11総法不審第120号

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もあり 安全で問題のない生活を送るためには家庭の中で請求人一人の力だけでは難しく 周りの大人の支援を必要としている状況である 現在も上記のような状況から 仕事ができずにいる また 本件処分は本件診断書に基づいて行われているが その後本件児童の状態が変わっているので 平成 30 年 3 月 26 日付

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処分済み

処分済み

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保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとは いえない 第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30

処分済み

第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より いずれも棄却すべきである 第 5 調査審議の経過審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日審議経過 平成 30 年 3 月 6 日 諮問 平成 30 年 4 月 26 日審議 ( 第

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01 表紙

ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

19 条の4 第 2 項の規定により, 特別職の公務員であるから, 本件不開示情報は, 公務員としての職務遂行情報であり, 精神保健指定医が, 客観的な生体検査もなく, ただその主観に基づいて, 対象者を強制入院させることができるという性質の資格であること, 本件開示請求に係る精神保健指定医らが対象

平成 30 年 9 月 25 日 諮問 平成 30 年 11 月 13 日審議 ( 第 27 回第 4 部会 ) 平成 30 年 12 月 11 日審議 ( 第 28 回第 4 部会 ) 第 6 審査会の判断の理由審査会は 請求人の主張 審理員意見書等を具体的に検討した結果 以下のように判断する 1

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<4D F736F F D2095BD90AC E D738CC2816A939A905C91E D862E646F63>

が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

がある 7 平成 28 年 3 月 28 日 処分庁は 同日付で審査請求人に対し 借入金収入 円の未申告により生じた保護費過払い分について 法第 78 条第 1 項の規定により費用徴収を行う決定を行い 同年 7 月 7 日 費用徴収決定通知書を審査請求人に手交した 8 審査請求人は 平成 28 年

kisaihouhou

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録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

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諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

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病が原子爆弾の傷害作用に起因する旨の厚生労働大臣の認定を受けなければならない ( 被爆者援護法 11 条 1 項 ) ⑶ 都道府県知事は ⑵ 記載の厚生労働大臣の認定を受け かつ 当該認定に係る負傷又は疾病の状態にあるとの要件に該当することについて都道府県知事の認定を受けた者に対し 医療特別手当を支

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ウ 特定個人 a に訂正してほしいとは, 私は書いてない これも日本年金機構の単純ミスなのか? それとも他に理由があるのか? 事実に基づいて, 説明を求める 私の公共職業安定所における氏名は, カタカナの 特定個人 b のスペースなしで管理されている 私の資格画面も氏名欄はカタカナである 国民年金保

公的医療保険が対象とならない治療 投薬などの費用 ( 例 : 病院や診療所以外でのカウンセリング ) 精神疾患 精神障害と関係のない疾患の医療費 医療費の自己負担ア ) 世帯 ( 1) における家計の負担能力 障害の状態その他の事情をしん酌した額 ( しん酌した額が自立支援医療にかかった費用の 10

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目 次 第 1 趣旨 目的 1 第 2 ガイドラインの適用 1 1. 対象給付 1 2. 対象傷病 1 3. ガイドラインの運用 1 第 3 障害等級の判定 2 1. 障害等級の目安 2 2. 総合評価の際に考慮すべき要素の例 2 3. 等級判定にあたっての留意事項 2 (1) 障害等級の目安 2

債務のうち所定の範囲内のものを当該事業主に代わって政府が弁済する旨規定する (2) 賃確法 7 条における上記 政令で定める事由 ( 立替払の事由 ) として 賃金の支払の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 51 年政令第 169 号 以下 賃確令 という )2 条 1 項 4 号及び賃金の支払の確

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

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の対象として 人事院事務総長引継書 を特定し, 同年 9 月 29 日付け行政文書開示決定通知書を審査請求人に送付した 2 審査請求人が主張する本件審査請求の趣旨及び理由審査請求人は, 事務引継書が1 名分しか存在しないという決定は不自然である, 他の職員についても事務引継書がなければ, 前任者から

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ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

