住 民 監 査 請 求 監 査 結 果 第 1 請 求 の 受 理 1 請 求 人 住 所 氏 名 省 略 2 請 求 書 の 提 出 日 請 求 書 の 提 出 日 は 平 成 24 年 6 月 25 日 である 3 請 求 の 内 容 請 求 人 提 出 の 松 山 市 職 員 措 置 請 求 書 により 請 求 人 が 主 張 する 請 求 ( 以 下 本 件 請 求 という )の 要 旨 は 次 のとおりである 松 山 市 長 野 志 克 仁 は 松 山 市 台 北 市 観 光 交 流 訪 問 に 伴 う 用 務 の 旅 費 名 目 で 金 202,600 円 を 受 領 しているが 本 件 訪 問 に 関 しては 台 湾 側 からの 書 面 に 松 山 市 長 は 招 待 であると 明 記 されており 本 件 費 用 は 招 待 した 台 湾 側 が 負 担 したものであると 考 えるのが 常 識 である 松 山 市 長 野 志 克 仁 は 松 山 市 から 不 当 に 旅 費 を 詐 取 したものと 考 えられるので 旅 費 の 返 還 請 求 と 同 時 に 公 金 詐 取 で 松 山 市 長 野 志 克 仁 を 刑 事 告 発 するべきものであると 考 え られる 事 実 を 証 する 書 面 公 開 決 定 通 知 書 台 湾 政 府 からの 案 内 文 書 ( 台 北 市 政 府 観 光 傳 播 局 局 長 台 北 市 温 泉 発 展 協 会 理 事 長 ) 台 湾 政 府 からの 御 礼 文 書 ( 台 北 市 長 台 北 市 松 山 区 長 台 北 市 政 府 観 光 傳 播 局 局 長 台 北 市 政 府 観 光 傳 播 局 副 局 長 ) 支 出 負 担 行 為 兼 支 出 命 令 書 ( 普 通 旅 費 )の 写 し 1 件 松 山 市 台 北 市 観 光 交 流 訪 問 に 伴 う 用 務 精 算 書 ( 概 算 払 0 精 算 )の 写 し 2 件 松 山 市 台 北 市 観 光 交 流 訪 問 に 伴 う 用 務 4 請 求 の 要 件 審 査 本 件 請 求 は 地 方 自 治 法 ( 昭 和 22 年 法 律 第 67 号 以 下 法 という ) 第 242 条 の 所 定 の 要 件 を 備 えているものと 認 め 平 成 24 年 7 月 6 日 付 で 受 理 した - 1 -
第 2 監 査 の 実 施 1 監 査 対 象 事 項 請 求 の 内 容 陳 述 及 び 請 求 の 要 件 審 査 の 結 果 を 総 合 的 に 勘 案 して 監 査 対 象 事 項 及 び 判 断 の 着 眼 点 を 次 のとおりとした 事 実 関 係 の 確 認 (1) 松 山 市 台 北 市 観 光 交 流 訪 問 に 関 する 起 案 文 書 事 務 連 絡 関 係 書 類 等 (2) 松 山 市 台 北 市 観 光 交 流 訪 問 の 経 費 に 関 する 関 係 書 類 等 (3)その 他 松 山 市 台 北 市 観 光 交 流 訪 問 の 実 施 に 関 する 関 係 書 類 等 判 断 の 着 眼 点 平 成 23 年 11 月 3 日 ( 木 )から 11 月 6 日 ( 日 )における 松 山 市 台 北 市 観 光 交 流 訪 問 に 伴 う 旅 費 については 松 山 市 及 び 台 湾 側 の 双 方 が 負 担 しており 松 山 市 長 は 旅 費 202,600 円 を 不 当 に 詐 取 したのか (1) 本 件 訪 問 に 関 して 松 山 市 長 は 招 待 であったのか (2) 本 件 訪 問 に 関 しては 松 山 市 が 姉 妹 都 市 の 市 長 を 招 待 した 場 合 その 費 用 を 松 山 市 が 負 担 していることと 同 じ 状 況 であるのか (3) 旅 行 会 社 への 支 払 方 法 は 通 常 振 込 みであり 旅 行 会 社 の 領 収 書 が 手 書 きで 個 人 個 人 に 渡 されていることは 不 自 然 といえるのか (4) 旅 費 の 支 出 負 担 行 為 兼 支 出 命 令 書 に 添 付 されていた 市 長 の 日 程 に 不 自 然 な 点 は ないのか 2 監 査 対 象 部 課 総 務 部 秘 書 課 及 び 産 業 経 済 部 観 光 産 業 振 興 課 を 