米で使用割合が多かった農薬は 多い順に Bisultap( 殺虫剤 ) ブタクロール( 除草剤 ) Monosultap( 殺虫剤 ) トリアゾホス( 殺虫剤 ) であった Bisultap 及び Monosultap は合わせると使用量全体の 20% 以上であったが 日本ではあまり知られていない農

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せながら検討する必要がある 1. 検査結果の各項目における傾向 2002~2005 年の輸入時検査の項目 ( 検査年 原産国 食品 農薬が同じデータセット ) は 肉や魚及びその加工製品を除くと全部で 2,795 項目あった 但し ここに収載されている項目はいずれも検出件数が少なくとも 1 件以上あ

2. 小麦 ( 試料数 :46 検体 ) 分析試料 濃度範囲 アゾキシストロビン イミダクロプリド エトフェンプロックス クレソキシムメチル ジフルフェニカン

目 次 I. わが国における輸入食品中残留農薬の検出状況の推移 各年度の輸入食品中残留農薬の検査結果 輸入食品検査結果の項目について 1-2. 項目数及び違反件数の集計 ~2007 年度に検出された農薬 2. 農薬別の検出状況について

インド 12 3 エビ イカ オーストラリア 13 3 マグロ エビ フィリピン 14 1 マグロ カツオ エビ アイスランド 15 1 その他の魚 ハリバット 魚卵 スペイン 16 1 マグロ タコ マルタ 17 1 モロッコ 18 1 タコ イカ モーリタニア 19 1 タコ ニュージーランド

2. しゅんぎく ( 試料数 :60 検体 ) 分析試料 以上の結果 濃度範囲 基準値を越える アセタミプリド ~ アゾキシストロビン ~ イソキサチオン エマメクチン安息香

表 1 種類及び品目数 分類検体数品目数内訳 ( カッコ内は検体数 ) 野菜 果実 生鮮 冷凍 計 214 生鮮 冷凍 乾燥 11 7 アーティチョーク (1) アスパラガス(17) インゲン(1) エダマメ(1) エンダイブ (3) オクラ(10

<4D F736F F D F D36315F8E9697E18E9197BF395F945F8E5995A CC8E6397AF945F96F282CC8C9F8DB88C8B89CA2895BD90AC E E646F6378>

表 1 検査対象 144 農薬 ( 平成 26 年度 ) GC 項目 :103 LC 項目 :41 EPN ジフェノコナゾール ビフェントリン フルミクロラックペンチル アゾキシストロビン テブチウロン アクリナトリン シフルトリン ピラクロホス プロシミドン イマザリル テブフェノジド アジンホス

水質分布表

ほうれんそう 県内計 , 北海道 40 39, 栃木 , 長野 58 39, 岐阜 5,885 4,559, 愛知 ,

平成 30 年度水道水質検査結果 この冊子は 平成 30 年度春日井市水道水質検査計画に基づき作成し 公表するものです 内容に関するご質問等は 上下水道部配水管理事務所 まで お問い合わせください 目次 1 水質検査の概要 1 2 水質検査結果の概要 5 3 浄水水質検査結果 (1) 毎日検査 (

生食発 0228 第 5 号 平成 31 年 2 月 28 日 都道府県知事 各保健所設置市長殿 特別区長 厚生労働省大臣官房 生活衛生 食品安全審議官 ( 公印省略 ) 食品 添加物等の規格基準の一部を改正する件について 食品 添加物等の規格基準の一部を改正する件 ( 平成 31 年厚生労働省告示

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H26とりまとめ公表(生産計画認定面積)

既登録農薬の再評価に係る優先度 (2018 年 12 月 1 日現在 ) 優先度 優先度 A (126) 有効成分名 1,3-ジクロロプロペン (D-D) 2,4-Dイソプロピルアミン塩 (2,4-PAイソプロピルアミン塩) 2,4-Dエチル (2,4-PAエチル) 2,4-Dジメチルアミン (2,

3 農薬類検査 本項は 管理目標設定項目のうち農薬類の詳細について示すものです (1) 検査期日 年 2 回 ( 散布時期に合わせた 6 月及び 9 月 ) (2) 検査項目と方法 各農薬類 109 項目 : 水質基準に関する省令の制定及び水道法施行規則の一部改正等並びに水道水質管理における留意事項

Microsoft Word - 別紙2_H4課長通知改正新旧 _1645rev0522_1600_REV1739池_rev0611_1340佐

序 文 1 範 囲 2 引 用 規 格 3 用 語 と 定 義 4 技 術 要 求 事 項 4.1 アセフェート 4.2 アシフルオルフェン 4.3 アラクロール 4.4 アルジカルブ 4.5 ディルドリンおよびアルドリン 4.6 リン 化 アルミニウム 4.7 アミトラズ 4.8 アニラジン 4.

平成 30 年度浄水場における原水中の農薬実態調査結果 1 調査対象浄水場浄水場周辺及び上流部に農地又はゴルフ場等が存在する次の浄水場 14 地点の原水を対象としました (1) 飯能市本郷浄水場 ( 伏流水 ) (2) 秩父広域市町村圏組合小鹿野浄水場 ( 表流水 ) (3) 秩父広域市町村圏組合皆

合物の検査も行いましたが 全て不検出でした オ食品の苦情等 食品の苦情 5 件について 8 検体 242 項目の検査を実施しました 苦情の内容は 表 17 に示します (2) 家庭用品及び器具 容器包装の検査繊維製品に防しわ性 防縮性などの目的で ホルムアルデヒドを含む樹脂による加工が行われています

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特集 切花の輸入 平成 29 年 2 月 24 日東京税関 成田空港の輸入品にも春が来る! 輸入される切花は 菊 と カーネーション で 6 割を占める 毎年 3 月は ばら が輸入のピークを迎える 3 月が最初のピーク 春が近づき 花の話題が増える季節となりました 輸入品においても季節ごとの商品が

収入保険制度と既存の類似制度と の比較のポイント 平成 30 年 6 月

は慣用名 70 エマメクチン安息香酸塩 71 塩化第二鉄 8.0E+3 8, オクタノール 75 カドミウム及びその化合物 76 ε-カプロラクタム 79 2,6-キシレノール 80 キシレン 9.9E+4 3.7E+5 1.0E+5 6.4E+4 82 銀及びその水溶性化合物

84 グリオキサール 85 グルタルアルデヒド クレゾール 0 87 クロム及び3 価クロム化合物 88 6 価クロム化合物 0 89 クロロアニリン 90 アトラジン シアナジン 92 トルフェンピラド 93 メトラクロール 塩化ビニル 95 フルアジ