諮問庁 : 株式会社日本政策金融公庫諮問日 : 平成 28 年 2 月 8 日 ( 平成 28 年 ( 独個 ) 諮問第 3 号 ) 答申日 : 平成 28 年 4 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 独個 ) 答申第 1 号 ) 事件名 : 本人に関する融資審査の検討資料の不訂正決定に関する件

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

Microsoft Word - (課×県・指定)【頭紙】「精神障害者保健福祉手帳の診断書の記入に当たって留意すべき事項について」等の一部改正について.rtf

1 本件審査請求について (1) 本件審査請求に係る開示請求は, 法に基づき, 処分庁に対し, 本件対象文書の開示を求めたもの ( 以下 本件開示請求 という ) である (2) 本件開示請求を受けて, 処分庁は, 本件対象文書を作成しておらず不存在として, 不開示決定 ( 原処分 ) を行った (

ている しかしながら 本件処分は条例の理念と条文の解釈運用を誤った違法なものであり 取り消されなければならない ⑶ 条例第 7 条第 1 項本文は 個人情報の外部提供の原則禁止を規定している また 同条同項ただし書の趣旨は 単に外部提供の原則禁止規定を解除したにとどまる すなわち 当該法令等が存在す

査請求人 ) が 平成 5 年分所得税確定申告書 ( 以下 本件請求保有個人情報 1 という ) の開示を求めるものである 処分庁は, 本件開示請求に対し, 本件請求保有個人情報 1は文書保存期間 (7 年 ) が満了し, 既に廃棄しているとして, 平成 27 年 12 月 2 2 日付け特定記号第

返還の必要性を十分説明しており 手続は適法である 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件の争点は 本件保険が法第 4 条第 1 項に規定する 利用し得る資産 に該当するかどうかであるが その判断に当たっては 処分庁が判断の要素

無い (3) 特定市が振興協会会長 Aと市教育委員会とで一体に推進した当該文化事業は事業の実施前と実施後のまちの変化における事業の効果について国への報告義務があり, 公正に適法に事業を行う責務の存在は当該文化事業の目標の1は中心市街地の賑わいの促進にあって中心市街地活性化ソフト事業であって公開されて

Microsoft PowerPoint - 参考資料

して 当審査会に対し諮問をした 以上の事案の経緯は 諮問書 審査請求書及び懲戒処分書から認められる 2 関係する法令等の定め (1) 司法書士に対する懲戒及びその手続についてア法 47 条は 司法書士がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反したときは その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局

異議申立てしていますが, 協会 ( 原文ママ ) として黙認しています 本件に関しても, 諮問庁は国のトップなのだから, もっともっと労働問題に積極的に取り組み, 労基法厳守で, 場合により, 行政処分すべきである 警察なら, スピード違反すれば即行政処分されますが, 労基法では, 基本強い行政処分

0 月 22 日現在, 通帳紛失の総合口座記号番号 特定番号 A-B~C 担保定額貯金 4 件 ( 特定金額 A): 平成 15 年 1 月 ~ 平成 16 年 3 月 : 特定郵便局 A 預入が証明されている 調査結果の回答書 の原本の写しの請求と, 特定年月日 Aの 改姓届 ( 開示請求者本人

遺者であったが 事情があって遺贈の放棄をした 民法 986 条の規定によれば 受遺者は 遺言者の死亡後 いつでも 遺贈の放棄をすることができ 遺贈の放棄は 遺言者死亡のときに遡ってその効力を生じるとされているから 前所有者から請求人に対する本件各不動産の所有権移転の事実は無かったものであり 請求人は

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横情審答申第 1534 号 平成 3 0 年 11 月 15 日 横浜市長林文子様 横浜市情報公開 個人情報保護審査会 会長 藤原靜雄 横浜市個人情報の保護に関する条例第 53 条第 1 項の規定に基づく諮問 について ( 答申 ) 平成 29 年 5 月 1 日総職健第 86 号による次の諮問につ

第1 総 括 的 事 項

諮問庁 : 防衛大臣諮問日 : 平成 28 年 2 月 25 日 ( 平成 28 年 ( 行情 ) 諮問第 192 号 ) 答申日 : 平成 29 年 1 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 行情 ) 答申第 694 号 ) 事件名 : 洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準 運用上の留意事項等に

