11総法不審第120号

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もあり 安全で問題のない生活を送るためには家庭の中で請求人一人の力だけでは難しく 周りの大人の支援を必要としている状況である 現在も上記のような状況から 仕事ができずにいる また 本件処分は本件診断書に基づいて行われているが その後本件児童の状態が変わっているので 平成 30 年 3 月 26 日付

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処分済み

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処分済み

保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとは いえない 第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30

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処分済み

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が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

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平成 30 年 9 月 25 日 諮問 平成 30 年 11 月 13 日審議 ( 第 27 回第 4 部会 ) 平成 30 年 12 月 11 日審議 ( 第 28 回第 4 部会 ) 第 6 審査会の判断の理由審査会は 請求人の主張 審理員意見書等を具体的に検討した結果 以下のように判断する 1

ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

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第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より いずれも棄却すべきである 第 5 調査審議の経過審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日審議経過 平成 30 年 3 月 6 日 諮問 平成 30 年 4 月 26 日審議 ( 第

01 表紙

kisaihouhou

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Microsoft Word - (課×県・指定)【頭紙】「精神障害者保健福祉手帳の診断書の記入に当たって留意すべき事項について」等の一部改正について.rtf

病が原子爆弾の傷害作用に起因する旨の厚生労働大臣の認定を受けなければならない ( 被爆者援護法 11 条 1 項 ) ⑶ 都道府県知事は ⑵ 記載の厚生労働大臣の認定を受け かつ 当該認定に係る負傷又は疾病の状態にあるとの要件に該当することについて都道府県知事の認定を受けた者に対し 医療特別手当を支

の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

がある 7 平成 28 年 3 月 28 日 処分庁は 同日付で審査請求人に対し 借入金収入 円の未申告により生じた保護費過払い分について 法第 78 条第 1 項の規定により費用徴収を行う決定を行い 同年 7 月 7 日 費用徴収決定通知書を審査請求人に手交した 8 審査請求人は 平成 28 年

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目 次 第 1 趣旨 目的 1 第 2 ガイドラインの適用 1 1. 対象給付 1 2. 対象傷病 1 3. ガイドラインの運用 1 第 3 障害等級の判定 2 1. 障害等級の目安 2 2. 総合評価の際に考慮すべき要素の例 2 3. 等級判定にあたっての留意事項 2 (1) 障害等級の目安 2

19 条の4 第 2 項の規定により, 特別職の公務員であるから, 本件不開示情報は, 公務員としての職務遂行情報であり, 精神保健指定医が, 客観的な生体検査もなく, ただその主観に基づいて, 対象者を強制入院させることができるという性質の資格であること, 本件開示請求に係る精神保健指定医らが対象

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録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

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諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

年管管発 0928 第 6 号平成 27 年 9 月 28 日 日本年金機構年金給付業務部門担当理事殿 厚生労働省年金局事業管理課長 ( 公印省略 ) 障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて 厚生年金保険法施行規則等の一部を改正する省令 ( 平成 2

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税


⑴ ⑵ ⑶ ⑷ 1


ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる



債務のうち所定の範囲内のものを当該事業主に代わって政府が弁済する旨規定する (2) 賃確法 7 条における上記 政令で定める事由 ( 立替払の事由 ) として 賃金の支払の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 51 年政令第 169 号 以下 賃確令 という )2 条 1 項 4 号及び賃金の支払の確

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⑵ ⑶ ⑷ ⑸ ⑴ ⑵

ている しかしながら 本件処分は条例の理念と条文の解釈運用を誤った違法なものであり 取り消されなければならない ⑶ 条例第 7 条第 1 項本文は 個人情報の外部提供の原則禁止を規定している また 同条同項ただし書の趣旨は 単に外部提供の原則禁止規定を解除したにとどまる すなわち 当該法令等が存在す