監 査 対 象 とした 3 請 求 人 の 証 拠 の 提 出 及 び 陳 述 法 第 242 条 第 6 項 の 規 定 に 基 づき 平 成 24 年 7 月 12 日 に 証 拠 の 提 出 及 び 陳 述 の 機 会 を 設 け 請 求 人 が 請 求 事 項 について 陳 述 を 行 った なお 新 たな 証 拠 書 類 として 招 待 状 ( 台 北 市 温 泉 発 展 協 会 理 事 長 から 愛 媛 県 知 事 あて) 及 び 台 湾 出 張 日 程 ( 平 成 23 年 1 月 7 日 現 在 ) が 提 出 された 4 関 係 職 員 陳 述 平 成 24 年 7 月 27 日 に 関 係 職 員 陳 述 を 行 った 出 席 の 関 係 職 員 は 次 のとおりである 産 業 経 済 部 長 観 光 産 業 振 興 課 長 同 課 主 幹 同 課 主 任 - 2 -
第 3 監 査 の 結 果 1 事 実 関 係 の 確 認 監 査 対 象 事 項 の 内 容 に 関 して 次 の 事 項 を 確 認 した (1) 松 山 市 台 北 市 観 光 交 流 訪 問 の 実 施 について 1) 観 光 交 流 訪 問 団 派 遣 事 業 の 経 緯 や 目 的 等 について 1 平 成 19 年 2 月 松 山 市 長 が 台 湾 台 北 市 の 大 学 で 開 催 されたセミナーに 参 加 し 同 市 の 松 山 区 長 を 表 敬 2 平 成 19 年 6 月 台 北 市 松 山 区 長 をはじめとする 訪 日 団 37 人 が 行 政 視 察 の 一 環 と して 来 松 3 松 山 という 同 じ 名 前 を 縁 として 松 山 から 松 山 へ 夢 の 架 け 橋 をキャッチフレ ーズにテーマ 型 パートナー 都 市 交 流 の 要 素 を 取 り 入 れ 明 確 な 目 的 を 設 定 本 市 の 松 山 空 港 から 台 北 市 の 松 山 空 港 間 の 直 行 定 期 チャーター 便 運 航 の 実 現 観 光 を 通 じた 交 流 人 口 の 拡 大 産 業 経 済 交 流 実 用 的 な 都 市 間 交 流 4 平 成 21 年 7 月 ( 財 ) 松 山 観 光 コンベンション 協 会 が 日 本 観 光 協 会 台 湾 事 務 所 を 通 じ 台 北 市 を 訪 問 し 台 北 市 観 光 傳 播 局 副 局 長 に 訪 問 団 派 遣 について 受 入 れを 依 頼 5 平 成 21 年 10 月 台 湾 台 北 市 をはじめ 台 湾 政 府 関 係 航 空 会 社 旅 行 会 社 等 関 係 機 関 への 訪 問 活 動 観 光 交 流 促 進 レセプションの 実 施 により 台 湾 からの 誘 客 促 進 及 び 松 山 市 と 台 北 市 松 山 区 との 交 流 拡 大 を 図 ることを 目 的 に 初 めて 観 光 交 流 訪 問 団 を 結 成 し 派 遣 6 平 成 22 年 23 年 と 松 山 から 松 山 へ 夢 の 架 け 橋 松 山 空 港 から 松 山 空 港 間 の 定 期 チャーター 便 の 運 航 の 実 現 と 観 光 交 流 市 民 交 流 による 相 互 誘 客 を 目 指 し 観 光 交 流 訪 問 団 を 派 遣 7 平 成 23 年 11 月 の 訪 問 については 当 年 度 が 中 華 民 国 建 国 100 年 の 記 念 の 年 であり 台 北 市 政 府 から 第 10 回 台 北 市 新 北 投 温 泉 まつりへの 参 加 要 請 があったことから 新 北 投 温 泉 イベント 会 場 での 松 山 観 光 PR 展 の 出 展 道 後 温 泉 と 新 北 投 温 泉 の 温 泉 交 流 調 印 式 典 や 松 山 ( 道 後 ) 神 輿 の 参 加 等 により 台 北 市 との 新 たな 市 民 交 流 と 台 湾 からの 更 なる 誘 客 促 進 を 図 ることを 目 的 として 実 施 した 2) 松 山 市 姉 妹 都 市 交 流 との 関 連 について 1 台 北 市 との 関 係 は 姉 妹 都 市 や 友 好 都 市 のように 協 定 書 の 締 結 には 至 っていない 2 台 北 市 への 観 光 交 流 訪 問 は 本 市 から 受 入 を 要 請 している 状 況 で 今 までに 招 待 と いう 事 例 はない 平 成 23 年 11 月 の 訪 問 については 台 湾 側 が 主 催 する 台 北 温 泉 祭 り オープニングセレモニーへの 参 加 要 請 があったことから 招 待 という 話 が 出 た ものと 考 えられる ( 関 係 職 員 陳 述 ) なお 台 北 市 政 府 観 光 傳 播 局 局 長 及 び 台 北 市 温 泉 発 展 協 会 理 事 長 の 連 名 による 文 書 ( 参 加 依 頼 )の 内 容 は 次 のとおりである - 3 -