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主食豆類 青果類 学校給食使用の産地について 熊谷市産キヌヒカリ パン麺 ごま パラグアイ パラグアイえのきたけ じゃがいも 長崎 もやし ( フ ラックマッヘ ) にんじん 青森 おくら 鹿児島 玉ねぎ 佐賀 さやいんげん 白菜 長崎 鹿児島 レタス ピーマン エリンギ 新潟 大根 青森 とうがら

物質番号 2. 届出外の事業者等からの排出源別 対象化学物質別届出外排出量推計結果総括表 ( 参考 1~21) 対象化学物質年間排出量 (t/ 年 ; ダイオキシン類はg-TEQ/ 年 ) 物

表 1. 実施件数 ( 単位 : 件 ) 対象国産 対象国以外産 計 野菜類 果実類 食肉 計 米国 カナダ オーストラリア及びニュージーランド 表 2. 実施件数 ( 単位 : 件 ) 対象国産 対象国以外産 計 野菜類 5

1 我が国の農産物輸入等の動向 (1) 概観 ( 海外依存を高めた我が国の食料供給 ) 我が国の農産物輸入は 2000 年を100として 1960 年の15.7から2015 年には165.3まで 金額ベースで10.5 倍と大幅に増加している 多様な食生活が実現される中 需要が拡大した畜産物や油脂類の

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分析結果証明書 依頼 2016/04/07 25 エトフェンプロックス ND G14 26 エトフメセート ND G14 27 エトプロホス ND G14 28 エトベンザニド ND G14 29 エトリジアゾール ND G1

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分析結果証明書依頼 2015/03/16 28 エトベンザニド ND G14 29 エトリジアゾール ND G14 30 エトリムホス ND G14 31 オキサジアゾン ND G14 32 オキサジキシル ND

分析結果証明書依頼 2015/09/16 28 エトベンザニド ND G14 29 エトリジアゾール ND G14 30 エトリムホス ND G14 31 オキサジアゾン ND G14 32

分析結果証明書依頼 2016/07/27 24 エトキシキン ND G14 25 エトフェンプロックス ND G14 26 エトフメセート ND G14 27 エトプロホス ND G14 28 エトベンザニド ND

08-03月くらし-3.3

食品群別栄養素等摂取量 - 食品群 栄養素別 摂取量 - 総数 歳 E B 1 B 2 C 飽和一価不飽和 n-6 系 n-3 系脂肪酸脂肪酸脂肪酸脂肪酸 mg g 総量 水溶性 不溶性 μgre 1 μg mg 2 μg mg mg mgne 3 mg μg μg mg mg mg g

一太郎 10/9/8 文書

~ メディケア食品 原料原産地情報の公開 ~ マルハニチロ株式会社では 東京都消費生活条例の規定により メディケア食品に使用している主な原材料の産地についてホームページでご案内しております 商品の主な原材料である 魚介類 肉類 野菜 果実類 等 また商品の名前として使用している原材料 ( 副原料 調

3. 結果 (1) 検体今回実施した調査で使用した検体の内訳は表 1 及び表 2 のとおりである 表 1. 実施件数 ( 単位 : 件 ) 対象国産 対象国以外産 計 野菜類 果実類 食肉 計 米国 カナダ オーストラリア及びニュー

表 1 測定対象農薬 GC-MS 農薬測定項目 179 農薬 LC-MS 農薬測定項目 72 農薬 1 BHC 73 チフルザミド 145 プロピコナゾール 1 アジンホスメチル 2 DDT 74 テクナゼン 146 プロピザミド 2 アゾキシストロビン 3 EPN 75 テトラコナゾール 147

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主食 平成 26 年 パン 麺 9 月分 熊谷市産キヌヒカリ県産小麦粉 輸入小麦粉 豆類きな粉大豆 もやし ( フ ラックマッヘ ) ブロッコリーエクアドル じゃがいも枝豆 にんじんこまつな九州 玉ねぎほうれんそう宮崎 にらとうもろこし ごぼうしそ中国静岡 ピーマン温州みかん佐賀長崎 大根青森 きゅ

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11 表 1 平成 5 野菜の 1a 当たり収量 及び ( 全国 ) 計 1 a 当たり収量 対前比 1 a 当たり収量 ( 参考 ) 対平均収量比 481,1 1,551, 11,451, 99 nc nc 根 菜 類 169,5 5,144, 4,6, 98 nc nc

Microsoft Word - (別紙2)H4課長通知新旧対照表

【生食0921第2号】施行通知

小美玉市学校給食食材 放射能測定結果一覧 使用機器 : CAPTUS-3000A シンチレーションスヘ クトロメーター ( ) 使用機器 : TN300B ヘ クレルモニター印刷日 : 平成 31 年 4 月 11 日 検査日 使用日使用施設名検査品目 生産地 放射性セシウム (Bq/Kg) Cs-

2017 電波産業調査統計

は じ め に

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Ⅰ. 世界海運とわが国海運の輸送活動 1. 主要資源の対外依存度 わが国は エネルギー資源のほぼ全量を海外に依存し 衣食住の面で欠くことのでき ない多くの資源を輸入に頼っている わが国海運は こうした海外からの貿易物質の安定輸送に大きな役割を果たしている 石 炭 100% 原 油 99.6% 天然ガ

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向日市水道事業事務報告書 1 概況平成 23 年度末の給水人口は5 万 3,765 人で 前年度に比べ368 人減少し 給水件数は 1 万 8,739 件で 前年度に比べ1 件増加しました 給水状況は 年間総給水量が613 万 2,291 立方メートルで 前年度比 4 万 4,298 立方メートル

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第 3 章九州の産業別貿易動向 1. 自動車 自動車の部分品 2017 年の九州の自動車輸出額は 1 兆 7,006 億円 ( 前年比 27.4% 増 ) で前年より増加し 4 年連続の増加となった 輸出先は 米国が最も多く 次いで中国 アラブ首長国連邦等であった 2017 年の九州の自動車生産台数

熊谷市キヌヒカリ県小麦粉 輸入小麦粉 豆類大豆秋田 キャベツ神奈川こまつな宮崎 にんじんえのきたけ長野 きゅうりブロッコリーエクアドル愛知 りんごたけのこ 熊谷ごまパラグアイグアテマラボリビア にんにくグリンピースニュージーランド しょうがいよかん愛媛 大根神奈川山形れんこん 玉カリフラワーエクアド

1表紙・目次○

目次 1. コメ 1 2. 野菜 果実 2 3. 茶 3 4. 薬用植物 4 5. 牛乳 乳製品 5 6. 食肉 6 7. 水産物 7 8. 加工食品 8

社団法人日本果汁協会 認定業務規程

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野菜品目別 別 別取扱高 (2) 山 口 1,964 1,210, ,964 1,210, 熊 本 12,166 7,980, ,269 2,720, ,435 10,700, 計 12,166 7,980,

