11総法不審第120号

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処分済み

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第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より いずれも棄却すべきである 第 5 調査審議の経過審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日審議経過 平成 30 年 3 月 6 日 諮問 平成 30 年 4 月 26 日審議 ( 第

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保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとは いえない 第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30

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取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

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遺者であったが 事情があって遺贈の放棄をした 民法 986 条の規定によれば 受遺者は 遺言者の死亡後 いつでも 遺贈の放棄をすることができ 遺贈の放棄は 遺言者死亡のときに遡ってその効力を生じるとされているから 前所有者から請求人に対する本件各不動産の所有権移転の事実は無かったものであり 請求人は

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の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

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高島市職員措置請求に係る監査の結果について 第 1 請求の受付 1 請求書の提出平成 29 年 9 月 28 日 2 請求人 3 請求の要旨 ( 高島市職員措置請求書 の原文のまま記載) 1 請求の要旨高島市長による平成 29 年度の固定資産税の賦課において 別紙の固定資産について 家屋の未評価によ

処分済み

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平成  年(オ)第  号

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1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

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<4D F736F F D2095BD90AC E D738CC2816A939A905C91E D862E646F63>

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特例適用住宅 という ) が新築された場合 ( 当該取得をした者が当該土地を当該特例適用住宅の新築の時まで引き続き所有している場合又は当該特例適用住宅の新築が当該取得をした者から当該土地を取得した者により行われる場合に限る ) においては, 当該土地の取得に対して課する不動産取得税は, 当該税額から

被上告人に対し, 上記各賦課決定の取消しを求めている事案である 2 原審の適法に確定した事実関係等の概要は, 次のとおりである (1) 上告人は, 東京都渋谷区内に所在する面積が200m2以下である本件土地及びこれを敷地とする第 1 審判決別紙物件目録記載の建物 ( 以下 旧家屋 という ) を所有

ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

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諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

第 4 審査関係人の主張の要旨 1 審査請求人の主張審査請求人は 次のとおり 本件処分は 違法又は不当である旨を主張している (1) 審査請求人が 複数の取引先から依頼を受けて行っている翻訳の業務は 法第 72 条の2 第 3 項の規定により個人事業税が課されるべきいずれの事業としても法に定められて

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がある 7 平成 28 年 3 月 28 日 処分庁は 同日付で審査請求人に対し 借入金収入 円の未申告により生じた保護費過払い分について 法第 78 条第 1 項の規定により費用徴収を行う決定を行い 同年 7 月 7 日 費用徴収決定通知書を審査請求人に手交した 8 審査請求人は 平成 28 年

仕事の依頼に諾否の自由はなく 業務の内容及び遂行方法について本件会社の指揮命令を受け アシスタント雇用等に関する規程等により 業務を他人に代替させえない 所得税の源泉徴収 雇用保険 厚生年金 健康保険の保険料徴収がある 営業所 机 パソコン 文具等は本件会社の提供に係るものであり 経費は立替精算であ

返還の必要性を十分説明しており 手続は適法である 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件の争点は 本件保険が法第 4 条第 1 項に規定する 利用し得る資産 に該当するかどうかであるが その判断に当たっては 処分庁が判断の要素

査請求人 ) が 平成 5 年分所得税確定申告書 ( 以下 本件請求保有個人情報 1 という ) の開示を求めるものである 処分庁は, 本件開示請求に対し, 本件請求保有個人情報 1は文書保存期間 (7 年 ) が満了し, 既に廃棄しているとして, 平成 27 年 12 月 2 2 日付け特定記号第

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

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1 審査会の結論 平成 29 年度市民税 県民税税額変更処分 に係る審査請求は棄却するべ きであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要緑区長 ( 以下 処分庁 という ) は 平成 29 年 6 月 1 日 審査請求人に対して 平成 29 年度市民税 県民税賦課決定処分 ( 以下 先行処分 と

が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

平成 30 年 9 月 25 日 諮問 平成 30 年 11 月 13 日審議 ( 第 27 回第 4 部会 ) 平成 30 年 12 月 11 日審議 ( 第 28 回第 4 部会 ) 第 6 審査会の判断の理由審査会は 請求人の主張 審理員意見書等を具体的に検討した結果 以下のように判断する 1

