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ともひろかんけ
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1 21 特集 : 一流スポーツをみる ( 観る / 視る ) ということアメリカにおける 2016 年リオ五輪のテレビ放送リートンプソン 1) 抄録アメリカにおける放映権を保持する NBC ユニバーサルが支払う放映権料は IOC の全収入の 1/4 を構成する五輪大会を放送したアメリカの放送事業者の中で NBC の 15 回はもっとも多い回数である NBC は従来の放送形式 ( リニア TV) の 11 局のテレビチャンネルで 2,084 時間の番組を放送したその他 NBCOlympics.com と NBC Sports のアプリで全ての競技を含む 4,500 時間をライブのストリーミング配信したオリンピックのメディア報道に関する研究は多数あるが本稿では先行研究から NBC の報道がどのように分析されてきたかを確認するそしてリオ大会期間中 NBC 以外のアメリカのメディアが大会報道をどのように評価したかをみるリオとアメリカ本土との時差が小さいのに生の放送が少なく競技は過度に編集された形で放送されたことに対する不満や報道はアメリカの選手に偏っていたということなどは指摘されたそしてオリンピック放送の制作に関する先行研究を紹介するとりわけスポーツ愛好者ではない大半の視聴者がパッケージされた番組を好むと制作に関わってきたプロデューサーやスポーツキャスターなどは考えておりその考えは大会報道の制作に反映されているといえよう NBC の報道方針は無料放送に多くの視聴者を集めることによって広告料で稼ぎスポーツ愛好者を有料放送と有料サイトに集め収益を最大化することであると推測できる最後にインターネットとソーシャルメディアの役割に触れるオリンピック大会をめぐる言説の入り口が増えたことによって NBC など主流のメディアはオリンピック物語を管理することが難しくなったことを指摘するキーワード : オリンピックメディア放送 NBC 放映権 1) 早稲田大学スポーツ科学学術院

2 22 Japan Journal of Sport Sociology 25-1(2017) The Most Successful Media Event in History: American Television Coverage of the 2016 Rio Olympics Lee THOMPSON 1) Abstract This paper examines the television coverage of the 2016 Summer Olympic Games in Rio de Janeiro. The paper first summarizes the income generated from the sale of broadcast rights. The fees paid by NBCUniversal, the holder of the rights to Rio 2016 in the USA, have consistently provided 1/4 of the International Olympic Committee s total revenue. Rio was the 15th Games broadcast by NBC, the most of any broadcaster in America. NBCUniversal broadcast 2,084 hours of linear programming across 11 networks, and live streamed 4,500 hours via NBCOlympics.com and the NBC Sports app. This paper presents several issues that previous research has raised concerning NBC s coverage of the Olympics. It also introduces some criticisms that appeared in the US media during the Rio Games. Although there is only a small time difference between Rio and the US, little live coverage was provided by the flagship network NBC. The prerecorded coverage was heavily edited and packaged, and it focused mainly on American athletes. The producers of NBC s Olympic coverage claim that most viewers are not sports fans and prefer a packaged story. It can be assumed that NBC s policy is to maximize revenue from the games by attracting nonfans to its free-to-air channels with packaged stories (thereby increasing income from ad fees through higher ratings) and forcing fans who want more of the competition to fee-charging channels and sites. The paper concludes by pointing out the role of the Internet and social media in opening up discourse surrounding the Olympics. Keywords: Olympics, media coverage, NBC, broadcast rights 1)Faculty of Sport Sciences, Waseda University スポーツ社会学研究 25-1(2017)

