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総務省 安心して電波を利用するために 平成 18 年 9 月 19 日総務省総合通信基盤局電波部電波環境課長杉浦誠

総務省 1 1 電波利用の拡大と電波の安全性 2 電波が人体に与える影響について 3 電波が医療機器に与える影響について 4 電波の安全性に関する情報の提供

総務省 2 1 電波利用の拡大と電波の安全性 1-1 電波の特徴 1-2 我が国の電波利用について 1-3 電波利用の拡大と電波の安全性

1-1 電波の特徴 (1) 総務省 3 波長 λ 電界 磁界 電磁波が速さ v で伝搬 v = f λ v[m/s]: 電波の伝わる速さ ( 光と同じ 30 万km /s) f [Hz]: 周波数 ( 一秒間に電界 ( 磁界 ) が振動する回数 ) λ[m]: 波長 ( 電界 ( 磁界 ) の波の山 ( 谷 ) から次の山 ( 谷 ) までの長さ ) 電波の強さ ( 電力密度 ) は アンテナからの距離の2 乗に反比例 距離が2 倍になれば4 分の1に距離が3 倍になれば9 分の1に

1-1 電波の特徴 (2) 総務省 4 0Hz 10,000km 30Hz 100km 3kHz 障害物の後ろに回り込みやすい情報量が少ない 1km 10m 10cm 1cm 0.1mm 10nm 300kHz 30MHz 3GHz 30GHz 3THz 30,000THz 電波の伝わり方 伝送できる情報量 電磁波 直進性が強い情報量が多い 波長 周波数 電 電界と磁界が強さを変化させながら空間を伝わっていく 周波数帯により携帯電話やTV 放送など様々な用途に利用されている 波 光波 ( 光 ) 赤外線 可視光線 紫外線 電離放射線 X 線 ガンマ線 多量に浴びることによって細胞の遺伝子が傷つけられ がん等の原因となり得ることが知られている 0Hz 静電界 静磁界波の性質を持たず 電界と磁界が独立して存在 ~300Hz 超低周波電磁界周波数が非常に低く 波長が非常に長い ( 地球の半径程度の規模 ) 高圧送電線からの電磁波 (50Hz 60Hz) はこれに当たる

1-1 電波の特徴 (3) 総務省 波長長い 周波数低い 0Hz 10,000km 30Hz 1,000km 300Hz 100km 3kHz 10km 30kHz 1km 300kHz 100m 3MHz 10m 30MHz 1m 300MHz 10cm 3GHz 1cm 30GHz 1mm 300GHz 0.1mm 3THz 電 波 直進性が非常に高く 伝送できる情報量は非常に大きい < 衛星通信 放送固定マイクロ回線レータ ー無線 LAN 等 > 直進性が高いが 山や建物の陰に回り込んで伝わることもできる 伝送できる情報量はかなり大きい < 携帯電話 PHS TV 放送レータ ー無線 LAN アマチュア無線等 > 極超短波 (UHF) マイクロ波準ミリ波 (SHF) ミリ波 (EHF) 光 可視光線波 紫赤外線 波長 10nm 周波数 30,000THz 波長短い 周波数高い 外線電離 放射線ガX線サブミリ波 ンマ線 直進性が高いが 山や建物の陰に回り込んで伝わることができる 伝送できる情報量は大きい <FM 放送 TV 放送航空管制通信等 > 超短波 (VHF) 電離層 (F 層 ) と地表との反射を繰り返し 地球の裏側まで到達することが可能 < 船舶 航空無線短波放送アマチュア無線等 > 短波 (HF) 比較的遠距離まで到達可能で 短波に比べて伝わり方が安定している < 中波放送 (AM ラジオ ) 等 > 中波 (MF) 固定通信に使用 超低周波 (ELF) 超長波 (VLF) 長波 (LF) 移動通信に使用 E=extremely S=super U=ultra V=very H=high M=medium L=low F=frequency 5

1-2 我が国の電波利用について (1) 総務省 電波はその特性に応じて 主に以下の 3 つの分野で利用されている (1) (1) 通信 放送への利用通信 放送への利用 ( ( 例 : : 携帯電話 テレビ放送携帯電話 テレビ放送 電波の木 (2) (2) 測位 遠隔測定への利用測位 遠隔測定への利用 ( ( 例 :GPS( :GPS( 全地球測位システム全地球測位システム )) )) 樹齢 100 年以上 (3) (3) エネルギー利用エネルギー利用 ( ( 例 : : 電子レンジ 調理用電子レンジ 調理用 IH) IH) RFID 無線 LAN ETC 船舶 漁業通信 携帯電話 PHS 衛星 海上 能動 受動 電波時計各種レーダ能動衛星航法双曲線航法 GPS ビーコン 陸上 遠隔測定 測位 航空通信 航空 移動 測位 遠隔測定 電流の磁気作用 ( エルステッド 1820 年 ) 衛星通信 通信 放送 衛星 固定 無線電信の実用化 ( マルコーニ 1895 年 ) 電波の実証 ( ヘルツ 1888 年 ) 電磁波理論 ( マクスウェル 1864 年 ) 地上 エネルギ 利用 放送 電磁誘導 ( ファラデー 1831 年 ) 防災無線 衛星テレビ 電磁界効果電界効果 磁界効果 テレビラジオ テレビ 衛星テレビ 電子レンジ IH 電波利用分野 ラジオ

