パラリンピックへの道のり 一般社団法人日本知的障がい者卓球連盟
パラリンピックとは パラリンピック (Paralympic Games) は 国際パラリンピック委員会 ( 略称 :IPC) が主催する障がい者 ( 肢体 視覚 知的 ) を対象とした競技大会の中で世界最高峰の障がい者スポーツ大会です 現在夏季大会が 22 競技 冬季大会が 6 競技開催されています
パラリンピックにおける卓球 現代ではパラリンピック競技のほとんどが身体障がい者を対象としていますが 卓球は数少ない知的障がいのクラスが開催されているスポーツです 2016 年開催のリオパラリンピックには日本代表として 当連盟所属の男女それぞれ 1 名の選手が出場し 活躍しました ( 伊藤槙紀選手 ) ( 竹守彪選手 )
パラリンピックに出るためには 知的障がいの日本人選手が卓球でパラリンピックに出場するためには以下の要件を満たす必要があります パラリンピック開催年の 2 年前に行われる世界選手権の優勝者 (1 枠 推薦 ) パラリンピック開催年の 1 年前に行われる各大陸大会優勝者 (5 大陸 5 枠 推薦 ) 当該パラリンピックの残り出場枠の中で 一つを残す形で世界ランキングの上位者 ( 大会により枠数変動 当該大会開催年の 1 月 1 日付のランキングを起用 ) ワイルドカード枠 ( 残りの最終 1 枠 )
ちなみに 2016 年開催のリオパラリンピックでは出場枠数が 男子 12 名 女子 8 名 でした 男子を例として挙げると 各大会優勝推薦 1 名 +5 名 世界ランキング上位者 5 名 ワイルドカード枠 1 名がパラリンピックに出場することができます この要件を満たすためには いくつかのステップをクリアする必要があります 次のページより順を追って説明していきましょう
パラリンピック出場までの概略 日本卓球協会及び日本知的障がい者卓球連盟に選手登録 INAS に登録申請 ( 書類 ) 審査合格後資格認定 日本知的障がい者卓球連盟主催の国内大会に参加し 上位ランクを勝ち取る 強化指定選手に選出される 1 世界選手権で優勝 2 大陸大会で優勝 3ITTF 主催の国際大会に出場し クレジットポイント と ランキングポイント を既定の数値以上獲得 4 ワイルドカード枠での選出 パラリンピックに出場!!
卓球連盟に選手登録をして大会に参加!! まず最初のステップとして 卓球連盟に選手としての登録をし 知的障がい卓球選手であるという意思表示をしなければなりません この登録手順は下記のような形となります 日本卓球協会への登録 日本卓球協会指定の登録用紙に必要事項を記入し 所属する各都道府県の卓球協会に提出 詳細は日本卓球協会へ 日本知的障がい者卓球連盟への登録 当連盟指定の登録用紙に記入し 郵送もしくは FAX で送付 ( 療育手帳及び日本卓球協会の登録用紙などの証明が必要 ) 登録料を納入 21 歳以下 1,000 21 歳以上 2,000-
INAS-FID に登録 知的障がいの世界大会に出場するためには INAS-FID( 世界知的障がい者スポーツ連盟 ) の資格審査 ( 書類 ) を通過する必要があります この審査には半年ほどの期間を有するため 世界大会に希望される方は 当連盟の登録と同時にこの INAS-FID の登録を行う必要があります 原則としてこの INAS-FID の登録を満 18 歳までに行う必要があります 必要書類等に関しては連盟にご連絡いただければご対応いたします
連盟主催の大会に出場! 日本知的障がい者卓球連盟は 1 年間を通じて 3 つの大きな大会を開催しています この大会に出場し 良い成績を収めることによって連盟の強化指定選手に選ばれることができます 強化指定選手は国際大会への派遣や 連盟主催の合宿に参加する資格を得ることができます つまりパラリンピックに出場する技術的ハードルの第一歩がこの 3 大会でよい成績を収めることです 次のページから各大会について説明いたします
