<4D F736F F F696E74202D F4C696E A B A4A94AD837D836A B5F E B8CD

Similar documents
図 1.SDK でインストールするパッケージ選択ができたら [Install] ボタンをクリックしますダウンロードとインストールが始まります インストールが終わると [close] ボタンが表示されるので クリックしてとじて下さい Google USB Driver package, revisio

発環境を準備しよう2 章開Eclipseをインストールしようそれでは Eclipseをセットアップしましょう Eclipseは Eclipse Foundationのサイトからダウンロードできます ダウンロードのページを開くと いく

OpenAM 9.5 インストールガイド オープンソース ソリューション テクノロジ ( 株 ) 更新日 : 2013 年 7 月 19 日 リビジョン : 1.8

Microsoft PowerPoint _2.プログラミングの基礎_final.pptx

Microsoft Word - Android開発環境構築.doc

2. FileZilla のインストール 2.1. ダウンロード 次の URL に接続し 最新版の FileZilla をダウンロードします URL: なお バージョンが異なるとファイル名が

Microsoft PowerPoint _2.プログラミングの基礎_final

Maser - User Operation Manual

Quickstart Guide 3rd Edition

SCC(IPsec_win10)_リモート設定手順書.doc

ch2_android_2pri.indd

システムコマンダー8を使用したWindows とLindowOS の共存方法

クラウド内の Java - 動画スクリプト 皆さん こんにちは Steve Perry です 私たちが作成した人事アプリケーションを覚えていますか? 今回は そのアプリケーションをクラウド内で実行しましょう コードは GitHub の

OpenVPN接続マニュアル

Microsoft Word - Android_実習環境

SAMBA Stunnel(Windows) 編 1. インストール 1 セキュア SAMBA の URL にアクセスし ログインを行います xxx 部分は会社様によって異なります xxxxx 2 Windows 版ダウンロード ボ

(Microsoft Word - VisionPro\203C\203\223\203X\203g\203\214\201[\203V\203\207\203\223\203}\203j\203\205\203A\203\ doc)

WinXp-Rmenu

Microsoft Word - XOOPS インストールマニュアルv12.doc

Microsoft PowerPoint - Tutorial_2_upd.ppt

SAMBA Remote(Mac) 編 PC にソフトをインストールすることによって OpenVPN でセキュア SAMBA へ接続することができます 注意 OpenVPN 接続は仮想 IP を使用します ローカル環境にて IP 設定が被らない事をご確認下さい 万が一仮想 IP とローカル環境 IP

Master'sONEセキュアモバイル定額通信サービス(MF120)設定手順書(Ver1_2).doc

インストールマニュアル

FA/LAインストールガイド(トライアル版)

MF mypresto インストールガイド 目次 新規インストールの手順 (Windows 版 )... 2 MF mypresto の起動 (Windows 版 )... 7 新規インストールの手順 (Mac 版 )... 8 MF mypresto の起動 (Mac 版 ) 新規イン

2013年『STSSスキルコミュニティ』 テーマ別Kickoff資料

2. インストールの方法 インストールの手順は まずインストーラーをサイトからダウンロードし イールドブック カリキュレーターと Java Web Start をインストールします 次にイールドブック カリキュレーターを起動してサーバー接続し Java のファイルをダウンロードします 以下の手順に従

無線 LAN JRL-710/720 シリーズ ファームウェアバージョンアップマニュアル G lobal Communications

再起動した状態になり パスワードを入力すると 図 2 のように DEXCS2011 のアイコ ンがデスクトップ上に表示される 2 端末を準備する メニューバーにある端末の形を左クリック 図 2 デスクトップ メニューバーに端末の形がない場合 図 3 メニューバー アプリケーション アクセサリー 端末

AW-SF100 Web アプリ版導入手順書 Revision Professional AV Systems Business Unit Panasonic AVC Networks Company Panasonic Co., Ltd.

