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1 上原記念生命科学財団研究報告集, 26 (2012) 75. 哺乳類のゴルジ体ストレス応答の分子機構の解明 吉田秀郎 Key words: ゴルジ体, 小胞体, 転写, ストレス応答, 細胞小器官 兵庫県立大学大学院生命理学研究科生体物質化学 Ⅱ 講座 緒言細胞内には様々な細胞小器官が存在して細胞の機能を分担しているが, その存在量は細胞の需要に応じて厳密に制御されており, 必要な時に必要な細胞小器官が必要な量だけ増強される. この細胞小器官の量的調節機構の研究は細胞生物学の根幹に関わる重要な研究課題であるとともに, 細胞小器官が関与する諸々の疾患の病態解明に貢献する社会的にも重要な研究課題である. 研究代表者はこれまでに小胞体の量的調節機構である小胞体ストレス応答の分子機構を明らかにしてきた. 本研究課題では, 新規の研究課題であるゴルジ体ストレス応答の機構解明に挑戦した. 方法 結果および考察 1. 転写因子 TFE3 の活性化機構の解析予備的な実験から, ゴルジ体ストレス時 ( ゴルジ体の機能が不足する状態 ) にゴルジ体ストレス応答によってゴルジ体の機能を担う遺伝子の転写が誘導されることを見いだし, この転写誘導を制御する転写因子 TFE3(transcription factor E3) と転写制御配列 GASE(Golgi apparatus stress response element) を同定した. ゴルジ体ストレスによって TFE3 にどのような分子的変化が起こるかを調べるために TFE3 に対する抗体を作製し, イムノブロットによって解析したところ, 平常時には TFE3 は高度にリン酸化されており, ゴルジ体ストレス時には脱リン酸化が起こることを見いだした ( 図 1).TFE3 に対する蛍光抗体を用いて細胞染色を行ったところ, 平常時には TFE3 は細胞質に存在しているが, ゴルジ体ストレス時には核に局在することがわかった ( 図 2).TFE3 の脱リン酸化と核移行の時間的遷移を詳細に解析したところ, まず細胞質で脱リン酸化が起こり, その後脱リン酸化された TFE3 が核へ移行することがわかった. 部位特異的点変異導入によって TFE3 のリン酸化部位を検索し, リン酸化が起こらないような変異体を作製したところ, この変異体は核に局在することがわかった ( 図 3). 以上の結果より,TFE3 の細胞内局在性がリン酸化状態によって制御されており, 平常時にはリン酸化されて細胞質に繋留されることによって不活性な状態に保たれているが, ゴルジ体ストレス時には脱リン酸化が起こることで核へ移行し, ゴルジ体関連遺伝子の転写を活性化すると結論した. 1

2 図 1. 転写因子 TFE3 は, ゴルジ体ストレス時に脱リン酸化される. ゴルジ体ストレス誘導剤であるモネンシンで処理した HeLa 細胞の抽出液と抗 TFE3 抗体を用いてイムノブロットを行っ た. 図 2. 転写因子 TFE3 は, ゴルジ体ストレス時に細胞質から核へ移行する. モネンシンで処理した HeLa 細胞と抗 TFE3 抗体を用いて蛍光抗体染色を行った. スケールバー :10μm. 2

3 図 3. リン酸化が起こらない変異体 TFE3 は常に核に局在する. 108 番目のセリンをアラニンに置換した TFE3-myc の変異体を HeLa 細胞で発現させ, 抗 myc 抗体を用いて蛍光抗 体染色を行った. スケールバー :10μm. 2. ゴルジ体ストレスの分子的実体の解析小胞体ストレスの分子的実体は, 小胞体内でのフォールディング能力が不足して立体構造形成が未完成のタンパク質が蓄積することである. ゴルジ体ストレスの分子的実体を明らかにするために, ゴルジ体の機能を不足させるような様々な処理を行って, ゴルジ体ストレス応答が活性化されるかどうか調べた. その結果, ゴルジ体でのプロテオグリカンの合成阻害剤である xyloside やゴルジ体での O 結合型糖鎖修飾の阻害剤である Benzyl GalNAc, ゴルジ体のマンノシダーゼ II の阻害剤である swainsonine で処理すると,TFE3 の脱リン酸化や GASE からの転写誘導が起こることがわかった ( 図 4). このことは, ゴルジ体での糖鎖修飾能力が低下するとゴルジ体ストレスが惹起されることを示している. ゴルジ体から細胞膜やエンドソーム, リソソームへの小胞輸送には PI4K(phosphatidylinositol 4-kinase), エンドソームやリソソームからゴルジ体への小胞輸送には PI3K(phosphatidylinositol 3-kinase) や PIKfyve(FYVE fingercontaining phosphoinositide kinase) などのイノシトールリン脂質キナーゼが関与している.PI4K や PI3K の阻害剤である wortmannin や LY294002,PIK-93,PIKfyve の阻害剤である YM で処理すると,TFE3 の脱リン酸化や核移行が観察された. このことから, ゴルジ体以降の小胞輸送能力が低下することによってもゴルジ体ストレス応答が活性化されると考えている. 3