3 23 オリンピック大会は世界でもっとも視聴されもっとも注目されるメガイベントの一つであるにもかかわらず世界中の人々は同じ大会を見ながら同じ場面を見ているわけではない各国のメディアは独自に報道しているからである世界中の人々が一つのイベントに注目することによってオリンピック大会は文化のグローバリゼーションを推し進めているといえるが国ごとの異なった報道は逆説的にそのグローバルな現象のローカリゼーションを実施しているともいえようこれを前提に本稿は第 31 回オリンピック競技大会 (2016 年リオデジャネイロ ) がアメリカ合衆国においてどのように伝えられたかを検討する多くの人々はテレビを通じて大会と関わったはずであるのでここで主にテレビの報道を取り上げるまずはオリンピック大会を主催する国際オリンピック委員会 ( 以下 IOC ) とテレビの関係を再確認してから 2016 年リオ大会のテレビ放映に触れるその次はアメリカにおけるオリンピック放送を取り上げその歴史に簡単に触れた後アメリカにおける放映権を保持する NBC が支払ってきた放映権料とその意義について検討しリオ大会における NBC の放映の体制を確認するさらに NBC のオリンピック報道に対する評価を見てみる NBC の報道は予てより学者の研究調査の対象になってきたがここでは過去の大会に関する研究をいくつか紹介しそしてアメリカのメディアに載ったリオ大会に関する議論とそれに対する NBC の言い分を紹介する 1. オリンピックとテレビ国際オリンピック委員会 ( 以下 IOC) は財政の面で大きくテレビに依存していることは周知のとおりであるがここで新たに確認しよう表 1 は 1993 年から 2012 年までの各 4 年間会計期間における IOC と各大会組織委員会 (OCOG) の収入源の種別である表でわかるようにチケット収入や国内のスポンサーシップやライセンス料など OCOG の収入活動を加えても各会計期間において放映権料は全収入の約半分を構成しているやはりテレビ放映権収入は IOC の活動を大きく支えてきたことが分かる IOC の発表によると年の会計期間における収入 (OCOG 国内スポンサー料や入場券などを除いて ) は 56 億米ドル ( 約 5600 億円 1) ) と見積もられているその中でテレビの放映権料は 74% を占める (IOC によると収入の 90% は各競技の国際連盟と各国の国内オリンピック委員会と OCOG に配分され残りの 10% はスポーツの推進活動と IOC の運営のために IOC が預かる ;IOC 2016a: 5) このように放映権料は IOC の収入の根幹をなしているがじつはそのうちアメリカの放送局が支払う放映権料の額は他の国を大きく引き離している表 2 は 1998 年から 2012 年までの冬夏五輪の放映権料を地域別にまとめている北米 ( アメリカとカナダであるがその大部分はアメリカの放送局の負担分 ) の放映権料表 1 オリンピックマーケティング収入 : 過去 5 回の 4 年間会計期間 (IOC 2016b: 6) 収入源放映権料 [ 合計の %] 1,251[48%] 1,845[49%] 2,232[53%] 2,570[47%] 3,850[48%] TOP スポンサー OCOG 国内スポンサー ,555 1,833 入場券 ,238 ライセンス料合計 2,630 3,770 4,189 5,450 8, 万ドル単位

4 24 表 2 オリンピック大会放映権料の歴史 (IOC 2016b: 25) 北米 (USA とカナダ ) [ 合計の %] 中南米カリブ海アジア中東アフリカヨーロッパオセアニア合計 ,124.0 [61%] , ,397.4 [63%] , ,579.0 [61%] , ,154.0 [56%] , 万ドル単位は全体の 60% 前後を構成してきたテレビの放映権料が生み出す莫大な金はテレビの優遇 ( 放送時間を考慮した競技時間設定など ) とオリンピックの商業化をもたらす年リオ大会とテレビリオ大会をテレビで視聴したのは全世界で空前の 50 億人と IOC は推定している視聴者たちに映像を提供するため IOC はオリンピック放送機構 (Olympic Broadcasting Services; 以下 OBS ) を 2001 年に設立した OBS はホスト局の役割をこなしオリンピック大会を中継する権利を持つ各国の放送事業者 (Rights Holding Broadcaster: 以下 RHB) に向けて国際信号を配信するつまり放映権とはまずこの国際信号の配信を受け自国民にそれ放送する権利である国際信号の製作は国際放送センター (International Broadcasting Center; 以下 IBC ) が担う (Olympic Broadcasting Services, 2016) 2016 年のリオ大会の OBS はこれまで最も大掛かりのホスト局であった OBS の職員は 7,200 人を超え 1,000 台以上のカメラで撮影し各国の放送事業者に提供した合計 7,100 時間以上の報道はこれまでの大会をはるかに上回る開会式から閉会式までは 17 日間だったので一日平均 400 時間以上の映像を撮影し提供したことになる (Olympic Broadcasting Services, 2016) 世界でリオ大会を放送したテレビ局は 500 局以上またインターネットで放送を提供したディジタルプラトフォームは 