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3 装置の機能 本装置は 全二重及び半二重の 10/100Mbps ローカルエリアネットワーク (LAN) に高性能 低コストで接続できるワイヤスピードスイッチング機能を備えています 本装置の機能を以下に示します 特徴 / 基本機能機能ストアアンドフォワードスイッチ高速フォワーティングレート アドレスデータベースサイズ オートネゴシエーション Auto MDI/MDI-X 優先制御 ポートミラーリング スパニングツリープロトコル (STP) バーチャル LAN(VLAN) 機能機能 IEEE802.1Q VLAN 概要受信フレーム毎にチェックを行い 異常の無いフレームのみを中継し 異常のあるフレームを破棄します 100Mbps: 148,809 pkt/s 10Mbps: 14,881 pkt/s 最高 8,000 アドレスエントリまで学習可能です IEEE802.3 準拠の Speed/Duplex 自動選択機能 通信モードがオートネゴシエーションの場合にのみ 送受信チャンネルを検知して MDI と MDI-X を自動的に切り換えます IEEE802.1p 及び ToS(DSCP) の IEEE802.1p への書き換えにより 4 段階の優先制御が可能です ソースポートのフレームをターゲットポートに複写します IEEE802.1D 規格に準拠し装置単位 またはポート単位に STP を設定することが可能です 概要 IEEE802.1Q タギングが可能なタグ ベース VLAN 機能です フィルタリング機能機能マルチキャストフォワーディングアクセスコントロールリスト (ACL) 概要宛先 MAC アドレスにより マルチキャストの中継先をポート単位で指定可能です 設定した条件に当てはまるフレームのみ フィルタリングします セキュリティ / アクセス制限機能機能アクセス権限 VLAN 単位のアクセス権限コネクションタイムアウト 概要 Admin User の 2 つのアクセスレベルをサポートします スイッチ制御部にアクセスできる VLAN を指定します 一定時間の非活動状態が続くと コンソールまたは TELNET の接続を自動的に切断します タイムアウトまでの時間は設定により変更することが可能です 注 ) TELNET のコネクションタイムアウトは 15 分固定です 23

マネージメント機能 機能 概要 TELNET 同時にアクセス可能な TELNET セッションは最大 8 台 注 ) コンソールポート ローカルサイトから装置への設定と管理が可能です マネージメントエージェント フィールドアップグレードが可能です TCP /IP, UDP, ARP, ICMP に対応します TFTP クライアント機能搭載 ( ファームウェアのダウンロード 及び構成定義ファイルのダウンロード / アップロード ) SNMPv1 エージェント MIB-II ( RFC 1213 ) Standard Traps ( RFC 1215 ) Bridge MIB ( RFC 1493 ) EtherLike MIB(RFC1643) - dot3statstable IP Forward MIB ( RFC 2096 ) IF-MIB ( RFC 2233 ) 802.1p MIB ( RFC 2674 ) 802.1Q MIB ( RFC 2674 ) SH1816B/SH1824B 拡張 MIB リモート監視機能 (RMON) 統計グループ (Statistics) 履歴グループ (History) アラーム グループ (Alarm) イベント グループ (Events) Ping 送信機能 送信回数 IP アドレスを設定して Ping Test を実行します 絶対時間表示 起動からの絶対時間でログ出力が可能です 注 ) コンソール (RS-232C) でログインした状態では TELNET からログインすることはできません TELNET でログインする場合は コンソール (RS-232C) をログアウトしてから TELNET でログインしてください 24

3.1 オートネゴシエーション 本装置は オートネゴシエーション機能を備えた装置です オートネゴシエーションとは IEEE802.3u に規定された 2 装置間のプロトコルであり 優先順位に従い通信速度 通信モード ( 全二重 / 半二重 ) を自動的に設定します オートネゴシエーションのガイドライン オートネゴシエーション機能は 接続先の装置にオートネゴシエーションの機能がない または IEEE802.3u の規格と互換性がないなどの理由により正しく機能しない場合があります 接続後は正しく接続できているかどうか TELNET もしくはコンソールより接続ポートの設定 ( 速度 / モード ) を確認してください 期待する設定 (100M 全二重 10M 全二重など ) で接続できていない場合は 本装置 及び相手装置の設定を同じ固定設定に変更してください 3.2 Auto MDI/MDI-X Ethernet ポートの送受信チャンネルを検知して MDI と MDI-X を自動的に切り換える機能です ポートの通信モードがオートネゴシエーションの場合にのみ Auto MDI / MDI-X が有効になります 3.3 スパニングツリープロトコル (STP) スパニングツリープロトコル (STP) は IEEE802.1D に規定されたネットワーク経路のループを回避するためのプロトコルです ループは 装置間に通信経路が複数存在するときに発生します STP は 経路のループを回避するために装置間でアクティブな経路を 1 つに限定し その他の経路を遮断します アクティブにする経路の選択は それぞれの経路に定義された コスト値 を比較することによって行われます 比較の結果 コスト値が最も低い経路がアクティブになります 選択されアクティブな経路が通信不能になった場合 遮断されていた経路のうちコスト値が最も低い経路をアクティブに変更します このように STP はループ回避の他 通信経路の冗長化も可能にします 本装置は STP を装置単位 及びポート単位に有効 / 無効に設定することができます ただし ポート単位の設定は 装置単位で STP が有効の場合にのみ行うことができます STP が無効に設定されている場合 他装置からの Bridge Protocol Data Unit(BPDU) を破棄するか転送するかを装置単位で指定することができます (IEEE802.1D 規格では破棄することと規定されています ) 25