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15 表 1 平成 7 野菜の 1a 当たり収量 及び ( 全国 ) 計 品目 1 a 当たり収量 対前比 1 a 当たり収量 474,7 1,654, 11,66, 99 nc nc 根 菜 類 164,7 5,11, 4,49, nc だ い こ ん,9 4,6 1

野菜品目別 別 別取扱高 (2) 愛 媛 187 7, , 高 知 , , , 福 岡 20,050 7,163, , , ,734 7

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第 3 章九州の産業別貿易動向 1. 自動車 自動車の部分品 2016 年の九州の自動車輸出額は 1 兆 3,346 億円 ( 前年比 15.6% 増 ) と 3 年連続の増加となった 輸出先は 米国が最も多く 次いで中国 アラブ首長国連邦等となっている 2016 年の九州の自動車生産台数は 135

検討の背景 現在 輸入乾牧草と競争力のある粗飼料の増産を中心として飼料自給率の向上を目標に施策を展開 一方 稲わら等を給与された家畜に由来する畜産物の安全を確保することが喫緊の課題 19 年度 ( 概算 ) 551 万 TDN トン 輸入 22% 国産 78% 27 年度 ( 目標 ) 590 万

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品目 1 エチルパラニトロフェニルチオノベンゼンホスホネイト ( 別名 EPN) 及びこれを含有する製剤エチルパラニトロフェニルチオノベンゼンホスホネイト (EPN) (1) 燃焼法 ( ア ) 木粉 ( おが屑 ) 等に吸収させてアフターバーナー及びスクラバーを具備した焼却炉で焼却する ( イ )

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速報

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VIII 各国の農薬の使用状況 各国の農薬の使用状況に関する情報については いくつかの国における使用農薬の傾向など断片的な情報はあるものの 作物ごとに使用農薬の種類や使用量などの具体的データがまとめられているものは現時点できわめて少なく ここでは以下の資料を参考にした 1) Agricultural Chemical Usage ( 米国農務省の National Agricultural Statistics Service から提供 ) http://usda.mannlib.cornell.edu/mannusda/viewdocumentinfo.do?documentid=1001 本サイトには 野菜 果実 その他の作物に関する農薬使用量が収載されている 2) i-mapsigma データベース (DB)( 英国 Kynetec 社 ) 本データベースは 民間調査会社が行った世界約 60 ヶ国の農薬消費量についての市場調査データベースで 同社のパンフレットでは本データベースは世界の農薬消費の約 90% をカバーしているとしている この他 EU の使用量に関する情報 (1992~1999) もあったが 調査年が古いため今回の報告書には利用できなかった (http://europa.eu.int/estatref/info/sdds/en/milieu/use_of_plant_protection_products.pdf) 米国農務省の Agricultural Chemical Usage は米国における使用量データのみであるため 日本の輸入量が多い主な国 / 作物における農薬の使用状況に関しては i-mapsigma DB を中心に調査した 1. 各国 / 作物ごとの農薬の使用状況わが国で輸入量の多い主な原産国と作物について i-mapsigma DB をもとに農薬の使用状況 ( 作物ごとの使用量全体にしめる割合の多い農薬 ) を調査した データは 2002 年 ( エクアドル 南アフリカ ) 2003 年 ( 台湾 韓国 ベトナム ブラジル ) を除き 2004 年のものである (1) 中国主な作物について使用割合が多い農薬は以下のとおりであった 野菜わが国は中国からさまざまな種類の野菜を輸入しており 特にたまねぎ ねぎ にんじん しょうが さといもなど国別輸入量で中国が 1 位の野菜も非常に多い 本データベースでは 中国のデータは個々の野菜ごとではなく 野菜 としてまとめられていた 野菜について使用割合が多かった農薬は マンコゼブ ( 殺菌剤 ) ジクロルボス( 殺虫剤 ) クロロタロニル( 殺菌剤 ) グリホサート( 除草剤 ) カルベンダジム( 殺菌剤 ) で マンコゼブは使用量全体の約 4 分の 1 ジクロルボスは約 10 分の 1 であった 米 1

米で使用割合が多かった農薬は 多い順に Bisultap( 殺虫剤 ) ブタクロール( 除草剤 ) Monosultap( 殺虫剤 ) トリアゾホス( 殺虫剤 ) であった Bisultap 及び Monosultap は合わせると使用量全体の 20% 以上であったが 日本ではあまり知られていない農薬で MRL は設定されていない 中国以外の国の使用量データには これら 2 つの農薬は記載されていなかった 大豆大豆については アセトクロール ( 除草剤 ) がほぼ 50% をしめ 次いでカルボフラン ( 種子粉衣剤 seed dressing) 2,4-D エステル ( 除草剤 ) であった 豆類日本で検査されている豆類は ささげ 小豆 緑豆などの beans とスナップエンドウ さやえんどうなどの peas であるが 本データベースでは Beans としてのみ収載されているため ここでは両者を特に区別はせず 豆類 (Beans) として扱う 豆類で使用割合が多かった農薬は Monosultap メタミドホス( 殺虫剤 ) カルボフランなどで Monosultap は使用量全体のほぼ 4 分の 1 であった 茶中国の茶では 多い順に グリホサート ( 除草剤 ) ジクロルボス( 殺虫剤 ) パラコート ( 除草剤 ) であり グリホサートは使用量全体のほぼ 4 割であった 落花生中国の落花生で使用割合が多かった農薬は 主にアセトクロール ( 除草剤 ) とカルベンダジムで それぞれ使用量全体の約 20% 程度であった 日本の輸入時検査で時折違反例があるダミノジッドは 使用量の多い農薬の中に含まれていなかった レイシ中国のレイシでは 多い順に トリクロルホン ( 殺虫剤 ) グリホサート マンコゼブ ( 殺菌剤 ) で トリクロルホンは使用量全体の約 3 分の 1 グリホサートは約 5 分の 1 であった 全体として 中国の各作物で使用される頻度が高い農薬は カルベンダジム チオファネートメチル マンコゼブ ジクロルボス アセトクロール クロロタロニル チラムなどであった わが国では 2005 年 ( 平成 17 年 ) までの検疫所における輸入時検査 ( 一斉分析 ) においては カルベンダジム マンコゼブ チオファネートメチル クロロタロニルは検査対象となっていなかったが 平成 18 年度モニタリング計画通知 ではこれらの農薬はいずれも検査対象となっている わが国が中国から輸入する食品としては 野菜が種類 量共に非常に多い 本データベースで 野菜 に使用される農薬としては マンコゼブ ( 殺菌剤 ) の割合が最も多く使用量全体の約 4 分の 1 をしめ 次いでジクロルボス ( 殺虫剤 ) クロロタロニル( 殺菌剤 ) であった Bisultap 及び Monosultap は 使用している作物の種類は限られるものの 使用 2

