TPP協定テキストから見る医療制度への影響(3)

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外国の認証機関の指定 平成 27 年 11 月 17 日石塚記 医療機器の認証について TPP 協定にその条項があることを NHK のニュースで知りました 探してみると 該当するのは第 8 章 TBT( 貿易の技術的障害 ) の附属書であり TPP 政府対策本部の全文概要と USTR 発表の英文テキストに それらしき記述があります 英文テキストは それぞれの言葉が何を意味するのか 当事者でないと分からない表現が多くあります NHK 11 月 13 日 5 時 54 分医療機器の認証外国機関も規制へ厚生労働省厚生労働省は TPP= 環太平洋パートナーシップ協定交渉の大筋合意を受けて 国内で使用される医療機器などの認証を行う外国の機関を 国内の機関と同様に規制できるようにするため 法律の改正案を来年の通常国会に提出する方向で調整を進めることにしています さきのTPP= 環太平洋パートナーシップ協定交渉の大筋合意では 国内で使用される医療機器などの適合性の評価について 外国の民間の認証機関にも国内の機関と同等の待遇を与えることが明記されています ただこうした外国の機関を対象とした法律が整備されていないことから 厚生労働省は 外国の機関についても 国内の機関と同様に 問題があった場合には適切に規制できるようにするため 医薬品医療機器法 を改正する方針です 具体的には 厚生労働省に登録された外国の機関が 業務に関する報告を国から求められた際に回答しなかったり 虚偽の報告をした場合や 国による立ち入り検査を拒んだりした場合 厚生労働省はその機関の登録を取り消すことができるなどとする方針です 厚生労働省は 法律の改正案を 来年の通常国会に提出する方向で調整を進めることにしています http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151113/k10010303911000.html 該当する TPP 協定は 第 8 章 TBT( 貿易の技術的障害 ) の附属書に該当します TPP 政府対策本部の TPP 協定の全章概要 の 29 頁に下記の記載があります しかし 具体的な内容の理解が困難です http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/2015/13/151105_tpp_zensyougaiyou.pdf 1

医薬品 化粧品又は医療機器に関する附属書 医薬品 化粧品及び医療機器に関する承認手続の透明性を確保すること等について規定 具体的には 以下の規律を規定 各締約国は 承認手続の手続を時宜を得た 合理的な 客観的な 透明性のある及び衡平な態様で運用するとともに 関連する危険性を緩和するために利益相反を特定し 及び処理する 締約国が 販売承認を付与するかどうかの決定を行うに当たり要求してはならない情報について規定 締約国は 販売承認を受けるための条件として 製造国による販売承認を受けることを要求してはならない 具体的な内容を知るためには USTR の HP にあるテキスト原文を参照します https://ustr.gov/sites/default/files/tpp-final-text-technical-barriers-to-trade.pdf この第 8 章の附属書 Annex 8-A: Wine and Distilled Spirits ワインと蒸留酒 Annex 8-B: Information and Communications Technology Products 情報通信技術製品 Annex 8-C: Pharmaceuticals 医薬品 (25 頁 ) Annex 8-D: Cosmetics 化粧品 (28 頁 ) Annex 8-E: Medical Devices 医療機器 (33 頁 ) Annex 8-F: Proprietary Formulas for Pre-packaged Foods and Food Additives 包装された食品及び食品添加物 Annex 8-G: Organic Products 有機製品 ( ワイン 食品 有機農産品などは 最後の 参考 をご覧ください ) 8-C 医薬品 8-D 化粧品 8-E 医療機器はほぼ同じ文章で 製品特有の表現 が置き換わっ ている表現になっている 8-E 医療機器 (33 頁 ) 1. 中央政府省庁の技術的規制 標準 適合性評価手順に関する準備 採用 適用 販売許可 申請手続き 2. 対象製品の定義 3. 認証機関の指定 4. 複数の認証機関による重複する認証の排除 5. 国際的イニシアチブによる協力 6. 規制の検討と実施は 国際的協力により得られた科学技術的ガイダンス文書に準拠 2

