第 39 回神奈川腎炎研究会 膜性増殖性糸球体腎炎に糸球体および細動脈 内皮細胞障害を伴った一例 牧 橋 守 小 野 本 屋 林 武 志1 ヒロコ 1 利 佳1 豊1 和 岸 坂 重 達 彦1 由美子 1 本 尚 登1 松 秀 一2 田 羽 長 鎌 村 場 田 素 貢 子1 泰1 壽1 血圧は 16

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1 第 39 回神奈川腎炎研究会 膜性増殖性糸球体腎炎に糸球体および細動脈 内皮細胞障害を伴った一例 牧 橋 守 小 野 本 屋 林 武 志1 ヒロコ 1 利 佳1 豊1 和 岸 坂 重 達 彦1 由美子 1 本 尚 登1 松 秀 一2 田 羽 長 鎌 村 場 田 素 貢 子1 泰1 壽1 血圧は /80 90mmHg にコントロー はじめに ルされていた 翌年には尿蛋白 4 5g/ 日と増 初回腎生検にて膜性増殖性糸球体腎炎と診断 加しネフローゼ症候群を呈したためステロイ し ステロイド療法により寛解状態にあった患 ド治療を開始した PSL30mg/ 日 以後外来通 者が腎機能障害を伴うネフローゼ症候群を再発 院にて経過観察を行ない 蛋白尿は徐々に減少 したために再度腎生検を行った 初回生検像で したため ステロイド剤を漸減していった 68 軽度にみられた糸球体内皮細胞障害がさらに高 歳時には蛋白尿は 1 2g/ 日 69 歳時には蛋白 度に認められた 膜性増殖性糸球体腎炎では一 尿は 1g/ 日以下となり PSL も 5mg/ 日まで漸減 般に著明な内皮細胞障害を来すことはなく そ した この頃 変形性股関節症に対して整形外 の成因について若干の検討を行った 科に入院し手術を行った しかし退院後 蛋 症 白尿は急増し 4g/ 日以上となり Ccr 40ml/min 例 症 例 70 歳女性 職業 主婦 主 訴 蛋白尿 浮腫 と低下 浮腫も著明となったため再度腎生検を 行った 2 回目 入 院 時 現 症 身 体 所 見 身 長 149cm 体 既往歴 4 回の妊娠 1 回自然分娩 1 回帝王 重 61kg 通 常 52kg 体 温 37.5 血 圧 切開 2 回流産 高血圧症 50 歳頃 下肢 162/80mmHg 脈拍 80/ 分, 整 意識清明 言語 静脈瘤 60 歳時 stripping 施行 変形性股関節 正常 皮膚 乾燥や紫斑はない リンパ節腫脹 症 69 歳時人工関節置換術施行 なし 眼結膜充血や貧血は認めず 甲状腺腫大 家族歴 特記すべきことなし なし 項部硬直なし 胸部 心雑音なし 肺音 嗜好歴 飲酒 喫煙ともになし 清明 腹部 平坦 軟 両下肢に浮腫著明 現病歴 50 歳頃から高血圧にて降圧剤を服 入院時検査所見 入院時検査所見を表 1 表 2 に示す 用していた 60 歳時には血圧 /70 80mmHg と良好であり 尿所見正常 腎機能正 尿所見は蛋白 3+ 潜血 1+ 硝子 顆 常であった 62 歳時に血圧上昇 蛋白尿陽性 粒 上皮円柱を多数認める 尿蛋白定量では となり その後尿潜血も出現し持続した g/ 日であった 血算では RBC / μ 歳時には尿蛋白 3g/ 日以上となったため腎生 l, Hb 7.9 g/dl, Ht 23.3 と高度の正球性正色素 検を行った 1 回目 この時の血圧は 160 性貧血を示していた 凝固系は特記すべき異常 200/60 80mmHg Ccr 74ml/min であった 以 を認めなかった 生化学では TP 5.0 g/dl, Alb 2.9 後食事療法および降圧剤処方を行い 外来での g/dl と低蛋白血症を呈していた LDH 722 IU/l 1 Key Word 血管内皮細胞障害 高血圧 膜性増殖性糸球体腎 北里大学腎臓内科 2 信州大学第一病理学 1 炎

