動 物 用 医 薬 品 評 価 書 マルボフロキサシンを 有 効 成 分 とする 牛 及 び 豚 の 注 射 剤 (マルボシル 2% 同 10%)に 係 る 食 品 健 康 影 響 評 価 について 2007 年 8 月 食 品 安 全 委 員 会

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2 動 物 用 医 薬 品 評 価 書 マルボフロキサシンを 有 効 成 分 とする 牛 及 び 豚 の 注 射 剤 (マルボシル 2% 同 10%)に 係 る 食 品 健 康 影 響 評 価 について 2007 年 8 月 食 品 安 全 委 員 会

3 < 目 次 > 頁 目 次 1 審 議 の 経 緯 2 食 品 安 全 委 員 会 委 員 名 簿 2 食 品 安 全 委 員 会 動 物 用 医 薬 品 専 門 調 査 会 専 門 委 員 名 簿 2 1.マルボフロキサシンについて 3 2.マルボシル 2% 同 10%について 3 3. 安 全 性 に 関 する 知 見 等 について 4 4. 食 品 健 康 影 響 評 価 について 4 5. 参 考 資 料 4 ( 別 添 ) 動 物 用 医 薬 品 評 価 書 マルボフロキサシンに 係 る 食 品 健 康 影 響 評 価 について 1

4 審 議 の 経 緯 平 成 18 年 11 月 6 日 農 林 水 産 大 臣 より 輸 入 承 認 に 係 る 食 品 健 康 影 響 評 価 について 要 請 関 係 書 類 の 接 受 厚 生 労 働 大 臣 より 残 留 基 準 設 定 に 係 る 食 品 健 康 影 響 評 価 について 要 請 関 係 書 類 の 接 受 平 成 18 年 11 月 9 日 第 167 回 食 品 安 全 委 員 会 ( 要 請 事 項 説 明 ) 平 成 18 年 12 月 15 日 第 65 回 動 物 用 医 薬 品 専 門 調 査 会 平 成 19 年 2 月 23 日 第 69 回 動 物 用 医 薬 品 専 門 調 査 会 平 成 19 年 3 月 13 日 第 71 回 動 物 用 医 薬 品 専 門 調 査 会 平 成 19 年 6 月 7 日 第 193 回 食 品 安 全 委 員 会 ( 報 告 ) 平 成 19 年 6 月 7 日 - 7 月 6 日 平 成 19 年 8 月 7 日 国 民 からの 意 見 情 報 の 募 集 動 物 用 医 薬 品 専 門 調 査 会 座 長 から 食 品 安 全 委 員 会 委 員 長 へ 報 告 平 成 19 年 8 月 9 日 第 202 回 食 品 安 全 委 員 会 ( 報 告 ) 同 日 付 で 食 品 安 全 委 員 長 から 厚 生 労 働 大 臣 農 林 水 産 大 臣 に 通 知 食 品 安 全 委 員 会 委 員 名 簿 平 成 18 年 12 月 20 日 まで 平 成 18 年 12 月 21 日 から 委 員 長 寺 田 雅 昭 委 員 長 見 上 彪 委 員 長 代 理 見 上 彪 * 委 員 長 代 理 小 泉 直 子 小 泉 直 子 長 尾 拓 長 尾 拓 野 村 一 正 野 村 一 正 畑 江 敬 子 畑 江 敬 子 ** 廣 瀬 雅 雄 本 間 清 一 本 間 清 一 * 平 成 19 年 2 月 1 日 から ** 平 成 19 年 4 月 1 日 から 食 品 安 全 委 員 会 動 物 用 医 薬 品 専 門 調 査 会 専 門 委 員 名 簿 平 成 19 年 2 月 11 日 まで 平 成 19 年 2 月 12 日 から 三 森 国 敏 ( 座 長 ) 三 森 国 敏 ( 座 長 ) 井 上 松 久 ( 座 長 代 理 ) 井 上 松 久 ( 座 長 代 理 ) 青 木 宙 津 田 修 治 青 木 宙 寺 本 昭 二 明 石 博 臣 寺 本 昭 二 明 石 博 臣 長 尾 美 奈 子 江 馬 眞 長 尾 美 奈 子 江 馬 眞 中 村 政 幸 大 野 泰 雄 中 村 政 幸 小 川 久 美 子 林 眞 小 川 久 美 子 林 眞 渋 谷 淳 平 塚 明 渋 谷 淳 藤 田 正 一 嶋 田 甚 五 郎 藤 田 正 一 嶋 田 甚 五 郎 吉 田 緑 鈴 木 勝 士 吉 田 緑 鈴 木 勝 士 津 田 修 治 2

5 マルボフロキサシンを 有 効 成 分 とする 牛 及 び 豚 の 注 射 剤 (マルボシル 2% 同 10%) の 食 品 健 康 影 響 評 価 について 食 品 安 全 委 員 会 は 食 品 安 全 基 本 法 ( 平 成 15 年 法 律 第 48 号 ) 第 24 条 第 1 項 第 8 号 の 規 定 に 基 づき 農 林 水 産 大 臣 から マルボフロキサシンを 有 効 成 分 とする 牛 及 び 豚 の 注 射 剤 (マルボシル 2% 同 10%) 同 法 第 24 条 第 1 項 第 1 号 及 び 同 法 第 24 条 第 2 項 の 規 定 に 基 づき 厚 生 労 働 大 臣 から マルボフロキサシン について 意 見 を 求 め られた ( 平 成 18 年 11 月 6 日 関 係 書 類 を 接 受 ) 1.マルボフロキサシンについて マルボフロキサシンはニューキノロン a 剤 に 属 し グラム 陰 性 菌 に 加 え 多 くのグラム 陽 性 菌 に 対 しても 有 効 である 作 用 は 殺 菌 的 であり 細 菌 のⅡ 型 トポイソメラーゼ b である DNA ジャイレース あるいはトポイソメラーゼⅣに 作 用 し DNA 複 製 を 阻 害 するものと 考 えられている マルボフロキサシンを 主 剤 とする 動 物 用 医 薬 品 は 国 内 では 犬 猫 の 細 菌 性 皮 膚 感 染 症 を 対 象 に 使 用 されている EU 諸 国 では 犬 猫 牛 豚 を 対 象 として 使 用 されている ヒト 用 医 薬 品 としての 使 用 はない 2.マルボシル 2% 同 10%について (1),(2) 製 剤 の 内 容 については 次 の 通 りである 1 主 剤 主 剤 はマルボフロキサシンである 2 効 能 効 果 両 製 剤 とも 適 応 症 は 牛 の 細 菌 性 肺 炎 ( 有 効 菌 種 はパスツレラ マルトシダ マンヘミ ア ヘモリチカ マイコプラズマ ボビス) 豚 の 胸 膜 肺 炎 ( 有 効 菌 種 はパスツレラ マル トシダ アクチノバチルス プルロニューモニエ)である 3 用 法 用 量 マルボシル 2%は 1 日 1 回 マルボフロキサシンとして 牛 では 静 脈 内 又 は 筋 肉 内 投 与 で 2mg/kg 体 重 ( 製 剤 として 0.1mL/kg 体 重 ) 豚 では 筋 肉 内 投 与 で 2 mg/kg 体 重 ( 製 剤 として 0.1mL/kg 体 重 )を 3-5 日 投 与 する マルボシル 10%は 1 日 1 回 マルボフロキ サシンとして 牛 では 静 脈 内 又 は 筋 肉 内 投 与 で 2mg/kg 体 重 ( 製 剤 として 0.02mL/kg 体 重 ) 豚 では 筋 肉 内 投 与 で 2mg/kg 体 重 ( 製 剤 として 0.02mL/kg 体 重 )を 3-5 日 投 与 す る 休 薬 期 間 は 両 製 剤 とも 牛 で 3 日 牛 乳 で 48 時 間 豚 で 3 日 である (3) 4その 他 等 張 化 剤 に D-マンニトール 溶 解 補 助 剤 にはグルコノ-δ-ラクトン 保 存 剤 として m- クレゾール 抗 酸 化 剤 にアルファチオグリセリン 安 定 化 剤 としてエデト 酸 ナトリウムが a ノルフロキサシン 以 降 に 合 成 された 塩 基 性 環 の 6 位 にフッ 素 7 位 に 環 状 塩 基 性 基 を 有 するキノロン 薬 を 総 称 して 言 う b DNA 鎖 に 一 時 的 な 切 れ 目 を 導 入 し 閉 環 DNA の 超 らせんの 程 度 の 調 節 や 連 環 状 二 量 体 の 形 成 解 除 に 作 用 する 3

6 使 用 されている D-マンニトール 及 びグルコノ-δ-ラクトンは 指 定 添 加 物 であり JECFA 評 価 では ADI は 特 定 されていない エデト 酸 ナトリウムについては 過 去 に 動 物 用 医 薬 品 の 添 加 剤 としての 観 点 から 検 討 され 製 剤 が 適 切 に 使 用 される 限 りにおいて 食 品 を 通 じてヒトの 健 康 に 影 響 を 与 える 可 能 性 は 無 視 できると 評 価 されている m-クレゾー ル アルファチオグリセリンについては 製 剤 中 の 含 有 量 もごく 微 量 であり 休 薬 期 間 も 考 慮 すると 食 品 を 通 じてヒトの 健 康 に 影 響 を 与 える 可 能 性 は 無 視 できると 考 えられる 3. 安 全 性 に 関 する 知 見 等 について (4),(5) マルボフロキサシンを 主 剤 とする 動 物 用 医 薬 品 は 上 記 の 通 り 国 内 では 犬 猫 の 細 菌 性 皮 膚 感 染 症 を 対 象 に 使 用 されており EU 諸 国 では 犬 猫 牛 豚 を 対 象 として 使 用 されている EMEA で 4.5µg/kg 体 重 / 日 の ADI が 設 定 されているが JECFA 等 国 際 機 関 における 評 価 は 行 われていない また 日 本 においては 残 留 基 準 c が 設 定 されている が ADI の 設 定 はされていない ヒト 用 医 薬 品 としての 使 用 はない 4. 食 品 健 康 影 響 評 価 について 本 製 剤 は 牛 あるいは 豚 に 注 射 して 投 与 されるが 日 本 において 詳 細 な 毒 性 の 評 価 がなされておらず 食 用 動 物 に 動 物 用 医 薬 品 としての 使 用 歴 もないことから マルボフ ロキサシンのADI 設 定 について 別 添 の 通 り 評 価 を 実 施 した マルボフロキサシンの 食 品 健 康 影 響 評 価 については ADIとして 次 の 値 を 採 用 する ことが 適 当 と 考 えられる マルボフロキサシン mg/kg 体 重 / 日 ただし 本 剤 の 評 価 については 薬 剤 耐 性 菌 を 介 した 影 響 について 考 慮 する 必 要 があ り これについては 検 討 中 である 5. 参 考 資 料 (1) マルボシル 2% 輸 入 承 認 申 請 書 (2) マルボシル 10% 輸 入 承 認 申 請 書 (3) リン 酸 チルミコシン 液 を 有 効 成 分 とする 牛 の 経 口 投 与 剤 (ミコラル 経 口 液 経 口 ミコラル)の 再 審 査 に 係 る 食 品 健 康 影 響 評 価 について;( 平 成 19 年 5 月 17 日 府 食 480 号 ) (4) EMEA:COMMITTEE FOR VETERINARY MEDICINAL PRODUCTS, MARBOFLOXACIN, SUMMARY REPORT(1), (5) EMEA:COMMITTEE FOR VETERINARY MEDICINAL PRODUCTS, MARBOFLOXACIN, SUMMARY REPORT(2), c 平 成 17 年 厚 生 労 働 省 告 示 第 499 号 によって 新 たに 定 められた 残 留 基 準 4

7 動 物 用 医 薬 品 評 価 書 マルボフロキサシンに 係 る 食 品 健 康 影 響 評 価 について 2007 年 8 月 食 品 安 全 委 員 会

8 < 目 次 > 頁 目 次 1 審 議 の 経 緯 2 食 品 安 全 委 員 会 委 員 名 簿 2 食 品 安 全 委 員 会 動 物 用 医 薬 品 専 門 調 査 会 専 門 委 員 名 簿 2 要 約 3 1. 薬 剤 の 概 要 4 2. 毒 性 試 験 の 概 要 吸 収 分 布 代 謝 排 泄 毒 性 試 験 10 (1) 急 性 毒 性 試 験 10 (2) 亜 急 性 毒 性 試 験 11 (3) 慢 性 毒 性 試 験 及 び 発 がん 性 試 験 13 (4) 繁 殖 毒 性 試 験 及 び 催 奇 形 性 試 験 13 (5) 遺 伝 毒 性 試 験 15 (6) 一 般 薬 理 試 験 16 (7) 微 生 物 学 的 影 響 に 関 する 特 殊 試 験 16 3.ヒトにおける 知 見 について 食 品 健 康 影 響 評 価 について 参 考 資 料 21 1

