資料 2 財政融資資金等の実地監査について 令和元年 6 月 14 日 財務省理財局

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3 流動比率 (%) 流動資産流動負債 短期的な債務に対する支払能力を表す指標である 平成 26 年度からは 会計制度の見直しに伴い 流動負債に 1 年以内に償還される企業債や賞与引当金等が計上されることとなったため それ以前と比べ 比率は下がっている 分析にあたっての一般的な考え方 当該指標は 1

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また 関係省庁等においては 今般の措置も踏まえ 本スキームを前提とした以下のような制度を構築する予定である - 政府系金融機関による 災害対応型劣後ローン の供給 ( 三次補正 ) 政府系金融機関が 旧債務の負担等により新規融資を受けることが困難な被災中小企業に対して 資本性借入金 の条件に合致した

資料 2-2 財政制度等審議会財政投融資分科会 編成上の論点 地方公共団体 平成 26 年 11 月 28 日財務省理財局

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☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

資料 1-1 資料 1-1 平成 29 年度財政融資資金運用報告について 平成 30 年度財政融資資金運用報告について 平成令和元年 30 年 7 月 26 日財務省理財局財務省理財局

健全化比率及び資金不足比率の状況について 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 により 藤枝市の健全化判断比率及び資金不足比率につい て 以下のとおり算定しました これは 平成 19 年 6 月に公布された上記法律に基づき 毎年度 監査委 員の審査に付した上で 議会に報告及び公表するものです 本市

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流動資産 3 流動比率 (%) 流動負債短期的な債務に対する支払能力を表す指標である 当該指標は 1 年以内に支払うべき債務に対して支払うことができる現金等がある状況を示す 100% 以上であることが必要である 一般的に 100% を下回るということは 1 年以内に現金化できる資産で 1 年以内に支

1 北九州市 将来負担比率の状況と推移 将来負担比率 平成 20 年度 171.8% 平成 21 年度 173.5% 平成 22 年度 平成 23 年度 166.9% 166.0% 166.9% 平成 24 年度 170.3% 将来負担比率は 地方公社や損失補償を行っている出資法人等に係るものも含め

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

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Microsoft Word - PPPPFI手法導入における優先的検討に係る指針

57 みやこ町 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 9.49% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は

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4 地方公営企業会計基準の見直しの影響 ( 概要 ) 地方公営企業会計基準の見直しのため 平成 23 年度に地方公営企業法施行令等を改正し その改正内容が平成 26 年度予算 決算から全面的に適用となっている (1) 見直しの趣旨 昭和 41 年以来大きな改正がなされていない地方公営企業会計制度と国

手法 という ) を検討するものとする この場合において 唯一の手法を選択することが困難であるときは 複数の手法を選択できるものとする なお 本規程の対象とする PPP/PFI 手法は次に掲げるものとする イ民間事業者が公共施設等の運営等を担う手法ロ民間事業者が公共施設等の設計 建設又は製造及び運営

国立大学法人富山大学 PPP/PFI 手法導入優先的検討要項

平成 30 年 (2018 年 )9 月 20 日 財政局 平成 29 年度決算に基づく健全化判断比率等の状況について 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 に基づき 平成 29 年度決算に基づく健全化判断比率及び資金不足比率を算定いたしましたのでお知らせします 健全化判断比率については すべての

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別紙様式 1-1( 平成 19 年度承認計画用 ) 西総財第 7 7 号 平成 23 年 8 月 26 日 静岡財務事務所長 殿 西伊豆町長藤井武彦印 財政健全化計画等執行状況報告書 以下の財政健全化計画等の執行状況について 別紙のとおり報告します 財政健全化計画 公営企業経営健全化計画上水道事業

中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律第 7 条第 1 項に規定する説明書類 奄美信用組合 奄美信用組合は 奄美地区における金融の円滑化への取り組みをこれまで以上に強化するとともに その取り組み姿勢をお客様にご理解していただき 借入の条件変更等に関する ご要望 ご相談に迅速

農地中間管理機構 ( 仮称 ) の制度の骨格 ( 案 ) 資料 農地中間管理機構の指定都道府県のコントロールの下に適切に構造改革 生産コスト引下げを推進するため 都道府県段階に設置する 1 都道府県知事は 農地中間管理事業を公平かつ適正に行うことができる法人 ( 地方公共団体の第 3セク

図 4-1 総額 と 純計 の違い ( 平成 30 年度当初予算 ) 総額ベース で見た場合 純計ベース で見た場合 国の財政 兆円兆 国の財政 兆円兆 A 特会 A 特会 一般会計 B 特会 X 勘定 Y 勘定 一般会計 B 特会 X 勘定 Y 勘定

平成 27 年度高浜町の健全化判断比率及び資金不足比率 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 が平成 21 年 4 月から全面施行され この法律により地方公共団体は 4 つの健全化判断比率 ( 実質赤字比率 連結実質赤字比率 実質公債費比率 将来負担比率 ) と公営企業ごとの資金不足比率を議会に報

