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- ほのか はやしもと
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1 効用最大化に基づく 離散選択モデルの基礎 愛媛大学 倉内慎也 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校
2 モデルの種類 () ~ 決定論的モデルと確率論的モデル~ 決定論的モデル F=ma 確率論的モデル ビールの売上げ =f( 宣伝広告費 気温など )+ε 我々が扱うのは交通現象 確率モデル 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校
3 交通量 ( 万台 ) モデルの種類 () ~ 集計モデルと非集計モデル~ 集計モデル 6 5 O D 所要時間 ( 分 ) 交通量 =f( 所要時間 )+ε 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 3
4 モデルの種類 () ~ 集計モデルと非集計モデル ~ 非集計モデル O D 個人属性所要時間 ( 分 ) 性別年齢経路 経路 経路 3 選択結果 Aさん 男性 経路 Bさん 女性 経路 Cさん 男性 経路 選択経路 =g( 所要時間 個人属性 )+ε 交通量 集計化 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 4
5 モデルの種類 (3) ~ 連続量のモデルと離散量のモデル ~ 連続量のモデル回帰モデル : 例 ) 自動車の走行距離 離散量のモデルロジットモデル : 例 ) ブランドの選択 携帯電話会社 交通分野での選択肢は離散量が多い 離散選択モデル いつ? どこへ? どの交通手段で? どの経路で? どれぐらいの頻度で? 出発時刻選択目的地選択交通手段選択経路選択トリップ頻度の選択 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 5
6 今日の主題 交通現象の分析や交通需要予測を行なうモデルとして 非集計離散選択モデルを扱う 決定論的モデル vs. 確率モデル 集計モデル vs. 非集計モデル 連続量のモデル vs. 離散量のモデル そのうち ランダム効用最大化に基づく非集計離散選択モデル を説明する 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 6
7 合理的選択と効用最大化 合理的選択完備性 :{ 車 鉄道 } ( 車 鉄道 )ad/or( 鉄道 車 ) 推移性 :( 車 > バス )&( バス > 鉄道 ) ( 車 > 鉄道 ) 複数の選択肢を選好 ( 望ましさ ) の順に並べることができる例 ){ABCDE} (A>B) (B>C) (C>D) (D<E) (C>E) (A>B>C>E>D) D E 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 7 C B A 効用 効用最大化 : 人は最大の効用を与える選択肢を選ぶ Aさん : 車を選択 ( 車 )>( バス )( 鉄道 )
8 ランダム効用 () 効用を構成する要因 ( 例 ) 交通手段選択 代替案の属性 : 料金 所要時間 乗換え回数 etc. 個人属性 : 性別 年齢 免許の有無 etc. トリップ属性 : トリップ目的 時間帯 etc. 3 time 4 cost 3 time 4 cost 3 time 4 cost 確定項 (V) ow 5 age6 6 +ε +ε +ε 誤差項 分析者にとって意思決定者のもつ真の効用は不明 ランダム ( 誤差 ) 項を用いて効用を確率的に表す 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 8
9 ランダム効用 () 誤差項に含まれるもの 非観測属性 : 快適性 移動の自由度 etc. 測定誤差 : 駅までのアクセス時間 etc. 情報の不完全性 : 認知所要時間と実際の所要時間のずれetc. Istrumetal (proxy) variables: cof time 3 seat 5 cost cof time cost seat 3 cof の代理変数 ε 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 9
10 誤差項に含まれるもの ランダム効用 (3) 非観測異質性 : 快適性 移動の自由度 etc. time 観測不可能な嗜好の異質性 time time ε time icome 観測可能な嗜好の異質性 icome time time ε 効用最大化以外の意思決定ルールによる影響 : 3 time 4 cost 5 ow 3 time 4 cost 6 age6 3 time 4 cost 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校
11 誤差項の分布とモデル () V V 誤差項は確率的に変動 分析者から見て効用が最大となる選択肢は確率的 分析者から見た意思決定者の選択行動は確率的 choice V V V V V 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校
12 誤差項の分布とモデル () Prob p.d.f choice Prob V F V V F ε~ N V ε 選択確率は ε と V に依存 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校
13 誤差項の分布とモデル (3) X X X ε の分布形は? ε~iidガンベル分布 ε~ 一般化極値 (GEV) 分布 ε~ 多変量正規分布 ε~ GEVと正規分布などの合成分布 多項ロジットモデル GEVモデル (NLPCLCNLGNL 等 ) 多項プロビットモデル ミックストロジットモデル 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 3
14 多項プロビット (MNP) モデル () X X X p.d.f ε~ 多変量正規分布 ε~ N ε が非常に多くの要因を含む 中心極限定理より分布の正規性は意味あり 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 4 ε