9 審 議 の 経 緯 平 成 18 年 11 月 6 日 厚 生 労 働 大 臣 より 残 留 基 準 設 定 に 係 る 食 品 健 康 影 響 評 価 につい て 要 請 関 係 書 類 の 接 受 平 成 18 年 11 月 9 日 第 167 回 食 品 安 全 委 員 会 ( 要 請 事 項 説 明 ) 平 成 18 年 12 月 15 日 第 65 回 動 物 用 医 薬 品 専 門 調 査 会 平 成 19 年 2 月 23 日 第 69 回 動 物 用 医 薬 品 専 門 調 査 会 平 成 19 年 3 月 13 日 第 71 回 動 物 用 医 薬 品 専 門 調 査 会 平 成 19 年 6 月 7 日 第 193 回 食 品 安 全 委 員 会 ( 報 告 ) 平 成 19 年 6 月 7 日 - 7 月 6 日 国 民 からの 意 見 情 報 の 募 集 平 成 19 年 8 月 7 日 動 物 用 医 薬 品 専 門 調 査 会 座 長 から 食 品 安 全 委 員 会 委 員 長 へ 報 告 平 成 19 年 8 月 9 日 第 202 回 食 品 安 全 委 員 会 ( 報 告 ) 同 日 付 で 食 品 安 全 委 員 会 委 員 長 から 厚 生 労 働 大 臣 に 通 知 食 品 安 全 委 員 会 委 員 名 簿 平 成 18 年 12 月 20 日 まで 平 成 18 年 12 月 21 日 から 委 員 長 寺 田 雅 昭 委 員 長 見 上 彪 委 員 長 代 理 見 上 彪 * 委 員 長 代 理 小 泉 直 子 小 泉 直 子 長 尾 拓 長 尾 拓 野 村 一 正 野 村 一 正 畑 江 敬 子 畑 江 敬 子 ** 廣 瀬 雅 雄 本 間 清 一 本 間 清 一 * 平 成 19 年 2 月 1 日 から ** 平 成 19 年 4 月 1 日 から 食 品 安 全 委 員 会 動 物 用 医 薬 品 専 門 調 査 会 専 門 委 員 名 簿 平 成 19 年 2 月 11 日 まで 平 成 19 年 2 月 12 日 から 三 森 国 敏 ( 座 長 ) 三 森 国 敏 ( 座 長 ) 井 上 松 久 ( 座 長 代 理 ) 井 上 松 久 ( 座 長 代 理 ) 青 木 宙 津 田 修 治 青 木 宙 寺 本 昭 二 明 石 博 臣 寺 本 昭 二 明 石 博 臣 長 尾 美 奈 子 江 馬 眞 長 尾 美 奈 子 江 馬 眞 中 村 政 幸 大 野 泰 雄 中 村 政 幸 小 川 久 美 子 林 眞 小 川 久 美 子 林 眞 渋 谷 淳 平 塚 明 渋 谷 淳 藤 田 正 一 嶋 田 甚 五 郎 藤 田 正 一 嶋 田 甚 五 郎 吉 田 緑 鈴 木 勝 士 吉 田 緑 鈴 木 勝 士 津 田 修 治 2

10 要 約 グラム 陰 性 菌 及 び 多 くのグラム 陽 性 菌 に 対 して 有 効 なニューキノロン 系 抗 菌 剤 である マルボフロ キサシン(Marbofloxacin) について 食 品 健 康 影 響 評 価 を 実 施 した 評 価 に 供 した 試 験 成 績 は 動 物 代 謝 残 留 (ラット イヌ ブタ ウシ) 急 性 毒 性 (マウス 及 びラット) 亜 急 性 毒 性 (ラット 及 びイヌ) 生 殖 発 生 毒 性 (2 世 代 繁 殖 (ラット)) 催 奇 形 性 (ラット 及 びウサギ)) 遺 伝 毒 性 試 験 微 生 物 学 的 影 響 に 関 する 試 験 等 である 遺 伝 毒 性 繁 殖 への 影 響 及 び 催 奇 形 性 は 認 められなかった 慢 性 毒 性 / 発 がん 性 試 験 について は 実 施 されていないが 一 般 にキノロン 剤 に 発 がん 性 は 認 められておらず マルボフロキサシンに 生 体 にとって 問 題 となる 遺 伝 毒 性 はないと 考 えられたことから 発 がん 性 試 験 を 欠 いていても ADI の 設 定 は 可 能 であると 判 断 された ニューキノロン 系 抗 菌 剤 はヒト 臨 床 において 利 用 され 特 徴 的 な 副 作 用 として 未 成 熟 な 動 物 にお ける 関 節 障 害 光 毒 性 がある マルボフロキサシンはビーグル 犬 を 用 いた 試 験 で 関 節 影 響 に 対 する NOAEL が 得 られ 光 毒 性 については 構 造 的 に 強 い 部 類 に 相 当 しないことから 適 切 に 管 理 される 限 り 食 品 を 介 して 生 体 にとって 問 題 となる 毒 性 が 生 じる 可 能 性 は 無 視 できる 程 度 と 考 えられた 各 毒 性 試 験 の 無 毒 性 量 の 最 小 値 はラットあるいはイヌを 用 いた 13 週 間 亜 急 性 毒 性 試 験 の 4mg/kg 体 重 / 日 であった 毒 性 学 的 ADI はこれを 根 拠 として 安 全 係 数 1000 で 除 した 0.004mg/kg 体 重 / 日 と 設 定 した 一 方 微 生 物 学 的 ADI については in vitro の MIC 50 の 知 見 から mg/kg 体 重 / 日 と 設 定 した 以 上 より マルボフロキサシンの 食 品 健 康 影 響 評 価 については ADI として mg/kg 体 重 / 日 を 採 用 した なお 薬 剤 耐 性 菌 を 介 した 影 響 については 別 途 考 慮 する 必 要 があり これについては 検 討 中 である 3

11 マルボフロキサシンの 食 品 健 康 影 響 評 価 について 1. 薬 剤 の 概 要 (1) 物 質 名 マルボフロキサシン(Marbofloxacin) (2) 構 造 式 (3) 分 子 式 :C 17 H 19 FN 4 O 4 (4) 分 子 量 : (5) 常 温 における 性 状 : 微 黄 色 ~ 微 黄 褐 色 の 結 晶 性 の 粉 末 (6) 融 点 : 約 267 ( 分 解 ) (7) 溶 解 度 : 水 に 溶 けにくく エタノールに 極 めて 溶 けにくい (8) 効 能 効 果 マルボフロキサシンはニューキノロン a 剤 に 属 し グラム 陰 性 菌 に 加 え 多 くのグラム 陽 性 菌 に 対 しても 有 効 である 作 用 は 殺 菌 的 であり 細 菌 のⅡ 型 トポイソメラーゼ b である DNA ジャイレース あるいはトポイソメラーゼⅣに 作 用 し DNA 複 製 を 阻 害 するものと 考 えられている (9)その 他 マルボフロキサシンを 主 剤 とする 動 物 用 医 薬 品 は 国 内 では 犬 猫 の 細 菌 性 皮 膚 感 染 症 を 対 象 に 使 用 されている EU 諸 国 では 犬 猫 牛 豚 を 対 象 として 使 用 されている ヒト 用 医 薬 品 とし ての 使 用 はない 2. 毒 性 試 験 の 概 要 2-1. 吸 収 分 布 代 謝 排 泄 ラットにおける 投 与 試 験 SD(CD)ラット( 雌 雄 各 6 頭 )に 14 C 標 識 マルボフロキサシン c 10mg/kg 体 重 を 7 日 間 経 口 投 与 し 最 終 投 与 後 2 時 間 あるいは 48 時 間 までの 血 漿 尿 糞 ケージ 洗 浄 液 が 採 取 された 最 終 投 与 48 時 間 後 に 各 6 頭 から 組 織 が 採 取 された 初 回 投 与 後 の C max は µg-eq/mL T max は 1-2 時 間 であった 24 時 間 後 の 放 射 活 性 は 0.01µg-eq/mL まで 低 下 した 主 要 な 排 泄 経 路 は 尿 で 最 終 a ノルフロキサシン 以 降 に 合 成 された 塩 基 性 環 の 6 位 にフッ 素 7 位 に 環 状 塩 基 性 基 を 有 するキノロン 薬 を 総 称 して 言 う b DNA 鎖 に 一 時 的 な 切 れ 目 を 導 入 し 閉 環 DNA の 超 らせんの 程 度 の 調 節 や 連 環 状 二 量 体 の 形 成 解 除 に 作 用 する c 3 位 炭 素 に 標 識 以 下 特 記 しない 場 合 も 同 様 4

12 投 与 後 24 時 間 までに 54-62%が 排 泄 され 糞 からは 32-40%が 排 泄 された 組 織 中 の 分 布 では 腎 臓 及 び 肝 臓 で 高 かったが 最 終 投 与 後 48 時 間 までにいずれの 組 織 においても 0.4µg-eq/g 以 下 まで 低 下 した (1) イヌにおける 投 与 試 験 4 頭 のイヌ( 雌 雄 各 2 頭 )に 14 C 標 識 マルボフロキサシン 4mg/kg 体 重 を 7 日 間 経 口 投 与 し 最 終 投 与 後 4 時 間 あるいは 48 時 間 までの 血 漿 尿 糞 ケージ 洗 浄 液 が 採 取 された 最 終 投 与 後 4 時 間 あるいは 48 時 間 に 各 2 頭 から 組 織 が 採 取 された 初 回 投 与 後 の C max は µg-eq/mL T max は 1-6 時 間 であった 24 時 間 後 の 血 漿 中 濃 度 は µg-eq/mL まで 低 下 した 最 終 投 与 後 の C max は µg-eq/mL T max は 時 間 であった 主 要 な 排 泄 経 路 は 尿 で 最 終 投 与 後 48 時 間 までに 61-62%が 排 泄 され 糞 からは 32-35%が 排 泄 された 組 織 中 の 分 布 では 腎 臓 及 び 肝 臓 で 高 く 脂 肪 で 低 かったが 最 終 投 与 後 48 時 間 までにいずれの 組 織 においても 0.6µg-eq/g 以 下 まで 低 下 した (2) 6 頭 のイヌ( 雌 雄 不 明 )にマルボフロキサシンを 単 回 静 脈 内 (2 mg/kg 体 重 ) 投 与 し その 後 単 回 経 口 (1 2 4 mg/kg 体 重 ) 投 与 を 3 期 クロスオーバー 試 験 として 実 施 した 経 口 投 与 後 単 回 皮 下 (1 2 4 mg/kg 体 重 ) 投 与 を 3 期 クロスオーバー 試 験 として 実 施 した また 8 頭 のイヌ( 雌 雄 不 明 )にマルボフロキサシン mg/kg 体 重 / 日 を 13 週 間 投 与 する 試 験 を 実 施 した 単 回 静 脈 内 投 与 において T 1/2 は 12.4 時 間 クリアランスは 0.10 L/h/kg 見 かけの 分 布 容 積 は 1.9 L/kg であっ た 単 回 経 口 投 与 において 全 投 与 群 で 生 物 学 的 利 用 率 は 100% 付 近 であった 2 mg/kg 投 与 群 では C max は 1.4 µg/ml T max は 2.5 時 間 であった 平 均 AUC 及 び C max は 用 量 相 関 的 な 直 線 関 係 を 示 した 投 与 量 の 40%が 尿 中 に 未 変 化 体 として 排 泄 された 単 回 皮 下 投 与 における 動 態 は 経 口 投 与 と 同 様 であったが T max は 約 1 時 間 と 短 くなった 13 週 間 経 口 投 与 において 平 均 皮 膚 濃 度 / 血 漿 中 濃 度 は 1.6 であった (3) ウシにおける 投 与 試 験 2-10 歳 のホルスタインフリーシアン 種 の 乳 牛 6 頭 にマルボフロキサシンを 単 回 静 脈 内 (2mg/kg 体 重 ) 投 与 し 1 週 間 後 に 単 回 筋 肉 内 (1 2 4mg/kg 体 重 ) 投 与 を 実 施 した 筋 肉 内 投 与 は ラテン 方 格 配 置 3 期 クロスオーバー 試 験 として 実 施 し 各 投 与 期 の 間 に 1 週 間 あけ 各 期 とも 2 頭 に 各 用 量 を 投 与 した さらに 最 終 の 筋 肉 内 投 与 から 1 週 間 後 に 6 頭 d に 皮 下 (2mg/kg 体 重 ) 投 与 を 実 施 した 静 脈 内 投 与 では 投 与 後 30 時 間 までの 血 漿 中 濃 度 48 時 間 までの 乳 汁 中 濃 度 筋 肉 内 及 び 皮 下 投 与 では 投 与 後 48 時 間 までの 血 漿 中 濃 度 を 測 定 した 静 脈 内 投 与 において T 1/2 は 5.72 時 間 AUC は 6.97µg h/ml MRT は 3.77 時 間 見 かけの 分 布 容 積 は 2.62 L/kg 全 身 クリアランス は 0.31L/h/kg 乳 汁 中 濃 度 は 投 与 後 時 間 でそれぞれ µg/mL であり 32 時 間 で 定 量 限 界 (0.010µg/mL) 未 満 となった 筋 肉 内 投 与 において mg/kg 投 与 群 においてそれ ぞれ C max は µg/mL T max は 時 間 T 1/2 は 時 間 AUC は µg h/ml MRT は 時 間 絶 対 生 物 学 的 利 用 率 は %であった 皮 下 投 与 において C max は 1.15µg/mL T max は 0.73 時 間 T 1/2 は 5.49 時 間 AUC は 7.59µg h/ml MRT は 6.10 時 間 絶 対 生 物 学 的 利 用 率 は %であった (4) d 乳 房 炎 をおこしていた 乳 牛 1 頭 を 別 の 乳 牛 に 置 き 換 えた 5