0 月 22 日現在, 通帳紛失の総合口座記号番号 特定番号 A-B~C 担保定額貯金 4 件 ( 特定金額 A): 平成 15 年 1 月 ~ 平成 16 年 3 月 : 特定郵便局 A 預入が証明されている 調査結果の回答書 の原本の写しの請求と, 特定年月日 Aの 改姓届 ( 開示請求者本人

19 条の4 第 2 項の規定により, 特別職の公務員であるから, 本件不開示情報は, 公務員としての職務遂行情報であり, 精神保健指定医が, 客観的な生体検査もなく, ただその主観に基づいて, 対象者を強制入院させることができるという性質の資格であること, 本件開示請求に係る精神保健指定医らが対象

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

総務省が所管する地方税法ではなく 財務省が所管する国有財産法の適用を受けるとのことであり 実施機関の本件決定は失当である (2) 本件は 国税庁からの教示による公文書公開請求であり これを実施機関が非公開決定するとは言語道断である (3) 尖閣諸島の国有化は 日本と中国の外交問題に発展していることも

( 賦課期日 ) 第 4 条都市計画税の賦課期日は 当該年度の初日の属する年の1 月 1 日とする ( 納期 ) 第 5 条都市計画税の納期は 次のとおりとする 第 1 期 4 月 1 日から同月 30 日まで第 2 期 7 月 1 日から同月 31 日まで第 3 期 12 月 1 日から同月 25

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丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前の

ウ 特定個人 a に訂正してほしいとは, 私は書いてない これも日本年金機構の単純ミスなのか? それとも他に理由があるのか? 事実に基づいて, 説明を求める 私の公共職業安定所における氏名は, カタカナの 特定個人 b のスペースなしで管理されている 私の資格画面も氏名欄はカタカナである 国民年金保

である なお 国の通達でも 生命保険外交員は 代理業でない限り個人事業税の課税は不可とされている 仕事の依頼に諾否の自由はなく 業務の内容及び遂行方法について本件会社の指揮命令を受け アシスタント雇用等に関する規定等により 業務を他人に代替させえない 所得税の源泉徴収 雇用保険 厚生年金 健康保険の

附則 この規則は 平成 29 年 3 月 1 日から施行する

北上市空家等対策規則 ( 趣旨 ) 第 1 条この規則は 北上市空家等対策条例 ( 平成 28 年北上市条例第 17 号 以下 条例 という ) の実施に関し必要な事項を定めるものとする ( 守秘義務 ) 第 2 条条例第 7 条に定める空家等対策審議会の委員は 職務上知り得た秘密を他に漏らしてはな

住民監査請求監査結果 第 1 請求の収受 1 請求人 ( 省略 ) 2 請求書の受付日平成 28 年 8 月 16 日 3 請求の内容請求人から提出された ( 省略 ) 建物への固定資産税の賦課において 公金の賦課を怠る事実に該当する福井市職員措置請求 ( 住民監査請求 ) 書 の要旨及び事実を証す

異議申立てしていますが, 協会 ( 原文ママ ) として黙認しています 本件に関しても, 諮問庁は国のトップなのだから, もっともっと労働問題に積極的に取り組み, 労基法厳守で, 場合により, 行政処分すべきである 警察なら, スピード違反すれば即行政処分されますが, 労基法では, 基本強い行政処分

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

することが適当であることから 本通達では 特定施設の敷地の用に供される土地等には 土地又は土地の上に存する権利を取得した時において 現に特定施設の敷地の用に供されているもの及び特定施設の敷地の用に供されることが確実であると認められるものが該当することを明らかにしている なお 取得の時において特定施設

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議案用 12P

む ), 倉庫その他の建物をいう ( 同条 3 号 ) 固定資産課税台帳 とは, 土地課税台帳, 土地補充課税台帳, 家屋課税台帳, 家屋補充課税台帳及び償却資産課税台帳を総称するものである ( 同条 9 号 ) 家屋課税台帳 とは, 登記簿に登記されている家屋 ( 建物の区分所有等に関する法律 (

諮問庁 : 株式会社日本政策金融公庫諮問日 : 平成 28 年 2 月 8 日 ( 平成 28 年 ( 独個 ) 諮問第 3 号 ) 答申日 : 平成 28 年 4 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 独個 ) 答申第 1 号 ) 事件名 : 本人に関する融資審査の検討資料の不訂正決定に関する件