横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申

第 3 諮問庁の説明の要旨 1 本件事案の概要本件は, 審査請求人が平成 29 年 8 月 29 日付けで法人文書の開示請求を行ったことに対し, 同年 9 月 29 日付け千大総第 307 号により, 法人文書の一部を不開示とする開示決定等処分 ( 処分 1) を行ったところ, 審査請求が提起された

(4) 3 発病からから現在現在までのまでの病歴及病歴及び治療治療の経過経過 内容内容 欄 3 発病から現在までの病歴及び治療の経過 内容 ( 推定発病年月 発病状況 初発症状 治療の経過 治療内容等を記入 ) ( 推定発病時期年月頃 不詳 ) 受診頻度 : 月平均回 * 器質性精神障害の ( 認知

Microsoft Word - 答申第141号.doc

はじめに 精神障害者保健福祉手帳の障害等級判定 ( 診断書による申請の場合 ) は 書面審査であり 精神保健指定医その他精神障害の診断又は治療に従事する医師が記入した診断書を (1) 精神疾患の存在の確認 (2) 精神疾患 ( 機能障害 ) の状態の確認 (3) 能力障害 ( 活動制限 ) の状態の

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し


⑴ ⑵ ⑶

一について第一に 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号 以下 感染症法 という )第十二条の規定に基づき 後天性免疫不全症候群(以下 エイズという )の患者及びその病原体を保有している者であって無症状のもの(以下 HIV感染者 という )(以下 エイズの患者等

(2) 電子計算機処理の制限に係る規定ア電子計算機処理に係る個人情報の提供の制限の改正 ( 条例第 10 条第 2 項関係 ) 電子計算機処理に係る個人情報を国等に提供しようとする際の千葉市情報公開 個人情報保護審議会 ( 以下 審議会 といいます ) への諮問を不要とし 審議会には事後に報告するも

- 12 -

横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申

業務 とあるが, 当該支払の一時差止めに係る決定を除く と, されている すなわち, 決定に係る業務は, 事業管理課長である ウその決定に係る文書及びデータは存在する 事業管理課長の決定により, 年金機構は, 障害者の年金給付を一時差し止めるための電算処理をしている事実がある そして, その事実から

地域生活支援事業サービス提供事業者登録要綱

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

1 経 緯

3) 適切な薬物療法ができる 4) 支持的関係を確立し 個人精神療法を適切に用い 集団精神療法を学ぶ 5) 心理社会的療法 精神科リハビリテーションを行い 早期に地域に復帰させる方法を学ぶ 10. 気分障害 : 2) 病歴を聴取し 精神症状を把握し 病型の把握 診断 鑑別診断ができる 3) 人格特徴

平成14年7月3日

ありどのような証言がなされたのか ( 請求人にとって虚偽と思われる証言が無いか等 ), また産業医が本人の意見を聞かずにどう判断し診療録に記載したのかを知る権利が請求人にはあると考える 3 請求人については, 特定理由等から特定機関等が千葉大学に対して診療録の開示を求める可能性もあり得るが, 千葉大

11総法不審第120号

年管管発 0928 第 6 号平成 27 年 9 月 28 日 日本年金機構年金給付業務部門担当理事殿 厚生労働省年金局事業管理課長 ( 公印省略 ) 障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて 厚生年金保険法施行規則等の一部を改正する省令 ( 平成 2

く, 未支給年金受給権者の個人情報の開示を求めているとして, 法 12 条 自己を本人とする開示を請求することができる に当たらないため, 開示することはできないことを伝え, 取り下げの意思を確認した しかしながら, 異議申立人は, 不開示である旨の正式な回答がほしいとして, 開示請求を続けたもので

高島市職員措置請求に係る監査の結果について 第 1 請求の受付 1 請求書の提出平成 29 年 9 月 28 日 2 請求人 3 請求の要旨 ( 高島市職員措置請求書 の原文のまま記載) 1 請求の要旨高島市長による平成 29 年度の固定資産税の賦課において 別紙の固定資産について 家屋の未評価によ

