1 第 1 問抵当権変更債務者更改による新債務担保 登記記録に次のような登記事項の記録 ( 登記事項一部省略 ) がある甲区分建物について, 平成 28 年 6 月 28 日, 司法書士法務太郎は, 関係する当事者全員から後記事実関係を聴取し, 登記の申請手続に必要なすべての書類を受領するとともに, これらの登記の申請手続について代理することの依頼を受けた 同日, 法務太郎は事実関係の事実に基づく登記の申請を行った この登記の申請情報のうち, 不動産の所在事項, 代理人の表示, 申請年月日及び登記所の表示を除いた事項を記載しなさい ( 登記記録の記録 ) 表題部一棟の建物の登記 ( 省略 ) 敷地権の目的たる土地の表示符号 1 乙土地専有部分の建物の表示 ( 省略 ) 敷地権の表示土地の符号 1 所有権 1000 分の50 平成 25 年 3 月 24 日権利部甲区 1 番 ( 省略 ) 2 番所有権移転平成 26 年 6 月 3 日受付第 240 号原因平成 26 年 6 月 3 日売買所有者 A 乙区 1 番抵当権設定平成 26 年 6 月 20 日受付第 331 号原因平成 26 年 6 月 20 日金銭消費貸借同日設定債権額金 2,000 万円利息年 2% 損害金年 11.5%( 年 365 日日割計算 ) 債務者 A 抵当権者 C 株式会社 ( 事実関係 ) 平成 28 年 6 月 28 日,A,B 及び C 株式会社 ( 代表取締役 D) は, 甲区分建物の乙区 1 番抵当権の被担保債権を消滅させるとともに, 債権者を C 株式会社, 債務者を B とする金銭消費貸借契約による債権 ( 債権額金 1,200 万円, 弁済期日平成 31 年 6 月 27 日, 利息年 5%) を新たに成立させて, 乙区 1 番抵当権をこの新債務の担保とする契約が成立した ( 注意事項 ) 甲区分建物の所在地を管轄する登記所は, 平成 19 年 5 月 31 日オンライン庁となっている 本問の申請は, 書面を提出する方法によりするものとする
2 第 1 問抵当権変更 ( 申請例 )< 抵当権変更債務者更改による新債務担保 > 登記の目的 1 番抵当権変更 原 因 平成 28 年 6 月 28 日債務者更改による新債務担保 債権額 金 1,200 万円 利 息 年 5% 債務者 B 権利者 C 株式会社 代表取締役 D 義務者 A 添付情報 登記原因証明情報 ( 更改債務担保契約書等 ), 登記識別情報 (Aの甲区 2 番の登記識別情報 ), 資格証明情報 (C 株式会社の登記事項証明書等 ), 代理権限証明情報 (A 及びD の委任状 ) 登録免許税 金 2,000 円 択一知識 1 被担保債権について第三者による免責的債務引受けがあった場合において, 当該担保権が, 抵当権であるときは, 年月日免責的債務引受 を登記原因として債務者の変更の登記を申請することができる (16-18- エ ) 2 債務者を交替する更改契約に基づく新債務担保のための変更の登記を書面申請により申請する場合において, 所有権登記名義人が登記義務者となるときは, 申請書にその者の印鑑証明書を添付する必要はない (12-18-3) 3 免責的債務引受契約によって所有権登記名義人である A が債務者となる抵当権変更の登記を書面を提供する方法により申請する場合, 申請書には A の印鑑証明書を添付することは要しない (12-27- ア )
