支持療法

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1 支持療法 国立がん研究センターがん対策研究所がん医療支援部中央病院薬剤部齋藤義正

2 がん化学療法の目的 早期がん ( 術後化学療法 ) 化学療法により完治する可能性が高い ( 白血病 リンパ腫など ) 進行 再発がん 治癒を目指す ( 徹底した抗腫瘍治療 + 積極的な支持療法 ) 延命治療緩和治療 (QOL 重視 ) 支持療法 有害事象の管理は治療を定期的に必要量投与し, dose intensity を維持していくためにも非常に重要である

3 有害事象共通用語規準 (Common Terminology Criteria for Adverse Events: CTCAE) 米国国立がん研究所 (NCI) 作成 医療者による評価 有害事象を評価するための世界共通のものさし Grade 1 Grade 2 Grade 3 軽症 ; 症状がない, または軽度の症状がある ; 臨床所見または検査所見のみ ; 治療を要さない 中等症 ; 最小限 / 局所的 / 非侵襲的治療を要する ; 年齢相応の身の回り以外の日常生活動作の制限 重症または医学的に重大であるが, ただちに生命を脅かすものではない ; 入院または入院期間の延長を要する ; 身の回りの日常動作の制限 Grade 4 Grade 5 AE による死亡 生命を脅かす ; 緊急処置を要する ( 最終閲覧日 : 2021 年 8 月 3 日 )

4 PRO-CTCAE (Patient-Reported Outcomes of the CTCAE) 既存の CTCAE を生かしつつ PRO の要素を導入し, 患者の自己評価に基づいて 有害事象を測定できるシステムツール PRO-CTCAE の項目に対応する CTCAE の項目を同時期に評価することを推奨 (NCI) 症状のスクリーニングやモニタリングのツール 患者と医療者のコミュニケーション促進 日常診療での利用には, 電子カルテへの反映が必須だが, 規制, 技術的な課題も ( 最終閲覧日 : 2021 年 8 月 3 日 )

5 悪心 嘔吐

6 悪心 嘔吐の経過概念図 前のコースで吐いた場合予測性 ( 心因性 ) 因子 5-HT3 受容体拮抗薬 Minor tranquilizer 第一世代 5-HT3 受容体拮抗薬パロノセトロン 嘔吐の強度 ステロイド D 2 受容体拮抗薬 NK-1 受容体拮抗薬 セロトニンの関与消化管運動障害 Substance Pなど デキサメタゾン メトクロプラミドドンペリドン アプレピタント 急性期 遅発期 日数 佃守 : 臨床腫瘍プラクティス. 6(1), p.94, ヴァンメディカル, 2010 より引用改変

7 注射 経口抗がん剤の催吐性リスク分類 リスク注射薬経口薬 ( 主なものを抜粋 ) 高度 (HEC) (>90%) 中等度 (MEC) (30-90%) 軽度 (LEC) (10-30%) 最小 (<10%) イホスファミド ( 2 g/m 2 / 回 ), シクロホスファミド (>1500 mg/m 2 ), シスプラチン, ダカルバジン, ドキソルビシン ( 60 mg/m 2 ) など カルボプラチン (HEC に準じた扱い ), イダルビシン, イホスファミド (<2 g/m 2 / 回 ), イリノテカン, オキサリプラチン, シクロホスファミド (<1500 mg/m 2 ), シタラビン (>200 mg/m 2 ), ドキソルビシン (<60 mg/m 2 ), ベンダムスチン, メトトレキサート ( 250 mg/m 2 ) など エトポシド, ゲムシタビン, シタラビン (100~200 mg/m 2 ), ドセタキセル, パクリタキセル, フルオロウラシル, ペメトレキセド, メトトレキサート (50~250 mg/m 2 未満 ) など ビノレルビン, ビンクリスチン, フルダラビン, ブレオマイシン, メトトレキサート ( 50 mg/m 2 ) など プロカルバジン イマチニブ, クリゾチニブ, シクロホスファミド, テモゾロミド, ブスルファン ( 4 mg/ 日 ), ボスチニブなど カペシタビン, サリドマイド, テガフール ウラシル (UFT), テガフール ギメラシル オテラシル (S-1), ニロチニブ, ブスルファン (<4 mg/ 日 ), ポナチニブ, レナリドミドなど エルロチニブ, ゲフィチニブ, ダサチニブ, ポマリドミド, メルカプトプリンなど 日本癌治療学会制吐薬適正使用ガイドライン第 2 版, p.28-31, 金原出版, 2015 より引用改変

8 併用レジメンのリスク分類 原則 複数の抗がん剤を併用するレジメンのリスクは, もっとも高いリス ク分類に該当する抗がん剤のリスクに合わせる 例外 (2015 版より変更 ) 消化器がん FOLFOXIRI MEC HEC FOLFIRINOX MEC HEC GEM/CDDP (25 mg/m 2 ) HEC MEC GEM/S-1 LEC MEC GEM/nab-PTX LEC MEC *AC / EC 療法 : 前回の改訂ですでに変更済み MEC HEC 日本癌治療学会制吐薬適正使用ガイドライン第 2 版, p.27, 金原出版, 2015 を参考に作成

9 高度リスク (HEC) day1 day2 day3 day4 day5 アプレピタント 5-HT 3 受容体拮抗薬 デキサメタゾン 中等度リスク (MEC) アプレピタント 5HT 3 受容体拮抗薬デキサメタゾン 5HT 3 受容体拮抗薬 125 mg (po) 80 mg (po) 80 mg (po) 9.9 mg (iv) 8 mg (po) 8 mg (po) 8 mg (po) 8 mg (po)* カルボプラチン使用時 ( オプション : オキサリプラチン, イホスファミド, イリノテカン, メトトレキサートなど ) 軽度リスク (LEC) 催吐リスク別の制吐療法 125 mg (po) 80 mg (po) 80 mg (po) 4.95 mg (iv) 4 mg (po)* 4 mg (po)* 4 mg (po)* デキサメタゾン 9.9 mg (iv) 8 mg (po) 8 mg (po) 8 mg (po)* デキサメタゾン 最小リスク 6.6 mg (iv) 予防的投与は推奨されない * 必要に応じて追加 日本癌治療学会制吐薬適正使用ガイドライン第 2 版, p.21-23, 金原出版, 2015 より引用改変

10 本邦における悪心嘔吐の発現状況 Tamura K et al. Int J Clin Oncol 20(5): (2015)

11 悪心 嘔吐発現時期の違い CDDP と non-cddp,mec 悪心発現率 (%) Non-CDDP-HEC (FEC, EC, AC, CHOP etc) CDDP-HEC MEC (TC, FOLFOX, CBDCA+PEM, XELOX, etc) Tamura K et al. Int J Clin Oncol 20(5): (2015)

12 悪心 嘔吐の危険因子 若年 つわり CINV 経験 女性 悪心嘔吐 乗り物酔い 不安 飲酒なし National Comprehensive Cancer Network Clinical Practice Guidelines in Oncology Antiemesis. version 1-December 23, ( 最終閲覧日 : 2021 年 8 月 3 日 ) より引用 改変

13 ステロイド ( デキサメタゾン ) スペアリング デキサメタゾンは血糖上昇, 不眠, 消化性潰瘍, 骨量低下などの副作用を有する 中等度またはシスプラチン以外の高度催吐リスク化学療法に対して 2 日目以降のデキサメタゾンを省略可能 5HT 3 受容体拮抗薬はパロノセトロンを使用 例 パロノセトロン 1 日目 2 日目 3 日目 4 日目 0.75 mg (iv) デキサメタゾン 9.9 mg (iv) 8 mg (po) 8 mg (po) 8 mg (po) 省略可能 2 日目以降のデキサメタゾンの不使用は治療オプションの 1 つ Aapro M, et al. Ann Oncol 21(5): (2010) Komatsu Y, et al. Cancer Sci 106(7): (2015) Furukawa N, et al. Support Care Cancer 23(11): (2015) Kosaka Y, et al. Support Care Cancer 24(3): (2016) Nakamura M, et al. Oncologist 22(5): (2017) Ito Y, et al. J Clin Oncol 36(10): (2018)