松 山 市 長 様 拝 啓 時 下 ますますご 健 勝 のこととお 慶 び 申 し 上 げます さて 台 北 市 は 松 山 市 と 観 光 交 流 を 進 めており 両 市 の 観 光 交 流 への 更 なる 発 展 に 寄 与 する ため 台 北 市 北 投 温 泉 と 松 山 市 道 後 温 泉 との 温 泉 交 流 を 築 くことを 希 望 しております 今 年 は 建 国 100 周 年 で 台 北 温 泉 祭 りの 10 年 目 にもなることから 台 北 温 泉 祭 りへ 松 山 市 にご 参 加 いただきますようお 願 い 申 し 上 げます 祭 りの 開 催 の 日 時 はまだ 決 めていませんが 予 定 の 期 日 はだいたい 10 月 28 日 から 31 日 ま で 或 いは 11 月 4 日 から 7 日 までです 貴 市 にとって 都 合 のよい 期 日 を 下 さいませんか 今 回 の 活 動 を 通 し 両 市 の 交 流 がさらに 深 められると 信 じております 今 後 も 両 市 の 交 流 が 続 き 日 本 の 松 山 と 台 北 の 松 山 間 の 直 行 便 が 実 現 すること 相 互 誘 客 の 促 進 が 図 られ 互 いの 地 で 心 豊 かな 人 情 や 豊 富 な 観 光 資 源 に 触 れられるようになることを 願 っ ています 末 筆 ながら 貴 市 のご 発 展 と 皆 様 のご 健 勝 をお 祈 り 致 します 敬 具 2011 年 5 月 台 北 市 政 府 観 光 傳 播 局 局 長 台 北 市 温 泉 発 展 協 会 理 事 長 3 姉 妹 都 市 ( 友 好 都 市 )は 法 律 上 定 義 されているものではないが 日 本 において 自 治 体 の 国 際 化 を 推 進 するため 自 治 体 の 協 同 組 織 として 設 立 された 財 団 法 人 自 治 体 国 際 化 協 会 では 統 計 処 理 を 行 ううえで 次 の 要 件 のすべてに 該 当 するものを 姉 妹 都 市 ( 友 好 都 市 )として 取 り 扱 うこととしている (1) 両 首 長 による 提 携 書 があること (2) 交 流 分 野 が 特 定 のものに 限 られないこと (3) 交 流 するに 当 って 何 らかの 予 算 措 置 が 必 要 になるものと 考 えられることから 議 会 の 承 認 を 得 ていること 3) 松 山 市 台 北 市 観 光 交 流 訪 問 の 実 施 における( 財 ) 松 山 観 光 コンベンション 協 会 の 関 わりについて 1 本 事 業 は 松 山 市 と( 財 ) 松 山 観 光 コンベンション 協 会 の 主 催 で 実 施 2 本 事 業 の 主 な 目 的 は 政 府 関 係 者 や 航 空 会 社 旅 行 会 社 等 関 係 機 関 への 訪 問 誘 致 活 動 で そのうち 協 会 の 主 な 役 割 は 観 光 PR 展 の 開 催 による 松 山 市 への 観 光 誘 致 宣 伝 活 動 - 4 -