13 約 3 週 齢 のモンベリエール 種 の 反 芻 期 開 始 前 の 子 ウシ 6 頭 ( 雄 2 雌 4)にマルボフロキサシンを 単 回 静 脈 内 (2mg/kg 体 重 ) 投 与 し 1 週 間 後 に 単 回 筋 肉 内 (2mg/kg 体 重 ) 投 与 し 筋 肉 内 投 与 の 2 週 間 後 に 皮 下 (2mg/kg 体 重 ) 投 与 を 実 施 した 静 脈 内 投 与 の T 1/2 は 雄 雌 5.23~7.78 時 間 AUC は 雄 雌 10.5~15.1µg h/ml MRT は 雄 雌 6.41~9.30 時 間 見 かけの 分 布 容 積 は 雄 雌 1.53~1.71L/kg 全 身 クリアランスは 雄 雌 0.14 ~0.20L/h/kg であった 筋 肉 内 投 与 では C max は 雄 雌 1.34~1.62µg/mL T max は 雄 雌 0.66~0.90 時 間 T 1/2 は 雄 雌 7.51~9.10 時 間 AUC は 雄 雌 10.5 ~14.9µg h/ml MRT は 雄 雌 7.71~10.47 時 間 絶 対 生 物 学 的 利 用 率 は 雄 の 1 頭 で 約 60%となった 他 はほぼ 100%であった 皮 下 投 与 では C max は 雄 雌 1.40~1.51µg/mL T max は 雄 雌 0.42~0.71 時 間 T 1/2 は 雄 雌 5.74~11.1 時 間 AUC は 雄 雌 9.36~15.2µg h/ml MRT は 雄 雌 7.09~9.96 時 間 絶 対 生 物 学 的 利 用 率 は 雄 で % 雌 では 89.1~115.4%であった (5) 歳 の 乳 牛 3 頭 (スイスブラウン 種 ) 反 芻 期 の 子 ウシ 3 頭 ( 約 3 ヶ 月 齢 のスイスブラウン 又 は 赤 白 斑 種 雌 雄 不 明 )にマルボフロキサシンを 静 脈 内 (1 2 4mg/kg 体 重 ) 投 与 し 血 漿 中 及 び 乳 汁 中 濃 度 を 測 定 した 乳 牛 においては 1 2 4mg/kg 投 与 群 でそれぞれT 1/2 は 時 間 AUC は mg h/l 定 常 状 態 の 分 布 容 積 は 1.0~1.7L/kg 全 身 クリアランスは 3.1~ 5.2mL/min/kg であった e 子 ウシにおいて 1 2 4mg/kg 投 与 群 でそれぞれ T 1/2 は 時 間 AUC は mg h/l 定 常 状 態 の 分 布 容 積 は 1.0~1.1L/kg 全 身 クリアランスは 3.1 ~3.4mL/min/kg であった (6) ホルスタインフリーシアン 種 の 雄 子 ウシ 3 頭 にマルボフロキサシンを 2mg/kg 体 重 / 日 を 3 日 間 静 脈 内 投 与 し 血 漿 排 泄 物 及 び 組 織 中 濃 度 を 測 定 した T 1/2 は 10.5 時 間 分 布 容 積 は 10.5L/kg 全 身 クリアランスは 0.084L/kg/h であった 最 終 投 与 後 4 時 間 の 組 織 中 濃 度 は 腎 臓 肝 臓 筋 肉 肺 脂 肪 で µg/g であった 最 終 投 与 後 50 時 間 の 組 織 中 濃 度 は 腎 臓 で 0.53µg/g であり それ 以 外 の 組 織 中 濃 度 は 0.3µg/g 未 満 であった 未 変 化 体 の 尿 及 び 糞 中 排 泄 率 はそれぞれ 63-65% %であり 総 排 泄 率 は %であった (7) 約 1 ヶ 月 齢 のモンベリエール 種 の 反 芻 期 開 始 前 の 子 ウシ( 雄 2 頭 雌 4 頭 )にマルボフロキサシ ンを 単 回 筋 肉 内 (2mg/kg 体 重 ) 投 与 し 投 与 後 2 時 間 の 血 漿 及 び 組 織 中 濃 度 を 測 定 した 雌 雄 に よる 差 はほとんど 認 められておらず 各 パラメーターは 雌 雄 を 混 合 して 計 算 されている 平 均 血 漿 中 濃 度 は 1.34µg/mL であった 組 織 中 濃 度 は 胆 汁 2.52µg/mL 滑 液 0.902µg/mL 筋 肉 1.78µg/g 注 射 部 位 の 筋 肉 93.99µg/g 心 臓 2.14µg/g 肝 臓 2.79µg/g 腎 臓 5.99µg/g 肺 1.77µg/g 脳 0.79µg/g 空 腸 1.69µg/g 第 四 胃 1.36µg/g 子 宮 1.27µg/g 精 巣 1.71µg/g 脂 肪 1.59µg/g であっ た 組 織 中 濃 度 / 血 漿 中 濃 度 は 滑 液 脳 0.59 子 宮 0.99 精 巣 1.16 第 四 胃 1.01 脂 肪 1.17 空 腸 1.25 肺 1.32 筋 肉 1.33 心 臓 1.59 胆 汁 1.90 肝 臓 2.09 腎 臓 4.49 注 射 部 位 の 筋 肉 であった (8) e 1mg 投 与 群 では 24 時 間 時 点 で 定 量 下 限 未 満 となったため 分 布 容 積 クリアランスは 求 められなかった 6

14 ホルスタインフリーシアン 種 の 乳 牛 3 頭 に 14 C 標 識 マルボフロキサシン 2 mg/kg 体 重 / 日 を 5 日 間 皮 下 投 与 し 血 漿 排 泄 物 及 び 組 織 中 濃 度 を 測 定 した C max µg-eq/ml を 最 終 投 与 終 了 後 0.5 時 間 に 示 したが 24 時 間 には 0.01µg-eq/mL となった 初 回 及 び 最 終 回 投 与 後 24 時 間 の AUC は f µg-eq h/ml であった 最 終 投 与 後 日 までの 尿 中 排 泄 率 はそ れぞれ % 糞 中 排 泄 率 は %であった 乳 汁 中 濃 度 は 各 投 与 後 約 7.5 時 間 で 約 µg-eq/g であったが 約 16 時 間 後 には 約 µg-eq/g となった 乳 汁 中 回 収 率 は 0.13%であった 組 織 中 濃 度 の 最 高 値 は 最 終 投 与 後 2 日 の 肝 臓 で 0.10µg-eq/g であったが 4 8 日 には 0.03µg-eq/g となった 最 終 投 与 後 日 の 組 織 中 濃 度 は 腎 臓 で µg-eq/g 肺 で µg-eq/g 注 射 部 位 で µg-eq/g であった 最 終 投 与 後 2 日 で 筋 肉 腎 脂 肪 及 び 大 網 脂 肪 中 濃 度 は 定 量 限 界 ( 筋 肉 :0.01µg-eq/g 腎 脂 肪 及 び 大 網 脂 肪 :0.03µg-eq/g) 付 近 又 は 未 満 であった 胆 汁 中 濃 度 は 最 終 投 与 後 2 日 で 0.04µg-eq/g であったが 4 8 日 には 定 量 限 界 (0.01µg-eq/g) 未 満 となった 組 織 中 回 収 率 は 0.01%であった (9) ヘレフォード/ホルスタインフリーシアン 雑 種 の 子 ウシ( 雌 雄 各 8 頭 )に 14 C 標 識 マルボフロキサシ ン 2 mg/kg 体 重 / 日 を 5 日 間 皮 下 投 与 し 雌 雄 各 2 頭 から 血 漿 雌 2 頭 雄 1 頭 から 排 泄 物 時 間 後 に 雌 雄 各 2 頭 から 組 織 を 採 取 し 放 射 活 性 を 測 定 した 雌 雄 による 差 はほとんど 認 められておらず 各 パラメーターは 雌 雄 を 混 合 して 計 算 されている 初 回 投 与 後 の C max 約 µg-eq/ml T max は 時 間 T 1/2 は 約 12 時 間 投 与 後 24 時 間 の 血 漿 中 濃 度 は 約 µg-eq/ml となった 最 終 投 与 後 の C max 約 µg-eq/mL T max は 時 間 投 与 後 24 時 間 の 血 漿 中 濃 度 は 約 0.3µg-eq/mL となり 初 回 投 与 後 と 同 様 であった 総 放 射 活 性 濃 度 の 88-96% が 回 収 された 尿 及 び 糞 中 排 泄 率 はそれぞれ 72-81% 5-13%で 各 投 与 の 24 時 間 以 内 に 各 投 与 量 の 80-90%が 消 失 した 最 終 投 与 後 4 48 時 間 の 組 織 中 濃 度 は 肝 臓 µg-eq/g 腎 臓 µg-eq/g 肺 µg-eq/g 最 終 注 射 部 位 の 筋 肉 g µg-eq/g 最 終 注 射 部 位 の 皮 膚 h µg-eq/g 筋 肉 µg-eq/g 腎 脂 肪 µg-eq/g 大 網 脂 肪 µg-eq/g 胆 汁 µg-eq/g であった 最 終 投 与 後 時 間 の 組 織 中 濃 度 は 肝 臓 µg-eq/g 腎 臓 µg-eq/g 最 終 投 与 部 位 の 皮 膚 µg-eq/g であった 最 終 投 与 96 時 間 の 組 織 中 濃 度 は 肺 最 終 投 与 部 位 の 筋 肉 筋 肉 でそれぞれ µg-eq/g となり 192 時 間 には 検 出 限 界 ( 肝 臓 腎 臓 肺 最 終 投 与 部 位 の 筋 肉 最 終 投 与 部 位 の 皮 膚 筋 肉 胆 汁 :0.01µg-eq/g 腎 脂 肪 大 網 脂 肪 :0.03µg-eq/g) 以 下 であった 大 網 脂 肪 腎 脂 肪 は 最 終 投 与 後 96 時 間 以 降 には 検 出 限 界 未 満 となった (10) ブタにおける 投 与 試 験 3 ヶ 月 齢 の 雌 雄 各 3 頭 の 雑 種 ブタ( 大 ヨークシャー ベルギーランドレース ピエトレン)にマルボ フロキサシンを 単 回 静 脈 内 (2 mg/kg 体 重 ) 投 与 し 1 週 間 後 に 単 回 筋 肉 内 (2 4 8 mg/kg 体 重 ) 投 与 を 実 施 した 筋 肉 内 投 与 は ラテン 方 格 配 置 3 期 クロスオーバー 試 験 として 実 施 し 各 投 与 期 の 間 に 1 週 間 あけ 各 期 とも 2 頭 に 各 用 量 を 投 与 した さらに 最 終 の 筋 肉 内 投 与 から 2 週 間 後 に 2 回 目 の 単 回 静 脈 内 (2 mg/kg 体 重 ) 投 与 を 実 施 した 各 投 与 経 路 において 血 漿 中 濃 度 を HPLC f g h 3 頭 中 1 頭 に 投 与 の 一 部 が 血 管 内 に 注 入 された 可 能 性 があることから この 1 頭 については 除 外 した 雌 雄 各 6 頭 のデータ 雌 雄 各 6 頭 のデータ 7