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内部統制ガイドラインについて 資料

14 中間市 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 7.65% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は 地

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

中期事業計画の評価 平成 27 年度 ~ 平成 29 年度 香川県信用保証協会

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豊洲移転時の収支試算の条件とパターン 収支試算の条件 平成 29 年度予算をベースとして推計 一般会計繰入金の対象範囲や水準は 据え置き 改修経費を 5 億円 / 年とした上で 5 年毎に 5 億円 / 年ずつ増加するものと仮定して試算 変更点 売上高割使用料は 5 年毎に 3% ずつ減少するものと

一般会計 特別会計を含めた国全体の財政規模 (1) 国全体の財政規模の様々な見方国の会計には 一般会計と特別会計がありますが これらの会計は相互に完全に独立しているわけではなく 一般会計から特別会計へ財源が繰り入れられているなど その歳出と歳入の多くが重複して計上されています また 各特別会計それぞ

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16 筑紫野市 22.91% 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

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中期行動計画成24 年度の具体的な行動計画成24 年度の取組結果18 ( 財 ) 札幌勤労者職業福祉センター [ 所管課 : 経 ) 雇用推進課 ] 1 団体目標 新方針重点取組目標 18 ( 財 ) 札幌勤労者職業福祉センター 1 団体の廃止 新公益法人制度への対応平成 28 年度までは 施設の用

地方公営企業会計基準の見直しについて(完成)

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01 【北海道】

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

~ わかりやすい決算報告をめざして ~ 市ではさまざまな事業を行っています どのような事業を行うのか 資金調達はどうするか どのように支出するかを 歳入 歳出 という形でお金で表し とりまとめた計画が 予算書 です その予算に沿って事業を行った一年間の結果を報告したものが 決算書 です 決算書 には

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貝監第  号

4-(1)-ウ①

金融円滑化に対する当金庫の取組状況 平成 27 年 11 月 13 日 高岡信用金庫

スライド 1

47 大木町 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 22.96% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は

平成 29 年度 厚生年金保険法第七十九条の八第二項に基づく国家公務員共済組合連合会にかかる管理積立金の管理及び運用の状況についての評価の結果 概要 平成 30 年 12 月 財務省主計局給与共済課

15 小郡市 将来負担比率の状況と推移 将来負担比率 平成 21 年度 118.0% 平成 22 年度 102.9% 平成 23 年度 平成 24 年度 81.4% 92.7% 81.4% 平成 25 年度 76.4% 将来負担比率は 地方公社や損失補償を行っている出資法人等に係るものも含め その地


経営指標の概要 ( 電気事業 ) 1. 経営の状況 ( 電気事業全体で算出 ) 算出式 ( 法適用事業 ) 算出式 ( 法非適用事業 ) 1 経常収支比率 (%) 1 収益的収支比率 (%) 指標の意味 経常収益 100 経常費用 総収益 100 総費用 + 地方債償還金 法適用企業に用いる経常収支

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54 赤村 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 1.59% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は 地方


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将来返上認可 過去返上認可 6 基金 解散認可 1 基金 一括納付による解散である 3 指定基金制度ア概要年金給付等に要する積立金の積立水準が著しく低い基金を 厚生労働大臣が指定します この指定された基金に対して 5 年間の財政健全化計画を作成させ これに基づき事業運営を行うよう重点的に指導すること

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子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

豊橋市 PPP/PFI 手法導入優先的検討方針 効率的かつ効果的な公共施設等の整備等を進めることを目的として 多様なPPP/P FI 手法導入を優先的に検討するための指針 ( 平成 27 年 12 月 15 日民間資金等活用事業推進会議決定 ) に基づき 公共施設等の整備等に多様なPPP/PFI 手

平成 31 事業年度 自平成 31 年 4 月 1 日 (2019 年 4 月 1 日 ) 至平成 32 年 3 月 31 日 (2020 年 3 月 31 日 ) 第 15 期 事業計画 ( 案 ) 本州四国連絡高速道路株式会社 - 0 -

2007財政健全化判断比率を公表いたします

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Taro-★【2月Ver】01~05. ⑲計

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1 北九州市 実質公債費比率の状況と推移 11.4% 10.8% 実質公債費比率 平成 21 年度 9.9% 平成 22 年度 11.7% 平成 23 年度 11.4% 平成 24 年度 10.8% 平成 25 年度 10.5% 実質公債費比率は その地方公共団体の一般会計等が負担する元利償還金等の

有価証券等の情報(会社計)162 満期保有目的の債券 がを超えるもの がを超えないもの 公社債 435, ,721 31, , ,565 29,336 外国証券 ( 公社債 ) 1,506,014 1,835, ,712 1,493,938 1,778

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資料 2 財政融資資金等の実地監査について 令和元年 6 月 14 日 財務省理財局