割合は米で Bisultap( 殺虫剤 ) が最も多く Monosultap( 殺虫剤 ) が 3 位であった また 豆類では Monosultap が全体の使用量の約 4 分の 1 で最も多かった しかしこれらの農薬についての情報はきわめて少なく CAS 番号や構造について web 情報からきわめて限られた情報が得られたものの その正確さについては確認できていない 中国産りんご及び梨で Asomate( 殺菌剤 ) が使用されていたが ( それぞれ全使用量の数 % 程度 ) Asomete は商品名で ( 有効成分は有機ヒ素 ) わが国では失効している また 中国産ハーブでは Amobam(( 殺菌剤 エチレンビスジチオカーバメート系農薬 ) の使用量が最も多かった (2) 米国 わが国で米国からの輸入量が多い小麦 トウモロコシ 大豆 柑橘類 ( オレンジ ) について 使用割合が多い農薬は以下のとおりである 小麦米国産小麦で使用割合の多かったものは 2,4-D( 除草剤 ) 及びグリホサート ( 除草剤 ) で それぞれ使用量全体の約 40% 25% であった 使用量が 10 位までの農薬のうち クロルピリホス ( 殺虫剤 ) マンコゼブ( 殺菌剤 ) プロピコナゾール( 殺菌剤 ) 以外は すべて除草剤であった トウモロコシ米国産トウモロコシについては 多い順に アトラジン アセトクロール s-メトラクロール グリホサートで いずれも除草剤であり これらを合わせると使用量全体の 80% 以上をしめた 大豆米国産大豆についての使用割合は グリホサート ( 除草剤 ) が約 80% で圧倒的に多く グリホサート トリメシウム塩と合わせると約 85% であった 2 位のペンディメタリンは数 % であった 10 位までの農薬すべてが除草剤であった オレンジ本データベースでは米国産のグレープフルーツや柑橘類全般に関するデータがなく オレンジでの使用量をみた オレンジでは 油 ( 殺虫剤 ) が約 50% で最も多く 次いで石油 ( 殺菌剤 殺虫剤 ) が約 30% であった グリホサート ( 除草剤 ) は数 % 程度であった 全体として 小麦 トウモロコシ 大豆 オレンジの 4 作物のうち 前者 3 作物では 使用されている農薬のほとんどが除草剤であった オレンジは油や石油の使用が約 80% を占めた 3

(3) カナダわが国でカナダからの輸入量が多い小麦 大豆 ナタネについて 使用割合の多い農薬は以下のとおりである 小麦デュラム小麦 春小麦 冬小麦のいずれも 使用量 10 位までの農薬すべてが除草剤であった いずれの小麦も 使用量の多い農薬は グリホサート MCPA ブロモキシニル そして 2,4-D 類 (2.4-D-アミン塩 2,4-D 2,4-D エステル類など ) などの除草剤であった 大豆カナダ産大豆については グリホサートが約 60% 次いでメトラクロール( 除草剤 ) であった ジメトエート ( 殺虫剤 ) を除き 10 位までの農薬すべてが除草剤であった ナタネカナダ産ナタネについては グリホサートが 70% 近くを占めており この他にグルホシネートアンモニウム塩 グリホサートトリメシウム塩などが使用されているが 10% 以下であった (4) その他 1) オーストラリアわが国でオーストラリアからの輸入量が多い大麦 ナタネについては いずれも使用量 10 位以内の農薬は除草剤であった 大麦では 使用量全体の約半数がグリホサート 約 3 分の 1 がトリフルラリンであった ナタネでは アトラジンとグリホサートがそれぞれ約 30% 次いでトリフルラリン シマジンであった 2) 韓国わが国は韓国からのパプリカ ピーマン とうがらし ( ペッパー ) の輸入が多いが 本データベースにはパプリカ ピーマンは収載されていなかった とうがらし ( ペッパー ) で使用割合の多い農薬としては マンコゼブが最も多く 20 数 % 他はクロロタロニル イソプロチオラン ( 殺菌剤 植物成長調整剤 ) など 10% 以下であった 3) 台湾台湾からの作物でわが国の輸入量が最も多いものはえだまめ ( 冷凍 ) 次いでバナナである 豆類 バナナ共に 使用量が最も多い農薬はマンコゼブ ( 殺菌剤 ) で それぞれ農薬の全使用量の約 3 分の 1 を占めている 豆類ではこの他 テルブホス ( 殺虫剤 ) カルバリル ( 殺虫剤 ) バナナではホレート アメトリン( 除草剤 ) などがいずれも約 10% であった 4

4) タイタイからの作物でわが国の輸入量が最も多いものは マニオカデンプン ( タピオカでんぷん ) やキャッサバ芋 米 しょうが えだまめ他の豆類であるが 入手できたのはキャッサバと緑豆のみであった キャッサバで使用割合の多いものは パラコート ( 除草剤 ) 及びグリホサートで 合わせて 80% 近い 緑豆では グリホサートが約 4 分の 1 次いでアラクロール( 除草剤 ) マンコゼブ ( 殺菌剤 ) パラコートなどであった タイ産作物では えだまめ 香草などで検出例や違反例が多いが これらのデータは得られなかった 5) ベトナムベトナムからは米とコーヒーの輸入量が多いが この他にマニオカデンプンや冷凍ほうれんそうの輸入も多い データベースでは 個別の野菜ではなく 野菜 としてまとめられていた 野菜は 1 位のジネブ ( 殺菌剤 ) と 2 位のマンコゼブ ( 殺菌剤 ) 合わせて約 3 分の 1 をしめた この他 割合は低いがプロピネブ ( 殺菌剤 ) が 6 位で ジチオカーバメート系農薬の使用量が多い コーヒーは 1 位のグリホサートと 2 位の硫酸銅 ( 殺菌剤 ) を合わせて半分以上を占めた 6) インドネシアフィリピンからの輸入量が多いコーヒーについては 塩基性塩化銅 ( 殺菌剤 ) が約 4 分の 1 で最も多く 次いでカルバリル ( 殺虫剤 ) グリホサート( 除草剤 ) などであった 7) フィリピンフィリピンからの輸入量が多いバナナについては 使用量全体の約 70% がミネラルオイル ( 殺菌剤 ) であり 次いでマンコゼブ ( 殺菌剤 ) であった 8) ブラジルブラジルからのわが国の輸入量が多い作物は コーヒーと大豆である 大豆についてはグリホサート及びその塩が 60% 以上を占め コーヒー豆についてもグリホサート及びその塩が半数以上をしめた 9) メキシコメキシコからのわが国の輸入量が多い作物は メロン アボカド スイートコーンである メロンでは マンコゼブ 硫黄 ( 殺虫剤 殺菌剤 ) メタミドホス( 殺虫剤 ) クロロタロニル ( 殺菌剤 ) アボカドでは塩基性塩化銅( 殺菌剤 ) グリホサート 硫黄 トウモ 5

