50 蛋白質 核酸 酵素 Vol.44No.11 1999 三 級 ア ミ ンの 誘 導 体 は 四 級 ア ミ ン の 誘 導 体 よ り も導 入 導 入 効 率 を 与 え る こ と を 最 近 発 見 し た この 親 水 性 側 効 率 が 高 い ② 末 端 の ア ル キ ル 基 が か さ高 くな る 大 鎖 末 端 基 を も った コ レス テ ロー ル 誘 導 体Ⅱ き くな る と導 入 効 率 が 減 少 す る ③ 正 電 荷 リボ ソ ー 下 で も遺 伝 子 導 入 効 率 が そ れ ほ ど減 少 せ ず 今 後 in ム の 表 面 電 荷 ゼ ー タ電 位 4 と導 入 効 率 とは よ い 相 関 aivoで の 遺 伝 子 導 入 の 研 究 を 進 め る に あ た っ て有 用 で 関 係 を示 す こ と な どが 明 ら か に な っ た また 誘 導 あ る と考 え て い る11) は血 清 存 在 体1を 用 い た 正 電 荷 リボ ソ ー ム は 市 販 の リポ フェ クチ ン 正 電 荷 脂 質 よ りな る よ り も数 倍 高 い 導 入 効 率 が 得 ら れ た 図2に II 正電 荷 リボ ソ ー ムの 形 態 培 養細胞 へ の遺伝 子 の導 入効率 をル シフ ェ ラーゼ活 性 で比 較 した結 果 を示 した 野 口 長 谷 川 ら プ ロ ー ブ 顕 微 鏡 は ナ ノ メ ー トル レベ ル で の 物 質 の 表 未 発表 誘 導 体Ⅰ は リポ フ ェ ク チ ン よ り も明 らか に遺 面 構 造 や プ ロ ー ブ と物 質 表 面 の 相 互 作 用 の 物 理 定 数 を 伝 子 導 入 効 率 が 高 い こ とが わ か る 一方 筆 者 は コレス テロー ルの側 鎖末 端 に親水性 基 測 定 で き る12,13 そ こで プ ロー ブ顕 微 鏡 の ひ とつ で あ を もっ た 新 し い タ イ プ の 誘 導 体Ⅱ 図1 が 高 い遺 伝 子 と正 電 荷 リボ ソー ム の観 察 を行 な った 図3 a は環 状 図3 プ ラ ス ミ ドDNAと a プ ラ ス ミ ドDNA単 の 正 負 比 が0.6の な う DNAは 図4 正 電 荷 リポ ソ ー ム 複 合 体 のAFM画 る 原 子 間 力 顕 微 鏡 AFM 像 独 CAT ク ロ ラ ム フ ェ ニ コ ー ル ア セ チ ル トラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ 遺伝 子 を用 い た b 正電 荷 リボ ソ ーム とDNA と きの 画 イ 象 複 合 体 は数 珠 状 構 造 を形 成 して い る c 正 負 比1.2の と きの 画 像 遺 伝 子 導 入 の 実 験 は この 条 件 で行 正 電 荷 リボ ソー ム で カ プセ ル化 さ れ て い る 正 電 荷 リポ ソー ム ーDNA複 合 体 のAFM画 像 コ レス テ ロ ー ル 誘 導 体 の 違 い に よ り 複 合 体 の サ イ ズ が 大 き く変 動 す る 中 程 度 の サイ ズ の複 合体 テ ロ ー ル 誘 導 体Ⅰ を使 用 小 さ いサ イ ズ a や 大 き いサ イ ズ b の複 合 体 の 導 入 効 率 は低 い 1592 を 用 い て プ ラ ス ミ ドDNA c の 導 入 効 率 が 最 も 高 い コ レス
