Title 尿路上皮癌におけるE-カドヘリンの発現と浸潤 転移の検討 Author(s) 川喜田, 睦司 ; 諸井, 誠司 ; 京谷, 京子 ; 筧, 善行 ; 吉田, Citation 泌尿器科紀要 (1994), 40(1): 1077-1080 Issue Date 1994-1 URL http://hdl.handle.net/433/115418 Right Type Departmental Bulletin Paper Textversion publisher Kyoto University
STUDY ON E-CADHERIN EXPRESSION IN RELATION TO INVASION AND METASTASIS IN UROTHELIAL CANCER PATIENTS Mutsushi Kawakita, Seiji Moroi, Kyoko Kyotani, Yoshiyuki Kakehi and Osamu Yoshida From the Department of Urology, Faculty of Medicine, Kyoto University E-cadherin expression was investigated in 30 patients with urothelial cancer (bladder; 7, ureter;, urethra; I) by an immunohistochemical method. Twelve out of patients with strong and homogeneous expression of E-cadherin (preserved) had grade 1 tumors, while all 8 patients with heterogeneous, weak and homogeneous, or lost expression of E-cadherin (reduced) had grade or grade 3 tumors. Only out of patients with preserved expression had invasive tumors (pt), whereas 6 out of 8 patients with reduced expression had invasive tumors (p=0.00). Three out of 4 patients with metastasis had reduced expression and of them died. These findings suggest that urothelial tumors with reduced expression of E-cadherin have high grade and high stage, and E-cadherin expression could be one of the prognostic factors. (Acta Urol. Jpn. 40: 1077-1080, 1994) Key words: E-cadherin, Adhesion molecule, Urothelial cancer, Bladder cancer, Immunohistochemistry
1078 泌尿 紀 要40巻1号1994年 嚢灘 B A Fig.ImmunohistochemicalevaluationofE-cadherinexpressionusinganti-E-cadherin monoclonalantibody( 00) A=Super丘cialtransitionalcellcarcinoma(Gl,pTa)withstrongandhomoge且eous E-cadher三nexpression(preserved). B:InvasivepoorlydiHferentiatedcarcinoma(G3,pT3)withheterogeneousE-cadherin express三 〇n(reduced) カ ドヘ リ ン の 発 現 の 仕 方 と,grade,stage,転 有 無,発 育 様 式,多 発 性,再 関 連 を 検 討 した.有 発 性,細 意 差 はx検 Kaplan-Meier法 胞 診,予 後 との 定 に よ り,生 E.cadh rin Grade 存率は pvaluc Pres rvedrcdu d に よ り算 出 した. 結 月(平 均19ヵ 月)で 道 的 切 除 術3例,膀 管 全 摘 除 術1例 1 1 0 8 4 3 4 果 対 象 患 者 の 年 齢 は48 85歳(平 は1 50カ Table1.E-cadherinandgrade 移 の 胱(尿 均67歳),観 察期間 あ った.術 道)全 で あ っ た.病 式 は,経 摘 除 術6例,腎 理 所 見 は,移 8例 で うち 扁 平 上 皮 化 生 を例 Table.E-cadher且nandpTstage 尿 尿 E_cadLerin ptstagc 行 上皮 癌 が に 認 め た.ほ か に移 行 あ った.病 分 化 癌 が1例 で 理 学 的 悪 性 度 は,gradeI:1例,grade ;1例,grade3=6例 で,病 17 0 5 8 0 6 あ っ た.転 移 は4例 pt-4 0. 0.00 で に 認 め,リ ン パ 節例(pT4Nl 乳 頭 状 癌4例 MO),肺1例(pT3NOMl),骨1例(pT4NxMl)で 非 乳 頭 状 癌6例 あ っ た. 中0例 がpreservedで 中4例 がreducedで あ る の に 対 し, あ り,非 乳 頭 状 癌 に お い て カ ドヘ リ ソ の 発 現 が 減 弱 し て い た(p<0.05). カ ドヘ リ ンの 発 現 がpreservedさ 例,reducedし れ て い る も の が て い る も の が8例 で あ っ た.組 織学 的 悪 性 度 と カ ドヘ リ ンの 発 現 の 関 係 を み る と,grade 全 例 がpreservedで あ る の に 対 し,grade が 高 くな る に つ れreduccdの (Tablel).局 し,pTl以 割 合 が 高 くな って い る 所 浸 潤 度 と カ ドヘ リ ンの 発 現 の 関 係 を み る と,pTaの17例 cedで 一4 pta,且 期 は,pTa:17例, ptl:5例,pt:1例,pt3:4例,pt4:3例 lの1例 pt且 pvalue PreservedRedu d pta 上 皮 癌 と 扁 平 上 皮 癌 の 混 在 が1例,未 0.009 全 例 がpreservedで 上 の 病 理 学 的 浸 潤 癌13例 あ るの に対 中8例 あ った(p=0.OOO8,Table).ま も の(pTaま た はpTl)例 で あ っ た が,pT以 6例 がreducedで 中0例 がreduた 表 在性 の 細 胞 診 は,preservedの例 reducedの8例 中7例 中10例 に 陽 性 で あ っ た が, に 陽 性 で あ っ た(p=0.). 転 移 はpreservedの1例,reducedの3例 にみ て お り有 意 差 は な か っ た(p=0.08).肺 転 移 の症 例 で は原 発 巣 がheterogeneousで preservedで り,3年 60%で あ る の に 対 し,転 あ っ た.reducedの例 移巣 は が 死 亡 して お 生 存 率 はpreservedが100%,reducedが あ っ た(p=0.05).初 発 か 再 発 性 か,単 発性か 多 発 性 か は カ ドヘ リ ン の 発 現 と 相 関 を 認 め な か っ た. ま で がpreserved 上 の 臨 床 的 浸 潤 癌 の8例 あ っ た(P=O.00,Table). の うち 考 察 多 くの悪性腫瘍 の起源 となる上皮細 胞の細胞 間の結