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遺者であったが 事情があって遺贈の放棄をした 民法 986 条の規定によれば 受遺者は 遺言者の死亡後 いつでも 遺贈の放棄をすることができ 遺贈の放棄は 遺言者死亡のときに遡ってその効力を生じるとされているから 前所有者から請求人に対する本件各不動産の所有権移転の事実は無かったものであり 請求人は


無い (3) 特定市が振興協会会長 Aと市教育委員会とで一体に推進した当該文化事業は事業の実施前と実施後のまちの変化における事業の効果について国への報告義務があり, 公正に適法に事業を行う責務の存在は当該文化事業の目標の1は中心市街地の賑わいの促進にあって中心市街地活性化ソフト事業であって公開されて


返還の必要性を十分説明しており 手続は適法である 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件の争点は 本件保険が法第 4 条第 1 項に規定する 利用し得る資産 に該当するかどうかであるが その判断に当たっては 処分庁が判断の要素

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

公的医療保険が対象とならない治療 投薬などの費用 ( 例 : 病院や診療所以外でのカウンセリング ) 精神疾患 精神障害と関係のない疾患の医療費 医療費の自己負担ア ) 世帯 ( 1) における家計の負担能力 障害の状態その他の事情をしん酌した額 ( しん酌した額が自立支援医療にかかった費用の 10


ウ 特定個人 a に訂正してほしいとは, 私は書いてない これも日本年金機構の単純ミスなのか? それとも他に理由があるのか? 事実に基づいて, 説明を求める 私の公共職業安定所における氏名は, カタカナの 特定個人 b のスペースなしで管理されている 私の資格画面も氏名欄はカタカナである 国民年金保

異議申立てしていますが, 協会 ( 原文ママ ) として黙認しています 本件に関しても, 諮問庁は国のトップなのだから, もっともっと労働問題に積極的に取り組み, 労基法厳守で, 場合により, 行政処分すべきである 警察なら, スピード違反すれば即行政処分されますが, 労基法では, 基本強い行政処分

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2 ( 178 9)

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の対象として 人事院事務総長引継書 を特定し, 同年 9 月 29 日付け行政文書開示決定通知書を審査請求人に送付した 2 審査請求人が主張する本件審査請求の趣旨及び理由審査請求人は, 事務引継書が1 名分しか存在しないという決定は不自然である, 他の職員についても事務引継書がなければ, 前任者から

-2 -

諮問庁 : 株式会社日本政策金融公庫諮問日 : 平成 28 年 2 月 8 日 ( 平成 28 年 ( 独個 ) 諮問第 3 号 ) 答申日 : 平成 28 年 4 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 独個 ) 答申第 1 号 ) 事件名 : 本人に関する融資審査の検討資料の不訂正決定に関する件


の病床数及び新たに併設する介護保険施設の入所定員 ( 病院から転換した病床 ( 以下 転換病床 という ) を活用するものに限る ) の合計が転換前の病院の病床数以下である場合には 実態として 転換後の施設 ( 病院と介護保険施設を併せた全体をいう 以下同じ ) 全体の医療提供の内容は 転換前の病院

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

1 経 緯

(2) 電子計算機処理の制限に係る規定ア電子計算機処理に係る個人情報の提供の制限の改正 ( 条例第 10 条第 2 項関係 ) 電子計算機処理に係る個人情報を国等に提供しようとする際の千葉市情報公開 個人情報保護審議会 ( 以下 審議会 といいます ) への諮問を不要とし 審議会には事後に報告するも

1 本件審査請求について (1) 本件審査請求に係る開示請求は, 法に基づき, 処分庁に対し, 本件対象文書の開示を求めたもの ( 以下 本件開示請求 という ) である (2) 本件開示請求を受けて, 処分庁は, 本件対象文書を作成しておらず不存在として, 不開示決定 ( 原処分 ) を行った (