52 蛋 白質 核酸 酵素 Vol 44No 11 1999 体 を 形 成 させ た そ し て 複 合 体 中 の ドナ ー 分 子 だ け もに 図6 b に示 した よ う に ドナ ー 分 子 の 蛍 光 が 明 瞭 を励 起 した と こ ろ エ ネ ル ギ ー移 動 が 効 率 よ く起 こ り に 観 察 で き た 一 方 nigericinに ア ク セ プ タ ー 分 子 の 蛍 光 だ けが 観 測 さ れ た 一 方 複 のpHの 合 体 を形 成 して い る正 電 荷 リボ ソ ー ム とエ ン ド ソ ー ム ソー ム の 膜 融 合 が 起 こ らな くな り も は や ドナ ー 分 子 と の膜 融 合 が 起 こ る と ドナ ー 分 子 と ア ク セ プ タ ー 分 の 蛍 光 は観 察 さ れ な くな った これ らの 結 果 か らは エ 低 下 を抑 制 す る と 正 電 荷 リポ ソー ム とエ ン ド 子 の 距 離 が 離 れ 蛍 光 エ ネ ル ギ ー 移 動 の効 率 が 減 少 し ン ドソ ー ム 内 で 正 電 荷 リポ ソ ー ム とエ ン ド ソー ム の 膜 た そ の結 果 ドナ ー 分 子 と ア ク セ プ タ ー 分 子 の 両 者 融 合 が 起 こ り そ の 際 DNAは の 蛍 光 が観 察 で き る よ うにな った 実 際 に NIH3T3細 核 に 選 択 的 に 移 行 す る も の と判 断 で き た 胞 で 正 電 荷 リボ ソ ーム とエ ン ドソー ムの 膜 融 合 をFRET 法 で観 察 した 結 果 を 図6に 示 した19J 膜 融 合 の進 行 と と よ りエ ン ドソ ー ム 内 図5 つ ま り 正 電 荷 リ ポ ソー ム ーDNA複 イ トー シ ス に よ っ て 細 胞 内 に取 り込 まれ た の ち エ ン リボ ソー ム を二 重 染 色 し共 焦 点 レー ザ 顕 微 鏡 で 観 察 リポ ソ ーム に よ り遺 伝 子 導 入 した 後 の 蛍 光 画像 合 体 は ピ ン ク色 で ア ン チ セ ンスDNAは 移 行 して い る b wortmanninで オ レ ン ジ 色 で 示 し た a 未 処 理 のNIH3T3細 エ ン ドサ イ トー シ ス を阻 害 した と きの 画像 で膜 融 合 を阻 害 複 合 体 は細 胞 質 内 に 取 り込 まれ て い る が ア ン チ セ ン スDNAは 図6 合 体 はエ ン ドサ 導 入遺 伝 子 の 細 胞 内動 態 ア ン チ セ ンスDNAと DNA複 リボ ソー ムか ら遊 離 し FRET法 胞 ア ン チ セ ンスDNAが リポ ソー ム ー 選 択 的 に核 に 複 合 体 は細 胞 質 内 に取 り込 まれ て い な い c nigericin リポ ソ ー ム か ら遊 離 せ ず 細 胞 質 内 に 留 ま って い る によ る膜 融 合 の観 測 リボ ソ ー ム膜 と エ ン ドソー ム 膜 の 融 合 が 起 こ る と ドナ ー分 子 とア クセ プタ ー分 子 の 両 者 の 蛍 光 が 観 測 で きる nigericin存 在 下 で は膜 融 合 は起 こ ら ず ドナ ー 分 子 の 蛍 光 は観 測 で き な い こ こ で は nigericinが 存 在 して い な い と きの 画 像 を示 す a 細 胞 の 微 分 干 渉 画 像 b ドナ ー 分 子 か ら の 蛍光 画像 c FRET法 に よ る ア クセ プ タ ー 分 子 か らの 蛍 光 画像 b c の 蛍 光 画 像 は ア ル ゴン イオ ン レ ー ザ 488nm 励 起 に よ り観 測 膜 融 合 の 結 果 b に示 した よ うな ドナ ー分 子 の 蛍 光 が 観 察 で き る 1594