有機合成化学

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1 19 章 カルボン 酸 カルボン 酸 は 自 然 界 に 広 く 存 在 するだけでなく, 工 業 的 にも 重 要 な 化 合 物 である カルボン 酸 の 特 徴 カルボニル 炭 素 にヒドロキシ 基 が 結 合 した 官 能 基 であるカルボキシ 基 を 有 する C カルボキシ 基 H C 2 H or CH カルボニル 基 :17 章 ヒドロキシ 基 :8,9 章 塩 基 性 酸 性 H 塩 基 性 ( 弱 い) カルボン 酸 は 酸 性 部 分 と 塩 基 性 部 分 を 有 する 特 に 重 要 なのは, 酸 性 を 示 すこと カルボン 酸 の 生 物 活 性 ジベレリン 酸 (ジベレリンA3) 植 物 成 長 促 進 物 質 であり, 種 無 しぶどうの 生 産 などに 用 いられる リゼルギン 酸 麦 角 菌 に 汚 染 されたライ 麦 パンより 発 見 強 力 な 幻 覚 作 用 がある (セロトニン 作 動 薬 ) ライ 麦 LSD(C2H CNEt2) セロトニン: 神 経 伝 達 物 質 うつ 病 などに 関 係 p1084 1

2 似 てる 薬? サクシゾン 急 性 循 環 不 全 ( 喘 息 ) 即 効 性 ステロイド サクシン 筋 弛 緩 薬 麻 酔 前 投 与 薬 挿 管 前 投 与 薬 クスリはリスク とも 言 うそうです F カルボキシ 基 を 含 む 医 薬 品 の 例 ( 教 科 書 に 載 ってない 例 ) H 2 C H N H C H 3 H C H 3 H N F C 2 H N N N N H 3 C C H 3 C l N C 2 H リ ピ ト ー ル ( フ ァ イ ザ ー ) 高 コ レ ス テ ロ ー ル 血 症 2008 年 世 界 売 り 上 げ No1 医 薬 品 135 億 ド ル ( =1.3 兆 円 ) レ ボ フ ロ キ サ シ ン ( 第 一 製 薬 ) 合 成 抗 菌 剤 ( ク ラ ビ ッ ド ) 2008 年 世 界 売 り 上 げ N o 3 5 医 薬 品 ( 日 本 発 で は N o 7) 29 億 ド ル レ ボ セ チ リ ジ ン ( グ ラ ク ソ ) 花 粉 症 薬 ( ザ イ ザ ル ) 抗 ヒ ス タ ミ ン 剤 ちなみに 以 前 は,ラセミ 体 でオフロキサシン(タリビッド:p1232 参 照 )として 販 売 されていたが,S 体 は 抗 菌 活 性 を 示 すが,R 体 には 抗 菌 活 性 が 半 分 しか 無 く, 副 作 用 も 強 い レボセチリジンは ラセミ 体 のセチリジン(ジルテック)のR 異 性 体 S 体 の33 倍 の 活 性 がある 2

3 19-1 カルボン 酸 の 命 名 1 カルボン 酸 のカルボキシ 基 はこれまでに 取 り 扱 ったどの 官 能 基 よりも 命 名 における 優 先 順 序 が 高 い カルボン 酸 > 酸 無 水 物 >エステル>ハロゲン 化 アルカノイル>アミド>ニトリル> アルデヒド>ケトン>アルコール>チオール>アミン ( 太 字 が 以 前 に 習 っている) 左 に 行 くほど 命 名 における 優 先 順 位 が 高 い p1045 IUPAC 命 名 法 では アルカン(alkane)の 名 称 の-eを-oic acidで 置 き 換 えて 作 られる 日 本 語 名 はアルカン 酸 アルカンの 主 鎖 は,カルボキシ 炭 素 に1をつけ, そのC 2 Hを 含 む 最 も 長 い 鎖 に 沿 って 置 換 基 に 番 号 を 付 ける R,S 立 体 化 学 の 命 名 (5 章 3 節 参 照 ) 3