FID ジャパン チャンピオンシップ卓球大会 一年間を通じて一番初めに開催されるのが FIDジャパン チャンピオンシップ卓球大会 です この大会は当連盟で最も歴史のある大会であり 参加人数も最大であります この大会の入賞者はナショナルチーム選出におけるポイントを獲得することができ 優勝者は無条件でアジア選手権の日本代表権を獲得することができます 開催時期 :5 月末 ~6 月半ば頃 参加人数 : 約 150 名程度 優勝者 : アジア大会の出場権獲得
FID ジャパン 年代別オープン卓球大会 9 月ごろをめどに開催される二つ目の大会が FID ジャパン 年代別オープン卓球大会 です この大会はごく最近名称が変わり 参加枠も年代別に分かれて行われるようになりました 年代別ということもあり 比較的近い年齢の方との試合が多くなります 当連盟の大会に参加したことがないという方は この大会から参加してみるのも良いかもしれません この大会はオープン大会なので参加のためには当連盟への登録のみ必要となりますので 日本卓球協会への登録は必須ではありません 開催時期 :9 月後半 ~10 月前半頃 参加人数 : 約 100 名
年度の最後に行われるのがこのジャパン チャンピオンリーグ卓球大会です 例年 12 月 ~1 月に行われ 当連盟の主催する大会の中で一番レベルの高い大会となります この大会に出場するにはチャンピオンシップ大会の上位者 ( 男子 12 名 女子 8 名 ) に入る必要があります この大会を通じて次年度の当連盟強化選手の優先順位を決定いたします ただ この大会はオープン参加も行っており 上記のリーグとは別になりますが 参加が可能です 開催期間 :12 月 ~1 月参加人数 : 約 20 名入賞者 : リーグのランキングで次年度の強化選手の優劣決定
FID 強化指定選手 ここまで上記で説明してきた方法で 当連盟主催の三大会で好成績を収めると 協会の強化指定選手に選出をされます この強化指定選手に選ばれると 連盟主催の強化合宿や国際大会派遣選手に選ばれる可能性が高くなります 詳しい選手選考基準はホームページ記載の強化選手選考基準をご確認ください 強化指定選手 : 男子 12 名 女子 8 名 強化合宿 : 年間約 3 回開催 国際大会派遣 : 年間 8~10 大会派遣 ( 男女各 2~6 名 )
国際大会に出場 上記の方法で連盟強化指定選手に選ばれると その順位に基づいて国際大会に出場することができます 国際大会には出場ポイントとランキングポイントというものがあり この双方を蓄えることによって世界選手権やパラリンピックへの出場資格の基準となります 詳しい説明は次ページ以降で行いますが 基本的に世界選手権とパラリンピックに出場するためには国際大会に年間最低でも 3~4 大会出場し 好成績を収める必要があります
ITTF の資格審査を受ける 知的障がいの国際大会に出場するためには 前述であった INAS-FID 審査を通過したのちにこの ITTF の資格審査で合格する必要があります この審査は実技審査 ( 卓球の技術 ) と知能検査 ( コンピューターを使用 ) に分かれており これに合格しなければ 知的障がいの国際大会に出場することができません この審査で再検査が必要だとされた選手 ( ボーダー選手 ) は満 18 歳を超えたのちに再検査を行う必要があります この再検査でも知的障がいの認定を得られなかった場合には 以後の試合に出場することはできません ( 再検査の内容は 1 回目の検査内容とは異なります ) この審査は当連盟の強化選手に選ばれた後 原則として 1 回目の審査対象大会で申し込みを行います ( 対象大会は年 2 回 )
出場ポイント ( クレジットポイント ) の獲得 前述で述べた二つのポイントのうち 出場ポイントについて説明いたします このポイントは各国際大会ごとに得られるポイント (20~50) が定められており 世界選手権とパラリンピックに出場するためには一定期間内に最低 130 ポイント貯める必要があります ( パラリンピックは 210 ポイント ) このポイントは日本選手の場合アジア以外の地域の大会に出場した場合 20 ポイント加算されます この計算で行くとパラリンピックに出場するためには最低でも 4 大会に出場する必要があります
