論 稿 Practical method to prevent secondary disaster and identify unexpected risk ~ Timeliness and reliability of disclosure ~ Motomitsu Honma, InterRisk Research Institute & Consulting, Inc 論文要旨 情報 に基づいて災害対応は行われる その情報が間違っていた場合 または無い場合 どのような状況になるのであろうか 想定外 とは具体的には何を基準に考えたらよいのであろうか そして情報がない または想定外の場合 組織として被害を最小化するためには どのような態勢が相応しいのか 本報告では 災害対応の鍵となる 情報 想定外を見極める 被害を最小化するための要素 をテーマとして考える Summary The disaster response is required information. If that information is wrong, the case or not, can not be sufficient support. The handling of information, organization of the system, the definition of the unexpected risk, the elements of the order to minimize the damage, described in this paper. 1. 災害対応の鍵となる 情報 3 1.1. 被害を最小化するために情報を活用する 3 1 20 1 20132013 101-0063 2-105 03 5296 891703-5296-8942-- 43
年報経営ディスクロージャー研究 2016 年 3 月第 15 号 30,000 25,000 20,000 被害者数 ( 人 ) 15,000 10,000 5,000 0 死者 不明者の合計 行方不明 0311 0313 0315 0317 0319 0321 0323 0325 0327 0329 0331 0402 0404 0406 0408 0410 図 1 把握日 東日本大震災による被害者数 2 1.2. 曖昧な情報は被害拡大に繋がることもある 314 49 1 6 3 2515 14 106 1615 30 310 1 2 3 1.3. 情報の空白を想定しておく 44
想定外リスクの見極めと二次的災害を防ぐ実践的対応 ( 本間 ) 1 2. ディスクロージャーの適時性と信頼性 1 2 11 3 2 62 2 149 4 248 1 160 92 21 3 1 2 2 2 4 1 14 49 1 15 14 2 15 30 3 表 1 2011.3.11 東日本大震災 津波情報の伝達 2011 3 1114 46 40 5 14 9 6 7 1 8 64 0 11 6-8 8 60 9 49 4 48 1 62 2 12 8 3 6 71 2 24 12 45
年報経営ディスクロージャー研究 2016 年 3 月第 15 号 表 2 津波警報 津波の観測 緊急地震速報の発表状況 3 11 14 49 1 2 3 14 49 15 14 15 30 0 25 41 3 6 10 6 10 10 3 6 10 1 15 13 24 14 57 8 14 55 6 15 32 43 23 3 23 1-1-3 133 20122 2 1 23 3 131 15 26 37 15 18 29 15 11 22 15 26 37 15 14 25 15 16 27 15 51 62 8 5 8 0 6 7 8 6 5 7 5 8 9 3 2 2.1. 認識の遅れ と 判断の遅れ 1 2 2 1 1 2 2 3 2.1.1 速報型 2 46
想定外リスクの見極めと二次的災害を防ぐ実践的対応 ( 本間 ) 2.1.2 意思決定型 3 2.2 速報型の対応検証 4 危険レベル (3) 被害回避 対応 発表 (4) 被害 対応 発表 ( 実際 ) ( 把握 ) 情報隠ぺい 情報歪曲 (1) 認識の遅れ (2) 判断の遅れ情報空白 伝達 意思決定 図 2 速報型の 認識の遅れ と 判断の遅れ 危険レベル 対応 発表 ( 実際 ) ( 把握 ) 情報隠ぺい 情報歪曲 (1) 認識の遅れ (2) 判断の遅れ 伝達情報爆発 意思決定情報空白 図 3 意思決定型の 認識の遅れ と 判断の遅れ 47
年報経営ディスクロージャー研究 2016 年 3 月第 15 号 津波警報 確報 : 危険 速報 : 危険 1 報津波は 3~6m 2 報津波は 6~10m 以上 (1) 認識の遅れ (+0m) (2) 判断の遅れ (+25m) ( 実際 ) ( 把握 ) 図 4 津波警報の対応検証 1 02 25 2.3 意思決定型の対応検証 2 3 1 3 1119 32 3 2 3 10 3 125 442 3 31 10 20 3 1218 252 3 43 3 1411 404 2.3.1 原子力緊急事態宣言の発表 531 3 11 19 3 5 151 48
想定外リスクの見極めと二次的災害を防ぐ実践的対応 ( 本間 ) 原子力緊急事態宣言 危険レベル 緊急事態宣言 (+1h56m) 図 5 原子力緊急事態宣言情報隠ぺい 情報歪曲 SPEEDI 結果 宣言 一旦撤回 (+1h19m) (1) 認識の遅れ (2) 判断の遅れ 現場 保安院に報告 (5m) +1h51m ( 実際 ) ( 把握 ) 図 5 原子力緊急事態宣言 表 3 2011.3.11 東日本大震災 福島第一原発の対応 (1) 2011 3 1114 46 17 07 1 17 125 1 17 00 18 0558 18 30 18 26119 19 03156 21 12 21 37 3 21 23 3 3-10 2011-2012 49
