11総法不審第120号

Similar documents
処分済み

11総法不審第120号

処分済み

11総法不審第120号

11総法不審第120号

11総法不審第120号

11総法不審第120号

11総法不審第120号

11総法不審第120号

11総法不審第120号

第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より いずれも棄却すべきである 第 5 調査審議の経過審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日審議経過 平成 30 年 3 月 6 日 諮問 平成 30 年 4 月 26 日審議 ( 第

11総法不審第120号

11総法不審第120号

11総法不審第120号

保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとは いえない 第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30

11総法不審第120号

11総法不審第120号

11総法不審第120号

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

11総法不審第120号

11総法不審第120号

遺者であったが 事情があって遺贈の放棄をした 民法 986 条の規定によれば 受遺者は 遺言者の死亡後 いつでも 遺贈の放棄をすることができ 遺贈の放棄は 遺言者死亡のときに遡ってその効力を生じるとされているから 前所有者から請求人に対する本件各不動産の所有権移転の事実は無かったものであり 請求人は

11総法不審第120号

11総法不審第120号

11総法不審第120号

処分済み

11総法不審第120号

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

被上告人に対し, 上記各賦課決定の取消しを求めている事案である 2 原審の適法に確定した事実関係等の概要は, 次のとおりである (1) 上告人は, 東京都渋谷区内に所在する面積が200m2以下である本件土地及びこれを敷地とする第 1 審判決別紙物件目録記載の建物 ( 以下 旧家屋 という ) を所有

11総法不審第120号

平成  年(オ)第  号

ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

11総法不審第120号

11総法不審第120号

11総法不審第120号

取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

11総法不審第120号

が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

11総法不審第120号

平成 30 年 9 月 25 日 諮問 平成 30 年 11 月 13 日審議 ( 第 27 回第 4 部会 ) 平成 30 年 12 月 11 日審議 ( 第 28 回第 4 部会 ) 第 6 審査会の判断の理由審査会は 請求人の主張 審理員意見書等を具体的に検討した結果 以下のように判断する 1

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

高島市職員措置請求に係る監査の結果について 第 1 請求の受付 1 請求書の提出平成 29 年 9 月 28 日 2 請求人 3 請求の要旨 ( 高島市職員措置請求書 の原文のまま記載) 1 請求の要旨高島市長による平成 29 年度の固定資産税の賦課において 別紙の固定資産について 家屋の未評価によ

することが適当であることから 本通達では 特定施設の敷地の用に供される土地等には 土地又は土地の上に存する権利を取得した時において 現に特定施設の敷地の用に供されているもの及び特定施設の敷地の用に供されることが確実であると認められるものが該当することを明らかにしている なお 取得の時において特定施設

仕事の依頼に諾否の自由はなく 業務の内容及び遂行方法について本件会社の指揮命令を受け アシスタント雇用等に関する規程等により 業務を他人に代替させえない 所得税の源泉徴収 雇用保険 厚生年金 健康保険の保険料徴収がある 営業所 机 パソコン 文具等は本件会社の提供に係るものであり 経費は立替精算であ

総務省が所管する地方税法ではなく 財務省が所管する国有財産法の適用を受けるとのことであり 実施機関の本件決定は失当である (2) 本件は 国税庁からの教示による公文書公開請求であり これを実施機関が非公開決定するとは言語道断である (3) 尖閣諸島の国有化は 日本と中国の外交問題に発展していることも

<4D F736F F D2095BD90AC E D738CC2816A939A905C91E D862E646F63>

11総法不審第120号

特例適用住宅 という ) が新築された場合 ( 当該取得をした者が当該土地を当該特例適用住宅の新築の時まで引き続き所有している場合又は当該特例適用住宅の新築が当該取得をした者から当該土地を取得した者により行われる場合に限る ) においては, 当該土地の取得に対して課する不動産取得税は, 当該税額から

