大阪府における土壌汚染対策の現状と取り組みについて 土壌環境行政の最新動向 大阪府における土壌汚染対策の現状と取り組みについて 平成 年 月 日 大阪府環境農林水産部環境管理室環境保全課 大阪府における土壌汚染対策制度の概要 15
法と条例の関係 調査契機 調査対象物質 土壌汚染対策法 有害物質使用特定施設の使用廃止 ( 法第 3 条 ) 土壌汚染による健康被害が生ずるおそれがある場合 ( 法第 5 条 ) m2以上の土地の形質の変更 ( 法第 4 条第 1 項 条例第 81 条の 5) で 土地の利用履歴調査 ( 条例第 81 条の 5) 等により汚染のおそれがあると判明した場合 鉛 砒素 トリクロロエチレンなど 物質 ( 特定有害物質 ) 府 条 例 有害物質使用届出施設等の使用廃止 ( 条例第 81 条の4) 有害物質使用特定施設等を設置している工場敷地での土地の形質変更 ( 条例第 81 条の 6) 上記の 物質に ダイオキシン類を追加したもの ( 管理有害物質 ) 3 大阪府における 土壌汚染 対策制度 ( 法及び条例 ) 16
届出 手続きのフロー ( 府条例 : ピンク色 ) 土地の利用履歴等調査結果報告書 条例第 条の 5 大阪府知事様 市長様 土地の利用履歴等調査結果報告書 平成 年 月 日 届出者住所大阪府 市 番 号氏名 株式会社代表取締役社長 印 法人にあっては 名称及び代表者の氏名 大阪府生活感情の保全等に関する条例第 条の 5 第 1 項の規定により 次のとおり報告します 添付書類 土地利用の履歴 有害物質の利用履歴 過去に行われた土壌汚染調査の実施結果等 土地の利用の履歴を山林 田畑に遡るまで調査 土地の形質の変更対象となる土地の所在地 土地の形質の変更の場所 土地の形質の変更の着手予定日 土地の形質の変更の規模 土地の利用の履歴 大阪府 市 番 別紙 1 のとおり 平成 年 月 日 3500 m2 形質の変更を行う敷地の全体の面積 :4000 m2 掘削部分の面積 :3200 m2 年から 年頃 市の一般廃棄物処分場であった 年以降 工業の 鍍金工場が操業しており 平成 5 年に廃業 その後工場は撤去され 更地となり現在に至る 詳細は別紙 2 の報告書のとおり 17
土地の利用履歴等調査結果報告書 必要に応じて 以下が記載された書類を添付 各履歴の根拠資料 過去の住宅地図や航空写真等 過去に工場等があった場合は 有害物質の使用状況を確認できる書類 他法令に基づく届出書や敷地平面図等 過去に実施した土壌汚染の調査結果 有害物質の使用等の履歴 工場又は事業場の状況 埋設廃棄物の状況 土壌汚染に係る調査の実施状況 有無 工場又は事業場の名称及び業種 使用等されていた有害物質の種類 管理有害物質の使用等の状況 場所 時期 使用方法 有無 埋設廃棄物の状況 場所 時期 性状 有害物質の含有の有無及び種類 有無 実施時期 調査対象物質 指定基準超過物質 汚染範囲 汚染の除去等の措置の状況 有 鍍金株式会社 金属製品製造業 六価クロム化合物 場所 : 別紙 3 のとおり時期 : 昭和 年 ~ 平成 年使用方法 : 鍍金用材に使用 有 場所 : 別紙 4 のとおり時期 : 昭和 年 ~ 昭和 年頃性状 : 汚泥状 有鉛及びその化合物 水銀及びその化合物 有 平成 年 5~7 月 第 1 種管理有害物質すべて第 2 種管理有害物質すべて 鉛及びその化合物 別紙 5 のとおり 掘削除去済み別紙 6 のとおり 調査実施機関 株式会社 指定調査機関番号 7 操業中の工場 事業場における土地の形質変更時の調査 条例第 81 条の 6 関係 操業中の有害物質使用工場敷地で 土地の切り売り等で土地の形質変更を行う際は調査が必要となります < 注意点 > m2以上の形質変更で法第 4 条第 1 項 条例第 条の 5 の 対象となる場合には 本規定は適用されません 18
大阪府土壌汚染に係る自主調査及び自主措置の実施に関 < 平成 年 月 日策定 施行 > する指針 条例第 条のの3 知事は 自主調査を実施しようとする者に対し 当該自主調査が指針に即して適切に実施されるよう必要な指導又は助言をすることができる 知事は 前項の報告に基づき必要があると認めるときは 当該報告を行った者に対し 汚染の除去等の措置について必要な指導又は助言をすることができる ( 指針の対象とする自主調査又は自主措置 ) 法や条例の対象となる形質変更が行われる可能性のある土地に関する調査又は自主措置 法第 条に基づく区域指定申請を行う可能性のある土地に関する調査 調査または措置の結果が 土壌汚染の状況を示す客観的資料として不特定多数の人に向けた説明等に用いられるもの 自主調査 知 事 自主調査を行う者 土地の地歴調査の実施 知 事 計画書の提出 調査の計画の作成 調査の実施 ( 試料採取 測定 地下水の汚染状況の把 知 事 報告書の提出 調査結果の取りまとめ 周辺住民等 情報提供 結果の記録 保管 引継ぎ 10 19
