処分済み

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11総法不審第120号

がある 7 平成 28 年 3 月 28 日 処分庁は 同日付で審査請求人に対し 借入金収入 円の未申告により生じた保護費過払い分について 法第 78 条第 1 項の規定により費用徴収を行う決定を行い 同年 7 月 7 日 費用徴収決定通知書を審査請求人に手交した 8 審査請求人は 平成 28 年

が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

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ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

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処分済み

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平成 30 年 9 月 25 日 諮問 平成 30 年 11 月 13 日審議 ( 第 27 回第 4 部会 ) 平成 30 年 12 月 11 日審議 ( 第 28 回第 4 部会 ) 第 6 審査会の判断の理由審査会は 請求人の主張 審理員意見書等を具体的に検討した結果 以下のように判断する 1

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保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとは いえない 第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30

返還の必要性を十分説明しており 手続は適法である 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件の争点は 本件保険が法第 4 条第 1 項に規定する 利用し得る資産 に該当するかどうかであるが その判断に当たっては 処分庁が判断の要素

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処分済み

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の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

11総法不審第120号

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11総法不審第120号

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

11総法不審第120号

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より いずれも棄却すべきである 第 5 調査審議の経過審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日審議経過 平成 30 年 3 月 6 日 諮問 平成 30 年 4 月 26 日審議 ( 第

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7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

11総法不審第120号

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19 条の4 第 2 項の規定により, 特別職の公務員であるから, 本件不開示情報は, 公務員としての職務遂行情報であり, 精神保健指定医が, 客観的な生体検査もなく, ただその主観に基づいて, 対象者を強制入院させることができるという性質の資格であること, 本件開示請求に係る精神保健指定医らが対象

0 月 22 日現在, 通帳紛失の総合口座記号番号 特定番号 A-B~C 担保定額貯金 4 件 ( 特定金額 A): 平成 15 年 1 月 ~ 平成 16 年 3 月 : 特定郵便局 A 預入が証明されている 調査結果の回答書 の原本の写しの請求と, 特定年月日 Aの 改姓届 ( 開示請求者本人

諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

1 本件審査請求について (1) 本件審査請求に係る開示請求は, 法に基づき, 処分庁に対し, 本件対象文書の開示を求めたもの ( 以下 本件開示請求 という ) である (2) 本件開示請求を受けて, 処分庁は, 本件対象文書を作成しておらず不存在として, 不開示決定 ( 原処分 ) を行った (

11総法不審第120号

取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

11総法不審第120号

市町村合併の推進状況について

諮問庁 : 株式会社日本政策金融公庫諮問日 : 平成 28 年 2 月 8 日 ( 平成 28 年 ( 独個 ) 諮問第 3 号 ) 答申日 : 平成 28 年 4 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 独個 ) 答申第 1 号 ) 事件名 : 本人に関する融資審査の検討資料の不訂正決定に関する件

11総法不審第120号

ウ 特定個人 a に訂正してほしいとは, 私は書いてない これも日本年金機構の単純ミスなのか? それとも他に理由があるのか? 事実に基づいて, 説明を求める 私の公共職業安定所における氏名は, カタカナの 特定個人 b のスペースなしで管理されている 私の資格画面も氏名欄はカタカナである 国民年金保

査請求人 ) が 平成 5 年分所得税確定申告書 ( 以下 本件請求保有個人情報 1 という ) の開示を求めるものである 処分庁は, 本件開示請求に対し, 本件請求保有個人情報 1は文書保存期間 (7 年 ) が満了し, 既に廃棄しているとして, 平成 27 年 12 月 2 2 日付け特定記号第

異議申立てしていますが, 協会 ( 原文ママ ) として黙認しています 本件に関しても, 諮問庁は国のトップなのだから, もっともっと労働問題に積極的に取り組み, 労基法厳守で, 場合により, 行政処分すべきである 警察なら, スピード違反すれば即行政処分されますが, 労基法では, 基本強い行政処分

処分済み

債務のうち所定の範囲内のものを当該事業主に代わって政府が弁済する旨規定する (2) 賃確法 7 条における上記 政令で定める事由 ( 立替払の事由 ) として 賃金の支払の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 51 年政令第 169 号 以下 賃確令 という )2 条 1 項 4 号及び賃金の支払の確