15 で 測 定 した また 4 mg/kg 筋 肉 内 投 与 群 のみバイオアッセイでも 測 定 した 雌 雄 による 差 はほとん ど 認 められておらず 各 パラメーターは 雌 雄 を 混 合 して 計 算 されている 初 回 及 び 2 回 目 の 静 脈 内 投 与 において T 1/2 はそれぞれ 時 間 AUC は µg h/ml MRT は 時 間 見 かけの 分 布 容 積 は L/kg 定 常 状 態 における 分 布 容 積 は L/kg 全 身 クリアランスは L/h/kg であった 筋 肉 内 投 与 において mg/kg 投 与 群 に おける C max はそれぞれ µg/ml T max は 時 間 T 1/2 は 時 間 AUC は µg h/ml MRT は 時 間 絶 対 生 物 学 的 利 用 率 は %であった バイオアッセイによる 4 mg/kg 筋 肉 内 投 与 群 の C max は µg/ml T max は 0.69 時 間 T 1/2 は 時 間 AUC は µg h/ml MRT は 時 間 であった HPLC とバイオアッセイでの T 1/2 MRT C max T max AUC の 結 果 を t 検 定 で 比 較 したところ T 1/2 MRT T max に 有 意 差 は 認 められなかった C max AUC は 最 大 5%レベルま で 有 意 差 を 示 し HPLC 値 の 方 が 高 値 であった (11) ランドレース 種 のブタ( 雌 雄 各 8 頭 )に 14 C 標 識 マルボフロキサシン 2 mg/kg 体 重 / 日 を 5 日 間 筋 肉 内 投 与 し 雌 雄 各 2 頭 から 血 漿 雌 2 頭 雄 1 頭 から 排 泄 物 時 間 後 に 雌 雄 各 2 頭 から 組 織 を 採 取 し 放 射 活 性 を 測 定 した 雌 雄 による 差 はほとんど 認 められておらず 各 パラメー ターは 雌 雄 を 混 合 して 計 算 されている 血 漿 排 泄 物 及 び 組 織 中 濃 度 i を 測 定 した 初 回 投 与 後 の C max µg-eq/ml T max は 時 間 投 与 後 24 時 間 の 血 漿 中 濃 度 は µg-eq/ml となった 最 終 投 与 後 の C max µg-eq/ml T max は 時 間 投 与 後 24 時 間 の 血 漿 中 濃 度 は µg-eq/ml となり 初 回 投 与 後 と 同 様 であった 投 与 後 48 時 間 には 0.02µg-eq/mL となった 総 放 射 活 性 濃 度 の 84-92%が 回 収 された 尿 及 び 糞 中 排 泄 率 はそれぞれ 51-60% 27-29%で 各 投 与 の 24 時 間 以 内 に 各 投 与 量 の 71-79%が 消 失 した 最 終 投 与 後 4 48 時 間 の 組 織 中 濃 度 は 肝 臓 µg-eq/g 腎 臓 µg-eq/g 肺 µg-eq/g 筋 肉 µg-eq/g 皮 膚 µg-eq/g 大 網 脂 肪 µg-eq/g 腎 脂 肪 µg-eq/g 胆 汁 µg-eq/g 最 終 注 射 部 位 µg-eq/g 全 血 µg-eq/g 及 び 血 漿 µg-eq/mL であった 最 終 投 与 後 4 8 日 の 組 織 中 濃 度 は 肝 臓 で µg-eq/g 腎 臓 で µg-eq/g であった 最 終 投 与 後 4 日 以 降 の 肝 臓 腎 臓 以 外 の 組 織 は 検 出 限 界 ( 肝 臓 腎 臓 肺 筋 肉 胆 汁 最 終 注 射 部 位 全 血 : µg-eq/g 皮 膚 大 網 脂 肪 腎 脂 肪 : 0.01µg-eq/g) 付 近 又 は 未 満 となった (12) 血 漿 たん 白 質 結 合 試 験 (14) in vitro でのヒト イヌ ネコ 乳 牛 ウマ ブタ 及 び 反 芻 期 開 始 前 の 子 ウシの 血 漿 におけるマル ボフロキサシンのたん 白 質 結 合 試 験 が 実 施 されている ヒトは µg/mL イヌは µg/mL ネコ 乳 牛 ウマ ブタ 及 び 反 芻 期 開 始 前 の 子 ウシは µg/mL の 濃 度 範 囲 で 測 定 された たん 白 結 合 率 は 全 濃 度 範 囲 で 一 定 であり ヒト 5.7% イヌ 9.1% ネコ 7.3% 乳 牛 32.5% ウマ 3.5% ブタ 3.7% 反 芻 期 開 始 前 の 子 ウシ 26.2%であった イヌにおいて 結 合 率 に 対 する ph の 影 響 について 試 験 したところ ph7.0 から ph7.6 に 増 加 することにより 遊 離 型 の 割 合 が %に 低 下 した (13) i 血 漿 は 雌 雄 各 2 頭 排 泄 物 は 雄 1 頭 雌 2 頭 組 織 中 濃 度 は 雌 雄 各 8 頭 のデータ 8

16 子 ウシ 乳 牛 ブタ イヌ ラットにおける 投 与 試 験 反 芻 期 開 始 前 の 子 ウシ 乳 牛 ブタ イヌ 及 びラットに 14 C 標 識 マルボフロキサシンを 投 与 ( 子 ウ シ: 経 口 皮 下 乳 牛 : 皮 下 ブタ: 筋 肉 内 イヌ: 経 口 ラット: 経 口 )し 排 泄 物 中 あるいは 組 織 中 の 未 変 化 体 代 謝 物 の 存 在 比 が 検 討 されている 雌 雄 による 差 はほとんど 認 められておらず 各 パラメーターは 雌 雄 を 混 合 して 計 算 されている 子 ウシの 経 口 投 与 ( 雌 2 雄 1)では 排 泄 物 中 の 未 変 化 体 の 割 合 は 89-96%であり 尿 中 には 2-3%のマルボフロキサシン N-オキシド( 以 下 N-オキシド) 2-4%の 極 性 物 質 糞 中 には 3%の 脱 メ チル 化 体 が 認 められた 胆 汁 では 未 変 化 体 が 13-17% 極 性 物 質 ( 主 要 なものは 抱 合 体 )が 73-78% N-オキシドが 3-4% 認 められた 肝 臓 及 び 腎 臓 では 未 変 化 体 が 86-93% 極 性 物 質 が 5% であった 皮 下 投 与 では 排 泄 物 中 の 未 変 化 体 の 割 合 は 90-95%であり 尿 中 には 3%の N-オキ シド 2-4%の 極 性 物 質 糞 中 には 2%の 脱 メチル 化 体 が 認 められた 胆 汁 では 未 変 化 体 が 17-18% 極 性 物 質 ( 主 要 なものは 抱 合 体 )が 68-74% N-オキシドが 5-8% 認 められた 肝 臓 及 び 腎 臓 では 未 変 化 体 が 71-96% 極 性 物 質 が 4-9 j % 非 極 性 物 質 が 4-5%であった 乳 牛 ( 皮 下 投 与 雌 3 頭 )では 排 泄 物 中 の 未 変 化 体 の 割 合 は 97-99% 乳 汁 中 では 投 与 後 1 日 に 未 変 化 体 が 80-93% 認 められた ブタ( 筋 肉 内 雌 2 雄 1)では 尿 中 には 未 変 化 体 が 83-88% N-オキシドが 2-5% 極 性 物 質 が 5-10% 糞 中 には 未 変 化 体 が 93-98% N-オキシドが 4% 認 められた 胆 汁 では 未 変 化 体 が 21-38%であった 肝 臓 及 び 腎 臓 では 未 変 化 体 が 54-97% 最 終 投 与 部 位 腎 脂 肪 大 網 脂 肪 にお ける 未 変 化 体 の 割 合 はそれぞれ 95-99% 95-96% 85-90%であった イヌ( 経 口 投 与 雌 雄 各 1 頭 )では 尿 中 には 未 変 化 体 が 76-83% N-オキシドが 11-14% 極 性 物 質 が 4-6% 糞 中 には 未 変 化 体 が 85-97% N-オキシドが 5% 極 性 物 質 が 5% 認 められた ラット( 経 口 投 与 雌 雄 各 3 匹 )では 尿 中 には 未 変 化 体 が 70-81% 極 性 物 質 ( 主 要 なものは 抱 合 体 )が 16-25% 糞 中 には 未 変 化 体 が 80-96% 極 性 物 質 が 1-3% 脱 メチル 化 体 が 11% 認 めら れた (14) ウシにおける 残 留 試 験 日 齢 のホルスタイン 種 雄 子 ウシ 16 頭 にマルボフロキサシンを 2 mg/kg 体 重 / 日 を 5 日 間 筋 肉 内 投 与 し 投 与 後 12 時 間 日 にそれぞれ 4 頭 から 組 織 を 採 取 し マルボフロキサシン 濃 度 を 測 定 した 最 終 投 与 後 12 時 間 の 組 織 の 比 較 では 腎 臓 注 射 部 位 筋 肉 肝 臓 注 射 部 位 周 辺 筋 肉 筋 肉 小 腸 脂 肪 の 順 であった 投 与 後 3 日 の 腎 臓 中 濃 度 は 0.05µg /g であった 脂 肪 は 投 与 後 2 日 腎 臓 以 外 の 組 織 では 投 与 後 3 日 で 定 量 限 界 (0.02µg /g) 付 近 又 は 未 満 となった (15) 3 週 齢 のホルスタイン 種 ( 雄 10 頭 雌 2 頭 )にマルボフロキサシンを 2 mg/kg 体 重 / 日 を 5 日 間 筋 肉 内 投 与 し 投 与 後 2 日 に 雄 2 頭 雌 2 頭 から 4 及 び 8 日 にそれぞれ 雄 4 頭 から 組 織 を 採 取 し マルボフロキサシン 濃 度 を 測 定 した 投 与 後 2 日 の 組 織 中 濃 度 において 雌 雄 による 差 はほとんど 認 められておらず 各 パラメーターは 雌 雄 を 混 合 して 計 算 されている 最 終 投 与 後 2 日 の 組 織 の 比 較 では 腎 臓 肝 臓 筋 肉 注 射 部 位 脂 肪 の 順 で 脂 肪 では 定 量 限 界 (0.025µg /g) 未 満 であっ た 最 終 投 与 後 4 日 では 全 組 織 中 濃 度 は 低 下 しており 脂 肪 では 定 量 限 界 未 満 であった 8 日 に は 腎 臓 (0.028µg /g) 以 外 の 組 織 で 定 量 限 界 未 満 となった (16) j プロテアーゼ 分 解 した 肝 では 4-11% 9

17 ホルスタイン 種 乳 牛 4 頭 にマルボフロキサシンを 2 mg/kg 体 重 / 日 を 5 日 間 筋 肉 内 投 与 し 最 終 投 与 後 72 時 間 までの 乳 汁 を 採 取 し マルボフロキサシン 濃 度 を 測 定 した 最 終 投 与 後 12 時 間 で は 全 頭 から 検 出 されたが 24 時 間 には 全 例 が 定 量 限 界 (0.02µg /g) 未 満 となった (17) 歳 のモンベリエール 種 乳 牛 8 頭 にマルボフロキサシンを 2 mg/kg 体 重 / 日 を 5 日 間 筋 肉 内 投 与 した 最 終 投 与 日 の 夕 方 を 1 回 目 とし 以 降 朝 夕 1 日 2 回 のペースで 5 回 まで 乳 汁 を 採 取 し マルボフロキサシン 濃 度 を 測 定 した 初 回 の 乳 汁 中 濃 度 は 0.378µg /ml であり 2 回 目 には 0.033µg /ml 5 回 目 には 0.003µg /ml となり 定 量 限 界 (0.001µg /ml) 付 近 となった (18) ブタにおける 残 留 試 験 2-3 ヶ 月 齢 の 大 ヨークシャー 系 ブタ( 雌 雄 各 8 頭 )にマルボフロキサシンを 2 mg/kg 体 重 / 日 を 5 日 間 筋 肉 内 投 与 し 最 終 投 与 後 12 時 間 日 にそれぞれ 雌 雄 各 2 頭 から 組 織 を 採 取 し マル ボフロキサシン 濃 度 を 測 定 した 雌 雄 による 差 はほとんど 認 められておらず 各 パラメーターは 雌 雄 を 混 合 して 計 算 されている 最 終 投 与 後 12 時 間 の 組 織 の 比 較 では 腎 臓 肝 臓 注 射 部 位 筋 肉 筋 肉 注 射 部 位 周 辺 筋 肉 小 腸 脂 肪 の 順 であった 最 終 投 与 後 2 日 では 腎 臓 0.05µg /g 脂 肪 で 定 量 限 界 (0.02µg /g) 未 満 となり その 他 の 組 織 では 定 量 限 界 付 近 又 は 未 満 であった 最 終 投 与 後 3 日 では 腎 臓 で 定 量 限 界 付 近 又 は 未 満 となり その 他 の 組 織 は 定 量 限 界 未 満 となった (19) 5 週 齢 の 雌 雄 各 8 頭 の 雑 種 ブタ( 大 ヨークシャー 種 ピエトレン 種 ランドレース 種 )にマルボフロ キサシンを 2 mg/kg 体 重 / 日 を 5 日 間 筋 肉 内 投 与 し 最 終 投 与 後 日 にそれぞれ 雌 雄 各 2 頭 から 組 織 を 採 取 し マルボフロキサシン 濃 度 を 測 定 した 雌 雄 による 差 はほとんど 認 められてお らず 各 パラメーターは 雌 雄 を 混 合 して 計 算 されている 最 終 投 与 後 2 日 の 組 織 の 比 較 では 腎 臓 で 0.070µg /g であり 以 下 注 射 部 位 の 筋 肉 肝 臓 筋 肉 脂 肪 の 順 であった 腎 臓 中 濃 度 は 最 終 投 与 後 6 日 で 0.011µg /g であった その 他 の 組 織 では 最 終 投 与 後 3 日 以 降 に 定 量 限 界 (0.005µg /g) 付 近 又 は 未 満 となり 筋 肉 では 4 日 以 降 肝 臓 脂 肪 では 6 日 に 定 量 限 界 未 満 となっ た (20) 2-2. 毒 性 試 験 (1) 急 性 毒 性 試 験 経 口 投 与 による LD 50 は ICR 系 マウスの 雄 で 1781 mg/kg 体 重 雌 で 1822 mg/kg 体 重 であり 死 亡 動 物 の 臨 床 症 状 では 自 発 活 動 の 低 下 疼 痛 反 射 の 消 失 振 戦 チアノーゼ ストラウブの 挙 尾 反 応 及 び 全 身 性 又 は 強 直 性 痙 攣 が 認 められた 生 存 動 物 では 全 動 物 で 自 発 活 動 の 低 下 が 認 められ 一 部 の 動 物 では 振 戦 が 認 められたが 投 与 後 4 時 間 後 には 生 存 動 物 は 回 復 傾 向 を 示 した SD 系 ラットの 雄 で 3772 mg/kg 体 重 雌 で 2720mg/kg 体 重 であった 皮 下 投 与 では ICR 系 マウスの 雄 で 1121 mg/kg 体 重 雌 で 972 mg/kg 体 重 SD 系 ラットの 雄 で 2094 mg/kg 体 重 雌 で 1837 mg/kg 体 重 であった 筋 肉 内 投 与 では SD ラットの 雌 で mg/kg 体 重 腹 腔 内 投 与 では SD ラットの 雌 で mg/kg 体 重 であった (21),(22), (23) また 本 製 剤 中 の 不 純 物 であるマルボフロキサシンヒドロキシカルボキシレートについて 急 性 毒 性 試 験 が 実 施 k されており LD 50 は 2000mg/kg 体 重 以 上 であった (24) k マルボフロキサシンヒドロキシカルボキシレートは 2% 製 剤 では 製 剤 中 の 含 有 率 が 1.0%を 超 えることから 医 薬 品 等 の 不 純 物 等 に 関 するガイドラインに 従 い 実 施 した 10

