Title 慢性前立腺炎における Chlamydia trachomatis の検討 Author(s) 丸田, 直基 Citation 泌尿器科紀要 (1992), 38(3): 297-304 Issue Date 1992-03 URL http://hdl.handle.net/2433/117505 Right Type Departmental Bulletin Paper Textversion publisher Kyoto University
STUDY OF CHLAMYDIA TRACHOMATIS IN CHRONIC PROSTATITIS Naoki Maruta From the Department of Urology, Nagasaki University School of Medicine, Nagasaki, Japan To assess the pathogenetic role of Chlamydia trachomatis in non-bacterial prostatitis (NBP), aspiration biopsied specimens were examined for C. trachomatis by using in situ DNA hybridization and antibody titer to C. trachomatis was measured. An enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA) for C. trachomatis specific IgA was employed using purified C. trachomatis type L2 EBs. The positive rates of IgA antibodies to C. trachomatis in serum, EPS and VB3 were 25.6%, 31.5% and 29.4%, respectively. They were significantly higher (p<0.05) in the control groups. A good correlation (0.78) of IgA antibody titer to C. trachomatis was found between EPS and VB3. In 9 husbands with positive antibodies to C. trachomatis, 5 wives showed positive serum antibodies. In the NBP patients with a high positive antibody titer, the decrease of titers was shown after treatment with drugs effective against C. trachomatis. Transrectal aspiration biopsies were performed on 7 patients with high positive IgA antibody titers to C. trachomatis, and 2 specimens showed hybrids in the cells by using in situ DNA hybidization. These findings indicate that C. trachomatis is a predominant pathogen for NBP. Key words: C. trachomatis, Chronic prostatitis, DNA hybridization (Acta Urol. Jpn. 38: 297-304, 1992)
302 泌尿 紀 要38巻3号1992年 桑 き.いi痕 珍;髄翻 謙難膿 撫醗 奎 躍灘 ぎ1戦 響 醜, 欝 讐鰐 瀬難 響..転{蓑 4継 序'懸 `e. A る,C trachomatisに て 血 清,前 対 す るDNAプ ロ ー ブ を用 い 立 腺 分 泌 液 中 の 抗 体 価 値 の 患 老7名 腺 癌 の 患 者10名 に 対 し,前 situhybridizationを と前 立 立 腺 の 吸 引 検 体 に 対 しIn 施 行 した14 15),培 養 細 胞 内 で は 図 に 示 す よ うに 赤 レ ン ガ 色 の ス ポ ッ トと し て 見 出 さ れ, NBPの 患 者7名 中2名 の 吸 引 検体 で も同様 な ス ポ ッ トが 存 在 し,C.trachomatisの 前 立 腺 内 局 在 を示 し感 染 を 証 明 す る も の と 思 わ れ た.前 ず れ もhybridを EHSA法 に よる 抗体 検 索 は外 来 に お い て 検体 採 取 が 尿 道swab等 で き,前 立腺 癌 の患 者 で は い 示 す ス ポ ッ トは 観 察 さ れ な か っ た. に 比 べ て 容 易 で あ り経 時 的 に 頻 回 に 立 腺 炎 や 女 性 性 器 感 染 症 の よ うに 抗 原 の 分 離 同 定 が 困 難 な 場 合 に 有 効 で あ る.