高品質照明用 LED 光源における 性能要求指針 2013 年 ( 平成 25 年 ) 4 月 17 日制定 一般社団法人日本照明工業会 Japan Lighting Manufacturers Association
高品質照明用 LED 光源における性能要求指針 1. はじめに電球形 LED ランプや直管 LED ランプが白熱電球や直管蛍光ランプの代替として使用されている しかし LED ランプの性能が必ずしも十分でない製品も散見され LED に置換えることによって必要十分な照明条件が実現できないという問題が起こっている 特に直管蛍光ランプは照明環境の安全性や作業性を維持するために使用されることが多く 代替する直管 LED ランプの性能が不十分であると日常生活の安全性や作業性を損なう危険性がある 本指針はそのような問題を解決するため LED 光源の性能を確保するための要求事項を定めたものである 2. 品質確認の実施照明用 LED 光源の性能を確認するために, 本指針は, 次の事項を規定する a) 適用範囲 b) 性能項目 c) 性能項目に対する要求基準 d) 性能項目を確認するための試験規格及び参照規格 e) 必要に応じて指定する試験条件 f) 試験の合否を判別するための, 試料数及び合格基準 g) 試験の実施主体 3. 直管 LED ランプの性能要求事項 3.1. 適用範囲本指針では, 直管蛍光ランプの代替として使用される JEL 801{JIS C 8159-1 及び JIS C 8159-2 ( 制定準備中 )} 及び JEL 802 で規定する直管 LED ランプに適用する 3.2. 性能項目性能項目は, 次による 3.3. 性能項目に対する要求事項性能項目に対する要求事項は, 次による 1) ランプ効率は,80 (lm/w) 以上であること 2) ランプ効率の試験方法は,JIS C 8152-2 に規定する全光束測定方法及び JEL 801(JIS C 8159-2 として制定準備中 ) 又は JEL 802 に規定するランプ電力の測定方法により求める 3) ランプの点灯条件は定格点灯とし, ランプ効率の初期特性を求める 1
1) 全光束は,JEL 801 又は JEL 802 で規定する大きさの区分が 20 形の場合は 1 000 (lm) 以 上,40 形である場合には 2 300(lm) 以上であること 2) 全光束の試験方法は,JIS C 8152-2 に規定する方法による 3) ランプの点灯条件は定格点灯とし, 全光束の初期特性を求める 1) 光源色の区分は,JIS Z 9112 で規定する色の区分のうち,D,N,W,WW, 又は L の色 度範囲であること 2) 光源色の試験方法は,JIS C 8152-2 に規定する方法による 3) ランプの点灯条件は定格点灯とし, 光源色の初期特性を求める 1) 演色性は, 平均演色評価数 R a が 80 以上であること 特殊演色評価数 R 9 は,0 以上が望 ましい 2) 演色性の試験方法は,JIS C 8152-2 に規定する方法による 3) ランプの点灯条件は定格点灯とし, 演色性の初期特性を求める 1) 寿命は, 定格寿命 40 000 時間以上であって, 定格寿命の 1/4 の点灯時間における光束維 持率が 91.5 % 以上であること 必要に応じて, 附属書 A で規定する方法を用いて, 早期 判定 ( 仮判定 ) をすることができる 2) 光束維持率の試験方法は,JIS C 8152-3( 制定準備中 ) に規定する方法による 3) ランプの点灯条件は定格点灯とし, 光束維持率を求める 4) 試料数は 10 個とする 合格条件は,9 個以上が 1) の要求値を満たす場合とする 1) 安全性は,JEL 801,JIS C 8159-1 又は JEL 802 に適合すること 3.4. 試験の実施主体 3.3 で規定する要求事項は, 工業標準化法第 57 条第 1 項の規定に基づく JNLA 試験機関データによること ただし,JNLA 試験機関が整備されるまでは ( 一社 ) 日本照明工業会が指定する試験機関データによることができる なお, この要求事項は,2014 年 3 月 31 日まで適用しない 4. 電球形 LED ランプの性能要求事項 4.1. 適用範囲本指針では, 白熱電球又は電球形蛍光ランプの代替として使用される JIS C 8157 で規定する電球形 LED ランプに適用する ただし, 反射形は除く 4.2. 性能項目性能項目は, 次による 2
4.3. 性能項目に対する要求事項性能項目に対する要求事項は, 次による 1) ランプ効率は,70 (lm/w) 以上であること 2) ランプ効率の試験方法は,JIS C 7801 に規定する全光束測定方法及び JIS C 8157 に規定するランプ電力の測定方法により求める 3) ランプの点灯条件は定格点灯とし, ランプ効率の初期特性を求める 1) JIS C 8158 の附属書 B による白熱電球の代替表示を行い, 全光束は, この附属書 B に規定した代替表示区分に対する定格光束に適合すること 2) 全光束の試験方法は,JIS C 7801 に規定する方法による 3) ランプの点灯条件は定格点灯とし, 全光束の初期特性を求める 1) 光源色の区分は,JIS Z 9112 で規定する色の区分のうち,D,N,W,WW, 又は L