調査結果 1. 介護者の属性 * 高齢男性介護者が多い 平均年齢 69. 歳 ( 最年少 6 歳 最年長 9 歳 ) * 健康状態に問題を抱える男性介護者が多い 年齢が上がるにつれ 不調 通院が増加する傾向がある * 男性介護者の7 割が無職 有職者では 自営業の割合が多い (.1%) フルタイムの

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1 男性介護研究会 男性介護者全国調査 報告 立命館大学産業社会学部斎藤真緒 調査の目的と背景 * 男性介護者が増加傾向 ただし全体像は明確に分からず 平成 1 年度介護サービス世帯調査の概況 ( 厚生労働省 000 年 ) 男性介護者の割合 19.5% 男の要介護者等 性別不詳 8.. 女の要介護主な介護者者が男等 男の要介護 主な介護者が女 7. 者等 9..9 ( 単位 :%) 女の要介 護者等 < 主な介護者が男 の内訳 > 女の要介護者等 ( 主な介護者が男 ) その他 歳代が 70 歳代を介護 代が 代を 60 代が 70 歳未満を 80 歳以上が 80 歳 60 代が 代を以上が 代を 80 代を 平成 16 年度国民生活基礎調査 (00 年 厚生労働省 ) 同居配偶者間介護の男女比男性 5.1% 調査の概要 調査対象者 男性で 家族の介護に携わっている者 調査実施時期 006 年 10 月 1 日 ~11 月 10 日 調査方法 全国 0の医療生協 ( 一覧は下記 ) の介護事業所 病院 診療所の職員を通じて配票 (1 医療生協につき 5 部 ) 基本的に自記式としたが 記入が困難な場合は 職員にヒアリングをしてもらい 代理で記入してもらった なお回収については郵送で行った 配布数 500 票 (0 地域 5 部 ) 回収数 97 票 (17 地域 )( 回収率 59.%) 有効回収票数 95 票 ( 有効回収率 59%) 0

2 調査結果 1. 介護者の属性 * 高齢男性介護者が多い 平均年齢 69. 歳 ( 最年少 6 歳 最年長 9 歳 ) * 健康状態に問題を抱える男性介護者が多い 年齢が上がるにつれ 不調 通院が増加する傾向がある * 男性介護者の7 割が無職 有職者では 自営業の割合が多い (.1%) フルタイムの正規雇用者で介護休暇制度を利用したのは 0.0% 1 短時間勤務制度 を利用したのは 名 介護を理由とする退職 介護者自身の体調や病気を理由とする離職を合わせると 5% を超える 全国調査との比較 : 介護者の年齢 介護者の年齢 国民生活基礎調査 (001 年 ) 本調査 % 10% 0% 0% 0% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 0 歳未満 0 代 50 代 60 代 70 代 80 歳以上 1 参考 平成 17 年度女性雇用管理基本調査 ( 厚生労働省 006 年 ) 介護休業制度の期間について 最長限度を定めている 事業所は 9.1% その期間は 通算して 9 日まで とする事業所が 75.5% 1 年 が 15.6% 同一対象家族の同一要介護状態について 取得回数を制限している事業所が 9.% で そのうち取得数を 1 回 に制限している事業所がほとんど (96.%) 平成 16 年 (00) 度の介護休業取得者の割合は 0.0%( 女性 0.08% 男性 0.0%) 参考 平成 17 年度女性雇用管理基本調査 ( 厚生労働省 006 年 ) 介護のための勤務時間短縮等の措置の制度がある事業所割合は 8.% であり そのうち 短時間勤務制度 の導入が 90.% 始業 就業時間の繰り上げ 繰り下げ が 7.7% 介護の場合に利用できるフレックスタイム制度 が 15.1% となっている 介護のための勤務時間短縮等の措置の利用状況は 平成 16 年 (00) 度の常用労働者に占める割合は いずれも 0.01% から 0.06% の間となっている 平成 1 年度国民生活基礎調査 ( 厚生労働省 001 年 ) の男性介護者のデータは 同居している主な介護者 に限定されている 以下 すべて同様 1

3 . 被介護者の属性 * 被介護者は 70 代 80 代が多い 平均年齢 79.1 歳 ( 最年少 50 歳 最年長 10 歳 ) * 妻の介護をしている男性介護者 < 夫グループ>が6 割弱を占める 次いで親の介護をしている男性介護者 < 息子グループ>が約 7% を占める 妻を介護する < 夫グループ>は 60~80 代 < 息子グループ>は 50~60 代に集中している 60 代男性は < 夫グループ>と< 息子グループ>に分化している 妻と親との 同時介護 の可能性 全国調査との比較 : 被介護者の年齢 被介護者の年齢 国民生活基礎調査 (001 年 ) 本調査 % 10% 0% 0% 0% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 70 歳未満 70 代 80 代 90 歳以上 全国調査との比較 : 介護者と被介護者との年代 介護者と要介護者との年代 ( 本調査 ) その他,7.% 60 代 80 代,6.% 80 代 70 代,7.7% 代,1.% 50 代 80 代,1.8% 60 代 90 代 9.1% 女の要介護者等 ( 主な介護者が男 ) その他 歳代が 70 歳代を介護 代が 代を 60 代が 70 歳未満を 80 歳以上が 80 歳 60 代が 代を以上が 代を 80 代を 60 代 60 代,8.1% 80 代 80 代,8.8% 平成 1 年度介護サービス世帯調査の概況 (000 年 ) とほぼ類似の分布

