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1 上原記念生命科学財団研究報告集, 25 (2011) 86. 線虫 C. elegans およびマウスをモデル動物とした体細胞レベルで生じる性差の解析 井上英樹 Key words: 性差, ストレス応答,DMRT 立命館大学生命科学部生命医科学科 緒言性差は雌雄の性に分かれた動物にみられ, 生殖能力の違いだけでなく形態, 行動などそれぞれの性の間でみられる様々な差異と定義される. 性差は, 形態や行動だけでなく疾患の発症リスクの男女差といった生理的なレベルの差異も含まれる. 例えばヒトにおいて, 生活習慣病や自己免疫疾患, 各種がんの罹患率などで性差がみられることが広く知られている. これらは男女間のホルモンバランスの違いによって生じると考えられている. しかしながらホルモンが制御する細胞内の遺伝子発現の違いなど, その分子レベルでの原因は明らかとなっていない. 著者はこれまで線虫 (Caenorhabditis elegans) をモデル動物として性差と酸化ストレス応答について研究を行ってきた. 研究代表者はこれまでに線虫の雄が酸化ストレスに対し強い感受性を示すことを初めて見出し, そのストレス感受性は雄の発生に必要な DM ドメイン型転写因子,MAB-3 および GATA 転写因子である ELT-2 に依存することを明らかにした 1). これらの遺伝子は哺乳動物まで広く保存されていること, および哺乳動物においても体細胞レベルの性差が存在することから, 哺乳動物においても DM ドメイン型転写因子と GATA 転写因子による遺伝子発現の制御機構が保存され, 性差を生じる因子として機能していると考え, 解析を行った. 方法 結果および考察 MAB-3 が転写制御を行う遺伝子について,GATA 転写因子 ELT-2 が転写を制御する遺伝子群のプロモーター解析を行い,MAB-3 が結合することが予想されるコンセンサス配列を持つ遺伝子を同定した. さらに,C. elegans 近縁種である C. briggsae および C. remanei のゲノム情報をもとに, 種間で相同性を持つ遺伝子のプロモーター領域を比較することによって線虫種間で機能的であると考えられる MAB-3( および MAB-3 ホモログ ) の結合部位を調べた. この結果リポタンパク質の一種である卵黄タンパク質の前駆体をコードする vit-2, ストレス応答に関与する metallothionein をコードする mtl-1 およびぺプチダーゼをコードする F28A12.4 などのプロモーターにおいて, 種間で共通した MAB-3( および MAB-3 ホモログ ) 結合部位を見出した ( 図 1). 1

2 図 1 線虫種間で MAB-3 結合部位と GATA 結合部位は保存される. 線虫種間で保存された vit-2, mtl-1, および F28A12.4 各遺伝子のプロモーター領域に保存された予想される MAB-3 結合部位と GATA 結合部位 は予想される MAB-3 結合部位 は ELT-2 結合部位を示す Ce: C. elegans Cbr: C. briggsae Cre: C. remanei これにより これら複数種の遺伝子の転写が MAB-3 によって制御されることが予想された また 我々は vit-2 mtl-1 およ び F28A12.4 以外のリポタンパク質 ストレス応答分子 および代謝酵素をコードする複数の遺伝子においても線虫種間での MAB-3 結合部位を見出した (データ示さず) 続いてこれらの候補遺伝子が実際に MAB-3 に依存することによって転写が制 御されるかどうかを検討するために mab-3(e1240) 機能喪失型変異体 および mab-3 遺伝子過剰発現型トランスジェニック線 虫を用いリアルタイム PCR を行い 各遺伝子の発現量を比較した この結果 野生型において候補遺伝子は雄で転写量が減 少し mab-3(e1240) 機能喪失型変異体では転写量が野生型と比較し有意に増加した 図2 A また mab-3 トランスジ ェニック線虫では候補遺伝子の転写量が有意に減少した 図2 B 2