14 MEC の制吐療法の DEX sparing のメタ分析 MEC または AC レジメン施行時, パロノセトロン併用下では day2 と day3 の デキサメタゾン投与は省略できる (CR の評価で非劣勢が検証された ) 悪心 嘔吐の完全抑制 (CR; 嘔吐なし, かつ救済治療なし ) Okada Y, et al. Oncologist 24(12): (2019)

15 HEC の制吐療法における DEX Sparing Ito Y, et al. J Clin Oncol 36(10): (2018) 高催吐リスクの化学療法施行時, NK-1 受容体拮抗薬とパロノセトロン併用下では, day2 と day3 のデキサメタゾン投与は省略できる

16 HEC の制吐療法における DEX Sparing AC CDDP HEC における DEX sparing は,AC 療法の患者でベネフィット DEX の 3 日間投与は, 悪心, 食欲不振, 疲労等を抑える可能性 HEC において DEX sparing を行う場合は, 慎重に患者を選択する ( リスク因子を持つ患者や CDDP レジメンでは要注意 ) Ito Y, et al. J Clin Oncol 36(10): (2018) より作図

17 制吐薬としてのオランザピン 抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状 ( 悪心, 嘔吐 ) 適応追加 他の制吐剤との併用で使用 5 mgを1 日 1 回経口投与する (1 日量は10 mgまで ) 各クールの投与期間は6 日間までを目安 (JASCCは4 日を推奨 ) 高血糖, 鎮静 ( 眠気 ) などの副作用に注意 高齢者への投与は慎重に行う (JASCC は認知症患者に対しても注意喚起 ) 必読!: 制吐薬としてオランザピンを使用する上での注意点 日本がんサポーティブケア学会 (JASCC) ( 最終閲覧日 : 2021 年 7 月 16 日 )

18 (%) シスプラチン (50 mg/m 2 ) 含有レジメン n = 690 嘔吐完全抑制割合 (CR) 急性期遅発期全期間 R 対照群 PALO + DEX + APR + プラセボ 試験群 PALO + DEX + APR + オランザピン 5 mg p < PALO+DEX+APR への OLZ 5 mg の併用は, 新しい標準治療として期待 される OLZ 5 mg 併用群では 不眠が少ない ( 良眠に繋がる ) 食欲不振も軽減 Hashimoto H, et al. Lancet Oncol 21(2): (2020)

19 血液毒性

20 発熱性好中球減少症 (FN: Febrile Neutropenia) 定義 :12を満たす場合 1 好中球数が500/μL 未満, または1,000/μL 未満で48 時間以内に500/μL 未満に減少すると予測される状況 2 腋窩温 37.5 以上 ( 口腔内温 38 以上 ) の発熱 がん薬物治療上最も問題となる用量規定因子発現頻度 : 固形腫瘍 10 50% 血液腫瘍 80% 以上感染巣や原因微生物を同定できる確率は 20 30% 発熱直後から直ちに広域抗菌薬を投与する 日本臨床腫瘍学会編集 : 発熱性好中球減少症 (FN) 診療ガイドライン改定第 2 版, 南江堂, 2017.

21 MASCC スコアリングシステム 国際がんサポーティブケア学会 (Multinational Association of Supportive Care in Cancer: MASCC) FN 発症時の臨床症状無症状軽度の症状中等度の症状 低血圧がない 慢性閉塞性肺疾患がない 固形がんである, または造血器腫瘍で真菌感染がない 補液を必要とする脱水がない 外来管理下 年齢 < 発熱時のリスクを判定するためのもの (21 点以上は低リスク,20 点以下は高リスク ) 低リスクと判定された患者でも約 10% に重症化するリスクがあることに注意 Klastersky J et al. J Clin Oncol 18(16): (2000)

22 G-CSF 製剤の投与方法 予防的投与 ( 好中球が減少する前から投与 ) G-CSF 時間後 好中球数 化学療法 治療的投与 ( 好中球が減少してから投与 ) 好中球数 G-CSF 好中球数 <500/mm 3 化学療法 GCSF の治療的投与は推奨されない 重症化する可能性が高い場合には, 使用が考慮される

23 FN 患者に対する初期治療 ( 経験的治療 ) リスク因子がある場合は入院加療 日本臨床腫瘍学会編集 : 発熱性好中球減少症 (FN) 診療ガイドライン改定第 2 版, p.12, 南江堂, 2017 より引用

24 FN 患者に対する経験的治療開始 3~4 日後の再評価 好中球数 <500/μL でも抗菌薬中止を検討 日本臨床腫瘍学会編集 : 発熱性好中球減少症 (FN) 診療ガイドライン改定第 2 版, p.13, 南江堂, 2017 より引用

25 がん薬物療法での G-CSF の一次予防 日本臨床腫瘍学会編集 : 発熱性好中球減少症 (FN) 診療ガイドライン改定第 2 版, p.14, 南江堂, 2017 より引用

26 FN 発症リスクが 20% を超える主なレジメン がん種レジメン FN 発現率 悪性リンパ腫 CHOP (q21d) 17-50% 乳がん TC (DTX75 + CPA600) 68.8% TAC (DTX75 + ADR50 + CPA500) 前立腺がん Cabazitaxel 25 mg/m 2 + PSL 10 mg 25.2% 54.5% 骨肉腫 AP (DXR + CDDP) 21% 非小細胞肺癌 DTX + RAM 34% 膵臓がん FOLFIRINOX (CPT-11 + L-OHP + 5-FU + l-lv) 22.2% 日本臨床腫瘍学会編集 : 発熱性好中球減少症 (FN) 診療ガイドライン改定第 2 版, p.47-49, 南江堂, 2017 より一部引用

27 血小板減少 治療法 : 抗がん薬による血小板減少の標準治療は血小板輸血のみ原因 : 化学療法後の血小板減少は主に造血幹細胞から血小板へと至る 分化 増殖過程が傷害されることによる 骨髄抑制以外にも, 骨髄浸潤や腫瘍随伴症状 (DIC) として発現 することもある発現しやすい主な抗がん薬 : CBDCA,GEM,PTX,ETP,CPA など 血小板数 <1 万 /μlの場合, 血小板輸血を検討する 出血リスクが高い場合や血小板製剤入手に制限がある場合は血小板数 <2/μL, 治療前の急性前骨髄球性白血病では病態によって血小板数 2-5 万 /μlで輸血するなど, 患者の状態等により柔軟に対応する 高見昭良ら : 科学的根拠に基づいた血小板製剤の使用ガイドライン :2019 年改訂版. 日本輸血細胞治療学会誌, 65 巻 3 号, , 2019.

28 貧血 ( 赤血球減少 ) 定義 : WHO 成人男性 Hb 13g/d L 未満成人女性 Hb 12 g/d L 未満自覚症状 : 疲労, 動悸, 息切れ, めまい, 頭痛輸血の目安 : Hb 7g/dL 以下 ( 臨床症状を考慮して ) 輸血療法の実施に関する指針 ( 厚生労働省医薬食品局血液対策課平成 17 年 9 月改訂版より ) その他の原因との鑑別放射線照射, がんの骨髄浸潤, 出血, 鉄 ビタミン欠乏, エリスロポエチン産生 反応性低下,DIC, 脾腫など 薬剤名 全 Grade (%) パクリタキセル 74.0 イリノテカン 57.3 ドセタキセル 46.5 ティーエスワン 38.1 シスプラチン 28.0 カペシタビン 26.2 エピルビシン 20.6 ペメトレキセド 19.2 照射濃厚赤血球 MAP 1 単位 :140 ml (200 mlの全血由来 ) 50 kgの患者は2 単位でHb: 1.5 g/dl 上昇 一般に1~2 単位 / 日が目安 Hb 値は10 g/dl 以上にする必要はない 保存期間に伴うカリウム上昇に注意 頻回の輸血は鉄過剰症をきたす 鉄キレート剤で対応 * 各薬剤インタビューフォームより