1-2 我が国の電波利用について (2) 総務省 我が国の電波利用は質量ともに飛躍的に発展 ユビキタス社会に向け さらに高度化が期待 無線局数の増大 無線システムの発展 ( 伝送速度 ) 1Gbps 100Mbps 10Mbps 1Mbps 100kbps 移動局固定局放送局その他 4,195 局 552 局 80 局 291 局 1G ( アナロク ) 5,118 局 1950 年 実用化済 実用化予定 検討中 無線 LAN/ アクセス 約 750 倍 無線 LAN (2.4GHz) 約 381 万局 移動局 固定局放送局 その他 約 107 万局 約 3.8 万局約 2.4 万局 約 268 万局 1985 年 約 26 倍 無線 LAN (2.4GHz) 802.11b Bluetooth 移動局 固定局 放送局その他 無線 LAN (5GHz) 802.11a 3G 約 9,817 万局 約 9.6 万局 約 2.5 万局約 192 万局 2005 年 約 1 億 21 万局 無線 LAN (5GHz) 802.11n WiMAX 無線局数は約 2 万倍に 3.5G 超高速無線 LAN 4G 2G 携帯電話 ZigBee ( テ シ タル ) 1990 1995 2000 2005 2010 UWB 携帯電話系無線 LAN/ アクセス系アドホック系

1-2 我が国の電波利用について (3) 総務省 いつでも どこでも 何でも 誰でも ネットワークに簡単につながるユビキタスネット社会の実現のためには 利用者とネットワークをつなぐために電波を必ず使う必要がある 公共スペース 教育 その場でわからないこともネットで調べられる 車線変更します ( 平成 15 年情通審答申 電波政策ビジョン より ) 500m 先に事故発生交通機関 車同士の直接の通信によるデータ交換 近づき過ぎです ワイヤレスによる乗車手続き 予約席通知 座席情報 メール等メッセージ配信 行き先タウン情報等 生活 カメラやマイク GPS を駆使した総合学習 授業でのモバイル活用 モバイル端末を活用した臨場感のある野外学習 ワイヤレスによる車同士の通信 速度情報 ブレーキング情報 路面情報等のデータ交換による事故防止など ビジネス 今年の新作となります! 鍵穴なしのドア 電子レンジ テレビ IC カート リアルだし分かりやすくていいわ コーヒーメーカ 照明 電子タグ ワイヤレスによるホームコントロール セキュリティ 使い慣れたリモコンを使ったり 音声やシ ェスチャーで家庭機器をコントロール 見守りロボットによるホームセキュリティ 携帯で VPN をはって社内のスケジュールを確認しよう 無線スポットで残ってた仕事を片付けるか 到着前にメールを確認するか ワイヤレスオフィス 社員の誰もがどんな状況でも社内ネットワークにアクセス どこにいてもミーティンク が可能 ( ワイヤレスミーティンク ) 営業活動にワイヤレスを利用 12

1-3 電波利用の拡大と電波の安全性 総務省 13 電波利用の普及 高度化に伴い 電波が人体や医療機器に与える影響に対する懸念が増大 電波の安全性について的確な対応が必要 人体に与える影響 医療機器に与える影響 人体 電波発射源 医療機器

総務省 14 2 電波が人体に与える影響について 2-1 電波防護のための指針 2-2 電波防護指針の概要 2-3 電波防護規制 ( 電波防護指針の制度化 ) 2-4 電波が人体に与える影響に関する研究 2-5 電波の安全性に関する国際動向

2-1 電波防護のための指針 総務省 15 これまで 50 年以上の研究の蓄積 1 刺激作用 電波によって体内に生じた誘導電流等より刺激を感じる (100kHz 程度以下 ) 2 熱作用 人体に吸収された電波のエネルギーが熱となり 全身の又は部分的な体温を上昇させる (100kHz 程度以上 ) これらの作用を及ぼす電波の強さ ( しきい値 ) 十分な安全率 ( 一般環境で 50 倍 ) 人体に影響を及ぼさない電波の強さの指針 電波防護指針 ( 平成平成 2 年策定 平成 9 年追加年追加 ) 我が国の電波防護指針は 国際非電離放射線防護委員会 (ICNIRP) が策定した国際ガイドラインと同等

2-2 電波防護指針の概要 (1) 総務省 電磁界強度指針 全身が電波に均一にばく露され 全身での電波の吸収が最大となる条件を仮定して換算した電波の強さ 電波の強さ ( 平均時間 6 分間 ) の指針値 ( 一般環境 ) 周波数 f 電界強度 E(V/m) 10kHz - 30kHz 275 30kHz - 3MHz 275 3MHz - 30MHz 824f -1 30MHz - 300MHz 27.5 300MHz - 1.5GHz 1.585f 1/2 1.5GHz - 300GHz 61.4 磁界強度 H(A/m) 72.8 2.18f -1 2.18f -1 0.0728 f 1/2 /237.8 0.163 ( 参考 ) 無線局のアンテナから発射される電波 ( 電界 ) の強さの例 f は MHz を単位とする周波数 電力密度 S(mW/cm 2 ) 0.2 f/1500 1 出展 : 郵政省 電波利用施設の周辺における電磁環境に関する研究会報告 (1987 年 7 月 ) 携帯電話については 高さ 40m のアンテナから 200m 離れた地点における電界の強さを基本的な算出式で計算した例 ( 基地局の出力 :900MHz 帯及び 1.5GHz 帯 32W 2.1GHz 帯 60W) 基本的な算出式では 十分に大きめの値が見積もられている 16

2-2 電波防護指針の概要 (2) 総務省 17 デジタル携帯電話基地局のアンテナから発射される電波の地上での電力密度の例 携帯電話基地局のアンテナは ある特定の方向 ( 図の例ではアンテナから 200m 先の地点 ) に電波を発射しており 真下にはあまり電波を発射していない 建物の内部では 電波は壁や屋根によって吸収 反射されるので 電波の強さは基準値をはるかに下回る