ロコシではアトラジン グリホサート 2,4-D- アミン塩などの割合が多かった 10) チリチリからはレモン ライム オレンジ ぶどうなどの輸入量が多い ぶどうでは 硫黄が使用量全体の半分以上 次いでマシン油が約 20% であった 11) コロンビアコロンビアからはコーヒーの輸入量が多い コーヒーについては グリホサートが 70% 以上であった 12) エクアドルエクアドルからはバナナの輸入量が多い バナナでは 約 40% がグリホサートで 次いでマンコゼブ クロロタロニルがそれぞれ 10% 程度であった 13) ドイツドイツからはライ麦及びばれいしょの輸入量が多い ばれいしょで使用割合の多い農薬は マンネブ マンコゼブで合わせて 40% 以上 次いでメチラム プロスルホカルブ プロピネブなどであり ジチオカーバメート系農薬が多い 14) 南アフリカ共和国南アフリカ共和国からはグレープフルーツ 次いでオレンジやレモン ライムなど柑橘類の輸入が全体の輸入量の大半を占める 柑橘類での使用割合は マシン油 ( 殺虫剤 殺菌剤 ) が全体の農薬使用量の 70% 以上を占めている (5) 全体の概要 1) 農薬使用量に関する各国の特徴及び傾向今回調査対象とした各国 / 作物において それぞれの組合せごとに使用量が 10 位以内に入っている回数の多かった農薬は以下のとおりである ( 回数の多い順 ) 但し 例えば 1 位と 10 位など順位による重みの修正は加えていない また 中国や米国は調査対象とした作物の種類が多いため 中国及び米国での農薬の使用傾向が全体の傾向に与える影響は相対的に多くなっている 殺虫剤 : ジクロルボス カルボフラン クロルピリホス ジメトエート トリクロルホン メタミドホス 殺菌剤 : マンコゼブ カルベンダジム チオファネートメチル クロロタロニル 塩基性塩化銅 6

除草剤 : グリホサート ( グリホサート トリメシウム塩を含む ) 2,4-D 類 (2,4-D アミ ン塩 2,4-D エステル等を含む ) パラコート アセトクロール アトラジン アラクロ ール この他 本データベースによる使用状況についての主な特徴は以下のとおりであった グリホサート 2,4-D 類 マンコゼブ パラコートは さまざまな国で使用されているが カルベンダジム チオファネートメチル アセトクロール ジクロルボスは特に中国での使用量が多かった 中国に特徴的な農薬として Monosultap( 使用割合は豆類で 1 位 米で 3 位 ) Bisultap ( 米で 1 位 ) があった また 中国産リンゴ及び梨に使用されている Asomate や ハーブで使用量 1 位の Amobam も中国で特徴的であった カナダ産の小麦 大豆 ナタネ 米国産の小麦 大豆 トウモロコシ オーストラリア産の大麦 ナタネについては 使用農薬のほとんどが除草剤であった ベトナム産野菜では ジネブ マンコゼブ プロピネブなどジチオカーバメート系農薬の使用が多かった 2) 残留モニタリング検査で検出例が多かった農薬と使用状況の関連使用量が多い農薬のうち グリホサート 2,4-D パラコート カルベンダジム チオファネートメチル マンコゼブ クロロタロニルなどは 日本では 2002~2004 年度の輸入時検査 ( 一斉分析 ) の対象となっていないため 検出例はなかった 外国のモニタリング検査結果において カルベンダジム クロロタロニル ジチオカーバメート系農薬 ( マンコゼブ等 ) などの検出頻度は比較的高い 一方 グリホサートは各国における使用量が非常に多いが 検出例はきわめて少ない 分析操作が比較的煩雑なため各国で検査対象となっていない可能性もあるが 除草剤としての使用時期などにより最終製品に残留しにくいことも考えられる 使用量が多い農薬のうち日本でも 2002~2004 年の輸入時検査 ( 一斉分析 ) 対象になっている農薬 ( ジクロルボス アセトクロール カルボフラン クロルピリホス ジメトエートなど ) についてみた場合 ジクロルボス クロルピリホス ジメトエートの検出例は多いが アセトクロール カルボフランは検出例がないか もしくは非常に少なかった 日本の輸入時検査でさまざまな作物に検出例が多かったクロルピリホス シペルメトリン フェンバレレート マラチオン メタミドホスのうち シペルメトリン フェンバレレートについては本データベースでの使用量が全体として少なく マラチオンやメタミドホスも 日本の検査における検出件数の多さに比べれば使用量は比較的少なかった 日本の輸入時検査においてシペルメトリン及びフェンバレレートの検出件数が多かったのは 中国産スナップエンドウ 未成熟さやえんどう しそなどの検査命令等により検査件数自体が非常に多かったことにもよる この点はバイアス要因のひとつであるが これらの農薬は 7