無い (3) 特定市が振興協会会長 Aと市教育委員会とで一体に推進した当該文化事業は事業の実施前と実施後のまちの変化における事業の効果について国への報告義務があり, 公正に適法に事業を行う責務の存在は当該文化事業の目標の1は中心市街地の賑わいの促進にあって中心市街地活性化ソフト事業であって公開されて

遺者であったが 事情があって遺贈の放棄をした 民法 986 条の規定によれば 受遺者は 遺言者の死亡後 いつでも 遺贈の放棄をすることができ 遺贈の放棄は 遺言者死亡のときに遡ってその効力を生じるとされているから 前所有者から請求人に対する本件各不動産の所有権移転の事実は無かったものであり 請求人は

病が原子爆弾の傷害作用に起因する旨の厚生労働大臣の認定を受けなければならない ( 被爆者援護法 11 条 1 項 ) ⑶ 都道府県知事は ⑵ 記載の厚生労働大臣の認定を受け かつ 当該認定に係る負傷又は疾病の状態にあるとの要件に該当することについて都道府県知事の認定を受けた者に対し 医療特別手当を支

ている しかしながら 本件処分は条例の理念と条文の解釈運用を誤った違法なものであり 取り消されなければならない ⑶ 条例第 7 条第 1 項本文は 個人情報の外部提供の原則禁止を規定している また 同条同項ただし書の趣旨は 単に外部提供の原則禁止規定を解除したにとどまる すなわち 当該法令等が存在す

平成14年7月3日

く, 未支給年金受給権者の個人情報の開示を求めているとして, 法 12 条 自己を本人とする開示を請求することができる に当たらないため, 開示することはできないことを伝え, 取り下げの意思を確認した しかしながら, 異議申立人は, 不開示である旨の正式な回答がほしいとして, 開示請求を続けたもので

して 当審査会に対し諮問をした 以上の事案の経緯は 諮問書 審査請求書及び懲戒処分書から認められる 2 関係する法令等の定め (1) 司法書士に対する懲戒及びその手続についてア法 47 条は 司法書士がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反したときは その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局

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ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

11総法不審第120号

2 当事者の主張 (1) 申立人の主張の要旨 申立人は 請求を基礎づける理由として 以下のとおり主張した 1 処分の根拠等申立人は次のとおりお願い書ないし提案書を提出し 又は口頭での告発を行った ア.2018 年 3 月 23 日に被申立人資格審査担当副会長及び資格審査委員長あてに 会長の経歴詐称等

1 審査会の結論 平成 29 年度市民税 県民税税額変更処分 に係る審査請求は棄却するべ きであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要緑区長 ( 以下 処分庁 という ) は 平成 29 年 6 月 1 日 審査請求人に対して 平成 29 年度市民税 県民税賦課決定処分 ( 以下 先行処分 と

高島市職員措置請求に係る監査の結果について 第 1 請求の受付 1 請求書の提出平成 29 年 9 月 28 日 2 請求人 3 請求の要旨 ( 高島市職員措置請求書 の原文のまま記載) 1 請求の要旨高島市長による平成 29 年度の固定資産税の賦課において 別紙の固定資産について 家屋の未評価によ

第1 審査会の結論

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鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等に関する規則 平成 19 年 3 月 31 日規則第 15 号 改正 平成 21 年 2 月 16 日規則第 2 号平成 21 年 8 月 25 日規則第 28 号平成 28 年 3 月 25 日規則第 17 号鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等

丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前の

の対象として 人事院事務総長引継書 を特定し, 同年 9 月 29 日付け行政文書開示決定通知書を審査請求人に送付した 2 審査請求人が主張する本件審査請求の趣旨及び理由審査請求人は, 事務引継書が1 名分しか存在しないという決定は不自然である, 他の職員についても事務引継書がなければ, 前任者から

( 補助の限度 ) 第 4 条補助金の額は 1 年度あたり500,000 円を限度とし, 毎年度予算の範囲内で市長が定める ( 交付の期間 ) 第 5 条補助金の交付期間は, 市長がこの要綱による補助金を最初に交付したときから5 年とする 2 前項の規定にかかわらず, 補助金の交付は, 組合にあって

