中期事業計画の評価 平成 27 年度 ~ 平成 29 年度 香川県信用保証協会

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新今回の要望に合関理連性する事項設 拡充又は延長を必要とする理中小企業は地域の経済や雇用を支え 我が国経済全体を発展させる重要な役割を担っている 中小企業の設備投資を促進し 成長の底上げに不可欠な設備や IT 化等への投資の加速化や生産性の向上を図る ⑴ 政策目的 ⑵ 施策の必要性 昨今の中小企業の

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Transcription:

中期事業計画の評価 平成 27 年度 ~ 平成 29 年度

1. 地域の動向及び信用保証協会の実績 地域経済や中小企業 小規模事業者の活性化に地域金融機関とともに貢献していくため 公的機関及び金融にかかわる機関としての透明性 公平性の確保や健全な業務運営と経営の効率化に努めてきました 平成 27 年度から平成 29 年度までの 3 か年の状況は以下のとおりです (1) 地域経済及び中小企業の動向 県内においては 平成 27 年度から平成 28 年度にかけて緩やかな回復基調を維持し 平成 29 年度末において回復に至っている (2) 県内の雇用情勢 有効求人倍率は平成 27 年度が 1.6 倍 ( 全国 1.3 倍 ) 平成 28 年度が 1.7 倍 ( 同 1.5 倍 ) 平成 29 年度が 1.8 倍 ( 同 1.6 倍 ) と全国を上回って推移し 改善の動きが見られた (3) 中小企業向け融資及び保証の動向 県内の中小企業向け融資は景気動向を反映して持ち直しており 経済環境が平時に移行する中 保証債務残高は全国的に漸減傾向にあり 当 協会の保証債務残高も減少した (4) 県内中小企業の資金繰り状況平成 29 年度の倒産において負債総額が3 年振りに100 億円を超過したが 平成 28 年度において倒産件数 負債総額ともに平成以降で最少であったように 期間を通して低水準で推移した 当協会の代位弁済についても 平成 27 年度が14 億円 平成 28 年度が12 億円 平成 29 年度は11 億円と減少傾向であり 中小企業の資金繰りは落ち着いた状況にあった (5) 県内中小企業の設備投資動向県内の景気が緩やかな回復の動きが続いたため 設備投資についても底堅く推移した 当協会の設備資金構成比においても 平成 27 年度の 8.7% から平成 29 年度の11.0% と増加傾向にあった - 1 -

2. 中期業務運営方針についての評価 平成 27 年度から 29 年度までの 3 か年の業務運営方針についての評価は以下のとおりです 1. 保証の推進 1) 保証利用向上への取り組み推進新規先保証の推進キャンペーンを実施し 期間を通じて預託対象件数が増加した 平成 27 年 10 月に創設した5つの協会独自制度については平成 29 年度末までに1,946 件 140 億円の保証承諾となり 保証債務残高の下支えに一定の効果があった また 保証完済先の再利用の促進及び新規保証利用企業の確保のため 平成 29 年 11 月に協会独自制度を1 制度創設した また 保証利用向上に向け主要金融機関本母店を訪問し情報交換を行うことで 連携強化に努めた 2) 政策保証の推進創業保証について 連携相談シート を利用した地域金融機関 日本政策金融公庫 かがわ産業支援財団及び協会の4 者で連携する枠組みを活用し 創業計画段階から協調融資の推進に努めた 中小企業者が金融機関及び認定経営革新等支援機関の支援を受け 事業計画書を策定して計画の実行状況を金融機関に報告する仕組みの経営力強化保証制度の活用に努めた 3) 地域金融機関との連携強化 金融機関との研修会の機会を通して 保証利用についての理解を深めて頂くとともに 顧客企業情報の共有に努めた また 主要営業店舗を 訪問して保証推進に努めるとともに 意見 要望の収集を行った - 2 -