1 法人等実地監査 -1-

財政投融資の対象事業を行う独立行政法人等に対し 公的資金の貸し手としての視点から 1 財政投融資の対象事業にふさわしい政策的意義 2 財務の健全性 償還確実性 3 資金の適正な執行などの実態について実地に確認し 必要に応じて改善を求めている 2014 事務年度からは 財政投融資を巡る課題と今後の在り方について (2014 年 6 月財政投融資分科会 ) を踏まえ 内部統制やリスクコントロールにも焦点を当てるとともに 官民ファンド等の産業投資対象機関に対しては ガバナンス機能の実態確認に重点を置いた監査等を実施している 実施状況 法人等実地監査の概要及び実施状況 2018 事務年度 (2018 年 7 月 ~2019 年 6 月 ) は 以下の 4 機関に対して実施 2018 事務年度 ( 参考 )2017 事務年度 ( 独 ) 大学改革支援 学位授与機構 ( 株 ) 海外通信 放送 郵便事業支援機構 ( 国研 ) 国立がん研究センター ( 一財 ) 民間都市開発推進機構 ( 独 ) 国立病院機構 ( 株 ) 海外交通 都市開発事業支援機構 食料安定供給特別会計 ( 国営土地改良事業勘定 ) -2-

各機関の監査結果の概要 1 1 独立行政法人大学改革支援 学位授与機構 (2005 2011 事務年度に続き 3 回目の監査 ) 国立大学附属病院施設の再開発整備等のための病棟等の整備に要する資金及び医療設備の整備に要する資金の貸付け事業が財投対象 事業規模 (2018 年度計画 ) 財政融資 (2018 年度計画 ) 財投残高 (2017 年度末 ) 542 億円 499 億円 7,234 億円 検証項目 貸付審査等の実効性について 病院に対するアドバイス機能等の発揮 改善 検討等を求めた事項 内部規程に基づき 貸付けごとに審査を実施するほか 債務の完済に至るまで毎事業年度終了後 財務状況等の確認を実施している 貸付審査等に当たっては 病院の財務状況について 債務残高や各年度の債務償還額がキャッシュフローと比較して過大になっていないか等 提出された財務諸表や 完済までの収支計画 により 確認を行うこととしている 債務残高は機構借入金に限定される一方 機構借入金以外により整備された施設の減価償却をキャッシュフローに含めているほか 収支計画は 収入支出の算定根拠 ( 診療経費の内訳等 ) や計画 実績の乖離の比較 要因の確認に至っていない このため 貸付審査等の実効性を確保する観点から 速やかに改善することを求めた 貸付審査 現地調査において収集した資料 調査 分析業務に基づくデータを集約し 効果的に業務に活用する等 病院に対する適切なアドバイス機能がより一層発揮されるよう 検討を求めた -3-

各機関の監査結果の概要 2 2 株式会社海外通信 放送 郵便事業支援機構 ( 初回監査 ) 我が国事業者に蓄積された知識 技術及び経験を活用して海外において通信 放送 郵便事業を行う者等に対し 資金供給その他の支援を行う (2015 年 11 月 25 日設立 ) 事業規模 (2018 年度計画 ) 産業投資 (2018 年度計画 ) 財投残高 (2017 年度末 ) 312 億円 72 億円 66 億円 ( ) 政府保証 240 億円 (2018 年度計画 ) 検証項目 投資案件の発掘 組成 投資検討態勢と初期モニタリング態勢について 案件管理体制 改善 検討等を求めた事項 機構全体で投資候補案件から管理を行っているものの 検討の過程で中止 中断となるものも多い 今後 案件発掘 組成を拡大していくためには 関係先の新規開拓を含めた民間事業者との関係強化や情報収集のための総務省との連携強化が必要と考えられることから それらの検討を求めた 支援決定から短期間で撤回に至った案件を検証したところ リスク分析及びストレステスト等による事業計画の実現可能性の検証が必ずしも十分でなかったこと 適時適切なモニタリングが実施できていなかった事実を確認した 機構においては 既に規程整備等により業務改善を行ったところであるが 今後の投資検討 モニタリングに当たっては 支援撤回に至った要因を踏まえ 実効性のある投資案件の評価 検証に取り組むことを求めた 支援案件数が少ない現状においては ハンズオンでの支援が可能であるが 今後 案件数が増加した際に 現行のモニタリング手法を継続することに懸念があることから 体制の整備や共通の指標設定などモニタリング手法の充実に向けた検討を求めた また 支援案件数の増加に備え 中長期の投資方針やポートフォリオ管理方針についても 策定に向けた検討を求めた -4-