4 カルボン 酸 の 命 名 2 1. 多 官 能 性 カルボン 酸 は,カルボキシ 基 以 外 の 出 来 るだけ 多 くの 官 能 基 を 含 むように 主 鎖 を 選 ぶ 2. 飽 和 環 状 カルボン 酸 は,シクロアルカンカルボン 酸 と 命 名 する この 場 合,カルボキシ 基 の 結 合 した 炭 素 がC1となる 3. 芳 香 族 カルボン 酸 は, 安 息 香 酸 類 (benzoic acid)として 命 名 する こちらが 主 鎖 1 1 こちらは 主 鎖 ではない 2 3 こちらが 主 鎖 ケトンは 命 名 法 の 順 位 則 が カルボン 酸 より 下 カルボニル 基 は 置 換 基 命 名 してオキソと 命 名 する (17 章 1 節 936ページ 参 照 ) 逆 からナンバリングしないように サリチル 酸 : 酢 酸 エステルは, アスピリンとして 知 られて いる 解 熱 鎮 痛 剤 慣 用 名 蟻, 蜂 の 毒 下 線 の 慣 用 名 は 覚 える! アルデヒドの 慣 用 名 と 接 頭 部 分 は 同 じ 4

5 カルボン 酸 の 命 名 3 4.ジカルボン 酸 は 二 酸 (dioic acid)と 呼 ばれる 23 章 2 節 C 2 H C 2 H フタル 酸 21 章 5 節 ガブリエル 合 成 で 使 用 19-2 カルボン 酸 の 構 造 および 物 理 的 性 質 ギ 酸 の 構 造 カルボニル 炭 素 は 平 面 形 であり, カルボン 酸 全 般 に 共 通 する (17 章 で 習 ったアルデヒドやケトンと 同 じ) 炭 素 はsp 2 混 成 カルボキシ 基 は, 極 性 が 高 く, 水 素 結 合 した 二 量 体 を 形 成 する 極 性 が 高 いため, 水,アルコール 類 と 水 素 結 合 を 形 成 し 溶 解 する 低 級 カルボン 酸 は 任 意 の 割 合 で 溶 解 する また, 希 薄 溶 液 においても, 水 素 結 合 した 二 量 体 として 存 在 する 図 p1047 5

6 カルボン 酸 の 構 造 および 物 理 的 性 質 水 素 結 合 による 二 量 化 のため, 沸 点 融 点 が 高 い 図 19-3 カルボン 酸 のNMR およびIRスペクトル 1 H NMR カルボン 酸 の 隣 接 炭 素 の 結 合 した 水 素 は, 低 磁 場 シフト( 反 しゃへい)する カルボキシ 基 のH 水 素 は, 約 10-13ppmで 共 鳴 する 13 C NMR カルボニル 炭 素 は, ppmぐらいで 共 鳴 する (ケトンと 似 ているが H 基 の 存 在 のため 反 しゃへい 効 果 が 低 下 する ) p1048 6

7 カルボン 酸 の 1 H NMRスペクトル 隣 の 水 素 の 数 で 分 裂 本 数 が 決 まる H NMR 1.カルボン 酸 の 隣 接 炭 素 の 結 合 した 水 素 は, 低 磁 場 シフト( 反 しゃへい)する 2.カルボキシ 基 のH 水 素 は, 約 10-13ppmで 共 鳴 する 13 C NMRの 化 学 シフト 齋 藤 勝 裕 著 有 機 スペクトル 解 析 より 7

8 カルボン 酸 のIRスペクトル -H 結 合 : 強 い 水 素 結 合 のためアルコールよりも 低 い 波 数 ( cm -1 )に 幅 広 い 吸 収 として 現 れる C= 結 合 : cm -1 に 吸 収 を 示 す 質 量 スペクトル 8

9 練 習 問 題 19-1 p1054 9

10 19-4 カルボン 酸 の 酸 性 および 塩 基 性 カルボン 酸 はアルコールのように 酸 性 および 塩 基 性 の 性 質 を 示 す 脱 プロトン 化 によるカルボキシラートの 生 成 は 容 易 であるが( 酸 として 機 能 ), プロトン 化 は 難 しい( 塩 基 として 機 能 ) 塩 基 性 塩 基 性 酸 性 H カルボン 酸 は,アルコールよりも 水 素 を 放 出 しやすい 共 役 塩 基 カルボニル 基 の 共 鳴 安 定 化 のため アルコールのpKa H 2 C H H 2 C - C H C - - C p1053 ケトンから 形 成 されるエノラートより 形 成 されやすい 同 じ 共 鳴 構 造 による 電 化 の 分 散 によって 安 定 化 効 果 が 大 きい - H 3 C C - 負 電 荷 ( 赤 )は 2つの 酸 素 に 均 等 に 分 布 している 10