3.4 ポートミラーリング ポートミラーリング機能を使うと 指定したターゲットポートから 指定したソースポートの受信 / 送信 / 送受信トラフィックを監視することができます ターゲットポートには LAN アナライザなどのプローブ装置を接続してください ソースポート : ポート 2 ターゲットポート : ポート 24 ポートミラーリングの例 ポートミラーリング設定のガイドライン ポートミラーリングの設定では 以下の設定規則が適用されます ポートミラーリングは コマンド APPLY 実行後有効となります ターゲットポートとして指定したポートには LAN アナライザなどのプローブ装置を接続してください ターゲットポートは ミラーポートと同じ VLAN のメンバーとし タグ有り / 無しポートの設定も合わせてください 設定が一致していない場合 次の様に動作しますので注意してください ミラーポートが Untag ポート : ミラーリングしたフレームがタグ付きフレームとなることがあります ミラーポートが Tag ポート : ミラーリングしたフレームがタグなしフレームとなることがあります マルチキャストグループテーブルにあるマルチキャストフレームをミラーリングした場合 ミラーリングされたフレームはタグ付きフレームとなります 3.5 スタティック MAC アドレステーブル 本装置は スタティック MAC アドレステーブルに MAC アドレスを定義することによってマルチキャストのフォワーディングが可能となります スタティックマルチキャストフォワーディングは 対象となるマルチキャストの宛先 MAC アドレスを設定し メンバーポートにのみ中継することが可能です 3.6 ブロードキャスト / マルチキャストフレームの制御 ブロードキャスト / マルチキャストフレームの制御は それぞれのフレームの流量を制御し ネットワークのパフォーマンス低下を装置単位で防止する機能です 設定されたしきい値 (Threshold) 以上のフレームを破棄し 流量を設定値となるように制御します 26

3.7 優先制御 本装置は IEEE802.1p に準拠した優先制御をサポートしています 優先制御の方式は Strict Priority Queuing(Strict) 及び Weighted Round Robin(Round Robin) が選択可能です 本装置は Port Priority TagVLAN の Priority 値 3.9 ACL(Access Control List) の ToS 値 (DSCP) の書き換え設定のいずれかで優先制御を行います 0~7 までの Priority 値は優先度 Class-0~Class-3 として 4 段階を設定することができます Class の数字が大きくなるに従って 優先度が上がります 1) Tag 付フレームフォーマット (IEEE802.1Q) DA SA VLAN プロトコル Tag 4Byte Tag 制御情報 DATA 46~1500Byte TYPE IP データグラム CRC 2Byte Priority CFI VID 3bit 1bit 12bit DSCP 6bit CoS 制御 ToS 制御 Tag 付フレームフォーマット (IEEE802.1Q) ToS フィールド 1Byte Currently Unused 2bit 本装置の優先制御は 上記フレームフォーマットにおける Tag 制御情報の Priority または ToS フィールドの Priority を Tag 制御情報の Priority に書き換えて優先制御を行います ToS による優先制御を行うためには 4.3.2.1.9.2 Configure Packet Filtering Rule( フィルタリングルールの設定 ) を設定してください 2) Priority 値と優先度の関係本装置で優先制御を行なう場合の Priority 値と優先度の関係及び 推奨するタイプについて下表に示します ネットワーク管理を行なう場合の優先度の設定については P.94 ネットワーク管理システムの設定手順 を参照してください Priority 値 優先度 タイプ ( 推奨 ) 7 6 3 管理ネットワーク 5 4 2 音声ネットワーク 3 1 ビデオ等 2 0 1 その他 0 1 注 ) 上表は本装置の Default 値を表しています ユーザの設定により Priority 値を変更することが可能です 注 ) 優先度の数値が高い方が優先制御されます 27