第1 審査会の結論

Transcription:

答 申 審査請求人 ( 以下 請求人 という ) が提起した精神障害者保健 福祉手帳の障害等級認定に係る審査請求について 審査庁から諮問が あったので 次のとおり答申する 第 1 審査会の結論 本件審査請求は 棄却すべきである 第 2 審査請求の趣旨本件審査請求の趣旨は 東京都知事 ( 以下 処分庁 という ) が請求人に対し 発行年月日を平成 2 8 年 9 月 16 日として行った精神障害者保健福祉手帳 ( 以下 福祉手帳 という ) の更新決定処分のうち 障害等級を 3 級と認定した部分 ( 以下 本件処分 という ) について 上位の級への変更を求めるものである 第 3 請求人の主張の要旨 発病から 20 数年経過し 様々な病名を告げられ 残存してい る点を考えると現等級 3 級は低すぎ 納得できるものではない 第 4 審理員意見書の結論 本件審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 1

審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 2 9 年 1 月 2 7 日 諮問 平成 2 9 年 3 月 2 2 日審議 ( 第 7 回第 1 部会 ) 平成 2 9 年 3 月 29 日 平成 2 9 年 4 月 4 日 平成 2 9 年 4 月 1 9 日 請求人から意見書の提出 処分庁へ調査照会 処分庁から回答を収受 平成 2 9 年 4 月 2 4 日審議 ( 第 8 回第 1 部会 ) 平成 2 9 年 5 月 2 2 日審議 ( 第 9 回第 1 部会 ) 平成 2 9 年 6 月 9 日 処分庁へ調査依頼 平成 2 9 年 6 月 1 9 日審議 ( 第 1 0 回第 1 部会 ) 処分庁から意見聴取 平成 2 9 年 6 月 2 2 日 平成 2 9 年 7 月 5 日 処分庁へ調査照会 処分庁から回答を収受 平成 2 9 年 7 月 1 0 日審議 ( 第 1 1 回第 1 部会 ) 平成 2 9 年 8 月 1 4 日審議 ( 第 1 2 回第 1 部会 ) 第 6 審査会の判断の理由審査会は 請求人の主張 審理員意見書等を具体的に検討した結果 以下のように判断する 1 法令等の定め ⑴ 法 4 5 条 2 項は 都道府県知事は 福祉手帳の交付申請に基づいて審査し 申請者が 政令で定める精神障害の状態 にあると認めたときは 申請者に福祉手帳を交付しなければならない旨定めている これを受けて 法施行令は 障害等級 及び 精神障害の状態 について別紙 2 のように規定する また 別紙 2 ( 法施行令 6 条 3 項 ) の表が定める障害等級の 2

認定に係る精神障害の状態の判定に当たっては 精神疾患 ( 機能障害 ) 及び能力障害 ( 活動制限 ) の状態が重要な判断資料となることから 精神疾患 ( 機能障害 ) の状態 ( 以下 機能障害 という ) と 能力障害 ( 活動制限 ) の状態 ( 以下 活動制限 という ) の二つの要素を勘案して 総合判定 すべきものとされている ( 精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について ( 平成 7 年 9 月 12 日健医発第 113 3 号厚生省保健医療局長通知 以下 判定基準 という ) 及び 精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準の運用に当たって留意すべき事項について ( 平成 7 年 9 月 12 日健医精発第 46 号厚生省保健医療局精神保健課長通知 以下 留意事項 といい 判定基準と併せて 判定基準等 という ) ) ⑵ そして 法 4 5 条 1 項 法施行規則 2 3 条 1 号によれば 福祉手帳の交付申請は 医師の診断書を添えて行うこととされており 法 4 5 条 4 項による更新申請の場合も同様であることから ( 同規則 2 8 条 1 項 ) 本件においても 上記 ⑴ の 総合判定 は 提出された本件診断書により その記載内容全般を基に 客観的になされるべきものと解される このため 本件診断書の記載内容を基にした判断に違法又は不当な点がなければ 本件処分に取消理由があるとすることはできない 2 次に 本件診断書の記載内容を前提に 本件処分に違法又は不当な点がないかどうか 以下 検討する ⑴ 機能障害についてア本件診断書において 請求人の主たる精神障害は 心気神経症 従たる精神障害は 覚醒剤後遺症 ( 別紙 1 1 ) と記載されている 請求人の主たる精神障害の 心気神経症 は I C D コード 3