Microsoft Word - Mac版 Eclipseの導入と設定.docx

クライアント証明書導入マニュアル

目次 1. 動作環境チェック 動作必要環境 Java のインストール Java のインストール Firebird のインストール Firebird のインストール Adobe Reader のインストール

SAMBA Stunnel(Mac) 編 1. インストール 1 セキュア SAMBA の URL にアクセスし ログインを行います xxxxx 部分は会社様によって異なります xxxxx 2 Mac OS 版ダウンロー

STEP 02 開発環境の構築 学習内容 パソコンに ARM の開発環境を構築します インストールは以下の手順で行います 1. CCS のダウンロード 2. CCS のインストール 3. TI-RTOS のインストール 4. USB ドライバのインストール 1. CCS のダウンロード 以下の手順で

Shareresearchオンラインマニュアル

Mental ray for Maya インストール手順 1 Mental ray plug-in のインストール 1.1 下記リンクの NVIDIA mental ray の製品ページにて必要事項を記入し 必要なバージョンのチェックボックスを入れてから 今すぐダウンロード をクリックすると 記載し

PC にソフトをインストールすることによって OpenVPN でセキュア SAMBA へ接続することができます 注意 OpenVPN 接続は仮想 IP を使用します ローカル環境にて IP 設定が被らない事をご確認下さい 万が一仮想 IP とローカル環境 IP が被るとローカル環境内接続が行えなくな

リモートアクセスライト インストールガイド リモートアクセスライト インストールガイド 第 1. 1 版 2017 年 12 月 12 日

ikeyドライバインストール手順書

Windows ユーザー名に全角が含まれている場合は インストールできません のエラーが表示される場合の対処法 手順 1 管理者権限のある Windows ユーザーでログインした上で 以下の処理を行ってください 画面左下の 旗のマークを左クリックし 続いて表示される一覧から 設定 ( 左側に歯車のよ

Oracle Business Intelligence Standard Edition One のインストール

目次 1 VirtualBoot for Hyper-V とは バックアップを実行するマシンの設定 確認すべきこと SPX によるバックアップ VirtualBoot for Hyper-V を実行するマシンの設定 確

<MW-400k > InterSec/MW400k アップデート適用手順書 2017 年 8 月 1 版

OS の bit 数の確認方法 - Windows0 及び Windows8. Windows のコントロールパネルを開きます Windows0 の場合 スタート から Windows システムツール の コントロールパネル をクリックします Windows8. の場合 スタート から PC 設定

インストール先 PC 推奨環境 Intel Virtualization Technology 対応 CPU Windows 7 以降 64 bit メモリ 4 GB 以上 ハードディスク空き容量 20 GB 以上 インターネット接続 ( アップデートを うため ) ( 動作を保証するものではありま

[給与]給与奉行LANPACK for WindowsNTのサーバーセットアップのエラー

A 既製のプロジェクトがある場合

2

Windows AIKを使用したPE2

Microsoft Word - DWR-S01D_Updater_取扱説明書_120514A.doc

Rhino6 for Windows ラボラトリーライセンスインストールガイド 株式会社アプリクラフト

改版履歴 版数 改版日付 改版内容 /03/14 新規作成 2013/03まで製品サイトで公開していた WebSAM DeploymentManager Ver6.1 SQL Server 2012 製品版のデータベース構築手順書 ( 第 1 版 ) を本 書に統合しました 2

サイボウズ Office 7 デザインギャラリーマニュアル

ArcGIS Runtime SDK for WPF インストールガイド (v10.2.5)

NSS利用者マニュアル

インテル® Parallel Studio XE 2019 Composer Edition for Fortran Windows : インストール・ガイド

WinXp-Rmenu

Taro-ラズパイのインストールと設定

AN1609 GNUコンパイラ導入ガイド

(Microsoft Word - \203C\203\223\203X\203g\201[\203\213\203}\203j\203\205\203A\203\213version1.0 rev1.doc)

シューマンウェーブジェネレーター (32bit 版のみ対応 ) 64bit 版 (XP VISTA 7 いずれも )OS は インストール時に下記のエラー画面が出てインストールできません インストールできません インストール時の注意事項必ず管理者権限管理者権限のユーザーでインストールを行って下さい

HeartCoreインストールマニュアル(PHP版)

1. WebShare 編 1.1. ログイン / ログアウト ログイン 1 WebShare の URL にアクセスします xxxxx 部分は会社様によって異なります xxxxx. 2 ログイン名 パスワードを入力し

Windows ログオンサービス インストールマニュアル 2018/12/21 1

Maple 12 Windows版シングルユーザ/ネットワークライセンス

Xamarinインストール手順書_

Windows10 における Ac6 System Workbench for STM32 のダウンロードとインストール V /06/01 Windows10 の PC で Ac6 System Workbench for STM32 のダウンロードとインストールの方法について説明しま

WiFiの現状

改訂履歴 改訂日改定内容 第 1 版 2013 年 7 月 16 日新規作成 第 2 版 2013 年 9 月 4 日 STEP3-2 認証用バッチの実行 に Vista での操作を追記 第 3 版 2014 年 7 月 14 日 Windows XP に関する記述を削除 STEP2-1 新規インス