3) 優先制御の処理優先制御の処理には Strict Priority Queuing(Strict) または Weighted Round Robin(Round Robin) のいずれかを設定します 優先制御の処理について以下に示します Strict (Strict Priority Queuing) Class 値の高いフレームを最優先に処理します このため Class 値の低いフレームは破棄される場合があります WRR (Weighted Round Robin) Class ごとに出力比率を設定し 相対的な優先制御を行います Class-3 に 100 を Class-0 に 10 を設定した場合 Class-3 と Class-0 は 10:1 の割合で処理が行われます Strict Priority Queuing 及び Weighted Round Robin の制御例 4) 優先制御の設定及び動作本装置の設定と受信フレームの優先制御の動作について下表に示します 受信フレーム SH1816B/SH1824B 設定 DSCP TOS Tag IP Frame 以外 書き換え設定 *1 *2 Tag *3 Port Priority *4 優先制御の優先度 高 低 : 優先制御可 : 優先制御不可 *1: 優先制御は IP ヘッダ内の DSCP 情報 0~63 の値を COS の値に書き換え制御を行います *2: TOS の上位 6 ビットを DSCP 値として優先制御を行います *3: Tag 優先制御は常に有効です Tag Priority 0~7 の値を 4 つのクラスで優先制御を行います *4: Port Priority 0~7 の値を 4 つのクラスで優先制御を行います Tag 付きフレームを受信した場合は Tag 内の Priority に従って優先制御を行います 28

3.8 VLAN VLAN(Virtual LAN) 機能は 複数のポートをグルーピングし ブロードキャストドメインを分離する機能です この機能により ネットワークを物理的に変更することなくセグメント化を行い 他の VLAN から独立したブロードキャストドメインを構成することが可能です またネットワークの移動 追加 変更が発生しても 実際のケーブル接続を変更せずに VLAN の再割り当てを行うだけで ネットワークを柔軟に構成することができます IEEE802.1Q( タグベース )VLAN のタギング 本装置は IEEE802.1Q タギング規則に準拠しています IEEE802.1Q タギング機能関連の重要な用語を以下に示します VLAN タグ :802.1p 及び 802.1Q タギングにより 4 バイトのタグをフレームに追加します タグ内には VLAN 識別子が含まれており 設定によりブロードキャストドメインを分離します VLAN 識別子 (VID): 各 VLAN を識別するための 12 ビットの情報が VLAN タグに含まれます タグ付きフレーム : フレームヘッダ内に VLAN 識別子を持つフレームです タグ無しフレーム : フレームヘッダ内に VLAN 識別子を持たないフレームです VLAN メンバー : 特定の VLAN に対するブロードキャストドメインを形成するポートを示します タグ付メンバーの場合 1 つのポートに複数の VLAN を設定することができます タグ無しメンバー : フレームに VLAN タグを付与せずに送信する VLAN メンバーです タグ無しフレームを受信した場合は そのメンバーが所属する VID を付与し中継します またこのポートから送信されるフレームはタグ無しとなります タグ付きメンバー : フレームに VLAN タグを付与して送信する VLAN メンバーです タグ無しフレームや VID の異なるタグ付フレームを受信した場合はこれを破棄します 未登録フレーム : 本装置に登録されていない VLAN 識別子を持つフレームです 29

図 3.1~3.5 に IEEE802.1Q VLAN を使用した場合のフレーム処理について示します 1) タグ無しフレームの受信図 3.1 は ポート 5 が VLAN 2(VID=2) のタグ付きメンバー ポート 4 7 が VLAN 2 のタグ無しメンバーとして設定されています ポート 4 で受信したタグ無しフレームは 直接 VLAN 2 に割り当てられます 図 3.1 タグ無しフレーム受信時 (1/2) 図 3.2 において ポート 5 は VLAN 2 のタグ付きメンバーに設定されているのでタグを付与します ポート 7 は VLAN 2 のタグ無しメンバーとして設定されているのでタグは付与されません 図 3.2 タグ無しフレーム受信時 (2/2) 30

2) タグ付きフレームの受信図 3.3 は ポート 5 が VLAN 2(VID=2) のタグ付きメンバー ポート 4 7 が VLAN 2 のタグ無しメンバーとして設定されています ポート 4 で受信したタグ付きフレームは 直接 VLAN2 に割り当てられています 図 3.3 タグ付きフレーム受信時 (1/3) 図 3.4 において ポート 5 は VLAN 2 のタグ付きメンバーに設定されているのでタグを付与します ポート 7 は VLAN 2 のタグ無しメンバーとして設定されているのでタグは付与されません 図 3.4 タグ付きフレーム受信時 (2/3) 31