Microsoft Word - 暱京髟裆 平拒16年(衄ㇳ)32.docx

11総法不審第120号

である なお 国の通達でも 生命保険外交員は 代理業でない限り個人事業税の課税は不可とされている 仕事の依頼に諾否の自由はなく 業務の内容及び遂行方法について本件会社の指揮命令を受け アシスタント雇用等に関する規定等により 業務を他人に代替させえない 所得税の源泉徴収 雇用保険 厚生年金 健康保険の

査請求人 ) が 平成 5 年分所得税確定申告書 ( 以下 本件請求保有個人情報 1 という ) の開示を求めるものである 処分庁は, 本件開示請求に対し, 本件請求保有個人情報 1は文書保存期間 (7 年 ) が満了し, 既に廃棄しているとして, 平成 27 年 12 月 2 2 日付け特定記号第

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

02 条の3に規定する固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例 ( 以下 本件特例 という ) の適用を受ける住宅用地に該当せず, その余の部分に限り上記の住宅用地に該当するものとして, 平成 26 年 6 月 2 日付けで平成 26 年度分の固定資産税及び都市計画税の各賦課決定 ( 以下, 併せて

11総法不審第120号

録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

11総法不審第120号

11総法不審第120号

平成  年(オ)第  号

がある 7 平成 28 年 3 月 28 日 処分庁は 同日付で審査請求人に対し 借入金収入 円の未申告により生じた保護費過払い分について 法第 78 条第 1 項の規定により費用徴収を行う決定を行い 同年 7 月 7 日 費用徴収決定通知書を審査請求人に手交した 8 審査請求人は 平成 28 年

返還の必要性を十分説明しており 手続は適法である 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件の争点は 本件保険が法第 4 条第 1 項に規定する 利用し得る資産 に該当するかどうかであるが その判断に当たっては 処分庁が判断の要素

諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

19 条の4 第 2 項の規定により, 特別職の公務員であるから, 本件不開示情報は, 公務員としての職務遂行情報であり, 精神保健指定医が, 客観的な生体検査もなく, ただその主観に基づいて, 対象者を強制入院させることができるという性質の資格であること, 本件開示請求に係る精神保健指定医らが対象

もあり 安全で問題のない生活を送るためには家庭の中で請求人一人の力だけでは難しく 周りの大人の支援を必要としている状況である 現在も上記のような状況から 仕事ができずにいる また 本件処分は本件診断書に基づいて行われているが その後本件児童の状態が変わっているので 平成 30 年 3 月 26 日付

第 4 審査関係人の主張の要旨 1 審査請求人の主張審査請求人は 次のとおり 本件処分は 違法又は不当である旨を主張している (1) 審査請求人が 複数の取引先から依頼を受けて行っている翻訳の業務は 法第 72 条の2 第 3 項の規定により個人事業税が課されるべきいずれの事業としても法に定められて



< F2D F090E0967B95B C52E6A7464>

11総法不審第120号

平成14年7月3日

1 天神 5 丁目本件土地及び状況類似地域 天神 5 丁目 本件土地 1 状況類似地域 標準宅地

固定資産評価審査申出とは

ものであるから 法定相続における遺産分割とパラレルに考えるべき事案であって 相続による不動産の取得 として 法 7 3 条の 7 第 1 号を適用して非課税とされるべきものである 処分庁は 私的取引社会における事実の流れを勝手に分断し その一部だけに税法を適用しており 裁量権の逸脱であって許されない

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

ウ 特定個人 a に訂正してほしいとは, 私は書いてない これも日本年金機構の単純ミスなのか? それとも他に理由があるのか? 事実に基づいて, 説明を求める 私の公共職業安定所における氏名は, カタカナの 特定個人 b のスペースなしで管理されている 私の資格画面も氏名欄はカタカナである 国民年金保