ServerView ESXi CIM Provider VMware vSphere ESXi 6.5 インストールガイド

BricRobo V1.5 インストールマニュアル

ModelSim-Altera Edition インストール & ライセンスセットアップ Linux ver.11

Microsoft Word - SSI_Smart-Trading_QA_ja_ doc

V-Client for Mac ユーザーズガイド

ATDEインストールガイド

GettingStartedTK2

はじめに URBANO PROGRESSO を microusb ケーブル 01 ( 別売 ) またはこれと共通の仕様の microusb ケーブル ( 別売 )( 以下 USB ケーブル ) と接続して USB テザリング機能をご使用いただくためには あらかじめパソコンに USB ドライバ をイン

目次 第 1 章はじめに 電子入札システムを使用するまでの流れ 1 第 2 章 Java ポリシーを設定する前に 前提条件の確認 2 第 3 章 Java のバージョンについて Java バージョン確認方法 Java のアンインストール ( ケース2の

Microsoft Word - CMSv3マニュアル-STB編(WindowsPC).docx

KDDI ホスティングサービス G120 KDDI ホスティングサービス G200 WordPress インストールガイド ( ご参考資料 ) rev.1.2 KDDI 株式会社 1

取引上手くん 9 のインストール時にエラーが表示される際の対処法 ~Windows8 Windows8.1~ 本ドキュメントは Windows8/8.1 のパソコンにおいて 取引上手くん 9 のインストールが正常にできなかった場合の対処 法をまとめたものです なお インストールの手順そのものにつきま

目次 専用アプリケーションをインストールする 1 アカウントを設定する 5 Windows クライアントから利用できる機能の紹介 7 1ファイル フォルダのアップロードとダウンロード 8 2ファイル更新履歴の管理 10 3 操作履歴の確認 12 4アクセスチケットの生成 ( フォルダ / ファイルの

(Microsoft Word - _VNTI_\203A\203b\203v\203f\201[\203g_shinki_ doc)

FTP ウェブコンテンツダウンロード手順書 ver1.0 作成 :KDDI 株式会社 作成日 :2018 年 10 月 31 日

ADempiere (3.5)

DWR-S01D Updater 取扱説明書 発行日 :2011/2/28

もくじ 2 はじめに... 3 概要... 4 動作環境... 4 利用制限モードについて... 4 本マニュアルの見かた... 4 HOME アプリマネージャの基本操作... 5 HOME アプリマネージャをインストールする... 6 HOME アプリマネージャを起動する... 8 HOME アプ

シヤチハタ デジタルネーム 操作マニュアル

パソコンセキュリティサービス Ver4 インストール方法 パソコンセキュリティサービスをインストールしていただく為には マイページ ID と パスワード が必要です削除する前に マイページ ID と パスワード をお手元にご用意ください パソコンセキュリティサービス 2010 を削除します ブラウザ

intra-mart Accel Platform — OData for SAP HANA セットアップガイド   初版  

PowerPoint Presentation

SonicDICOM Cloud Connector インストール手順書 SonicDICOM Cloud Connector とは 検査装置が撮影した画像を自動的にクラウドへアップロー ドするためのソフトウェアです 1 前準備 クラウド上に PACS を作成する SonicDICOM Cloud

PowerPoint プレゼンテーション

intra-mart ワークフローデザイナ

MotionBoard Ver. 5.6 パッチ適用手順書

Microsoft Word - プリンタ設定手順_改

URoad-TEC101 Syslog Guide

! 2. CCS のインストール CCS をインストールする前に, パソコンのアカウントは, 必ず 管理者 にしてください ログイン中のアカウントの個人用フォルダ (C:\Users\ ログイン名 ) に全角や半角カタカナなどが含まれているとインストールが完了しません 新規で半角英数字名のローカルア

ATDM-0604 User Manual

Transcription:

Toradex Linux QT アプリケーション 開発マニュアル 本マニュアルは岡本無線電機株式会社が独自作成したものでありメーカーが保証した内容ではありません 万が一本マニュアルに間違いがあり 事故が生じたとしても岡本無線電機株式会社は一切の責任を問われないものとさせていただきます 岡本無線電機株式会社 OKAMOTO ELECTRONICS CORPORATION Ver 2.00

