設計の自由度が得られる 汚染防止 品質精度への挑戦 株式会社高福化学 T a k a f u k u k a g a k u Co r p o r a t i o n
1 透明樹脂コンパウンドに使用される樹脂 1 透明樹脂の種類と性状 スチレン系 アクリル ポリカーボネート 透明樹脂コンパウンドに使用される透明樹脂としては 以下の種類がある P S (ポリスチレン) ポリスチレンは スチレンモノマーを単体重合した透明用スチレンGPとスチレンとポリブタジエンをグラフと共重 合した耐衝撃性スチレンHIとがある GPタイプは透明分野に広く使用されていてる 又 HIタイプは 耐衝撃性 半透明で割れにくく 日用雑貨から家電製品のハウジングなどの多くの用途に使用されている P M M A (メタクリル樹脂) 光線透過度90 92%でガラスに勝り 着色が自由で耐候 耐水性に優れているため有機ガラスとして ガラスに 代替えする用途を中心に需要を拡大してきた 無機ガラスに比べ耐衝撃性は数倍強いが弾性率が小さいため 変形しやすく表面に傷がつき易いなどの難点もある 耐酸 耐アルカリ性で 潤滑油にはよく耐えるが 溶解し易 く 特に芳香族炭化水素 エステル ケトン類には弱い M S メタクリルスチレン MS樹脂は スチレンとメチルメタクリレートの共重合樹脂で ポリスチレンの良成形性 低吸収率 高屈折性と アクリル樹脂 PMMA の高透明性 耐候性 高硬度等の両方の特徴を兼ね備えた樹脂で 高い透明度と特有 な光学特性により光学材料としての特徴を保有する A S アクリルニトリルスチレン AS樹脂は非結晶の透明な熱可塑性プラスチックで その物理的 化学的性質はポリスチレン樹脂と同様きわめ てバランスがとれ広範囲な用途をもっている 引張強さ 衝撃強さ 耐熱温度およびロックウェル硬さの高いこと が1つの大きな特徴である 透明性があり 通常微青色された着色された成形材料が市販されている 剛性が大きく 表面硬度も高いので 比較的傷がつきにくい 耐薬品性や耐候性はポリスチレンより良く 一般に 有機溶剤を除いて 弱酸 アルカリ 油類にもよく耐える 耐熱性においてもポリスチレンより良い P C ポリカーボネート 最大の特徴は 優れた透明性であり これに衝撃特性 耐熱性 寸法安定性 電気的特性 衛生性などの 多くの特筆すべき特性を持つ その他 汎用なPET PPを初めABS,PAも透明グレードがあり 透明製品に利用 される 2
1 透明樹脂コンパウンドに使用される樹脂 2 共重合透明樹脂 アロイ化 複合化含む の特性と用途 新日鐵化学 株 資料提供 3 MS樹脂 KM樹脂 IT樹脂の一般物性 3
1 透明樹脂コンパウンドに使用される樹脂 4 共重合透明樹脂の構造 特徴 成形法 4
1 透明樹脂コンパウンドに使用される樹脂 5
1 透明樹脂コンパウンドに使用される樹脂 5 透明樹脂の特性比較 6
2 透明樹脂コンパウンドの設計 1 スペックを満たすためのプロセス 目的 求められるスペック 物性 環境対応 光学特性 リサイクル 機械特性 生分解性 熱的特性 燃焼性 物理特性 法令対応 商品 部品メーカー 成形メーカー ユーザー情報 新製品開発 スペックの改良 組成設計 混練設計 樹脂 添加剤 機械 製造条件 検査法 耐候性 成形加性 静電防止 2 RoHS REACH 試 験 試 作 評 価 樹脂メーカー 添加剤メーカー 技術情報 樹脂コンパウンド スタンダードグレードを個別グレードに改質 改良 差別化した新しい機能 中 小ロットの対応 商品品質の改良 環境 法令への対応 樹脂メーカーから市販されている汎用樹脂グレード から個別製品に必要な特別機能性を付与する 成形加工性 流動性 離形性 熱安定性 製 品 物 性 透明度 曇度 硬度 強度 耐性 耐熱性 耐寒性 耐湿性 静電 防止 生分解樹脂コンポジット 法令の制定 改定 に伴う必要な設計変更 環境負荷物質 化学物質規制諸法令 食品衛生法 ROHS指令 REACH規制 燃焼性(UL)等 7