3 図 2 MAB-3 が vit-2, mtl-1 および F28A12.4 遺伝子の転写をネガティブに制御する. 野生型雌雄同体および雄 mab-3(e1240) 雌雄同体および雄における vit-2, mtl-1 および F28A12.4 各遺伝子の発 現量 (A) 野生型雌雄同体に mab-3 遺伝子を過剰発現させたトランスジェニック系統における vit-2, mtl-1 および F28A12.4 各遺伝子の発現量 (B) 以上の結果からプロモーターに MAB-3 結合部位を持つ vit-2 mtl-1 F28A12.4 といった遺伝子が MAB-3 による転写制 御を受けることを明らかにした さらにリアルタイム PCR によって ELT-2 をコードする遺伝子の転写が MAB-3 によって抑制さ れることを確認した 図3 A 以上の結果より MAB-3 がリポタンパク質 ストレス応答因子 消化酵素といった多岐にわた る標的遺伝子の転写をネガティブに制御するとともに 標的遺伝子の転写を正に制御する ELT-2 自身の転写を抑制することが 示唆された 図3 B 3

4 図 3. MAB-3 と ELT-2 による線虫遺伝子の発現制御. リアルタイム PCR による野生型雌雄同体および雄,mab-3(e1240) 雌雄同体および雄における elt-2 遺伝子の発現量 (A). 線虫における MAB-3 と ELT-2 による転写制御の模式図 (B). 続いて我々は哺乳動物において DMRT および GATA を介した転写調節が行われているかについて解析を行った. これまでに生殖系以外での dmrt 遺伝子の発現および性差についての報告はなかった. そこで, 雌雄それぞれの 12 週齢マウスの各臓器 器官から RNA を抽出し,RT-PCR 法によって各臓器における dmrt 遺伝子のうち dmrt1,dmrt2 および dmrt3 の発現を調べた. その結果, 生殖系以外の体細胞において複数の dmrt 遺伝子の転写がみられ, これら dmrt 遺伝子の発現は組織特異的に性差がみられた ( 図 4 A).dmrt 遺伝子が哺乳動物においても体細胞レベルで発現することが明らかとなった. 特に心臓では dmrt1 から 3 まで発現に大きな差がみられた. この結果, 生殖系の発生のみに関与すると考えられていた dmrt が成体の体細胞でも何らかの機能を持つことが示唆された. また, 線虫で性差がみられた遺伝子のうち,mtl-1 のマウスホモログである Mt1 の発現量の性差をリアルタイム PCR 法によって調べた. その結果, 複数の組織で発現量の性差が観察された ( 図 4 B). 4

5 図 4. マウス dmrt の体細胞における転写, および MAB-3 標的遺伝子のマウスホモログの発現量の性差. 雌雄マウスの肝臓, 心臓, および脳における dmrt1,dmrt2 および dmrt3 の発現. コントロールは gapdh 遺伝子を用 いた (A). 雌雄マウスの肝臓, 心臓および脳における Mt1 遺伝子の発現量比 (B).* P<0.05. しかしながら DMRT の発現と Mt1 転写量の性差について, その関係は十分に明らかではない. 今後, 線虫で見出した標的遺 伝子のマウスホモログの詳細な解析を行うとともに DNA マイクロアレイなどを行い, 組織ごとの遺伝子発現の性差を調べること により, 標的遺伝子の発現と DMRT の関与を明らかにする. さらに, 加齢マウスにおける遺伝子発現の性差や, 生活習慣病モ デルマウス等を用いた DMRT を介した遺伝子発現解析を進めることが必要である. 共同研究者 本研究の共同研究者は, 京都大学大学院生命科学研究科の西田栄介である. 本稿を終えるにあたり, 本研究にご支援を賜り ました上原記念生命科学財団に深く感謝いたします. 文献 1) Inoue, H. & Nishida, E. : The DM domain transcription factor MAB-3 regulates male hypersensitivity to oxidative stress in Caenorhabditis elegans. Mol. Cell. Biol., 30 : ,

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