250 以上であったネットで提供された放送時間数 (21.8 万時間 ) は従来のメディアであるテレビ局の放送時間数 (13.2 万時間 ) の 2 倍近くに達した両方合わせてリオ大会は世界で 35 万時間近く報道されたどれもやはり 2012 ロンドン大会をはるかに上回る数字である (Olympic Broadcasting Services, 2016) 夏季大会の初めての試みとして OBS はモバイルでオンラインのアプリ Olympic Video Player( 以下 OVP) を RHB( 権利保持放送事業者 ) に提供した OVP は 2014 ソチ冬季五輪から導入されたがリオでは OBS のすべてのライブ映像をスマートフォンやタブレットなどで視聴することができた IOC によると各国の放送事業者の OVP から 900 万時間以上のコンテンツがストリーミングされ 1 日のユニークユーザーは 100 万人に達した (Olympic Broadcasting Services, 2016) 3. アメリカにおけるオリンピック放送 3.1 放映権アメリカ合衆国におけるリオ五輪の放映権は NBC ユニバーサル (NBCUniversal) が所有した NBC ユニバーサルは巨大なメディア複合企業であり米国の古参 3 大ネットワークの一つである NBC が傘下にある ( 以下 NBC ユニバーサルと NBC を区別せず一律 NBC と表記する ) 夏季と冬季を合わせてリオは NBC が放送した 15 回目のオリンピック大会であり連続 9 回目になるどちらもアメリカの放送局の中では最多数である夏季大会に関スポーツ社会学研究 25-1(2017)

5 25 しては 1988 年ソウル大会から 8 回連続放送している (NBC Sports, 2016) 2011 年に NBC は競売でフォックス放送 (Fox Broadcasting Company) とESPN に競り勝ちリオ五輪の放映権を 12.3 億ドル ( 約 1,230 億円 ) で確保した同じ取引で 2014 年のソチ冬季五輪の放映権と開催地がまだ決まっていなかった 2018 年の冬季大会と 2020 年夏季大会の放映権合わせて 4 大会の放映権を一括に確保したソチとリオに加えてどこの馬の骨か分からない 2 大会の放映権を高額で購入したこの取引で 2020 年夏季大会に対する料金は 14.5 億ドル ( 約 1,450 億円 ) と決まったが開催地が東京に決まる 2 年以上も前のことである直近の 2010 年バンクーバー大会で 2.23 億ドル ( 約 223 億円 ) の赤字を出したにもかかわらずである (Crupi, 2016) 本稿執筆段階で IOC は年の会計期間をまだ締めていないなので正式にはいえないが上記の数字から計算するとその 4 年間における IOC の放映権料収入は 41.4 億ドル ( 約 4,140 億円 ) になりそのなかで NBC が支払うのは億ドル ( 約 2,005 億円 ) 全体の 48% である ( 表 2 の北米の従来の割合よりも少ないがそれは表 2 の数字にカナダにおける放映権料が含まれているからである ) 表 1 にあったように OCOG の国内収入や入場券を合わせても IOC への収入の半分は放映権料でありその放映権料の半分はアメリカの放送事業者が担ってきたわけであるからアメリカの放送事業者は IOC の全収入の 1/4 を提供してきたことになる IOC に対する発言力が大きいとすればそれなりの根拠があるちなみに 2014 年に NBC は懲りずに 2032 年までの夏季冬季全ての大会の全てのメディアプラトフォーム ( 無料有料テレビ放送インターネットモバイル等 ) を通してのアメリカにおける放映権を 76.5 億ドル ( 約 7,650 億円 ) で獲得した (IOC, 2014) その時点で NBC は 2014 年ソチ 2016 年リオ 2018 年平昌 2020 年東京そして開催地がまだ決まっていなかった 2022 年北京冬季大会 2024 年夏季大会 2026 年冬季大会 2028 年夏季大会 2030 年冬季大会 2032 年夏季大会合わせて未来の 10 回の大会のアメリカ本国における放映権を保持することになった IOC に対する NBC の発言力はこれから 15 年間続くオリンピック大会の放映権料は NBC にとって大きな投資であり放映権は大きな資産である以下で示すように NBC のオリンピック大会の放送は根本的にその投資に対する見返りを得るための営業活動であるということは関係者が認めている 3.2 リオ大会の提供リオ大会後当時の NBC スポーツグループ会長のマークラザルスはリオ大会をメディア史上最も成功したイベントと自賛した (NBCUniversal, 2016) NBC の発表を参考にその報道のあり方を概要する大会期間中 NBC はテレビやインターネットで合わせて 6,755 時間の放送を提供したそのうちの 2,084 時間は従来の放送形式 ( リニア TV) の 11 局のテレビチャンネルで流されたその要は古参 3 大ネットワークの一つである地上波の NBC の放送網であったがそのほかに TELEMUNDO( スペイン語の放送網 ) そしてケーブルでは Bravo, CNBC, Golf Channel, MSNBC, NBC Sports Network, NBC UNIVERSO( スペイン語 ),USA Network のチャンネルにおいても放送したさらにはサッカーとバスケットボールの 2 つの専門局でそれぞれのスポーツを放送した (NBCUniversal, 2016) オンエアでは NBC は総計 59 個のメダルを獲得した元オリンピアンを含む 170 人の解説者を起用した (Zaccardi, 2016) またケイティペリーの曲ライズ (Rise)( youtube.com/watch?v=vhavjc1y5fo) を大会放送の讃歌 (anthem) として開会式など放