ランキングポイント獲得 次に二つ目のランキングポイントについて説明いたします このランキングポイントというのはいわゆる世界ランキングにかかわるポイントとなります このポイントをゼロから取得するためには国際大会で 2 名に勝利し その倒した 2 名のポイントを足して 2 したものがその選手のスタートランキングポイントとして与えられます その後のポイント変動に関しては国際大会で勝利すれば加算され 負ければひかれていきます さらには自身よりポイントが高い選手に勝てば大幅に加算されますが 低い選手に勝利しても加算率は低くなっています 計算方法は下記にて http://www.ipttc.org/rating/calculator.htm 尚このポイントは勝敗での変動以外に 1 位から 3 位までに入賞するとボーナスポイントが加算されます
パラリンピックに出るために 当該大会の前年度に行われる各大陸大会の優勝者はパラリンピックと世界選手権への出場権を獲得できます (5 大陸 5 名 ) また当該パラリンピックの 2 年前に開催される世界選手権の優勝者もパラリンピックへの出場権を得ます (1 名のみ ) 残りの枠は基本前述で述べた世界ランキングの上位者から選ばれます ただし この選手がクレジットポイントクレジットポイント (210) を満たしていなければ出場できません 尚 双方の大会出場の最後の 1 枠はワイルドカード制度により選出されます
ワイルドカード制度 このワイルドカード制度は世界選手権及びパラリンピックの最後の人枠を決める選出制度です 基本的には各国からそれぞれの国の卓球協会を通じてITTFに申請を行います この申請を行った後 ITTFで審査がされ 様々な状況を考慮したのちに世界各国で1 名のみが世界選手権もしくはパラリンピックへの出場枠を獲得することができます
パラリンピック出場 上記の方法の何れかでパラリンピックに出場することができます ただしパラリンピックに出場できるのは同一国で男女各 3 名までという制限があります 現在のパラリンピックに出場できる選手は男子 12 名と女子 8 名となっております 2020 年の東京大会は組織委員会とITTF Paraの二つの組織の話し合いによって決定するため 現段階では未確定となっております ちなみに東京パラリンピックの出場選手が確定するのは2020 年の1 月 1 日の予定です ( ワイルドカード枠の1 枠はその後各国の申告と審査によって決定となります )
つまりパラリンピックへの出場権を手に入れれば 入賞するチャンスは十分にあります! 現在日本知的障がい者卓球連盟では 男女各 3 名のパラリンピック出場 2020 東京パラリンピックでのメダリストの排出を目標に 強化事業に取り組んでいます
卓球に興味がある皆さんへ!! 卓球は幅広い年齢層の方にチャンスがあるうえに 体格差による有利不利が出にくいスポーツです なおかつ室内競技の上に 接触が少ないので非常に安全でもあります 少しでもスポーツをやりたいと思う方! ぜひ卓球を始めてみませんか? 現在知的障がい卓球の世界はパラリンピックを狙うチャンスが十分にあります 少しの興味からパラリンピアンを目指しましょう! 我々日本知的障がい者卓球連盟は皆さんの少しの興味とパラリンピックに出たいという気持ちを全力でサポート バックアップをしていきたいと考えております 連盟への登録や試合への出場 会員や協賛としての支援など 少しでもご興味がある方は ぜひとも連盟にお問い合わせください!!
おわりに 最後まで閲覧いただき誠にありがとうございました 今後とも当連盟の活動に対しましてご理解 ご協力賜れればと思います また 本ページに乗っている情報に関しては平成 29 年度 7 月現在のものであり 場合によっては内容などに変更 修正がされている場合がございます 詳細のお問い合わせや登録 入会等に関しては下記の連絡先にご一報いただければと思います 一般社団法人日本知的障がい者卓球連盟 TEL:045-624-2642 FAX:045-624-2643 E-mail:fid.table-tennis@gol.com パラリンピックへの道のり制作担当者 : 長田拓也