4 全国調査との比較 : 要介護度 要介護度の比較 介護サービス世帯調査 (000) 本調査 % 10% 0% 0% 0% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 要支援要介護 1 要介護 要介護 要介護 要介護 5 不明. 介護生活 * 二人暮らしの男性介護者が6 割弱を占める その内訳としては 夫婦世帯 が 割 実母と男性介護者世帯 が 15% 弱となっている 介護者と被介護者から構成される二人暮らし家族の半分以上が家族のサポートがほとんどない状態におかれている * 具体的な同居家族からの支援内容としては 家事 介護の手伝いといった物理的支援 代替が 0% を超えているのに対して 愚痴や相談といった精神的支援は逆に 0% 以下となっている. 家事 介護行為 * 家事のほとんどは 半数以上の男性介護者が本人のみで遂行している 炊事 裁縫 掃除については 事業者や他の家族からの支援を受けている * 炊事 炊事 掃除を苦手とする男性介護者が多い とりわけ高齢男性介護者では 介護をするまで家事を経験したことが人も多く 苦手意識をもっている人もいる ( 自由回答参照 ) * ほぼ一日中 介護をしている男性介護者が 0% を超える また 自由時間が ほとんどない が 15% 強あり 閉鎖的な介護環境が伺える ( 自由回答参照 ) * 介護は ルーティンで行うことができる介護行為 ( 洗髪 身体の清拭 入浴介助 ) については 介護サービス事業者のみで行うケースが最も多く 事業化が進行している しかし同時に これらの行為や 排泄介助 に困っている男性介護者も多い

5 全国調査との比較 : 介護行為 介護行為 ( 本調査 ) 入浴介助 洗髪 身体の清拭 散歩 話し相手 着替え 排泄介助 体位交換 起居 洗顔 口腔清潔 食事介助 服薬の手助け 見守り 0% 10% 0% 0% 0% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 介護サービス事業者のみ私と事業者私のみ他の家族介護者のみ私と他の家族介護者その他無回答 平成 1 年度介護サービス世帯調査の概況 (000 年 ) 介護者不詳 事業者のみ 事業者と家族等介護者 主な介護者のみ その他 入浴介助入浴介助 (6.%) 洗 髪 (55.0%) 洗髪 身体の清身体の清拭拭 (6.9%) 散 歩 (5.0%) 散歩 掃 除 (7.%) 掃除 着替え (51.6%) 着替え 話し相手話し相手 (71.7%) 排せつ介助排泄介助 (.8%) 体位交換 起居体位変換 (0.1%) 食事の準備食事準備 (7.0%) 後始末洗顔 (8.0%) 洗顔 食事介助食事介助 (.%) 口腔清潔口腔清潔 (.%) 買い物 (7.1%) 買い物 洗 濯 (71.7%) 洗濯 服薬の手助け服薬手助 (8.0%) % 0% 0% 60% 80% 100% 注 :1 () 内は 各々の介護内容について 要介護者等が介護を受けている割合である その他 とは 主な介護者とその他の介護者 その他の介護者のみをいう

6 全国調査との比較 : 介護時間 介護時間 ( 本調査 ) 総数 要支援 1 要介護 要介護 要介護 要介護 要介護 % 10% 0% 0% 0% 50% 60% 70% 80% 90% 100% ほぼ一日中半日くらい - 時間くらい 1- 時間くらい 1 時間未満手をかす程度 平成 1 年度介護サービス世帯調査の概況 ( 厚生労働省 000 年 ) ほとんど終日 半日程度 ~ 時間程度 必要な時に手をかす程度 その他 不詳 総 総数数 要要支援者支援者 要介要介護護 要介要介護護 要介要介護護 要介要介護護 要介要介護護 % 0% 0% 60% 80% 100% 5