各機関の監査結果の概要 3 3 国立研究開発法人国立がん研究センター (2013 事務年度に続き 2 回目の監査 ) 診療業務にかかる病棟等の整備 医療機器の整備を行い 調査 研究等及び医療の提供等を一体的に機能させ より良質の医療を適切に提供する事業が財投対象 事業規模 (2018 年度計画 ) 財政融資 (2018 年度計画 ) 財投残高 (2017 年度末 ) 54 億円 54 億円 167 億円 検証項目 設備投資計画と中長期キャッシュフロー見通しについて 改善 検討等を求めた事項 今後予定されている中央 東病院の大規模改修や将来の建替に向け 昨年 中長期キャッシュフロー見通しを試算し 大規模投資の実施に伴う資金繰りや損益への影響に関して検証を行ったところ 医業収支等に応じた投資枠の適切な管理と目指すべき収益水準の検討を併せて行っていく必要があることから 経営指標の反映など 中長期キャッシュフロー見通しの精度を高めていくとともに さらにストレスをかけたケースの検討を求めた また 中長期キャッシュフロー見通し 中長期計画 年度計画 予算 建替計画等について それぞれ単独ではなく 有機的かつ一体的なものとして作成 管理していくことを求めた 投資委員会における審査 業務の適正な執行 投資案件の審査を行う投資委員会の運営に当たり 投資判断に至る過程が明確になっていないことから 投資案件の承認基準を目的 内容に応じてウエイト付けするなど 実効性のある投資案件の評価を求めた 医業未収金 ( 患者負担分 ) に関し 督促マニュアルに沿った管理 督促が行われていない等の事例を認めたことから マニュアルの見直しなど 適正な債権管理に取り組んでいくことを求めた 契約手続きのうち 変更契約の決裁において 規程に基づく業務が実施されていない等の事例を認めたことから センタ - 内で周知徹底して再発防止に努めることを求めた -5-

各機関の監査結果の概要 4 4 一般財団法人民間都市開発推進機構 ( 初回監査 ) 開発が長期にわたる民間都市開発プロジェクトに対するメザニン支援を実施することにより 優良なプロジェクトを着実に促進する事業が財投対象 事業規模 (2018 年度計画 ) 政府保証 (2018 年度計画 ) 財投残高 (2017 年度末 ) 381 億円 281 億円 368 億円 検証項目 支援案件の発掘と条件 監査結果 監査を実施した範囲において改善を要する事項は認められなかったが 今後のメザニン支援事業の実施に当たって 以下の事項に留意して業務に取り組むことを求めた 1 支援案件の発掘に向け 新規訪問先の拡充に加え これまで支援に至らなかった案件の経緯等の検証を行うことにより 案件の確度を高めていくこと 2 今後 金利上昇局面において リスクに応じたスプレッド設定が行われるよう 支援条件の見直しを進めて行くこと ( 参考 ) 法人等実地監査における監査フロー図 -6-

2 地方公共団体に対する実地監査 -7-

地方公共団体に対する実地監査の概要及び実施状況 全国の財務局 財務事務所等の資金実地監査官等が 財政融資資金の貸付先である地方公共団体を定期的に監査 ( 地方監査 ) し 資金の使用状況及び事業の成果 公営企業の経営状況等の実態を実地で確認し 必要に応じて改善を求めている 2014 年度から監査手法を見直し 損益実績だけでなく キャッシュフローと債務残高 ( 債務償還能力 ) を分析 評価し 中長期的視点からの財務分析やアドバイス機能を充実させている 2016 年度から本省実地監査官と財務局が連携することで 地方監査の充実を図っている 監査内容区分企業数 (A) 公営企業の経営状況 2018 年度実施状況 財政融資資金残高 ( 億円 ) -8- 監査実施企業数 (B) 割合 (B/A) 割合 (C/B) 上 水 道 事 業 1,261 34,540 145 11.5% 0 0.0% 下 水 道 事 業 2,817 83,606 195 6.9% 0 0.0% 病 院 事 業 593 22,226 51 8.6% 1 2.0% 合計 ( 3 事業 ) 4,671 140,372 391 8.4% 1 0.3% 注 1 本表は 全公営企業 8,398 先の内 実地監査の対象事業かつ 2017 年度末に財政融資貸付残高を有する公営企業について掲載 ( 総務省 地方公営企業年鑑 2017 年度決算値 ) 注 2 下水道事業は 公共下水道 特定環境保全公共下水 農業集落排水施設 について監査を実施 監査内容区分団体数 (A) 貸付資金の使用状況等 財政融資資金残高 ( 億円 ) 監査実施団体数 (B) 割合 (B/A) 改善報告を求めた先 (C) 改善報告を求めた先 (C) 割合 (C/B) 都道府県 政令市 67 187,792 8 11.9% 0 0.0% 市 特 別 区 794 217,233 123 15.5% 5 4.1% 町 村 927 51,836 100 10.8% 1 1.0% 一部事務組合 625 13,138 8 1.3% 0 0.0% 合 計 2,413 469,999 239 9.9% 6 2.5% 注 1 一部事務組合とは 複数の地方公共団体がその事務の一部を共同で行うために設ける組合 注 2 改善報告を求めた先 の 6 先については P12 貸付資金の使用状況等の監査において把握した事例 に詳細を記載