29 下痢 便秘

30 下痢の機序 コリン作動性 - 投与当日 ( イリノテカンの早発性下痢 ) - 消化管の副交感神経が刺激され, 蠕動が亢進 - 抗コリン薬 ( アトロピン, ブチルスコポラミン ) で対応可能 腸管粘膜障害 - 投与後数日経って発症 ( イリノテカンの遅発性下痢 ) - 腸管粘膜の障害 ( 腸液分泌 > 吸収 ) - 易感染状態 ( バリア機能破綻, 腸内細菌叢の変化 ) Cl - 分泌による分泌性下痢 - 抗 EGFR 薬により腸管上皮細胞からのCl - 分泌が亢進し, 水分の分泌が増大 免疫関連毒性 - 免疫チェックポイント阻害薬による - 免疫抑制を慎重に行うことが管理の基本, 感染に留意

31 下痢を起こしやすい抗がん薬 薬剤 全グレード グレード 3 以上 イリノテカン 43.0% 10.2% 5-FU 12.3% - 好発時期 早発性 ( 投与当日 ) はコリン作動性遅発性 ( 投与 24 時間以降 ) は腸粘膜障害 投与開始後数日から 10 日程度以降 ティーエスワン 18.7% 2.9% 投与開始後 1~4 週目 カペシタビン 25.5% 1.7% 1,2 コース目 メソトレキセート 30.2% - パクリタキセル 29.8% 1.1% ドセタキセル 22.8% 2.9% 投与後開始数日から 10 日程度以降 備考 特に好中球低下により致命的な経過をたどる 投与回数により増大 シタラビン ( 大量 ) 16.9% - 好中球低下時 米村雅人ら : がん薬物療法の支持療法マニュアル : p.22, 2013 より引用改変 各薬剤添付文書, インタビューフォーム

32 下痢を起こしやすい分子標的薬 薬剤 全グレード (%) Grade 3 以上 (%) 主な機序 エルロチニブ 55 6 Cl - 分泌による分泌性下痢 ゲフィチニブ 47 4 Cl - 分泌による分泌性下痢 アファチニブ Cl - 分泌による分泌性下痢 ソラフェニブ 43 2 消化管粘膜障害 スニチニブ 53 5 消化管粘膜障害 イマチニブ 28 2 腸の運動調節, 粘膜障害 エベロリムス 17 1 腸内細菌叢の変化 ボルテゾミブ 51 8 自律神経障害 セツキシマブ 13 2 Cl - 分泌による分泌性下痢 イピリムマブ 免疫学的機序 ニボルマブ 10 3 免疫学的機序 米村雅人ら : がん薬物療法の支持療法マニュアル : p.22, 2013 より引用改変 各薬剤添付文書, インタビューフォーム

33 イリノテカンの代謝と薬理作用 トポテシン 適正使用ガイド 2014 年 3 月改訂版

34 下痢への対処法 欧州臨床腫瘍学会 (ESMO) のガイドラインでは, 症状が軽度 (Grade 1, 2) な非複雑性の下痢の場合は, 経口補水や食事内容の変更, ロペラミドの投与を検討することが推奨されている 重症度が高い (Grade 3, 4) 複雑性の下痢の場合は, 原則として入院での対応し, 血液, 便培養を行うとともに, ロペラミドに不応の場合には, オクトレオチド, 抗菌薬の投与を考慮することが推奨されている ロペラミドの推奨投与量は, 初回 1 回 4 mg 内服, 以後水様便を認めるごとに 1 回 2 mg を追加投与し, 最大 1 日 16 mg までとなっている 国内のロペラミドの投与量は 1 日 1~2 mg であり, 海外での投与量と大きく乖離していることに十分留意する 感染性下痢症との鑑別も必要で処方提案の前にまずは適応判断を行う Bossi P, et al, Ann Oncol 29 Suppl 4: iv126-iv142 (2018)

35 ロペラミド ( 腸管蠕動抑制剤 ) 使用の前に 感染性下痢症の鑑別で考慮すべき項目 他の症状を有している ( 発熱, 腹痛が強い場合, 倦怠感など ) 便性状 ( 血便, 粘液便など ) Sick Contact ( 有症状者との接触 ) の有無や地域の流行状況 摂食歴の状況 ( 生ものの摂取など ) 高齢, 抗菌薬 制酸剤などの投与歴 海外渡航歴の状況 感染性下痢症の状況下で ロペラミドを使用した場合, 最悪は患者の予後にも影響する! 上記項目や CD トキシン検査などで感染性の下痢症の除外が必要 安易なロペラミドの使用は禁忌に該当する可能性 ( 主治医とも協議の上で選択 )

36 便秘を起こしやすい抗がん薬 抗がん薬 頻度 微小管阻害薬 ビンクリスチン 8% ( ビンカアルカロイド系 ) ビンブラスチン 2.3% ビンデシン 6.4% ビノレルビン 8.1% 微小管阻害薬 パクリタキセル 2.48% ( タキサン系 ) ドセタキセル 2.4% 工藤祐子ら. がん薬物療法の支持療法マニュアル : p.15, 2013 より引用 併用薬にも留意抗ヒスタミン薬, 抗うつ薬, 抗精神病薬, オピオイドカルシウム拮抗薬,5-HT 3 受容体拮抗薬など

37 便秘の治療薬 分類薬剤機序効果発現 浸透圧性下剤 大腸刺激性下剤 クロライド チャネル アクチベーター グアニル酸シクラーゼ C 受容体刺激薬 胆汁酸トランスポーター阻害剤 酸化マグネシウム 腸管へ水分移行 3~7 時間 ポリエチレングリコール センノシド ピコスルファート Na ビサコジル坐剤 炭酸水素 Na/ 無水リン酸二水素 Na 配合坐剤 ルビプロストン リナクロチド エロビキシバット 工藤祐子ら : がん薬物療法の支持療法マニュアル p.17, 2013 より引用 腸管へ水分移行 蠕動運動促進腸管での水分吸収阻害 蠕動運動促進 腸液分泌 水分分泌促進 胆汁酸の再吸収抑制による水分分泌と消化管運動促進 8~10 時間 7~12 時間 15~60 分 約 18 分 24 時間以内 5.2 時間 その他グリセリン浣腸便の軟化, 潤滑直後 腎機能障害のある患者では, 長期投与には注意 ( 高 Mg 血症の恐れ )

38 皮膚障害

39 ざ瘡様皮疹, 乾燥, 爪囲炎 特徴 分子標的治療薬による特有のざ瘡様皮疹 EGFR 阻害剤は基底膜付近のケラチノサイトに作用 アポトーシス誘導, 遊走能 分化能の抑制, 炎症細胞の誘導を助長 例 ) セツキシマブ : ざ瘡様, 潰瘍, 亀裂, 乾燥, 脂漏性 Grade 1~2の発症率は約 80% ざ瘡様皮疹 掻痒 炎症性反応 皮膚乾燥 亀裂 爪囲炎 ( 週 ) Van Cutsem E. Oncologist 11: (2006) より引用改変

40 皮疹の発現と治療効果 エルロチニブ Grade 2+ 治療効果と皮疹の症状は相関 患者指導が重要 積極的に症状コントロール Grade 1 Grade 1~2: 皮疹対策をしながら治療継続 ( 効果と相関性あり ) Grade 3: 休薬 Grade 0 Wacker B, et al, Clin Cancer Res 13(13): (2007)

41 対策例 保湿剤 : ヘパリン類似物質等 洗浄, 保護などの日常生活の見直しやセルフケアについての介入が有用 ステロイド外用 ( 早期に開始 ) 顔 : strong 以上が必要 躯幹 四肢 : very strong~strongestが必要 テトラサイクリン系抗菌薬あるいはマクロライド系抗菌薬 ミノサイクリン100 mg/ 日で開始し, 症状軽快に伴い減量 / 間欠投与に移行 3ヵ月を目途とする クラリスロマイシンは相互作用 (CYP3A4) に注意 ステロイド内服重症例では, プレドニゾロン 10 mg/ 日の2 週間程度の使用を考慮する ざ瘡様皮疹, 乾燥, 爪囲炎への詳細な対応については 分子標的薬に起因する皮膚障害対策 EGFR 阻害薬に起因する皮膚障害の治療手引き 等を参考にしてください ( 最終閲覧日 :2021 年 7 月 16 日 )