6 26 送の要所で流した (NBC Olympics, 2016) 視聴率調査のニールセン社のデータによると全国で 1.98 億人テレビのある世帯の 78% は従来の放送形式で NBC のリオ報道を視聴した (NBCUniversal, 2016) 従来の形式以外では NBC は全ての競技を含む 4,500 時間を NBCOlympics.com と NBC Sports のアプリでライブのストリーミング配信を行った受信は有料放送の加入者に限られサービスに登録したあと視聴するたびごとに認証が必要であったがこの二つのプラットホームは主要放送局と同一の生放送のほか種目ごとの完全再生とハイライトをも提供した 1 億人のユニークユーザー ( 閲覧者 ) は 271 億分のオリンピック報道を生でストリーミングしたそうである (NBCUniversal, 2016) オンラインストリーミングが全体の視聴者数を押し上げたと NBC のプレスリリースは強調する大会 15 日間のゴールデンタイムにおける従来テレビ放送形式の視聴者は一日平均 2,580 万人であったがオンラインの視聴者を加えると全体で 2,750 万人となり従来のテレビ放送形式だけより 7% アップということであるラザルス会長は高い水準でストリーミングの収益化に成功したといいそのことも手伝ってこれまでのオリンピック大会の中で最も利益が出る大会になると断言した (NBCUniversal, 2016) ただしじつはオンライン視聴者を含めても一日平均視聴者数はロンドンより少ないロンドンの一日平均視聴者数は 3,030 万人でありリオは減少して歴代 2 位の視聴者数で終わってしまった (NBCUniversal, 2016) NBC にとって視聴者が減っても収益が増える大会となったこれが将来に続けばオリンピック運動として喜ばしいことではないだろう 4. 五輪放送に関する過去の研究本稿執筆の段階でリオ大会からまだ日が浅いので NBC を含めて各国の放送についての学術研究はこれから各種の学術雑誌や学術書で発表されるだろうここでは過去の大会についての研究を少し紹介し何が議論されてきたかを把握したい同じオリンピック大会でも各国の放送事業者が視聴者に見せている部分は国によって違う大きな違いの一つには各国の放送事業者は自国の選手やその選手が得意としている種目に焦点を合わせている事である (Sambrook, 2012) NBC もアメリカの選手を他の国の選手より多く取り上げると指摘されてきた例えば Billings et al.(2014) は 2012 年ロンドン大会における NBC のゴールデンタイム放送の中で NBC 従業員 ( アナウンサー解説者レポーターなど ) の発言を分析し発言の半分以上 (55.8%) はアメリカの選手を取り上げたことを明らかにしたゴールデンタイムの放送で最も多く言及された選手 20 人の内の 15 人 (75 %) はアメリカ人であったしトップ 10 人中 8 人トップ 4 人全員はアメリカ人との結果も出たそして放送で取り上げられた外国選手の構成にもアメリカ選手への関心の偏りは見られた言及された選手の 44.2% はアメリカ人ではない外国選手であったがその大半はアメリカ選手と直接対決のある選手であった 2) また Billings et al.(2014) の調査によるとロンドン大会の NBC 放送はアメリカの選手に焦点を合わせることによって ( アメリカ人ではない ) 外国のメダリストを見過ごすこともあった例えば前回の北京大会で史上初の 8 個の金メダルを獲得したマイケルフェルプスはロンドンで出場した最初の決勝戦でメダルを逃したが NBC のアナウンサーの発言はフェルプスとそのライバルとされた ( そして結果的に金をとった ) 米国人ライアンロクテに集中し放送の中で銀のペレイラ ( ブラジル ) はたったの 7 回銅をとった日本の萩野公介は 5 回言及されただけであったスポーツ社会学研究 25-1(2017)

7 27 このような放送を見ることによってオリンピック大会視聴者に愛国主義やナショナリズムが植え付けられるかについても研究されている Billings et al.(2015) の 2014 年ソチ大会の調査によると確かに長時間視聴とナショナリズム等との間に相関関係があったが大会後の値が高かったわけではないもともとナショナリズム等が強い人たちはオリンピック大会を多く視聴するということであろう他にこれまで注目されてきたテーマはジェンダーと人種やエスニシティーの表象や商業主義であるジェンダーに関しては通常のスポーツ報道と違ってオリピック報道において女性選手は量的には男性選手と同じぐらい報道されているようである (Bruce et al., 2010) が報道の内容はやはり性別を強調していると指摘される (Billings, 2008: ) 人種とエスニシティーはもっと複雑な問題である量的に公平な扱いを特定することは難しいからである (Billings, 2008: ) スポーツキャスターは国籍や性別やエスニシティーに関する差別的な発言を避けようとするが報道の中では依然として表現は異なることがある (Billings, 2008: 76-78) 5. 