藤沢市障がい者グループホーム等家賃助成金支給事業実施規程 ( 趣旨 ) 第 1 条この規程は, 障がい者の日常生活及び社会生活を総合的に支援する法律 ( 平成 17 年法律第 123 号 以下 法 という ) 第 5 条第 12 項に規定する自立訓練のうち宿泊を伴うものを提供する施設 ( 以下 自立

ものであった また, 本件規則には, 貸付けの要件として, 当該資金の借入れにつき漁業協同組合の理事会において議決されていることが定められていた (3) 東洋町公告式条例 ( 昭和 34 年東洋町条例第 1 号 )3 条,2 条 2 項には, 規則の公布は, 同条例の定める7か所の掲示場に掲示して行

もあり 安全で問題のない生活を送るためには家庭の中で請求人一人の力だけでは難しく 周りの大人の支援を必要としている状況である 現在も上記のような状況から 仕事ができずにいる また 本件処分は本件診断書に基づいて行われているが その後本件児童の状態が変わっているので 平成 30 年 3 月 26 日付

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世帯に付き10,000 円以内とする 2 助成金の交付の対象となる空気調和機器の稼働期間 ( 以下 交付対象期間 という ) は 7 月から10 月までとする 3 助成金の交付の申請をした者 ( 以下 申請者 という ) が 交付対象期間の一部について第 6 条に規定する資格に適合しない場合は 助成

Microsoft Word 答申件数表

11総法不審第120号

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第一審査会の結論 豊中市教育委員会が行った 内部公益通報に係る調査の実施について ( 報告 ) を不 開示とした決定は妥当ではなく 別紙に記載した部分を除き開示すべきである 第二審査請求の経過 1 開示請求審査請求人は 平成 25 年 7 月 17 日 豊中市情報公開条例 ( 以下 条例 という )

松本市補助金交付規則 昭和 37 年 7 月 27 日規則第 16 号改正昭和 45 年 9 月 12 日規則第 31 号昭和 53 年 12 月 8 日規則第 25 号昭和 63 年 4 月 1 日規則第 18 号 ( 目的 ) 第 1 条この規則は 法令又は条例等に特別の定めのあるもののほか 補

伊丹市市民福祉金条例の一部を改正する条例(平成12年  伊丹市条例第  号)

業務 とあるが, 当該支払の一時差止めに係る決定を除く と, されている すなわち, 決定に係る業務は, 事業管理課長である ウその決定に係る文書及びデータは存在する 事業管理課長の決定により, 年金機構は, 障害者の年金給付を一時差し止めるための電算処理をしている事実がある そして, その事実から

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Microsoft Word - 文書 1

件数表(神奈川)

環境保全型農業直接支援対策交付金交付要綱 制定改正 平成 23 年 4 月 1 日付け22 生産第 号平成 24 年 4 月 6 日付け23 生産第 6218 号農林水産事務次官依命通知 ( 通則 ) 第 1 農林水産大臣は 環境保全型農業直接支援対策を実施するため 環境保全型農業直接支

諮問庁 : 防衛大臣諮問日 : 平成 28 年 2 月 25 日 ( 平成 28 年 ( 行情 ) 諮問第 192 号 ) 答申日 : 平成 29 年 1 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 行情 ) 答申第 694 号 ) 事件名 : 洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準 運用上の留意事項等に

1 審査請求人の主張 審査請求人は おおむね次のとおり主張し 本件処分が違法不当であ るとして 本件処分の取消しを求めている ⑴ 審査請求人が平成 28 年〇〇月に申し立てた婚姻費用の調停で 参加人から仕送りすべき額は毎月〇〇万円と決まったが 同月 銀行の通帳及びキャッシュカードの使用停止手続がなさ

定している (2) 通達等の定めア 生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について ( 昭和 29 年社発第 382 号厚生省社会局長通知 以下 昭和 29 年通知 という 乙 1) は, 一項本文において, 生活保護法第 1 条により, 外国人は法の適用対象とならないのであるが, 当分の間,

答申件数表(1月15日答申分)

おいて開催されていた法の制度運営に関する検討会の報告 ( 平成 17 年 3 月 29 日 ) では, 法の運用に関する改善措置として, 理由付記に関して 特に, 文書不存在を理由とする不開示決定については, 例えば, 請求対象文書をそもそも作成 取得していない, 作成したが保存期間が経過したので廃