自主措置 知 事 自主措置を行う者 措置の種類の決定 知 事 計画書の提出 措置の計画の作成 措置方法 基準不適合土壌の搬出 処理方法 地下水モニタリング計画 等 周辺住民等 情報提供 措置の実施 基準不適合土壌の搬出 処理 知 事 報告書の提出 措置の実施結果 基準不適合土壌の搬出 処理状況 のとりまとめ 周辺住民等 情報提供 知 事 報告書の提出 地下水モニタリングの実施 および結果のとりまとめ 周辺住民等 情報提供 結果の記録 保管 引継ぎ 大阪府における施行状況 20
1. 土地の汚染状況の把握 (1) m2以上の土地の形質変更時の届出等の状況 平成 年度における 土地の形質変更時の届出は 件であった また 汚染のおそれがあることから調査命令を発出した件数は 7 件あり このうち形質変更時要届出区域に指定したものが 5 件あり 要措置区域に指定したものはなかった 届出の件数に対して調査命令を発出した件数の割合は約 2% となっており 全国における割合と同程度である (2) 有害物質使用施設に係る土地における土壌汚染状況調査 1 有害物質使用施設の廃止件数及び調査の猶予を受けた件数 ( 平成 年度 ) 有害物質使用施設の廃止件数 調査の猶予を受けた件数 ( かっこ内は ) 法 (%) 条例 (-) 合計 (%) 調査の猶予を受けた件数には 前年度に廃止された施設に係る件数を含む 13 2 有害物質使用施設の廃止時の土壌汚染状況調査の実施件数及び区域指定の件数 ( 平成 年度 ) 平成 年度に有害物質使用施設の廃止に伴い実施した土壌汚染状況調査の報告件数及び汚染が判明し区域指定した件数は 次の表に示すとおり 調査の報告件数に対する区域指定を行った件数の割合は % と 全国の約 % と比べてやや高くなっている 土壌汚染状況調査の実施件数 汚染が判明し区域指定した件 ( かっこ内は ) 法 % 条例 (%) 合計 % 14 21
(3) 土壌汚染が判明した場合の区域指定 区域指定の解除 1 区域指定の状況 土地の汚染状況の把握の契機件数区域指定の件数 土地の形質変更の届出 法に規定する有害物質使用施設の廃止 条例に規定する有害物質使用施設の廃止 自主調査による区域指定の申請 () 要措置区域 0 要届出区域 5 要措置区域 0 要届出区域 要措置区域 0 要届出区域 0 要措置区域 2 要届出区域 かっこ内は調査の猶予件数であり 前年度に廃止された施設に係る件数を含む 15 2 大阪府と全国における指定区域の件数 平成 年 6 月末現在 大阪府 全国 要措置区域 5 193 法対象 形質変更時要届出区域 333 うち 埋立地管理区域 19 埋立地特例区域 3 自然由来特例区域 30 1,813 うち 埋立地管理区域 113 埋立地特例区域 15 自然由来特例区域 134 要措置管理区域 0 条例対象 要届出管理区域 28 うち 埋立地管理区域 0 埋立地特例区域 0 自然由来特例区域 0 16 22
(4) 府域における自然由来による土壌汚染の状況について 1 府域の地質特性 大阪市内の沖積層の砒素 鉛 ふっ素 ほう素の溶出量 含有量の深度方向の分布状況が示されている これらの物質は 沖積中部粘土層において高い傾向がある 北摂山地 箕面市 高槻市 茨木市付近においては 砒素を含有する大阪層群や丹波層群の堆積岩の分布により 地下水に砒素が検出されやすい 図大阪市内の沖積層の砒素 鉛 ふっ素 ほう素の溶出量 含有量の分布状況 ( 新関西地盤大阪平野から大阪湾 ( 関西圏地盤研究会)) 17 2 自然由来特例区域の指定状況 平成 年 6 月末現在で 大阪市域に 件 門真市域に 2 件の計 件の指定がある 現在 指定されている有害物質の種類は 下記の表に示すとおり砒素 鉛 ふっ素 ほう素 セレンの 5 物質である 指定件数は 砒素が最も多く 続いてふっ素の順となっている 物質名砒素鉛ふっ素ほう素セレン 件数 4 18 23
土壌汚染対策制度の市町村への権限移譲 権限移譲日市町村備考 平成 年 月 日 池田市 箕面市 豊能町 能勢町 問合せ窓口は池田市 泉大津市 忠岡町 問合せ窓口は泉大津市 平成 年 月 日 河内長野市 富田林市 大阪狭山市 問合せ窓口は 太子町 河南町 千早赤阪村 河内長野市 阪南市 平成 年 月 日 和泉市 平成 年 月 日 松原市 平成 年 月 日 貝塚市 平成 年 月 日 熊取町 ( 参考 ) 政令市大阪市 堺市 豊中市 吹田市 茨木市 高槻市 寝屋川市 枚方市 東大阪市 八尾市 岸和田市 土壌汚染対策関係事務移譲状況 政令市 11 市 23 年度中事務移譲市町村 13 市町村 24 年度中事務移譲市町村 3 市 25 年度中事務市町村 1 町 24
事業者におけるリスクコミュニケーション ( 例 ) 成功事例 地下水 土壌汚染の事実の速やかな開示 健康リスク情報や今後の対策などについて丁寧な説明 日ごろからの地域住民との信頼関係の構築 ( 会社情報の開示 地域貢献 清掃活動の実施 盆踊り等のイベント開催など ) 失敗事例 地下水 土壌汚染の事実の開示が遅れる 健康リスク情報や今後の対策などについて丁寧な説明を怠る 日ごろから地域住民との信頼関係を築けていない 不安 不信感の増大 信頼関係の回復は困難な場合がある 25