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

11総法不審第120号

異議申立てしていますが, 協会 ( 原文ママ ) として黙認しています 本件に関しても, 諮問庁は国のトップなのだから, もっともっと労働問題に積極的に取り組み, 労基法厳守で, 場合により, 行政処分すべきである 警察なら, スピード違反すれば即行政処分されますが, 労基法では, 基本強い行政処分

し, これを評点 1 点当たりの価額に乗じて, 各筆の宅地の価額を求めるものとしている 市街地宅地評価法は,1 状況が相当に相違する地域ごとに, その主要な街路に沿接する宅地のうちから標準宅地を選定し,2 標準宅地について, 売買実例価額から評定する適正な時価を求め, これに基づいて上記主要な街路の

ブロック塀撤去補要綱

諮問庁 : 株式会社日本政策金融公庫諮問日 : 平成 28 年 2 月 8 日 ( 平成 28 年 ( 独個 ) 諮問第 3 号 ) 答申日 : 平成 28 年 4 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 独個 ) 答申第 1 号 ) 事件名 : 本人に関する融資審査の検討資料の不訂正決定に関する件

2 ( 178 9)

281

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

旨の申告 ( 以下 本件申告 という ) をしたところ, 処分行政庁から, 本件不動産取得税を還付しない旨の処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 処分行政庁が所属する東京都を被告として, 本件処分の取消しを求める事案である 原判決は, 控訴人の請求を棄却したので, これを不服とする控


措置法第 69 条の 4(( 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 )) 関係 ( 被相続人等の居住の用に供されていた宅地等の範囲 ) 69 の 4-7 措置法第 69 条の 4 第 1 項に規定する被相続人等の居住の用に供されていた宅地等 ( 以下 69 の 4-8 までにおいて 居


第1 審査会の結論

1 本件審査請求について (1) 本件審査請求に係る開示請求は, 法に基づき, 処分庁に対し, 本件対象文書の開示を求めたもの ( 以下 本件開示請求 という ) である (2) 本件開示請求を受けて, 処分庁は, 本件対象文書を作成しておらず不存在として, 不開示決定 ( 原処分 ) を行った (

建築基準法第43条第1項ただし書に係る一括同意基準

-2 -


11総法不審第120号

税務訴訟資料第 267 号 -70( 順号 13019) 大阪高等裁判所平成 年 ( ) 第 号更正をすべき理由がない旨の通知処分取消請求控訴事件国側当事者 国 ( 富田林税務署長 ) 平成 29 年 5 月 11 日棄却 上告受理申立て ( 第一審 大阪地方裁判所 平成 年 ( ) 第 号 平成

< F2D A7926E8AEE8F8095D2967B95B C52E6A74>

⑴ ⑵ ⑶


所得税確定申告セミナー

Transcription:

答 申 審査請求人 ( 以下 請求人 という ) が提起した固定資産税及び 都市計画税賦課処分に係る審査請求について 審査庁から諮問があっ たので 次のとおり答申する 第 1 審査会の結論 本件審査請求は 棄却すべきである 第 2 審査請求の趣旨本件審査請求の趣旨は 東京都 都税事務所長 ( 以下 処分庁 という ) が請求人に対し平成 2 8 年 6 月 1 日付けでした平成 2 8 年度分の固定資産税及び都市計画税 ( 以下 固定資産税等 という ) 賦課決定処分のうち 別紙 1 物件目録記載の土地 ( 以下 本件土地 という ) に係る部分 ( 以下 本件処分 という ) の取消しを求めるものである 第 3 請求人の主張の要旨請求人は おおむね以下の点から本件処分が違法又は不当であると主張している 本件土地の購入後 既存住居を取り壊し 国の定めに基づき 1 2. 1 1 m2分のセットバックを行った上 住居を新築した 約 800 万円分の土地を道路として提供していることは事実であり 本件セットバック部分は非課税となるべきである 第 4 審理員意見書の結論 1