大会期間中 NBC のリオ放送批判リオ五輪期間中 NBC 以外のメディアから NBC の報道が批判されたこれは新しいことではない以前より NBC のオリンピック放送に対する不満が表されてきた ( なかには入札で NBC に競り負けた負け惜しみもあるだろう ;Glines 2016) ここでいくつかの批判を紹介したい 5.1 生中継が少なく多くの競技は録画で放送された夏大会の開会式がアメリカで生中継されたのは 20 年前に本国で開催されたアトランタ大会が最後であるその後ヨーロッパやアジアなどアメリカとの時差が大きい地で開催が続いたからであるしかしブラジルのリオとアメリカの東海岸の時差は 1 時間だけリオ五輪の開会式は現地時間の 20 時にアメリカ東海岸では 19 時に始まったので生中継が期待できる時差であったしかし NBC は開会式を録画しておいて 1 時間遅れて東部時刻帯の 20 時から放送を開始したそもそもアメリカ本土の 48 州だけでも 4 つの時刻帯があり東海岸と西海岸に 3 時間の時差があるそのため全国で同時に放送したとしても地域によって放送時間が異なる東海岸で 19 時から始まった番組は西海岸で 16 時からの放送になるこのことは全国放送のニュース番組などにとって頭が痛い状況である開会式は競技とは関係のないショーであるがそれでも視聴率が高い NBC は東部時刻帯の隣のシカゴなど中部時刻帯で東海岸と同時の 19 時から開会式の放送を開始したがデンバーなどの山岳部時刻帯では放送をさらに 1 時間遅らせてやはり 19 時から ( 東海岸より 1 時間遅くリオでの開会式の開始より 2 時間遅く ) 開始した西海岸では 20 時から録画放送を開始して東海岸より 3 時間も遅くリオでの開始から 4 時間も経っていた (Tannenwald, 2016) NBC の放送が始まる前から開会式の動画や静止画感想などはすでにインターネットに出回っていた (Brady, 2016) ソウル五輪金メダリストのパムシュライバーはロサンゼルスの自宅で 3 人の子供と開会式を見ることを楽しみにしていたがアメリカ代表団が入場する前に子供達が一人一人眠りに落ちた生で見ることができればと残念がって放送がこんなに遅いと次世代に夢を託することはできないとツィートで嘆いた (Jenkins, 2016) 開会式だけではなく競技も録画で夜のゴールデンタイムに合わせて放送され物議を醸した女子体操の報道はとくに批判された団体

8 28 総合の放送は 9 日の 20 時に始まったがアメリカ代表が金メダルを獲得したのは放送開始より 2 時間半も前のことであったそれにもかかわらず NBC の放送はまず 30 分ほど跳馬と段違い平行棒をまとめた後 23 時ごろまで水泳など他の競技の結果を報道した 23 時ごろから女子体操団体総合の残りの種目を録画放送し授賞式が放送されたのは 23:45 であったオリンピック放送の中で女子体操は比較的に人気のある競技でありその日の番組を女子体操で挟むことによって NBC は視聴率を稼ごうとしたしかしそのせいでやはり選手の活躍で刺激を受ける女子体操の卵たちにとってはとうに寝ているはずの時間帯になってしまった西海岸で授賞式が放送されたのはリオで行われてから 9 時間以上も経っていたもちろん多くの視聴者はネットですでにその結果を知っていた NBC の放送は女子体操を粗末に扱うと批判する記者もいた (Saraiya, 2016) 開会式にしても競技にしても生中継ではなく録画放送することによって編集したり CM を入れたりすることが容易になる CM の多さも批判の対象になった (Brady, 2016; Saraiya, 2016) が次には過度な編集についての批判を見る 5.2 報道は過度に編集されパッケージされていたもう一つは競技などをそのまま放送せず過度な編集によってパッケージしたものを提供していることに対する不満である特定の選手の苦労話などに基づいて何らかのストーリーを作り上げそのストーリーを中心に競技を伝えるそれによってストーリーの主人公ではない選手が無視されストーリーを強調するあまり競技本来の面白さは覆い被されてしまうということが批判される下でみるように NBC の代表者は視聴者がそのようなパッケージを望んでいるというそれに対してワシントンポストの記者ジェンキンズ (Sally Jenkins) は NBC はオリンピックをパッケージすることによって視聴者だけではなく選手をもバカにしているとの記事の中で次のように指摘するつまりもし多くの視聴者は生の競技よりも編集されたパッケージの方を好むというのが事実であれば NBC は放映権を持つ NFL( プロアメリカンフットボール ) の試合も同じように録画放送するはずだ例えばペナルティーだらけの第 2 クオーターなどを放送する代わりに放送時間を短縮して有名選手 ( 記事ではマニング兄弟 ) が子供時代にブランコで遊んでいるホームビデオを見せれば良いとなぜそのようにしないかというと NBC は NFL の試合に重要性を与え敬意を払っているからだが女子体操には与えていないつまり女性選手と女性ファンを見下しているという (Jenkins, 2016) 5.3 放送はアメリカの選手の活躍に偏重していたアメリカのメディアの中には NBC の放送がアメリカの選手の活躍に偏重しているという批判も見られた過去の大会から指摘されてきたことであり過去の研究としてすでに紹介している批判であるのでここで省略するがアメリカの選手を多く取り上げているということだけではなく客観的報道というよりも応援放送になっているとの指摘もある劣勢の選手でも他の国の選手を取り上げれば番組はより面白くなるという (Lowry, 2016) 国際試合の放送が応援放送そのままが当たり前の日本の現状からすると意外に聞こえる批判かもしれないがここまできたら NBC に少し弁明の機会を与えることにしよう 6.NBC の弁明リオ大会前の記者会見で NBC オリンピックスのマーケティング最高責任者ジョンミラーは開会式を生で中継しない方針を問われ次のスポーツ社会学研究 25-1(2017)