11 カルボン 酸 の 酸 性 カルボキシ 基 の 近 くに 電 子 求 引 性 置 換 基 があると,カルボン 酸 の 酸 性 度 は 増 大 する 二 酸 は, 隣 接 する 場 合 や 近 傍 に 存 在 する 時 にpk a 値 が 低 下 ( 酸 性 度 は 向 上 ) 共 役 塩 基 の 安 定 性 が 向 上 するため 酸 性 度 上 昇 酸 性 度 上 昇 基 礎 知 識 : pkaの 数 字 が 小 さいほど 酸 性 度 が 高 い 電 子 求 引 性 置 換 基 が 遠 く になると 影 響 が 少 なくなる カルボン 酸 塩 の 形 成 カルボン 酸 は 酸 として 働 くため,NaH,Na 2 C 3 などの 塩 基 によって 塩 を 形 成 する ( 用 途 : 石 鹸 脂 肪 酸 アルカリ 金 属 塩 ) p

12 カルボン 酸 の 塩 基 性 カルボン 酸 のカルボニル 酸 素 もプロトン 化 され, 合 成 的 変 換 ( 後 述 )にも 用 いられる ただし, 塩 基 性 は 高 くない 強 い 酸 でプロトン 化 される 19-5 カルボン 酸 の 工 業 的 合 成 12

13 19-6 カルボキシ 官 能 基 の 導 入 法 第 1 級 アルコールの 酸 化 によってカルボン 酸 が 合 成 できる Cr 3 水 溶 液,KMn 4 や 硝 酸 も 用 いられる かなり 重 要! アルコールの 付 け 根 の 炭 素 がカルボン 酸 になる 硝 酸 酸 化 p1057 参 考 (17-4 アルデヒドおよびケトンの 合 成 ) 1.アルコールの 酸 化 反 応 アルコールをクロム(VI) 酸 化 剤 などを 用 い 酸 化 することによってカルボニル 化 合 物 が 得 られる 第 二 級 アルコールは ケトンとなり, 第 一 級 アルコールは アルデヒドとなる クロム(VI) 酸 化 剤 は, アルケン,アルキンは 酸 化 しない 第 一 級 アルコールの 酸 化 時 に, 水 が 存 在 するとアルデヒドの 水 和 後, 再 酸 化 されて,カルボン 酸 へと 変 換 される ( 選 択 的 にアルデヒドを 得 るためには 水 の 除 去 が 必 要 ) 13

14 カルボキシ 官 能 基 の 導 入 法 2 有 機 金 属 反 応 剤 (Grignard 試 薬, 有 機 リチウム 試 薬 など)と 二 酸 化 炭 素 (ドライアイス 等 )の 反 応 で, カルボン 酸 塩 が 生 成 し, 酸 性 にし てプロトン 化 するとカルボン 酸 が 得 られる 有 機 金 属 反 応 剤 の 調 製 法 (8 章 7 節 参 照 ) ハロゲン 化 アルキルから 合 成 できる p1058 有 機 金 属 反 応 剤 はハロゲン 化 アルキルから 調 製 できるため, 炭 素 が 一 つ 増 えたカルボン 酸 を 合 成 できる 例 ) 練 習 問 題 19-8 ただし Grignard 試 薬 は 分 子 内 に 求 核 攻 撃 を 受 ける 置 換 基 が あるとそのまま 調 製 できないので 注 意 アセタール 保 護 (17 章 7,8 節 ) 14

15 カルボキシ 官 能 基 の 導 入 法 3 ニトリルの 加 水 分 解 反 応 による 合 成 ニトリルを, 酸 または 塩 基 で 加 水 分 解 するとカルボキシ 基 へと 変 換 できる CN - の 求 核 攻 撃 を 行 い, 加 水 分 解 することで 対 応 するカルボン 酸 を 得 ることが 出 来 る この 場 合 もやはり 一 炭 素 増 えたカルボン 酸 を 与 える 反 応 機 構 は20 章 8 節 で 習 う ( 参 考 シアン 化 水 素 の 付 加 による シアノヒドリンの 合 成 ) シアン 化 水 素 は,カルボニル 化 合 物 に 可 逆 的 に 付 加 してシアノヒドリンを 与 える シアン 化 水 素 は, 毒 性 が 高 いのでシアン 化 物 塩 に 強 酸 を 加 えて 発 生 させながら, 反 応 させる 強 塩 基 性 では, 平 衡 がカルボニル 化 合 物 のほうに 移 動 する p966 15