本件審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 平成 2 8 年 9 月 3 0 日 諮問 審議経過 平成 2 8 年 1 1 月 8 日審議 ( 第 3 回第 1 部会 ) 平成 2 8 年 1 2 月 1 5 日審議 ( 第 4 回第 1 部会 ) 第 6 審査会の判断の理由審査会は 請求人の主張 審理員意見書等を具体的に検討した結果 以下のように判断する 1 法令等の定め ⑴ 法は 公共の用に供する道路 に対しては固定資産税等を課すことができない旨規定する ( 法 3 4 8 条 2 項 5 号 法 7 0 2 条の2 第 2 項 ) ⑵ ⑴ の 公共の用に供する道路 については おおむね次のように解されている 固定資産税は 固定資産の資産価値に着目し その所有という事実に担税力を認めて課する一種の財産税であるところ 法 3 4 8 条 2 項本文は 公用又は公共の用等に供する固定資産について その性格 用途に鑑み 当該固定資産の確保という政策目的のために 例外的に当該固定資産を非課税とする趣旨のものであると解される そして 上記 ⑴ の 公共の用に供する道路 とは 所有者において何等の制約を設けず 広く不特定多数人の利用に供するもの をいうものとされている ( 自治省税務局固定資産税課 2

編 固定資産税逐条解説 9 8 頁 ) ところで 道路法が適用される 道路 については 私権を行使することができず ( 同法 4 条 ) 建築基準法において 原則として建築物を道路内又は道路に突き出して建築してはならないとされる ( 同法 4 2 条 1 項 1 号 4 4 条 1 項 ) など 様々な制限が定められていることに照らすと ある土地が 道路法にいう道路に準ずるもの と認められるかどうかを判断するに当たっては 当該土地について 私権の行使 ( 所有者としての使用収益 ) が制限されているか また 道路の機能が確保されているか という点をも斟酌するのが相当と解される ( 平成 2 6 年 1 2 月 1 日福岡高等裁判所判決 ( 判例地方自治 3 9 6 号 2 3 頁 )) ⑶ 東京都においては 固定資産税及び都市計画税の課税事務の取扱いについて ( 通達 ) ( 平成 2 8 年 1 月 2 9 日付 2 7 主資固第 2 4 3 号主税局長通達 なお 公共の用に供する道路の部分については前回通達 ( 平成 2 5 年 1 月 2 3 日付 2 4 主資固第 1 3 3 号主税局長通達 ) と変更点はない ) により 固定資産税等の課税事務の取扱いについては 固定資産税及び都市計画税課税事務提要 ( 以下 課税事務提要 という ) によることとしている 課税事務提要において 法 3 4 8 条 2 項 5 号の非課税の要件に係る記載は 別紙 2 のとおりである 同記載は 公共の用に供する道路 に準ずるものとする要件について 私権行使の制限の具体例を挙げて示しているところ その内容は 縁石 塀など安易に可動できないものにより明確に区分されたものについて 客観的に道路として認定できるもの とするなど 非課税要件の適用に際して厳格性と公平性を図るものであって 法 3 4 8 条 2 項 5 号の解釈運用指針と 3