2-2 電波防護指針の概要 (3) 総務省 局所吸収指針 適用範囲 : 周波数 100kHz-3GHz 対象 : 身体に近接 1 して使用する小型無線機等 1 電磁放射源との距離 : 100kHz-300MHzは20cm 以内 300MHz - 3GHzは10cm 以内に適用 全身平均 SAR 2 局所 SAR 2 接触電流 電波のエネルギーが身体の局所に集中して吸収されるような場合における基準値 一般環境 0.08 W/kg 任意の組織 10g 当たり 2 W/kg 4 W/kg( 四肢 ) 45 ma (100kHz-100MHz) ( 接触ハザード 3 が防止されていない場合 ) 平均時間 : 6 分間 2 SAR(Specific Absorption Rate 比吸収率 ): 生体が電磁界にさらされることによって単位質量の組織に単位時間に吸収されるエネルギー量 3 接触ハザード : 接触電流を生じさせるような潜在的な状況 18

19 2-3 電波防護規制 ( 電波防護指針の制度化 ) 総務省 1 電波の強度に対する安全施設の設置 電波の強さが基準値を超える場所に一般の人々が容易に出入りできないよう 安全施設の設置を義務付け ( 平成 11 年 10 月 ) 安全施設 2 人体頭部に吸収されるエネルギー量の許容値の遵守 人体頭部で吸収される電力の比吸収率 (SAR) の許容値 (2W/kg) を強制規格として規定 ( 平成 14 年 6 月 ) 比吸収率 (SAR:Specific Absorption Rate) とは 生体が電磁界にさらされることによって単位質量の組織に単位時間に吸収されるエネルギー量をいう 900MHz 1.5GHz SAR の値高い低い 頭部横断面の SAR 分布 ( 上から見た図 )

2-4 電波が人体に与える影響に関する研究 (1) 総務省 電波が人体に与える影響を科学的に解明するため 生体の安全性評価等に関する研究を推進 1 生体電磁環境研究推進委員会 医学 工学の研究者等により構成される 生体電磁環境研究推進委員会 ( 委員長 : 上野照剛九州大学特任教授 ) を平成 9 年度より開催し 動物実験等による生体の安全性評価等に関する研究を推進 2 主な活動 研究の推進 疫学調査 ボランティア研究 動物実験 細胞実験 ドシメトリ ( ばく露評価 ) 等 疫学調査とは 地域や集団内で収集した症例のデータを整理 分析し これらを解析することにより 疾患や健康に関する事象の発生の原因等の関連性を明らかにする調査 国際連携 世界保健機関 (WHO) 等の国際機関との連携 専門家会合を通じた諸外国 ( 米国 欧州 韓国等 ) との連携 協力 20

2-4 電波が人体に与える影響に関する研究 (2) 総務省 3 これまでの主な研究成果 血液 - 脳関門 1 に及ぼす影響に関する実験 (H9 H10) 記憶機能に及ぼす影響に関する実験 ( 迷路学習実験 )(H11~13) 熱作用を及ぼさない強さの電波ばく露では影響なし 熱作用を生じない条件では影響なし 脳腫瘍の発生に及ぼす影響に関する実験 ( 長期局所ばく露実験 )(H12~14) 長期にわたる携帯電話の使用が脳腫瘍の発生に及ぼす影響は認められない 脳微小循環動態 2 に及ぼす影響に関する実験 (H12~14) 携帯電話の電波が脳微小循環動態に及ぼす影響は認められない 睡眠に及ぼす影響に関する実験 (H14~16) 携帯電話の電波による脳内でのメラトニンの合成への影響は認められない 1 血液 - 脳関門 (BBB:Blood-Brain Barrier): 脳毛細血管と脳細胞の間に存在し 脳内に毒性物質が侵入するのを防御するなどの働きをしている構造の総称 2 脳微小循環動態 : 脳内の微小血管における動的に変動する様々な循環指標 血管径 血流速度 白血球の挙動 BBB の機能等 21

2-4 電波が人体に与える影響に関する研究 (3) 総務省 4 中間報告 要旨 ( 平成 13 年 1 月 ) 1 電波の人体への影響については 我が国をはじめ 世界各国で 50 年以上に及ぶ研究成果が蓄積されてきており これらの膨大な科学的知見に基づいて 電波の健康影響の閾値に十分な安全率を見込んだ電波防護指針が策定されている 2 近年 携帯電話の急激な普及を背景として 電波による健康影響に関して国民の関心が高まっているが 我が国をはじめ国際的な専門機関では 電波防護指針値を下回る強さの電波によって健康に悪影響を及ぼすという確固たる証拠は認められないとの認識で一致している 3 一方 電波防護指針値以下の低レベルの電波が人体に影響を与える可能性があるとの報告が一部にはあるが これらの研究は必ずしも実験条件等が適切ではないといった問題が指摘されており このような研究成果は 本来 再現性の確認等を経てから安全性評価のデータとして取り扱われるべきものである しかしながら 正確な情報提供が必ずしも十分でないことが 国民の漠然とした不安を招く要因となっている 22

2-4 電波が人体に与える影響に関する研究 (4) 総務省 23 4 本委員会は 世界保健機関 (WHO) における国際電磁界プロジェクトと協調しながら 医学 生物学の専門家と高精度なばく露評価を行う工学の専門家による密接な連携の下で 公正かつ中立的に研究を行っている 本委員会におけるこれまでの成果では いずれも携帯電話基地局及び携帯電話からの電波が人体に影響を及ぼさないことを示している他 過去に影響があると報告された結果について生物 医学 / 工学的な手法を改善した実験においては いずれも影響がないという結果を得ている 5 したがって 本委員会は 現時点では電波防護指針値を超えない強さの電波により 非熱効果を含めて健康に悪影響を及ぼすという確固たる証拠は認められないと考える