9 29 ように答弁したオリピック大会を見る人々はとりわけスポーツのファンというわけではない男性よりも女性の方が多く見ているが女性は [ 競技の ] 結果よりもその道のりの方に関心を持っている [ 略 ] 実を言うと [NBC のオリンピック放送に ] 不満を表してきたのは数少ないスポーツライターだ大部分の視聴者は不満を表していない (Tannenwald, 2016) いうまでもなくこの発言は物議を醸したデイリーニューズ ( ニューヨーク ) 記者のスタシ (Linda Stasi) は NBC のマーケティング責任者は女性そしてすべての視聴者を侮辱するという見出しの記事の中で何百万人もの女性視聴者を見下すミラーの見解を恐ろしいと断言しこのような性差別的ナンセンスをぶちまけるやつは未だにいたのかと怒りをあらわにした (Stasi, 2016) まれにしか開催されない記者会見以外メディア側のゲートキーパーの判断を問いただす機会は少ない研究者はコンテンツについての研究を多く行うがそれは私たちの周りにコンテンツは溢れているからであるそれに対して送り手研究は比較的に少ないマスメディアの送り手つまり記者編集者アナウンサーなどがどのような過程においてどのような意図をもってそのコンテンツを作製しているかについての研究は少ないそれは研究者にとって制作者に接触することはコンテンツに触れることより難しいからであろう上記の理由からBillings(2008) のオリンピックメディアは希少価値がある Billings は NBC オリンピック放送の制作に関わってきたスポーツキャスターや管理職の人物を何人かにインタビューをした取材した人物の中には 1988 年から 2011 年まで NBC スポーツの会長を務め IOC との密の関係を築き上げてきたディックエバーソル (Dick Ebersol) や数多くのオリンピック放送のアンカー ( 主要アナウンサー ) を務めたボブコスタス (Bob Costas) などが含まれているインタビューは 2006 年トリノ冬季大会後の数ヶ月で行われたどのような方針でオリンピック放送を作製しているかについて率直に語ってもらっている大変興味深い報告であるここでこれまでの議論と関係するいくつかの話を紹介したいまずオリンピック大会の 7 年前からつまり開催地が決まってからすぐ NBC スポーツはその大会の準備を始める放送内容の枠組みとなる概略構成図を作成するために世界中を回り各種競技大会を取材する選手やコーチや団体役員などに取材しどの選手が活躍しそうなのかその選手に関する面白そうなエピソードなど有力なストーリーを集める大会の前にその有力なストーリーを集めた資料集を制作スタッフに渡しスタッフはそれを参考に大会に挑む (Billings, 2008: 24-31) 競技の結果は予測できないが放送番組の柔軟な脚本を事前に用意するわけである大会の 7 年前から直前までの調査に基づいて前もってそれぞれの競技のストーリーを指定しそのストーリーの主人公を決め事前の取材で選手本人や家族のインタビューや出身地の風景などの映像コンテンツを用意するそして放送ではあらかじめ用意されたそのコンテンツを流すあるいは流さないこともある 1996 年のアトランタのように目をつけた選手がほぼ全員脚本通り金メダルを取ることもあれば 2006 年のトリノのように予想が大幅に外れる大会もある (Billings, 2008: 37) NBC のオリンピック放送に対する批判の多くはこの点に集中しているといえよう多くの競技をカットしてまでパッケージ化されたストーリーを流しそしてストーリーの多くは選手が乗り越えなければならない試練を誇張するそのような批判に対して当時の NBC スポーツ会長であったエバーソルは動じない上のミラ

10 30 ーの見解と同様オーディエンスの圧倒的な多数は障害を乗り越える人物のストーリーを聞くためにオリンピック放送にやってくるスポーツ [ だけ ] を見るためにやってくる視聴者はどのスポーツイベントにでも集まると断言する (Billings, 2008: 40) 障害を乗り越える選手のストーリーが主流になった背景についてエバーソルは興味深い見解を披露するオリンピックにもっとも大きな影響をもたらした出来事として 1989 年のベルリンの壁崩壊をあげる ( その年はエバーソルが NBC のオリンピック部門の責任者についた年でもある ) ベルリンの壁崩壊とそれに続いたソ連の崩壊によって放送の中でソ連圏の国々の選手をアメリカの選手の既製の悪役と見立てることができなくなったからである国同士の代理戦争としてのオリンピックというストーリーを失い視聴者を惹きつける新たなストーリーが必要となった障害を乗り越えるストーリーを強調するようになったのは冷戦後の時代において勝ち負けに対する関心を視聴者に持たせるための主な方法になったとエバーソルは打ち明ける (Billings, 2008: 45) 仮想の敵を見立てる放送がなくなったというが上で見たように NBC の放送があからさまに愛国主義的であるという批判もあるそのような批判に対してエバーソルは何が公平な扱いなのかについて明確な合意があるわけではないということを指摘した上世界のどの国のオリンピック放送と比べても NBC の放送は公平であると主張するこのことについて他国の放送局の人間と今まで何度も話し合ったことはある我々 [NBC の放送 ] が過度に愛国主義的であるという批判をメディアから受けているという話を聞いて彼らはいつも驚く彼らの感覚は真逆だからだ我々 [NBC の放送 ] は [ 世界のなかで ] もっとも多様性があると彼らは感じる (Billings 2008: 43) じつは NBC の被雇用者がオンエアでアメリカの選手を我々などのような代名詞で呼ぶことは固く禁じられている NBC ケーブルテレビ放送局調整制作者のモリーシンプソン (Molly Simpson) はその禁止令を NBC の鉄則と呼ぶアメリカの選手を特別扱いするような言葉を避けるべきだということは大会前に行われる研修でキャスターや解説者に叩き込まれる (Billings, 2008: 28) その研修でかつての放送から拾ったアメリカの選手を我々 (us または we) その他の国々の選手を彼ら(they または them) と発言される事例集を見せながら念を押す過去の NBC の放送からもっぱら事例が見つからないほどの徹底ぶりだそうであるそれはそうだ我々 [NBC] は公平だとシンプソンが胸を張る (Billings, 2008: 45) 7.NBC の放送方針? NBC