16 アルデヒドへのCN - の 付 加, 加 水 分 解 反 応 によるα-ヒドロキシカルボン 酸 の 合 成 α-ヒドロキシカルボン 酸 の 合 成 法 として 有 用 この 場 合 は 酸 で 加 水 分 解 する 必 要 がある ( 塩 基 性 では 逆 反 応 が 起 こる) p1060 シアノヒドリンは 通 常 毒 性 の 有 る 化 合 物 である シアノヒドリンのエーテル 誘 導 体 といえるアミグダリンは 梅 アンズ モモ ビワの 未 成 熟 な 果 実 や 種 子 に 含 まれる 加 水 分 解 によって シアン 化 水 素 を 発 生 するため 毒 である アミグダリン アジサイにも 毒 がある(2008 年 に 食 中 毒 発 生 ) ハイドラシアニド 16

17 練 習 問 題 19-5 練 習 問 題 19-7 次 の 化 合 物 を 硝 酸 酸 化 した 時 の 生 成 物 を 示 せ a) ペンタナール b) 1,6-ヘキサンジオール c) 4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボアルデヒド 練 習 問 題 19-9 練 習 問 題

18 19-7 カルボキシ 炭 素 における 置 換 反 応 : 付 加 - 脱 離 機 構 カルボン 酸 誘 導 体 ( 注 :カルボン 酸 ではない)の カルボニル 炭 素 は 求 核 剤 によって 攻 撃 される 重 要! 付 加 反 応 においては, 四 面 体 型 の 中 間 体 を 経 由 する p1060 カルボキシ 炭 素 における 置 換 反 応 1 付 加 脱 離 反 応 は, 塩 基 触 媒 または 酸 触 媒 によって 促 進 される 塩 基 触 媒 の 場 合 18

19 カルボキシ 炭 素 における 置 換 反 応 2 付 加 脱 離 反 応 は, 塩 基 触 媒 または 酸 触 媒 によって 促 進 される 酸 触 媒 反 応 の 場 合 p1063 カルボキシ 炭 素 における 置 換 反 応 3 カルボン 酸 への 直 接 的 な 置 換 反 応 は 難 しい 理 由 1: 水 酸 基 の 脱 離 能 力 の 低 さ 理 由 2:カルボキシ 水 素 は 酸 性 であるため,カルボキシラートが 先 に 生 成 してしまう カルボキシラートは, 共 鳴 安 定 化 でアニオン 性 が 分 散 しているので カルボニル 炭 素 への 求 核 攻 撃 は 起 こりにくい p

20 19-8 カルボン 酸 誘 導 体 :ハロゲン 化 アルカノイル および 酸 無 水 物 重 要! RCHのヒドロキシ 基 をハロゲン 化 物 イオンで 置 き 換 えた 化 合 物 (RCX)を ハロゲン 化 アルカノイルと 呼 ぶ カルボン 酸 よりも 脱 離 力 のあるハロゲンを 有 するので それを 利 用 する 合 成 が 出 来 る カルボン 酸 から,SCl 2 ( 塩 化 チオニル)やPBr 3 を 用 いて 合 成 できる SCl 2 :アルコールの 塩 素 化 に 使 った 試 薬 (9 章 4 節 ) p1065 ( 反 応 機 構 は 総 合 問 題 p928 参 照 ) 非 常 に 良 い 脱 離 基 アルコールの 塩 素 化 の 反 応 機 構 と 似 ている(9 章 4 節 ) 20

21 9 章 4 節 HCl R PBr 3 の 反 応 の 場 合 ( 最 初 の 段 階 ) 酸 無 水 物 (カルボン 酸 無 水 物 ) ハロゲン 化 アルカノイルのカルボニル 基 はハロゲンの 電 子 求 引 性 のために 反 応 活 性 が 高 い 例 えば,カルボン 酸 と 反 応 させると 酸 無 水 物 を 与 える 21