2-4 電波が人体に与える影響に関する研究 (5) 総務省 5 平成 18 年度研究計画 1 疫学調査 ボランティア研究 (1) 携帯電話端末の使用と脳腫瘍の発生との関係についての疫学調査 (2) 携帯電話のヒト眼球運動への影響に関する研究 (3) 非熱的 RF 電磁界へのヒト感受性に関する研究 2 動物実験 (1) 高周波電磁波ばく露による生物学的影響評価 - 内分泌撹乱様作用について- (2) 生殖 発生 発達に対する2GHz 帯電磁波ばく露の修飾作用 (3) ミリ波による眼球への影響評価に関する研究 (4) 電波照射の脳微小循環動態に及ぼす影響と加齢性変化に関する研究 3 細胞実験 (1) 高周波ばく露の細胞生物学的影響評価と機構解析 ( 細胞実験 ) (2) 高周波ばく露の細胞生物学的影響評価と機構解析 ( 物理的条件からの検索 ) 4 ドシメトリ ( ばく露評価 ) (1) 症例対照研究の解析を補完する携帯電話利用者のばく露評価 (2) 生物実験のためのばく露評価とばく露装置の開発 (3) 人体全身平均 SARの特性評価 5 その他 (1) 携帯電話利用と健康に関するケースオンリー研究 (2) 国内外における電波の生体影響に関する研究の動向調査 24

2-5 電波の安全性に関する国際動向 (1) 総務省 25 国際非電離放射線防護委員会 (ICNIRP) (ICNIRP:International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection ) ICNIRPは 非電離放射線に関する国際的な独立専門組織であり 電波や光の人体への安全性について科学的見地から検討し 勧告を行うことを任務としている これまで 十分な安全率を考慮した電波防護に係る国際ガイドラインを策定しており 多くの国がこれと同等のガイドラインを採用している 我が国の電波防護指針も この国際ガイドラインと同等

2-5 電波の安全性に関する国際動向 (2) 総務省 26 世界保健機関 (WHO) (WHO:World Health Organization) WHOは 電波の発生源が多様化 拡大する中で 電波が健康に及ぼす影響に対する公衆の高い関心に応えるため 1996 年に国際電磁界プロジェクトを発足させた 現在 国際がん研究機関 (IARC) や国際非電離放射線防護委員会 (ICNIRP) などの国際機関 我が国をはじめとする 54カ国以上の国がこのプロジェクトに参加している このプロジェクトでは 科学的文献の再検討や重点的研究の推奨 電磁界リスクに関する情報提供 リスク評価などを行い 最終的に環境保健基準として取りまとめることとしている 我が国も研究を実施し 貢献

2-5 電波の安全性に関する国際動向 (3) 総務省 国際がん研究機関 (IARC) (IARC:International Agency for Research on Cancer) WHOの付属機関であるIARCは 電波による発がんリスクの評価を実施するため 大規模な疫学調査 を推進中 我が国も調査を実施し 貢献 ( 参考 )IARC による発がん性評価 (IARC モノグラフ ) IARC モノグラフは 発がん性の有無を様々な証拠をもとに分類したものであって 発がん性の強さなどを評価したものではない 通信 放送等に用いられる電波については 現在検討中 送電線 家電製品等から生じる超低周波 (ELF) については 磁界成分を グループ 2B に分類 この分類には コーヒー 漬物 ガソリンエンジンの排気ガスなどがある 分類例 グループ1 グループ2A グループ2B グループ3 グループ4 発がん性がある (Carcinogenic to humans)(95 種 ) ヒトへの発がん性を示す十分な証拠がある場合等 おそらく発がん性がある (Probably carcinogenic to humans)(66 種 ) ヒトへの発がん性を示す証拠は限定的であるが 実験動物への発がん性を示す十分な証拠がある場合等 発がん性があるかもしれない (Possibly carcinogenic to humans)(241 種 ) ヒトへの発がん性を示す証拠が限定的であり 実験動物への発がん性に対して十分な証拠がない場合等 発がん性を分類できない (Not classifiable as to carcinogenicity to humans)(497 種 ) ヒトへの発がん性を示す証拠が不十分であり 実験動物への発がん性に対しても十分な証拠がないか限定的である場合等 おそらく発がん性はない (Probably not carcinogenic to humans)(1 種 ) ヒトへと実験動物への発がん性がないことを示唆する証拠がある場合等 コールタール カドミウム ダイオキシン ホルムアルデヒド タバコ アルコール飲料 X 線 太陽光 アスベスト PCB ディーゼルエンジン排気ガス 紫外線 太陽燈 クロロホルム 鉛 コーヒー 漬物 ガソリン ガソリンエンジン排気ガス 超低周波磁界 カフェイン 原油 水銀 サッカリン お茶 コレステロール 蛍光燈 静磁界 静電界 超低周波電界 カプロラクタム ( ナイロンの原料 ) 疫学調査とは 地域や集団内で収集した症例のデータを整理 分析し これらを解析することにより 疾患や健康に関する事象の発生の原因等の関連性を明らかにする調査 27

総務省 38 3 電波が医療機器に与える影響について 3-1 電波が医療機器に与える影響 3-2 医療機器への影響の防止に関する指針 3-3 医療機器への影響の防止に関する指針の概要 3-4 各種電波利用機器による影響の防止に関する指針 3-5 各種電波利用機器による影響の防止に関する指針の概要

3-1 電波が医療機器に与える影響 総務省 心臓に鼓動を促す電気信号 ( ペーシングパルス ) への干渉の発生 ペースメーカ等植込み型の医療機器 画面の乱れ等の発生 携帯電話等 医療機関内で使用される医療機器 電波の影響を受けにくくする技術的な対策が重要 技術的な対策が困難な部分は運用面で対応 39