では 心気障害 ( F 4 5. 2 ) に該当し 判定基準等によれば その他の精神疾患 に該当し その他の精神疾患によるものにあっては 1 ( 統合失調症 ) ~ 7 ( 発達障害 ) に準ずるものとされている そして 心気障害は 顕著な抑うつや不安がしばしば存在することから その症状との関連性から 2 気分 ( 感情 ) 障害 に準ずるものとして 請求人の機能障害の程度は 気分 ( 感情 ) 障害 の判定基準等によって判断されることになる 気分 ( 感情 ) 障害 よる機能障害については 判定基準等によれば 高度の気分 意欲 行動及び思考の障害の病相期があり かつ これらが持続したり ひんぱんに繰り返したりするもの が 1 級 気分 意欲 行動及び思考の障害の病相期があり かつ これらが持続したり ひんぱんに繰り返したりするもの が 2 級 気分 意欲 行動及び思考の障害の病相期があり その症状は著しくはないが これを持続したり ひんぱんに繰り返すもの が 3 級とされている なお 留意事項においては 精神疾患 ( 機能障害 ) の状態を判断するに当たっては 現時点の状態のみでなく おおむね過去の 2 年間の状態 あるいは おおむね今後 2 年間に予想される状態も考慮する とされている イこれを請求人についてみると 本件診断書によると 発病から現在までの病歴及び治療内容等 欄には 別紙 ( 1 3 ) のとおり記載されている そして 現在の病状 状態像等 欄 ( 別紙 1 4 ) では 幻覚妄想状態 ( 幻覚 ) 不安及び不穏 ( 強度の不安 恐怖感 ) 精神作用物質の乱用 依存等 ( 覚醒剤 ( 乱用 残遺性 遅発性精神病性障害 )) に該当し 病状 状態像等の具 4

体的程度 症状 検査所見等 の欄 ( 別紙 1 5 ) には 心気 不安 不眠 易怒性強く 薬物調整中である ときに幻聴体験 情動不安定も強い 検査所見は特になし と記載されている これらの記載によれば 請求人は精神疾患を有し 心気障害に相当する心気症や不安等が認められるものの これらの症状に関する具体的な記述は乏しく 外来通院することにより薬物調整を継続しており 過去に 2 回の入院歴が認められるものの おおむね過去 2 年間の状態については 入院を要するほどの著しい病状の増悪は認められないものと思料され 日常生活活動に著しい制限を伴うものとまでは認められない ウまた 請求人の従たる精神障害である 覚醒剤後遺症 ( 別紙 1 1 ) は 判定基準等によれば 中毒精神病 に該当するが 中毒精神病による機能障害については 認知症その他の精神神経症状が高度なもの が 1 級 認知症その他の精神神経症状があるもの が 2 級 認知症は著しくはないが その他の精神神経症があるもの が 3 級とされている これを請求人についてみると 本件診断書によると 請求人には覚醒剤の乱用ないし残遺性 遅発性精神病性障害 ( 別紙 1 4 ⑶ ) のため ときに幻聴体験 ( 別紙 1 5 ) が認められるものの 覚醒剤使用による認知症についての記述は見受けられず 請求人の主たる精神障害が心気障害であることからすると 認知症その他の精神神経症状があるもの ( 2 級 ) とまでは認められないことから 請求人の覚醒剤後遺症は 認知症は著しくはないが その他の精神神経症状があるもの ( 3 級 ) に該当するものといえる エしたがって 請求人の機能障害の程度は 判定基準等によると 症状は著しくはないが これを持続したり ひんぱん 5