(2) 松 山 市 長 が 松 山 市 から 受 領 した 旅 費 について 1) 松 山 市 と 台 湾 側 との 経 費 の 負 担 に 関 する 協 議 について 1 関 係 職 員 陳 述 によると 台 湾 側 と 日 程 の 調 整 をする 中 で それぞれ 招 宴 ( 歓 迎 レセ プション)が 計 画 され 市 長 が 出 席 することとなり 11 月 3 4 5 日 の 3 日 間 の 招 宴 歓 迎 レセプションの 経 費 ( 夕 食 代 )を 台 湾 側 が 負 担 することとなったため 市 長 の 旅 費 に 夕 食 代 は 含 まれていない 2 市 長 に 支 給 された 旅 費 に 夕 食 代 が 含 まれていないことについては 当 該 旅 費 に 関 す る 支 出 負 担 行 為 兼 支 出 命 令 書 に 添 付 されている 旅 行 命 令 書 兼 旅 費 計 算 内 訳 書 により 確 認 した 2)チャーター 便 の 利 用 について 1 台 湾 への 定 期 便 については 台 北 市 内 の 松 山 空 港 へは 羽 田 空 港 からのみであり 台 湾 桃 園 国 際 空 港 へは 成 田 空 港 新 千 歳 空 港 小 松 空 港 中 部 国 際 空 港 関 西 国 際 空 港 広 島 空 港 福 岡 空 港 宮 崎 空 港 那 覇 空 港 から 運 航 されている ( 台 湾 桃 園 国 際 空 港 の 所 在 地 は 台 北 市 と 隣 接 する 桃 園 県 ) 2 関 係 職 員 陳 述 によると チャーター 便 を 利 用 した 理 由 等 については 定 期 便 により 神 輿 関 係 者 等 約 230 名 が 訪 台 するためには 関 西 空 港 広 島 空 港 福 岡 空 港 羽 田 空 港 など それぞれにて 座 席 を 確 保 する 必 要 があること 料 金 が 出 発 地 ( 空 港 ) によって 異 なること 加 えて 座 席 を 確 保 できなかったときのリスク 等 を 考 慮 し 松 山 市 と 松 山 観 光 コンベンション 協 会 とで 松 山 空 港 チャーター 推 進 連 絡 協 議 会 の 旅 行 会 社 に 相 談 をしたところ 既 に 同 時 期 に 150 名 程 度 搭 乗 可 能 なチャーター 便 の 計 画 があり 300 名 が 搭 乗 できる 機 材 に 変 更 すればコストを 下 げることが 可 能 ということからチャーター 便 の 手 配 を 依 頼 したとのことである - 5 -
4) 招 待 状 について 1 請 求 人 が 請 求 人 陳 述 において 追 加 資 料 として 提 出 した 台 北 市 温 泉 発 展 協 会 理 事 長 から 愛 媛 県 知 事 あての 招 待 状 の 内 容 は 次 の 通 りである 11 月 3 日 ( 木 曜 日 )から 11 月 7 日 ( 月 曜 日 )までの 間 4 泊 5 日 2011 年 台 北 温 泉 祭 りの 交 流 にご 招 待 いたします 航 空 チケット 等 は 台 湾 経 済 文 化 代 表 処 から 直 接 ご 連 絡 が 行 きます 原 文 は あて 先 が 愛 知 県 知 事 日 程 が 1 月 3 日 ( 木 曜 日 )から となって いたが 内 容 等 から 上 記 のとおり 判 断 した 2 請 求 人 陳 述 によると 愛 媛 県 知 事 松 山 市 長 祭 りの 責 任 者 である 民 間 人 の 3 人 に 送 った 招 待 状 のうち 知 事 あてのものは 情 報 公 開 請 求 で 確 認 し 民 間 人 については 当 人 から 確 認 を 取 った 松 山 市 についても 届 いているはずだが 資 料 請 求 しても 出 て こなかったとのことである 3この 招 待 状 が 情 報 公 開 文 書 に 含 まれていない 理 由 については 関 係 職 員 陳 述 による と 台 北 市 温 泉 発 展 協 会 から 松 山 市 長 あての 招 待 状 は 届 いていたが 相 手 側 からの チャーター 便 での 訪 台 では 航 空 チケットが 手 配 できないため 今 回 の 招 待 状 はな かったものとして 破 棄 して 欲 しい との 要 請 に 応 じ 既 に 破 棄 していたためとのこ とである 4 本 件 観 光 交 流 訪 問 後 台 北 市 長 から 送 られたお 礼 状 の 内 容 は 次 のとおりである 日 本 愛 媛 県 松 山 市 市 長 様 謹 復 厳 寒 の 候 ますますご 健 勝 のこととお 喜 び 申 し 上 げます さて 当 市 で 開 催 した 2011 台 北 温 泉 祭 り 活 動 の 際 には 野 志 市 長 におかれましては 当 市 のご 招 待 に 応 じ 松 山 市 の 300 人 の 皆 様 を 率 いてご 参 加 いただき 誠 にありがとうございまし た