42 手足症候群 疼痛を伴う浮腫や過角化による皮膚肥厚, 水疱, 亀裂, 潰瘍, 落屑 休薬の要因 疼痛は 熱傷のような痛み と表現されることが多い生命を脅かすものではないが,QOL を著しく低下させる原因となる 特徴 フッ化ピリミジン系 しびれ, 乾燥 チクチクまたはピリピリするような感覚の異常で始まり発赤が広がる 光沢をおびると疼痛が出現 対称性, びまん性 キナーゼ阻害薬 限局性 ( 物理的刺激 ) の紅斑, 角化で始まることが多い 荷重部に症状がより限局水疱形成や過角化を起こしやすい 疼痛, 発赤, 不快感, うずき 発現時期 投与後 4 ヶ月以内に初発するが 10 ヶ月まで初発が見られる 薬剤によって違いはあるが, 投与後 1~2 週から発現し, 発現のピークは 1 サイクル目 (1 ヶ月以内 ) が多い 患者側リスク因子 フルオロウラシル系 : 女性 高齢者に多い カペシタビン : 高齢者, 貧血, 腎障害のある患者で重篤化 重篤副作用疾患別対応マニュアル手足症候群平成 22 年 3 月 ( 令和元年 9 月改定 ) 厚生労働省 ( 最終閲覧日 : 2021 年 7 月 16 日 )

43 手足症候群 カペシタビンによる手足症候群 レゴラフェニブによる手足症候群 手足症候群の予防対策として保湿剤の使用は重要症状が強い場合, ステロイド外用薬の塗布 ゼローダ適正使用ガイド, p.48, 中外製薬 ( 株 ), 日本がんサポーティブケア学会 : がん薬物療法に伴う皮膚障害アトラス & マネジメント : p.100, 金原出版, 2018

44 Incidence of HFSR (%) 80 レゴラフェニブによる手足症候群 ( 加重の影響 ) 手よりも足が重篤化しやすい Hands Feet Any Grade p< % Grade % 全 Grade3 Any Grade 3 発現時期 ( 中央値 ) HFSR: 15 日 (3-423 日 ) Hands: 14 日 ( 日 ) Feet: 15 日 (3-423 日 ) Nonomiya Y et al. Oncol Res 27(5): (2019)

45 外用剤の選択例 フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍薬, キナーゼ阻害薬によって症状の傾向は異な るため, 薬物治療は区別して考える必要がある キナーゼ阻害薬の場合は増悪スピードが速いため強めのステロイドを早期より検討する 症状が Grade 2 に進行すると,Strongest のステロイド外用剤でも Grade 3 に進行することを阻止するのは困難なので分子標的薬の休薬を検討する カペシタビン等 保湿剤 外用ステロイド剤 レゴラフェニブ,EGFR-TKI 等 ( キナーゼ阻害薬 ) 保湿剤 外用ステロイド剤 (very strong 以上 ) 手足症候群への詳細な対応については 分子標的薬に起因する皮膚障害対策 マルチキナーゼ阻害薬に起因する皮膚障害の治療手引き 等を参考にしてください ( 最終閲覧日 :2021 年 7 月 16 日 )

46 保湿剤のアドヒアランスと保湿効果 塗布量の影響 適切な用量の指導 (FTU などの活用 ) 塗布量 塗布回数の影響 1 回の塗布量が多くても, 塗布回数が少ないと保湿効果は低下する 中村光裕ほか. 保湿剤の至適外用方法の検討. 皮膚の科学 5: , 2006 大谷真里子ほか. 保湿剤の効果に及ぼす塗布量および塗布回数の検討. 日皮会誌 122(1): (2012)

47 末梢神経障害

48 神経障害の発症機序と障害部位 神経細胞体障害 (neuronopathy) シスプラチン, カルボプラチンオキサリプラチン, ボルテゾミブサリドマイド 四肢末梢, 体幹, 顔面の感覚神経障害を発症 薬剤中止後も残存することあり 軸索障害 (axonopathy) パクリタキセルビンクリスチン 四肢末梢の感覚神経障害を発症 薬剤中止後は回復が見込まれる 髄鞘障害 (myelinopathy) アミオダロンタクロリムス 運動神経障害を発症 薬剤中止後は回復することが多い 河野豊ら : [ 薬物と神経筋障害診断と治療の進歩 ] 薬物による神経障害末梢神経障害の機序. 日内会誌. 96: (2007) を参考に作成

49 症状 特徴 薬剤名症状注意 対処法 シスプラチン オキサリプラチン 四肢末梢の手袋靴下型のしびれ感聴覚障害 ( 高音域 ), 耳鳴り急性症状 : 投与直後数時間以内手, 足, 口唇周囲部の異常感覚, 咽頭喉頭絞扼感慢性症状 : 四肢末梢のしびれ感 用量依存的 : mg/m 2 でほぼ100% 対処法 : 減量, 休薬急性 : 冷たいものに触らない慢性 : STOP & GO 800 mg/m 2 以上で発現 パクリタキセル頻度 : 60% 以上 ( 用量規制因子 ) 四肢遠位部優位の灼熱感投与後 1~3 日程度で発症筋肉痛 関節痛投与後 2~3 日目 用量 : 1 回 175 mg/m 2 以上, 累積投与量 500 mg/m 2 以上で発現しやすい症状に応じて, 減量, 休薬筋肉痛 関節痛は湿布, 解熱鎮痛剤で対応可能 ビンクリスチン 痛覚や触覚が強く障害される イレウス, 便秘, 尿閉など 用量規制因子 (2 mg/ 回 ) 減量, 休薬 高度の便秘やイレウスに注意

50 化学療法による末梢神経障害 (CIPN) の予防と対処に関するガイドライン (ASCO 2020) 予防神経障害を有する患者, 糖尿病や遺伝性神経障害の既往歴など神経障害の素因を有する患者では,CIPN を引き起こす薬剤使用のリスクと利益を評価する 使用すべきではない アセチル -L- カルニチン推奨しない ( 臨床試験として行うべき ) アミトリプチン N- アセチルシステイン ガバペンチン / プレガバリン カルバマゼピン カルシウム マグネシウム グルタチオン (CBDCA + PTX 療法に対して ) グルタミン酸 ビタミン B,E メトホルミン 牛車腎気丸など 治療投与延期, 減量, 化学療法の中止 ( または CIPN を引き起こさない薬剤に代替 ) の妥当性について評価し, 患者と話し合う必要がある 推奨しない ( 臨床試験として行うべき ) 運動療法 鍼治療 三環系抗うつ薬 ガバペンチン / プレガバリン バクロフェン / アミトリプチリン / ケタミン含有局所ゲルなど 痛みを伴う CIPN に対して試みてもよい デュロキセチン ( 保険適応外 ) ただし, 得られる利益は限定的である ( 利益と害は同等, エビデンスの質 : 中等度, 推奨度 : 中等度 ) Loprinzi CL et al. J Clin Oncol 38: (2020) をもとに作図

51 末梢神経障害性疼痛のマネジメント オキサリプラチンによる CIPN 症状予防に Ca/Mg は効果があるか? CIPN 症状 ( しびれ, 疼痛 ) の予防として Ca / Mg 投与は推奨しない ( 推奨度, エビデンスの総括 : 4B) オキサリプラチンによる CIPN 症状予防に牛車腎気丸は効果があるか? CIPN 症状 ( しびれ, 疼痛 ) の予防として牛車腎気丸投与は推奨しない ( 推奨度, エビデンスの総括 : 4B) CIPN の症状の緩和にビタミン B 12 製剤投与は効果があるか? CIPN 症状 ( しびれ, 疼痛 ) の緩和にビタミン B 12 製剤を推奨できるだけのエビデ ンスはない ( 推奨度, エビデンスの総括 : 3D) CIPN の症状の緩和にデュロキセチン投与は効果があるか? CIPN 症状 ( しびれ, 疼痛 ) の緩和にデュロキセチンを推奨できるだけの十分な エビデンスはないが, 特定の患者に試しても良い ( 推奨度, エビデンスの総括 : 2B) 日本がんサポーティブケア学会 : がん薬物療法に伴う末梢神経障害マネジメントの手引き 2017 年度版, p.31-42, 金原出版, 2017