第1 総 括 的 事 項

7 という ) が定める場合に該当しないとして却下処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 被控訴人に対し, 厚年法施行令 3 条の12の7が上記改定請求の期間を第 1 号改定者及び第 2 号改定者の一方が死亡した日から起算して1 月以内に限定しているのは, 厚年法 78 条の12による


⑴ ⑵ ⑶

査請求人 ) が 平成 5 年分所得税確定申告書 ( 以下 本件請求保有個人情報 1 という ) の開示を求めるものである 処分庁は, 本件開示請求に対し, 本件請求保有個人情報 1は文書保存期間 (7 年 ) が満了し, 既に廃棄しているとして, 平成 27 年 12 月 2 2 日付け特定記号第

( 誓約事項 ) 児童福祉法第 19 条の9 第 2 項に該当しないことを誓約すること 1 第 1 号関係申請者が 禁錮以上の刑に処せられ その執行を終わり 又は執行を受けることがなくなった日を経過していない 2 第 2 号関係申請者が 児童福祉法その他国民の保健医療若しくは福祉に関する法律 ( 医

Transcription:

答 申 審査請求人 ( 以下 請求人 という ) が提起した精神障害者保健福祉手帳 ( 以下 福祉手帳 という ) の障害等級認定の変更を求める審査請求について 審査庁から諮問があったので 次のとおり答申する 第 1 審査会の結論 本件審査請求は 棄却すべきである 第 2 審査請求の趣旨本件審査請求の趣旨は 東京都知事 ( 以下 処分庁 という ) が請求人に対して 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律 ( 以下 法 という ) 4 5 条 2 項の規定に基づき 平成 2 9 年 5 月 19 日付けで発行した福祉手帳の交付決定処分のうち 障害等級を 3 級と認定した部分 ( 以下 本件処分 という ) について より上位の等級への変更を求めるものである 第 3 請求人の主張の要旨請求人は おおむね以下のことから 本件処分の違法性又は不当性を主張している 1 失声により筆談しかできない 2 筆談により対人コミュニケーションが全くできていない 3 睡眠薬の処方により 一日の大半を寝て過ごさなければならない 4 掃除 料理 買い物 振込み 役所手続は保健師やヘルパーが 1

対応し 援助なしでは生活ができない 第 4 審理員意見書の結論 本件審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 2 9 年 1 2 月 1 日 諮問 平成 2 9 年 1 2 月 2 6 日審議 ( 第 1 6 回第 2 部会 ) 平成 3 0 年 1 月 2 4 日審議 ( 第 1 7 回第 2 部会 ) 第 6 審査会の判断の理由審査会は 請求人の主張 審理員意見書等を具体的に検討した結果 以下のように判断する 1 法令等の定め ⑴ 法 4 5 条 1 項は 精神障害者は 厚生労働省令で定める書類を添えて その居住地の都道府県知事に福祉手帳の交付を申請することができる旨を規定し 同条 2 項は 都道府県知事は 福祉手帳の交付申請に基づいて審査し 申請者が 政令で定める精神障害の状態 にあると認めたときは 申請者に福祉手帳を交付しなければならない旨を規定している ⑵ 法 4 5 条 2 項の規定を受けて 法施行令 6 条では 別紙 2 のとおり 障害等級 及び 精神障害の状態 について規定している ⑶ また 法施行令 6 条 3 項が定める障害等級の認定に係る精神障害の状態の判定に当たっては 精神疾患 ( 機能障害 ) 及び能 2

