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Colloquium 第109 回 運輸政策コロキウム テーマ1 地方におけるインバウンド観光の実態とその効果 テーマ2 観光立国の推進について 平成 24 年 2 月 16 日 運輸政策研究機構 大会議室 講演の概要 テーマ1 1. 講師 栗原 剛 運輸政策研究機構運輸政策研究所研究員 2. 講師


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045-052第91回コロキウム.qxd 08.10.20 10:15 M ページ 045 Colloquium 第91 回 運輸政策コロキウム 地方鉄道の経営効率性 第三セクターと民営の比較分析 平成20年6月27日 運輸政策研究機構 大会議室 1. 講師 大井尚司 財 運輸政策研究機構運輸政策研究所研究員 2. コメンテーター 瓦林康人 国土交通省鉄道局財務課長 3. 司会 森地 講演の概要 1 はじめに 地方鉄道の経営環境は年々悪化して おり 最近では路線の維持を断念する 茂 財 運輸政策研究機構運輸政策研究所長 的に分析した研究は若干見られ 第三 公民混合企業の成立背景として 先 セクターを全般的に非効率であると結 行研究 Eckel and Vining4 Boardman 論付けている ただ 事業ごとの差異 et al.5 では以下 3点が指摘されてい は考慮されておらず また民間事業者と る すなわち ①市場の不備の補完 ② の比較は行われていない 地域間バランス確保 ③国家政策との 例が増加している 路線の廃止は 1990 本研究は 第三セクター一般に見ら 年代初めまでは中小民営事業者の路線 れる問題点を考慮し 第三セクターとい 公民混合企業のメリットとして 先行 がほとんどで 中には第三セクターへ経 う経営形態が民営と比較して効率性で 研究では以下4点を挙げている すな 営形態を転換して維持してきた例もみ 劣るものなのかを 地方鉄道事業を対 わち ①リスク分散が可能なこと ②社 られた しかし 最近では第三セクター 象に定量的に分析した 分析は 経営 会的到達点や政策目的との一致が容易 事業者も路線の維持が困難になってお 形態の差異を考慮した費用構造の定量 なこと ③公営企業と比べ効率的であ り 路線の廃止や廃止を検討する事例 的分析と アンケート調査という2つの ること ④法制度や雇用制度に関する が増加している アプローチで行った 柔軟性があること である また 国 地方の財政の悪化に伴い なお 本報告は 大井1 2 3 の内容の 整合性確保 である 一方 公民混合企業のデメリットとし 公共が出資する企業体の整理が議論さ 全部ないし一部を要約したものである て 先行研究では以下4点を挙げてい れている これは鉄道を含めた運輸部 紙幅の都合上 分析の前提条件等の説 る すなわち ①政策的 政治的圧力 門も例外ではなく 経営改善とともに 明は割愛せざるを得ないため 詳細に と組織スラック 無駄 の発生 ②ソフト 経営形態の変更 民営化や管理委託等 ついてはこれら文献を参照されたい な予算制約の存在 ③所有権の拡散や が議論されている 効果帰属の問題 ④エージェンシー問 地方鉄道では第三セクターという経 2 第三セクターの理論的考察 題 である 例えば 事業継続や雇用継 営形態が採られる例が多いが 地方鉄 実際の分析に入る前に 第三セクター 続が非効率となる場合でも 公務員の 道の研究で定量的に研究したものは極 のような公民混合企業の成立背景 利 配置転換先確保等の観点からこれらが めて少ない 第三セクター全体を定量 点と欠点について簡単に整理する 行われる可能性があり その場合はス ラックが生じる また 損失補填の制度 が存在すれば 経営効率化努力の程度 が小さくなる可能性がある この場合 ソフトな予算制約の問題や 所有者の 意向に反した非効率の発生 いわゆる エージェンシー問題 モラルハザード がおきる可能性がある 3 費用構造の定量的考察 では 前述した理論的問題点が 地 講師 大井尚司 コロキウム コメンテーター 瓦林康人 方鉄道の第三セクターにおいて存在す Vol.11 No.3 2008 utumn 運輸政策研究 045

3.1 3 1985909520004 1 4 344 3.2 1 2000 2 JROB 50 3 3.3 3.3.1 Mizutani 6 1 3.1 3.3.2 OB 3.3.3 1 950 900 850 800 750 700 650 600 550 500 450 400 350 1985 1990 1995 2000 2005 2 046 Vol.11 No.3 2008 utumn

50 50 4 155 4 2004 2006 40 11.111.111.1 12.5 23.8 33.3 53.1 19.0 4.1 2 5 3 4.2 19.0 33.3 66.7 4.8 12.5 18.8 3.1 33.3 33.3 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 67.7 71.4 100.0 100.0 6.5 19.4 9.7 4.8 9.5 9.5 4.8 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 1 2 3 4 5 6 1 2 3 4 5 Vol.11 No.3 2008 utumn 047

4 4 5 5 1 2000 574.1km 2008 2006 1 JR JR JR 2000 1 9.5 11.1 12.5 9.4 15.6 19.0 33.3 33.3 14.3 11.1 15.6 14.3 22.2 18.8 14.3 66.7 22.2 12.5 12.5 19.0 3.1 9.5 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0.0 0.0 11.1 21.9 19.0 2030 1020 510 5 37.5 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 2 1987 19872005 19 203 048 Vol.11 No.3 2008 utumn

31 92 8 6 100 4,000/ 20 3 2,000/ 2,000/ 1,000/ 3 4 Colloquium Vol.11 No.3 2008 utumn 049 0 1,000 2,000 4,000 50 70 80 90 100 8,000 H19.4.1 H20.4.1 IGR H17.4.1 H20.4.1 H19.4.1 H19.9.6 H20.4.1 H18.12.1 H18.4.21 H15.1.1

46 198538 20054692 7 9 5 3 7 3 3 3 3 20 1/2 1/2 71 Q 050 Vol.11 No.3 2008 utumn

Q PFI JR JR Q Q NPO NPO NPO NPO heritage railway NPO Q 1 9 21 58 30 1 Colloquium Vol.11 No.3 2008 utumn 051

Q 1 LRT 1 2005 22005 2005 3 2006 20086 4 5 12007 PDF http://www.lib.kobe-u.ac.jp/repository/thesis/d1/ D1003843.pdf 22006 50 pp. 99-108 32007 6710pp. 56-64 4Eckel, C. C. and. R. Vining1985Elements of a Theory of Mixed EnterpriseScottish Journal of Political Economy, Vol. 32 No. 1pp. 82-94 5Boardman,., C. Eckel and. Vining1986The dvantage and Disadvantage of Mixed Enterprises Research in International Business and International RelationsVol. 1pp. 221-244 6Mizutani, F.2004Privately Owned Railways Cost Function, Organization Size and Ownership Journal of Regulatory EconomicsVol. 25 No. 3pp. 297-322 052 Vol.11 No.3 2008 utumn