xdts 動 作 環 境 構 築 xdtsを 動 作 させるには, 事 前 にデータベースサーバ 及 び,Webサーバの 構 築 が 必 要 となります. 本 書 では, Linux 上 での 環 境 構 築 に 慣 れていない 方 にも 比 較 的 容 易 にxDTSをご 利 用 いただくための, 必 要 最 低 限 の 動 作 環 境 の 構 築 手 順 を 説 明 します. 尚, 本 書 の 内 容 は 製 品 版 をご 購 入 いただいた 場 合 を 除 き, 基 本 的 にはサポート 対 象 外 のものとなります. お 客 様 の 操 作 ミス 等 にてシステムが 破 壊 されるなどした 場 合 は, 弊 社 は 一 切 責 任 は 負 いかねますので, 自 己 責 任 でお 願 いいたします. 1. 説 明 用 構 築 環 境 本 書 は 以 下 の 環 境 を 想 定 しての 説 明 とします.この 他 の 環 境 をご 利 用 の 場 合 は,コマンドなど 異 なる 場 合 がございますので,ご 利 用 の 環 境 に 合 わせたコマンドに 置 き 換 えてお 読 みください. OS Red Hat Enterprise Linux 5 DBMS PostgreSQL 8.2.11 Webサーバ Apache 2.2.10 + PHP 5.2.6 本 書 ではインストールするソフトウェアは 全 てソースからのインストールで 説 明 しています.パッケージ でのインストール 方 法 については 各 ディストリビューションの 説 明 に 従 ってください. また, 操 作 は 全 てコマンドライン 上 からの 操 作 で 説 明 しています. 尚, 環 境 は 既 にインターネットに 接 続 できる 環 境 であることを 前 提 として 説 明 しています.インターネッ トに 接 続 されていない 環 境 の 場 合 は, 各 ソフトウェアを 別 のマシン 上 からダウンロードし,インストール 環 境 に 転 送 するようにしてください. 各 ソフトウェアは 以 下 の 場 所 にインストールすることとします. PostgreSQL /usr/local/xdts/pgsql Apache /usr/local/xdts/apache2 PHP /usr/local/xdts これらソフトウェアはインストールする 環 境 には 別 のものがインストールされていないことを 前 提 とし ています. 既 に 別 のバージョンなどインストール 済 みで 稼 働 中 の 場 合 は,アクセスポートなど 変 更 する 必 要 があります. 2. インストール 準 備 各 ソフトウェアのインストール 前 に 前 述 したインストール 場 所 の 構 築 を 行 います. 1. PostgreSQL 管 理 ユーザの 登 録 (rootユーザで 実 行 ) [prompt]# useradd postgres 2. PostgreSQL 管 理 ユーザのパスワード 設 定 (rootユーザで 実 行 ) [prompt]# passwd postgres Changing password for user postgres. New UNIX password: 任 意 のパスワードを2 回 入 力 してください.( 入 力 されたパスワードは 画 面 上 には 表 示 されません) -1-
3. PostgreSQLインストールディレクトリを 作 成 します (rootユーザで 実 行 ) [prompt]# mkdir -p /usr/local/xdts/pgsql 4. PostgreSQLインストールディレクトリのオーナー 変 更 (rootユーザで 実 行 ) [prompt]# chown postgres:postgres /usr/local/xdts/pgsql 以 上 で 準 備 は 完 了 です. 以 降 の 節 を 参 考 に 必 要 なソフトウェアのインストールを 行 ってください. 3. PostgreSQLインストール 手 順 PostgreSQL 8.2.11のダウンロード からインストールまでの 一 通 りの 手 順 を 入 力 コマンドで 説 明 します. 1. PostgreSQL 8.2.11 のダウンロード ( 任 意 のユーザで 実 行 ) [prompt]$ wget ftp://ftp.sra.co.jp/pub/cmd/postgres/8.2.11/postgresql-8.2.11.tar.gz 2. ダウンロードしたアーカイブファイルの 展 開 ( 任 意 のユーザで 実 行 ) [prompt]$ tar zxf postgresql-8.2.11.tar.gz 3. 展 開 したファイルのオーナーを 変 更 (rootユーザで 実 行 ) [prompt]# chown -R postgres:postgres postgresql-8.2.11 4. PostgreSQLのコンパイル (postgresユーザで 実 行 ) [prompt]$ cd postgresql-8.2.11/ [prompt]$./configure --prefix=/usr/local/xdts/pgsql config.status: linking./src/makefiles/makefile.linux to src/makefile.port 5. PostgreSQLのmake (postgresユーザで 実 行 ) [prompt]$ make all All of PostgreSQL successfully made. Ready to install. 6. PostgreSQLのテスト (postgresユーザで 実 行 ) [prompt]$ make check ======================= All 103 tests passed. ======================= make[2]: `/usr/local/src/postgresql-8.2.11/src/test/regress' make[1]: `/usr/local/src/postgresql-8.2.11/src/test' 出 力 されたテスト 結 果 に 問 題 ないことを 確 認 してください. 7. PostgreSQLのインストール (postgresユーザで 実 行 ) [prompt]$ make install PostgreSQL installation complete. -2-