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自治基本条例素案のたたき台大和市自治基本条例をつくる会

旨の申告 ( 以下 本件申告 という ) をしたところ, 処分行政庁から, 本件不動産取得税を還付しない旨の処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 処分行政庁が所属する東京都を被告として, 本件処分の取消しを求める事案である 原判決は, 控訴人の請求を棄却したので, これを不服とする控

MJS/ 第 79 回租税判例研究会 ( ) MJS 判例研究会 平成 30 年 8 月 9 日 報告者西野道之助 更正の請求/ 雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除 平成 28 年 7 月 8 日 東京地裁 ( 棄却 )( 控訴 ) 平成 29 年 1 月 26 日

ブロック塀撤去補要綱

松戸市市税条例等の一部を改正する条例 ( 松戸市市税条例の一部改正 ) 第 1 条松戸市市税条例 ( 平成 27 年松戸市条例第 12 号 ) の一部を次のように改正する 第 11 条中 及び第 2 号 を 第 2 号及び第 5 号 に それぞれ当該各号 を 第 1 号から第 4 号まで に改め 掲

美浜町空家等解体促進費補助金交付要綱

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ものであるから 法定相続における遺産分割とパラレルに考えるべき事案であって 相続による不動産の取得 として 法 7 3 条の 7 第 1 号を適用して非課税とされるべきものである 処分庁は 私的取引社会における事実の流れを勝手に分断し その一部だけに税法を適用しており 裁量権の逸脱であって許されない

松本市補助金交付規則 昭和 37 年 7 月 27 日規則第 16 号改正昭和 45 年 9 月 12 日規則第 31 号昭和 53 年 12 月 8 日規則第 25 号昭和 63 年 4 月 1 日規則第 18 号 ( 目的 ) 第 1 条この規則は 法令又は条例等に特別の定めのあるもののほか 補

国税通則法施行令新旧対照表

●租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案

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承認第03号-都市計画税条例の一部改正(専決処分)【確定】

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第一審査会の結論 豊中市教育委員会が行った 内部公益通報に係る調査の実施について ( 報告 ) を不 開示とした決定は妥当ではなく 別紙に記載した部分を除き開示すべきである 第二審査請求の経過 1 開示請求審査請求人は 平成 25 年 7 月 17 日 豊中市情報公開条例 ( 以下 条例 という )

坂戸市条例第 号

( その他 ) 第 11 条この規則に定めるもののほか, 必要な事項は, 市長が別に定める 附則この規則は, 平成 30 年 4 月 1 日から施行する

ている しかしながら 本件処分は条例の理念と条文の解釈運用を誤った違法なものであり 取り消されなければならない ⑶ 条例第 7 条第 1 項本文は 個人情報の外部提供の原則禁止を規定している また 同条同項ただし書の趣旨は 単に外部提供の原則禁止規定を解除したにとどまる すなわち 当該法令等が存在す

して 当審査会に対し諮問をした 以上の事案の経緯は 諮問書 審査請求書及び懲戒処分書から認められる 2 関係する法令等の定め (1) 司法書士に対する懲戒及びその手続についてア法 47 条は 司法書士がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反したときは その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局

豊中市ブロック塀等撤去補助金交付要綱 平成 30 年 8 月 10 日実施 ( 目的 ) 第 1 条この要綱は 本市の区域内に存する道路に面するブロック塀等の撤去を実施する者に対し 豊中市ブロック塀等撤去補助金 ( 以下 補助金 という ) を交付することについて必要な事項を定め もって地震等により

である旨の証券取引等監視委員会の指導を受け, 過年度の会計処理の訂正をした 本件は, 本件事業年度の法人税について, 控訴人が, 上記のとおり, その前提とした会計処理を訂正したことにより, 同年度の法人税の確定申告 ( 以下 本件確定申告 という ) に係る確定申告書の提出により納付すべき税額が過

債務のうち所定の範囲内のものを当該事業主に代わって政府が弁済する旨規定する (2) 賃確法 7 条における上記 政令で定める事由 ( 立替払の事由 ) として 賃金の支払の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 51 年政令第 169 号 以下 賃確令 という )2 条 1 項 4 号及び賃金の支払の確