2 腎炎症例研究 20 巻 2004 年 表1 尿一般 沈渣 比重 ph 蛋白 血算 生化学 WBC / μ l 5.0 RBC / μ l 3+ Hb 糖 潜血 1+ RBC WBC 1-3/HPF 3-5/HPF 硝子円柱 + 顆粒円柱 + 上皮円柱 + B-J 蛋白 入院時検査所見 5.0 g/dl Alb 2.9 g/dl 7.9 g/dl T.Bil 0.3 mg/dl Ht 23.3 GOT 18 IU/l Plt / μ l GPT % Reti. FRA% ESR 凝固系 TP PT APTT 9 IU/l LDH T-cho 722 IU/l 281 mg/dl 28 mm/h UN Cr 34 mg/dl 1.44 mg/dl 10.1/10.7sec. 35.7/37.6sec. UA Na 5.8 mg/dl 143 meq/l NAG 14.3 U/L Fib mg/dl K 4.3 meq/l 蛋白定量 4.25 g/ 日 FDP 4.13 μ g/ml Cl 114 meq/l D-DMR 6.17 μ g/ml Ca 7.6 mg/dl IP 3.9 mg/dl 表2 免疫 CRP 入院時検査所見 <30 μ g/dl 内分泌 ADRN 16pg/ml IgG IgA 601 mg/dl 327 mg/dl NORA PRA 515pg/ml 1.4ng/ml/H IgM 66 mg/dl ALDOST C3 84 mg/dl CORT C4 CH50 Haptoglobin その他 Cryoglobulin ANA CIC < μ g/ml 18pg/ml 抗 DNA 抗体 <2 IU/ml 6.5 μ g/dl MPO-ANCA <10EU 23 mg/dl 43 U/ml PR3-ANCA 抗 GBM 抗体 <10EU <10EU 16 mg/dl 抗 CL 抗体 5.3U/ml 抗 CL- β 2GPI 抗体 <1.3U/ml Lupus AC 正常 と高値を示し T-cho 281 mg/dl と上昇していた 腎 臓 超 音 波 右 腎 mm 左 腎 110 腎機能は UN 34 mg/dl, Cr 1.44 mg/dl と中等度の 48mm 皮質輝度は若干亢進 結石 腫瘍等 障害を認めた 電解質には特記すべき異常を認 なし めなかった 免疫では IgG 601 mg/dl, ハプトグ 心 臓 超 音 波 AoD 30mm, LAD 52mm, LVDd/s ロビン 16 mg/dl と低値を示していた 補体は正 60/37mm, IVSth 10mm, PWth 11mm, EF 60% 常範囲内であった 内分泌系は特記すべき異常 LV wall motion は正常 MR 2 度 AR 2 3 度 は認めず その他各種抗体は異常を認めなかっ 左房拡大あり IVC 正常 心嚢液貯留 少量 た 眼科 高血圧性眼底 K-W 2 度 Scheie H2S2 生理検査所見 臨床経過 心電図 HR 78/ 分 整 軸 正軸 移行帯 V4-5 ST-T 変化なし 1 回目の腎生検から 2 回目腎生検入院までの 経過を図 1 に示す 胸 部 X-p CTR 59% C-P angle sharp 肺 野 異 常陰影なし 2

3 第 39 回神奈川腎炎研究会 図 血圧と蛋白尿の推移 1 1 回目生検 250 光顕 図 2 にて糸球体 48 個中 8 個に全節性 200 第1回 腎生検 整外手術 第2回 腎生検 PSL 血圧(torr) 30mg 20mg 硬化病変が認められた メサンギウム細胞の増 殖および基質の増加を認め 分葉化構造が明ら かである PAM 染色 図 3 では二重化構造 15mg 10mg 7.5mg 5mg および内皮下腔の拡大が著明である 拡大した H14 H H13 H12 H12 H12 H11 1 H4. 管では内膜の腫張が著明であり高度の内腔狭小 H10 図 4 細動脈硬化の所見とともに 一部の血.12 0 部分に単球系細胞の侵入を認める 血管病変は 図 1 血圧と蛋白尿の推移 化を認める 蛍光抗体法 図 5 では IgG がフリンジパター ンで局在しており C3 C1q IgM も同様の局在 を示していた 電顕 図 6 では内皮下腔の拡大が著明で内 皮下およびメサンギウム領域に沈着物を認め る 単球系細胞の侵入を認める 2 2 回目生検 光顕 図 7 にて糸球体 48 個中 30 個に全節 性硬化病変が認められた 1 回目の生検と比較 し全体的にメサンギウム細胞の増殖および分葉 化構造が著明であり 一部 係蹄構造が失われ ている部分を認める また細動脈の内膜肥厚が 著明である 間質の細胞浸潤は 1 回目に比べ高 図 2 第 1 回目腎生検 HE 染色 度であった PAM 染色 図 8 では内皮下腔 の拡大が著しく この拡大した部分に多数の単 球系細胞が侵入していた また細動脈 図 9 には内膜の著明な拡大を認める 蛍 光 抗 体 法 図 10 で は IgG が フ リ ン ジ パターンで局在していた これを拡大すると 図 11 IgG が線状様に局在して見える C3 C1q IgM も同様の局在を示していた 電顕 図 12 では内皮細胞の腫大と内皮下 腔の浮腫性膨化が著明であった 内皮下には単 球系細胞の侵入を認めた 一部 メサンギウム 細胞の間入像を認めた 別の糸球体 図 13 では内皮下の浮腫性膨化が明らかであった 図 3 第 1 回目腎生検 PAM 染色 蛋白尿(g/日) 組織所見