検出件数だけでなく検出率も高かった 全体として i-mapsigma DB での使用量とわが国の輸入食品中残留農薬検査における検出量の間にさほど関連性はみられなかった その理由として 2005 年以前に各国で多く使用されていた農薬の中にわが国の検査対象となっていなかったものがあること 検査命令等により特定の農薬 / 作物 / 国の検査件数が他に比べて多くなる場合があること 限られた情報源からの全体像の把握は難しく 実際の検出量との間にある程度の乖離はあり得ることなどが考えられる しかしながら 現時点で使用量に関する情報源が他にほとんどないこと 及び本データベースで使用量が多いとされている農薬のうち わが国でこれまで検査対象となっていなかった農薬が多いことから 各国 / 作物において特に使用割合の多い農薬 ( 特に殺虫剤や殺菌剤 ) については 今後特に注目していく必要があると考えられる 2. 米国の農薬の使用状況 ( 米国農務省の Agricultural Chemical Usage から) 現時点で作物ごとの農薬の具体的な使用状況がわかる情報源はきわめて限られているが米国の使用状況については米国農務省の National Agricultural Statistics Service から提供されている Agricultural Chemical Usage がある http://usda.mannlib.cornell.edu/mannusda/viewdocumentinfo.do?documentid=1001 本サイトには Field Crops( トウモロコシ 大豆 小麦 カラス麦など ) Vegetables ( スイートコーン レタス たまねぎ かぼちゃ トマト いちご メロンなど ) Fruits ( おうとう グレープフルーツ キウイ レモン オレンジ ももなど ) 等について農薬 ( ポストハーベスト農薬を含む ) の使用量 ( 重量ベース ポンド ) が収載されている 作物 年度によって調査対象となる州が異なる 例えば 2004 年の冬小麦での使用量調査は 14 州が対象となっており 州ごと及び全体の使用量が掲載されている 米国から日本への輸入が多いいくつかの作物 ( ) を中心に 使用量が多い農薬を表 VIII-1 に示した 大豆 春小麦 冬小麦 トウモロコシ 生鮮スイートコーン たまねぎ グレープフルーツ レモン オレンジ ぶどう おうとう いちご (1) 概要 全般に Field crops で農薬の使用量 ( 重量ベース / 年 ) が多い 特にトウモロコシと大豆では使用量 1,000 万ポンド以上の農薬がある トウモロコシでは 除草剤のアトラジン ( 約 5700 万ポンド ) アセトクロール( 約 3000 万ポンド ) s-メトラクロール ( 約 2400 万ポンド ) グリホサート及び塩類( 約 2400 万ポンド ) 殺虫剤のクロルピリホス( 約 200 万ポンド ) テフルトリン( 約 60 万ポンド ) であった 大豆は 除草剤のグリホサート及び塩類 ( 約 6500 万ポンド ) スルホサート(270 万ポンド ) ペンディメタリン (210 万ポンド ) 殺虫剤のクロルピリホス(140 万ポンド ) 殺菌剤のピラクロストロビン (8 万ポンド ) などであった トウモロコシ及び大豆共に 使用農薬及び使用量は除草剤が多い 8

表 VIII-1 米国の農薬の使用状況 ( 米国農務省の Agricultural Chemical Usage から ) ( 使用量の単位 :1000 ポンド ) 順位大豆 (2005) 使用量 春小麦 (2004) 使用量 冬小麦 (2004) 使用量 トウモロコシ (2005) 使用量 スウィートコーン 生鮮使用量 タマネギ (2004) 使用量 (2004) 除草剤 1 グリホサート及びそ 64,730 MCPA 類 2,057 グリホサート 3,648 アトラジン 57,390 アトラジン 176 ペンディメタリン 81 のイソプロピルアミン塩 2 スルホサート ( グリ 2,681 グリホサート 1,555 2,4-D 及びその塩 3,455 アセトクロール 29,802 S-メトラクロール 112 DCPA 32 ホサート トリメシウム塩 ) 3 ペンディメタリン 2,123 2,4-D 及びその塩 1,461 MCPA 類 507 S-メトラクロール 23,652 ブチレート 58 ベンスリド 31 4 トリフルラリン 1,791 グリホサート及びそ 23,926 アラクロール 44 ブロモキシニル 22 の塩 ( 主にイソプロピルアミン塩 ) 5 2,4-D 及びその塩 1,539 シマジン 2,424 グリホサート 22 6 ジメテナミド-P 2,372 オキシフルオルフェ 13 殺虫剤 1 クロルピリホス 1,413 クロルピリホス 9 クロルピリホス 438 クロルピリホス 2,047 メソミル 268 クロルピリホス 52 2 アセフェート 220 ジメトエート 7 パラチオンエチル 133 テフルトリン 637 クロルピリホス 115 ダイアジノン 49 3 テブピリムホス 573 チオジカルブ 74 メソミル 48 4 テルブホス 331 ホレート 26 オキサミル 34 殺菌剤 1 ピラクロストロビン 80 テブコナゾール 162 プロピオコナゾール 35 マンコゼブ 244 マンコゼブ 333 2 アゾキシストロビン 57 プロピオコナゾー 87 ピラクロストロビン 22 水酸化銅 9 クロロタロニル 247 ル 3 ピラクロストロビン 48 テブコナゾール 15 クロロタロニル 9 水酸化銅 87 4 マンネブ 52 その他 ジクロロプロペン 956 メタムナトリウム 819 クロルピクリン 192 2004 年まではグリホサートの塩類はグリホサートとして記載 9

表 VIII-1 米国の農薬の使用状況 ( 米国農務省の Agricultural Chemical Usage から ) ( 使用量の単位 :1000 ポンド ) 順位キャベツ 生鮮 (2004) 使用量 トマト 生鮮 (2004) 使用量 結球レタス (2004) 使用量 その他のレタス (2004) 使用量 おうとう ( 甘い種類 ) (2005) 使用量 ブルーベリー (2005) 使用量 除草剤 1 トリフルラリン 11 パラコート 27 ベンスリド 147 ベンスリド 127 グリホサート ( イソプロ 28 ジウロン 13 ピルアミン塩 ) 2 s-メトラクロール 9 s-メトラクロール 27 プロナミド 35 プロナミド 49 パラコート 12 ノルフルラゾン 13 3 DCPA 9 メトリブジン 27 ベネフィン 21 ベネフィン 5 オリザリン 12 シマジン 11 4 ナプロパミド 7 ナプロパミド 11 グリホサート ( イソプ 12 ロピルアミン及びアンモニウム塩 ) 5 殺虫剤 1 ダイアジノン 15 エンドスルファン 86 ダイアジノン 87 ダイアジノン 57 マシン油 1,072 マラチオン 53 2 ジメトエート 8 メタミドホス 59 アセフェート 76 メソミル 36 カオリン 85 ホスメット 32 3 メソミル 5 ダイアジノン 17 メソミル 46 ニーム油 29 臭化メチル 73 マシン油 23 4 スピノサド 5 ジメトエート 13 オキシデメトンメチ 37 ペルメトリン 11 カルバリル 50 ダイアジノン 23 5 イミダクロプリド 12 マラチオン 49 アジンホスメチル 16 6 クロルピリホス 40 殺菌剤 1 クロロタロニル 129 マンコゼブ 893 マンネブ 246 マンネブ 169 硫黄 457 キャプタン 105 2 マンネブ 43 水酸化銅 793 ホセチルアルミニウ 90 ホセチルアルミニ 90 ポリ硫化カルシウム 111 ジラム 79 ム ウム 3 マンコゼブ 30 クロロタロニル 590 イプロジオン 41 イプロジオン 18 水酸化銅 103 水酸化銅 53 4 硫黄 290 ポリ硫化カルシウム 34 5 チオファネートメチ 21 その他 臭化メチル 6,457 メタムナトリウム 311 シアナミド 137 シアナミド 16 クロルピクリン 3,875 2004 年まではグリホサートの塩類はグリホサートとして記載 10