15 多項プロビット (MNP) モデル () X X X ε~ 多変量正規分布 X delay other X delay access other X access other Cov() ε は互いに分散が異なり相関も持つ 多変量正規分布は最も一般的 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 5
16 多項プロビット (MNP) モデル (3) X X X ε~ 多変量正規分布 P i V J i i i V exp i J i J d J d Ope-form のため計算コストが高い Idetificatio の問題から推定可能なパラメータは限られており解釈が困難 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 6
17 f(ε ) 多項ロジット (MNL) モデル () X X X ε~iid ガンベル分布 ε 図. 正規分布とガンベル分布の確率密度関数 正規分布に似ている 特に 項ロジットモデルは 項プロビットモデルとほとんど同じ 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 7
18 多項ロジット (MNL) モデル () P X X ε~iidガンベル分布 X exp V exp V exp V exp V P i jc exp Vi exp V j Cov() シェア型モデルであるため直感的にわかりやすい closed-form のため計算コストが安い 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 8 6
19 ロジットモデルと IIA 特性 無関係な選択肢からの選択確率の独立 (Idepedece from Irrelevat Alteratives) exp V i P i C P P i C j C jc exp V exp Vi exp V j j P P i j A A i j A C P : P : P: P P P P 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 9 4 : 4
20 IIA 特性の利点 選択肢の全集合を考える必要がないため調査設計が楽 ( 一対比較を考えればよい ) 選択肢の部分集合を用いて推定してもパラメータ推定値にバイアスが生じない 推定計算が楽 ( 選択肢集合が大きい / 不確定な場合 ) 例 ) ゾーン数 4 の目的地選択実際に選択した目的地 + 残り 399 の中から 9 個をランダムサンプリングして推定 代替案の追加や削除が容易 新規代替案の影響評価などが簡単 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校
21 IIA 特性の問題点 () ~ 赤バス / 青バス問題 ~ Before T RB T RB After T RB T RB BB T BB 赤バス (RB) 車 () / / 赤バス (RB) 青バス (BB) 車 () /4 /4 / ロジットモデル /3 /3 /3 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校
22 IIA 特性の問題点 () Before After バス () 車 () 4% 6% 鉄道 () バス () 車 () % 3% 48% -% -% 交差弾性値が等しい 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校
23 IIA 特性を避けるには? 効用関数の確定項をより良く特定化する 説明変数を加える 異質性を考慮 Before After バス () 車 () % 8% セグメント 6% 4% セグメント 4% 6% 鉄道 () バス () 車 () % 8% 7% 3% 4% 8% % 3% 5% -5% -7% IIA テストを実行する 誤差項の相関構造を考慮したモデルを適用する 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 3
24 ネスティッドロジットモデル () T RB T RB BB T BB 多項ロジットモデルの仮定 :ε~iid ガンベル分布 ε RB と ε BB は共通の非観測属性を含んでいる 料金 快適性 利便性など RB Cov() T cost T cost BB T cost BB BB 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 4 共通要因 6 RB RB 相関
25 ネスティッドロジットモデル () 想定される誤差項の相関構造 相関 独立 RB red red バス 独立 自動車 相関共通 独立 BB blue blue 赤 ( バス ) 青 ( バス ) 独立 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 5
26 ネスティッドロジットモデル (3) 相関 直感的に表すと バス 独立 自動車 Step 自動車 vs バス ( バスを選択 ) 赤 ( バス ) 青 ( バス ) 独立 RB BB P RB RB BB P RB Step 赤 vs 青 P RB BB 独立 ロジットモデル 独立 ロジットモデル 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 6
27 ネスティッドロジットモデル (4) 誤差項の相関構造 目的地 (d) d P d m Pm d Pd exp mvm exp mv mm V d l exp m m m V m ログサム変数 dd m exp d exp V d d Vd V V d d 交通手段 (m) m 目的地 d のグループに含まれる交通手段から得られる効用の最大値の期待値 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 7
28 ネスティッドロジットモデル (5) NL モデルの誤差構造 鉄道 バス 自動車 trasit Cov() trasit 公共交通 自動車 等分散 無相関 鉄道 バス 一般的な誤差構造 (MNP モデル ) 鉄道 バス 自動車 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 8