22 環 状 の 酸 無 水 物 であれば,ジカルボン 酸 を 加 熱 することで 合 成 できることがある ただし,5,6 員 環 の 酸 無 水 物 に 限 られる 19-9 カルボン 酸 誘 導 体 :エステル エステルは, 一 般 式 RCR を 持 つ 自 然 界 に 広 く 存 在 し,カルボン 酸 誘 導 体 で 最 も 重 要 な 分 子 である エステルの 医 薬 品 例 1:プラビックス(サノフィ アベンティス) S 2006 年 度 医 薬 品 売 り 上 げ 3 位 N 62 億 ドル Cl H Me H 2 S 4 血 小 板 凝 集 抑 制 作 用 脳 血 管 障 害, 動 脈 閉 塞 症 などに 効 果 がある エステルの 医 薬 品 例 2:デメロール( 日 本 名 :メペリジン ペチジン) Et 2 C N マイケル ジャクソンが 心 停 止 したときに 使 用 していた 薬 物 塩 酸 ペチジン 注 射 液 用 法 1. 激 しい 疼 痛 時 における 鎮 痛 鎮 静 鎮 痙 2. 無 痛 分 娩 禁 忌 :MA(モノアミン 酸 化 酵 素 ) 阻 害 剤 パーキンソン 病 うつ 病 治 療 薬 22

23 エステル 誘 導 体 医 薬 品 アスピリン: C 2 H H CH 3 CH 3 C 2 H CH 3 H +, サリチル 酸 アスピリン 解 熱 鎮 痛 抗 炎 症 剤 ヤナギの 木 の 皮 から,サリチル 酸 が 発 見 サリチル 酸 には 鎮 痛 効 果 があったが, 強 い 酸 性 のため, 胃 腸 障 害 を 引 き 起 こす アスピリンは, 腸 管 で 吸 収 された 後 に 肝 臓 で 代 謝 され,サリチル 酸 になるので 胃 腸 障 害 を 示 さない また,アスピリンには 血 小 板 凝 集 抑 制 作 用 があり, 血 栓 症, 心 臓 発 作 予 防 などにも 効 果 がある 他 の 解 熱 鎮 痛 薬 23

24 エステル 合 成 1 酸 触 媒 反 応 重 要! ただし 通 常 3 級 アルコールなどは 用 いることができない E1 反 応 などが 起 こるため p1068 エステル 合 成 1 酸 触 媒 反 応 の 反 応 機 構 24

25 エステル 化 の 逆 反 応 は,エステル 加 水 分 解 反 応 である この 反 応 は,エステル 化 と 同 様 の 条 件 で 行 われるが, 平 衡 を 偏 らせるために 水 に 混 ざる 溶 媒 中 (アセトンなど)で, 過 剰 の 水 を 用 いて 行 う (エステル 化 反 応 は アルコール 溶 媒 中 で 行 う ) p

26 ラクトン: 分 子 内 にヒドロキシ 基 とカルボキシ 基 を 有 する ヒドロキシカルボン 酸 を 触 媒 量 の 無 機 酸 で 処 理 すると, ラクトン( 環 状 エステル)が 得 られる 反 応 は, 分 子 内 エステル 化 による 5,6 員 環 を 形 成 する 場 合 に 起 こる 分 子 内 脱 水 反 応 p1071 その 他 の 反 応 によるエステル 化 (これまでに 習 った 反 応 ) カルボキシラートイオンのハロアルカンへの 反 応 ( 上 巻 8 章 5 節 参 照 ) 26

27 練 習 問 題 H + RCH + R H RCR + H 2 の 反 応 機 構 を 書 け 練 習 問 題 練 習 問 題 (b)の 解 答 は1つしか 書 いてないですが 2つ 考 えてみてください a)は 反 応 機 構 も 記 せ カルボン 酸 誘 導 体 :アミド アミドは, 一 般 式 RCNHR を 持 つ 医 薬 品 にも 多 く 含 まれる 構 造 である 重 要! 合 成 法 1.カルボン 酸 とアミンから 合 成 する 通 常 カルボン 酸 とアミンを 混 合 すると,カルボン 酸 のアンモニウム 塩 が 形 成 される 但 し,この 反 応 は 可 逆 反 応 である カルボン 酸 へ,アミンが 求 核 攻 撃 することにより,アミドが 出 来 る カルボン 酸 への 求 核 置 換 反 応 は 起 こりにくいことを 思 い 出 しましょう p