3-2 医療機器への影響の防止に関する指針 総務省 電波による心臓ペースメーカ等への影響に対する懸念 医用電気機器への電波の影響を防止するための携帯電話端末等の使用に関する調査 (( 平成 7~8 年度不要電波問題対策協議会 )) 携帯電話端末等の電波が 心臓ペースメーカ (228 機種 ) 病院内の医用電気機器 (108 機種 ) 等 に与える影響について 調査を実施 医用電気機器への電波の影響を防止するための携帯電話端末等の使用に関する指針 を策定 (( 平成 9 年 3 月不要電波問題対策協議会 )) 不要電波問題対策協議会 : 不要電波による障害を防止し 除去するための対策を協議することを目的として設立 学識経験者 関係省庁 関係業界団体等から構成 現電波環境協議会 40

3-3 医療機器への影響の防止に関する指針の概要 総務省 医用電気機器への電波の影響を防止するための携帯電話端末等の使用に関する指針 ( 平成 9 年 3 月 ) の概要 ~ 医療機関内での携帯電話端末等の使用 ~ ~ 植込み型ペースメーカ装着者への配慮 ~ 携帯電話を持ち込まない 手術室 集中治療室など 携帯電話の電源を切る 検査室 診療室 病室など 使用できる場所の特定 待合室など医療機関側で認めた区域 22cm 以上離す 携帯電話 PHS 等 PHS の使用条件 医療機関の許可を得たもののみ使用可 容易に識別できるよう表示 ペースメーカ装着部位から 22cm 以上離して使用 満員電車等の混雑する場所では電源を切るよう配慮 医用電気機器への電波の影響を防止するための携帯電話端末等の使用に関する指針 は 次のアドレス( 電波環境協議会のHP) にて公表 http://www.arib.or.jp/emcc/ 41

42 3-4 各種電波利用機器による影響の防止に関する指針 総務省 総務省では 携帯電話端末を含む各種電波利用機器の電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響について継続的に調査を実施し 影響を防止するための指針を公表している 各種電波利用機器による影響の調査 平成 12 年度 ( 平成 13 年 5 月発表 ) 携帯電話端末及び PHS 端末が植込み型医療機器へ及ぼす影響平成 13 年度 ( 平成 14 年 7 月発表 ) 携帯電話端末及び PHS 端末が植込み型医療機器へ及ぼす影響平成 14 年度 ( 平成 15 年 6 月発表 ) ワイヤレスカードシステム及び電子商品監視 (EAS) 機器が植込み型医療機器へ及ぼす影響平成 15 年度 ( 平成 16 年 6 月発表 ) 電子商品監視機器 無線 LAN 機器及び RFID( 電子タグ ) 機器が植込み型医療機器へ及ぼす影響平成 16 年度 ( 平成 17 年 8 月発表 ) 携帯電話端末及び RFID 機器が植込み型医療機器へ及ぼす影響平成 17 年度 ( 平成 18 年 5 月発表 ) 携帯電話端末が植込み型医療機器へ及ぼす影響 各種電波利用機器の電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指針 を取りまとめ 公表 ( 平成 17 年 8 月制定 平成 18 年 5 月現行化 ) http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/pdf/060530_1_shi.pdf

43 3-5 各種電波利用機器による影響の防止に関する指針の概要 (1) 総務省 1 携帯電話端末及び PHS 端末の電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指針 ア植込み型医療機器の装着者は 携帯電話端末の使用及び携行に当たっては 携帯電話端末を植込み型医療機器の装着部位から 22 cm程度以上離すこと また 混雑した場所では付近で携帯電話端末が使用されている可能性があるため 十分に注意を払うこと イ植込み型医療機器の装着者は PHS 端末の使用及び携行に当たっては アの携帯電話端末の場合と同様に取り扱うこと (PHS 端末を植込み型医療機器へ近づけた場合に全く影響を受けないわけではなく また PHS 端末と携帯電話端末が外見上容易に区別がつきにくく 慎重に取り扱うという意味で 携帯電話端末と同様に取り扱うことが望ましい ) ウ携帯電話端末又は PHS 端末の所持者は 植込み型医療機器の装着者と近接した状態となる可能性がある場所 ( 例 : 満員電車等 ) では その携帯電話端末又は PHS 端末の電源を切るよう配慮することが望ましい

44 3-5 各種電波利用機器による影響の防止に関する指針の概要 (2) 総務省 2 ワイヤレスカード ( 非接触 IC カード ) システムの電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指針 ア心臓ペースメーカ装着者は ワイヤレスカードシステムのリーダライタ部 ( アンテナ部 ) から心臓ペースメーカの装着部位を 12cm 程度以上離すこと イ除細動器装着者は 日常生活において特別にワイヤレスカードシステムを意識する必要はないが 除細動器装着部位をワイヤレスカードシステムのリーダライタ部 ( アンテナ部 ) に密着させることは避けるべきである ウワイヤレスカードシステムの製造業者等は リーダライタ部 ( アンテナ部 ) を明確に認識できるよう表示等を工夫することが影響防止に有効である また 断続磁界モードは 影響が大きくなるので できる限り連続磁界モードを利用することが影響防止には有効である