29 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 9 ミックストロジット (MXL) モデル () X X X IID ガンベル分布プロビットタイプのフレキシブルな誤差項ロジットモデルの操作性プロビットモデルの柔軟な誤差構造 η ν
30 ミックストロジット (MXL) モデル () X X X ロジットモデルの操作性 IID ガンベル分布 e e X X X X e e f P d η は ukow 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 3
31 ミックストロジット (MXL) モデル (3) f P d ope-form どうやって推定? D Pˆ シミュレーション法 D d e X d Step: 分布 f(η) に従う乱数 η を発生 Step: それを用いて選択確率を計算 Step3: これを D 回繰り返し選択確率の平均値を計算 Step4: それを尤度として最尤推定法により未知パラメータを推定 e 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 3 e X X d d e X d
32 ミックストロジット (MXL) モデル (4) プロビットモデルの柔軟な誤差構造 X X X プロビットタイプのフレキシブルな誤差項 η の与え方によりあらゆる RM モデルが近似可能 McFadde ad Trai () 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 3
33 ミックストロジット (MXL) モデル (5) Nested X X X trasit trasit trasit N trasit trasit 自動車 バス 鉄道 trasit trasit trasit trasit trasit trasit trasit trasit 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 33 NL モデルとは違う!!
34 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 34 ミックストロジット (MXL) モデル (6) trasit trasit trasit road trasit road road road trasit trasit trasit road trasit road road road trasit trasit road road trasit trasit road road X X X N road trasit Cross-Nested 自動車バス鉄道 CNL モデルとは違う!!
35 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 35 ミックストロジット (MXL) モデル (7) zoe zoe zoe zoe zoe zoe zoe zoe zoe zoe zoe zoe X X X X 3 N その他 : 空間的な相関 ゾーン ゾーン ゾーン 3 ゾーン 4 O
36 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 36 ミックストロジット (MXL) モデル (8) op op p p op op p p op op p p op op p p op op op op op p p p p p op op op op op p p p p p X X X X N op p その他 : ネットワーク型 ( 複合選択 ) 自動車 peak 自動車 Off-peak バス Off-peak バス peak
37 ミックストロジット (MXL) モデル (9) 異分散 X X X N Idetificatio の問題で 一つの σ は に固定する必要あり 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 37
38 ミックストロジット (MXL) モデル () 嗜好の異質性 : ランダム係数モデル () T β は母集団で同一 嗜好は母集団で同質と仮定 T 嗜好には異質性 ( 個人差 ) が存在 male T 女性の定数項 :α 男性の定数項 :α + α Group 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 Group Group 38 Group * male 観測異質性 Group Group * T Group T Group T * male 女性のハ ラメータ :β 男性のハ ラメータ :β Group Group * T Group のハ ラメータヘ クトル : Group のハ ラメータヘ クトル : 非観測異質性 アプリオリ マーケットセグメンテーション Group Group
39 ミックストロジット (MXL) モデル () 嗜好の異質性 : ランダム係数モデル () T N N T T T T T T : ukow parameter icome としても良い IID ガンベル分布 β 観測異質性と非観測異質性の両方を考慮 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 39
40 ミックストロジット (MXL) モデル () 嗜好の異質性 : ランダム係数モデル (3) T T T T T T β η の分布型 : 正規分布は非現実的な値をとる三角分布 切断正規分布 対数正規分布 レーリー分布など ν の分布型 : 任意の分布が適用できる IID ガンベル :Logit Kerel GEV :GEV Kerel( NLCNL+ ランダム係数 ) 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 4
41 RM(Radom tility Maximizatio) モデル i V Choice i X ; i D 効用の不変性社会的相互作用選択問題のフレーミング i i i C 8/9/ 第 7 回行動モデル夏の学校 4 確定項の関数型線形効用関数? 説明変数客観的確定変数? 嗜好母集団で同一? ランダムに分布? 誤差構造選択肢集合確定的? 所与? 意思決定ルール効用最大化?
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