52 CIPN に対する薬物療法の実際 2015 年 (N = 300) 2019 年 (N = 295) P value ビタミンB12 68 (22.5%) 61 (20.7%) 0.62 抗てんかん薬 ( プレガバリンなど ) 246 (82.1%) 254 (86.1%) 0.18 デュロキセチン 95 (31.7%) 216 (73.1%) <0.01 抗うつ薬 ( デュロキセチン以外 ) 92 (30.7%) 70 (23.7%) 0.07 NSAIDs 291 (97.7%) 218 (73.8%) <0.01 オピオイド 249 (83.1%) 204 (69.2%) <0.01 漢方 ( 牛車腎気丸など ) 54 (18.0%) 48 (16.2%) 0.59 Hirayama Y, et al. Jpn J Clin Oncol 50(8): (2020) より引用

53 腫瘍崩壊症候群

54 腫瘍崩壊症候群 (Tumor Lysis Syndrome: TLS) オンコロジック エマージェンシー 腫瘍が急激に崩壊し細胞内成分 : K, P, 核酸 (=UAへ) が血液中に大量に放出 Laboratory TLS (LTLS) UA,K,P のうち2つ以上該当 ( 基準値上限 : ULNを超える ) Clinical TLS (CTLS) LTLS + 以下の何れか Cre ( 1.5 x ULN), 不整脈, 痙攣 Gupta A, et al. JAMA Oncol 4(6): 895 (2018)

55 腫瘍崩壊症候群の機序 腫瘍細胞の崩壊 DNA 分解 DNA リンカリウムサイトカイン アデニン グアノシン 低血圧 炎症 イノシン グアニン ヒポキサンチン 急性腎障害 アロプリノールフェブキソスタット アラントイン 尿酸オキシダーゼ ラスブリカーゼ XO キサンチン XO 尿酸 リン カリウム XO: キサンチンオキシダーゼ 尿中排泄 Howard SC et al. NEMJ, 364: (2011) より引用改変 血中蓄積 腫瘍崩壊症候群

56 TLS のリスク分類 腫瘍タイプ高リスク (5% 以上 ) 中間リスク (1~5%)* 低リスク (1% 未満 )** 悪性リンパ腫 バーキット DLBCL ( 腫瘍径 >10 cm かつ LDH>ULN) 小児 DLBCL (LDH 2 x ULN) DLBCL (LDH>ULN) 小児 DLBCL (LDH<2 x ULN) DLBCL (LDH ULN) 低悪性度リンパ腫 ホジキンリンパ腫 急性リンパ性白血病 WBC 10 万 /μl WBC<10 万 /μl かつ LDH 2 x ULN WBC<10 万 /μl かつ LDH<2 x ULN 急性骨髄性白血病 多発性骨髄腫 WBC 10 万 /μl WBC 2.5 万 ~<10 万 /μl WBC<2.5 万 /μl かつ LDH 2 x ULN WBC<2.5 万 /μl かつ LDH<2 x ULN 低リスク疾患 固形がん 化学療法高感受性 *** かつ高腫瘍量 左記以外 ULN: 施設基準値上限,* 腎障害 /LTLS 合併時はリスクを一段階上げる,** 腎障害合併時はリスクを一段階上げる, *** 胚細胞腫瘍,SCLC, 神経芽腫 腫瘍崩壊症候群 (TLS) 診療ガイダンス第 2 版, 金原出版,2021 をもとに作図

57 TLS の予防 ( 最重要 ) TLS リスク 補液 アロプリノール / フェブキソスタット ラスブリカーゼ 低 〇 中間〇〇 高〇〇〇 TLS に対する使用は保険適応外 Wilson FP, Berns JS. Clin J Am Soc Nephrol 7(10): (2012) を一部改変 ハイドレーション 3,000 ml/m 2 /24 時間以上, 尿量 100 ml/m 2 / 時以上 ( 中 高リスク ) 低リスクでは通常量の補液投与 K, P 含まない生理食塩液や 0.45% 食塩液を投与 キサンチンオキシダーゼ阻害薬 キサンチン結晶による腎障害注意 メルカプトプリン, アザチオプリンとの併用についてアロプリノール 上記薬剤を 1/3~1/4 に減量フェブキソスタット 併用禁忌 ( 検証なし ) フェブキソスタットは軽度から中等度の腎障害時で用量調節の必要なし

58 アロプリノールとフェブキソスタットの比較 試験 : 多施設共同アロプリノール対照非盲検無作為化第 Ⅲ 相比較試験治療 : アロプリノール群 50 例 (300 mg/ 分 3) フェブキソスタット群 49 例 (60 mg/ 分 1) CTx 開始 24 時間前から服用し, 少なくとも 6 日間は継続服用 Tamura K, et al. Int J Clin Oncol. 21(5): (2016)

59 Day1 Day1 (4 hours) Day2 Day3 Day4 Day5 Day6 Day7 尿酸濃度 (mg/dl) ラスブリカーゼの有効性 < 尿酸 AUC (mg h/dl)> ラスブリカーゼ (RSB) 単独群 : 77± 57 逐次投与群 (RSB ALLP) :108± 70 アロプリノール (ALLP) 単独群 :646±285 * * Mean±SD *P < アロプリノール単独群 (Day1-5) 逐次投与群 (Day1-3 Day3-5) ラスブリカーゼ単独群 (Day1-5) Cortes J et al. J. Clin. Oncol., 28 (27): (2010)

60 ラスブリカーゼ投与法 : 連日投与 vs 間欠投与 投与方法 ( 添付文書 ) 0.2 mg/kg DIV (30 min) 投与期間は最大 7 日まで 0.15 mg/kg x 1 day 0.15 mg/kg x 5 days 採血サンプルは氷冷し 4 時間以内に測定 室温では尿酸分解が進み偽性低値になる 間欠投与は Low cost ( 右上図 ) 再投与不可 抗ラスブリカーゼ抗体による過敏症リスクと治療反応性の低下 ( 右下図 ) Vadhan-Raj S, et al. Ann Oncol 23(6): (2012) ラスブリカーゼ初回投与 ラスブリカーゼ再投与 Moia R, et al. Hematol Oncol 38(2): (2020)

61 TLS 予防での尿アルカリ化は推奨されない 細胞崩壊に伴う産生物ヒポキサンチン 1, キサンチン 130 > 50 尿酸 2, リン酸カルシウム 17 < 105 ph7 及び ph5 の水に対して, それぞれの物質を溶かすことのできる限界濃度溶解度が高い ( 数値が大きい ) ほどたくさん解ける 濃度が数値を超えると析出し沈殿する尿アルカリ化を積極的に推奨する根拠に乏しい 単位はいずれも (mg/dl) 中根実, がんエマージェンシー化学療法の有害反応と緊急症への対応, p85, 医学書院, 2015

62 がん関連血栓症

63 がん関連血栓症 凝固能異常 ( がん患者の50% 以上, 転移巣を有する場合には 90% 以上 ) 静脈血栓塞栓症は, 外来がん患者の死因の第 2 位 静脈血栓塞栓症 (venous thromboembolism: VTE) 深部静脈血栓症 (deep venous thrombosis: DVT) 肺塞栓症 (pulmonary embolism: PE) がん患者の VTE 危険因子 ( 表 ) 患者関連因子 活動性のがん PS 不良 進行がん 高齢 De Cicco M. Crit Rev Oncol Hematol 50(3): (2004) 妊娠等の後天的な凝固亢進 併存症 ( 心不全, 腎疾患, 肺疾患, 感染症 etc) 特定のがん (Khorana score 参照 ) 治療関連因子 大手術 中心静脈路 がん薬物療法 ( 後述 ) 調整可能な因子 喫煙 肥満 活動度 Khorana AA. Thromb Res 125(6): (2010) NCCN Guidelines Version , Cancer-Associated Venous Thromboembolic Disease 引用