7. 医療機器の分類と管理 7bis. 申請者からの情報提供 8. 認可基準 (a) 安全と効果の前臨床データ 臨床データ (b) 製品の製造品質情報 (c) 製品の安全 効果 使用法に関するラベリング情報 (d) 副作用財務 価格データを求めない 9. 販売許可の手続き注意 (a) 申請者への販売許可に関する情報の紹介 (b) 申請書の不備の通知 (c) 申請者からの異議申立受付 (d) 再申請の機器の認可について 10. 規制要求の最小化 (a) 機器の安全性 効果 製品品質を確認するための手続き (b) 認可の遅れ 11. 締約国は 販売承認を受けるための条件として 製造国による販売承認を受けることを要求してはならない ( 注 22) 他の認定機関の販売許可を受け取り 一締約国が指定した他の参照国の販売許可を要求してもよい 12. 輸入品の商標の扱い 全体的には パラグラフ 2,3 4,5,6 に規定されている内容で パラグラフ 11 と 脚注 22 に書かれていることが NHK のニュースに関係する直接的表現のようです 詳しい対比をしていませんが医薬品と化粧品も同様のルールになっています この医薬品 化粧品 医療機器の項目の表現が似通っています 最初の文章をコピー ペーストして 製品特有の箇所の言葉を書き換えて作成したとみられ その一部が書き換わっていない文章があります 4. 複数の認証機関による重複する認証の排除の文章です 医療機器のこの箇所は次の表現になっていて 化粧品の4 項と同文です 11 月 5 日公開のテキストには このような未処理や誤記があると思われます リーガルスクラブで清書されると思いますが ANNEX 8-E: MEDICAL DEVICES 4. Where more than one agency is authorised to regulate cosmetic products within the territory of a Party, the Party shall examine whether there is overlap or duplication in scope of those authorities and eliminate unnecessary duplication of any regulatory requirements resulting for cosmetic products. 3

日本の公的な認証機関は ( 独 ) 医薬品医療機器総合機構ですが 日本政府は 外国の認定 機関を指定できるという意味であり 外国で承認された医薬品や医療機器をそのまま日本に 持ち込めることではないと理解します 参考 1. に書かれている 医療機器の定義 the Global Harmonization Task Force Final Document http://www.imdrf.org/documents/documents.asp 日本の認定機関 ( 独 ) 医薬品医療機器総合機構 https://www.pmda.go.jp/ 参考 TPP 政府対策本部の TPP 協定の全章概要 に書かれている農産品 食料品に関係する TBT 規定 ワイン及び蒸留酒に関する附属書 ワイン及び蒸留酒のラベルに情報を表示することを要求する場合の要件等を規定する 具体的には 以下の規律を規定 締約国は ワイン又は蒸留酒の供給者に対し ワイン又は蒸留酒の容器 ラベル又は包装に 生産日又は製造日 消費期限 賞味期限等の情報を表示することを求めてはならない ただし 消費期限又は賞味期限が消費者が通常期待するものよりも短くなっている可能性のある産品については この限りでない 締約国は シャトー クラシック ビンテージ等の形容的表示又は形容詞がワインのラベルに含まれるということのみを根拠として 他の締約国からの当該ワインの輸入を妨げてはならない 締約国は 輸入されるワイン又は蒸留酒について 当該ワインのビンテージ 品種等又は当該蒸留酒の原材料及び製造工程に関し 当該ワイン又は蒸留酒がその領域において生産された締約国の公的認証機関等による認証を要求してはならない あらかじめ包装された食品及び食品添加物の専有されている製法に関する附属書 締約国が 強制規格及び任意規格の立案 制定及び適用において専有されている製法に関する情報を収集する場合 正当な目的を達成するために必要なものに限ること 当該情報の秘密が 国内産品の情報の秘密と同様に かつ 正当な商業的利益を保護するような態様で尊重されることを確保すること等を規定 4 お問合せ :Facebook TPP って何? 新館 で検索

有機産品に関する附属書 各締約国は 有機産品の生産 加工又は表示に関し 強制規格若しくは任意規格を自国のそれらと同等なものとして受け入れ 又は適合性評価手続の結果を受け入れることについての他の締約国からの要請を可能な限り速やかに検討することを奨励されること等を規定 5 お問合せ :Facebook TPP って何? 新館 で検索