上水道事業における連携監査について 背景 人口減少社会の到来 節水型社会への移行 過去の設備投資の更新時期の到来 職員の高齢化と減少 上水道事業の主な課題 料金収入の減少 施設の老朽化及び更新需要の増加 持続的な運営体制の確保 経営基盤の強化 水道法の改正 1 広域連携の推進 2 官民連携の推進 3 適切な資産管理の推進等 貸付先の現状 多くの公営企業が将来に向けた収益の確保や更新投資など資金面での課題を抱えている 水道事業者の 3 分の 2 を占める給水人口 5 万人未満の小規模事業者は 経営基盤が脆弱な傾向にある 連携監査の実施 2017 年度以降 上水道事業の監査について 本省実地監査官と財務局による連携監査を実施 2018 年度は 2017 年度に引き続き 経営基盤の強化 に向け 広域連携 官民連携に係る特徴的な取組を行っている団体から連携監査先を選定し 経営幹部との意見交換等を通じて 監査先における取組内容について重点的にヒアリング 地域連携の一環として 財務局主催によるセミナーを開催し 大規模事業者 100% 出資会社による小規模事業者への支援事例を紹介するなど 課題解決に向けたサポートを試行 -9-

連携監査により把握した広域連携 官民連携の好事例 群馬東部水道企業団 ( 広域連携 ) 熊本県荒尾市 ( 官民連携 ) 1. 概要 給水人口は約 45 万人 群馬東部地域 3 市 5 町 ( 太田市 館林市 みどり市 板倉町 明和町 千代田町 大泉町 邑楽町 ) の事業統合により 2016 年 4 月に事業を開始 企業団と民間事業者が官民出資会社を設立 ( 企業団が過半を出資 ) し 当該官民出資会社へ包括委託を実施 (2017 ~2025 年度 ) 2. 広域連携が進んだ主な背景 2009 年度には地域の水道事業者間で広域連携に向けた議論を開始 県の用水供給 2 事業と企業団の末端給水事業のエリア (3 市 5 町 ) が合致 民間委託に積極的に取り組んでいた太田市 館林市が中心となり広域連携を主導 料金統一は事業統合後に段階的に調整することで合意 3. 広域連携の効果 浄水場や管路の統廃合を含む計画的な更新投資の実施 官民出資会社を活用した人材育成 技術継承 上記の施策や国庫補助の活用などにより 10 年間で総額約 139 億円のコスト削減効果 1. 概要 給水人口は約 5 万人 隣接する福岡県大牟田市と浄水場を共同設置 (2012 年 4 月から供用開始 ) 大手民間事業者と地元業者の共同出資会社に コア業務 ( 経営 管理業務 ) を除き 包括委託を実施 (2016~ 2021 年度 ) 2. 官民連携が進んだ主な背景 大牟田市との共同浄水場建設をきっかけとして 工事を受託した民間事業者と官民連携の可能性について対話を重ねた結果 包括委託に発展 水道事業管理者が民間委託を主導 3. 官民連携の効果 アセットマネジメントや中期事業計画に関する支援を受けることで実効性の高い経営計画を策定 民間視点での意見を取り入れ 市民の理解やサービス水準向上につながる広報 広聴の充実に向けた検討が活発化 個別委託に比べ 委託業務の範囲拡大や監督業務の軽減が図られ コア業務への集中を実現 -10-

経営基盤の強化に向けて 今後の地方監査の取組について 水道法の改正 (2019 年 10 月 1 日施行 ) に伴い 都道府県を広域連携の推進役と位置付け 関係市町村等を構成員とする協議会を設置 水道基盤強化計画 を策定 ( 関係市町村等の同意が必要 ) また 各都道府県は 水道基盤強化計画 の策定を見据え 総務省から 2022 年度末までに 水道広域化推進プラン ( ) を策定 公表することが求められている ( )1 水道事業者ごとの経営環境と経営状況に係る現状と将来見通し 2 広域化のパターンごとの将来見通しのシミュレーションと広域化の効果を記載 連携監査で把握した事項 事業体の事情や地域の実情に応じて 事業統合 施設の共同設置 管理の一体化など 広域連携 官民連携の形態 手法は様々であり 経営基盤の強化 の打ち手は多様 特に小規模事業者においては できることから 広域連携 官民連携を進めるアプローチも重要 連携監査を通じて広域連携 官民連携に係る特徴的な取組を把握する 2019 年度の取組 財務局監査において監査先の事情やニーズに応じた対話を充実させることにより 監査先の真の経営課題を把握する 連携監査を通じて把握した情報等に基づき 監査先へのアドバイス機能を発揮することで 自主改善 ( 課題解決 ) を支援する 財務局主催によるセミナーの開催など課題解決に向けたサポートを継続する -11-