第 3 諮問庁の説明の要旨 1 本件事案の概要本件は, 審査請求人が平成 29 年 8 月 29 日付けで法人文書の開示請求を行ったことに対し, 同年 9 月 29 日付け千大総第 307 号により, 法人文書の一部を不開示とする開示決定等処分 ( 処分 1) を行ったところ, 審査請求が提起された

1 本件審査請求について (1) 本件審査請求に係る開示請求は, 法に基づき, 処分庁に対し, 本件対象文書の開示を求めたもの ( 以下 本件開示請求 という ) である (2) 本件開示請求を受けて, 処分庁は, 本件対象文書を作成しておらず不存在として, 不開示決定 ( 原処分 ) を行った (

Transcription:

答申 審査請求人 ( 以下 請求人 という ) が提起した地方税法 ( 以下 法 という )342 条 1 項の規定に基づく固定資産税賦課処分及び法 702 条 1 項の規定に基づく都市計画税賦課処分に係る審査請求について 審査庁から諮問があったので 次のとおり答申する 第 1 審査会の結論 本件審査請求は 棄却すべきである 第 2 審査請求の趣旨本件審査請求の趣旨は 都税事務所長 ( 以下 処分庁 という ) が 請求人に対し 平成 2 9 年 6 月 1 日付けで行った別紙 1 物件目録 1 記載の土地 ( 以下 本件土地 という また 以下平方メートルについては m2 と表記する ) 及び同目録 2 記載の家屋 ( 以下 本件家屋 という ) に係る平成 2 9 年度分の固定資産税及び都市計画税 ( 以下 固定資産税等 という ) 賦課処分 ( 内容は 別紙 2 処分目録記載のとおり 以下 本件処分 という ) について 法の非課税規定の適用をなすべき部分があるとして その取消しを求めるものである 第 3 請求人の主張の要旨請求人は おおむね以下の理由から 本件処分の取消しを求めている ⑴ 固定資産の取得目的は 法 3 4 8 条 ( 固定資産税の非課税の範囲 ) の判断において必要である そして 本件土地及び本件家屋は 学校教育の目的とする教育活動が実施され学校教育に大きく - 1 -

貢献することを目的条件として購入したものである また 年末年始に工事着工ができなかったため 本件賦課期日において取得以前と同様の状況であることは認めるが 同様の状況であっても 直接保育又は教育の用に供する固定資産 としての使用は可能であり 購入した空地で園児の教育活動をすることができた 従前の運動場と一体化する工事は 使用目的をより一層進め 安全性を高めるものにすぎない したがって 本件土地及び本件家屋は 本件賦課期日において学校教育の目的とする教育活動が実施されることを常態とする固定資産であって 法 348 条 2 項 9 号にいう 直接教育の用に供する固定資産 に該当する ⑵ 法が規定する賦課期日と実際の賦課期日 ( 調査日 ) が異なっている 賦課判断は 法 3 5 9 条が規定する賦課期日である平成 2 9 年 1 月 1 日現在により確定されるべきであり 平成 28 年 12 月 31 日撮影の航空写真による判断は誤りである 第 4 審理員意見書の結論 本件審査請求は理由がないから 行政不服審査法 45 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 平成 29 年 12 月 22 日 諮問 審議経過 平成 30 年 2 月 2 1 日審議 ( 第 18 回第 1 部会 ) 平成 30 年 3 月 16 日審議 ( 第 19 回第 1 部会 ) 第 6 審査会の判断の理由 審査会は 請求人の主張 審理員意見書等を具体的に検討した結 - 2 -

果 以下のように判断する 1 法令等の定め ⑴ 固定資産税等の賦課期日法 359 条によれば 固定資産税の賦課期日は当該年度の初日の属する年の1 月 1 日とするとされており また 法 702 条の 6によれば 都市計画税についても同様とされている そして 固定資産税等の納税義務者 課税客体 課税標準等の課税要件は賦課期日現在の状況によって確定される ⑵ 固定資産税等の非課税特例規定等法 348 条 2 項本文は 固定資産税は次に掲げる固定資産に対しては課することができないとして 同項各号において 非課税とすべき固定資産を列挙している このうち 同項 5 号は 公共の用に供する道路 運河用地及び水道用地 に係る固定資産税の非課税要件について定め 同項 9 号は 学校法人又は私立学校法第 64 条第 4 項の法人 ( 以下この号において 学校法人等 という ) がその設置する学校において直接保育又は教育の用に供する固定資産 ( 第 10 号の4に該当するものを除く ) 学校法人等がその設置する寄宿舎で学校教育法第 1 条の学校又は同法第 124 条の専修学校に係るものにおいて直接その用に供する固定資産 に係る固定資産税の非課税について定め ( 本件非課税規定 ) 都市計画税についても同様の取扱いがなされている( 法 7 02 条の2 第 2 項 ) そして 本件非課税規定にいう 直接保育又は教育の用に供する固定資産 の意義については その文理に即して厳格に解釈されるべきであり 現に遊戯や食事その他学校教育の目的とする保育活動又は教育活動が実施されることが常態とされている固定資産をいい ここにいう 常態 とは 当該固定資産が間接的又は一時的にそのような活動の用に供されることがあるというのでは足りないものと解するのが相当である そして 地方税法 34-3 -