64 原発部位ごとの VTE 発症割合 原発部位 VTEの発症割合 (%) 原発部位 VTEの発症割合 (%) 悪性黒色腫 前立腺 胃食道 肉腫 肝 6.7 乳房 頸部 3.1 脳 結腸直腸 肺 骨髄腫 白血病 子宮内膜 膀胱 4.7 腎 5.3 卵巣 膵 リンパ腫 精巣 9.4 Connolly GC, et al. Thromb Res 125 Suppl 2:S1-7 (2010)

65 がん患者における VTE のリスク予測 患者背景 スコア がん種 超高リスク ( 胃, 膵臓 ) 2 高リスク ( 肺, リンパ腫, 婦人科がん, 膀胱, 精巣 ) 1 化学療法前の血小板数 ( /μl) 1 ヘモグロビン値 10 g/dl 未満あるいはエリスロポエチン製剤の使用 化学療法前の好中球数 ( /μl) 1 BMI 35 kg/m 2 以上 1 1 総スコア 症候性 VTE 発症率 0 ( 低リスク ) % 1,2 ( 中リスク ) % 3 以上 ( 高リスク ) % Khorana AA, et al. Blood 111(10): (2008)

66 DOAC 時代の Cancer-associated VTE 対策予防 ( 本邦では適応外 ) リバーロキサバン 10 mg QD / アピキサバン 2.5 mg BID ( 予防投与期間は 6 か月間 ) の有効性は P-III 試験で検証済み 両試験ともに Khorana score 2, 外来がん患者が対象 主要評価項目 : VTE リバーロキサバン アピキサバン アピキサバン Hazard ratio, 0.4 (95% Cl, ) プラセボ N=421 N=288 アピキサバン リバーロキサバン N=420 プラセボ プラセボ N=275 Hazard ratio, 0.41 (95% Cl, ) CASSINI 試験 Khorana AA, et al. N Engl J Med 380(8): (2019) AVERT 試験 Carrier M, et al. N Engl J Med 380(8): (2019)

67 がん患者に対する DOAC 使用時の留意点 出血ハイリスク患者 脳腫瘍, 消化器がん 国際血栓止血学会議 2018ガイダンス * 消化器がんに対しては,DOACよりも低分子ヘパリン使用を提案 腎障害時は用量調節必要 *Khorana AA, et al. J Thromb Haemost 16(9): (2018) 腎不全時はワルファリンや未分画ヘパリンを推奨 血小板減少 (<5 万 /μl) 継続可否を個別に判断 がん薬物療法との相互作用 CYP3A4,P 糖蛋白を介してDOACのAUCが変動 本文全体は Ay C, et al. Ann Oncol 30(6): (2019) を引用

68 DOAC 各薬剤の体内動態 アピキサバンエドキサバンダビガトランリバーロキサバン バイオアベイラビリティ 50% 62% 3-7% % ( 空腹時 : 66%) 蛋白結合率 87% 55% 35% 95% 肝代謝 (CYP3A4) 〇 (25%) (<4%) 〇 (18%) トランスポーター P-gp, BCRP P-gp P-gp P-gp, BCRP 腎排泄 27% 50% 80% 35% 半減期 12 h h h 5-9 h h ( 高齢者 ) 抗がん薬や支持療法薬との相互作用 (CYP3A4,P-gp など ) に留意する 腎排泄率は薬剤間で大きく異なる Steffel J, et al., Eur Heart J. 39(16): (2018) より作表

69 がん患者の精神症状

70 がん患者の心理的反応 日常生活への適応 ストレス ( 病名告知, 再発, 病状進行など ) 通常反応 うつ病 適応障害 日常生活に支障のない範囲 日常生活に支障をきたす 0 2 週間 時間 がん情報サービスがんと心を参考に作成 ( 最終閲覧日 : 2021 年 8 月 3 日 )

71 がん患者の精神症状 診断なし (53%) 適応障害 (32%) うつ病 (6%) N = 215 器質的精神障害 (4%) パーソナリティー障害不安障害 (2%) (3%) Derogatis LR, et al. JAMA 249(6): (1983) より作図

72 利用可能な向精神薬は多いが がん患者のうつ病治療に関して質の高いエビデンスはなし Ostuzzi G, et al. Cochrane Database Syst Rev: CD (2015). 投与経路, 患者の身体状態, 推定予後, 併用薬, 抗うつ薬の作用 副作用プロフィールなどを総合的に判断する 予後が週単位の場合は投与は奨励されない Shimizu K, et al. Palliat Support Care 5(1):3-9 (2007) がん診断後 1 年以内は精神的苦痛のリスクが高くなる Desplenter F, et al. Br J Cancer. 107(9): (2012) さまざまな精神的な苦痛を抱えていることを念頭におく 患者の治療に対するニーズを把握する 軽度もしくはうつ病と診断される基準以下の抑うつ状態では, ルーチンで抗うつ薬は使用しない Li M, et al. J Oncol Pract. 12(8): (2016).

73 副作用としての精神症状 せん妄の予測因子 HR 95% Cl P 値 ベンゾジアゼピン (> ロラゼパム 2 mg/ 日 ) コルチコステロイド (> デキサメタゾン 15 mg/ 日 ) オピオイド (> モルヒネ 90 mg/ 日 ) 抗コリン薬 入院患者 261 名を対象とし,1 ヶ月間せん妄を同定 観察期間中 17% の患者でせん妄を呈した ベンゾジアゼピン系薬, コルチコステロイド, オピオイドがせん妄の発現と有意に関連 Gaudreau JD, et al. J Clin Oncol 23(27): (2005) より引用

74 せん妄の発症 直接因子 脳疾患 臓器不全 感染症 血液学的異常 水 電解質異常, 栄養障害 薬剤の副作用または薬剤離脱症状 準備因子 促進因子 痛みなどの身体症状 断眠 感覚遮断または過剰 不動化 心理社会的ストレス 高齢 慢性脳疾患の存在 ( 認知症など ) せん妄 がん患者におけるせん妄ガイドライン 2019 年版日本サイコオンコロジー学会 日本がんサポーティブケア学会編, p.16, 金原出版, 2019

75 不眠の評価プロセス 身体的要因 薬剤要因の評価 (-) (+) 症状緩和 要因除去 心理学的 精神医学的要因 環境要因の評価 (-) (+) 症状緩和 要因除去 不眠もがん患者の苦痛の一因 倦怠感の増悪や疼痛の悪化などの身体症状コントロールが悪化 うつ病やせん妄の前駆症状の可能性 不眠の特徴の評価 : 入眠障害か中途 早朝覚醒か身体状態の評価 : 肝 腎 呼吸器系の障害の有無など 薬物療法 ( 適切な睡眠薬の選択 ) 非薬物療法 せん妄のリスクがないことを確認 不眠のタイプに応じてベンゾジアゼピン系薬剤などを使用する 小川朝生 内富庸介編集, 精神腫瘍学クイックカンファレンス, p61, 創造出版, 平成 21 年より引用

76 口腔粘膜障害

77 口腔粘膜炎の発症機序 正常口腔粘膜 放射線療法 DNA 損傷アポトーシス 上皮細胞 線維芽細胞 基底細胞 線維芽細胞 毛細血管 化学療法 細胞外マトリックス 口腔内細菌 殺細胞性抗がん薬放射線療法 第 Ⅰ 期 ( 開始期 ) 第 Ⅱ/Ⅲ 期 ( シグナル伝達期 増幅期 ) 第 Ⅳ 期 ( 潰瘍形成期 ) 第 Ⅴ 期 ( 治癒期 ) 炎症性細胞 Sonis ST. Nat Rev Cancer 4(4): (2004). より引用改変