貸付資金の使用状況等の監査において把握した事例 2018 年度の改善報告を求めた 6 先の内訳 事由別 控除財源の過少計上 1 団体事業費の過大計上 1 団体 対象外事業費の混入 4 団体 ( 事例 1) 対象外事業費である備品類の混入による借入超過 過疎対策事業として実施した新火葬場整備事業について 起債対象外事業費である備品類が混入していたため 借入限度額を超過していた事例 起債の対象となる備品は 原則として一品当たりの取得価格が 20 万円以上であって かつ耐用年数が5 年以上のもの ( 地方債同意等基準運用要綱 ) 事後承認 1 団体文書注意 1 団体 措置別 4 団体 繰上償還 ( 事例 2) 事業費の過大計上による借入超過 決算済の下水道整備事業について 借入額の減額手続きを失念していたため 借入限度額を超過していた事例 ( 事例 3) 控除財源 ( 国庫補助金 ) の過少計上による借入超過 過疎対策事業として実施した道路事業について 国庫補助金の計上が漏れていたため 借入限度額を超過していた事例 -12-

3-1 参考資料 ( 実地監査 ) -13-

2017 事務年度の法人等実地監査結果のフォローアップ 1 独立行政法人国立病院機構 指摘事項 対応状況 機構の財務状況及び病院に対する本部の経営指導等 1 経営改善に向けた取組 2016 年度決算において経常赤字を計上する中 経営改善計画が未達成の病院が多く また 監査先の病院において 事前 事後の検証が十分に行われていない事例等を認めた このため 各病院の経営改善計画策定に当たって 実現可能性 妥当性について 十分な検証を行うとともに 本部等による進捗管理を強化するなど 計画達成に向けた取組の着実な実施に努めることを求めた 更に 今後 経常赤字を恒常化させないためにも 2019 年度からの次期中期目標 計画策定において 具体的かつ実効性のある目標 計画を定めるよう 検討を求めた 経営改善計画の 実現可能性を高める観点からの留意事項 を各病院に示すとともに 計画作成段階から本部等において 各病院の計画の精査を行った また 各病院の経営改善計画の達成に向けて 月次で計画の進捗状況を報告させるとともに 計画の進捗が遅れている病院等に対し 経営指導 支援を行った このような取組を継続するとともに 毎年度 機構全体で経常収支率 100% 以上を目標とする第四期中期計画を作成した 2 地域医療構想への対応 地域医療構想を踏まえ 機構の各病院が安定した経営の下でその役割を担うため 地域ニーズに合致した病床機能の転換や連携強化等を進めていくことが望まれる 業務の適正な執行 医業未収金 ( 患者負担分 ) や契約手続きについて 適正に事務が行われなかった事例等を認めたため 周知徹底や再発防止を求めた 地域医療構想調整会議等で各病院の医療機能等を率先して明らかにするとともに 地域ニーズに合致した自院の医療機能の転換 充実や連携強化等を行っていくよう 病院長会議において周知を行った 病院長会議や事務部長会議等において 債権管理等の適正な事務手続きに取り組むよう 注意喚起を行った また 契約情報を基に契約一覧表を作成し 進捗管理等を徹底した -14-

2017 事務年度の法人等実地監査結果のフォローアップ 2 株式会社海外交通 都市開発事業支援機構 指摘事項 モニタリング結果の評価 検討 内部規程に基づき定期的にモニタリングを実施し個別案件ごとに評価を行っているが 判断基準は定性的なものに留まっているほか 評価結果等を踏まえた事業の見直しや支援撤退に向けた検討の基準が明確になっていない これらに関し 案件の政策的意義を考慮しつつも事後検証可能な客観性を持ったモニタリングの判断基準や評価決定プロセスとなるよう検討していくことを求めた ポートフォリオ管理 事業実施に対する為替変動リスクを軽減するための手法等について検討されていないため 機構の投資収支評価に合わせてリスクを把握し 軽減を図る仕組みについて検討することを求めた ポートフォリオについて 国別 セクター別 通貨別にその残高を管理し 投資収支の評価を行う観点から 機構全体のリスク量を把握し 適時適切に見直す仕組みを検討していくことを求めた 業務の適正な執行 事務の適正な執行を確保する観点から 一部の業務委託契約手続きについて 改善を求めた 対応状況 個別案件における総合評価の判断基準の定量化については モニタリング項目別評価を点数化し その平均点に基づく総合評価の判断基準を 2018 年 12 月に設定 2019 年 1 月の月次モニタリングより 同基準に基づく総合評価を実施 モニタリング結果の評価決定プロセスについては 2018 年 4 月次報告分より評価結果等の変更の理由も含め社内報告における協議内容の記録化を開始 ポートフォリオの想定キャッシュフロー ( 累積 ) 試算時に 為替が ±10% 変動した場合における当該キャッシュフローの変動をモニタリング ポートフォリオ報告に記載 想定損失額 ( デフォルト率と回収率により算出 ) に基づく枠組みを検討し まずは国別リスク量の定量化を図っている 為替リスク管理を行う方策について 外貨借入の活用などについて検討し 遅くとも 2020 年度から導入する 契約締結に係る適正な事務運営を確保することを徹底するよう 全職員に対して継続的に注意喚起している -15-