18 (2) 亜 急 性 毒 性 試 験 ラットを 用 いた 4 週 間 亜 急 性 毒 性 試 験 SD 系 ラット( 雄 5 匹 / 群 )を 用 いた 経 口 ( mg/kg 体 重 / 日 ) 投 与 における 4 週 間 の 亜 急 性 毒 性 試 験 において 認 められた 毒 性 所 見 は 以 下 の 通 りであった 試 験 期 間 中 に 死 亡 は 認 め られなかった 一 般 的 な 臨 床 症 状 観 察 では 500mg 以 上 投 与 群 で 投 与 後 に 一 過 性 の 流 涎 が 認 められた 体 重 変 化 では 1000mg 投 与 群 で 体 重 増 加 量 の 低 値 が 認 められた 摂 餌 量 では 1000mg 投 与 群 で 低 値 が 認 められた 眼 検 査 l 血 液 学 的 検 査 及 び 血 液 生 化 学 的 検 査 では 異 常 は 認 められなかった 尿 検 査 では 1000mg 投 与 群 で 尿 量 の 減 少 ph の 低 値 比 重 の 高 値 が 認 められた 臓 器 重 量 では 投 与 群 で 盲 腸 の 絶 対 相 対 重 量 の 高 値 500mg 以 上 投 与 群 に 左 右 腎 臓 の 相 対 重 量 の 高 値 1000mg 投 与 群 で 左 甲 状 腺 左 右 副 腎 左 右 精 巣 の 相 対 重 量 の 高 値 が 認 められ た 剖 検 では 全 投 与 群 に 盲 腸 の 拡 張 が 認 められた 大 腿 骨 遠 位 端 の 膝 関 節 軟 骨 表 面 に 水 疱 陥 凹 部 窩 又 は 白 色 化 の 病 変 が 1000mg 投 与 群 の 2/5 例 で 認 められた 病 理 組 織 学 的 検 査 では 1000mg 投 与 群 で 関 節 軟 骨 の 嚢 胞 状 の 病 変 (2/5 例 ) 及 び 剥 離 (1/5 例 ) 前 立 腺 上 皮 の 萎 縮 (1/5 例 )が 認 められた 全 ての 投 与 群 で 盲 腸 重 量 の 増 加 盲 腸 の 拡 張 が 認 められたが この 盲 腸 の 所 見 は 抗 菌 活 性 に 由 来 する 腸 内 細 菌 叢 の 変 動 の 二 次 的 影 響 と 考 えられたため NOAEL は 100mg/kg 体 重 / 日 と 判 断 された (25) SD 系 ラット( 雌 雄 各 5 匹 / 群 )を 用 いた 経 口 ( mg/kg 体 重 / 日 ) 投 与 における 4 週 間 の 亜 急 性 毒 性 試 験 において 認 められた 毒 性 所 見 は 以 下 の 通 りであった 試 験 期 間 中 に 死 亡 は 認 められなかった 一 般 的 な 臨 床 症 状 観 察 では 1000mg 投 与 群 で 一 過 性 の 流 涎 が 認 められた また 本 試 験 では 神 経 行 動 毒 性 を 調 べるために 詳 細 な 臨 床 観 察 感 覚 反 射 機 能 検 査 握 力 着 地 開 脚 幅 自 発 運 動 量 の 測 定 を 実 施 したが いずれも 異 常 は 認 められなかった 体 重 変 化 では 1000mg 投 与 群 雄 で 体 重 増 加 の 抑 制 傾 向 が 認 められ 投 与 10 日 目 で 有 意 な 体 重 低 値 を 示 した 摂 餌 量 では 1000mg 投 与 群 雌 で 高 値 が 認 められた 眼 検 査 では 異 常 は 認 められなかった 尿 検 査 では 1000mg 投 与 群 で 雄 全 例 及 び 雌 3/5 例 の 尿 沈 渣 中 に 大 型 の 長 方 形 板 状 結 晶 が 認 められた また 雌 に 尿 たん 白 の 高 値 雄 でも 高 値 傾 向 が 認 められた 血 液 学 的 検 査 では 1000mg 投 与 群 雄 でプロトロンビン 時 間 の 短 縮 雌 に 好 中 球 比 の 低 値 及 び リンパ 球 比 の 高 値 が 認 められた 血 液 生 化 学 的 検 査 では 1000mg 投 与 群 雌 雄 に ALT の 高 値 雄 に 血 糖 Tcho の 高 値 総 ビリ ルビン K + Cl - の 低 値 が 認 められた 1000mg 投 与 群 雌 で Tcho の 高 値 傾 向 が 認 められた 臓 器 重 量 では 内 容 物 を 含 む 盲 腸 において 40mg 以 上 投 与 群 雄 で 絶 対 相 対 重 量 200mg 以 上 投 与 群 雌 で 絶 対 重 量 1000mg 投 与 群 雌 で 相 対 重 量 に 高 値 が 認 められた 内 容 物 を 除 いた 盲 l 眼 球 眼 表 面 眼 底 網 膜 電 ( 位 ) 図 11

19 腸 において 1000mg 投 与 群 雄 で 相 対 重 量 雌 で 絶 対 相 対 重 量 の 高 値 が 認 められた 1000mg 投 与 群 雄 に 精 巣 上 体 前 立 腺 精 嚢 の 絶 対 重 量 の 低 値 及 び 相 対 重 量 の 低 値 傾 向 が 認 められた 剖 検 では 40mg 以 上 投 与 群 雄 200mg 投 与 群 雌 に 盲 腸 の 拡 張 が 認 められた 1000mg 投 与 群 雄 で 大 腿 骨 遠 位 端 の 軟 骨 に 片 側 性 のびらん(1/5 例 ) 雌 で 片 側 性 及 び 両 側 性 のびらん( 各 1/5 例 ) 片 側 性 の 水 泡 様 病 変 (1/5 例 )が 認 められた 病 理 組 織 学 的 検 査 は 実 施 されていない 40mg 以 上 投 与 群 で 盲 腸 重 量 の 増 加 盲 腸 の 拡 張 が 認 められたが この 盲 腸 の 所 見 は 抗 菌 活 性 に 由 来 する 腸 内 細 菌 叢 の 変 動 の 二 次 的 影 響 と 考 えられたため NOAEL は 200mg/kg 体 重 / 日 と 判 断 された (26) ラットを 用 いた 13 週 間 亜 急 性 毒 性 試 験 (27) Wistar 系 ラット( 雌 雄 各 26 匹 / 群 )を 用 いた 経 口 ( mg/kg 体 重 / 日 ) 投 与 における 13 週 間 の 亜 急 性 毒 性 試 験 において 認 められた 毒 性 所 見 は 以 下 の 通 りであった 試 験 後 雌 雄 各 6 匹 / 群 を 用 いて 6 週 間 の 回 復 試 験 を 実 施 した 試 験 期 間 中 600mg 投 与 群 雄 に 尿 路 閉 塞 による 死 亡 率 の 増 加 が 認 められた 一 般 的 な 臨 床 症 状 観 察 では 600mg 投 与 群 の 雄 で 軽 度 な 外 部 生 殖 器 の 汚 れ 及 び 被 毛 失 が 認 められた 体 重 変 化 では 600mg 投 与 群 雌 雄 で 体 重 増 加 量 の 低 値 が 認 められた 飲 水 量 では 600mg 投 与 群 雄 で 高 値 が 認 められた 摂 餌 量 血 液 学 的 検 査 に 異 常 は 認 められなかった 尿 検 査 では 600mg 投 与 群 雌 でケトン 体 の 高 値 が 認 められた 血 液 生 化 学 的 検 査 では 50mg 以 上 投 与 群 雌 雄 に 血 清 グロブリンの 低 値 600mg 投 与 群 雌 雄 で Tcho ALT の 高 値 雌 でクレアチニンの 高 値 が 認 められた 臓 器 重 量 では 50mg 以 上 投 与 群 雌 雄 に 内 容 物 を 含 む 及 び 含 まない 盲 腸 の 相 対 重 量 の 高 値 雄 に 肝 臓 相 対 重 量 下 垂 体 相 対 重 量 の 高 値 副 性 腺 相 対 重 量 の 低 値 が 認 められた 600mg 投 与 群 雄 に 腎 臓 相 対 重 量 胸 腺 相 対 重 量 副 腎 相 対 重 量 の 高 値 精 巣 上 体 相 対 重 量 の 低 値 が 認 め られた 剖 検 では 50mg 投 与 群 の 雌 雄 各 1 例 で 膝 関 節 軟 骨 に 粗 面 化 600mg 投 与 群 雌 雄 のほぼ 全 例 で 膝 の 関 節 軟 骨 異 常 ( 変 色 粗 面 化 びらん)が 認 められた 600mg 投 与 群 雌 雄 に 盲 腸 の 拡 張 ( 雄 2/20 例 雌 6/20 例 )が 認 められたが 回 復 期 後 には 認 められなかった 600mg 投 与 群 雄 に 精 巣 上 体 の 結 節 (2/20 例 )が 認 められた 病 理 組 織 学 的 検 査 では 600mg 投 与 群 雄 に 腎 尿 細 管 上 皮 でハイデンハイン アザン 染 色 により 赤 紫 色 に 染 色 されるヒアリン 小 滴 m (4/20 例 )が 認 められたが 回 復 期 後 には 認 められなかった ま た 600mg 投 与 群 雄 でいずれも 軽 度 ながら 精 巣 管 萎 縮 (5/20 例 ) 精 子 減 少 (8/20 例 ) 未 成 熟 精 子 (11/20 例 ) 精 子 肉 芽 腫 (2/20 例 )が 認 められた 600mg 投 与 群 に 関 節 軟 骨 の 剥 離 増 殖 した 軟 骨 細 胞 のクラスター 形 成 軟 骨 融 解 が 認 められた 本 試 験 における NOAEL は 4 mg/kg 体 重 / 日 であった イヌを 用 いた 13 週 間 亜 急 性 毒 性 試 験 12 ヶ 月 齢 のビーグル 犬 ( 雌 雄 各 4 頭 / 群 )を 用 いたゼラチンカプセルによる 経 口 (0 1 4 m 硝 子 質 ともいう アミロイド 変 性 産 物 の 一 つ 12

