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1 有機化学反応の基礎 () 芳香族化合物 ) 芳香族化合物の性質 ベンゼンに代表される芳香族化合物は 環構造を構成する原子すべてが p 軌道をもち 隣同士の原子間で p 軌道が重なり合うことができるので 電子が非局在化 ( 共鳴安定化 ) している 芳香族性をもつため 求電子付加反応ではなく求電子置換反応を起こしやすい 全ての炭素が sp ² 混成 π 結合 p 軌道 π 電子がドーナツ状に分布し 極めて安定 ( 共鳴安定化 ) ベンゼン ( 平面構造 ) σ 結合 電子豊富のため 求電子反応が起こりやすいしかも置換反応である, Fe vs 付加 置換 生成しない 芳香族性 ückel 則 ( ヒュッケル則 ) (n+)π 電子をもつ (n= 0,, の整数 ) 環状で共役構造をもつ つまり p 軌道が連続している分子中の芳香族性を示す部分に平面構造をもつ [ ベンゼン以外の芳香族化合物の例 ] ピリジンピロールフランシクロペンタナフタレンインドールアズレン (6π) (6π) (6π) ジエニルア二オン (0π) (0π) (0π) 芳香族性と塩基性 ピロール : 芳香族性をもつために非共有電子対は p 軌道に存在する このため ピロールは塩基性を示さない ピリジン : ベンゼンと同様につのπ 結合をもち 非共有電子対は sp 混成軌道軌道に存在する 塩基性を示す 5 非共有電子対 ( 電子 ) を芳香族性に使用 (p 軌道 ) 5 vs sp ² 混成軌道 ピロール ( 塩基性無し ) 6π 電子 ( 芳香族 ) ピリジン ( 塩基性あり ) 6π 電子 ( 芳香族 ) 芳香族性と軌道 シクロペンタジエニルア二オン : 考え方はピロールと同じ 非共有電子対は p 軌道 ( 芳香族性 ) に存在する フラン : 組の非共有電子対の一方は p 軌道 ( 芳香族性 ) に もう一方は sp 混成軌道軌道に存在する シクロペンタジエニルア二オン 6π 電子 ( 芳香族 ) 5 フラン 5 6π 電子 ( 芳香族 ) 芳香族性に使用 (p 軌道 ) 非共有電子対 sp ² 混成軌道

2 ) 芳香族化合物の反応 () 求電子置換反応芳香環のπ 電子に対する求電子試薬の付加 その後に + が脱離する置換反応 ( 付加 脱離機構 ) 反応試薬は 求電子試薬 (+ 電荷をもつ ) である [ 反応の一般式 ] E 付加 E - + 脱離 E 主に 以下に示す5つの反応がある 反応生成物 反応条件の例 実際の求電子試薬 (E + ) ニトロ化, S + スルホン化 S S, S S + ハロゲン化 ( 臭素化 ), Fe + いずれの反応でも求電子試薬が反応 Friedel-raftsアルキル化 l, All + すべて 求電子置換反応 Friedel-raftsアシル化 l, All + *Friedel-rafts アシル化反応では 酸塩化物の代わりに酸無水物を使用することができる スルホン化のみ可逆反応である * S, S S 希 S ハロゲン化 Friedel-rafts 反応によく用いられる Fe, All は空軌道をもちルイス酸と呼ばれる ( 例 ) + Fe + ー + + Fe l + All ルイス酸求核試薬ルイス酸求核試薬 + All ー 誘起効果と共鳴効果誘起効果 : 二原子間の電気陰性度の差だけで常に考える 結合の極性 (δ + δ ー ) と同じ 共鳴効果 :( 多重結合 )sp 混成あるいは sp 混成炭素に結合している場合に使用する概念 電気陰性度から考える場合と電子移動が矛盾する結果になることがある ( でも問題なし ) 共鳴構造が書ける ( 電子の非局在化を示す ) ことは安定化の要因 一般に 有機化合物に影響する大きさの度合いは 共鳴効果 > 誘起効果ただし 電気陰性度が大きなハロゲンだけは 共鳴効果 < 誘起効果となることに注意誘起効果と共鳴効果から置換基の役割が異なる例 δ + δ δ + δ 誘起効果のみ誘起効果共鳴効果 ( 電子求引性基 ) ( 電子求引性基 )<( 電子供与性基 )