2017 事務年度の法人等実地監査結果のフォローアップ 3 食料安定供給特別会計 ( 国営土地改良事業勘定 ) 事業の適正な執行 指摘事項 無権原用地 ( 事業により設置した施設に必要な権利 ( 区分地上権等 ) について 事業完了時までに設定等の手続きが完了しなかった土地等 ) への対応は 地権者の相続問題等により 複数の農政局において 処理が進んでいない このため 無権原用地の解消に向けた取組の効果が早期に発揮されるよう 本省が各農政局の状況等に応じた指導を徹底するなど 着実に取組を実施していくことを求めた 対応状況 担当者会議において 現在行っているアクションプランの取組や登記情報の定期的な取得など 無権原用地の解消に向けた取組の着実な実施を指示し アクションプランの取組における課題とその対策について指導を行った また その後のフォローアップとして 2019 年 2 月に各農政局におけるアクションプランの進捗状況を確認し推進に向けての指導を行った -16-

上水道事業の主な課題 料金収入の減少施設の老朽化及び更新需要の増加持続的な運営体制の確保 料金収入と普及率の推移 ( 単位 : 億円 ) 96.4 96.5 96.7 97.3 96.9 97.1 96.9 97.0 97.2 97.3 27,000 25,018 24,549 24,193 24,335 23,722 23,709 23,605 23,232 23,253 23,301 23,000 19,000 15,000 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 料金収入 ( 左目盛り ) 普及率 ( 右目盛り ) (%) 投資額の推移 100 95 90 85 80 75 ( 職員数 ( 人 )) ( 事業数 ) 70,000 60,000 50,000 3,542 2,966 2,334 2,276 62,135 2,173 2,500 2,133 40,000 2,111 2,081 60,588 2,297 58,733 2,243 2,152 57,130 2,122 2,097 2,000 2,041 30,000 55,109 53,275 51,655 1,500 50,02349,105 20,000 10,000 職員数 事業数 48,030 47,108 46,797 45,95645,441 4,000 3,500 3,000 1,000 500 有収水量 : 千 m3/ 日 45,000 40,000 35,000 30,000 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 1960 1970 1980 1990 2000 将来の需要水量 ( 推計 ) 推計値実績値高位 ( 参考 ) 低位 ( 参考 ) ピーク 2000 年 3,900 万 m 3 / 日 2010 2020 2030 2015 年 3,600 万 m 3 / 日 2040 2050 2060 2070 2065 年 2,200 万 m 3 / 日 2080 2090 2100 2110 年 ( 西暦 ) 管路経年化率 16% 14% 12% 10% 8% 6% 4% 0.94% 0.88% 7.0% 6.3% 管路経年化率と管路更新率の推移 0.87% 9.5% 8.5% 7.8% 7.1% 0.79% 0.77% 0.77% -17-12.1% 10.5% 0.79% 13.6% 15.1% 0.76% 0.74% 0.75% H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 管路経年化率 管路更新率 0 1.00% 0.95% 0.90% 0.85% 0.80% 0.75% 0.70% 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 管路更新率 ( 出典 ) 総務省資料等 0

監査実施企業の経営状況等 図 1 経費回収率等 図 2 経常損益( 基準外の繰入金を除く ) 図 3 上水道事業の 料金回収率 下水道事業の 経費回収率 図 4 上水道事業の 規模別 料金回収率 -18-

3-2 参考資料 (2018 年度地方公共団体の財務状況把握等の結果について ) -19-

2018 年度財務状況把握の結果の概要 ( 市区町村 ) 財務局において 財政融資資金の償還確実性を確認する観点から 毎年度 地方公共団体の財務状況把握を実施 2018 年度は全市区町村 1,741 団体のうち 272 団体にヒアリングを行った (2017 年度 277 団体 ) 団体の財務状況について 1 債務高水準 2 積立低水準 及び 3 収支低水準 の診断基準への該当状況を確認したところ 以下のとおり < ヒアリング実施団体における財務上の問題への該当状況 > ヒアリング 財務上の問題に該当する団体数 財務上の問題に 団体数債務高水準積立低水準収支低水準該当していない団体数 272 75( ) 10 50 41 197 複数の財務上の問題に該当する団体があることから 計において一致しない 財務上の問題に該当した団体について その要因を把握したところ 以下の事例が認められた 財務上の問題 1 債務高水準 2 積立低水準 3 収支低水準 主な事例 老朽化に伴う防災対策のため 学校施設の改築に係る地方債を発行した 土地開発公社の解散に際し 団体が債務保証を行っている公社借入金の償還のために地方債を発行した 学校施設の耐震化や新庁舎建設に係る事業費に充当するため 基金の取崩しを行った 合併団体では 合併に伴う基盤整備として道路や学校施設の整備に係る事業費に充当するため 基金の取崩しを行った 団体独自の施策として 子ども医療費の助成対象拡大や保育料の無償化の実施により 収支が悪化した 老年人口の増加率が高い団体では 介護保険事業特別会計等への繰出金が増加したことにより 収支が悪化した -20-