力障害 ( 活動制限 ) の状態が重要な判断資料となることから 精神疾患 ( 機能障害 ) の状態 ( 以下 機能障害 という ) と 能力障害 ( 活動制限 ) の状態 ( 以下 活動制限 という ) の 2 つの要素を勘案して 総合判定 すべきものとされている ( 精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について ( 平成 7 年 9 月 1 2 日健医発第 1 1 3 3 号厚生省保健医療局長通知 以下 判定基準 という ) 及び 精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準の運用に当たって留意すべき事項について ( 平成 7 年 9 月 12 日健医精発第 46 号厚生省保健医療局精神保健課長通知 以下 留意事項 といい 判定基準と併せて 判定基準等 という ) ) ⑷ そして 法 4 5 条 1 項及び法施行規則 2 3 条 1 号によれば 福祉手帳の交付申請は 医師の診断書等を添えて行うこととされていることから 上記 1 ⑶ の総合判定は 本件診断書の記載内容全般を基に 客観的になされるべきものである このため 本件診断書の記載内容を基にした判定に違法又は不当な点がなければ 本件処分を取り消し 又は変更する理由があるとすることはできない 2 次に 本件診断書の記載内容を前提に 本件処分に違法又は不当な点がないかどうかを検討する ⑴ 機能障害についてア本件診断書には 主たる精神障害として うつ病 ICD コード ( F 3 2 ) ( 別紙 1 1 ) が記載されている 主たる精神障害である うつ病 は 判定基準の 気分 ( 感情 ) 障害 に該当する そして 判定基準によれば 気分 ( 感情 ) 障害 による機能障害について 高度の気分 意欲 行動及び思考の障害の病相期があり かつ これらが持続したり ひんぱんに繰り 3

返したりするもの が 1 級 気分 意欲 行動及び思考の障害の病相期があり かつ これらが持続したり ひんぱんに繰り返したりするもの が 2 級 気分 意欲 行動及び思考の障害の病相期があり その症状は著しくはないが これを持続したり ひんぱんに繰り返すもの が 3 級とされている イこれを請求人についてみると 本件診断書の 発病から現在までの病歴及び治療内容等 欄 ( 別紙 1 3 ) には H2 2 年頃から吃音がみられていた H 2 3 年頃に のクリニックでうつ病 解離性健忘と診断され 睡眠薬などを処方されて自宅療養した その後 2 8 年 5 月頃までは日雇いの仕事をしていたが 生活が破綻し 9 月から生活保護を受給していた 病院の通院を経て H 2 9. 2. 2 8 に当初初診 外来通院をつづけている と記載されている また 現在の病状 状態像等 欄 ( 別紙 1 4 ) には 抑うつ状態 ( 思考 運動抑制 憂うつ気分 ) 統合失調症等残遺状態 ( 意欲の減退 ) 不安及び不穏 ( 強度の不安 恐怖感 解離 転換症状 ) その他 ( 失声 ) と記載され 病状 状態像等の具体的程度 症状 検査所見等 欄 ( 別紙 1 5 ) には 抑うつ気分が強く たまに希死念慮を生じる 被注察感の訴えもある 現在 失声がみられ 背景に強いストレスがあるものと推定される と記載され 検査所見欄には記載がない また 現在の生活環境 欄 ( 別紙 1 6 ⑴ ) には その他 ( カプセルホテル ) とした上で 生活能力状態の 具体的程度 状態像 欄 ( 別紙 1 7 ) には 抑うつ気分 意欲低下 失声等によるコミュニケーション困難などのため日常生活は多くの援助を要する と記載され その記載内容は 病状 状態像等の具体的程度 症状 検査所見等 欄 ( 別 4

