Title Cisplatin,Etoposide,Peplomycin 三者併用療をえた脳転移を有する精巣原発絨毛上皮癌の 1 例 Author(s) 兼松, 江巳子 ; 川本, 正吾 ; 山本, 直樹 ; 高橋, 義人 ; 岩田樹 ; 斉藤, 昭弘 ; 栗山, 学 ; 坂, 義人 ; 河田, 幸道 Citation 泌尿器科紀要 (1992), 38(10): 1195-1199 Issue Date 1992-10 URL http://hdl.handle.net/2433/117664 Right Type Departmental Bulletin Paper Textversion publisher Kyoto University
SUCCESSFUL MANAGEMENT FOR CORIOCARCINOMA OF TE TESTIS WIT BRAIN METASTASIS : A CASE REPORT Emiko Kanematsu, Shohgo Kawamoto, Naoki Yamamoto, Yoshito Takahashi, ideki Iwata, Akihito Saitoh, Manabu Kuriyama, Yoshihito Ban and Yukimichi Kawada From the Department of Urology, Gifu University School of Medicine A 32-year-old Japanese male consulted a clinic complaining of gynecomastia. Right painless scrotal swelling was also detected. Right high orchiectomy was performed, then the surgical specimen was histopathologically confirmed as choriocarcinoma and mature teratoma. The imaging revealed cerebral, pulmonary, retroperitoneal metastases. After 3 courses of combination chemotherapy with cisplatin, etoposide and peplomycin (PEP therapy), the brain metastasis completely disappeared and the serum titer of the tumor markers such as p-cg became normal. The regression rates of lung and retroperitoneal metastases were 68% and 27%, respectively. Therefore, retroperitoneal lymph node dissection was performed. After the 5th course of PEP therapy, lung metastases disappeared completely. Until the present, no evidence of disease has persisted. The PEP therapy, which is a salvage therapy for refractory testicular cancer, was performed as first-line chemotherapy in this case. It was an excellent modality against choriocarcinoma, along with the surgical treatment. (Acta Urol. Jpn. 38: 1195-1199, 1992) Key words: Testicular cancer, Choriocarcinoma, PEP regimen, Brain metastasis
泌尿 紀 要38巻10号1992年 1196 cg77,000miu/ml,cg 巣 腫 瘍 と 診 断 さ れ た(Fig.4). β630ng/ml,sp-1 270ng/m1,IAP806μ9/mlで 治 療 経 過(Fig 5);stage皿cの あ った 当 科 初 診 時 現 症:右 鼠 径 部 に 手 術 搬 痕 を 認 め,左 上 肢 の軽 度 の運 動 麻痺 を 認 め た 以外 に 理 学 的異 常所 見 は 診 断 し,1989年12月4日 複合型精巣腫瘍 と よ りPEP療 法(cisplatin 40mg 1 5day,etoposidel80mg 1 5day, peplomycin5mg 1,8,15day)5)を28日 認 め られ な か っ た. 病 理 組 織 学 的 検 査:摘 の 結 果,抗CGを 出 した右 精 巣 の病 理 学的 検 討 用 い た 免 疫 組 織 法 で 陽 性 で あ り, choriocarcinomaとmatureteratomaの 複合型精 ス と し て 開 始 し た.3コ 間 を1コ ー ー ス 終 了 時 点 で,腫 瘍 マ ー カ ー は す ぺ て 陰 性 化 し,脳 転 移 は 消 失 した(Fig.IB).