財務状況把握等を活用した財務局と地方公共団体の主な連携事例 1 財務状況把握の結果概要 ( 診断表 ) の活用 アドバイス機能の発揮 [ 東北財務局 ] 団体と連携して 地域の中学生に対し 団体の財政の現状や課題について講義を実施 財務状況把握により分析した団体の情報を基に 中学生が具体的な施策を議論 選択することで 財政シミュレーションを行うことができる講義資料を作成 [ 近畿財務局 ] 団体から 当該団体と類似の地理的要因を持つ他団体の財務状況を教えてほしいとの要望を受け 財務局において類似団体を選定し 類似団体平均による比較分析資料を作成 提供 [ 北陸財務局 ] 実地監査と連携して 団体の一般会計から公営企業への繰出が大きな財政負担となっていることを把握 団体に対し公営企業の使用料引き上げの必要性を検討するようアドバイス 団体において検討した結果 引き上げを実施する方向 [ 北海道財務局 東海財務局 ] 団体から 第三者 ( 財務局 ) の視点からみた団体の財務上の特徴について職員等に説明してほしいとの要望を受け 研修会を実施 [ 四国財務局他 ] 収支計画が未策定等の団体に対し 適切な財政運営を図る観点から 収支計画の策定を慫慂 (35 団体 ) 2 団体の財務健全化事例の収集 展開 [ 九州財務局 ] 団体 (4 団体 ) から 事務事業 補助金の見直し等について他団体の良い事例を教えてほしいとの相談を受け 財務局において ヒアリング等で収集した事例を整理し 当該団体の了解を得たうえで 団体へ紹介 [ 関東財務局 ] 県との共催により 公共施設マネジメントをテーマとした団体職員向けセミナーを開催 公共施設の施設管理等において先進的な取組を行っている団体職員を講師として招聘 3 財投施策の周知等による市区町村の支援 [ 関東財務局 ] ヒアリングで把握した団体の課題 ( 医療 介護サービス企業の誘致 公共施設整備に係るPFI 検討 SIBの活用 ) に対し 財投機関等 ( 福祉医療機構 日本政策投資銀行 ) を紹介 当該財投機関等職員を招聘し 団体の勉強会開催を支援 -21-

2018 年度上下水道コンセッション推進のための補償金免除繰上償還の実施結果 2018 年度における実施結果は以下のとおり (1 件 ) 団体名 ( 事業名 ) : 浜松市 ( 公共下水道事業 ) 繰上償還額 : 5.3 億円 ( 注 1) 補償金免除額 : 0.6 億円 ( 注 2) ( 注 1) 旧公営企業金融公庫資金に係る繰上償還額 1.9 億円を加え 繰上償還額の総額は 7.2 億円 ( 注 2) 補償金免除額と同額が 地方公共団体金融機構 ( 管理勘定 ) から財投特会へ納付済 ( 参考 ) 浜松市 ( 公共下水道事業 ) コンセッション < 事業概要 > 対象事業 : 西遠処理区内の処理場 (1 箇所 ) 及びポンプ場 (2 箇所 ) の維持管理 機械電気設備改築更新 事業期間 :20 年間 (2018 年 4 月 1 日 ~2038 年 3 月 31 日 ) 運営権対価 :25 億円 運営権者 : 浜松ウォーターシンフォニー株式会社 上下水道コンセッション推進のための補償金免除繰上償還 のスキーム 融資 ( 地方債 ) 地方公共団体の 運営権の設定 コンセッション 水道事業 下水道事業 事業者 財投特会 繰上償還 補償金 運営権対価 免除 補償金免除額と同額を納付 地方公共団体金融機構 ( 管理勘定 ) ( ) 地方公共団体による上下水道事業への公共施設等運営権方式 ( コンセッション ) の導入を促進する観点から 今後の横展開の呼び水となる先駆的取組を支援するため 2021 年度までに実施方針条例を制定した地方公共団体を対象に 厳しい経営環境にあり自助努力を行っていること等 支援要件を満たしていることを条件として 2018 年度から 2023 年度までの間において 最初に受け取った運営権対価を上限に 当該コンセッションの事業範囲に係る債務を繰上償還する際の補償金の免除を特例的に認めるもの -22-