4 腎炎症例研究 20 巻 2004 年 図 4 第 1 回目腎生検 HE 染色 図 5 第 1 回目腎生検 図6 図7 蛍光抗体法 IgG 第 1 回目腎生検 電顕 4 第 2 回目腎生検 HE 染色 図8 第 2 回目腎生検 PAM 染色 図9 第 2 回目腎生検 PAM 染色

5 第 39 回神奈川腎炎研究会 図 10 第 2 回目腎生検 蛍光抗体法 IgG 図 13 第 2 回目腎生検 考 電顕 案 本例は長期間にわたる中等度の高血圧症に膜 性増殖性糸球体腎炎が併存した症例である 第 一回および第二回の腎生検で 通常の膜性増殖 性糸球体腎炎では確認できない細動脈ならびに 糸球体の高度の内皮細胞障害が認められた 血管内皮細胞の役割として①血漿成分の選択 的透過性 ②血栓の形成あるいは抗血栓性 ③ 血管の収縮及び弛緩の調節 ④血管内皮由来 の因子やサイトカインの産生 ⑤その他が挙 図 11 第 2 回目腎生検 げられる 蛍光抗体法 IgG 血管内皮細胞が何らかの障害を 受け機能不全を起こすことで これらの内皮 細胞が本来の働きを失い 種々の異常を呈し てくるようになる 内皮細胞障害を起こす因子 としては白血球 血小板 自己抗体 抗内皮細 胞抗体 抗好中球細胞質抗体 抗 GBM 抗体 CIC 細菌毒素 verotoxin そして血行力学的 因子等が挙げられ これら因子による血管内 皮細胞障害が血管内微小循環障害を引き起こす 血管内皮細胞障害 表 3 は悪性高血圧症 HUS/TTP APLS DIC 妊娠中毒症 移植腎 免 疫抑制剤による薬剤毒性因子および拒絶反応 図 12 第 2 回目腎生検 SLE など様々な病態においてみられる 電顕 HUS/TTP とは微小血管内皮細胞の障害によ り破砕赤血球を伴う溶血性貧血 血小板減少症 急激な腎機能障害 精神神経症状を呈する血 栓 性 微 小 血 管 症 thrombotic microangiopathy 5

6 TMA O-157 LDH HUS/TTP HUS/TTP DIC DIC DIC SLE APLS SLE DNA wire loop lesion tubuloreticular inclusions APLS 1 表 血管内皮細胞障害を来す疾患 悪性腎硬化症 HUS/TTP APLS DIC 妊娠中毒症 移植腎 膠原病関連腎症 (SLE 強皮症 ) 代謝性疾患 ( 糖尿病 高脂血症 ) 6