8 条 2 項各号所定の固定資産であっても 当該各号に掲げる目的以外の目的に使用する場合においては固定資産税を課する旨を定める同条 3 項の規定に照らすと そのような固定資産に該当するか否かは 固定資産税の賦課期日における当該固定資産の使用の実態に基づいて判断するのが相当である ( 東京地方裁判所平成 29 年 1 月 24 日判決 ) とされている また 同判決によれば 地方税法 348 条 2 項 9 号の趣旨は 学校法人等の有する公益的な性質及び学校教育において果たす重要な役割に鑑み 学校法人等が直接保育又は教育の用に供する固定資産について 政策的な観点から 例外的に固定資産税を非課税とすることにあるのであり 固定資産税の賦課決定は賦課期日を基準としてされるものであることも考慮すれば 賦課期日において 当該固定資産の使用の実態としていまだ保育活動又は教育活動が行われていない場合には 同号の適用を受けるものではないと解すべきであり 当該固定資産において上記活動の準備行為が行われていることや当該固定資産が当該学校の用地に組み入れられていること等によってその結論が左右されるものではない とされている また 本件非課税規定にいう 寄宿舎 の意義については 寄宿舎 通常設備される備品等の償却資産及びその敷地が含まれる とされている ( 固定資産税務研究会編 固定資産税逐条解説 94 頁 ) 2 以上を前提として 本件賦課期日現在における本件土地及び本件家屋の現況が 法 34 8 条 2 項 5 号及び 9 号に定める非課税規定の要件に該当するか否かについて検討する まず 請求人は 教育基本法及び学校教育法に従い私立学校を設置する ことを目的とする学校法人で 本件土地及び本件家屋を所有するものである ( 請求人に係る履歴事項全部証明書 本件土地に係る全部事項証明書及び本件家屋に係る全部事項証明書 ) そして 本件土地は 平成 28 年 12 月 31 日撮影の航空写真に - 4 -

よれば以前と同様に本件家屋の敷地に供されている部分 駐車場である部分及び公衆用道路である部分からなる状況であること ( 第 3 1 及び 3 ) 年末年始の時期に工事着工ができなかったため購入した時の状況で平成 2 9 年 1 月 1 日を迎えたことを請求人が本件嘆願書において述べていること 平成 2 9 年 2 月 9 日の外観調査によれば隣接する幼稚園の敷地との間に従前存在したブロック塀はなく 本件駐車場部分にはガードフェンス カラーコーン及びコーンバー等が設置されていること等により 保育活動又は教育活動が実施されることが常態となっているとは認められないことから 本件駐車場部分は 本件賦課期日現在において 直接保育又は教育の用に供する固定資産であるとは認められない また 本件家屋及び本件敷地部分は 平成 2 8 年 1 2 月 3 1 日撮影の航空写真によれば以前と同様の状況であり 年末年始の時期により工事着工ができなかったため購入した時の状況で平成 2 9 年 1 月 1 日を迎えたことを請求人が本件嘆願書において述べていること等により 寄宿舎としての利用が常態となっているとは認められないことから 本件賦課期日現在において 直接寄宿舎の用に供する固定資産であるとは認められない そうすると 本件土地のうち本件敷地部分及び本件駐車場部分並びに本件家屋は 学校法人たる請求人が所有する固定資産ではあるものの 本件賦課期日現在 本件非課税規定における 学校法人 がその設置する学校において直接保育又は教育の用に供する 又は 学校法人等がその設置する寄宿舎で 直接その用に供する 状況にあったとまでは認めることが困難であるから 各当該部分については 本件非課税規定の要件を満たさない ( 法 7 0 2 条の 2 第 2 項により 都市計画税についても同様 ) したがって 上記判断の基になされた本件処分に 違法又は不当な点を認めることはできない 3⑴ 請求人は 固定資産の取得目的は 法 3 4 8 条 ( 固定資産税の - 5 -

