Title 草 間 彌 生 の 写 真 と 主 体 性 の 位 置 Author(s) 中 嶋, 泉 Citation 一 橋 論 叢, 129(3): 282-300 Issue 2003-03-01 Date Type Departmental Bulletin Paper Text Version publisher URL http://hdl.handle.net/10086/10210 Right Hitotsubashi University Repository
116 図3 一橋論叢 第129巻 第3号 平成15年 2003年 3月号 図4 身の姿は周囲の作品同様コラージュの一ピースとして収められ 作品の身体と制 作者の身体の物質的差異もが消し去られている 草間の体の上には フード オ ブセッション シリーズの作品であるワンピースの写貞が切り抜かれ 着用され ているが如く貼り付けられている ここで草問が 着用 している服は これま でのように作品に模した現実の服ではなく 作品そのものである またその背後 にある草間の身体の一部 足の部分は 服のピース同様に ある写真から切り離 され 改めて接続された 部分 でしかない マカロニの床上で それらの 足 は奇妙に浮いた感覚を与え 画面に登場する草問自身にも他のオブジェの 断片と同様に 一っの構成物として均等な性質が与えられていることを示す 草 間の身体はこのイメージの中で 制作者としてだけではなく作品としても現れて いるのだ 以上のような点から 写真中に顕れる草間の身体について次のようなことが言 290