変更履歴 バージョン更新日付変更内容 2.00 2020/08/19 BSP3.0.4 向けに作成 2

本マニュアルについて 本マニュアルはトラデックスの CPU モジュール上で動作する QT アプリケーションを作成する手順を記述しています 参考 : https://developer.toradex.com/knowledge-base/how-to-set-up-qt-creator-to-cross-compile-for-embedded-linux 1. 実行環境 本マニュアルの実行環境は下記です 仮想化ソフト :VMWARE Player v15.5.6 Host OS: Windows 10 1909 Guest OS: Ubuntu Desktop 18.04LTS 64bit( 英語版 ) BSP:v3.0.4 QT バージョン :5.11.3 CPU モジュール :Colibri-i.MX7D 512MB V1.1C キャリアボード :Colibri 評価ボード Rev 3.2 + アクセサリーキット液晶 : 感圧式 7 インチタッチパネル付き液晶 (EDT 7.0) 本マニュアルとは異なるモジュールや評価ボード以外のキャリアボードを使われても大雑把には同じ操作となります インターネット接続環境が必要になります 3

2. 事前準備 本マニュアルは Linux OS イメージ開発マニュアルの内容をすべて終えた状態で進めています OpenEmbedded のディレクトリは /work/oe-core です 液晶も使用するため OS カスタムマニュアルのカーネルとブートローダーのカスタマイズ内容を適用して LCD の設定を変更していることが望ましいです LCD を評価ボードの X34 に接続してください VGA などで代用することも可能ですがタッチパネルの機能は使用できません 3. 前提知識 Linux OSイメージ開発マニュアルの内容をご理解いただいた状態を前提としています 4. 注意点 オープンソース系を利用した開発に共通することですがすべてを理解しようとするときりがなく開発効率を損ないます 必要なタイミングで必要な知識を身につけるというスタンスで理解することを推奨いたします 開発環境と実行環境の違いをわかりやすくするためにコマンドの表記の前に下記をつけています 開発環境 (PC) 上で入力するコマンド :[ubuntu]$ 実行環境 ( モジュール ) 上で入力するコマンド :[colibri-imx7]# コピーについて本マニュアル内のコマンドなどをコピーした場合 改行が入ったり - が抜けてしまうことがあるのでご注意ください 一度テキストエディタなどに張り付けてコピーした内容をご確認ください 4

OS イメージ作成 最初に QT を含んだ OS イメージを作成する必要があります OS イメージを作るにあたり Qt Platform Abstraction というバックエンド機能の違いによって作成方法が変わってきます 1. 描画のバックエンド機能に OpenGL を使用するのかソフトウェアレンダリングをするのか OpenGL を使うかソフトウェアレンダリングを行うかは使用するモジュールに GPU があり OpenGL を使用するプラグインが提供されているかどうかで決まります 基本的に OpenGL が使える場合はデフォルトで OpenGL を使う構成のレシピとなっています それ以外の場合ソフトウェアレンダリングとなります 2. デスクトップ機能を使用するかどうかデスクトップ機能がある OS イメージはないものに比べ描画が遅くなります デスクトップ機能なしで OS イメージを作成した方が高速になりますがミドルウェアによってはデスクトップ機能がないと動作しないものがありますのでその場合デスクトップ機能を使います 上記 2 点の違いから 4 パターン存在します OpenGL デスクトップあり OpenGL デスクトップなし ソフトウェアレンダリングデスクトップあり ソフトウェアレンダリングデスクトップなし 5

デスクトップなし OS イメージ ソフトウェアレンダリングでデスクトップ機能なしの場合についての手順 Open Embedded の準備 cd /work/oe-core/. export [ubuntu]$ gedit./conf/local.conf 下記を追記します DISTRO_FEATURES_remove = "wayland x11" IMAGE_INSTALL_append = " qtbase qtbase-plugins qtdeclarative liberation-fonts qtquickcontrols2" IMAGE_INSTALL_append = " tslib-calibrate" PACKAGECONFIG_append_pn-qtbase = "linuxfb tslib" PACKAGECONFIG_FONTS_append_pn-qtbase = " fontconfig" QT は機能ごとにレシピが用意されているため必要な機能を容易に選択可能です 上記以外にも必要な機能がある場合は該当するレシピを追加してください 本マニュアルでは感圧式タッチパネルも使用するため tslib も入れています OS イメージを作成します [ubuntu]$ bitbake console-tdx-image モジュールに出来上がった OS イメージを書き込んでください 下記のような名前のファイルが出力されています Colibri-iMX7_Console-Image-Tezi_3.0b4.tar 6

