資料 1 検討の背景と方向性 平成 20 年 11 月 10 日
1. ドメイン名の現状 ドメイン名とは 1 インターネットでの 住所 に相当 2 重複しないよう 一元的に管理 ドメイン名の例 ( 総務省ホームページ ) www. soumu. go. jp トップレベルドメイン ( 一番右側の部分 ) トップレベルドメインは 次の2 種類に大別される 1 国別トップレベルドメイン.jp ( 日本 ).us ( 米国 ).cn ( 中国 ) など約 250 種類が存在 2 分野別トップレベルドメイン.com.net など約 20 種類が存在 日本の.jp ドメイン名は ( 株 ) 日本レジストリサービス (JPRS) が一元的に管理 1
2. ドメイン名の管理体制 ICANN (The Internet Corporation for Assigned Names and Numbers).jp の管理運営業務を委任 米国カリフォルニア州の非営利法人 (1998 年設立 ) インターネットの全てのドメイン名等を管理.com の管理運営業務を委任 < 日本国内 > ( 株 ) 日本レジストリ 登録 サービス (JPRS).jp ドメインの申請 日本政府として推薦 政府諮問委員会 (GAC) メンバーとして政策決定に参画 総務省 等米国ベリサイン等 VGRS 登録.com ドメインの申請.jp ドメイン名の申請 レジストラ日本国内の登録事業者 ( ドメイン登録の仲介者 ( ).jp ドメイン名の申請 分野別ドメイン名の申請.com ドメイン名の申請 利用者 ( 個人 企業等 ) 2
3. 検討の背景 ドメインの日本語化の進展 www.soumu.jp 2001 年にトップレベルドメイン (.jp ) を除く部分の日本語化が実現 総務省.jp が可能となった 総務省.jp ICANN 理事会において 2008 年 6 月から トップレベルドメインの日本語化等の検討が開始 早ければ 2009 年第 2 四半期にも. 日本 の利用が可能となる見込み 総務省. 日本. 日本 の管理運営事業者になるためには ICANN のルールにより 日本政府 ( 総務省 ) の推薦が必要 3
4. 主な検討事項 (1) 新ドメインの名称. 日本 又は. 日本国 ( 又はその他 ) ( 参考 ) 国連の 地理学的名称の標準化のための技術参照マニュアル の国名リスト (2) 新ドメインの管理運営者の定め方 ( 推薦の基準 ) 1 求められる 条件 技術的能力 経営基盤等 2 複数候補からの選び方 条件 への適合度合いにより比較審査 各 条件 の重み付け 選定は誰が行うか( 民間 の関与をどのように考えるか等) 3 業務運営の基本ルール ( 例 ) soumu. 日本 と soumu.jp の関係 完全分離 soumu. 日本 は soumu.jp と別の者が取得できる 完全一致 soumu. 日本 は soumu.jp と同一の者のみが取得できる等 (3) 管理運営業務の適正さの確保の方法 [ 参考 ] ICANNでの議論の進展等を踏まえ gtld( 分野別トップレベルドメイン ) に関する検討の必要性が生じた場合には これも議論の対象とする 4
5. スケジュール ( 案 ) 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 ICANN IDN-ccTLD 実装計画検討カイロ会合 実装計画公表予定 メキシコ会合 受付開始の見込み ICANN に推薦 選定 審査 決定 総会 部会 審議状況報告 部会 答申 ( 案 ) 答申 委員会 事務局説明等 意見聴取 1 意見聴取 2 意見聴取 3 方向性議論 取りまとめ パブコメ答申 ( 案 ) 5
参考資料
ドメイン名の階層 管理構造 (root). ICANN が管理 TLD ( トップレベルドメイン )......... com net info jp kr JPRS が管理 SLD ( 第 2 レベルドメイン ) 一般の登録空間 go co... 一般の登録空間 3LD ( 第 3 レベルドメイン ) 登録者が管理 ( 世界で一意 ) ドメイン名 =soumu.go.jp JPRSが管理登録者が管理 soumu... 一般の登録空間 7
インターネットの仕組み (1) IP アドレスとは IP アドレス : インターネットに接続された 個々の機器 を識別するための番号 IPv4(Internet Protocol version 4) の場合 11001011 10001100 00011111 01100100 = 203.140.31.100 32 桁の 2 進数で表記される一般的には 8 桁毎の 10 進法で表記 ( アドレスの総数は 43 億個弱 ) コンピュータには 2 進法の数列の IP アドレスは便利 他方で 人間にとっては数字の羅列では使い勝手が悪いため メールや web ブラウザの利用に際して一般にドメインネームが用いられる e.g.,) mail: takeyabu-yaketa@soumu.go.jp web: soumu.go.jp 203.140.31.100 メールや web ブラウザを利用して情報をやりとりする際 コンピュータはドメインネームに対応する IP アドレスを ドメインネームサーバ ( インターネットの電話帳 ) に問い合わせてから 通信 ( メールの送信や特定のホームページの表示 ( ダウンロード )) を行う 対応 IP アドレス ( インターネットの世界 ) インターネット IP アドレス : 152.120.1.1 IP アドレス : 152.116.1.2 IP アドレス :203.140.31.100 8