表 VIII-1 米国の農薬の使用状況 ( 米国農務省の Agricultural Chemical Usage から ) ( 使用量の単位 :1000 ポンド ) 順位グレープフルーツ 使用量 (2005) 除草剤 1 グリホサート ( イソ プロピルアミン及び アンモニウム塩 ) レモン (2005, カリフォルニア ) 221 グリホサート ( イソプロピルアミン塩 ) 使用量オレンジ (2005) 使用量ぶどう (2005) 使用量ぶどう 乾燥 (2005) 使用量いちご (2004) 使用量 56 グリホサート ( イソプロピルアミン及びアンモニウム塩 ) 1,865 グリホサート ( イソプロピルアミン及びアンモニウム塩 ) 454 グリホサート ( イソプロピルアミン及びアンモニウム塩 ) 81 8 2 シマジン 186 ジウロン 14 シマジン 702 シマジン 229 シマジン 74 ナプロパミド 6 3 ジウロン 102 ジウロン 789 オリザリン 134 オリザリン 38 4 ブロマシル 42 ノルフルラゾン 263 パラコート 115 2,4-D 類 19 5 オキシフルオルフェン 108 パラコート 12 オキシフルオルフェン 11 殺虫剤 1 マシン油 5,656 マシン油 1241 マシン油 41,150 マシン油 844 クリオライト 187 マラチオン 39 2 硫黄 745 硫黄 77 アルジカルブ 208 クリオライト 255 プロパルギット 14 メソミル 26 3 アルジカルブ 111 クロルピリホス 343 クロルピリホス 110 ビフェナゼート 9 ナレド 7 4 オキサミル 86 クリオライト 234 カルバリル 32 ビフェナゼート 6 5 クロルピリホス 66 カオリン 120 6 硫黄 543 殺菌剤 1 水酸化銅 413 硫酸銅 33 水酸化銅 740 硫黄 29,121 硫黄 7,125 硫黄 295 2 塩基性硫酸銅 23 水酸化銅 14 塩基性硫酸銅 241 リン酸カリウム 1,004 水酸化銅 63 キャプタン 276 3 アゾキシストロビン 8 塩基性硫酸銅 9 酸化銅 197 重炭酸カリウム 256 重炭酸カリウム 40 チラム 43 その他 4 硫酸銅 106 マンコゼブ 229 酸化銅 35 フェンヘキサミド 23 5 水酸化銅 218 ジラム 31 2,4-D イソプロピル 1 メタルデヒド 18 メタルデヒド 57 ジクロロプロペン 1,102 ジベレリン酸 3 臭化メチル 2,709 エステル 2,4-D イソプロピル 20 Sodium 483 エテホン 2 クロルピクリン 1,604 エステル tetrathiocarb ジベレリン酸 13 シアナミド 90 ジクロロプロペン 715 2004 年まではグリホサートの塩類はグリホサートとして記載 11

野菜及び果実では 農薬使用量は Field crops に比べてはるかに少ない 但し オレンジでは殺虫剤としてマシン油約 4,100 万ポンド ぶどうでは殺菌剤として硫黄約 2,900 万ポンドを使用している 果実に使用されている農薬は 殺虫剤ではマシン油 硫黄などが多く 殺菌剤では水酸化銅 硫酸銅 硫黄などが多い ( スルホサート : グリホサート トリメシウム塩 ) (2) 他の情報源との使用量の比較米国農務省の Agricultural Chemical Usage での農薬使用状況と i-mapsigma DB による米国の使用状況 ( 小麦 トウモロコシ 大豆 オレンジ ) を比較したところ 各品目で特に使用量が多い農薬は 概ね同じであった ( 下記 ) 小麦 : グリホサート 2,4-D 及びその塩類 MCPA 類 クロルピリホス トウモロコシ : アトラジン アセトクロール s-メトラクロール グリホサート シマジン ジメテナミド クロルピリホス 大豆 : グリホサート ペンディメタリン トリフルラリン 2,4-D 及びその塩類 オレンジ : マシン油 グリホサート ジウロン シマジン (3) 残留モニタリング検査結果との比較表 VI-3 に 各国の残留検査で検出数や違反件数が多かった作物 / 農薬をまとめたが そのうち米国産いちごでキャプタン メソミル ジチオカーバメート類 ベノミルなど 米国産おうとうでキャプタン カルバリル イプロジオン クロロタロニルなどの検出数が多かった 米国農務省の使用量データと比較した場合 いちごではキャプタン (276,000 ポンド ) メソミル (26,000 ポンド ) などの使用量が多く 一致している おうとうでは カルバリル (50,000 ポンド ) やクロロタロニル (46,000 ポンド ) の使用量は比較的多いが キャプタン (7,000 ポンド ) イプロジオン(7,000 ポンド ) は少なかった 日本の検査 (2002-2004) では オレンジでクロルピリホス グレープフルーツでエチオン ブルーベリーでマラチオン レタスでペルメトリンなどの検出率が若干高い 米国農務省の使用量データでは オレンジでクロルピリホス (343,000 ポンド ) ブルーベリーでマラチオン (53,000 ポンド ) などの使用量が比較的多かったが グレープフルーツでエチオンは非常に少なかった (4) ポストハーベスト農薬米国農務省の使用量データで 主な作物に使用しているポストハーベスト農薬を表 VIII-2 に示した 日本の残留農薬検査でトウモロコシにマラチオン及びピリミホスメチルが検出されてい 12

表 VIII-2 米国の農薬の使用状況 -ポストハーベスト ( 米国農務省の Agricultural Chemical Usage から) ( 使用量の単位 :1000ポンド) 落花生 (2004- 使用量 バレンシアオレン使用量トウモロコシ (2002) 使用量大豆 (2002) 使用量小麦 (2002) 使用量玄米 (1999) 使用量 精米 (1999) 使用量 2005) ジ (2003-2004) 殺虫剤 二酸化ケイ素 18 リン化アルミニウ 20 リン化アルミニウ 115 二酸化ケイ素 23 リン化アルミニ 8 ム ム ウム リン化アルミニウ 4 二酸化ケイ素 6 二酸化ケイ素 113 リン化アルミニ 22 ム ウム ピペロニルブトキ 3 マラチオン 2 臭化メチル 19 フィプロニル 1 シド ピリミホスメチル 1 クロルピリホスメチ 19 ル マラチオン 15 シリカゲル 2 殺菌剤 OPP-Na 11 カルボキシン 3 テブコナゾール 0.2 チラム 16 イマザリル 3 チラム 3 カルボキシン 15 チアベンダゾー 3 メタラキシル 6 ル その他 リン酸 94 ジベレリン酸 0.1 ドデシルベンゼンスルホン酸 29 13