28 カルボン 酸 誘 導 体 :アミド2 カルボン 酸 へ,アミンが 求 核 攻 撃 することにより,アミドが 出 来 る 加 熱 が 必 要 アミドの 生 成 は, 逆 方 向 にも 進 行 しうる つまり,アミドを 酸 または 塩 基 の 水 溶 液 で 加 熱 すると,カルボン 酸 とアミンに 加 水 分 解 される ただし 次 章 で 習 うハロゲン 化 アルカノイルとアミンの 反 応 の 方 が 一 般 的 p1073 カルボン 酸 誘 導 体 :アミド3 ジカルボン 酸 とアミンが 反 応 すると,イミドができる イミド:カルボン 酸 無 水 物 の 窒 素 類 縁 体 ハロゲン 化 に 用 いるN-ハロブタンイミドは Hをハロゲンに 変 えた 化 合 物 ( 例 えば N-ブロモスクシンイミドなど) N B r N + B r 28

29 カルボン 酸 誘 導 体 :アミド4 アミノ 酸 からアミドを 形 成 すると, 環 化 しラクタムを 与 える 場 合 がある ラクタム: 環 状 アミド ラクトンの 窒 素 類 縁 体 生 理 活 性 物 質 特 にペニシリン 系 抗 生 物 質 によくある 構 造 名 前 の 整 理 NR 2 N R NR アミド イミド ラクトン ラクタム p 水 素 化 アルミニウムリチウムによる カルボン 酸 の 還 元 水 素 化 アルミニウムリチウム(LiAlH 4 )は,カルボン 酸 を 還 元 して 対 応 するアルコールまで, 一 気 に 変 換 することができる 反 応 後 は,アルミニウム 塩 として 存 在 するため, 酸 性 溶 液 で 後 処 理 して 得 ることができる 重 要! p

30 19-12 カルボキシ 基 の 隣 接 位 の 臭 素 化 : Hell-Volhard-Zelinsky 反 応 重 要! アルデヒド,ケトンと 同 様 にアルカン 酸 は, 微 量 のPBr 3 存 在 下, 臭 素 と 反 応 させて, α 炭 素 をブロモ 化 できる この 反 応 をHell-Volhard-Zelinsky 反 応 と 呼 ぶ PBr 3 は, 臭 素 中 にリンを 加 えることで, 反 応 容 器 中 で 調 製 される 1つだけ 臭 素 が 入 る α-ハロゲン 化 カルボン 酸 は 合 成 上 価 値 がある p1075 酸 ハロゲン 化 物 の 合 成 19 章 8 節 エノール 化 18 章 2 節 エノールの ハロゲン 化 18 章 3 節 参 照 2 置 換 は 起 こらない 総 合 問 題 参 照 30

31 ( 参 照 18-3 アルデヒドおよびケトンのハロゲン 化 ) エノールまたはエノラートはハロゲン 化 剤 と 反 応 して,αハロゲン 化 する 触 媒 としては, 酸 および 塩 基 が 用 いられるが, 用 いる 触 媒 によって ハロゲン 化 の 程 度 が 変 わる 酸 触 媒 反 応 では 一 つ 目 のハロゲン 化 で 通 常 止 まる 二 つ 目 のハロゲンが 入 るためには, ハロゲンが 入 った 化 合 物 が 再 度 エ ノール 化 しないといけないが,ハロ ゲンの 電 子 求 引 性 のため, 再 エノ ラート 化 が 起 こりにくい p1000 Hell-Volhard-Zelinsky 反 応 2 得 られるα-ブロモカルボン 酸 は, 種 々の 物 質 へと 変 換 できる 重 要 な 中 間 体 である 当 然, 脂 肪 族 のカルボン 酸 しか 臭 素 化 出 来 ません C 2 H C 2 H などは 反 応 しない 31

32 19-13 カルボン 酸 の 生 物 活 性 最 初 にやったので 読 んでおいてください カルボン 酸 類 ( 医 薬 品 の 観 点 からさらに 一 例 : 教 科 書 に 載 っていない 例 ) L-DPA(ドーパミンの 前 駆 体 : 映 画 レナードの 朝 ) H NH 2 NH 2 H H L-DPA C 2 H 神 経 機 能 の 回 復 に 効 果 (パーキンソン 病 の 治 療 薬 ) 鏡 H 2 C H D-DPA 毒 性 がかなり 高 い ちなみにこのL-DPAの 大 量 不 斉 合 成 に 成 功 したことで Monsanto 社 のKnowlesは,2001 年 ノーベル 化 学 賞, 野 依 良 治 らとともに 受 賞 32