年報経営ディスクロージャー研究 2016 年 3 月第 15 号 12 3 23 33 10 220 15 2 2.3.2 避難範囲を半径 3kmから10km に拡大すると発表 641 3 12 5 44 3 10 216 424 3 10 2.3.3 避難範囲を半径 10km から20km に拡大すると発表 751 3 1218 25 10 20 0 249 50
想定外リスクの見極めと二次的災害を防ぐ実践的対応 ( 本間 ) 半径 3 10km への避難拡大 半径 3 10km 避難拡大 (+6h30m) 危険レベル ( 実際 ) ( 把握 ) (1) 認識の遅れ (2) 判断の遅れ 現場 東電 +4h24m 保安院 (2h16m) 図 6 避難範囲を半径 3 kmから 10km に拡大 表 4 2011.3.11 東日本大震災 福島第一原発の対応 (2) 3 1123 14 1 3 12 0 0650 3 12 1 30216 3 12 1 36222 3 12 9 00 5 44630 3 10 51
年報経営ディスクロージャー研究 2016 年 3 月第 15 号 1 号機爆発 半径 10 20km への避難拡大 半径 10 20km 避難拡大 (+2h49m) 危険レベル (1) 認識の遅れ (2) 判断の遅れ (+0m) +2h49m ( 実際 ) ( 把握 ) 図 7 避難範囲を半径 10km から 20km に拡大 表 5 2011.3.11 東日本大震災 福島第一原発の対応 (3) 3 12 15 40 3 12 15 36 1 16 49 3 12 18 25249 20 10 20 2.3.4. 原発 3 号機爆発 863 3 1411 40 0 39 1 52
想定外リスクの見極めと二次的災害を防ぐ実践的対応 ( 本間 ) 3 号機爆発 健全を公表 (+39m) 危険レベル 情報歪曲 爆発するも格納容器は健全 (+39m) (1) 認識の遅れ TV 報道 (+0m) (2) 判断の遅れ +39m ( 実際 ) ( 把握 ) 図 8 3 号機爆発 表 6 2011.3.11 東日本大震災 福島第一原発の対応 (4) 3 14 11 03 3 14 11 01 3 3 14 11 23 3 3 14 11 4039 2.4. 2014.8.20 広島県土砂災害発生時の対応 2014 8 20 97 8 203 15 1115 2 15 2.5. 認識の遅れ と 判断の遅れ に要する 0216 216 3 10 53
年報経営ディスクロージャー研究 2016 年 3 月第 15 号 広島県土砂災害 (2014 年 ) 危険 避難勧告 (+1h15~1h30m) 人的被害発生 +6m (1) 認識の遅れ 15m (2) 判断の遅れ +1h~1h15m ( 実際 ) ( 把握 ) 図 9 広島県土砂災害 (2014 年 ) 2 0018 3 00108 表 7 2014.8.20 広島県土砂災害 1 35 2 50 3 21 119 4 00118 3 25 3 35 3 55 3 00 11 20 29 53 3 15 15 3 3015 4 00 34 20 52 53 4 151 4 301 15 8 2026 8 2027 1 54
想定外リスクの見極めと二次的災害を防ぐ実践的対応 ( 本間 ) 0 5 8 39424 39 3 424 3 10 2151 249 8 表 8 認識の遅れ と 判断の遅れ の総括 2 3 1 5 151 2 3 2 216 424 2 3 3 0 249 2 3 4 0 39 15 115 30 2 3 2 10 11 2.6. まとめ 危険 危険 ( 実際 ) ( 実際 ) 図 10 災害ごとののイメージ (1) 図 11 災害ごとののイメージ (2) 55
年報経営ディスクロージャー研究 2016 年 3 月第 15 号 3. 想定外を見極める 110015 201 11100 1682 95399 1 107 682 201 5 3 100 11 2 320 1001 100 3.1. 管理対象外リスクが想定外に相当する 12 3 3 2 23 201001 1 3.2. 過小な見積りを超える 想定外 は避けるべき 2 1 56
想定外リスクの見極めと二次的災害を防ぐ実践的対応 ( 本間 ) (1) 大 対応限界 発生頻度 小 影響度 = 小発生頻度 = 大 (2) 影響度 = 中 ~ 大発生頻度 = 中 (3) 影響度 = 極大発生頻度 = 小 小 影響度 大 図 12 リスクカーブ 2 4. 被害を最小化するための要素 4.1. 共通項目として危機発生時の対応を統一する 1 4.1.1 災害対応の基本は 6 項目 1 2 3 4 5 6 6 57
年報経営ディスクロージャー研究 2016 年 3 月第 15 号 1 2 3 4 4 5 6 4.1.2 基本 6 項目はどのような危機事象にも対応可能 6 1 2 3 4 5 6 6 6 4.2 自助 共助 公助を基本に考える 4.2.1 自助 58
想定外リスクの見極めと二次的災害を防ぐ実践的対応 ( 本間 ) 1 4.2.2 共助 4.2.3 公助 5. まとめ 2 5.1 想定外リスクへの対応の 限界 を認識する 5.2. 情報 で2 次的災害を防ぐ 2 59
年報経営ディスクロージャー研究 2016 年 3 月第 15 号 2011 3 2012 8 2012 12 8 202015 1 26 8 20 2013 8 2011-20122 79 2015 890 5 29 2013 3 180 191 60