7 第 39 回神奈川腎炎研究会 木村 血圧を下げたときに それが上がってく 参考文献 るとか そういうことはなかったのですか 謙輔 微小循環病変と内皮細胞. 腎と透 析 Vol.52 5 : , ) 有村義宏 糸球体内皮細胞障害機序. 腎と透 牧野 析 Vol.52 5 : , )Katafuchi R, et al Morphometrical and functional 牧野 詳しい数字はわかりませんが その推移 1) 城 血圧の治療をしたときの血小板数です か 木村 ええ そうです は覚えていません correlations in Benign nephrosclerosis. Clin 木村 Nephrol 28 5 : , 1987 のような thrombotic microangiopathy が考えられ もし 高血圧性の血管障害 HUS/TTP 4) 江田幸政 富田公夫 糸球体内皮細胞の腫 るのだったら そういうものがなかったかと 大 増生 剥離の病態. 腎と透析 Vol.52 5 : , 2002 思ったのですが あとは血液の塗抹標本で破砕 赤血球や 赤血球の大小不同などなかったです 5)Roberts JM, et al Preeclampsia:An endothe- か lial cell disorder. Am J Obstet Gynecol 161: 牧野 , 1989 測りましたが ほぼ 1 以下で明らかな異常は 6)Kincaid-Smith P, et al Disseminated intravascular 破砕赤血球は来院時が 0.7 で 何回か 認めませんでした coagulation and the kidney. Haemostasis and the 木村 そうですか どうもありがとうございま kidney.remuzzi G, Rossi EC, pp , 1989 した 討 乳原 乳原 ちょうど発表のところで 腎機能のわり 論 には異様に貧血が強いということですね ヘマ どうもありがとうございました ただい トクリットが 21% か 22% でした ハプトグロ まの発表に対して まず臨床の立場からのディ ビンが低いことから いま木村先生にご指摘を スカッションをお願いします いただいたように HUS 的な要素が加わってい 木村 たのではないかと 私も思うわけですけれども 聖マリアンナ医科大学の木村ですが ど うもありがとうございます 見逃したかもし 牧野 はい れないのですが 血小板の数はどうだったので 乳原 その他 よろしいでしょうか それでは しょうか はい 3 人 誰から 牧野 血小板の数は正常です 森田 木村 まったく異常なかったですね 点質問をさせていただきます 第 1 点目は 血 牧野 はい そうです 管の病変から見て 第 1 回目の生検と第 2 回目 木村 最初は LDH が高いとおっしゃっていま の生検はどのように違うと考えられたのでしょ 藤が丘病院の森田と申しますが 私は 2 したが その推移はどうでしたか うか 牧野 牧野 先ほど電顕では示したのですが 内皮下 LDH は 単 位 で い う と IU/L で す が IU/L で軽度上昇を示していました ですね 内皮下腔の拡大が 1 回目もありました 木村 1 回目から 2 回目もずっと高い状況でし が 2 回目はより著明になっており また単核 たか 球系の細胞の侵入が著明に増加しています 牧野 森田 2 回目が著明で 測ったところは ほぼ正常の上限からや や異常値に向けて 血小板は入院時ですが 16 牧野 はい 万ぐらいありまして 特に極度に下がったとき 森田 光顕レベルで見た内膜の狭窄 浮腫性変 はありませんでした 化 肥厚は 1 回目と 2 回目でどうだったのでしょ 7

8 Keith-Wagener mmHg 200mmHg post infectious inflection 2 40mg mg/dl 8

9 malignant hypertension nephrosclerosis 2 thrombotic microangipathy 70 LDL mg/dl 200mg/dl 2 1 MPGN % C MPGN MPGN MPGN HUS MPGN 10 MPGN MPGN atrophy 9

10 03 MPGN 04 foam cell 05 Masson IgA deposit deposit foam cell pinkish 06 PAM layering fibrinoid necrosis mesangiolysis farm cell mesangialmatrix 07 2 double contour MPGN thrombotic angiopathy 08 1 thrombotic microangiopathy macrophage B biopsy thrombotic microangiopathy 1 10 PAM mesangiolysis 10