おかげさまで 大 成 功 のうちに 幕 を 下 ろすことができました ここに 台 北 市 民 を 代 表 して 深 く 感 謝 の 意 を 表 します ~ 以 下 省 略 ~ 5 今 回 の 住 民 監 査 請 求 を 受 けて 松 山 市 産 業 経 済 部 長 が 招 待 状 を 送 付 してきた 台 北 市 温 泉 発 展 協 会 理 事 長 に 対 し 航 空 チケット 等 の 補 助 を 受 けていないことを 明 らかに する 文 書 の 提 供 を 依 頼 したところ 同 協 会 理 事 長 及 び 名 誉 理 事 長 ( 招 待 状 発 行 当 時 の 理 事 長 )による 証 明 書 (2012 年 8 月 1 日 付 )が 交 付 され 2011 年 11 月 3 日 ( 木 曜 日 )から 11 月 7 日 ( 月 曜 日 )までの 間 4 泊 5 日 2011 年 台 北 温 泉 祭 りの 交 流 にご 招 待 いたしましたが 航 空 チケット 等 への 補 助 は 一 切 いたしておりません と の 記 載 があることを 確 認 した - 6 -
5) 松 山 市 長 野 志 克 仁 が 松 山 市 から 受 領 した 旅 費 の 内 訳 について 平 成 23 年 11 月 3 日 から 6 日 における 松 山 市 台 北 市 観 光 交 流 訪 問 に 伴 う 用 務 に 関 して 松 山 市 長 に 対 して 支 給 された 旅 費 の 内 訳 は 次 のとおりである ( 旅 行 命 令 書 兼 旅 費 計 算 内 訳 書 より) 支 給 金 額 202,600 円 内 訳 1 団 体 旅 費 107,000 円 航 空 運 賃 63,000 円 松 山 空 港 台 北 桃 園 空 港 台 北 桃 園 空 港 松 山 空 港 現 地 移 動 用 車 両 借 上 44,000 円 2 旅 行 雑 費 7,300 円 現 地 空 港 税 燃 油 サーチャージ 7,300 円 3 日 当 22,800 円 丙 地 方 5,700 円 4 日 =22,800 円 4 宿 泊 料 65,500 円 A ホテル 11,500 円 1 日 =11,500 円 B 会 館 27,000 円 2 日 =54,000 円 宿 泊 料 には 朝 食 代 を 含 む ( 旅 行 会 社 発 行 の 見 積 書 より) 全 日 程 夕 食 は 全 て 招 宴 のため 夕 食 代 は 不 要 との 記 載 があり 職 員 の 出 張 に 関 することを 所 管 する 人 事 課 の 確 認 印 が 押 印 されている 丙 地 方 とは 国 家 公 務 員 等 の 旅 費 に 関 する 法 律 別 表 第 二 に 規 定 する 外 国 旅 行 にかかる 日 当 の 区 分 の 一 つで 台 湾 は 丙 地 方 に 該 当 する 当 該 旅 費 の 支 出 に 関 する 支 出 負 担 行 為 兼 支 出 命 令 書 精 算 書 及 び 関 係 書 類 等 によると 旅 費 の 支 給 日 は 平 成 23 年 11 月 1 日 精 算 日 は 平 成 23 年 11 月 7 日 である 旅 費 の 精 算 については 松 山 市 財 務 会 計 規 則 第 79 条 の 規 定 により 用 件 終 了 後, 直 ちに 精 算 書 を 調 製 し, 証 拠 書 類 を 添 え 会 計 管 理 者 に 送 付 するものと 定 められており 航 空 運 賃 は 実 費 支 給 であることから この 証 拠 書 類 として 旅 行 会 社 の 発 行 する 領 収 書 等 を 添 付 しなければならない 本 件 精 算 書 には 旅 行 会 社 に 支 払 った 航 空 運 賃 現 地 移 動 用 車 両 借 上 現 地 空 港 税 燃 油 サーチャージ 宿 泊 料 の 合 計 金 額 179,800 円 の 領 収 書 が 添 付 されていることを 確 認 した - 7 -