20 40mg/kg 体 重 / 日 ) 投 与 における 13 週 間 の 亜 急 性 毒 性 試 験 において 認 められた 毒 性 所 見 は 以 下 の 通 りであった 試 験 期 間 中 に 死 亡 は 認 められなかった 一 般 的 な 臨 床 症 状 観 察 では 40mg 投 与 群 雌 雄 で 嘔 吐 流 涎 運 動 活 性 の 低 下 が 認 められた 雌 でより 程 度 が 大 きく 1 頭 は 途 中 4 日 間 投 与 を 中 止 した 体 重 変 化 では 40mg 投 与 群 雌 雄 に 体 重 増 加 量 の 低 値 が 認 められた 摂 餌 量 眼 検 査 ( 検 眼 鏡 ) 心 電 図 n 臨 床 神 経 学 的 検 査 o 血 液 学 的 検 査 に 異 常 は 認 められなか った 血 液 生 化 学 的 検 査 では 40mg 投 与 群 雌 雄 にアルブミンの 軽 度 な 高 値 グロブリンの 低 値 A/G 比 の 高 値 が 認 められた 尿 検 査 では 40mg 投 与 群 雄 及 び 全 投 与 群 雌 に 尿 沈 渣 中 の 無 定 形 塩 の 高 値 傾 向 全 投 与 群 雄 に 三 リン 酸 塩 の 高 値 傾 向 40mg 投 与 群 雄 に RBC の 増 加 傾 向 40mg 投 与 群 雌 に ph の 低 値 全 投 与 群 雌 に 円 形 上 皮 細 胞 の 高 値 傾 向 が 認 められた 塩 の 高 値 は 薬 剤 の 尿 中 排 泄 を 反 映 したも ので 毒 性 影 響 ではないと 考 えられた 臓 器 重 量 では 40mg 投 与 群 雄 で 精 巣 上 体 前 立 腺 脾 臓 雌 で 腎 臓 卵 巣 脾 臓 の 相 対 重 量 の 高 値 が 認 められた 剖 検 では 40mg 投 与 群 の 雌 で 膀 胱 に 赤 い 変 色 (3/4 例 )が 認 められた また 40mg 投 与 群 雌 雄 で 関 節 軟 骨 のびらん( 雄 2/4 例 雌 3/4 例 )が 認 められた 病 理 組 織 学 的 検 査 では 40mg 投 与 群 の 雄 に 軽 度 な 精 細 管 萎 縮 (1/4 例 ) 別 個 体 で 精 巣 上 体 の 精 子 肉 芽 腫 (1/4 例 )が 認 められた また 40mg 投 与 群 雌 雄 各 1 例 に 関 節 軟 骨 の 剥 離 軟 骨 細 胞 の 増 殖 によるクラスター 形 成 が 認 められた 本 試 験 における NOAEL は 4 mg/kg 体 重 / 日 であった (28) 3-4 ヶ 月 齢 のビーグル 犬 ( 雌 雄 各 2 頭 / 群 )を 用 いた 経 口 ( mg/kg 体 重 / 日 ) 投 与 における 13 週 間 の 亜 急 性 毒 性 試 験 において 認 められた 毒 性 所 見 は 以 下 の 通 りであった 試 験 期 間 中 に 死 亡 は 認 められなかった 一 般 的 な 臨 床 症 状 観 察 体 重 変 化 摂 餌 量 飲 水 量 直 腸 体 温 心 電 図 眼 検 査 ( 視 覚 反 射 ) 血 液 学 的 検 査 血 液 生 化 学 的 検 査 尿 検 査 臓 器 重 量 剖 検 病 理 組 織 学 的 検 査 において 異 常 は 認 められなかった 関 節 軟 骨 についても 異 常 は 認 められなかった 本 試 験 における NOAEL は 6 mg/kg 体 重 / 日 であった (29) (3) 慢 性 毒 性 試 験 及 び 発 がん 性 試 験 慢 性 毒 性 試 験 及 び 発 がん 性 試 験 は 実 施 されていない (4) 繁 殖 毒 性 試 験 及 び 催 奇 形 性 試 験 ラットを 用 いた 2 世 代 繁 殖 毒 性 試 験 CD 系 ラット( 雌 雄 各 28 匹 / 群 )を 用 いた 混 餌 ( mg/kg 体 重 / 日 ) 投 与 による 2 世 代 繁 殖 毒 性 試 験 が 実 施 されている 被 験 物 質 の 投 与 は F 0 世 代 では 交 配 ( 交 配 1) 開 始 10 週 前 から F 1 児 離 乳 ( 生 後 21 日 )までの 期 間 (19~21 週 間 ) 行 った ただし 対 照 群 と 500 mg 投 与 群 の 雄 につ いてはその 後 も 試 験 を 継 続 し 生 殖 能 に 対 する 影 響 を 確 認 するため 新 たに 設 けた 無 処 置 雌 との n o 試 験 6 週 に 対 照 群 と 高 用 量 群 に 実 施 意 識 行 動 姿 勢 歩 行 協 調 固 有 受 容 痛 みに 対 する 感 受 性 脊 髄 及 び 脳 神 経 反 射 を 検 査 した 13

21 再 交 配 ( 交 配 2)を 行 った 後 27 週 からは 被 験 物 質 の 投 与 を 中 止 して 500 mg 投 与 群 の 雄 にも 基 礎 飼 料 のみを 10 週 間 ( 回 復 期 間 ) 与 えた 後 に 別 の 無 処 置 雌 とさらに 交 配 ( 交 配 3)した 交 配 2 3 で 得 られた F 1 児 は 生 後 6 日 まで 哺 育 した 交 配 1 で 得 られた F 1 児 の 中 から 離 乳 後 雌 雄 各 24 匹 / 群 を 選 抜 し 被 験 物 質 の 投 与 を 交 配 開 始 前 13 週 間 及 び 交 配 後 は F 2 児 離 乳 ( 生 後 21 日 )までの 期 間 行 った 試 験 期 間 中 F 0 F 1 親 動 物 に 投 与 に 関 連 した 死 亡 は 認 められなかった 一 般 的 な 臨 床 症 状 観 察 では 500mg 投 与 群 の F 0 F 1 雌 雄 で 水 様 便 軟 便 尾 の 汚 れ 泌 尿 生 殖 器 部 分 の 湿 潤 / 汚 染 が 認 められた 500 mg 投 与 群 ではその 他 に F 0 F 1 雌 雄 で 体 重 増 加 量 の 低 値 F 0 雄 F 1 雌 雄 で 摂 餌 量 の 低 値 F 0 雌 雄 F 1 雌 で 飲 水 量 の 高 値 が 認 められた 親 動 物 の 生 殖 能 に 関 しては 発 情 周 期 交 尾 率 同 居 から 交 尾 までの 所 要 日 数 受 胎 率 出 産 率 に 投 与 の 影 響 はみられなかったが 500mg 投 与 群 で F 0 ( 交 配 1) 及 び F 1 雌 に 着 床 数 と 産 児 数 の 低 値 F 1 雌 に 子 宮 内 胚 死 亡 率 の 増 加 が 認 められた F 1 親 動 物 では 雌 雄 の 性 成 熟 遅 延 と 雌 の 妊 娠 期 間 延 長 も 認 められた F 0 世 代 の 交 配 2 において 交 尾 率 に 影 響 がみられなかったにもかかわら ず 500 mg 投 与 群 の 雄 と 交 配 した 無 処 置 雌 に 妊 娠 が 全 く 成 立 せず 同 投 与 群 雄 の 受 精 能 阻 害 が 確 認 された この 雄 の 受 精 能 に 対 する 影 響 は 10 週 間 の 回 復 期 間 を 設 けることによって 完 全 に 回 復 した( 交 配 3) 哺 育 期 間 中 の 児 動 物 に 対 しては 500 mg 投 与 群 で F 1 哺 育 児 死 亡 率 の 増 加 F 1 及 び F 2 哺 育 児 体 重 の 低 値 70 mg 以 上 投 与 群 で 腹 当 たり F 2 哺 育 児 重 量 の 低 値 が 認 められた 臓 器 重 量 では 被 験 物 質 投 与 に 関 連 した 変 化 として 500mg 投 与 群 の F 1 雄 で 精 巣 精 巣 上 体 及 び 精 嚢 / 前 立 腺 重 量 の 低 値 が 認 められた 剖 検 では 投 与 に 関 連 した 異 常 は 認 められなかっ た 本 試 験 における NOAEL は 10mg/kg 体 重 / 日 であった (30) ラットを 用 いた 催 奇 形 性 試 験 Fu-アルビノラット( 雌 36 匹 / 群 )を 用 いた 強 制 経 口 ( mg/kg 体 重 / 日 ) 投 与 による 催 奇 形 性 試 験 において 認 められた 毒 性 所 見 は 以 下 の 通 りであった 被 験 物 質 の 投 与 は 妊 娠 6 日 から 15 日 の 間 行 い 20 日 に 20~26 匹 / 群 を 帝 王 切 開 残 りは 分 娩 させて 児 動 物 が 離 乳 するまで 哺 育 させた 被 験 物 質 投 与 に 関 連 する 母 動 物 の 死 亡 は 認 められなかった 一 般 的 な 臨 床 症 状 観 察 では 85 mg 以 上 投 与 群 で 妊 娠 期 間 中 の 母 動 物 に 膣 からの 出 血 性 分 泌 物 が 認 められた これらの 投 与 群 では 体 重 増 加 量 の 低 値 も 認 められた 帝 王 切 開 群 では 黄 体 数 着 床 前 胚 死 亡 率 着 床 数 に 投 与 の 影 響 は 認 められなかったが 700 mg 投 与 群 で 胚 吸 収 率 の 高 値 生 存 胎 児 数 及 び 胎 児 体 重 の 低 値 が 認 められた 胎 児 の 外 表 内 臓 骨 格 奇 形 の 発 生 頻 度 に 投 与 の 影 響 は 認 められなかった 700mg 投 与 群 で は 胸 椎 椎 体 二 分 第 13 肋 骨 の 欠 失 / 痕 跡 化 などの 骨 格 変 異 増 加 及 び 骨 化 遅 延 が 認 められた 哺 育 群 では 妊 娠 期 間 や 出 産 率 に 投 与 の 影 響 は 認 められなかったが 700 mg 投 与 群 で 産 児 数 の 低 下 哺 育 児 死 亡 率 の 増 加 離 乳 率 の 低 下 及 び 哺 育 児 体 重 の 低 値 がみられた 本 試 験 における NOAEL は 母 動 物 で 10mg/kg 体 重 / 日 胎 児 で 85mg/kg 体 重 / 日 であった また 催 奇 形 性 は 認 められなかった (31) ウサギを 用 いた 催 奇 形 性 試 験 Swiss Hare ウサギ( 雌 20 匹 / 群 )を 用 いた 強 制 経 口 ( mg/kg 体 重 / 日 ) 投 与 による 催 奇 形 性 試 験 において 認 められた 毒 性 所 見 は 以 下 の 通 りであった 被 験 物 質 の 投 与 は 妊 娠 6 日 14

22 から 18 日 の 間 行 い 29 日 に 帝 王 切 開 した 被 験 物 質 投 与 による 母 動 物 の 死 亡 は 認 められなかっ た 一 般 的 な 臨 床 症 状 観 察 では 30mg 以 上 投 与 群 で 排 糞 量 減 少 無 便 が 認 められた 80 mg 投 与 群 で 流 産 が 認 められた 妊 娠 期 間 中 の 体 重 増 加 量 は 30mg 以 上 投 与 群 で 低 下 した 黄 体 数 着 床 数 同 腹 児 数 胚 吸 収 率 胎 児 性 比 胎 児 体 重 胎 児 頭 殿 長 産 児 の 24 時 間 生 存 率 に 投 与 の 影 響 は 認 められなかった 胎 児 の 外 表 内 臓 骨 格 異 常 の 発 生 頻 度 に 投 与 の 影 響 は 認 められなかった 80mg 投 与 群 では 胸 骨 分 節 の 未 骨 化 が 増 加 した 本 試 験 における NOAEL は 母 動 物 で 10mg/kg 体 重 / 日 胎 児 で 30mg/kg 体 重 / 日 であった また 催 奇 形 性 は 認 められなかった (32) (5) 遺 伝 毒 性 試 験 遺 伝 毒 性 に 関 する 各 種 の in vitro 及 び in vivo 試 験 の 結 果 を 次 表 にまとめた 遺 伝 毒 性 に 関 する 各 種 試 験 の 結 果 一 覧 in vitro 試 験 試 験 対 象 投 与 量 結 果 Ames 試 験 酵 母 を 用 いた 遺 伝 子 変 換 試 験 復 帰 突 然 変 異 試 験 有 糸 分 裂 乗 換 え 試 験 S. typhimurium TA1535, TA1537, TA1538, TA97, TA98, TA100, TA ng/plate(±s9)1 陽 性 S. typhimurium TA ng/plate(-s9)1 陽 性 (33) Saccharomyces cerevisiae D7-trp5 対 数 増 殖 期 Saccharomyces cerevisiae D7-trp5 静 止 期 µg/ml(±s9)2 (TA102 のみ) (33) 陽 性 (34) 陽 性 前 進 突 然 変 異 試 験 CHL V79 細 胞 (HPRT) µg/ml(-s9)3 ;3-16h µg/ml(+s9)5 ;5h 不 定 期 DNA 合 成 試 験 ラット 初 代 肝 細 胞 µg/ml;18h 7 陰 性 (36) 染 色 体 異 常 試 験 ヒト 末 梢 血 リンパ 球 µg/mL (±S9;2h+48h) µg/mL (-S9; 48h+72h) ng/plate 以 上 で 菌 の 生 育 阻 害 µg/ml で 毒 性 影 響 µg/mL(16h 暴 露 )で 細 胞 生 存 率 41-64% 1500µg/mL(3h)では 85% 1500µg/mL(5h)では 59% 4. HPRT 突 然 変 異 の 増 加 が 認 められるものの 用 量 相 関 性 再 現 性 なし µg/mL(5h)で 細 胞 生 存 率 70-97% 2400µg/mL(5h)で 33% µg/mL で 陽 性 µg/mL 以 上 で 細 胞 の 形 態 変 化 1200µg/mL は 形 態 が 正 常 な 細 胞 を 十 分 に 得 るための 最 高 濃 度 8. S9 で 1800µg/mL 以 上 +S9 で 250µg/mL 以 上 で 細 胞 毒 性 (+S9 の 遺 伝 子 変 換 試 験 のみ) (34) 不 明 瞭 4 (35) 陽 性 6 (35) 陰 性 (37) 15