2 透明樹脂コンパウンドの設計.3 2軸押出機による透明樹脂コンパウンドの実現 単軸押出機 単軸押出機 単軸スクリュー 写真 軸設計が固定 単軸で製造するマスターバッチは分散 処理をした分散体又は 混練品をペレッ ト化する範囲に使用します 分散能力が低く 複合 高濃度化には 限界がある 2軸押出機 2成分樹脂のアロイ 拡散微粒子の複合 高充填 高分散希釈倍 率効果 2軸押出機 フィラーの高充填 高分散を要する混練 は2軸押出機の世界です スリュー設計 を自由に組み替えることができ 分散加 工の自由度があります 2軸スクリュー 写真 コマを組み替え 分散加工の設計ができる 分散性の影響 2軸押出機のメリット 高濃度化 良分散 透明度 樹脂強度 凝集体を形成せず安定した光学特性 マスターバッチ 高濃度品 の製造 樹脂特性の維持 YI値の維持 製品のコストダウン 高速回転するスクリューにより 樹脂と混合物に せん断が加えられ ポリマーの可塑化 フィラー の分散が進められる 8
2 透明樹脂コンパウンドの設計.4 高品質透明樹脂コンパウンドのためのソリューション 目的を達成するための押出機の専用設計 混練 分散工程の要点 スクリュー構造と設計 原料 混合物 供 給 部 フライトスクリュー 混 練 部 ニーデングスクリュー 樹脂の可塑化 混練 分散 押出機の設計 コマ写真 バレル温度 スクリュー構成 フィード量 スクリュー回転 その他 目標とするコンパウンドの特性 組写真 透明専用機 専用ラインで品質に応える 異物混入防止 外部からの浮遊物を入れない専用スペース 専用用具 ストリングス脱落防止 保管原料 資材の管理 専用混合機 スーパーミキサー 専用混練機 2軸混練押出機 9 専用充填設備 均一混合攪拌機 製品
3 透明樹脂の複合.1 透明樹脂の複合化事例 MS汎用グレード 光拡散剤 射出成形 押出成形 対応 透明 アプリケーション 透明 アプリケーション 液晶バックライト用拡散板.2 キズ付き防止保護パネル MS汎用グレードと光拡散剤の複合により実現する素材 液晶バックライト用光拡散板材料 BOAの基本物性と特徴 MS樹脂の高い透明性 機械特性 良成形性のバランスを活かしながら 光の 拡散性を付与した材料です 特に液晶バックライト用拡散板に要求される光学 特性 吸水率 耐候性を満たす材料です 新日鐵化学 株 資料提供 10
3 透明樹脂の複合 液晶画面キズ付き防止保護パネル 高透過率 ノングレアー設計 MS汎用グレード 光拡散剤 複合 液晶TVの輝度 鮮明度を損なうことなく 外光の反射を押え 低反射仕様のキズ付き 防止保護パネル用材料です 一搬のアクリル板のように外光の 写りこみ が無く ど の角度からも自然の状態でTV画面を見ることができます 参考 11 学校教室 カラオケスタジオ 家庭用に普及
4 透明材料 透明度 曇り度の測定 改質.1 曇り度 ヘーズ の測定 曇り度 ヘーズ の測定は プラスチックの光学特性試験方法 JIS K7105 の積分球式光線透過率測 定装置 図a による測定が一般的でしたが プラスチックー透明材料の全光線透過率の試験方法 第 一部シングルビーム法 補償法 JIS K7361 プラスチックー透明材料のヘーズの求め方 JIS K713 6 に改正されました 図b なお 曇り度 ヘーズの求め方は次式で求められます 曇り度 ヘーズ 散乱光 全光線透過光 100 ヘーズ HAZE 透明材料に光が通過する時 材料の性質により反射 吸収 拡散され曇り状にみえる この現象 H AZE と呼び 入射した光線が拡散する度合をHAZE値という 全光線透過率 透明度を表す場合 全光線透過率の高さ数値で とらえられる 透明材料を通過する光は直進する 平行光と材料の性格で拡散光 散方 光 があり 全光線透過率の測定は右図の積分球測定装 置で全光線透過量 拡散透過量を測定する 全 光線透過率は透過した光の全量を表す 注 樹脂加工品表面の平滑性も透明度の要因となる 12
ndh5000 ヘーズメーター.2 日本電色工業 株 透明度 曇り度の改質 透明樹脂 改質のポイント 成形加工性向上による成形製品の平滑性 良分散による均一性 複合成分の屈折率を等しくする
2軸押出機で実現する 透明コンパウンドの世界 株式会社高福化学