7 という ) が定める場合に該当しないとして却下処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 被控訴人に対し, 厚年法施行令 3 条の12の7が上記改定請求の期間を第 1 号改定者及び第 2 号改定者の一方が死亡した日から起算して1 月以内に限定しているのは, 厚年法 78 条の12による

平成 27 年度 特定行政書士法定研修 考査問題 解答と解説 本解答と解説は 正式に公表されたものではなく 作成者が独自に作成したものであり 内容の信頼性については保証しない 以下の事項に全て該当 遵守する場合にのみ 利用を許可する 東京都行政書士会葛飾支部会員であること 営利目的でないこと 内容を

Transcription:

答 申 審査請求人 ( 以下 請求人 という ) が提起した生活保護法 ( 以下 法 という ) 7 8 条の規定に基づく保護費の徴収決定処分に係る審査請求について 審査庁から諮問があったので 次のとおり答申する 第 1 審査会の結論本件審査請求のうち 区長 ( 以下 処分庁 という ) が 法 7 8 条の規定に基づく保護費の徴収決定処分の一部取消決定により取り消した部分を却下し その余の部分を棄却すべきである 第 2 審査請求の趣旨本件審査請求の趣旨は 処分庁が請求人に対し平成 2 8 年 4 月 6 日付けで行った法 78 条の規定に基づく保護費の徴収決定処分 ( 以下 本件処分 という ) について その取消しを求めるものである 第 3 請求人の主張の要旨本件審査請求書 反論書 請求人が平成 2 9 年 1 月 2 3 日 同月 30 日 同年 2 月 6 日及び同月 2 0 日に当審査会に提出した各追加書面における請求人の主張は おおむね 次のとおりであり 本件処分は違法又は不当である旨を主張している 1 処分庁は 法 63 条と法 78 条を区別せず 法 78 条を濫用的に適用して私に当てはめている 福祉事務所からの重要事項の説明 確認書 ( 以下 確認書 という ) や収入 無収入申告 - 1 -

書には 株の投資について何も書かれていない 私は不実の申請その他不正な手段により保護を受けていない 2 収入申告すべきと言うが 一般に収入に対する概念は現金そのものであり 生活費に充てた仕送り等の資金である 私は 株の取引収入がマイナスだったため 生活費に充てた収入にならないと思っていた 平成 2 5 年 4 月 ~ 平成 2 7 年 1 2 月までの株取引において取引の損益がマイナス 2 8 3 万円であり 1 円の利益も出ていない 株式の売却額全てが収入認定されるなど生活保護制度自体に不服がある 3 私は 株取引の際に特定口座を設定し 役所と税務署に申告していた それゆえ 所長は 平成 2 5 年度確定申告の結果に基づいて 私の株取引を早い段階で把握していたにもかかわらず 私に何の指導も行わなかった 適切な指導があれば 巨額な徴収金額にはならなかったはずである 平成 2 6 年 4 月の時点で処分庁が請求人の株取引を把握していなかったというのは誤りである 審査会に生活保護者の金融資産の保有 運用に関する議論及び学資保険訴訟の福岡高等裁判所平成 1 0 年 1 0 月 9 日判決の判決文の一部 ( 写し ) を参考資料として送る 本件審査請求の全容の整理と審査会の最終判断の一助になると思う 第 4 審理員意見書の結論 本件審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 - 2 -

平成 2 9 年 1 月 11 日平成 2 9 年 1 月 23 日平成 2 9 年 1 月 30 日平成 2 9 年 2 月 6 日 諮問請求人から主張書面等の提出請求人から主張書面等の提出請求人から主張書面等の提出 平成 2 9 年 2 月 10 日審議 ( 第 6 回第 2 部会 ) 平成 2 9 年 2 月 20 日 請求人から主張書面等の提出 平成 2 9 年 3 月 16 日審議 ( 第 7 回第 2 部会 ) 第 6 審査会の判断の理由審査会は 請求人の主張 審理員意見書等を具体的に検討した結果 以下のように判断する 1 本件取消通知により取り消された部分に係る審査請求について処分庁は 平成 28 年 9 月 7 日付けで 本件処分の徴収決定額 9, 2 1 8, 2 6 4 円のうち 5, 5 7 2, 5 2 3 円を超える部分 3, 6 4 5, 7 4 1 円の決定を取り消しており 請求人は 当該部分の取消しを求める法律上の利益を失ったというべきだから 本件審査請求のうち当該部分の取消しを求める部分は 不服申立ての利益を欠いた不適法なものとして却下を免れない 2 上記 1 以外の部分に係る審査請求について ⑴ 法令等の定めア保護は 生活困窮者がその利用し得る資産 能力その他あらゆるものを最低限度の生活維持のために活用することを要件として行われる ( 法 4 条 1 項 ) 最低生活の内容として所有の容認に適しない資産は 処分の上 最低限度の生活の維持のために活用させることとされ ( 生活保護法による保護の実施要領について 第 3 昭和 3 6 年 4 月 1 日付厚生省発社第 1 2 3 号厚生事務次官通知 ) - 3 -