紙 1 5 ) とほぼ同旨である これらの記載によれば 請求人は精神疾患であるうつ病を有し その状態としては 抑うつ状態に相当する気分 意欲 行動及び思考の障害が認められ 診断書作成時点では抑うつ気分については強く 一過性の希死念慮もみられる一方で それ以外の意欲 行動 思考の障害や付随する不安等の程度についての具体的な記述は乏しいものと認められる また 発病後の経過についてみると 入院歴はなく 診断書作成 9 か月前の時点までは日雇いの仕事をし 診断書作成時点ではカプセルホテルで生活している そして 現在の障害福祉等サービスの利用状況 欄 ( 別紙 1 8 ) には 生活保護のみと記載されている そうすると 請求人の症状は入院を必要とするような 病状の著しい増悪 顕著な抑制 激越等の重篤なものに至っているとまでは認められない したがって 請求人の機能障害の程度は 判定基準等によれば 気分 意欲 行動及び思考の障害の病相期があり かつ これらが持続したり ひんぱんに繰り返したりするもの ( 2 級 ) とまでは認められず 気分 意欲 行動及び思考の障害の病相期があり その症状は著しくはないが これを持続したり ひんぱんに繰り返すもの として 障害等級 3 級に該当すると判定するのが相当である ⑵ 活動制限について次に 請求人の活動制限についてみると 本件診断書によれば 日常生活能力の程度 欄( 別紙 1 6 ⑶ ) では 精神障害を認め 日常生活に著しい制限を受けており 常時援助を必要とする と記載されている この記載のみからすると 留意事項 3 ⑹ の表によれば 請求人の活動制限の程度は お 5

おむね1 級の区分に該当し得るともいえる しかし 日常生活能力の判定 欄 ( 別紙 1 6 ⑵ ) では 判定基準において障害等級 2 級相当とされる 援助があればできる が7 項目 1 級相当とされる できない が 1 項目あると記載されている そして 6 の具体的程度 状態像 欄 ( 別紙 1 7 ) には 抑うつ気分 意欲低下 失声等によるコミュニケーション困難などのため日常生活は多くの援助を要する 就労状況については その他 ( 就労していない ) と記載され 現在の生活環境 欄 ( 別紙 1 6 ⑴ ) には その他 ( カプセルホテル ) と記載されており 現在の障害福祉等サービスの利用状況 欄には 生活保護 と記載されているが 請求人に対し必要とされる援助の状況について どのような援助をどの程度受けているかの具体的な記述は何ら認められない 以上の事実からすると 確かに 請求人において 精神疾患の影響で日常生活及び社会生活に一定程度の制限があることは認められるが 請求人は 障害福祉等サービスを利用せずにカプセルホテルでの単身生活を維持し 通院も継続するなど 不完全ながらもおおむね単独で日常生活を送ることができているのであるから 日常生活において必要とされる基本的な活動まで行えない程 症状が著しいとまでは認められない したがって 請求人の活動制限の程度は 判定基準等によれば 障害等級のおおむね 2 級程度には至っておらず おおむね 3 級程度に該当すると判定するのが相当である ⑶ 総合判定請求人の障害等級について 上記 ⑴ 及び ⑵ で検討した機能障害と活動制限とを総合して判定すると 請求人の障害程度については 日常生活が著しい制限を受けるか 又は日常生活に 6

著しい制限を加えることを必要とする程度のもの ( 2 級 ) に至っているとは認められず 日常生活若しくは社会生活に制限を受けるか 又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの として障害等級 3 級に該当するものと判定するのが相当であり これと同旨の結論を採る本件処分に違法又は不当な点は認められない 3 なお 請求人は 上記第 3 のとおり 本件処分の違法又は不当を主張しているが 前述 ( 1 ⑷ ) のとおり 障害等級の認定に係る総合判定は 申請時に提出された診断書の記載内容全般に基づいて客観的になされるべきものであるところ 本件診断書によれば 請求人の症状は 判定基準等に照らして障害等級 3 級と認定するのが相当である ( 2 ⑶ ) ことから 請求人の主張に理由はない 4 請求人の主張以外の違法性又は不当性についての検討その他 本件処分に違法又は不当な点は認められない 以上のとおり 審査会として 審理員が行った審理手続の適正性や法令解釈の妥当性を審議した結果 審理手続 法令解釈のいずれも適正に行われているものと判断する よって 第 1 審査会の結論 のとおり判断する ( 答申を行った委員の氏名 ) 近藤ルミ子 山口卓男 山本未来 別紙 1 及び 2 ( 略 ) 7