して 合理性を認めることができるものである ⑷ また 法 3 5 9 条は 固定資産税について 当該年度の初日の属する年の 1 月 1 日を賦課期日とする旨規定する ( 法 7 0 2 条の 6 の規定により都市計画税についても同様 ) 2 以上を前提として 本件セットバック部分が 当該賦課期日 ( 本件処分においては平成 2 8 年 1 月 1 日 以下 本件賦課期日 という ) の時点において 課税事務提要 ( 第 2 章第 4 節第 2 1 2 ⑴ 及び ⑵ ) にいう 公共の用に供する道路 の要件に該当するか否かについて 検討する ⑴ 本件セットバック部分は 2 項道路を起点として南から北に向かう行き止まりの道路 ( 建築基準法 4 2 条 1 項 5 号の位置の指定を受けている道路 以下 本件道路 という ) のうちT 字状の北辺部分 ( 以下 転回広場 という ) の一部を構成しているが 本件道路の終点は別の公道に接していないため 課税事務提要第 2 章第 4 節第 2 1 2 ⑴ アには該当しないものの 北東側に 2 軒 北西側に 2 軒の建物が存在することから 同第 2 1 2 ⑵ アの要件に該当する可能性はある なお 本件道路 ( 本件セットバック部分を含む ) は 建築基準法 4 2 条 1 項 5 号の位置の指定を受けているので 同第 2 12 ⑵ イに該当するものではない そして 本件道路は 課税事務提要第 2 1 2 ⑵ ア中 ( イ ) の 客観的に道路として認定できるもの に該当するものと考えられるところ 同規定については 同第 2 1 2 ⑴ ウと同様とされ ( また 専ら通行のために使用されている土地 とは 通行以外の用に利用されていないことをいうものであり 客観的に道路として認定できるもの とは 上記 ⑴ ウと同様である ) 道路の形態を有し 道路と宅地等が塀 L 形側溝及び縁石等により明確に区分され 道路以外の用に供 4

されていないこと ( 具体的には 庭や駐車場等として併用利用をしていないこと 道路部分の上空に建築物が存在しないこと 道路部分が原則として敷地面積に含まれていないものであること ) をいう ものであるとされている このうち 道路と宅地等が塀 L 形側溝及び縁石等により明確に区分され ているかどうかについて本件セットバック部分をみると 住宅用地 ( 同一画地 ) 認定調査票の備考欄には H 2 8. 5. 1 1 現地調査コンクリートで敷地と一続き 明確な区分なし との記載があり 当日撮影された写真によっても 本件セットバック部分のコンクリートは 本件宅地側との境において 建物下部の車庫入口部分にのみ細い溝があるほかは 道路境界との目印となるものも見当たらないまま 建物基礎の立ち上がり部分まで連続して打設されていることが認められ この状態は 本件賦課期日にも同様であったと推定される ( 平成 2 8 年 5 月 1 1 日の東京都 都税事務所職員による現地調査及び平成 27 年 12 月 29 日撮影の航空写真による ) よって 宅地側との境界が明確にされていない以上 本件セットバック部分は 道路と宅地等が塀 L 形側溝及び縁石等により明確に区分され ているとはいえないから 課税事務提要第 2 1 2 ⑵ ア ( イ ) に該当せず 同第 2 1 2 ⑵ アが挙げる他の要件を検討するまでもなく 公共の用に供する道路 に含めることはできない ⑵ したがって 本件セットバック部分を非課税とせず 本件土地を全部住宅用地と認定し 住宅特例を適用して固定資産税等を賦課した本件処分は 法に則って適正になされたものと認められる なお 本件処分の税額算出に当たって違算等は認められない 5

⑶ 請求人は 約 8 0 0 万円分の土地を道路として提供しているのは事実であると主張する しかし 課税事務提要は その公共性から法上非課税となる 公共の用に供する道路 に準じるものとされる道路の要件について限定的に示しているところ その基準については 道路以外の用に供されていないものとして例を挙げて示しているのであり 本件セットバック部分が その例の一つである 宅地側との境が塀 L 形側溝及び縁石等により明確に区分され ていないことから非課税要件を満たすと認められない以上 たとえ請求人がセットバック部分を道路として提供する意向を持つとしても 請求人の主張を本件処分の取消理由として採用することはできない 3 請求人の主張以外の違法性又は不当性についての検討その他 本件処分に違法又は不当な点は認められない 以上のとおり 審査会として 審理員が行った審理手続の適正性や法令解釈の妥当性を審議した結果 審理手続 法令解釈のいずれも適正に行われているものと判断する よって 第 1 審査会の結論 のとおり判断する ( 答申を行った委員の氏名 ) 髙橋滋 窪木登志子 筑紫圭一 別紙 1 ( 略 ) 別紙 2 ( 略 ) 6