8. データベースの 初 期 化 (postgresユーザで 実 行 ) [prompt]$ pgdir=/usr/local/xdts/pgsql [prompt]$ $pgdir/bin/initdb --no-local -D $pgdir/data -E EUC_JP Success. You can now start the database server using: or /usr/local/xdts/pgsql/bin/postgres -D /usr/local/xdts/pgsql/data /usr/local/xdts/pgsql/bin/pg_ctl -D /usr/local/xdts/pgsql/data -l logfile start 9. postmasterの 起 動 (postgresユーザで 実 行 ) [prompt]$ $pgdir/bin/pg_ctl -w -D $pgdir/data -l $pgdir/logfile start waiting for server to start... done server started 10. データベースへのApache 実 行 ユーザの 登 録 (postgresユーザで 実 行 ) [prompt]$ $pgdir/bin/createuser -d -A daemon Shall the new role be allowed to create more new roles? (y/n) y CREATE ROLE 以 上 でPostgreSQL 8.2.11 のインストールは 完 了 です. 4. Apacheインストール 手 順 Apache2.2.10のダウンロード からインストールまでの 一 通 りの 手 順 を 入 力 コマンドで 説 明 します. 1. Apache2.2.10 のダウンロード ( 任 意 のユーザで 実 行 ) [prompt]$ wget http://archive.apache.org/dist/httpd/httpd-2.2.10.tar.bz2 2. ダウンロードしたアーカイブファイルの 展 開 ( 任 意 のユーザで 実 行 ) [prompt]$ tar jxf httpd-2.2.10.tar.bz2 3. Apacheのコンパイル ( 任 意 のユーザで 実 行 ) [prompt]$ cd httpd-2.2.10.tar.bz2/ [prompt]$./configure --prefix=/usr/local/xdts/apache2 --enable-module=most --enable-shared=max config.status: executing default commands 4. Apacheのmake ( 任 意 のユーザで 実 行 ) [prompt]$ make make[1]: `/usr/local/src/httpd-2.2.10' 5. Apacheのインストール (rootユーザで 実 行 ) [prompt]# make install make[1]: `/usr/local/src/httpd-2.2.10' 以 上 で, 基 本 的 なApacheのインストールは 完 了 です. 但 し, 起 動 させるにはApacheの 設 定 ファイルの 修 正 が 必 要 となりますが,その 内 容 は 次 節 のPHPインストール 手 順 で 説 明 することにします. -3-
5. PHPインストール 手 順 PHP5.2.6のダウンロード からインストールまでの 一 通 りの 手 順 を 入 力 コマンドで 説 明 します. 1. PHP5.2.6 のダウンロード ( 任 意 のユーザで 実 行 ) [prompt]$ wget http://jp.php.net/get/php-5.2.6.tar.bz2/from/this/mirror 2. ダウンロードしたアーカイブファイルの 展 開 ( 任 意 のユーザで 実 行 ) [prompt]$ tar jxf php-5.2.6.tar.bz2 3. PHPのコンパイル ( 任 意 のユーザで 実 行 ) [prompt]$ cd php-5.2.6 [prompt]$./configure --prefix=/usr/local/xdts \ > --with-apxs2=/usr/local/xdts/apache2/bin/apxs \ > --with-pgsql=/usr/local/xdts/pgsql \ > --enable-zend-multibyte \ > --enable-mbstring Thank you for using PHP. コマンドは1 行 での 入 力 も 可 能 です.その 場 合 末 尾 の \ は 必 要 ありません. 4. PHPのmake ( 任 意 のユーザで 実 行 ) [prompt]$ make Build complete. Don't forget to run 'make test'. 5. PHPのインストール (rootユーザで 実 行 ) [prompt]# make install You may want to add: /usr/local/xdts/lib/php to your php.ini include_path Installing PDO headers: /usr/local/xdts/include/php/ext/pdo/ 6. PHPの 設 定 ファイル 設 置 PHPの 設 定 ファイルはインストール 後 に 手 動 で 設 置 する 必 要 があります. PHPソースファイルからデフォルトの 設 定 ファイルをコピー (rootユーザで 実 行 ) [prompt]# cp -f php.ini-recommended /usr/local/xdts/lib/php.ini Linux 版 ではphp.iniの 設 定 変 更 は 特 に 必 要 ありません. -4-