3-5 各種電波利用機器による影響の防止に関する指針の概要 (3) 総務省 3 電子商品監視 (EAS) 機器の電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指針 ア植込み型医療機器の装着者は EAS 機器が設置されている場所及び EAS ステッカがちょう付されている場所では 立ち止まらずに通路の中央をまっすぐに通過すること イ植込み型医療機器の装着者は EAS 機器の周囲に留まらず また 寄りかかったりしないこと EAS ステッカ ウ植込み型医療機器の装着者は 体調に何らかの変化があると感じた場合は 担当医師に相談すること エ植込み型医療機器に対する EAS 機器の影響を軽減するため 更なる安全性の検討を関係団体で行っていくこと 日本 EAS 機器協議会の許諾を得て使用しています 45

3-5 各種電波利用機器による影響の防止に関する指針の概要 (4) 総務省 4 RFID( 電子タグ ) 機器の電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指針 (1) ゲートタイプ RFID 機器ア植込み型医療機器の装着者は ゲートタイプ RFID 機器が設置されている場所及び RFID ステッカがちょう付されている場所では 立ち止まらずに通路の中央をまっすぐに通過すること イ植込み型医療機器の装着者は ゲートタイプ RFID 機器の周囲に留まらず また 寄りかかったりしないこと ウ植込み型医療機器の装着者は 体調に何らかの変化があると感じられる場合は 担当医師に相談すること エ植込み型医療機器に対するゲートタイプ RFID 機器の影響を軽減するため 更なる安全性の検討を関係団体で行っていくこと (2) ハンディタイプ 据置きタイプ及びモジュールタイプの RFID 機器アハンディタイプ RFID 機器の操作者は ハンディタイプ RFID 機器のアンテナ部を植込み型医療機器の装着部位より 22 cm程度以内に近づけないこと イ植込み型医療機器の装着者は 装着部位を据置きタイプ及びモジュールタイプの RFID 機器のアンテナ部より 22 cm程度以内に近づけないこと ウ植込み型医療機器に対するハンディタイプ 据置きタイプ及びモジュールタイプの RFID 機器の影響を軽減するため 更なる安全性の検討を関係団体で行っていくこと ゲートタイプ RFID 機器用ステッカ ( 社 ) 日本自動認識システム協会の許諾を得て使用しています 46

46 3-5 各種電波利用機器による影響の防止に関する指針の概要 (5) 総務省 5 無線 LAN 機器の電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための対応 無線 LAN 機器によって影響を受けた植込み型医療機器は 1 機種であったことから 厚生労働省の協力を得て 医療機関を通じ同機種の利用者全員に対して 試験結果に基づく注意喚起が行われている よって 現時点で特段の注意をされていない植込み型医療機器の装着者は 無線 LAN 機器に対しては特別の注意は必要としない

4 電波の安全性に関する情報の提供 総務省 1 パンフレット等の作成 配布 電波の安全性に関してわかりやすいパンフレット等を作成し 各総合通信局 国民生活センター等において配布 2 ホームページによる情報の提供 総務省ホームページの下記アドレスにおいて 生体電磁環境に関する情報を提供 http://www.tele.soumu.go.jp/j/ele/body/index.htm 3 講演会の開催 全国各地で電波の安全性に関する講演会を開催 平成 17 年度実施状況 5 月 ( 名古屋 ) 6 月 ( 札幌 松本 福井 和歌山 岡山 ) 7 月 ( 仙台 高松 ) 8 月 ( 那覇 ) 10 月 ( 函館 富山 福岡 ) 11 月 ( 盛岡 東京 新潟 津 松江 ) 12 月 ( 北谷 ( 沖縄 )) 1 月 ( 鹿児島 ) 2 月 ( 横浜 神戸 徳島 岐阜 ) 計 23 箇所 48

総務省 49 電波の安全性に関する電波の安全性に関する 調査 研究 電波の安全性に関する電波の安全性に関する 指針の策定 制度化 より安心して安全に電波を利用できる環境を確保 電波の安全性に関する電波の安全性に関する 国際的な連携 協力 電波の安全性に関する電波の安全性に関する 情報の提供

参考 WHO ファクトシート 総務省 WHO ファクトシート 193 193 電磁界と公衆衛生携帯電話とその基地局 (2000 年 6 月改定 )(1) )(1) 健康への影響 無線周波ばく露の健康への影響ではっきりしているものは全て熱作用に関連するものである 顕著な加熱を生じせしめるには低すぎるレベルの無線周波エネルギーでも生体組織に作用することがあるが 国際ガイドラインの制限値よりも下のばく露レベルで健康への悪影響があることを示す研究はない がん : 現在の科学的証拠の示すところでは 携帯電話及びその基地局の輻射する電磁界などの無線周波電磁界へのばく露により がんが誘発されたり促進されたりすることは考えにくい 他の健康リスク : 脳の活動 反応時間 睡眠パターンの変化を含めて 携帯電話の使用によるがん以外の影響についても 科学者による報告がある これらの影響は小さく 明瞭な健康上の重大性はない WHO の文書は http://www.who.int/en/ で公表 本講演会資料では WHO のサイトに日本語訳のあるものは これを基に厳密さとわかりやすさの観点から一部変更を加えており 日本語訳のないものは 電波環境課にて和訳している 28

参考 WHO ファクトシート 総務省 29 WHO ファクトシート 193 193 電磁界と公衆衛生携帯電話とその基地局 (2000 年 6 月改定 )(2) )(2) 電磁界ガイドライン 国際非電離放射線防護委員会 (ICNIRP) の策定した国際ガイドラインは ( 熱効果及び非熱効果の両方の ) 全ての科学文献の注意深い解析に基づくものであり 無線周波エネルギーの危険性として確認された全てのものについて 十分な余裕を持って防護している 公衆の近づけるエリアにおける基地局からの無線周波信号レベルは 実測と計算の両方により 国際ガイドラインよりも遥かに低いこと ( 典型的には 100 分の 1 又はそれ以下 ) がわかる 携帯電話機による利用者の無線周波ばく露レベルはこれよりも相当大きいものの 国際ガイドラインよりは下である