SDK の作成 SDK には OS イメージに含まれる機能に関係なくデフォルトで多くの機能が付加されています その分 bitbake にも時間がかかります どのようなものが入っているかは下記のレシピを見るとわかります /work/oe-core/layers/meta-qt5/recipes-qt/packagegroups/packagegroup-qt5-toolchain-target.bb 特に qt3d qtwebkit に関しては開発環境の RAM が小さいと compile に失敗します (RAM16GB swap8gb 程度必要です ) 不要の場合は bitbake の対象から外します bitbake が早くなり SDK の容量も小さくなります 本マニュアルの例では OS イメージに入っていない機能であるため使用することはありません [ubuntu]$ gedit./conf/local.conf 追記 RDEPENDS_packagegroup-qt5-toolchain-target_remove =" qt3d-dev qt3d-mkspecs qt3d-qmlplugins qtwebkit-dev " QT5.11 から Qt Quick Compiler という QML を事前にコンパイルする機能が使用できるようになりました その機能を使用するために nativesdk-qtdeclarative-tools の追加をします [ubuntu]$ gedit /work/oe-core/layers/meta-toradex-demos/qt5-layer/recipes-qt/packagegroups/nativesdk-packagegroupqt5-toolchain-host.bbappend 追記 RDEPENDS_${PN} += "nativesdk-qtdeclarative-tools" 7

SDK を作成します [ubuntu]$ bitbake meta-toolchain-qt5 ほかのモジュールで SDK を出力した後など SDK 作成時は下記のような SDK がすでに存在するというエラーが出るときがあります sdk を一度削除してから再度実行してください [ubuntu]$ rm -rf./deploy/sdk/* 8

/work/oe-core/build/deploy/sdk 配下に SDK が出力されます 作業ディレクトリ作成 [ubuntu]$ mkdir /work/qt 再度 sdk を出力するなどする場合に備えて SDK を app 配下にバックアップしておきます ( 任意 ) cp -rf /work/oe-core/build/deploy/sdk /work/qt/sdk SDK のインストールをします ( モジュールや BSP のバージョンによってシェルの名前が変わります ) [ubuntu]$ /work/oe-core/build/deploy/sdk/tdx-x11-glibc-x86_64-meta-toolchain-qt5-armv7at2hf-neon-toolchain-2.6.4.sh 下記のようにSDKのインストールディレクトリを問われるので入力します [ubuntu]$ Enter target directory for SDK (default: /opt/tdx-x11/2.6.4): 本マニュアルではデフォルト設定のままインストールします Enterキーを入力します 下記のように問われますので [ubuntu]$ You are about to install the SDK to "/opt/tdx-x11/2.6.4". Proceed[Y/n]? Yを入力してEnterキーを押します 管理者権限で実行しますので途中でパスワードを問われます パスワードを入力してください すでに存在していた場合は下記のように上書きするかどうかを問われますがその場合は一度シェルを停止してシェル実行前にディレクトリを削除しておいたほうが良いです If you continue, existing files will be overwritten! Proceed[y/N]? [ubuntu]$ sudo rm -rf /opt/tdx-x11/2.6.4 9

最後に下記のような環境変数設定シェルのパスの案内があります このシェルは後の工程で使用します. /opt/tdx-x11/2.6.4/environment-setup-armv7at2hf-neon-tdx-linux-gnueabi 10

QT 開発環境のインストール QT の開発は QT Creator のみで開発が可能です 本マニュアルでは QT Creator に加えてサンプルコードを入手します QT のサイトから QT のインストーラを入手してインストールします BSP3.0.4 の QT のバージョンは 5.11.3 です インストーラーのダウンロード [ubuntu]$ wget http://download.qt.io/new_archive/qt/5.11/5.11.3/qt-opensource-linux-x64-5.11.3.run 実行権限付与 [ubuntu]$ chmod +x./qt-opensource-linux-x64-5.11.3.run QT のインストール用ディレクトリを作成します [ubuntu]$ mkdir./inst インストーラ実行 [ubuntu]$./qt-opensource-linux-x64-5.11.3.run 11

Next をクリックします 12

ログイン ID とパスワードを入力して Next をクリックします QT のアカウントを持っていない場合は Need a Qt Account? の下の項目を入力してアカウントを作成する必要があります 13

Next をクリックします 14

QT のインストールディレクトリを入力します 本マニュアルでは /work/qt/inst です 入力後 Next をクリックします 15

QT5.11.3 の sources にチェックを入れて Next をクリックします Qt Creator4.7.2 にはデフォルトでチェックが入っています 16