3 第 2 問抵当権抹消弁済 登記記録に次のような登記事項の記録 ( 登記事項一部省略 ) がある甲土地について, 平成 28 年 6 月 30 日, 司法書士法務太郎は, 関係する当事者全員から後記事実関係を聴取し, これらの事実関係により生ずる権利変動に基づく登記の申請手続に必要なすべての書類を受領するとともに, これらの登記の申請手続について代理することの依頼を受けた 同日, 法務太郎は事実関係 1 から 3 までの事実に基づく登記の申請を行った この登記の申請情報のうち, 不動産の所在事項, 代理人の表示, 申請年月日及び登記所の表示を除いた事項を記載しなさい ( 登記記録の記録 ) 表題部 ( 省略 ) 権利部甲区 1 番 ( 省略 ) 2 番所有権移転平成 26 年 6 月 3 日受付第 440 号原因平成 26 年 6 月 3 日売買所有者 A 2 番 2 番所有権登記名義人氏名変更付記平成 28 年 6 月 13 日受付第 457 号 1 号原因平成 28 年 3 月 3 日相続人不存在登記名義人亡 A 相続財産乙区 1 番抵当権設定平成 26 年 6 月 28 日受付第 551 号原因平成 26 年 6 月 28 日金銭消費貸借同日設定債権額金 1,000 万円利息年 2% 損害金年 11.5%( 年 365 日日割計算 ) 債務者 A 抵当権者 B 株式会社 ( 事実関係 ) 1 平成 28 年 2 月 22 日,A は,B 株式会社 ( 代表取締役 C) に対して, 甲土地の乙区 1 番抵当権の被担保債権の全額を弁済した 2 平成 28 年 3 月 3 日,A は, 死亡した A の死亡時,A には, 相続人がいなかった 3 平成 28 年 6 月 13 日, 家庭裁判所により,D が相続財産管理人に選任され,D の申請により, 所有権登記名義人氏名変更登記がなされた ( 注意事項 ) 甲土地の所在地を管轄する登記所は, 平成 19 年 5 月 31 日オンライン庁となっている 本問の申請は, 書面を提出する方法によりするものとする
4 第 2 問抵当権抹消 ( 申請例 )< 抵当権抹消弁済 > 登記の目的 1 番抵当権抹消 原 因 平成 28 年 2 月 22 日弁済 権利者 亡 A 相続財産 義務者 B 株式会社 代表取締役 C 添付情報 登記原因証明情報 ( 抵当権付債権弁済証書等 ), 登記識別情報 (B 株式会社の乙区 1 番の登記識別情報 ), 資格証明情報 (B 株式会社の登記事項証明書等 ), 代理権限証明情報 (Dの選任審判書,D 及びC の委任状 ) 登録免許税 金 1,000 円 本試験出題 :H21 択一知識 1 先順位抵当権の被担保債権が弁済された場合には, 次順位抵当権者は, 当該先順位抵当権の登記名義人と共同して, 当該登記の抹消を申請することができる (10-20- ア ) 2 甲, 乙共有の不動産上に第 1 順位 ( 丙名義 ) と第 2 順位 ( 丁名義 ) の各抵当権の登記がある場合, 第 1 順位の抵当権について弁済を原因として抹消登記を申請する場合, 登記権利者は甲, 乙又は丁のいずれでもよい 3 保証人の将来の求償債権を被担保債権とする抵当権の設定の登記がされている場合に, 主たる債務者が債権者に弁済したことにより当該抵当権の登記の抹消を申請するときの登記原因は, 主債務消滅である (19-18- オ ) 4 債務の弁済により抵当権が消滅した後, 抵当権設定登記が抹消されない間に抵当権者が死亡した場合, 所有権の登記名義人は, 抵当権者の相続人のうちの 1 名と共同して抵当権設定登記の抹消を申請することはできない (14-16- エ ) 5 抵当権の設定者である所有権の登記名義人 A が死亡した後に当該抵当権が消滅した場合において, 当該抵当権の設定の登記の抹消を申請するときは, その前提として A の相続人への所有権の移転の登記を申請しなければならない (26-20- オ )
5 第 3 問根抵当権の元本確定根抵当権者からの元本確定請求 登記記録に次のような登記事項の記録 ( 登記事項一部省略 ) がある甲土地及び乙建物について, 司法書士法務太郎は,B 株式会社の代表取締役 Dから事実関係を聴取し, これらの事実関係により生ずる権利変動に基づく登記の申請手続に必要なすべての書類を受領するとともに, これらの登記の申請手続及び登記識別情報の受領について代理することの依頼を受けた 事実関係の事実に基づき申請することのできる登記の申請情報のうち, 不動産の所在事項, 代理人の表示, 申請年月日及び登記所の表示を除いた事項を記載しなさい ( 登記記録の記録 ) 甲土地及び乙建物 ( 内容は, 同一である ) 表題部 ( 省略 ) 権利部甲区 1 番 ( 省略 ) 2 番所有権移転平成 26 年 6 月 30 日受付第 240 号原因平成 26 年 6 月 26 日売買所有者 A 乙区 1 番根抵当権設定平成 27 年 6 月 20 日受付第 331 号原因平成 27 年 6 月 20 日設定極度額金 2,000 万円債権の範囲金銭消費貸借取引手形債権小切手債権債務者 A 根抵当権者 B 株式会社共同担保目録第 2942 号 ( 事実関係 ) 平成 28 年 6 月 28 日,B 株式会社 ( 代表取締役 D) の A に対する甲土地及び乙建物の乙区 1 番根抵 当権の元本の確定請求をする旨の内容証明郵便が到達した ( 注意事項 ) 甲土地及び乙建物の所在地を管轄する登記所は同一であり, 平成 19 年 5 月 31 日オンライン庁とな っている 本問の申請は, 書面を提出する方法によりするものとする
6 第 3 問根抵当権の元本確定 ( 申請例 )< 根抵当権の元本確定根抵当権者からの元本確定請求 > 登記の目的 1 番根抵当権元本確定 原 因 平成 28 年 6 月 28 日確定 権利者 A 義務者 ( 申請人 )B 株式会社 代表取締役 D 添付情報 登記原因証明情報 (B 株式会社が Aに対して元本の確定請求をしたことを証する内容 証明郵便 ), 資格証明情報 (B 株式会社の登記事項証明書等 ), 代理権限証明情報 (B 株式会社の代表者 Dの委任状 ) 登録免許税 金 2,000 円 本試験出題 :H20 択一知識 1 根抵当権の担保すべき元本が確定した場合において, その確定の登記を申請するときは, 申請情報に確定した元本の額を記録することを要しない 2 元本の確定前に債務者につき合併があった場合において, 債務者である根抵当権設定者が合併があ ったことを理由として元本確定請求をして, 元本の確定の登記を申請することはできない (9-24 -2) 3 根抵当権について共同担保である旨の登記がされている場合において, その目的不動産の 1 つであ る他の不動産についてのみ, 元本の確定事由が生じたとき, 元本の確定の登記を申請することができ る (9-24-3) 4 元本の確定すべき期日が定まっていない場合において, 根抵当権設定者が根抵当権設定の時から 4 年を経過した後に元本確定の請求をし, その請求の時から 2 週間を経過したときには, 元本の確定の 登記を申請することができる (9-24-4) 5 根抵当権設定者が破産手続開始の決定を受けた場合において, その根抵当権の取得の登記の申請と 併せて申請するときは, 根抵当権の登記名義人は, 根抵当権設定者について破産手続開始の決定があ ったことを証する情報を提供して, 単独で, 根抵当権の元本の確定の登記を申請することができる (18-20- エ ) 6 根抵当権者による元本の確定請求があったことを原因とする元本の確定の登記は, 当該根抵当権者 が単独で申請することができ, この場合は, 登記識別情報を提供しなければならない場合に該当しな い (19-19- ア ) 7 根抵当権者による元本の確定請求があったことを原因とする元本の確定の登記を共同して申請する 場合には, 根抵当権設定者を登記権利者, 根抵当権者を登記義務者としてする (19-19- イ ) 8 根抵当権設定者である法人が破産手続開始の決定を受けた場合には, 当該根抵当権の元本は法律上 当然に確定するが, 代位弁済を原因として当該根抵当権の移転の登記を申請するときは, 当該申請の 前提として元本の確定の登記を申請することを要する (19-19- ウ ) 9 設定の仮登記がされた根抵当権について元本が確定した場合には, 当該根抵当権の元本の確定の登記を申請することができ, 当該申請に基づく元本の確定の登記は, 付記の仮登記ではなく, 付記の本登記によってされる (19-19- オ )