血 清 抗 体 特 にIgA の 有 効 性 に つ い て は,Sarov等16)がvirusやC.trachomatisに つ い て の 有 用 性 に つ い て 述 べ,吉 当 科 の 城 代18)も 報 告 して い る が,NGUに chomatisの 分 離 培 養 陽 性 老 と の 比 較 に お い て,陽 性 一 致 率 は そ れ ぞ れ94.1%,89.3%o,陰 %,77.7%と matisの 有 力 な 補 助 手 段 で あ る.今 ザ 一試 渉 鞭 た は 精 液)IgA,マ た が,血 ".ヴ 咽 α " へ グ 立 腺 分泌 調べ 陽 性 率 を 示 した.一 方前 ッサ ー ジ後 尿 中 のIgA は そ れ ぞ れ,3L5弩,29.4%と がNBPの DNAhydridizationin量nfectedHeLa 清IgA,IgG,前 た は 精 液),マ 値 を 示 した.こ B Fig.4,DetectionofC trachomatisbyinsitu に ッ サ ー ジ 後 尿 中IgAを 清IgAは25.6%の 立 腺 分 泌 液(ま 回ELISA法 患 者 に 対 しNBPとC.trachomatis の 関 係 を 調 べ る た め に,血 液(ま 性 一 致 率 は,78.9 高 い 一 致 率 を 示 し て お り,C.tracho- よ りNBPの ノ し一 こ じ 沢17)や てC.tra 血 清 よ り5%ほ れ は 熊 本19)の 報 告 の19%よ ど高 い りや や 高 い 対 象 群 と して未 治 療 の 患 者 を 調 ぺ た た め と 思 わ れ る.一 般 にC.trachomatis感 染 症 の 液 性 免疫 229cellandspecimenobtainedby で は,C.trachomatisの transrectalaspirationbiopsy. 基 本 小 体 が リンパ球 を刺 激 し ポ リ ク ロ ー ナ ル な 抗 体 産 生 を し て,全 (A)Staineddepositsinthecellsindicate C.trachomatisDNAintheHeLa229 IgA,IgMお ce11sinfectedwiththel2strainofc. 身 性 のIgG, よ び 局 所 で のIgAやIgG抗 体 を産 生 す trachomatis.reducedfrom 100. る と い わ れ る が2 血 清 と 前 立 腺 分 泌 液(ま (B)Specimenobtainedbytransrectal 尿 中 のIgA抗 aspirationbiopsyshowssamedeposit 体 の陽 性 率 の 差 は 局 所 の液 性 免疫 の差 で あ ろ う と思 わ れ た.前 (arrow).reducedfrom 40α 中 のIgA抗 関 を 示 した.し で あ ったが,3例 に そ れ ら しき もの を 見 い 出 した.ま た の 相 関 はO.42(p<0.Ol)と MicroTrakで 者 で 尿 道swabか に1か ら2個 の蛍 光 染 色 体 を 見 出 したが,や は り尿 道 炎 の よ うに は っき りと した も の は な か った これ は症 例数 が 少 な くテ クニ ッ ク上 の 問 題 もあ る と思 わ れ るがC trachomatisの 抗原量が 性 の 患 者5名 低 か っ た.NGUの ら のC.trachomatis分 の 尿 中IgA抗 陰 性 で あ っ た.症 ー ジ 後 尿 中IgAの よ りC.trachomatisを 指 標 に な る と 思 わ れ た,ま あ る と思 わ れ た た め,感 度 や 特異 性 の点 で す ぐれ て お り,ま た 少 な い 抗原 最 で も検 出 が 可 能 で あ る とい わ れ 液 中IgA高 測 定 はC 値 の9症 xacin,ofloxacin等 患 離培養陽 体 を 測 定 した が,5名 養 陰 性 の 患 者4名 少 な い ため で は な い か と思 わ れ た,こ の た め吸 引 検 体 分 離 す る こ とは か な り困 難 で 有 意 の相 か し血 清 と マ ッサ ー ジ 後 尿 中 のIgA 4名 陽 性 で あ っ た.培 尿 中IgAは 立 腺 分 泌 液 とマ ッサ ー ジ後 尿 体 価 の 相 関 は,0.78(p<0.Ol)と 異 な り,は っき りと した 封入 体 を 見 い 出す こ とは 困 難 は2例 た は 精 液). 中 で はい ず れ も 例 は 少 な い が マ ッサ trachomatisの 感染の た こ れ ら 血 清,前 立腺分泌 例 に 対 し,minocycline,enoのC.trachomatisに 有 効 な 抗菌