の放送方針はどうも次のようにまとめることができそうである主流の無料放送では最大数の視聴者を獲得すべく競技とその結果を詳しく伝えるよりスポーツに特に関心がない人でも興味がもてる人情話を多く取り入れる無料 ( 視聴者にとって ) 放送は広告料によって成り立っているので視聴率を上げることによって広告料を多く取ることができるそして競技の詳しい報道を有料放送のチャンネルやインターネットの有料ストリーミングで配信する無料放送の人情話で満足しない競技をもっと詳しく知りたいスポーツ愛好者は有料プラットホームでみるしかないが彼 ( 女 ) らをそこに集めることができれば NBC は収益を最大化できるこの方針の先駆けはもしかしてボクシングであったかもしれないボクシングは 1988 年ソウル大会を最後にゴールデンタイムで放送されていないエバーソル曰くソウル大会の放送で判明したボクシングを映したら数分の間に 3 分の 2 もの成人女性視聴者を失ってしまうそれでやり方を変えなければと分かった (Billings, 2008: 35) オリンピック大会のボクスポーツ社会学研究 25-1(2017)

11 31 シング競技を主流の無料ネットワークから外し傘下のケーブル放送局に移した一般向きにパッケージされた番組より熱烈のファンに焦点を合わせたケーブル放送でボクシング愛好家はより多くの試合を見ることができるとエバーソルはその処置を弁明する (Billings, 2008: 36) NBC の本音は NBC スポーツグループのマークラザルス会長の次の言葉からも読み取れそうであるストリーミング配信でもリオ大会の開会式を生ではなく編集を加えた上テレビ放送と同時に 1 時間遅れで提供するということについて問われ次のように答弁した我々は営利目的型組織オリンピック大会の制作に大金をつぎ込んでいるのでそのことによっていくらか収入を得る権利があり株主に対して義務がある (Tannenwald, 2016) 8. ソーシャルメディアと #NBCFail 2032 年までのすべてのプラットホームにおける放映権を高額で獲得した NBC は無料放送の高視聴率で広告料を稼ぎ有料放送とストリーミング配信で収益を最大化することを目論んでいるであろうしかし 2032 年までメディア環境がどのように変容するか誰も分からないオリンピック大会はスポーツのメガメディアイベントになって久しいが Girginova (2015: 244) は現在のオリンピック大会をハイパーメディアイベントとするハイパーメディアイベントはテレビや新聞など従来のメディアで取り上げられるだけではなくオンラインメディアソーシャルメディアモバイルメディアにも大きく取り上げられる五輪にソーシャルメディアが登場したのは 2008 年北京からである 2010 年バンクーバーにおいて IOC と VANOC( バンクーバーオリンピック組織委員会 ) はそれぞれの Facebook と Twitter のアカウントを開始した 2012 年ロンドンは更に多くのソーシャルメディア (Instagram 等 ) を取り入れ最初のソーシャルオリンピックと評された (Fernanández Peña et. al., 2014: 153) しかしソーシャルメディアは誰でも参加ができるので従来のメディアとは違う Girginova (2015: 246) によるとハイパーメディアイベントの特徴の一つはソーシャルメディアのせいで従来のメディアがイベントのストーリーを独占することができないことであるイベントについての議論への入り口が複数にあるので多くの声と言説が参加できる Girginova(2015: ) が注目するのは NBC の放送に対する批判をまとめるハッシュタグ #NBCFail である 2010 年バンクーバーで始まったらしいが 2012 年ロンドンと 2014 年ソチで続いて活発に使われた Girginova によるとその投稿の多くはやはり上の指摘と同様に NBC がそのままの競技を見せることなく録画放送をしたり広告を多く挿入したり一部の競技や選手を編集で切り捨てたりすることに対する不満を表明していた 2016 年リオ大会期間中も #NBCFail が復活したしかしこのハッシュタグに興味深い矛盾が潜んでいる #NBCFail で NBC を批判するには NBC の放送を見なければならない批判の対象であるはずの NBC の放送に寄生している側面はある次のようにツィートした人もいた : オリンピックのことはどうでもよかったが #NBCFail が戻ってきたと気付いて [ ワクワクしてきた ] (Girginova, 2015: 252) 9.NBC のかなたに多くの視聴者や有料ユーザーを取り込みたいメディア企業に対してその標的となっている私たちは魅力的なコンテンツを求めるこのせめぎ合いが続きそうである本稿の締めくくりの言葉をワシントンポストのジェンキンズに任

12 32 せよう過度にパッケージされ CM で遮られた NBC のオリンピック報道は今の世の中に合わない視聴者の堪忍袋はもう切れそう女子サッカーや自転車競技や体操を見たい熱烈なスポーツオーディエンスは複雑な承認を必要としないライブストリーミングの選択肢を持っているそれほどスポーツに関心がない視聴者はソーシャルゲームやユーチューブ Vevo[ 音楽やビデオのウエブサイト ] 映画のウエブサイトなど中断ないエンターテイメントのウエブサイトから選ぶことができる NBC はオリンピック放送への視聴者を集めて確保したければ提供物の質を上げ視聴者をイライラさせることをやめるべきだ (Jenkins, 2016) 注 1) 為替相場は大きく変動するが本稿では一貫して 1 ドル= 100 円で換算する 2) 日本の新聞のロンドン五輪報道を分析した研究において一面に名前が載った選手の 90% は自国つまり日本の選手であった (Thompson, 2013) 文献 Billings, Andrew C., 2008, Olympic Media: Inside the