78 口腔粘膜炎を起こしやすい殺細胞性抗がん薬 がん治療発現頻度がん治療発現頻度 標準的な化学療法 5-15% 自家造血幹細胞移植 68% 骨髄抑制の強い化学療法 50% 骨髄破壊的同種造血幹細胞移植 98% 頭頸部放射線療法 50% 頭頸部化学放射線療法 97% がん種 レジメン 発現頻度 (All grades) 乳がん TAC (DTX75 + ADR50 + CPA500) 69% AC (ADR60 + CPA600) 45% 大腸がん FOLFIRI (CPT FU + l-lv) 51% 膀胱がん MVAC (MTX + VBL + ADR + CDDP) 27% 非ホジキンリンパ腫 R-CHOP (Rituximab + CPA + ADR + VCR + PSL) 27% 頭頸部がん CDDP (100 mg/m 2 days1, 22) + 放射線併用 43% Cetuximab (400 mg/m mg/m 2 ) + 放射線併用 56% 食道がん CDDP (100 mg/m 2 days1, 29) 5-FU (1,000 mg/m 2 days1-4, 29-32) + 放射線併用 22.2% 日本がんサポーティブケア学会 : がん薬物療法に伴う粘膜障害マネジメントの手引き 2020 年度版, p.21-24, 金原出版, 2020 より抜粋

79 分子標的薬による口腔粘膜炎 分子標的薬の種類 シグナル伝達系阻害薬 ( 小分子 ) 分類分子標的薬名 ( 発症頻度 ) mtor 阻害薬 血管新生阻害薬 マルチキナーゼ阻害薬 EGFR 阻害薬 エベロリムス (61%), テムシロリムス (37.6%) ソラフェニブ (10% 以上 ), スニチニブ (52.7%), アキシチニブ (14.3%), パゾパニブ (3-50% 未満 ), レゴラフェニブ (10% 以上 ), レンバチニブ (10-30% 未満 ), バンデタニブ (1-10% 未満 ) アファチニブ (1-10% 未満 ), ゲフィチニブ (1-10% 未満 ), エルロチニブ (9.6%), ラパチニブ (1-10% 未満 ) 抗体薬 EGFRに対する抗体薬 セツキシマブ (0.5-10% 未満 ), パニツム マブ (11%) 日本がんサポーティブケア学会 : がん薬物療法に伴う粘膜障害マネジメントの手引き 2020 年度版, p.29-32, 金原出版, 2020 より抜粋

80 口腔衛生管理 ( 口腔ケア ) の実際 口腔ケアに関する患者教育は, がん治療中の患者意識を高め, 口腔ケアプロトコールのアドヒアランスを改善する Hong CHL, et al. Support Care Cancer. 27(10): (2019). ブラッシング ( 歯磨き ) 口腔ケアの基本 1 日 2~4 回 * ( 起床時, 食後, 就寝時 ) 嘔気や倦怠感が強い場合には, 苦痛の少ないタイミングで 1 日 1 回ケアすることを目標とする 口腔粘膜の清掃 義歯の管理 義歯の表面には細菌が付着しやすく, カンジダも増殖しやすい 義歯の汚染も口腔細菌による感染リスクを高めるため, 適切な義歯の清掃が必要 口腔内の保湿 生活指導 *Peterson DE, et al. Ann Oncol. Suppl 5:v139-v151 (2015). 禁煙や禁酒の徹底, 酸味の強い食品, 香辛料, 熱すぎるもの, 硬いものなど, 刺激物の摂取を避ける 日本がんサポーティブケア学会 : がん薬物療法に伴う粘膜障害マネジメントの手引き 2020 年度版, p.51-57, 金原出版, 2020 より抜粋

81 口腔粘膜炎予防に使用する含嗽薬 口腔内を清潔に保つため, 水, 生理食塩液やアルコールフリーの含嗽液で,1 分間の含嗽を 1 日最低 4 回は行う 含嗽後 30 分間は飲食を控える 自家あるいは同種造血幹細胞移植の前処置として大量化学療法を受ける患者に対して,GM-CSF の含嗽を行わないこと (EvLv: 2) がん化学療法を受ける患者 (EvLv: 1), 放射線治療 (EvLv: 1) または化学放射線療法 (EvLv: 2) を受ける頭頸部がん患者に対して口腔粘膜炎の予防のため, スクラルファート含嗽を行わないこと 放射線治療を受ける頭頸部がん患者に対し, 口腔粘膜障害の予防のため, クロルヘキシジン含嗽を行わないこと (EvLv: 3) 放射線治療を受ける頭頸部がん患者に対し, 口腔粘膜障害の予防のため, ミソプロストール含嗽を行わないこと (EvLv: 3) 放射線治療を受ける頭頸部がん患者 (EvLv: 3) またはHSCT 時大量化学療法を受ける患者 (EvLv: 2) に対して口腔粘膜炎の予防のため, ピロカルピンは使用しない HSCT 時大量化学療法を受ける患者 (EvLv: 2) に対して口腔粘膜炎の予防のため, グルタミン経静脈投与は行わない Peterson DE, et al. Ann Oncol. Suppl 5:v139-v151 (2015). 日本がんサポーティブケア学会 : がん薬物療法に伴う粘膜障害マネジメントの手引き 2020 年度版, p.69-71, 金原出版, 2020 より抜粋

82 漢方薬 ( 半夏瀉心湯 ) の効果 大腸がんの化学療法 (FOLFOX,FOLFIRI,XELOX など ) を受けた患者 93 名を対象としたプラセボ対照, 無作為化二重盲検群間比較試験 半夏瀉心湯 2.5 g を 50 ml の水に溶解し 2~3 回に分けてゆっくり服用する (1 日 3 回 ) ( 予防的使用は保険適応外 ) グレード 2 以上の粘膜炎の持続期間の中央値 プレセボ群 : 10.5 日, 半夏瀉心湯群 : 5.5 日 (p = 0.018) プラセボ群 (N = 34) Grade2 以上の口内炎の発現率プレセボ群 : 48.8% (21/43) 半夏瀉心湯群 : 57.4% (27/47) (95% Cl , p = 0.41) 半夏瀉心湯群 (N = 34) Matsuda C, et al. Cancer Chemother Pharmacol 76(1): (2015).

83 クライオセラピーの有効性 ESMO ガイドラインで口腔粘膜炎予防法としてクライオセラピーが推奨または提言されている抗がん薬 (5-FU, メルファラン ) Peterson DE, et al. Ann Oncol. Suppl 5:v139-v151 (2015). 5-FU 急速静注 (5 分前から 5 分間 ) 大量メルファラン療法 ( 前処置療法開始 10~15 分前より ) 対象群 クライオセラピー群 60 分間 (N = 17) 120 分間 (N = 18) なし (N = 7) 口腔粘膜炎 (grade 2 or 3) 2 (11.8%) 2 (11.1%) 6 (85.7%) 悪寒 or 吐き気 2 (11.8%) 11 (61.1%) - Mahood DJ, et al. J Clin Oncol. 9(3): (1991). Mori T, et al. Support Care Cancer. 14(4): (2006). より作表

84 免疫関連有害事象 (immuno-related adverse events: irae)

85 免疫関連有害事象 (irae) オプジーボメディカルスタッフ向け適正使用のお願い (2016 年 2 月 ) より引用 転載許可取得済み

86 irae の特徴 多様性 : あらゆる臓器で発現するが, 発現のスペクトラムが一部異なる 抗 PD-1 抗体と抗 CTLA-4 抗体に共通 : 甲状腺機能障害, 皮膚障害 抗 PD-1 抗体に多い : Ⅰ 型糖尿病 抗 CTLA-4 抗体に多い : 脳下垂体炎 多発性 : 複数の臓器が同時または異時性に炎症を発症する例が多い 重症筋無力症と多発筋炎 ミオパチーの合併 CK 値の上昇を伴う重症筋無力症は特徴的 持続性 : 免疫チェックポイント阻害剤中止しても症状が持続することが多い 速やかに副腎皮質ステロイド剤などの免疫抑制剤を使用することが推奨 相関性 : 抗腫瘍効果 自己免疫疾患既往歴 irae の既往歴 Tadano H et al. Jpn J Clin Immunol 40(2): (2017)