し し,肺 %の 転 移,後 か 腹 膜 リ ソ パ 節 転 移 は そ れ ぞ れ68%,27 縮 小 率 に と ど ま っ た(Fig 2B,Fig 3B) め1990年3月5日 このた 後 腹 膜 リ ソ パ 節 廓 清 術 を 施 行 し た. 病 理 組 織 学 的 検 討 で 摘 出 標 本 に はmatureteratoma 鵜 ら h を 認 め た の み で あ り,3月21日 よ りPEP療 ー ス 目を 施 行,肺 縮 小 率 に 達 し た.そ 転 移 は72%の 法 の4コ の 後 外 来 に て 経 過 観 察 中 に 肺 転 移 は さ ら に 縮 小 し,7月 26日 に98%の 法5コ 縮 小 率 を 示 し た.7月27日 ー ス 目 を 施 行 し,8月23日 認 め た.1990年9月22日 Fig.LPIainbrainCTscan. A:Beforechemotherapy. よ りPEP療 肺 転 移 の完 全 消失 を 腫 瘍 の再 発 を認 めず 完 全 寛解 と判 断 した. B=After5coursesofPEPtherapy Themetastasiscompletelydisappeared. 副 作 用 と して は 嘔 気,食 思 不 振,脱 鋤 一 触 減' ヒ Fig 2 ChestX-rayfilm. A=Beforechemotherapy. B=After3coursesofPEPtherapy. was68%. Theregressionrate Fig.3.PlainabdominalCTscan A:Beforechemotherapy. B:After3coursesofPEPtherapy was27%. Theregressionrate 毛,軽 度 の 自血
兼 松,ほ 球 減 少 を5回 PEP療 す べ て のPEP療 か:Choriocarcinoma 脳 転移 1197 法 に 認 め た 以 外 に, 考 法5コ ー ス 目施 行 中 に 全 身 性 痙 攣 を認 めた. 精査 の結果 脳 転 移 巣 のscarをfocusと す る痙 攣 発 作 であ る こ とが 判 明 し,以 後 抗 痙 攣 剤投 与 に て発 作 は 消失 して い る. Cisplatinを 察 中 心 と し た 多 剤 併 用 化 学 療 法 に よ り,進 行 性 精 巣 腫 瘍 の 治 療 成 績 の 向 上 が み ら れ て い る1-3). しか し,現 在 な おchoriocarcinomaの 精 巣 腫 瘍 の 場 合,初 例 が 多 く,そ 成 分 を有 す る 診 時 す で に 臨 床 病 期 の 進 行 した 症 の 化 学 療 法 に 対 す る 反 応 も低 く,予 不 良 で あ る6-8).最 近 で は,こ 後は の よ うな 難 治 性 と 考 え しノ 欝礫 纏 弱 ン 獅 ら れ るNSGCTに ノ.ヂ 対 して は,従 さ れ て い たregimenを 来salvage療 当 初 よ り用 い,良 績 を 認 め た 報 告 が 散 見 され る9-11).自 法 と 好 な 治療 成 験 例 で 施 行 した.. :銘 PEP療 簿 1で就 籠 講i蒙/{ 考 餐 づ 法5)は,PEB療 で あ り,肺 く 法12)と 毒 性 軽 減 を 考 慮 してPEB療 mycinをpeplomycinに 無湘, メ' 法 のbleo- 腹 膜 リ ンパ 節 に 転 移 を 認 た 組 織 型 にchoriocarcinomaを た め,当 法 変 更 した も の で あ る 自 験 例 は 初 診 時 す で に 肺,脳,後 め,ま 同 様 にsalvage療 初 よ りPEP療 有 した.そ 法 を 施 行 した と こ ろ,優 の れ た.へ" 治 療 効 果 を 認 め た. f Microscopicappearanceofthespecimen gainedbyhighorchiectomy.(estain, x100) A:Matureteratoma. B=Choriocarcinoma. Fig.4. 脳 転 移 は,精 の36%oに β照 乙 (爾 凶1 i聞o 置2 1 2 回 回 回 rtrhipt醐iectony ` 般 に脳 転 学 療 法 施 行 中, COurse 1SO 度 に み ら 最 も多 くそ 認 め られ た と い う報 告 が あ る15).一 移 を 有 す る 症 例 は 予 後 不 良 で あ り,化 C且inicaユ 1989 巣 腫 瘍 の 進 行 例 の15%程 れ13 且4),組 織 型 で はchoriocarcinomaが 3 4 5 6 8 T 回 回 塑 1co 9 10,一1 (r曜!ol) 1α勘 100 10 10 且 1 0.且 =rctression (=)0 Iun8 brsin 虞Pし鱒 100 Fig.5.C且inicalcourse 趣一一色