Biggest Show on Television, Abingdon: Routledge. Billings, Andrew, James R. Angelini, Paul J. MacArthur, Lauren R. Smith, and John Vincent, 2014, Fanfare for the American: NBC s Prime-Time Broadcast of the 2012 London Olympiad, Electronic News, 8(2): Billings, Andrew, Kenon Brown and Natalie Brown- Devlin, 2015, Sports Draped in the American Flag: Impact of the 2014 Winter Olympic Telecast on Nationalized Attitudes, Mass Communication and Society, 18(4): Brady, Erik, 2016, NBC s coverage of Olympic opening ceremony flooded with commercials, USA TODAY Sports, August 6, 2016, (Retrieved October 18, 2016, Bruce, Tony, Jorid Hovden and Pirkko Markula eds., 2010, Sportswomen at the Olympics: A Global Content Analysis of Newspaper Coverage, Rotterdam: Sense Publishers. Crupi, Anthony, Update: NBC Bids $4.38 Billion for Olympic: No Ebersol, no problem: Lazarus delegation nabs rights through 2020, ADWEEK, June 7, 2011, (Retrieved October 18, 2016, adweek.com/news/television/update-nbc-bids- 438-billion-olympic-gold ). Girginova, Katerina, 2015, New Media, Creativity, and the Olympics: A Case Study into the Use of #NBC- Fail During the Sochi Winter Games, Communication & Sport, 4(3): Fernández Peña, Emilio, Natividad Ramajo, and Maria Arauz, 2014, Social media in the Olympic Games: Actors, management and participation, Andrew C. Billings and Marie Hardin, eds., Routledge Handbook of Sport and New Media, London: Routledge, Glines, Carol, 2016, NBC Olympics coverage ends with poor ratings, criticism, FoxNews.com, August 22, 2016, (Retrieved October 16, 2016, IOC, 2014, IOC awards Olympic Games broadcast rights to NBCUniversal through to 2032 May 07, 2014, (Retrieved Nov. 2, 2016, IOC, 2016a, IOC Marketing: Media Guide, Olympic Games Rio 2016, (Retrieved October 26, 2016, Library/OlympicOrg/Games/Summer-Games/ Games-Rio-2016-Olympic-Games/Media-Guide- for-rio-2016/ioc-marketing-media-guide- Rio-2016.pdf). IOC, 2016b, Olympic Marketing Fact File, 2016 Edition, (Retrieved October 26, 2016, stillmed.olympic.org/media/document%20library/ OlympicOrg/Documents/IOC-Marketing-and- Broadcasting-General-Files/Olympic-Marketing- Fact-File-2016.pdf#_ga= ). Jenkins, Sally, 2016, By packaging the Olympics, NBC insults viewers, and the athletes themselves, The Washington Post, August 6, スポーツ社会学研究 25-1(2017)

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Sport and the Media: The Close Relationship between Sport and Broadcasting SUDO, Haruo1) Abstract This report tries to demonstrate the relationship between broadcasting and sport (major sport and professional