3 一置換ベンゼンの反応性と配向性 () ベンゼン環の電子密度が高いほど反応し易い 電子供与性基 ( 活性化基 ) をもつ 電子密度が高くなる 反応が速い電子求引性基 ( 不活性化基 ) をもつ 電子密度が低くなる 反応が遅い () 配向性はどの反応でも同じ ( 求電子置換反応は試薬に関係なく 全て同じ経路を通るから ) 電子を豊富に持つ位置が反応し易い 非共有電子対があるとき ( 例 : アニソール ) o - X δ - δ - o - δ - p - o, p - 配向性 ( 主に活性化基 ハロゲンのみ不活性化基となる ) 非共有電子対がないとき ( 例 : ベンズアルデヒド ) X δ + δ + m - δ + m - m - 配向性 ( 不活性化基のみ ) 置換基の効果 ー ー S ー ー ー ー ー ー ー F ー ー ー I ー l ー ー ー ( ベンゼン ) ( アルキル ) 反応性大きい メタ配向性不活性化基 オルトーパラ配向性不活性化基 オルトーパラ配向性活性化基 電子求引性基 ( ベンゼンに比べて反応が遅い ) 電子供与性基 ( ベンゼンに比べて反応が速い ) o,p - 配向性で反応はベンゼンよりも早く ( 活性化 ) 進行 ( 例外 ) アルキル基は非共有電子対を もたないが 電子供与基である これは 超共役による 官能基で覚えない o,p - 配向性で反応はベンゼンよりも遅く ( 不活性化 ) 進行 F l I ハロゲンが結合したときだけ m - 配向性で反応はベンゼンよりも遅く ( 不活性化 ) 進行 S

4 () 求核置換反応 ベンゼン環状に - イオン ( マイナスイオン ) または中性分子の非共有電子対が攻撃する ベンゼン環は電子が豊富なため 求核反応は少ない 以下に求核置換反応の典型例を つ示す ベンゼンの求電子置換反応 ( の置換 ) と異なり 出発物のベンゼン環上に電気陰性度の大きなヘテロ原子をもち それが置換されていることに注意する (a) ジアゾニウム塩への反応 (p.0 有機化学 Ⅱ) + に荷電しているが隣接すると窒素分子 ( ) として脱離して生じるカルボカチオン中間体に求核試薬 が反応する (+u 触媒 ) が反応する場合は Sandmeyer( ザンドマイヤー ) 反応と呼ばれる S S - ジアゾニウム塩の合成法 ジアゾニウム塩 カルボカチオン中間体 (b) ベンザイン経由の反応強塩基である a ( ナトリウムアミド ) による脱離反応でベンゼン環上に三重結合を生じる これをベンザイン (benzyne) とよび ベンゼン環を再生するように求核試薬 ( ) による付加を受ける 脱離と付加が連続して起こるので 全体としては置換反応である δ δ + a ベンザイン (c) マイゼンハイマー錯体を経由する反応強力な電子求引性基であるニトロ基の隣の炭素にマイナスイオンができる o-または p- 置換体で起こる m- 置換体では - を安定化できないので起こらない δ - δ + l l マイゼンハイマー錯体 ( ニトロ基によるマイナスイオンの安定化 ) δ - δ + l l 進行しない ( ニトロ基がマイナスイオンに隣接しない = 安定化できない ) () 酸化反応 KMn によるベンゼン環の側鎖炭素での酸化反応 側鎖の長さに関係なく ベンジル位で酸化が起こり 生成物はカルボン酸である ラジカル経由の酸化反応のため ベンジル位に 原子がないと酸化は進行しない KMn ベンジル位 KMn 酸化されない