の色度範囲であること 2) 光源色の試験方法は,JIS C 7801 に規定する方法による 3) ランプの点灯条件は定格点灯とし, 光源色の初期特性を求める 1) 演色性は, 平均演色評価数 R a が 80 以上であること 特殊演色評価数 R 9 は,0 以上が望ましい 2) 演色性の試験方法は,JIS C 7801 に規定する方法による 3) ランプの点灯条件は定格点灯とし, 演色性の初期特性を求める 1) 寿命は, 定格寿命 40 000 時間以上であって, 定格寿命の 1/4 の点灯時間における光束維持率が 91.5 % 以上であること 必要に応じて, 附属書 A で規定する方法を用いて, 早期判定 ( 仮判定 ) をすることができる 2) 光束維持率の試験方法は,JIS C 8152-3( 制定準備中 ) に規定する方法による 3) ランプの点灯条件は定格点灯とし, 光束維持率を求める 4) 試料数は 10 個とする 合格条件は,9 個以上が 1) の要求値を満たす場合とする 1) 安全性は,JIS C 8156 に適合すること 4.4. 試験の実施主体 4.3 で規定する要求事項は, 工業標準化法第 57 条第 1 項の規定に基づく JNLA 試験機関データによること ただし,JNLA 試験機関が整備されるまでは ( 一社 ) 日本照明工業会が指定する試験機関データによることができる なお, この要求事項は,2014 年 3 月 31 日まで適用しない 3
附属書 A 寿命試験の早期判定方法 ( 参考 ) A.1. はじめにこの附属書は, 寿命評価における光束維持率試験において, 早期に合否を確認する方法を規定する A.2. 寿命試験寿命試験及び判定基準は, 次による a) 最終試験定格寿命の 1/4 の点灯時間における光束維持率が 91.5 % 以上であること 試験方法の詳細は, 3.3 e) による b) 一次試験 3 000 時間における光束維持率が, 表 A.1 で示す基準を満たすこと 一次試験に合格した場合でも, 二次試験及び最終試験に合格すること 試験方法の詳細は,3.3 e) による ただし, 試料数は 10 個とする 合格条件は,10 個が 3.3 e) の要求値を満たす場合とする 表 A.1. 一次試験の合格基準 定格寿命 tr(h) 光束維持率 (%) 40 000 97.4 45 000 97.7 50 000 97.9 100 e 3000 ln 0.7 t 50 000 超 r ( 小数第 2 位切り上げ ) c) 二次試験 6 000 時間における光束維持率が, 表 A.2 で示す基準を満たすこと 二次試験に合格した場合でも, 最終試験に合格する必要がある 試験方法の詳細は,3.3 e) による ただし, 試料数は 10 個とする 合格条件は,10 個が 3.3 e) の要求値を満たす場合とする 表 A.2. 二次試験の合格基準 定格寿命 tr(h) 光束維持率 (%) 40 000 94.8 45 000 95.4 50 000 95.9 100 e 6000 ln 0.7 t 50 000 超 r ( 小数第 2 位切り上げ ) 4
A.3. 寿命試験結果の取り扱い寿命試験結果の取り扱いは, 表 A.3 に示すとおりとする 表 A.3. 寿命試験結果の取り扱い ケース 寿命試験の結果 一次試験二次試験最終試験 試験結果の取り扱い 1 合格 合格 合格 2 合格 合格 不合格 3 合格 不合格 合格 4 合格 不合格 不合格 5 不合格 合格 合格 6 不合格 合格 不合格 7 不合格 不合格 合格 一次試験 (3 000 h) において合格したものとして取り扱う 一次試験の合格結果は取り消され, 不合格として取り扱う 一次試験の合格結果は取り消されるが, 最終試験において合格したものとして取り扱う 一次試験の合格結果は取り消され, 不合格として取り扱う 二次試験 (6 000 h) において合格したものとして取り扱う 二次試験の合格結果は取り消され, 不合格として取り扱う 最終試験において合格したものとして取り扱う 8 不合格不合格不合格不合格として取り扱う 9 未実施合格合格 10 未実施合格不合格 11 未実施不合格合格 二次試験において合格したものとして取り扱う 二次試験の合格結果は取り消され, 不合格として取り扱う 最終試験において合格したものとして取り扱う 12 未実施不合格不合格不合格として取り扱う 13 未実施未実施合格 最終試験において合格したものとして取り扱う 14 未実施未実施不合格不合格として取り扱う 5
指針作成委員会の構成表本指針の作成委員会の構成表を, 次に示す 光源デバイス技術委員会 ( 委員長 ) 鈴木篤 日立アプライアンス株式会社 ( 副委員長 ) 平岡敏行 東芝ライテック株式会社 ( 委員 ) 早川弘幸 岩崎電気株式会社 杉谷晃彦 ウシオ電機株式会社 山村修史 NECライティング株式会社 佐々木勝 株式会社小糸製作所 岩岡一司 四変テック株式会社 金沢智 スタンレー株式会社 今井崇之 パナソニック株式会社エコソリューションズ社 天野詔次郎 冨士電球工業株式会社 西勝健夫 三菱電機照明株式会社 武内徹二 一般社団法人日本照明工業会 内橋聖明 一般社団法人日本照明工業会 ( 事務局 ) 八木敏治 一般社団法人日本照明工業会 赤澤幸造 一般社団法人日本照明工業会 柳 正 一般社団法人日本照明工業会 6