参考 WHO ファクトシート 総務省 30 WHO ファクトシート 193 193 電磁界と公衆衛生携帯電話とその基地局 (2000 年 6 月改定 )(3) )(3) 結論及び勧告 健康に基づくガイドラインの厳守 : 国際ガイドラインは 携帯電話の利用者 基地局の近辺で勤務する人や居住する人 携帯電話を利用しない人を含めて 全ての人を保護するために策定されている 用心のための措置 ( 予防的措置 Precautionary measures) 政府 : 健康に基づくガイドラインを採用している規制当局が 一般公衆が懸念を持っているため 無線周波電磁界へのばく露を減少させるために追加的な用心のための措置を導入することを欲するとしても ばく露制限値に恣意的な追加安全係数を付け加えることによりガイドラインの科学的根拠を損なうべきではない 個人 : 携帯電話の使用について特別な用心が必要であることを示す科学的知見は現時点では存在しない もし懸念を持つのであれば 通話時間を制限するか ハンドフリー装置を使用して携帯電話を体や頭から離すことにより 自分自身や子供の無線周波ばく露を制限することを選択してもよい

参考 WHO ファクトシート 総務省 31 WHO 子供と携帯電話 : クラリフィケーション ステートメント (1) (1) 科学的不確実性分野における公衆衛生政策の指針に関するワークショップ (2005 年 7 月開催 ) 関連 これまでのところ 無線周波電磁界ばく露の健康への影響に関する専門家の評価は すべて同じ結論に至っている 即ち 国際非電離放射線防護委員会 (ICNI RP) が策定したばく露制限に関する国際ガイドラインより低いレベルの無線周波電磁界へのばく露により健康に悪影響が出るという結論は導かれていない ICNIRP のガイドラインは めったに起きないような 電磁界の吸収が最大となる条件でばく露される場合の電磁界への人のばく露を制限するために策定されており 制限値には 作業者を保護するために大きな安全率を また 子供を含めた一般公衆を保護するためにさらに大きな安全率を見込んでいる このように ICNI RP ガイドラインの制限値は保護レベルが高く 有効な科学的証拠に基づいている

参考 WHO ファクトシート 総務省 32 WHO 子供と携帯電話 : クラリフィケーション ステートメント (2) (2) WHO は 2000 年に 携帯電話とその基地局に関するファクトシート (193) を発表した その Precautionary Measures( 予防的措置 ) のセクションにおいて次のように述べている 携帯電話の使用について特別な用心が必要であることを示す科学的知見は現時点では存在しない もし懸念を持つのであれば 通話時間を制限するか ハンドフリー装置を使用して携帯電話を体や頭から離すことにより 自分自身や子供の無線周波ばく露を制限することを選択してもよい

参考 WHO ファクトシート 総務省 WHO ファクトシート 296 296 電磁界と公衆衛生電磁過敏症 (2005 年 12 12 月 )(1) )(1) EHS( 電磁過敏症 電磁波過敏症 ) とは何か? 電磁過敏症 (Electromagnetic Hypersensitivity(EHS)) は 様々な非特異的症状と特徴付けられ 悩まされている人々はこの症状が電磁界へのばく露によるものであるととらえている 最も一般的な症状には 皮膚症状 ( 発赤 チクチク感 灼熱感 ) 神経衰弱症 自律神経系症状 ( 倦怠感 疲労感 集中困難 めまい 吐き気 動悸 消化不良 ) がある 収集された症状を見ると 既知の症候群の一部とは言えない EHS は 化学物質への低レベル環境ばく露に伴う症状である 多種化学物質過敏状態 (multiple chemical sensitivities(mcs)) に似ている EHS も MCS も 明確な毒性学的 生理学的根拠や独立した検証に欠ける一連の非特異的症状と特徴付けられる 環境因子への感受性ということについてのより一般的な用語は 本態性環境非寛容症 (Idiopathetic Environmental Intolerance(IEI)) で IEI は 化学的病因や免疫学的感受性や電磁界感受性を何ら含意しない記述語句である IEI は 人々に悪影響を及ぼす 医学的に説明できない類似した非特異的症状を共有する多数の不調から成り立っている しかし EHS という用語が一般的に用いられているので ここでもこの用語を用いることにする 33

参考 WHO ファクトシート 総務省 34 WHO ファクトシート 296 296 電磁界と公衆衛生電磁過敏症 (2005 年 12 12 月 )(2) )(2) EHS の人々に関する研究 大半の研究は EHS の人々は EHS ではない人々よりも電磁界ばく露をより正確に検出できるわけではないということを示している 十分に制御されて実施された二重盲検法の研究では 症状が電磁界ばく露と関連していないことが示されてきた 結論 EHS は 人によって異なる多様な非特異的症状によって特徴付けられる 症状は確かに存在しており その重症度は非常に広い幅がある どのような症状を引き起こすにせよ 影響を受ける人にとって EHS は日常生活に支障をきたす問題となり得る EHS は明確な診断基準を持たず EHS の症状を電磁界ばく露と関連付ける科学的根拠はない さらに EHS は医学的診断でもなければ 単一の医学的問題を表しているかどうかも明確ではない