4 図 4. ゴルジ体での糖鎖修飾が阻害されると,TFE3 は脱リン酸化される. sodium chlorate( 糖鎖の硫酸化の阻害剤 ) や xyloside( プロテオグリカン合成の阻害剤 ),benzyl-galnac(o 型糖鎖の合成阻害剤 ),swainsonine( ゴルジ体のマンノシダーゼ阻害剤 ) で処理した HeLa 細胞と抗 TFE3 抗体を用いてイムノブロットを行った. 3. 個体におけるゴルジ体ストレス応答の役割上記の解析はいずれも HeLa 細胞のような一般的な培養細胞を用いた解析であり, 個体においてどのような状況でゴルジ体ストレス応答が活性化されるのか不明であった. 一方, 神経細胞やグリア細胞では突起伸長の際にゴルジ体が重要な機能を果たしていることが知られていた. そこで, 未分化なグリア細胞である C6 細胞を用い, グリア細胞に分化する際にゴルジ体ストレス応答が活性化されるかどうか調べた.C6 細胞を dibutyryl camp で処理することでアストロサイトに, あるいはレチノイン酸で処理することによってオリゴデンドロサイトに分化させると,TFE3 の脱リン酸化が起こることを見いだした ( 図 5). このことは, グリア細胞の分化に伴ってゴルジ体の機能を強化する必要が生じ, ゴルジ体ストレス応答が活性化されたものと考えている. 今後は,TFE3 の発現を抑制した場合にグリア細胞の分化に影響が出るかどうか調べる予定である. 4

5 図 5. グリア細胞への分化時に,TFE3 は脱リン酸化される. C6 グリオーマ細胞をレチノイン酸で処理してオリゴデンドロサイトへ分化させたり,dibutyryl camp で処理してアストロ サイトに分化させた細胞を用いて, イムノブロットを行った. 以上の結果から, 以下の作業仮説を立てた ( 図 6). 平常時には, ゴルジ体の機能は充足しており, 転写因子 TFE3 はリン酸化されて細胞質に繋留されて不活性な状態に保たれている. ところが, 分泌タンパク質の生産量が増加して小胞輸送因子やゴルジ体の糖鎖修飾酵素が不足すると, 分泌タンパク質がゴルジ体に滞留したり糖鎖修飾が未完成の分泌タンパク質が増加したりすること ( ゴルジ体の機能が不足している状態 =ゴルジ体ストレス状態 ) が考えられる. まだ同定されていないゴルジ体ストレスのセンサー分子がこのゴルジ体ストレス状態を感知し,TFE3 の脱リン酸化を誘起する. 脱リン酸化された TFE3 は核へ移行し, 転写制御配列 GASE に結合して小胞輸送因子や糖鎖修飾酵素, ゴルジ体の構造維持因子の遺伝子の転写を活性化する. その結果, ゴルジ体の機能が増強されてゴルジ体ストレスが解消され, 大量の分泌タンパク質が処理できるようになる. このようなゴルジ体ストレス応答はグリア細胞分化をはじめ, 様々な場面で活性化され, 幅広い生理機能に関与していると考えられる. 今回の研究課題によってゴルジ体ストレス応答機構の中心機構は明らかとなったが, 上記の作業仮説にはまだまだ証明できていない部分が数多く存在する. 今後はこれらの諸問題, 特にゴルジ体ストレスのセンサー分子を同定の問題を解決し, そのストレス感知機構を解析することによって, ゴルジ体ストレス応答の全貌を解明する計画である. 5

6 図 6. 哺乳類のゴルジ体ストレス応答の分子機構の作業仮説. 文献 1) Komori, R., Taniguchi, M., Ichikawa, Y., Uemura, A., Oku, M., Wakabayashi, S., Higuchi, K. & Yoshida, H. : Ultraviolet A induces endoplasmic reticulum stress response in human dermal fibroblasts. Cell Struct. Funct., 37 : 49-53, ) Oku, M., Tanakura, S., Uemura, A., Sohda, M., Misumi, Y., Taniguchi, M., Wakabayashi, S. & Yoshida, H. : Novel cis-acting element GASE regulates transcriptional induction by the Golgi stress response. Cell Struct. Funct., 36 : 1-12, ) Taniguchi, M. & Yoshida, H.: Unfolded protein response. Comprehensive Biotechnology, 1.39: ,

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別紙 自閉症の発症メカニズムを解明 - 治療への応用を期待 < 研究の背景と経緯 > 近年 自閉症や注意欠陥 多動性障害 学習障害等の精神疾患である 発達障害 が大きな社会問題となっています 自閉症は他人の気持ちが理解できない等といった社会的相互作用 ( コミュニケーション ) の障害や 決まった手 PRESS RELEASE(2016/09/08) 九州大学広報室 819-0395 福岡市西区元岡 744 TEL:092-802-2130 FAX:092-802-2139 MAIL:koho@jimu.kyushu-u.ac.jp URL:http://www.kyushu-u.ac.jp 自閉症の発症メカニズムを解明 - 治療への応用を期待 九州大学生体防御医学研究所の中山敬一主幹教授 西山正章助教

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