23 in vivo 試 験 試 験 対 象 投 与 量 結 果 不 定 期 DNA 合 成 試 験 (in vivo/in vitro) ラット 肝 細 胞 800, 2000mg/kg 体 重 単 回 経 口 投 与 9 小 核 試 験 マウス 骨 髄 500, 1000mg/kg 体 重 単 回 経 口 投 与 投 与 後 時 間 2-4 時 間 に 肝 細 胞 を 採 取 し 培 養 mg/kg 投 与 群 は 投 与 後 24 時 間 1000mg/kg 投 与 群 は 投 与 後 時 間 に 検 体 採 取 上 記 のように マルボフロキサシンについて in vitro in vivo の 試 験 が 実 施 され in vitro でいくつ か 陽 性 所 見 が 認 められている 一 方 投 与 可 能 な 上 限 量 まで 投 与 した in vivo/in vitro 肝 不 定 期 DNA 合 成 試 験 及 び in vivo 骨 髄 小 核 試 験 において 陰 性 であった なお マルボフロキサシンは 細 菌 のジャイレースに 対 し 哺 乳 動 物 のそれに 相 当 するトポイソメラーゼ II に 対 するよりも 極 めて 高 い 相 互 作 用 を 示 すため TA102 に 低 濃 度 で 変 異 原 性 を 示 したと 思 われる 従 って 細 菌 に 対 して は 強 い 遺 伝 毒 性 を 示 すが 作 用 機 序 を 考 慮 すると マルボフロキサシンが 生 体 にとって 問 題 とな る 遺 伝 毒 性 を 示 す 可 能 性 は 低 いと 考 えられる 陰 性 (38) 陰 性 (39) (6) 一 般 薬 理 試 験 一 般 症 状 及 び 行 動 Irwin の 多 次 元 観 察 法 (マウス)において フェンブフェン p 100mg/kg を 前 投 与 後 30 分 後 にマル ボフロキサシンを 経 口 投 与 したところ 300mg/kg 以 上 で 自 発 運 動 の 低 下 1000mg/kg で 痙 攣 が 認 められた CD 50 (50% 間 代 性 痙 攣 誘 発 量 )は 674 mg/kg であった (40) ラット 28 日 間 亜 急 性 毒 性 試 験 の23 日 に 自 発 運 動 量 ( 自 発 運 動 測 定 装 置 )が 測 定 されたが 異 常 は 認 められなかった (26) 中 枢 神 経 系 (40) 脳 波 (ネコ;EEG)においては フェンブフェン 10mg/kg を 前 投 与 後 20 分 後 にマルボフロキサシ ンを 3 mg/kg を 15 分 間 隔 で 経 口 投 与 したところ 累 積 投 与 量 が 51 mg/kg に 達 した 後 でも 異 常 は 認 められなかった (7) 微 生 物 学 的 影 響 に 関 する 特 殊 試 験 in vitro の MIC に 関 する 試 験 (41) 1 臨 床 分 離 菌 に 対 する 最 小 発 育 阻 止 濃 度 (MIC) ヒト 臨 床 分 離 株 等 に 対 するマルボフロキサシンの 10 5 CFU/spot における MIC が 報 告 されてい る 菌 名 偏 性 嫌 気 性 菌 株 数 MIC 50 最 小 発 育 阻 止 濃 度 (µg/ml) Marbofloxacin Bacteroides fragilis 群 範 囲 p ビフェニル 酢 酸 (NSAIDS)のプロドラック ニューキノロン 剤 との 併 用 で 痙 攣 を 誘 発 する 16

24 Fusobacterium spp Peptostreptococcus spp Eubacterium Clostridium spp Bifidobacterium spp 通 性 嫌 気 性 菌 Escherichia coli Proteus spp.* Lactobacillus spp Enterococcus spp * Morganella morganii 属 を 含 む 調 査 された 菌 種 のうち 最 も 低 い MIC 50 が 報 告 されているのは Escherichia coli の 0.03µg/mL で あった 2 胃 腸 状 態 シミュレーション 下 での 最 小 発 育 阻 止 濃 度 (MIC) (42) マルボフロキサシンを 肉 又 は 牛 乳 に 加 え 胃 状 態 シミュレーション 下 (ph 約 3+ペプシン)で 1 時 間 培 養 後 腸 状 態 シミュレーション 下 (ph 約 7+パンクレアチン+システイン+ 胆 汁 酸 )に 3 時 間 培 養 した この 溶 液 にヒト 臨 床 分 離 株 を 加 え 35 で 18 時 間 培 養 したときの MIC を 測 定 し 従 来 の 寒 天 法 MIC と 比 較 した 幾 何 学 平 均 最 小 発 育 阻 止 濃 度 (µg/ml) 菌 名 偏 性 嫌 気 性 菌 株 数 Marbofloxacin 寒 天 MIC 胃 腸 肉 MIC 胃 腸 牛 乳 MIC* Bacteroides fragilis Fusobacterium spp Eubacterium Peptostreptococcus spp Clostridium spp Bifidobacterium spp 通 性 嫌 気 性 菌 Escherichia coli Proteus spp Morganella morganii * 牛 乳 培 地 は Escherichia coli 株 のみで 試 験 した マルボフロキサシンの MIC は 胃 腸 状 態 シミュレーション 下 で 試 験 したとき 従 来 の 寒 天 法 MIC と 比 べて 高 くなった 胃 腸 状 態 シミュレーション 下 で 最 も 感 受 性 の 高 かったのは Escherichia coli( 幾 何 学 平 均 MIC µg/ml) であった 17

25 3.ヒトにおける 知 見 について ヒトにおけるキノロンの 毒 性 影 響 マルボフロキサシンのヒト 臨 床 における 使 用 歴 はないが 同 系 統 に 属 するキノロン 類 あるいはフ ルオロキノロン 類 の 抗 生 物 質 は 広 くヒト 臨 床 において 利 用 されている 臨 床 で 認 められた 副 作 用 で 最 も 一 般 的 なものは 消 化 器 系 への 影 響 で 悪 心 嘔 吐 等 であるが 下 痢 や 抗 生 物 質 に 起 因 する 大 腸 炎 はまれであるとされている その 他 中 枢 神 経 系 に 関 連 するも のとして 頭 痛 めまい 消 炎 薬 との 併 用 で 痙 攣 アレルギー 反 応 に 関 連 するものとして 発 疹 がある とされる この 系 統 の 薬 剤 による 副 作 用 に 特 徴 的 なものとして 特 に 未 成 熟 な 動 物 における 関 節 痛 や 関 節 膨 張 等 の 関 節 障 害 一 部 では 光 毒 性 に 由 来 する 光 過 敏 症 がある (43) 4. 食 品 健 康 影 響 評 価 について 関 節 影 響 に 関 する 知 見 について キノロン 剤 は 未 成 熟 な 動 物 における 関 節 痛 や 関 節 膨 張 等 の 関 節 障 害 を 起 こすことが 知 られて いる マルボフロキサシンについては 3-4 ヵ 月 齢 のビーグル 犬 を 用 いた 13 週 間 の 経 口 投 与 試 験 において 関 節 影 響 が 観 察 されている 6mg/kg 体 重 / 日 までの 用 量 が 13 週 間 投 与 されたが 病 理 組 織 学 的 検 査 を 含 め 関 節 影 響 は 認 められなかった 関 節 影 響 に 対 する NOAEL は 6mg/kg 体 重 / 日 以 上 であると 考 えられた 繁 殖 毒 性 及 び 催 奇 形 性 について 繁 殖 毒 性 及 び 催 奇 形 性 については ラットの 2 世 代 繁 殖 試 験 ラット ウサギの 催 奇 形 性 試 験 が 実 施 されている ラットの 繁 殖 試 験 において 500mg/kg 体 重 の 高 い 用 量 で 雄 に 受 精 能 阻 害 が 認 め られ 交 配 雌 で 着 床 数 と 産 児 数 が 低 下 し 子 宮 内 胚 死 亡 率 が 増 加 したが NOAEL が 10mg/kg 体 重 / 日 と 明 確 になっている また 雄 の 受 精 能 は 休 薬 により 回 復 した ラット ウサギとも 催 奇 形 性 は 認 められなかった 遺 伝 毒 性 / 発 がん 性 について 遺 伝 毒 性 については in vitro で Ames 試 験 遺 伝 子 変 換 試 験 復 帰 突 然 変 異 試 験 有 糸 分 裂 乗 換 え 試 験 前 進 突 然 変 異 試 験 においては 陽 性 所 見 が 認 められている しかしながら Ames(TA102 株 のみ) 酵 母 を 用 いた 遺 伝 子 変 換 試 験 ほ 乳 類 細 胞 (CHL V79)を 用 いた 前 進 突 然 変 異 試 験 で 認 められた 陽 性 所 見 は その 他 のキノロン 剤 でも 認 められており DNA に 対 する 直 接 の 傷 害 性 ではなくトポイソメラーゼ II 阻 害 作 用 に 起 因 すると 考 えられている (44)(45)(46)(47) さらに 投 与 可 能 な 上 限 量 まで 投 与 した in vivo/in vitro 肝 不 定 期 DNA 合 成 試 験 及 び in vivo 骨 髄 小 核 試 験 に おいて 陰 性 であったことから マルボフロキサシンが 生 体 にとって 問 題 となる 遺 伝 毒 性 を 示 す 可 能 性 は 低 いと 考 えられる 慢 性 毒 性 / 発 がん 性 試 験 については 実 施 されていないが 同 じフルオロキノロン 剤 に 属 するエン ロフロキサシンやジフロキサシンのげっ 歯 類 を 用 いた 発 がん 性 試 験 はいずれも 陰 性 である また 構 造 が 極 めて 類 似 したレボフロキサシンの 雄 ラットを 用 いた 発 がんプロモーション 試 験 でプロモー ション 作 用 は 認 められず 比 較 的 長 いヒト 臨 床 における 使 用 歴 において 副 作 用 として 腫 瘍 の 発 生 は 知 られていない 一 般 にニューキノロン 剤 に 発 がん 性 は 認 められておらず マルボフロキサシンが 生 体 にとって 問 題 となる 遺 伝 毒 性 を 示 す 可 能 性 は 低 いと 考 えられることから 発 がん 性 試 験 を 欠 いていても ADI 18

26 の 設 定 は 可 能 であると 判 断 された 光 毒 性 について 1990 年 代 後 半 からフルオロキノロン 剤 について 光 毒 性 / 光 遺 伝 毒 性 があることが 報 告 されてき ており そのメカニズムについては 光 照 射 によって 活 性 化 された 分 子 の DNA との 直 接 作 用 光 照 射 によって 生 じた 活 性 酸 素 やフリーラジカルの 生 成 による 二 次 的 傷 害 が 提 案 されている フルオロ キノロン 剤 の 光 毒 性 や 光 遺 伝 毒 性 の 程 度 についてはいくつかの 報 告 があり 構 造 的 に 6 位 及 び 8 位 にハロゲン 置 換 基 を 有 するフルオロキノロン 剤 が 明 らかに 強 い 光 毒 性 を 示 すこと 8 位 にメトキ シ 基 を 有 する 場 合 光 毒 性 は 著 しく 減 弱 すること (48) 1 位 の 置 換 基 の 種 類 によっては 光 毒 性 が 減 弱 することが 報 告 されている (49) (50) マルボフロキサシンは 1 位 と 8 位 で 環 構 造 を 有 しており 構 造 的 に 光 毒 性 / 光 遺 伝 毒 性 が 弱 い 部 類 に 分 類 されるオフロキサシンに 類 似 している オフロキサシンあるいはその 光 学 異 性 体 であるレ ボフロキサシンについて in vivo 光 遺 伝 毒 性 については 報 告 がなく in vitro では CHLV79 培 養 細 胞 を 用 いた UV 照 射 による 細 胞 毒 性 の 増 強 コメットアッセイ (51) や 光 小 核 試 験 (52) でいずれも UV 照 射 q による 光 遺 伝 毒 性 の 増 強 が 認 められたが 他 のフルオロキノロン 剤 との 比 較 では 相 対 的 に 弱 いものであった また UV 照 射 後 のマウスの 耳 介 炎 症 を 指 標 とした 試 験 (48) において 光 毒 性 は 比 較 的 弱 いこと レボフロキサシンのヒトボランティアの UV 照 射 後 皮 膚 紅 斑 を 指 標 とした 試 験 に おいては 1 回 100mg 1 日 3 回 の 投 与 で 影 響 は 認 められなかったこと (53) 市 販 後 調 査 において 強 い 光 毒 性 が 認 められた 例 は 1/1,800,000 であったことが 報 告 されている (54) これらのことから オフロキサシンは 光 毒 性 / 光 遺 伝 毒 性 が 弱 い 部 類 に 分 類 されているが 1 位 と 8 位 で 環 構 造 を 有 し 構 造 が 極 めて 類 似 しているマルボフロキサシンについても 同 様 であろうと 推 定 できる また 適 切 に 管 理 される 限 り 通 常 食 品 中 のマルボフロキサシンの 残 留 はごく 微 量 で あり 食 品 を 介 して 生 体 にとって 問 題 となる 光 遺 伝 毒 性 が 生 じる 可 能 性 は 無 視 できる 程 度 と 考 えら れる 毒 性 学 的 影 響 のエンドポイントについて 報 告 された 各 種 の 毒 性 試 験 において 最 も 低 い 用 量 で 被 験 物 質 投 与 の 影 響 が 認 められたと 考 えられる 指 標 は ラット 及 びイヌの 13 週 間 亜 急 性 毒 性 試 験 における NOAEL は 4mg/kg 体 重 / 日 で あった 微 生 物 学 的 影 響 のエンドポイントについて 微 生 物 学 的 影 響 について 現 時 点 で 利 用 可 能 なものは in vitro の MIC 50 のみであった 国 際 的 コ ンセンサスが 得 られている 手 法 r として MIC s calc の 0.260µg/mL 結 腸 内 容 物 に 220g 細 菌 が 暴 露 される 分 画 に 30% ヒト 体 重 に 60kg を 適 用 し VICH の 算 出 式 に 基 づいて 微 生 物 学 的 ADI を 算 出 した 場 合 は 下 記 の 通 りとなる (mg/ml) 220 (g) ADI (mg/kg 体 重 / 日 ) = = mg/kg 体 重 / 日 0.3 t 60 (kg) q FQ は 基 本 的 に 290~340nm に 吸 収 を 有 する これらの 実 験 的 照 射 量 は 1.25~37.5kJ/m 2 r 国 内 の 動 物 用 医 薬 品 の 申 請 ガイドラインについても 平 成 18 年 3 月 より VICH ガイドラインが 採 用 されている s 試 験 薬 に 活 性 のある 最 も 関 連 のある 属 の 平 均 MIC50 の 90% 信 頼 限 界 の 下 限 値 t ラット イヌの 知 見 及 び 構 造 が 類 似 しているオフロキサシンにおけるヒトの 投 与 試 験 の 知 見 から 推 測 19