参考 WHO ファクトシート 総務省 35 WHO ファクトシート 304 304 電磁界と公衆衛生基地局及び無線技術 (2006 年 5 月 )(1) )(1) 最近の調査では 基地局からの無線周波ばく露は アンテナへの近さや周辺環境といった様々な要因に依存して 国際的なばく露ガイドラインの 0.002% から 2% の範囲であることが示されている これは ラジオや TV 放送施設からの無線周波ばく露より低いか それと同等である 健康に関する懸念 これまでのところ 科学的レビューで同定されている 無線周波電磁界により生じる健康影響は 特定の産業設備 ( 無線周波ヒータ等 ) においてのみ見られる 非常に高い界強度による体温の上昇 (>1 ) に関係するものだけである 基地局及び無線ネットワークからの無線周波ばく露レベルは非常に低いので それによる温度上昇は有意ではなく 人の健康に影響を及ぼさない 最近の調査では 一般公衆が立ち入り可能な場所 ( 学校や病院を含む ) における基地局及び無線技術からの無線周波ばく露は 通常国際基準よりも数千倍も低いことが示されている

参考 WHO ファクトシート 総務省 36 WHO ファクトシート 304 304 電磁界と公衆衛生基地局及び無線技術 (2006 年 5 月 )(2) )(2) 実際には FM ラジオ及び TV からの信号は 基地局からのものよりも周波数が低いため 同様の無線周波ばく露レベルでは 最大で 5 倍多く人体に吸収される これは FM ラジオ (100MHz 前後 ) 及び TV 放送 (300~400MHz 前後 ) で用いられている周波数は 携帯電話に採用されている周波数 (900MHz 及び 1800MHz) よりも低いことと 人はその身長のために人体が効率の良い受信アンテナとなることによるものである 更に ラジオ及び TV 放送局は過去 50 年以上にわたって 何らかの確立された健康悪影響も無く運用されている 多くの無線技術はアナログ信号を用いてきたが 最近の無線技術はデジタル送信を用いている これまでに実施された詳細なレビューでは 異なる無線周波変調方式固有の傷害性は何ら示されていない これまでに蓄積された全ての証拠からは 基地局からの無線周波信号によって短期的または長期的な健康悪影響が生じるということは何ら示されていない

参考 WHO ファクトシート 総務省 37 WHO ファクトシート 304 304 電磁界と公衆衛生基地局及び無線技術 (2006 年 5 月 )(3) )(3) 公衆のリスク認知 無線周波ばく露にはリスクがあり それは深刻なものである可能性があると感じている人々もいる 公衆の不安の原因には 新たな または確認されていない科学研究についてのメディア報道が含まれる こうした報道は 不安定な感覚と 未知のまたは未発見の傷害性があるかも知れないという認知につながる 結論 非常に低いばく露レベルと これまでに集められた研究結果を考慮すれば 基地局及び無線ネットワークからの弱い無線周波信号が健康悪影響を生じるという明白な科学的証拠はない

2006 9 19

2006 9 19 S N

2006 9 19 1 Hz 3m, 8Hz = 1 = 3 8 = 24 [m/s]

2006 9 19 30 km 300000000 [m/s] 600 [khz] = 600000 [Hz] = 300000000 600000 = 500 [m]

2006 9 19 X 300Hz 300 3THz 3T 300PHz 300PHz 1000km 1000km 0.1mm 0.1mm 1nm 1nm

2006 9 19 3 2 λ/2π λ

900MHz 5 cm 1 cm 5 cm 1/25 96% 1 m 1.05 m 1/1.05 4.8% 100 m 101 m 1/101 1.0% 2006 9 19

2006 9 19

2006 9 19

2006 9 19 9kHz 300GHz

2006 9 19

2006 9 19 100kHz Specific Absorption Rate; SAR SAR = σ E 2 /ρ [W/kg] σ Eρ SAR

2006 9 19 4 8W/kg 1 SAR < 0.08 W/kg

2006 9 19 1.7 W/kg 5.7 W/kg 0 W/kg

2006 9 19 SAR

2006 9 19 SAR 30MHz 70MHz 100MHz 300MHz 1GHz 3GHz SAR 30MHz 70MHz 100MHz 300MHz 1GHz 3GHz SAR SAR

2006 9 19 SAR Whole-Body Resonance

2006 9 19 30 MHz 300 MHz

2006 9 19

2006 9 19 43 SAR 100W/kg 43 SAR < 2 W/kg

2006 9 19 10 SAR 2 W/kg 14

2006 9 19 SAR 0.08 [W/kg] SAR 2 [W/kg]

2006 9 19 SAR SAR

2006 9 19 NPL SPEAG ( )

2006 9 19 SAR

2006 9 19 90 SAM Specific Anthropomorphic Mannequin 100 90 1

2006 9 19 90 + SAR SAR 90

2006 9 19 ε r, σ Drossos, et. al., IEEE MTT Vol.48, pp.1988-1995, 2000. MHz ε r 300 45.3 0.87 450 43.5 0.87 835 41.5 0.90 900 41.5 0.97 1450 40.5 1.20 1800 40.0 1.40 1900 40.0 1.40 1950 40.0 1.40 2000 40.0 1.40 2450 39.2 1.80 3000 38.5 2.40 σ

2006 9 19 5% 1GHz DGBE:

2006 9 19 5%

2006 9 19 3 54.74 o 5mm Diode

2006 9 19 V E E 2 = V/γ γ

2006 9 19 SAR SAR z 3 xy yx d P fw P bw a

2006 9 19 SAR

2006 9 19 LE RE M F N RE-LE (a) (b) (a) (b) RE LE LE M RE LE RE M RE LE (c)

2006 9 19 628 / / / 1 W/kg /

2006 9 19 10 0.9 1.0 1.1 1.2 1.1 0.8 1.3 0.9 0.8 0.5 0.7 0.5 SAR >1W/kg >1W/kg >1W/kg >1W/kg 12 11 10 9 8 >1W/kg 7 6 5 4 3 2 1 SAR

2006 9 19 SAR SAR

2006 9 19 SAR 0.08 [W/kg] SAR 2 [W/kg] SAR SAR

2006 9 19