非課税の範囲 ) の判断において必要であり 本件土地及び本件家屋は 学校教育の目的とする教育活動が実施され学校教育に大きく貢献することを目的条件として購入したのであるから 賦課期日において学校教育の目的とする教育活動が実施されることを常態とする固定資産に該当すると主張する しかし 購入目的が教育活動を行うことにあったとしても 固定資産税等における非課税規定の適用に係る判断は 固定資産税の賦課期日における当該固定資産の使用の実態に基づいて判断すべきとされていることは上記 1 のとおりであり 本件賦課期日における本件敷地部分及び本件駐車場部分並びに本件家屋の使用の実態は上記 2 のとおりと認められるから これらの部分について本件非課税規定を適用することはできない また 請求人は 年末年始に工事着工ができなかったため 本件賦課期日において取得以前と同様の状況であることは認めるが 同様の状況であっても 直接保育又は教育の用に供する固定資産 としての使用は可能であり 購入した空地で園児の教育活動をすることができた旨主張する しかし 租税法の非課税要件を定める規定については 一般に 租税負担公平の原則から 不公平の拡大を防止するため 解釈の狭義性 厳格性が強く要請されており ( 最高裁判所平成元年 11 月 30 日判決 税務訴訟資料 174 号 823 頁 その原審大阪高等裁判所昭和 63 年 10 月 16 日判決 税務訴訟資料 166 号 358 頁 ) 本件非課税規定についても その拡張的な適用をすることはできない これを本件についてみると たしかに 本件賦課期日現在 取得以前と同様の状況にある本件敷地部分及び本件駐車場部分並びに本件家屋について 請求人が主張するところの園児の活動場所として使用されること又は専門学校の学生寮として使用されることの可能性を否定することはできない しかし これらはあくま - 6 -

でも一時的な保育活動 教育活動又は寄宿舎としての利用の可能性があることを主張するものにすぎず これらをもって保育活動 教育活動又は寄宿舎としての利用が常態であったとまでは認めることはできない また その他請求人が本件敷地部分及び本件駐車場部分並びに本件家屋において 本件賦課期日現在 常態として保育活動 教育活動又は寄宿舎としての利用を行っていたことを認めるに足る証拠も存在しない以上 これらの部分について本件非課税規定を適用することはできない ⑵ 請求人は 固定資産税等の賦課判断は 法 3 5 9 条が規定する賦課期日である平成 2 9 年 1 月 1 日現在により確定されるべきであり 平成 2 8 年 1 2 月 3 1 日撮影の航空写真による判断は誤りである旨主張する しかし 東京都においては 固定資産の状況について実地調査を行うための補助的な手段として航空写真方式が導入されているところ 毎年 1 月 1 日の前後に撮影される航空写真は それによって賦課期日現在の状況を確定するものではなく 賦課期日の状況を判定する場合の参考資料にとどまるものである そして本件賦課期日である平成 2 9 年 1 月 1 日現在の本件土地及び本件家屋の状況については 上記 2 のとおり 航空写真のほか現地調査等によって判断されており 平成 2 8 年 1 2 月 3 1 日撮影の航空写真は 本件賦課期日の状況を判定する参考資料として用いられているにとどまる したがって 請求人の上記主張を本件処分の取消理由とすることはできない 4 請求人の主張以外の違法性又は不当性についての検討また 本件処分において 処分庁が固定資産税等の額を算出した過程について 違算等も認められないことから この点においても 本件処分に違法又は不当な点は認められない 以上のとおり 審査会として 審理員が行った審理手続の適正性や - 7 -

法令解釈の妥当性を審議した結果 審理手続 法令解釈のいずれも適 正に行われているものと判断する よって 第 1 審査会の結論 のとおり判断する ( 答申を行った委員の氏名 ) 髙橋滋 窪木登志子 川合敏樹 別紙 1 及び 2( 略 ) - 8 -