ライセンス規約に同意できる場合は I have read and agree to the terms contained in the license agreements. にチェックを入れて Next をクリックします 17

Install をクリックします 18

Launch QT Creator のチェックを外して Finish をクリックします 19

QT-Creator 実行シェル作成 QT Creator は /work/qt/inst/tools/qtcreator/bin/qtcreator にインストールされています QT Creator 起動前に SDK 用環境変数を定義する必要があります 毎回起動前に環境変数の設定シェルを実行しないといけません 設定漏れが起きないように QT Creator 起動用のシェルを作成します 環境変数設定シェルは搭載する ARM のアーキテクチャや BSP のバージョン SDK 出力ディレクトリなどによって変わります ( 赤線部分 ) [ubuntu]$ cd /work/qt/ [ubuntu]$ gedit./sdk_qtcreator.sh 内容は下記です -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- #!/bin/sh. /opt/tdx-x11/2.6.4/environment-setup-armv7at2hf-neon-tdx-linux-gnueabi./inst/tools/qtcreator/bin/qtcreator -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 20

作成したファイルに実行権限を付与します [ubuntu]$ chmod +x./sdk_qtcreator.sh QT のワークスペース用ディレクトリを作成します [ubuntu]$ mkdir./workspace Eclipse 実行 [ubuntu]$./sdk_qtcreator.sh 以後 QT Creator を起動する場合はこのシェルを使ってください 次に QT Creator の設定を行いますが QT Creator は SSH を使用してデバッグを行います 最初にモジュールと SSH 接続できるようにモジュールに SSH の設定を行います 21

SSH 接続設定作成 デバッグに使用するGDBはEthernetで接続してSSHプロトコルを利用してデバッグを行います デバッグを行うためにモジュールとSSHで接続できるようにしておく必要があります モジュール側の設定を行います モジュールにEthernetケーブルを挿入し開発パソコンと同じサブネットに接続します Teratermを起動してモジュールを起動します rootでログインしpasswdコマンドでパスワードを設定します 本マニュアルではセキュリティを一切気にせず利便性のよいパスワード認証を使い rootでsshにログインできるようにします あくまでデバッグ目的で設定するだけです [colibri-imx7]# passwd パスワードを2 回入力するとパスワードが設定されます (2 回目は確認用 ) 22

次にモジュールの IP アドレスの設定を行います 何も設定していない場合は DHCP となります 設定ファイル /etc/systemd/network/wired.network を新規作成します [colibri-imx7]# vi /etc/systemd/network/wired.network DHCP の場合 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- [Match] Name=eth0 [Network] DHCP=ipv4 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- eth0はインターフェイス名です モジュールやBSPのバージョンによって異なりますのでifconfigコマンドで調べてください 固定 IP の場合 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- [Match] Name=eth0 [Network] Address=192.168.100.10/24 Gateway=192.168.100.254 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 192.168.100.10/24はIPアドレス192.168.100.10 サブネットマスク255.255.255.0を意味します 23

下記コマンドでネットワークマネージャーを再起動します [colibri-imx7]# systemctl restart systemd-networkd ifconfig で設定が反映されているのを確かめます [colibri-imx7]# ifconfig 24

SSH 接続確認 開発パソコンから接続できているか確認します VMware の設定がデフォルトの NAT になっている場合 ホスト OS の Windows10 で接続できていれば Ubuntu 側で接続できます 接続できない場合は何かしらの設定が間違っている可能性があります [ubuntu]$ ping 192.168.100.10 デフォルト設定の OS イメージでは SSH サーバーが起動しています Teraterm の新しい接続で SSH 接続をして接続できるかどうか確かめてみます Teraterm のメニューからファイル > 新しい接続を選択します 25

ホスト (T) にはモジュールに設定した IP を入力 サービスは SSH を選択して OK をクリックします 26

下記のような警告が出てきます 意図する接続先に間違いありませんので続行をクリックします 27

ユーザ名は root パスフレーズは passwd コマンドで設定したパスワードを入力します OK をクリックして接続します 28

接続できた場合は下記のような画面になります 接続確認ができたら Teraterm を終了します 29

QT Creator の設定 最初に Clang のプラグインを off にします Help > About Plugins を開きます 30

ClangCodeModel と ClangTools のチェックを外して Close をクリックします その後 設定を反映するために QT Creator を一度再起動してください これを外さないとコードアナライザーが誤動作します 31