インターネットの仕組み (2) DNS の名前解決の手順 http://kids.soumu.go.jp ルートドメイン ルート DNS サーバー トップレベルドメイン jp ドメインの DNS サーバー セカンドレベルドメイン go.jp ドメインの DNS サーバー サードレベルドメイン 1 ローカル DNS サーバーに問合せる kids.soumu.go.jp の IP アドレスは? soumu.go.jp ドメインの DNS サーバー kids.soumu.go.jp = 202.69.234.147 4 問合せ結果に基づいてアクセスする 3 問合せ結果を回答する 202.69.234.147 です kids.soumu.go.jp 202.69.234.147 ローカル DNS サーバー 2 上位 DNS サーバーから順に問合せて IP アドレスを取得する (DNS サーバーは 問合せに対する情報を持っていない場合 下位 DNS サーバー名とその IP アドレスを回答する ) 9
インターネットの仕組み (3) ドメインネームと IP アドレスの関連付けの仕組み 申込者 設定 dns.xyz.jp(234.56.78.90) xyz.jp [A] www.xyz.jp=234.56.78.91 [A] sub.xyz.jp=234.56.78.92 [MX] mail.xyz.jp=234.56.78.99 レジストラ レジストラ レジストラ IP アドレスの申請 / 割当 ( 参考 ) メールアドレスと IP アドレスの関係 VGRS (Verisign Global Registry Service).com 用ドメインレジストリ.jp 用ドメインレジストリ 登録 JPRS( 日本レジストリサービス ) 登録 RIR(Regional Internet Registry) (JPNIC 等 ) abc.com [NS] dns.abc.com, 123.45.67.89 xyz.jp [NS] dns.xyz.jp, 234.56.78.90 DNS サーバ DNS サーバ IP アドレスの割当は IP アドレス管理指定事業者または ISP を通じて受けることが一般的 [A]: ホスト名の IP アドレス [MX]: メールサーバーの IP アドレス [NS]: ネームサーバーの IP アドレス インターネットメールはメールアドレスのドメイン名に対応したメールサーバーに対して配信され ユーザーがそれぞれメールサーバーにアクセスして自分宛のメールを受信する ( 個々のメールアドレスに IP アドレスが割当てられているわけではない ) to: a2222@xyz.jp b1111 a2222 a5678 to: c1212@xyz.jp c1212 メールサーバー (maill.xyz.jp; 234.56.78.99) a2222@xyz.jp c1212@xyz.jp 10
国別ドメインの現状 国別ドメインの数 国別ドメインとして約 250 種類が設定されている 世界の国の数 国連加盟国数は 192 カ国 地域に割り当てられているドメイン この他 地域別のドメインとして約 60 種類が設定されている ( 例 ).ky ケイマン諸島 ( 英領 ).bm バミューダ諸島 ( 英領 ).cx クリスマス島 ( 豪領 ).hk 香港 ( 中国 ) 等 11
諸外国のドメイン名管理体制 (cctld) 国 TLD 管理運営者 運営形態 日本.jp 日本レジストリサービス 株式会社 イギリス.uk Nominet UK 非営利法人 カナダ.ca CIRA 非営利法人 ドイツ.de DENIC eg 非営利法人 フランス.fr AFNIC 非営利法人 イタリア.it IIT-CNR 政府機関傘下の研究機関 アメリカ.us NeuStar 株式会社 ロシア.ru Coordination Center for TLD RU 非営利法人 韓国.kr NIDA 公共法人 モンゴル.mn Datacom 株式会社 シンガポール.sg SGNIC 公的機関の100% 子会社 オーストラリア.au.au Domain Administration 非営利法人 ( 詳細は調査中 ) 12
利用されている分野別ドメイン名 (gtld) 用途 登録対象 レジストリ ( 運営者 ) com 商業組織用 net ネットワーク用世界の誰でも登録可 VeriSign( 米国の株式会社 ) org 非営利組織用 Public Interest Registry( 非営利団体 ISOCの下部組織 ) edu 教育機関用 米国教育省公認の認定機関から認可された教育機関 EDUCAUSE( 米国の非営利団体 ) gov 米国政府機関用 米国政府機関および認定インディアン部族 GSA(General Services Administration; 米国共通役務庁 ) mil 米国軍事機関用 米国軍事機関 US DoD Network Information Center( 米国国防総省ネットワークインフォメーションセンター ) int 国際機関用 国際機関 IANA(ICANNの下部組織 ) info 制限なし Afilias( アイルランドの有限会社 ) 世界の誰でも登録可 biz ビジネス用 NeuStar( 米国の株式会社 ) name 個人名用 個人 GNR( 英国の有限会社 ) pro 弁護士 医師 会計士等弁護士 