27 一 日 摂 取 許 容 量 (ADI)の 設 定 について マルボフロキサシンについては 遺 伝 毒 性 を 示 さないと 考 えられることから ADI を 設 定 すること が 可 能 である 毒 性 学 的 影 響 について 最 も 低 い 用 量 で 被 験 物 質 投 与 の 影 響 が 認 められたと 考 えられる 指 標 は ラット 及 びイヌの 13 週 間 亜 急 性 毒 性 試 験 における NOAEL 4mg/kg 体 重 / 日 であった この 知 見 か ら ADI を 設 定 するにあたっては 種 差 10 個 体 差 10 に 慢 性 毒 性 試 験 及 び 発 がん 性 データを 欠 く ことに 対 して 追 加 の 10 の 安 全 係 数 1000 を 考 慮 し 毒 性 学 的 データからは ADI は 0.004mg/kg 体 重 / 日 と 設 定 される 一 方 微 生 物 学 的 影 響 から 導 かれた ADI は mg/kg 体 重 / 日 であった 毒 性 学 的 データから 導 かれる ADI と 微 生 物 学 的 データから 導 かれる ADI を 比 較 すると 微 生 物 学 的 データから 導 かれた 値 がより 小 さくなり 感 受 性 が 高 いと 考 えられる このためマルボフロキ サシンの 残 留 基 準 を 設 定 するに 際 しての ADI としては mg/kg 体 重 / 日 と 設 定 することが 適 当 であると 考 えられる 食 品 健 康 影 響 評 価 について 以 上 より マルボフロキサシンの 食 品 健 康 影 響 評 価 については ADI として 次 の 値 を 採 用 するこ とが 適 当 と 考 えられる なお 薬 剤 耐 性 菌 を 介 した 影 響 については 別 途 考 慮 する 必 要 があり これ については 検 討 中 である マルボフロキサシン mg/kg 体 重 / 日 暴 露 量 については 当 評 価 結 果 を 踏 まえ 暫 定 基 準 値 の 見 直 しを 行 う 際 に 確 認 することとする 20

28 5. 参 考 資 料 1 THE ABSORPTION,DISTRIBUTION,METABOLISM AND EXCRETION OF [ 14 C]-Ro FOLLOWING MULTIPLE ORAL ADMINISTRATION TO RATS IRI Project No INVERESK RESEARCH INTERNATINAL Report No THE ABSORPTION,DISTRIBUTION,METABOLISM AND EXCRETION OF [ 14 C]-Ro FOLLOWING MULTIPLE ORAL ADMINISTRATION TO DOGS IRI Project No INVERESK RESEARCH INTERNATINAL Report No M. Schneider et al(1996) :Pharmacokinetics of marbofloxacine in dogs after oral and parenteral administration 4 Pharmacokinetic evaluation of Ro in dairy cows after IV, IM, SC administrations. Vetoquinol Report Q201P2B1/Q, Pharmacokinetic evaluation of Ro in pre-ruminating calves after IV, IM, SC administrations.vetoquinol Report Q201P2B2/Q, Pharmacokinetic of Ro , a new fluoroquinolone carboxylic acid derivative, in dairy cows and in ruminating calves.preliminary results.roche report No.B , Three-day repeated dose trial with Ro in pre-rumnating calves: Plasma disposition, excretion and tissue residues following i.v. administration.roche report No.B , Tissue distribution study of RO in preruminating calves following I.M. administration. Vetoquinol Report Q201PαO1/R, Metabolism and residue kinetics of [ 14 C]-Ro following subcutaneous administration to lactating cows.iri Project No , IRI Report No.9228, Metabolism and residue kinetics of [ 14 C]-Ro following subcutaneous administration to pre-ruminant calves.iri Project No , IRI Report No. 9090, Pharmacokinetic evaluation of Ro in pigs after IV and IM administrations. Vetoquinol Report 1205P3E1/R, Metabolism and residue kinetics of [ 14 C]- Ro following intramuscular administration to pigs.iri Project No , IRI Report No. 9716, In vitro protein binding of the veterinary fluoroquinolone Ro in plasma of man, cat,cow, dog, horse, pig andpre-ruminating calf.roche report No.B , Radioprofiling of selected tissue and excreta samples following administration of [ 14 C]-Ro to lactating cows, pre-ruminant calves, pigs, dogs and rats.iri Project No , IRI Report No. 9812, ME4129 の 牛 における 残 留 試 験 ( 財 ) 畜 産 生 物 科 学 安 全 研 究 所, 試 験 番 号 ,2004 年 12 月 10 日 16 Evaluation of tissue residues of marbofloxacin in calves after IM administration.vetoquinol Report 1205P9O2/R, ME4129 の 搾 乳 牛 における 乳 汁 中 残 留 試 験 ( 財 ) 畜 産 生 物 科 学 安 全 研 究 所, 試 験 番 号 ,2004 年 12 月 10 日 18 Evaluation of milk residues of marbofloxacin in lactating cows after repeated intramuscular administrations of a 10% solution (V1205) at a dose-rate of 2mg/kg/day for 5 days.vetoquinol Report 1205P8B2,

29 19 ME4129 の 豚 における 残 留 試 験 ( 財 ) 畜 産 生 物 科 学 安 全 研 究 所, 試 験 番 号 ,2004 年 12 月 10 日 20 Evaluation of local tolerance and tissue residues of marbofloxacin in pigs after intramuscular administrations of a 2% solution, at a dose rate of 2mg/kg/day for 5 days.vetoquinol Report 1212P9E1/R, Acute toxicity study of Ro /002 in mice and rats.roche report No.J , Amendment page 18, ME4129 のラットを 用 いる 筋 肉 内 投 与 による 急 性 毒 性 試 験 ( 財 ) 畜 産 生 物 科 学 安 全 研 究 所, 試 験 番 号 ,2005 年 11 月 30 日 23 ME4129 のラットを 用 いる 腹 腔 内 投 与 による 急 性 毒 性 試 験 ( 財 ) 畜 産 生 物 科 学 安 全 研 究 所, 試 験 番 号 ,2005 年 11 月 30 日 24 ME4129 不 純 物 のラットを 用 いる 急 性 経 口 毒 性 試 験 ( 財 ) 畜 産 生 物 科 学 安 全 研 究 所, 試 験 番 号 ,2004 年 12 月 28 日 25 4-week comparative oral toxicity study of Ro with ofloxacin in male rats.roche report No.J , Amendment page 13, ME4129 のラットを 用 いる 28 日 間 反 復 経 口 投 与 による 亜 急 性 毒 性 試 験 ( 財 ) 畜 産 生 物 科 学 安 全 研 究 所, 試 験 番 号 ,2004 年 9 月 30 日 week oral tolerance study with the veterinary quinolone Ro /604 as a feed admix in rats.roche report No.B , Three-month oral tolerance study with the veterinary quinolone Ro /604 in dogs. Roche report No.B , week toxicity study by oral route (tablets) in young beagle dogs.cit/study No TCC/V1203/Vetoquinol, A dietary two-generation reproduction toxicity study in the rat with the fluoroquinolone Ro /604.Roche report No.B , Embryotoxicity and teratogenicity study in the rat with oral (gavage) administration of the veterinary fluoroquinolone Ro /604. Segment Ⅱ study with postnatal evaluation.roche report No.B , Embryotoxicity and teratogenicity study in the rabbit with oral (gavage) administration of the veterinary fluoroquinolone Ro /604. Segment Ⅱ study.roche report No.B , Mutagenicity evaluation of the fluoro-quinolone Ro /000 with the Ames test.roche report No.B , Mutagenicity evaluation of Ro /000 (fluoroquinolone for veterinary madicine use) with Saccharomyces cerevisiae D7.Roche report No.B , Gene mutation assay in cultured mammalian cells with the fluoroquinolone Ro /000 (V79/HPRT Test).Roche report No.B , Unscheduled DNA sythesis (UDS) assay with the new fluoroquinolone Ro /000 using primary cultures of rat hepatocytes.roche report No.B ,

30 37 Chromosome analysis in human peripheral blood lymphocytes treated in vitro with the fluoroquinolone Ro /000 in absence and in presence of a metabolic activation system. Roche report No.B , Marbofloxacin: Measurement of unscheduled DNA synthesis in rat liver using an in vivo/in vitro procedure.corning Hazleton, 1449/1-1052, Micronucleus test in the mouse bone marrow in vivo after oral administration of the antibiotic Ro /000.Roche report No.B , Effects of a new quinolone antibacterial, Ro , on behavior and electroencephalogram of mice and cats.roche report No.J , Pr.L.Dubreuil(1994):Antiacterial activity of a fluoroquinolone against bacteria isolated from human gut flora:marubofloxacine or RO Microbiology Department Faculty of Pharmacy 42 Marbofloxacin : MICs against human gastrointestinal bacteria determined under simulated gastrointestinal conditions 43 グットマンギルマン 薬 理 学 ( 第 10 版 ) 44 E.Gocke(1991) :Mechanism of quinolone mutagenicity in bacteria.,mutation Research, 248, S.W. Mamber et al(1993) :Activity of quinolones in the Ames Salmonella TA102 mutsgrnicity test and other bacteria genotoxicity assay,antimicrobial Agents and Chemotherapy,37(2), R.Gupta(1990) :Tests for the genotoxicity of m-amsa,etoposide,teniposide and ellipticine in Neurospora crassa.,mutation Research,240, 前 川 健 郎 ら(1993) :キノロン 系 合 成 抗 菌 薬 の 染 色 体 異 常 誘 発 性 変 異 原 性 試 験,2, K Marutani et al(1993):reduced Phototoxicity of a Fluoroquinolone Antibacterial Agent with a Methoxy Group at the 8 Position in Mice Irradiated with Long-Wavelength UV Light ANTIMICROBIAL AGENTS AND CHEMOTHERAPY,Oct.1993,p N Hayashi et al(2004):new Findings on the Structure-Phototoxicity Relationship and Photostability of Fluoroquinolones with Various Substituents at Position 1 ANTIMICROBIAL AGENTS AND CHEMOTHERAPY,May.2004,p N Hayashi (2005):New Findings on the Structure-Phototoxicity Relationship and Photostability of Fluoroquinolones YAKUGAKUZASSHI 125(3) (2005) 51 Zhang T et al(2004):compare two methods of measuring DNA damage induced by photogenotoxicity of fluoroquinolones Acta Pharmacol Sin 2004 Feb;25(2): Ronald et al(1999):photogenotoxicity of Fluoroquinolones in Chinese Hamster V79 Cells: Dependency on Active TopoisomeraseⅡ Photochemistry and Photobiology,1999,69(3): Scheife RT et al(1993):photsensitizin POTENTIAL OF OFLOXACIN PHARMACOLOGY AND THERAPEUTICS vol.32, No.6, june Yagawa K(2001):Last Industry Information on the Safety Profile of Levofloxacin in Japan Chemotherapy 2001;47(suppl 3):