7 5. 地域関係 * 地域での居住歴は 0 年以上 がほぼ7 割 介護者と比べて 男性介護者は 介護以前から地域との関係が希薄 介護開始後 地域関係だけではなく社会関係が縮小傾向 ( 自由回答参照 ) その一方で 地域や援助者など 介護を通じて関係を広げようと格闘する様子もうかがえる ( 自由回答参照 ) 6. 制度 サービスの利用 *95% 以上が制度 サービスを利用 一番役立っているサービスは 訪問系サービス ( 割以上 ) サービスの利用負担は 1 万円 ~ 万円未満 が 割で 平均 1 円 * ケアマネージャー を頼りにしている人が 割 7. 介護意識 介護感情 * 介護の負担を感じている男性介護者が8 割 * 実際に 手を挙げる のは1 割 被介護者の要望を無視する は 割強 怒る は 割弱と増加する * 男性介護者の介護にあたっての 心構え や 被介護者への配慮 コミュニケーションなどの工夫 試行錯誤がある一方で むなしさ つらさを感じる介護者が多い ( 自由回答参照 ) 6

8 介護期間分類と介護負担感のクロス表 介護負担感 合計 全く感じない あまり感じない 時々感じる いつも感じる 1 年未満 度数 介護期間分類の %.8% 7.7% 8.5% 50.0% 100.0% 1 年以上 年未満 度数 介護期間分類の % 5.5% 7.% 0.9% 6.% 100.0% 年以上 5 年未満 度数 介護期間分類の %.6% 9.0% 5.9% 5.6% 100.0% 5 年以上 10 年未満 度数 介護期間分類の % 1.% 1.7% 6.0% 8.0% 100.0% 10 年以上 15 年未満 度数 介護期間分類の %.6% 10.7% 50.0% 5.7% 100.0% 15 年以上 0 年未満 度数 介護期間分類の % 1.5% 1.5% 5.0% 50.0% 100.0% 0 年以上 度数 介護期間分類の % 0.0%.0% 60.0% 0.0% 100.0% 合計 度数 介護期間分類の %.6% 1.% 6.7% 5.5% 100.0% 7

9 介護期間分類と介護する喜びのクロス表 q 介護する喜び 合計 全く感じない あまり感じない 時々感じる いつも感じる 1 年未満 度数 介護期間分類の %.8% 15.% 5.8% 6.9% 100.0% 1 年以上 年未満 度数 介護期間分類の % 1.7% 0.9% 9.1% 7.% 100.0% 年以上 5 年未満 度数 介護期間分類の % 9.0% 5.6% 7.% 17.9% 100.0% 5 年以上 10 年未満 度数 介護期間分類の % 1.%.%.9% 1.5% 100.0% 10 年以上 15 年未満 度数 介護期間分類の % 1.8% 11.1% 7.0% 7.0% 100.0% 15 年以上 0 年未満 度数 8 介護期間分類の % 5.0% 5.0% 5.0% 5.0% 100.0% 0 年以上 度数 介護期間分類の % 0.0%.0% 0.0% 0.0% 100.0% 合計 度数 介護期間分類の % 11.%.% 8.6% 6.8% 100.0% 8

10 * 最後に - 調査のまとめ 1 高齢男性介護者の増加とその背景 今後の動向について 夫と息子という二つのグループ 背景としての世帯構造の変化 高齢夫婦世帯の増加 嫁 介護規範の揺らぎ 介護とジェンダー関係の変化介護分担をめぐる家族内の人間関係 ( 兄弟姉妹の減少 ) 家族関係 家族資源に左右されない介護の質の確保 ( 社会化 の課題 ) 妻を介護する男性 自らの病と介護という二重苦 看取った後の生活 人生への不安 親を介護する男性 老親扶養規範の変容 自分の親は自分が看る 介護を契機とする夫婦関係の変化 介護別居 遠距離介護 介護離婚の増加? 妻と親の 同時介護 (60 代中心 ) 晩婚化と親の介護とのせめぎ合い ( 中年 後年独身者による介護の増加?) 男性介護者が抱える困難 仕事の問題 介護休暇制度等の充実 ( 逆ジェンダーバイアス ) 家事の問題 介護を通じて 男性自身が生活的自立という課題に取り組む 家事援助のあり方 家事援助のヘルパー派遣 ( 鎌田さん ) 介護の問題 ルーティンな行為の事業化 社会化の進展 不規則な介護行為への対応 排泄介助における世代とジェンダーの壁 人間関係の問題 男性介護者の 不可視化 地域 友人 社会関係の希薄化 / 介護への没頭 ( 達成感 の追求 ) 男性介護者への支援の壁 男性固有の人間関係 責任感の強さ= 介護のがんばり 男性のコミュニケーションモード ( レポート と ラポート ) < 現代的な 介護支援 再構築の必要性 > 9

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<4D F736F F D DE97C78CA78F418BC B28DB895F18D908F DC58F49817A2E646F63> 3. 女性が働き続けるために必要なもの 問 12~ 問 13 は問 7 で 働きたい 働けない と回答された方のみ 問 12 女性が働くには ( 働き続けるには ) 何が必要だと思いますか 1 女性自身の意識や環境について (MA) 子育ての負担の軽減 (52.7) 育児や介護などの各種制度の認識 理解 (47.6) 家族の介護や看護の負担の軽減 (46.5) が高くなっている 就労状況別にみると

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