11 第 39 回神奈川腎炎研究会 スライド 11 そして Masson で見ると赤い 73 分の 22 で 30 2 回目の生検で 78 分の 53 と deposit 染み込みの部分が面積を増やしていま いうことで 7 割近くの糸球体がつぶれている す このような急性変化が 旧い変化の上に相 ということで 何か腎機能障害がどんどん進展 乗りしているのかと思います していることが明らかだろうと思います スライド 12 これもそうですね 血管にも スライド 重松先生に本当に具体的に きれ こういう染み込み現象たくさんの新しい滲出物 いにご説明いただいたので 私が言うことは が染み込んで 血管腔が本当に細くなっていま あまりありませんが 1 つはいろいろな高血圧 す ここではほとんど基質に置き換わっていま 性の腎障害のタイプです 先ほどのように細 す 動脈の hyalinosis が非常に強く出て 糸球体に スライド 01 この 1 枚も演者が出しましたけ segmental な hyalinosis を つ く っ て く る タ イ プ れども ここに血管腔があって 症例に出し ですから 糸球体までで そのまわりの尿細管 たのは係蹄の壁の内皮下浮腫でしたが それが は比較的にこのようにプリザーブされている ずっと全周性になって メサンギウムまでずっ 悪性高血圧になりますと 逆にこちらがや と広がって mesangiolysis という状態になって られてきます ひどい例では尿細管がやられ います ところが この辺にあるメサンギウム てきて 糸球体に非常に象徴的に この症例で 細胞には非常に粗面小胞体 ER が増えて幼若 は比較的糸球体細動脈に集約したような形で病 化現象 α -smooth muscle actin 陽性の transfor- 変が出ている もちろん ある程度このような mation を起こしています 要するに HUS でも 尿細管間質病変はありますが つぶれた糸球体 急性期にはメサンギウム細胞が幼若化して 組 がだいたいベースになっている場合が多いわけ 織の上での先祖返りを見せる そういう像が出 です ただ 2 回目は尿細管間質病変が明らか ています に進展していることは間違いないように思いま この症例は持続する高血圧などが観察されて す それから MPGN そのものは非常に hyper おりますが そういうことがあって 悪性高血 cellar な糸球体病変を形成しています 圧とは言わないまでも 細動脈への血管障害が スライド ずいぶん弱拡で撮りましたが そ あり それに加えて糸球体には MPGN のⅠ型 ういう hyalinosis が糖尿病などで見るような Fi- があって それがネフローゼを起こしている brin cap 様の非常に大きな こういう形で hya- 結局 2 つの病変が重なって出ているという linosis が強調されて出てくることも この症例 まとめ方をしました 以上です の特徴のような印象を持っております 普通は 乳原 いまのはⅡ型 Ⅰ型です はい segmental な collapse に 基 づ い て sclerotic に 変 山口 重松先生とほとんど同じ意見で この年 化していくことが多いわけですが この方の場 齢で MPGN のタイプⅠ 低補体血症を呈さず 合はどちらかというと先ほどのように血管極部 に 稀にそういうことはあるのかと 最近はご 近いところで 何か hyalinosis が Fibrin cap 様に 老人といいますか 70 歳 80 歳でも 臨床の 出てくる 最初の生検では数個でしたが 2 回 先生たちが生検をしますと どうも一筋縄では 目ではこの頻度が非常に増えています いかない腎生検の材料がここのところずいぶん スライド 弱拡で同じようなところを撮って 増えているように思います いろいろなものが いますが 先ほどと同じで こういう vascular オーバーラップしてくるということで いまま pole に近いところから segment が完全に侵され であまり経験がないような 3 つも 4 つも腎炎 て cellular な hyalinosis になってしまって と が重なってくるような印象ですが 1 回目と 2 ころどころ癒着病変もつくっているわけです 回目で糸球体のつぶれた数を数えると 最初が おもしろいのは 尿細管系が意外とこういうと 11

12 mesangiomatrix small nodule MPGN capillary vascular pole globular hyalinosis segmental hyalinosis 2 segmental hyalinosis obesity MPGN 2 reversibility MPGN extortive MPGN activity reactivation collapse hyalinosis PAS MPGN extortive segment hyalinosis MPGN activity 2 extension segment Fibrin cap thrombosis thrombosis thrombotic microangiopathy hyalinosis recanalization thrombotic microangiopathy thrombosis thrombosis HLSA WHO thrombotic microangiopathy Thrombosis thrombotic microangiopathy 12

13 thrombosis thrombosis 1 arteriole 1 HUS like MPGN C3 Circum ferential mesangial interposition CMI double control PAM 2 MPGN MPGN MPGN diffuse global CMI mesangial cell CMI 1 2 MPGN 1 mesangial interposition mesangial interposition 2 MPGN HUS like 1 1 mesangial interposition para-mesangial sub end dense deposit MPGN MPGN HUS MPGN double control 13

14 MPGN mesangial interposition MPGN 1 thrombotic microangiopathy 1 HUS APS 2 200mmHg mmHg 1 HUS mmHg malignant hypertension 1 hemodynamics autonomic discrepancy 140mmHg 150mmHg hemodynamics 14

15 第 39 回神奈川腎炎研究会 重松先生 _01 重松先生 _06 重松先生 _11 重松先生 _02 重松先生 _07 重松先生 _12 重松先生 _03 重松先生 _08 山口先生 _01 重松先生 _04 重松先生 _09 山口先生 _02 重松先生 _05 重松先生 _10 山口先生 _03 15

16 16

1 2 2 ANCA pouci immune IgG C3 ANCA 68 '01 '02 7 UN 14mg/dl, Cr 0.7 mg/dl, -, - ' UN 45mg/dl, Cr 2.4 mg/dl, Ht 29.5%, 4+, cm 61

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