株券は その保有が認められないとされる ( 生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて 第 3 問 8 の 2 答 昭和 3 8 年 4 月 1 日付社保第 3 4 号厚生省社会局保護課長通知 ) 株式は購入時点を資力の発生日とし 株式が売却された場合は 実際に売却された額が収入認定されるとする ( 生活保護運用事例集 2 0 1 3 ( 平成 2 7 年度修正版 ) 問 7-1 9-2 東京都福祉保健局生活福祉部保護課発行 ) イ被保護者は 収入 支出その他生計の状況について変動があったときは 速やかに 福祉事務所長にその旨を届け出なければならない ( 法 6 1 条 ) ウ不実の申請その他不正な手段により保護を受けた者があるときは 保護費を支弁した市町村の長は その費用の全部又は一部を その者から徴収できるほか その徴収する額に 1 0 0 分の 4 0 を乗じて得た額以下の金額を徴収することができる ( 法 7 8 条 1 項 ただし 1 0 0 分の 4 0 を乗じて得た額以下の金額を徴収することができる旨の定めは 平成 26 年 7 月 1 日から施行 ( 平成 2 5 年法律第 1 0 4 号による改正 )) 不実の申請その他不正な手段 とは 積極的な虚偽事実の申立てのみならず 消極的に事実を故意に隠蔽することも含まれるとされる ( 生活保護行政を適正に運営するための手引について Ⅳ 3 ⑴ 平成 1 8 年 3 月 3 0 日付社援保発第 0 3 3 0 0 0 1 号厚生労働省社会 援護局保護課長通知 ) 不正受給に係る徴収金額に 1 0 0 分の 4 0 を乗じた額以下の金額を加算して徴収すること ( 以下 加算措置 という ) が妥当な場合として 不正受給期間が長期にわたるときがあり 加算措置適用の際には 不正事実発覚後 事実確認に協 - 4 -

力的か否かも考慮することとされる ( 生活保護費の費用返還及び費用徴収決定の取扱いについて 3 平成 2 4 年 7 月 2 3 日付社援保発第 0 7 2 3 第 1 号厚生労働省社会 援護局保護課長通知 ) エ上記アないしウ記載の各通知は 地方自治法 2 4 5 条の 9 第 1 項及び 3 項の規定に基づく法定受託事務に係る処理基準と考えられ また 上記アの 生活保護運用事例集 2 0 1 3 ( 平成 2 7 年度修正版 ) による取扱いは 法の解釈及び運用として 合理性が認められる ⑵ 以下 本件について 検討する ア不実の申請その他不正な手段による保護受給の検討 ( ア ) 請求人は 平成 2 5 年 5 月 2 日から同月 2 3 日の間だけを見ても 本件徴収額のうち加算措置部分を除いた支給済み保護費に相当する額 ( 4, 1 0 5, 3 3 1 円 ) を超える株式売却収入 4,3 8 5,2 2 1 円を得ている ( 別紙 3) そして 請求人は 当該売却収入について 所長に対して収入申告義務を負う ( ⑴ イ ) が 請求人が所長に提出した同月分の収入 無収入申告書には 株式売却収入の記載がなく 申告義務が果たされていない ( イ ) 平成 2 5 年 5 月 2 日 区福祉事務所職員は 請求人に対し 収入は全て所長に申告する義務がある旨を確認書により説明し 請求人は 確認書に説明を理解した旨の署名押印をした そのため 処分庁は 請求人が 所長に対する株式売却収入に係る申告義務を認識し得たと判断している ( ウ ) 上記 ( ア ) 及び ( イ ) より 処分庁は 請求人が株式売却収入に係る申告義務を認識し得たにもかかわらず 義務を怠っているため 株式売却収入の事実を故意に隠蔽し 不実の - 5 -

