制御できることに成功した 従来は標的分子の一部しか制御できなかったが, 主要な標的分子のほぼ全ての機能を内在性生体物質で制御することが可能になった 本技術の適用によって, 再生を阻む脳内環境の制御を可能にし, 幹細胞移植技術などと組み合わせることによって革新的な神経再生医療技術が創成できると期待される

8 本新技術の目的 ( 解決しようとする課題 ) 発生期の神経回路形成因子 LOTUSの生理機能を利用 神経再生を阻む脳内環境の制御 神経再生医療技術の開発

9 LOTUS とは : 発生期の神経回路形成に寄与する分子 wild lotus -/- OB OB LOT LOT OB OB Lateral Olfactory Tract Usher Substance (LOTUS) 細胞膜 500 mm N-terminal C-terminal TM Sato et al., Science, 2011 signal FG-GAP FG-GAP FG-GAP FG-GAP UnvB EGF- ASPIC CB 細胞外 細胞内

10 LOTUS: Nogo 受容体と結合して Nogo 作用を阻止 Nogo LOTUS Nogo receptor-1 Sato et al., Science, 2011 軸索伸長阻止

11 神経再生を阻む Nogo 受容体と神経再生阻害因子群 MAG Nogo CSPG OMgp BLyS Nogo receptor-1 神経再生阻止

12 LOTUS: 強力な内在性 Nogo 受容体拮抗物質 MAG Nogo CSPG OMgp BLyS LOTUS Nogo receptor-1 Kurihara et al., Mol. Cell. Neurosci., 2014 Kurihara et al., Neurosci., 2017 神経再生阻止

13 LOTUS は Nogo 受容体と PirB 受容体の双方を機能抑制する ニューロン 損傷 ミエリン 炎症 (?) グリア瘢痕 再生阻害因子 Nogo-A MAG Omgp BLyS CSPG PirB Nogo 受容体 軸索伸長阻害 LOTUS 神経再生の促進

14 まとめ : LOTUS の生理機能 1) LOTUSは, 中枢神経系の再生を困難にする主要因である Nogo 受容体とPirB 受容体の双方の機能を抑制する 再生を阻む脳内環境の抑制因子として機能する 2) LOTUS は, 神経細胞に対して軸索伸長作用を有する 軸索再生の促進因子として機能する

15 LOTUS の生理機能の応用 Nogo 受容体と PirB 受容体に対する拮抗作用 + 軸索伸長作用 神経再生促進医療技術への応用

16 Relative Intensity ( 平均値 ) 問題提起 : LOTUS は成体の中枢神経系には存在しないのか? 答え : 豊富に存在する 脳梗塞患者の脳脊髄髄液 脳梗塞 control Marker LOTUS では, なぜ中枢神経系は 再生が困難なのか? 答え : 神経障害を受けると LOTUS が激減する 激減 0.2 LOTUS の補填で再生するか? 0 脳梗塞患者 control

17 治療戦略へ向けた展開 LOTUS 目的 : 神経障害の改善薬 脊髄損傷モデル 視神経損傷モデル 脳梗塞モデル

18 脊髄損傷モデル動物の作製 胸椎 8 9 レベルで脊髄の背側半分を切断

19 LOTUS level (%) BMS score 脊髄損傷モデルマウスにおける自然回復 9 Sham-ope * * Wild type 半減 損傷 Days after SCI 損傷後 ( 日 ) Days after SCI

20 BMS score LOTUS-KO Wild type LOTUS 欠損による自然回復の喪失 9 Sham-ope 28 days after SCI 6 3 Wild type ** ** ** ** ** LOTUS-KO (homo) ** 損傷 Days after SCI 損傷後 ( 日 )

21 BMS score LOTUS-TG LOTUS-KO Wild type LOTUS 過剰発現による運動機能回復 9 Sham-ope 28 days after SCI 6 * ** * * ** ** * ** ** ** LOTUS-TG (homo) LOTUS-TG (hetero) Wild type 3 ** ** ** ** ** LOTUS-KO (homo) ** 損傷 Days after SCI 損傷後 ( 日 ) Hirokawa et al., Scientific Reports, 2017

22 Threshould area (caudal/ rostral) Threshould area (caudal/ rostral) LOTUS 過剰発現による再生神経線維の増加 Wild type HT LOTUS- KO 0.1 HA-LOTUS 0 Wild type lotus-ko (homo) 0.4 Wild type * Merge dorsal LOTUS- TG 0.1 rostral caudal ventral 0 Wild type lotus-tg (homo)

23 マウス視神経損傷モデルの作製

24 LOTUS 遺伝子導入は視神経再生を促進する AAV-LOTUS AAV-GFP-21dpc AAV-LOTUS-21dpc Hirokawa et al., Scientific Reports, 2017

25 Takese et al., PLoS One, 2017 脳虚血モデルにおける LOTUS 過剰発現による軸索再生 Wild type LOTUS-TG

26 まとめ : 神経損傷における LOTUS の効果 1) 脊髄損傷モデルにおいて, LOTUS 過剰発現, または LOTUS タンパク 投与は運動機能回復と神経再生を促進した (Hirokawa et al., 2017) 2) 視神経損傷モデルにおいて, LOTUS 遺伝子導入, または LOTUS タン パク投与は神経再生を促進した (Hirokawa et al., 2017) 3) 脳虚血モデルにおいて, LOTUS の過剰発現は神経再生を促進した (Takase et al., 2017) LOTUS は損傷後の神経再生を促進する

27 技術の効果への期待 神経再生を阻む脳内環境 (Nogo 受容体および PirB 受容体を介する軸索伸長阻害 ) LOTUS LOTUS が抑制する LOTUS が促進する 神経再生 の 促進 軸索伸長の促進

28 今後の課題 脊髄損傷部位 LOTUS LOTUS リコンビナント蛋白質の投与 LOTUS 過剰発現神経前駆細胞の移植 LOTUS 遺伝子導入

29 今後, 慢性期神経損傷に対する LOTUS 製剤の有効性についても検討する 実用化に向けた課題 現在, LOTUS の生物学的活性とそれを応用した神経障害モデル動物における有用性は確認済み しかし, 大量の LOTUS タンパク質を効率良く精製する方法が未解決である 今後, 霊長類での実験研究を進めたい 今後, LOTUS の構造生物学的データを取得し, LOTUS と類似の生物学的活性を有する化合物をスクリーニングすることも視野に入れる

30 企業への期待 LOTUS タンパク質を大量精製する技術を有する企業 霊長類での実験研究を進めるノウハウを有する企業 LOTUS と類似の生物学的活性を有する化合物をスクリーニン グするノウハウを有する企業 慢性期神経損傷に対する治療法として LOTUS の有効性に ついて興味を有する企業 との共同研究を希望します

31 本技術に関する知的財産権 1) 特許出願発明名称 : 神経突起伸長制御タンパク質出願者 : 公立大学法人横浜市立大学出願番号 : 特願 出願日 : 平成 19 年 2 月 7 日登録日 : 平成 24 年 6 月 22 日特許番号 : 第 号 (2) 特許出願発明名称 : 神経突起伸長促進剤出願者 : 公立大学法人横浜市立大学出願番号 : 特願 出願日 : 平成 21 年 2 月 19 日登録日 : 平成 26 年 7 月 25 日特許番号 : 第 号

32 本技術に関するお問い合わせ先 横浜市立大学 研究推進部研究企画 産学連携推進課 中村由希 横浜市金沢区瀬戸 22-2 Tel: , Fax:

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