87 irae の発現時期 ( ニボルマブ ) 皮膚障害が最も早く出現, 腎障害は遅れて発現 その後も一定の割合で発現が続く irae を経験した患者のうち,85% が治療開始 16 週間以内に発現 Weber JS et al. J Clin Oncol 35: (2017)

88 irae の発現頻度と重症度 大腸炎肺障害肝炎下垂体炎神経障害副腎障害筋炎心筋炎血液毒性腎炎 irae 報告件数 致死率 (%) Wang DY et al. JAMA Oncol 4(12): (2018)

89 irae の臨床症状できるだけ早期発見, 早期の治療開始を irae 臨床症状ポイント 皮膚障害 肺障害 大腸炎 1 型糖尿病 下垂体機能低下症 副腎皮質機能低下症 甲状腺機能異常症 心筋炎 皮疹, 発疹, 掻痒症, 紅斑, 丘疹など 呼吸困難, 咳嗽など 下痢, 腹痛, 悪心など 口渇, 多飲, 多尿,( 倦怠感, 意識障害 ) 倦怠感, 食欲不振, 頭痛など 易疲労感, 食欲不振, 無気力, 体重減少, 悪心, 嘔吐, 下痢, 腹痛 倦怠感, 食欲不振など 動悸, 息切れ, 胸部圧迫感, 脈拍異常など 頻度が高く, 発現が早く, 程度が軽いことが特徴 SJS,TEN などの重症例は少数ながら報告あり 症状を呈する場合,Grade2 以上を示唆する所見 他の疾患との鑑別を含め, 迅速な対応が必要 排便回数増加や腹痛, 粘液便または血便を認めた場合には, Grade2 以上として扱う ケトーシス, ケトアシドーシスを合併すると, 全身倦怠感や意識障害などの症状も呈する 非特異的な症状で発現することが多い ACTH 分泌低下に伴う続発性副腎皮質機能低下症による症状が見られる 非特異的な症状を呈することが多い 低ナトリウム血症, 低血糖, 好酸球上昇, 低血圧などを併せて認める場合に疑う 甲状腺中毒症 :Grade2 以上では動悸, 発汗, 発熱, 下痢, 振戦, 体重減少などの症状を呈する 甲状腺機能低下症 : 便秘, 徐脈, 体重増加などの症状を呈する 無症候の症例から, 致死的不整脈が出現する症例, 心不全状態となる症例まで幅広い臨床像を呈する 日本臨床腫瘍学会がん免疫療法ガイドライン第 2 版, p.22-72, 金原出版, 2019 を参考に作成

90 irae と検査値できるだけ早期発見, 早期の治療開始を irae irae マネジメントに必要とされる主な検査 肺障害腸炎肝障害腎障害糖尿病筋炎心筋炎 SpO 2, 胸部 X 線 CT,KL-6,SP-D,LDH,CRP, 白血球など腹部 CT, 便培養,CDトキシン,CRP,Hb など AST/ALT,T-Bil,γGTP,ALP,LDH,CRP などクレアチニン,eGFR など 血糖値,HbA1c, 尿糖, 尿ケトン体,Na,K, 抗 GAD 抗体など CK, アルドラーゼ, 尿中ミオグロビン, 筋電図, 筋生検など CK,CK-MB, 心筋トロポニンT, 心電図, 心エコーなど 重症筋無力症 内分泌障害下垂体機能障害甲状腺機能障害副腎障害 抗 AChR 抗体, 抗 MuSK 抗体, 筋電図, テンシロンテストなど TSH,FT4,ACTH, コルチゾール,Na,K, 血糖値, 好酸球,CK など 必要に応じて各疾患の専門医と連携して, 適切な処置を実施すること 各免疫チェックポイント阻害剤適正使用ガイドを参考に作成

91 irae の薬物治療の基本はステロイド irae 基本的な治療 備考 皮膚障害 ステロイド 外用剤が主体 肺障害 ステロイド 漸減期間は長め 大腸炎 ステロイド, インフリキシマブ 止瀉剤を漫然と使用しない 肝障害 ステロイド, ミコフェノール酸モフェチル インフリキシマブは使わない 糖尿病 インスリン ステロイドは使わない 筋炎 心筋炎 重症筋無力症 ステロイド ステロイド ステロイド 同時発生に留意 下垂体炎ステロイド, ホルモン補充甲状腺, 副腎機能に配慮 甲状腺機能低下レボチロキシン TSH 10 µiu/ml が開始の目安 副腎機能低下ヒドロコルチゾンステロイドの使用状況を確認 日本臨床腫瘍学会がん免疫療法ガイドライン第 2 版, P22-P74, 金原出版, 2019 を参考に作成 irae 治療としてのステロイドは,ICI の効果を妨げないとされている Horvat TZ et al. J Clin Oncol 33: (2015) 下痢については, ロペラミドなどの止痢薬は適切な治療を遅らせる懸念があるため, 安易な使用 は控える (G1 に対する限定的な使用は許容される )

92 ステロイド不応性 難治性の irae に対する治療 ( 免疫抑制薬の使用について ) 抗 CTLA-4 抗体投与後のステロイド不応性 難治性の Grade3 以上の免疫関連大腸炎 下痢に対して, 抗 TNF-α 抗体薬 ( インフリキシマブ ) の追加投与が有効 インフリキシマブ 5 mg/kg を 1 回の投与量とし点滴静注 保険適応外 肝障害では, ミコフェノール酸モフェチルの追加投与が考慮される ミコフェノール酸モフェチル 1000 mg 1 日 2 回計 2000 mg/ 日内服 保険適応外 インフリキシマブの使用は原則的に禁忌 ( 肝毒性があるため ) その他の irae に対しても, 抗 TNF-α 抗体薬, ミコフェノール酸モフェチルの他, 抗 α4β7 インテグリン抗体薬 ( ベドリズマブ ), 免疫グロブリン療法 (IVIG), メトトレキサート, アザチオプリン, リツキシマブ, シクロスポリン A, 抗胸腺細胞グロブリン (ATG) などが考慮されるが, 現時点で臨床的意義は未確立かつ, 保険適応外である Brahmer JR, et al. J Clin Oncol 36(17): (2018)

93 支持療法の種類, 根拠, 方法 1. 支持療法の目的と意義, 症状マネジメントの重要性を説明できる 2. 制吐薬適正使用関連ガイドラインを理解し, 活用できる 3. 悪心 嘔吐の発現機序を理解し, 発現の状態 ( 急性 遅発性 突出性 予測性 ) や制吐剤の適正使用を説明 提案できる 4. G-CSF 適正使用関連ガイドラインを理解し, 活用できる 5. 好中球減少時における G-CSF 使用基準とリスク分類による予防投与と治療的投与を説明できる 6. 発熱性好中球減少症時における適切なリスクアセスメントと初期管理および抗菌薬の適正使用を説明できる 7. 血小板減少に対する支持療法を説明できる 8. 貧血に対する支持療法を説明できる 9. 輸血の適応について説明できる 10. 抗がん薬による腎障害, 出血性膀胱炎を予防するための輸液負荷, 利尿薬の使用, 尿のアルカリ化, 予防薬剤の使用を説明できる 11. 下痢の発現機構 ( 早発性 : コリン作動性, 遅発性 : 腸管粘膜障害 ) と好発薬剤について理解し, 予防的措置および治療方法を説明できる 12. 便秘に対する支持療法を説明できる 13. 神経毒性に対する支持療法を説明できる 14. 口内炎に対する支持療法を説明できる 15. 皮疹に対する支持療法を説明できる 16. 腫瘍崩壊症候群に対する支持療法を説明できる 17. 血栓 塞栓に対する支持療法を説明できる 18. 高血圧に対する適切な治療薬を提案できる 19. 高カルシウム血症に対する支持療法を説明できる 20. 低ナトリウム血症に対する支持療法を説明できる 21. 終末期における輸液栄養管理を説明できる 22. 精神的ケアにおける適切な薬剤を提案できる 23. 生殖機能障害に関して理解し, 説明できる 24. 自己免疫疾患に関して理解し, 説明できる 25. irae に対するステロイド療法などを説明できる

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