QT Creator の設定を行います Tools > Options を開きます 32

左の欄から Devices を選択し Devices タブを選択します Add をクリックします 33

Generic Linux Device を選択して Start Wizard をクリックします 34

SSH で接続するモジュールの情報を入力します 本マニュアルでは下記の内容を設定しています 接続名 ( わかりやすい名前をつけてください ):Colibri-iMX7 モジュールに設定した IP アドレス :192.168.100.10 ログインユーザー名 :root 認証タイプ : パスワードログインパスワード :passwd コマンドで設定したパスワード 入力したら Next をクリックします 35

Finish をクリックします 36

SSH の接続確認が行われます 成功すると下記のような画面になります Close をクリックします SSH の接続を行うと ~/.ssh/known_hosts にホストのキーを保存します ホストのキーが保存された後にモジュールの OS を書き換えた場合 再度接続するとホストのキーが違うというエラーが発生します その場合 ssh-keygen -f "~/.ssh/known_hosts" -R "192.168.100.10" で一旦古いキーを削除してください 37

Options に戻ります 左の欄から Kits を選択し QT Versions タブを選択します Add をクリックします 38

qmake のパスを選択します 選択したら画面右上の Open ボタンをクリックします ( パスは SDK 出力先やモジュールや BSP のバージョンなどによって異なります ) デフォルト設定の場合は下記になります /opt/tdx-x11/2.6.4/sysroots/x86_64-tdxsdk-linux/usr/bin/qmake 39

下記のようになります Version Name は自動的に作成されます QT5.11.3(System) という名前になります 40

Compilers タブを選択し Add から GCC > C を選択します 41

Name: にコンパイラの設定の名前を入力します 本マニュアルでは Colibri-iMX7 としています Compiler Path に下記を入力します ( パスは SDK 出力先やモジュールや BSP のバージョンなどによって異なります ) デフォルト設定の場合は下記になります /opt/tdx-x11/2.6.4/sysroots/x86_64-tdxsdk-linux/usr/bin/arm-tdx-linux-gnueabi/arm-tdx-linux-gnueabi-gcc Apply をクリックます 42

Compilers タブを選択し Add から GCC > C++ を選択します 43

Name にコンパイラの設定の名前を入力します 本マニュアルでは Colibri-iMX7 としています Compiler Path に下記を入力します ( パスは SDK 出力先やモジュールや BSP のバージョンなどによって異なります ) デフォルト設定の場合は下記になります /opt/tdx-x11/2.6.4/sysroots/x86_64-tdxsdk-linux/usr/bin/arm-tdx-linux-gnueabi/arm-tdx-linux-gnueabi-g++ Apply をクリックます 44

Debuggers タブを選択し Add をクリックします 45

Name にデバッガーの設定の名前を入力します 本マニュアルでは Colibri-iMX7 としています Path に下記を入力します ( パスは SDK 出力先やモジュールや BSP のバージョンなどによって異なります ) デフォルト設定の場合は下記になります /opt/tdx-x11/2.6.4/sysroots/x86_64-tdxsdk-linux/usr/bin/arm-tdx-linux-gnueabi/arm-tdx-linux-gnueabi-gdb 46

Kits タブを選択し Add をクリックします 47

Name にデバッガーの設定の名前を入力します 本マニュアルでは Colibri-iMX7 としています Device type:generic Linux Device Device,QT Version,Compilers,Debugger に関してはそれぞれ Devices,QT Version,Compilers,Debugger で作成した設定を選択します CMake Tool は自動で入力されます OK をクリックします 48

メニューから File > New Fileor Project を選択します プロジェクト作成からデバッグまで 49

簡単なアプリケーションを作成します Projects の項目は Application を選択します 本マニュアルで Qt Quick Application - Empty を選択します Choose をクリックします 50

Name に Project の名前を入力します 本マニュアルでは Test としています Project のパスは事前に作成した $/work/qt/ 配下の workspace を入力します Next をクリックします 51

Next をクリックします 52

本プロジェクトが動作する QT の最低バージョンを指定します 本マニュアルでは 5.11 としています Next をクリックします 53

事前に作成した Kit が選択されていることを確認します Next をクリックします 54

本マニュアルではバージョン管理の設定は行いません Finish をクリックします 55

プロジェクトが作成されます Design を開きます 56

QT Creator では GUI を容易に編集することができます 画面左中央あたりの Navigator の枠内にコンポーネントの一覧があります 最初は Window という名前の Window(Type) があります 57