に繰り返すもの として 障害等級 3 級に該当すると判断するのが相当である ⑵ 活動制限について次に 請求人の活動制限についてみると 本件診断書によれば 日常生活能力の程度 欄 ( 別紙 1 6 ⑶) の記載の中では 精神障害を認め 日常生活に著しい制限を受けており 時に応じて援助を必要とする が選択され また 生活能力の状態の具体的程度 状態像 欄 ( 別紙 1 7 ) には 日常生活にも家人の支援を要しており 社会活動にも乏しい との記載があり これらの記載のみからすると 留意事項 3(6) 表によれば 請求人の活動制限の程度は おおむね 2 級の区分に該当し得るともいえる しかし 日常生活能力の判定 欄 ( 別紙 1 6 ⑵) では 8 項目中 7 項目が 援助があればできる とされ 残り1 項目が おおむねできるが援助が必要 とされているが 現在の生活環境 ( 別紙 1 6 ⑴ ) は 在宅 ( 家族等と同居 ) であり 現在の障害福祉等サービスの利用状況 ( 別紙 1 8 ) は なし となっていることからすると 請求人は 障害福祉等サービスを受けることなく 家族等と在宅生活を維持しながら 外来通院している状況にあると認められることから 上記 ⑴ で検討した機能障害の程度からしても 精神症状による日常生活活動への影響が著しいとまでは認められない したがって 請求人の活動制限の程度について 判定基準等によると 障害等級 2 級と判断することは困難であり 3 級相当と判断するのが相当である ⑶ 総合判定請求人の障害等級について 上記 ⑴ 及び⑵で検討した機能障害と活動制限とを総合して判定すると 請求人の障害程度につ 6

いて 障害等級 2 級の 日常生活が著しい制限を受けるか 又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの に至っているとまで認めることはできない そうすると 請求人の精神障害は 日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか 又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの として障害等級 3 級 に該当すると判定するのが相当であり これと同旨の結論を採る本件処分に違法又は不当な点は認められず 請求人の主張は理由がない 3 請求人は 上記 ( 第 3) のとおり述べ 障害等級 3 級と認定した本件処分には納得できない旨主張する このことについて 当審査会において 行政不服審査法 74 条に基づく調査をした結果 処分庁から以下の3つの回答を得た 第 1に 本件診断書の 病名 主たる精神障害 欄 ( 別紙 1 1 ) にある F 4 病名圏 ( 心気障害 身体化障害等 ) は F 3 病名圏 ( 気分障害 ( うつ病等 ) ) に引き続き連なるものだが 病像の質が異なるものである F 4 病名圏は 症状が持続するものではなく 強くなる時もあれば弱くなる時もあり 病状が弱くなった時はそれほど日常生活に影響しない 第 2に 本件診断書の 現在の病状 状態像等 欄 ( 別紙 1 4) を見ると 請求人は 強度の不安 恐怖感 に該当するが 抑うつ状態 には該当しておらず F 4 病名圏で抑うつ状態もないので 日常生活が著しく制限されることはあっても それが持続している訳ではないと思慮される 第 3に 本件診断書の 病名 従たる精神障害 欄に 覚醒剤後遺症 ( 別紙 1 1 ) が記載されており 現在の病状 状態像等 欄 ( 別紙 1 4 ) にも 幻覚 に該当しているが 発病から現在までの病歴及び治療内容等 欄 ( 別紙 1 3 ) や 病状 7

状態像等の具体的程度 症状 検査所見等 欄 ( 別紙 1 5 ) には特段の記載がないため 同じ状態が続いており 日常生活への影響は少ないと思慮されるものであり かつ 同一の等級について 2 つの重複する障害がある場合は 1 級上の級とするような仕組みは 精神障害者保健福祉手帳の制度にはない 上記の処分庁の主張は いずれも合理的なものであると認められ これらに基づけば 請求人の主張については 理由がないものであると考える 4 請求人の主張以外の違法性又は不当性についての検討その他 本件処分に違法又は不当な点は認められない 以上のとおり 審査会として 審理員が行った審理手続の適正性や法令解釈の妥当性を審議した結果 審理手続 法令解釈のいずれも適正に行われているものと判断する よって 第 1 審査会の結論 のとおり判断する ( 答申を行った委員の氏名 ) 髙橋滋 窪木登志子 筑紫圭一 別紙 1 及び 2 ( 略 ) 8