33 ~テストに 出 ない 小 話 ~ 2001 年 ノーベル 化 学 賞 : K. B. Sharpless, 野 依 良 治,W. S. Knowles 受 賞 理 由 :キラル 触 媒 による 不 斉 合 成 反 応 の 研 究 K. B. Sharpless 不 斉 酸 化 反 応 オレフィンのエポキシドへの 酸 化 野 依 良 治 不 斉 還 元 反 応 BINAP 触 媒 を 開 発 して, 不 斉 還 元 反 応 の 開 発 に 成 功 W. S. Knowles 不 斉 還 元 反 応 DIPAMPという 触 媒 を 創 製 して, パーキンソン 病 治 療 薬 L-DPAの 工 業 的 合 成 に 成 功 PPh 2 PPh 2 還 元 反 応 の 不 斉 化 でノーベル 賞 受 賞 (R)-BINAP 不 斉 合 成 とは? ( 不 斉 不 正 ) 光 学 活 性 化 合 物 の 一 方 をうまく 作 る 技 術 光 学 活 性 化 合 物 とは? 右 手 と 左 手 の 関 係 に 相 当 する 分 子 ( 鏡 像 異 性 体 )の 一 方 の 異 性 体 鏡 像 異 性 体 ( 光 学 異 性 体 ) C D C D A B 不 斉 中 心 B 鏡 A 左 手 この 関 係 を 鏡 像 体 関 係 (エナンチオマーの 関 係 )といい このような 分 子 を 光 学 活 性 な 分 子 という 右 手 鏡 なぜ 不 斉 合 成 が 重 要 なのであろうか? 33

34 A D H C B (S)-Carvone 不 斉 中 心 光 学 活 性 化 合 物 ( 鏡 像 体 )の 例 鏡 H (R)-Carvone H (S) 体 のカルボンは,キャラウエイの 臭 い, (R) 体 のカルボンは,スペアミントの 臭 い 例 えば,スペアミントの 代 わりに, キャラウエイ 味 の 歯 磨 き 粉 があっても 我 慢 は 出 来 るかもしれない が 薬 だったらどうだろう? 光 学 活 性 なアミノ 酸 と 糖 などから 出 来 ている 生 命 体 は, 右 手 系 と 左 手 系 を 厳 密 に 区 別 する 左 手 用 右 手 で 左 手 用 のはさみは 使 いにくい 右 手 に 左 手 用 のグローブは 入 らない 右 手 用 左 手 用 グローブ 薬 ではどうだろう? L-DPA(パーキンソン 病 の 治 療 薬 ) H H L-DPA NH 2 C 2 H 神 経 機 能 の 回 復 に 効 果 H NH 2 H 2 C H 鏡 D-DPA 毒 性 がかなり 高 い ちなみにこのL-DPAの 大 量 不 斉 合 成 に 成 功 したことで Monsanto 社 のKnowlesは 2001 年 ノーベル 賞 を 受 賞 サリドマイド( 鎮 静 睡 眠 薬 ): 薬 害 最 近 では, 抗 癌 剤,ハンセン 病 治 療 薬 として 使 用 HN N (R) N (S) NH 薬 害 サリドマイドはラセミ 体 ( 鏡 像 体 の 等 量 混 合 物 )を 用 いたためだと 言 われてきた 催 眠 性 鏡 催 奇 性 1992 年 アメリカFDA( 食 品 医 薬 品 局 )による 医 薬 品 のラセミ 体 使 用 に 関 する 勧 告 重 要 性 増 大 一 方 のみを 作 る 技 術 が 必 要 不 斉 合 成 34

35 練 習 問 題 練 習 問 題 Hell-Volhald-Zelinsky 反 応 の 反 応 機 構 を 示 せ C H 3 C H 2 C 2 H P, B r 2 C H 3 C H C 2 H B r 35

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<96DA8E9F81698D8791CC9770816A2E786C73> [ 薬 と 疾 病 ] C13 薬 の 効 くプロセス 医 薬 品 の 作 用 する 過 程 を 理 解 するために 代 表 的 な 薬 物 の 作 用 作 用 機 序 および 体 内 での 運 命 に 関 する 基 本 的 知 識 と 態 度 を 修 得 し それらを 応 用 する 基 本 的 技 能 を 身 につける (1) 薬 の 作 用 と 生 体 内 運 命 作 用 部 位 に 達 した

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