申請その他不正な手段 ( 法 7 8 条 ) により法の保護を受けたと判断しており その判断が不合理とは言えない イ徴収額及び加算措置の検討 ( ア ) 平成 2 5 年 4 月 1 8 日から平成 2 7 年 1 2 月 2 7 日までの支給済み保護費 7, 5 5 3, 1 6 8 円から 所長が請求人に返還請求 ( 法 6 3 条 ) する予定の 3, 4 4 7, 8 3 7 円を減じると 4, 1 0 5, 3 3 1 円となる 当該金額のうち 平成 2 6 年 7 月 1 日 (⑴ ウ) から平成 2 7 年 1 2 月 2 7 日 ( 保護停止日前日 ) に支給された支給済み保護費について 支給月ごとに 1 0 0 分の 4 0 を乗じると 合計金額は 5, 5 7 2, 5 2 3 円となり 本件徴収額に違算は認められない ( イ ) 加算措置について 本件不正受給期間 ( 平成 2 5 年 5 月 2 日から平成 2 7 年 1 2 月 2 7 日 ) が 2 年以上の 長期にわたるもの であり 不正受給発覚後 請求人が別紙 1 2 及び4の指示内容に従わず 事実確認に非協力的だったことも合わせ考えれば 処分庁が 特に悪質な不正受給があった場合 と判断し 加算措置を講じたことが不合理とはいえない ウ以上からすれば 本件処分は上記 ⑴ の法令等の定めに基づき適正になされたものであって 違法又は不当な点を認めることができない ⑶ 請求人は 株式売却収入が購入金額に比べマイナスであり 申告義務ある収入に当たらない旨主張する ( 第 3 2) しかし 購入金額を下回ったからといって 売却収入を最低限度の生活維持のために活用すべきものから除外することは 法 4 条 1 項の規定 ( ⑴ ア ) の趣旨に明らかに反するものである上 そもそも 株式が最低限度の生活維持のために活用すべ - 6 -

き資産として保有すること自体が禁止されている ( ⑴ ア ) のであるから その売却収入は 購入金額に比べマイナスであっても 全て収入認定すべきである それゆえ 請求人の株式売却収入全てを収入と認定した処分庁の判断に不合理があるとは言えず 請求人の主張は理由がない ⑷ また 請求人は 所長が請求人の株式取引を把握して 請求人に止めるよう指導すべきだったと主張する ( 第 3 3) 保護の実施機関は 保護の適正な運営のため 常に 被保護者の生活状況を調査しなければならない ( 法 2 5 条 2 項 ) が 当該調査のみでは その生活状況の正確な把握が困難であるため 被保護者が 収入 支出その他生計の状況について変動があった場合 福祉事務所長にその旨を届け出なければならない ( ⑴ イ ) としている そうすると 請求人から 所長に対して 株式売却収入を申告しなければならないのは明らかであり 所長が 請求人の株取引を把握して止めるよう指導すべきだった旨の主張は理由がない ⑸ 請求人は 上記 ( 第 3 2 ) のとおり 株式の売却額全てが収入認定されるなど生活保護制度自体に不服がある旨主張する しかし 行政機関である処分庁は 現行の法令等を所与のものとした上で これを誠実に執行する立場にある また 同じく行政機関である審査庁も 現行の法令を所与のものとした上で 処分が現行の法令に適合したものであるかどうかを判断することをその職分とするものであって 現行の法令を含む生活保護制度に対する不服について審査する立場にはなく 処分が法令に適合していると判断された場合には これを取り消すことはできない 3 請求人の主張以外の違法性又は不当性についての検討その他 本件処分に違法又は不当な点は認められない - 7 -

以上のとおり 審査会として 審理員が行った審理手続の適正性や法令解釈の妥当性を審議した結果 審理手続 法令解釈のいずれも適正に行われているものと判断する よって 第 1 審査会の結論 のとおり判断する ( 答申を行った委員の氏名 ) 近藤ルミ子 山口卓男 山本未来 別紙 1 ないし 4 ( 略 ) - 8 -