るが これらは米国でポストハーベスト農薬として用いられている また米国産小麦でクロルピリホスメチル及びマラチオンの検出率が高いが これらも米国でポストハーベスト農薬として用いられている 3. その他 ベトナム ( 独 ) 農畜産業振興機構の調査報告書 1),2) によれば ベトナムにおける農薬の登録件数は約 1,400( 商品数 ) 及び約 490( 有効成分数 ) であり そのうち禁止農薬は 29( 商品数 ) 及び 17( 有効成分数 ) である MRL は ASEAN の基準を適用している 計画投資省 (MPI) での聞き取り調査では 1990 年代は旧ソ連や東独に野菜が輸出されていたが 冷戦終結後はほとんど輸出されなくなった ここ数年 日本向け冷凍野菜の輸出が増加しており その一因として 2002 年の日本における中国産冷凍ほうれんそうからの基準値を超える残留農薬の検出があるとみられている 輸出向け野菜を生産できる地域は 現時点ではフランスや日本の技術支援があり品質のよい野菜が生産可能な特定の地域に限られているが 今後 他の地域が発展する可能性がある JETRO の貿易統計データベースによれば ベトナムからの輸入量が多い野菜 果実類 (2005 年 ) は 冷凍ほうれんそう等 (5,860 トン ) きゅうり ガーキン(3,250 トン ) その他の冷凍果実 ナッツ (1,240 トン ) である 以下の表は JETRO の貿易統計データベースから抽出した中国及びベトナムからの冷凍ほうれんそうの輸入量である 冷凍ほうれんそうの輸入量は 2004 年及び 2005 年に急増している ベトナムで使用されている農薬の使用量等に関する資料は入手できなかった わが国の輸入量 (JETRO 貿易統計データベースから ) 冷凍ほうれんそう等 ( 未調理のもの 蒸気 水煮処理したもの ) (KG) 年 2000 2001 2002 2003 2004 2005 中国 44,906,618 50,748,055 22,683,327 4,551,629 4,973,616 11,903,436 ベトナム - 3,329 18,000 1,069,142 5,192,945 5,857,544 1) 月報野菜情報 - 海外情報 -2006 年 2 月 : ベトナムにおける野菜の生産 加工および流通の現状 (( 独 ) 農畜産業振興機構 ) 加藤信夫 高田直也 http://vegetan.vegenet.jp/ippan/2005vietnam1.pdf 2) ベトナムにおける安全野菜と加工野菜の生産事情 ~ 一部品目で中国を補完する野菜供給地 ~(( 独 ) 農畜産業振興機構 ) 加藤信夫 高田直也 http://vegetan.vegenet.jp/ippan/2006vietnam.pdf 14

4. 考察各国における農薬の使用状況については 日本で輸入量が多い作物 / 原産国を中心に i-mapsigma DB をもとに農薬の使用状況を調査した (2004 年 一部 2002 年及び 2003 年 ) 中国の各作物で使用される頻度が高い農薬は 全体としてカルベンダジム チオファネートメチル マンコゼブ ジクロルボス アセトクロール クロロタロニル チラムなどであった わが国で中国からの輸入量が種類 量共に非常に多い 野菜 ( 個別の種類ではなく一括して収載されている ) では マンコゼブ ( 殺菌剤 ) が最も多く 次いでジクロルボス ( 殺虫剤 ) クロロタロニル( 殺菌剤 ) が多かった この他 中国の米や豆類に使用されている農薬の中に Monosultap 及び Bisultap の記載があり これらの農薬は今回の調査で中国に特徴的であった 全般に グリホサート 2,4-D 類 パラコート ジチオカーバメート系農薬等は さまざまな国で使用されているが カルベンダジム チオファネートメチル アセトクロール ジクロルボスは特に中国で使用されている場合が多かった 米国の小麦 トウモロコシ 大豆 カナダの小麦 オーストラリアの大麦及びナタネ ブラジルの大豆など フィールド作物では使用農薬のほとんどが除草剤であった 中でも グリホサートは各国で使用量が非常に多いが 外国の検査結果では検出例はきわめて少ない 分析操作が比較的煩雑なため各国で検査対象となっていない可能性もあるものの 除草剤としての使用時期などにより最終製品に残留しにくいことが考えられる ジチオカーバメート系農薬は 各国の残留農薬検出状況の調査においても 検出頻度が比較的高かったが 使用状況の調査においても 各国 / 各作物で広く使用されていた 韓国のとうがらし 台湾の豆類及びバナナ メキシコ産メロンで マンコゼブの使用量が最も多かった バナナについては 台湾 (1 位 ) の他 フィリピン エクアドルでマンコゼブの使用量が 2 位である また ベトナム産野菜では ジネブ マンコゼブ プロピネブなどの使用量が多く ドイツのばれいしょも マンネブ マンコゼブ メチラムなどの使用量が多い このように ジチオカーバメート系農薬は さまざまな国で多くの作物への使用量が多く 今後 残留状況を特に注目していく必要があると考えられる 調査結果の中で全体的に使用量が多かった農薬のうち グリホサート 2,4-D パラコート カルベンダジム チオファネートメチル クロロタロニル ジチオカーバメート系農薬などは 2005 年度以前は日本の輸入時検査 ( 一斉分析 ) で検査対象となっておらず検出例はなかった しかし外国の検査結果では 上述のジチオカーバメート系農薬と共に カルベンダジム クロロタロニルなどの検出頻度が高く これらの農薬についても今後注目する必要がある 15

まとめ日本で輸入量が多い作物 / 原産国を中心に各国の農薬の使用状況を調査した 作物ごとの農薬の種類及び使用量がわかる情報源はきわめて少なかった 限られた情報 (2004 年中心 ) からではあるが 全体の傾向は以下のとおりである フィールド作物 ( 小麦 トウモロコシ 大豆 ナタネなど ) の輸出国は 米国 オーストラリア カナダ ブラジルなどであるが これらの作物では グリホサートなどの除草剤の使用量が圧倒的に多かった 中国の各作物で使用される頻度が高い農薬は カルベンダジム チオファネートメチル マンコゼブ ジクロルボス アセトクロール クロロタロニル チラムなどであった わが国で中国からの輸入量が多い野菜では マンコゼブ ジクロルボス クロロタロニルなどが多かった 米国産オレンジ 南アフリカ共和国産柑橘類 チリ産ブドウ メキシコ産アボカドなどの果実類では 油 硫黄 塩基性塩化銅などの使用量が多かった 使用量が比較的多い農薬のうちわが国でこれまで輸入食品の一斉分析の対象となっていなかった農薬も多いことから 各国 / 作物で使用量のシェアの多い農薬 その中でも特に外国の検査結果で検出頻度が高いカルベンダジム / チオファネートメチル クロロタロニル ジチオカーバメート系農薬 ( マンコゼブ等 ) などの農薬については 今後注目していく必要がある 16