医師 公認会計士 およびそれらの分野の用サービスを提供する組織 RegistryPro( 米国の有限会社 ) museum 博物館 美術館等用 公共の博物館 美術館 科学館 植物園 動物園等 およびそれらの施設に勤務する専門職員 CORE(Internet Council of Registrars; スイスの非営利団体 ) スポンサー Museum Domain Management Association (MuseDoma) aero 航空運輸業界用 航空運輸業界の組織および個人 Afilias( アイルランドの有限会社 ) スポンサー :SITA INC( スイスの株式会社 ) coop 協同組合用 協同組合およびその下部組織 Oxford, Swindon & Gloucester Co-operative Society Ltd( 英国の有限会社 ) スポンサー :DotCooperation LLC ( 米国の合同会社 ) jobs 人事管理業務関係者用 米国人材マネジメント協会 (SHRM) の会員 有給での人材管理 VeriSign ( 米国の株式会社 ) 業務経験者 資格認定機関からの認定を受けた者などスポンサー :Employ Media LLC( 米国の有限責任会社 ) travel 旅行関連業界用 旅行業界部門に属する協会 団体 企業 NeuStar( 米国の株式会社 ) スポンサー :Tralliance Corporation( 米国の非営利団体 ) mobi cat asia tel モバイル関係用 モバイル機器 サービス コンテンツの提供者 モバイルオペレーター mtld Top Level Domain, Ltd.( アイルランドの有限会社 ) カタロニアの言語 / 文化カタロニア語を用いる組織 個人コミュニティ用 アジア太平洋地域の企業 / 個人 / 団体等用 アジア太平洋地域の法人 個人 DotAsia Organisation( 香港の非営利法人 ) インターネットコミュニケーション空間における 世界共通のア IPベースの電話番号用 イデンティティ ブランドや名前を持ちたいと思う個人および / Telnic( 英国の有限会社 ) または企業 CORE(Internet Council of Registrars; スイスの非営利団体 ) スポンサー :Fundacio puntcat ( スペインの非営利団体 ) ( 詳細は調査中 ) 13
JP ドメイン名の登録数推移 登録数 [ 万件 ] ( 株 ) 日本レジストリサービス資料より抜粋 14
ICANN の組織構成と日本からの参加状況 ICANN (Internet Corporation for Assigned Names and Numbers : アイキャン ) カリフォルニア州非営利公益法人法に基づく非営利公益法人 米国のインターネット資源管理の民営化方針に基づき 1998 年 10 月設立 米国政府 ( 商務省 ) との取り決めに従い 下記の業務を実施 IP アドレスの割当およびドメインネームに関する調整 ルートネームサーバー システムの運用および展開の調整 これらの技術的業務に関連するポリシー策定の調整等 ICANN 理事会は GACの助言をポリシーの制定 採択において然るべく考慮しなければならない 連携助言RIR :Regional Internet Registry gtld :generic Top Level Domain cctld :country code Top Level Domain 各国政府 JPNIC (( 社 ) 日本ネットワークインフォメーションセンター ) 日本の IP アドレスを管理.com.net など現在 19 の gtld が存在 JPNIC 等 ISO3166 で 2 文字国名を定義 現在 250 の cctld が存在 JPRS (( 株 ) 日本レシ ストリサーヒ ス ) ICANN との契約により.jp を登録運用 関係組織と連携を図りつつ 各検討事項について政府の立場から政策的助言を提出 総務省 15
GAC の概要 名称 GAC : Governmental Advisory Committee( 政府諮問委員会 ) 位置付け ICANN 理事会に対して 政府の立場から政策的助言を行うことを目的として設置 (1998 年 10 月 ) 現在 約 100 の国 地域の政府代表及び政府間機関 (ITU WIPO OECD 等 ) のオブザーバーが参加 主な任務 以下の事項について検討を行い ICANN に対して助言 世界的及び国内的なドメイン管理に関するポリシー 各国のインターネット関連法制および政策等に関する情報交換等 会合の開催状況 年 3 回 ICANN 会合時に GAC 会合を開催 普段は電話会議 ML 掲示板で議論 16
. 日本 等の導入による効果 ( 例 ) 利用者利便の向上 ドメイン名の選択肢拡大 現在 インターネット上で日本を意味するドメインは.jp だけであるが. 日本 等の導入により ドメインの多様化が促進され ユーザーの選択肢が拡大する 企業等による戦略的活用 地名や商品名ごとにドメイン名を登録して 新たな広告宣伝を行うことが増えており 企業や団体等の広報戦略や営業戦略における活用が期待される ( 現在の例 ) 新宿駅.jp 全国温泉ガイド.jp ドメイン市場の活性化.jp に加え. 日本 等が導入されることにより ドメイン市場の活性化が期待される また 新たな事業者が参入することになれば 競争によるサービス向上等が期待される 17