7. ApacheへのPHPの 組 み 込 み (rootユーザで 実 行 ) Apacheの 設 定 ファイル /usr/local/xdts/apache2/conf/httpd.conf を 修 正 します. 89 行 目 :SeverAdmin に 任 意 のメールアドレスを 設 定 ( 例 ) ServerAdmin foo@nil.co.jp 98 行 目 :SeverName に 任 意 のサーバ 名 + ポート 番 号 を 設 定 ( 例 ) ServerName fuga.nil.co.jp:80 167 行 目 :DirectoryIndex に index.php を 追 加 DirectoryIndex index.html index.php 310 行 目 :<IfModule mime_module>から</ifmodule> の 中 に 以 下 を 追 加 AddType application/x-httpd-php.php 9. Apacheの 起 動 (rootユーザで 実 行 ) [prompt]# /usr/local/xdts/apache2/bin/apachectl start 以 上 で PHPのインストールは 完 了 です. この 状 態 でApacheが 起 動 しPHPが 動 作 することを 確 認 することができれば,xDTSの 動 作 環 境 の 構 築 は 完 了 となります. 6. インストールしたソフトウェアの 自 動 起 動 設 定 前 節 まででxDTSのインストールに 必 要 なソフトウェアのインストールは 完 了 しましたが,そのままではOS の 再 起 動 を 行 った 場 合 に, 再 度 手 動 でPostgreSQLとApacheの 起 動 を 行 う 必 要 があります.それを 自 動 化 す る 方 法 を 説 明 します. RPMでのインストールの 場 合 にはサービスデーモンに 自 動 で 登 録 されますので,chkconfig コマンドか らの 設 定 となります.(この 方 法 は 本 書 では 扱 いません) 1. 自 動 起 動 用 スクリプトファイルの 記 述 /etc/rc.local というファイルに 起 動 用 のコマンドを 記 述 します. /etc/rc.local ファイルは 多 くのLinuxディストリビューションでOS 起 動 時 に 実 行 されるファイルにな ります. 但 し,Suse Linuxなどではこのファイルは 用 意 されていないため,cron や chkconfig への 登 録 が 必 要 となります.(この 方 法 は 本 書 では 扱 いません) /etc/rc.local に 以 下 の 記 述 を 追 加 してください. PGDIR=/usr/local/xdts/pgsql if [ -x $PGDIR/bin/pg_ctl ] then $PGDIR/bin/pg_ctl -w -D $PGDIR/data -l $PGDIR/logfile start fi if [ -x /usr/local/xdts/apache2/bin/apachectl ] then /usr/local/xdts/apache2/bin/apachectl start fi これで, 次 回 OSを 起 動 した 場 合 に, 自 動 でPostgreSQLとApacheが 起 動 するようになります. -5-
7. xdts.ini 前 節 までの 手 順 で 構 築 した 環 境 に 対 するxDTSインストーラのxdts.iniの 関 係 する 設 定 内 容 は 以 下 となり ます. PGBIN=/usr/local/xdts/pgsql/bin DBMSUSER=postgres DBHOST= DBPORT= APACHECTLPATH=/usr/local/xdts/apache2/bin/apachectl HTTPDCONFPATH=/usr/local/xdts/apache2/conf/httpd.conf WWWUSER=daemon DOCUMENTROOT=/usr/local/xdts/apache2/htdocs HTACCESSFILE=.htaccess PHPDIR=/usr/local/xdts/ PHPINIPATH=/usr/local/xdts/lib/php.ini 本 書 に 従 い 動 作 環 境 を 構 築 した 場 合 にはxdts.iniの 各 設 定 内 容 を 上 記 のようにしてxDTSインストーラを 実 行 することができます. xdtsインストールに 必 要 な xdts.ini の 設 定 はこれだけではありませんので,インストールマニュア ル4 章 を 参 考 にして 全 ての 値 を 正 しく 設 定 するようにしてください. 尚,xDTSではメール 送 信 機 能 がありますが, 本 書 ではSMTPサーバの 構 築 については 説 明 しておりません. メール 送 信 機 能 をご 利 用 になる 場 合 には,インストールマニュアル4 章 を 参 考 に xdts.ini の SMTP_XXX 設 定 を 外 部 のSMTPサーバまたは ローカルサーバにSMTPサーバをインストールするようにしてください. -6-