図 3.5 において ポート 4 で受信したタグ付きフレームは VLAN 10 に割り当てられています 本装置に VLAN 10 のメンバーが設定されていない場合 このフレームは破棄されます 図 3.5 タグ付きフレーム受信時 (3/3) 複数のスイッチングハブにまたがる VLAN 802.1Q タギングをサポートする装置を接続することで 複数の装置にまたがる VLAN を設定することが可能です 下図では S1 のポート 13 及び S2 のポート 13 では 802.1Q タギング (VID= 1 2) が有効になっています S1 と S2 のポート 13 は VLAN 1 及び VLAN 2 のタグ付きメンバーです 図 3.6 複数スイッチにまたがる VLAN の例 32

3.9 ACL(Access Control List) ACL(Acces Control List) は 受信したパケットをフィルタリング またはフォワーディングする条件についてまとめたものです 本装置は 受信したパケットを ACL の条件と比較して パケットを破棄 / 中継するか判別します 最初に一致した条件により 破棄 / 中継が決定され それ以降の条件とは比較されません 設定では Filtering Mask/Filtering Rule の ID の値が大きい条件から順番に比較されます Filtering Mask パケットの中で判別を行う項目を設定します 下記の項目において検証の有効または無効を設定できます 最大で 9 個の Mask を作成できます Port Destination MAC Source MAC VLAN IEEE802.1p Destination IP Source IP DSCP Protocol TCP/UDP Source Port TCP/UDP Destination Port Packet Format が Default または EthernetII のとき Protocol Type Packet Format が 802.3 のとき Packet Length DSAP SSAP 注 ) Default と EthernetII の違いについて EthernetII を設定した場合 受信したパケットが EhernetII であるか確認します よって EthernetII のパケットに対してのみ判別を行います 一方 Default は受信したパケットが EthernetII であると仮定して EthernetII であるか確認を行わずに判別を行います Packet Format が Default のとき 条件によっては Packet Format に関係なくフィルタリングを行うことがあります Filtering Rule Filtering Mask で設定された項目にフィルタリングを行う値を設定します DSCP の値とプライオリティの値の書き換えも可能です Match Action は Permit と Deny を設定できます Permit は条件に当てはまるパケットの中継を行い Deny は条件に当てはまるパケットを破棄します 合計 241 個の FilteringRules を作成可能です Filtering Rule の数え方は下記になります (Packet Format が Ethernet II または 802.3 のとき ) 2 ( フィルタリング対象のポートの数 ) (Packet Format が Default のとき ) 1 ( フィルタリング対象のポートの数 ) 33

3.10 ネットワーク管理エージェント機能 本装置のエージェント機能により アクセス権限を与えたコミュニティに属する SNMP マネージャから以下に示す MIB(Management Information Base, 管理情報ベース ) アクセスすることができます コミュニティ名は 4 つまで設定することができ それぞれに対して Read あるいは R/W の権限を与えることができます Read の権限を与えられたマネージャは エージェント装置の情報 あるいは MIB の読み込み (Get) のみ可能です R/W の権限を与えられたマネージャでは 読み込み / 書き込み (Set) が可能です トラップ 本装置がサポートする MIB を以下に示します MIB-II ( RFC 1213 ) Standard Traps ( RFC 1215 ) Bridge MIB ( RFC 1493 ) EtherLike MIB(RFC1643) - dot3statstable IP Forward MIB ( RFC 2096 ) IF-MIB ( RFC 2233 ) 802.1p MIB ( RFC 2674 ) 802.1Q MIB ( RFC 2674 ) RMON MIB ( RFC 1757 ) 4 groups SH1816B/SH1824B 拡張 MIB 本装置は 装置内で発生したイベントに対するトラップメッセージを 指定した SNMP マネージャ ( トラップマネージャ ) に通知することができます トラップをマネージャに通知するためには IP アドレス及びコミュニティ名を本装置に設定する必要があります トラップマネージャに通知されるトラップメッセージは下記の通りです Trap 内容 coldstart warmstart linkdown linkup AuthenticationFailure newroot topologychange Address table full Overload Alarm 電源投入によってハードウェアが再起動されたことを示します Restart System よってファームウェアが再起動したことを示します リンクの状態が変化 (Link Up Link Down) したことを示します リンクの状態が変化 (Link Down Link Up) したことを示します 無効なコミュニティ名を使ってログインしたマネージャの存在を示します STP が有効の場合 ルートブリッジが変更したことを示します ( 装置電源 ON 時 もしくは Restart System 時に Log に記録されます ) STP が有効の場合 ポートで状態遷移が起こったことを示します 学習テーブルが上限に達したことを示します 通信帯域が設定値より大きくなったことを示します 34