Navigator の枠内で Window を選択した状態で画面右側の Properties 内の id を変更します 本マニュアルでは winmain という名前に変更しています 変更すると Navigator にあるアイテムも変わります 58

Size のプロパティを変更して液晶のサイズに合わせます 本マニュアルで使う 7 インチ液晶は 800x480 です 59

本マニュアルでは Hello world という表示をするテキストボックスを追加します Qt Quick -Basic から Text をドラッグ & ドロップして真ん中の白い部分 (main.qml の画面 ) に持っていきます その後 Navigator で text1 を選択した状態で Text プロパティに Hello World と入力します 60

Edit を選択してソースコードが表示される画面に戻ります main.qml に Design で編集した内容のコードが追加されているのが分かります プロジェクトを右クリックして Build を選択します 61

下記のような保存していない内容を保存するかどうか問われます Save All をクリックします Always save files before build にチェックを入れておくと以後ビルド時に自動的に保存されます 62

Test.pro を開いてデプロイのディレクトリの修正をします 下記はモジュール上の /home/root に変更する例です # Default rules for deployment. qnx: target.path = /tmp/$${target}/bin else: unix:!android: target.path = /opt/$${target}/bin!isempty(target.path): INSTALLS += target -> target.path = /home/root INSTALLS += target 63

Projects を開き Run を選択します Run Environment の Details をクリックします 64

Add をクリックして下記 3 つの設定を追加します QT_QPA_FB_TSLIB 1 QT で TSLIB を使用する設定 QT_QPA_PLATFORM linuxfb:fb=/dev/fb0 バックエンドがlinuxfbでフレームバッファのパスが /dev/fb0を意味します QT_QUICK_BACKEND software ソフトウェアレンダリングを意味します 65

Debug の項目を開き Projects から main.cpp を開きます 行番号の左側をクリックしてブレイクポイントを作ります ブレイクポイントができると赤丸が出てきます 66

メニューの Debug から Start Debugging > Start Debugging を選択します 67

デバッグが開始してブレイクポイントで止まります 68

F5 でデバッグを続行すると下記のような画面が表示されます 69

サンプルプログラムの読み込み 既存のプロジェクトと読み込む場合は File > Open File or Project を選択します 70

本マニュアルではタッチパネルの動作確認がしやすい flatstyle というサンプルコードを実行します /work/qt/inst/examples/qt-5.11.3/quickcontrols2/flatstyle/flatstyle.pro を選択します 71

プロジェクトを読み込むとその Kits で使用するかを問われます 作成した Colibri-iMX7 にチェックを入れて Configure Project をクリックします 72

プロジェクトを作成した時と同様 Run Environmentに下記 3つを設定してください QT_QPA_FB_TSLIB 1 QT_QPA_PLATFORM linuxfb:fb=/dev/fb0 QT_QUICK_BACKEND software Command Line arguments に下記を設定してください タッチパネルを動かすための起動オプションです -plugin tslib:/dev/input/touchscreen0 73

デバッグ前にts_calibrateでタッチパネルのキャリブレーションを行います モジュールをリブートしてからts_calibrateを実行します (QTアプリケーション起動後は動作しません ) [colibri-imx7]# ts_calibrate タッチしてキャリブレーションを行ってください 74

デバッグを開始すると下記のような画面が表示されます スライダーやチェックボックスなどをタッチパネルで操作することができます 75

デバッグではなく最終製品向けの実行をする場合はリリースビルドに変更します Projects の項目を開き Debug を Release に変更してからビルドを行います Build Directory に設定されたディレクトリに実行ファイルが出力されます 76

プロジェクト右クリック > Deploy で Build した実行ファイルをデプロイできます.pro ファイルに target.path = /home/root を定義していた場合 /home/root にデプロイされます 77

モジュール上で実行するにはデバッグ時と同様に環境変数の設定が必要です 下記 3 つを実行します export QMLSCENE_DEVICE=softwarecontext export QT_QPA_PLATFORM=linuxfb:fb=/dev/fb0 export QT_QPA_FB_TSLIB=1 /etc/profile に設定しておくと毎回設定しなくても起動時に自動的に設定されます 設定後は反映させるために一度リブートしてください アプリケーションを実行することができるようになります [colibri-imx7]#./flatstyle -plugin tslib:/dev/input/touchscreen0 以上が QT 開発の流れです QT のアプリケーション開発はサンプルコードやインターネット上の情報をもとに行ってください 78