5 ) 芳香族複素環化合物の求電子置換反応 (p.0 有機化学 Ⅱ) 環を構成する元素として 炭素とそれ以外からなる場合 複素環化合物 ( ヘテロ環化合物 ) とよぶ (p.0) 芳香族性を示す場合は 芳香族複素環化合物 ( 芳香族ヘテロ環化合物 ) と呼ばれる ピロールの共鳴ピロールのすべての炭素原子がマイナス性を帯びる π 過剰系複素環化合物と呼ばれる ピリジンの共鳴 ピリジンの炭素原子がプラス性を帯びる つまり マイナス性が減少するので π 不足系複素環化合物と呼ぶ 以上の共鳴を考えると 求電子置換反応の反応性は以下の通りとなる > > ピロールベンゼンピリジン は求電子置換反応が主に起こる位置 ) 二置換ベンゼンの求電子置換反応二置換ベンゼンの求電子置換反応は 基本的には置換基の配向性の重ね合わせとなる ただし 電子供与性基は電子求引性基よりも影響が大きいことに注意する ( 例 )つ置換基の配向性が一致するとき o-, p- 配向性, S m- 配向性 ( 例 ) 電子供与性基により決まる 電子供与性基 ( )> 電子求引性基 ( ) o-, p- 配向性, S + m- 配向性 ( 例 ) より強い電子供与性基により決まる 電子供与性基としての性質は > である o-, p- 配向性, S o-, p- 配向性 5

6 チェック問題! 問 芳香族性の有無を答えなさい S 問 以下の記述に関して 正しいものには を 誤っているものには をつけ正しく直しなさい (a) ベンゼンの π 結合は sp 混成軌道が重なって形成されている ( ) (b) 芳香族化合物は求電子試薬と付加反応を起こしやすい ( ) (c) 芳香族化合物の代表的な反応は求電子置換反応である ( ) (d) 以下の Friedel-rafts 反応で用いる All はルイス塩基の役割をする ( )(9-0) + l All (e) 上記の Friedel-rafts 反応で l の代わりに酢酸を用いることができる ( )(9-0) (f) スルホン化は可逆反応である ( ) (g) クロロベンゼンは, オルト, パラ配向性である ( ) (h) ニトロベンゼン, 安息香酸, アセトフェノンはすべてメタ配向性である ( ) (i) ベンゼン環に電子供与基が置換すると, 臭素化の反応性は低くなる ( ) (j) ニトロ化反応は以下の順序で起こりやすい ( ) > > (k) ベンズアルデヒドはフェノールよりも求電子試薬との反応が速い ( ) (l) ピロールもピリジンも 非共有電子対は sp 混成軌道に収容されている ( ) (m) エチルベンゼンを過マンガン酸カリウムで酸化すると アセトフェノンが得られる ( ) 6

7 問 芳香族性を示すのはどれか つ選べ (99-0) 5 問 アセトアニリドへの求電子ニトロ化反応の主生成物して 正しいのはどれか つ選べ S 5 問 5 芳香族求電子置換反応において メタ配向性を示す化合物はどれか つ選べ トルエン アニソール ブロモベンゼン アセトアニリド 5 アセトフェノン 問 6 芳香族求電子置換反応の反応性が最も高いものはどれか つ選べ クロロロベンゼン アセトフェノン アセトアニリド ニトロベンゼン 5 トルエン 問 7 求電子ニトロ化反応の主生成物して 正しいのはどれか つ選べ S 7

8 問 8 求電子置換反応が起こりやすい順番として 正しいのはどれか つ選べ A B A > B > A > > B B > A > B > > A 5 > A > B 6 > B > A 問 9 以下の芳香族置換反応のうち 主生成物の構造を正しく示しているのはどれか つ選べ ただし すべての反応は終了後 適切な後処理をしている (98-0) l a S 加熱 問 0 芳香族化合物 A~E の求電子置換反応によるモノブロモ化に関する記述のうち 正しいのはどれか つ選べ (0-0) A B D E A は主に 位で反応する B は主に 位又は 位で反応する は主に 位で反応する D は主に 位で反応する 5 E は主に 位で反応する 8

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