2. 中期業務運営方針についての評価 2. 経営支援の強化 1) 経営改善 事業再生や創業の支援 信用保証協会中小企業 小規模事業者経営支援強化促進補助金 を活用した 経営支援等対策費補助事業 による経営相談を32 件 経営改善計画策定支援を97 件行った 実施に当たっては より実効性のあるものにするため 専門家を交えた金融機関との協議 経営サポート会議の開催や再生支援協議会との連携に努めた 創業支援については 連携相談シート を利用した地域金融機関 日本政策金融公庫 かがわ産業支援財団及び協会の4 者で連携する枠組みを活用し 創業計画段階から協調融資の推進に努めた 2) 香川県中小企業支援ネットワーク推進会議 との協働 ネットワーク推進会議 協力会議 において前記 経営支援等対策費補助事業 についての説明を行うとともに 中小企業支援ネットワ ークの枠組みを活用した地域融資動向に関する情報交換会 を開催し 地域の景況感 融資動向等について意見交換を行い協働に努めた 3. 回収の促進 1) 回収の最大化 効率化回収の最大化のため 代位弁済の1か月前に回収担当者を決め 新件呼出時までに全ての資産調査を行うことで 早期に回収計画を作成し交渉に臨んだ また回収の効率化のために簡易裁判所を活用した履行請求等に取り組み 簡裁本訴を60 件 支払督促を27 件行った 平成 28 年 7 月には債務者の利便性向上を目的とし コンビニエンスストアからの振込に対応し 平成 29 年度においては全回収の28.1% を占めた 2) 公的スキームによる事業再生支援への寄与 平成 28 年度において第 2 会社方式による抜本再生企業に 1 件協力し 平成 29 年度に求償権消滅保証による求償権完済 1 件に対応した - 3 -

2. 中期業務運営方針についての評価 4. 経営管理態勢 ( ガバナンス ) の充実 1) 経営の透明性の一層の向上理事会における多様な意見の反映や意思決定の客観性の確保に資するよう より多くの理事が出席できる理事会運営に努めた 役員部長会議において 中期事業計画 及び 年度経営計画 の進行管理を適切に行った 2) 監査機能の強化 検査室を設けて体制を強化し 内部検査を行った 3) コンプライアンスの充実 強化コンプライアンスプログラムを計画的に実行したほか 個人情報保護については平成 27 年度に外部講師による研修を行い 平成 28 年度には 個人情報保護心得 10カ条 を策定し 役職員のコンプライアンス意識の向上を図った 反社会的勢力との関係遮断については 平成 28 年度に 反社会的勢力との対応マニュアル の一部改正を行った また 平成 29 年度には役職員が常に携帯できる コンプライアンスハンドブック の全面改定を行った 4) 危機管理の充実 強化平成 29 年度に事業継続計画を新システムに合わせたものへ改訂し 併せて 災害発生時の初期行動対応マニュアル を作成した また 期間を通じて 代替拠点での保証書発行訓練を実施した - 4 -

2. 中期業務運営方針についての評価 5. 業務 組織の見直しと人材育成 1) 事業環境の変化や職員数の減少に対応した業務 組織の見直し平成 29 年 1 月に新システムの導入を終え 以降も適宜業務フローの見直しを行い システムの安定運用に努めた また 保証部門での企業担当制を見直し 平成 28 年度下期より地域グループ担当制へ変更し 審査の効率化 迅速化に努めた 2) 個々の職員の能力開発 資質の向上のための研修の充実 研修に積極的に参加する等充実を図るとともに 日常的な OJT の実践に努めた - 5 -

3. 事業実績 ( 単位 : 百万円 %) 項目 年度 平成 27 年度平成 28 年度平成 29 年度 金額対計画比対前年度比金額対計画比対前年度比金額対計画比対前年度比 保証承諾 36,775 116.7 115.6 27,622 69.1 75.2 26,506 98.2 96.0 保証債務残高 99,482 103.4 92.3 85,048 89.2 85.5 75,750 99.4 89.1 代位弁済 1,377 68.8 91.8 1,229 53.4 89.2 1,115 69.7 90.8 実際回収 531 88.5 65.6 593 118.7 118.8 517 103.4 87.1-6 -

外部評価委員会の意見等 1. 当地特有の金融環境 経済環境の影響を受ける中にあって 協会独自制度の創設 拡充や地域金融機関との連携強化など 計画は着実に取り組まれており 公的な 保証機関 として中小企業 小規模事業者の発展に尽力してきたことは評価できます 今後とも 経営支援 期中支援を強化し 中小企業 小規模事業者の資金繰りの円滑化に一層努め 最後のセーフティネットとしての役割を果たされることを期待します 2. コンプライアンスは 個人情報保護心得 10 カ条 の制定や コンプライアンスハンドブック の全面改定など毎年度作成のプログラムを着実に実施され 充実 強化に努められています 今後も役職員に一層のコンプライアンス意識が浸透するよう取り組んでください - 7 -