2 判 断 本 件 請 求 について 次 のように 判 断 する 平 成 23 年 11 月 3 日 ( 木 )から 11 月 6 日 ( 日 )における 松 山 市 台 北 市 観 光 交 流 訪 問 に 伴 う 旅 費 については 松 山 市 及 び 台 湾 側 の 双 方 が 負 担 しており 松 山 市 長 は 旅 費 202,600 円 を 不 当 に 詐 取 したのか (1) 本 件 訪 問 に 関 して 松 山 市 長 は 招 待 であったのか 請 求 人 は 本 件 請 求 において 愛 媛 県 知 事 松 山 市 長 祭 り 関 係 の 代 表 者 ( 民 間 人 )の 費 用 は 台 湾 側 の 負 担 であったと 聞 き 及 ぶ と 主 張 し さらに 請 求 人 陳 述 において 追 加 の 事 実 証 明 書 として 台 北 市 温 泉 発 展 協 会 理 事 長 から 愛 媛 県 知 事 あての 招 待 状 ( 写 )を 提 出 し 松 山 市 長 あてにも 届 いているはずだが いくら 請 求 しても 出 てこなかったと 主 張 している この 点 については 関 係 職 員 陳 述 において 愛 媛 県 知 事 あての 招 待 状 と 同 内 容 の ものが 松 山 市 長 にも 送 られていたことを 確 認 したが 交 渉 の 過 程 において 台 湾 側 の 要 請 により 破 棄 したとのことである このことは 台 北 市 温 泉 発 展 協 会 理 事 長 及 び 名 誉 理 事 長 ( 招 待 状 発 行 当 時 の 理 事 長 ) 名 で 作 成 された 文 書 に この 招 待 状 に 記 載 されている 航 空 チケット 等 への 補 助 をしていないことが 記 載 されてい ることから 判 断 できるものと 考 える また 請 求 人 は 台 湾 側 からの 書 面 ( 台 北 市 長 からのお 礼 状 )にも 松 山 市 長 は 招 待 であると 明 記 されていると 主 張 しているが お 礼 状 の 中 の 当 市 のご 招 待 に 応 じ ということばは 必 ずしも 相 手 方 ( 松 山 市 長 )の 旅 費 を 負 担 したことまで 意 味 するのではなく 台 北 温 泉 祭 り オープニングセレモニー 等 への 参 加 要 請 に 応 じたことを 意 味 するものと 考 えられる (2) 本 件 訪 問 に 関 しては 松 山 市 が 姉 妹 都 市 の 市 長 を 招 待 した 場 合 その 費 用 を 松 山 市 が 負 担 していることと 同 じ 状 況 であるのか 請 求 人 は 松 山 市 が 姉 妹 都 市 の 市 長 を 招 待 した 場 合 その 費 用 を 松 山 市 が 負 担 しているのと 同 じ 状 況 であると 考 えるのが 最 も 合 理 的 であると 主 張 している 姉 妹 都 市 については 国 際 的 にも 国 内 法 上 も 規 定 等 はないが 松 山 市 と 台 北 市 の 現 時 点 の 状 況 は 協 定 書 等 を 締 結 していない 点 で( 財 ) 自 治 体 国 際 化 協 会 ( 総 務 省 所 管 )の 統 計 処 理 上 の 判 断 基 準 には 合 致 していない 台 北 市 との 交 流 は 両 都 市 間 を 直 行 チャーター 便 で 結 ぶ 松 山 から 松 山 へ 夢 の 架 け 橋 の 構 築 を 目 標 として 観 光 交 流 産 業 経 済 交 流 市 民 交 流 相 互 誘 客 を 目 指 す 中 で 観 光 交 流 訪 問 団 の 相 互 間 の 派 遣 を 行 っているものである - 8 -
(3) 旅 行 会 社 への 支 払 方 法 は 通 常 振 込 みであり 旅 行 会 社 の 領 収 書 が 手 書 きで 個 人 個 人 に 渡 されていることは 不 自 然 といえるのか 請 求 人 は 請 求 人 陳 述 において 旅 行 業 者 から 松 山 市 に 提 出 されている 領 収 書 が 全 て 手 書 きであることから 業 者 に 現 金 を 渡 して 個 人 個 人 が 手 書 きで 領 収 書 を 受 け 取 ることは 実 務 的 に 不 自 然 であり 業 者 への 支 払 方 法 は 通 常 振 り 込 みと 思 われ ると 主 張 している 松 山 市 財 務 会 計 規 則 第 86 条 の 規 定 によると 支 払 方 法 については (1) 直 接 払 ( 小 切 手 払 現 金 払 )(2) 納 付 書 払 (3) 隔 地 払 (4) 口 座 振 替 払 のいずれかの 方 法 によ るものと 定 められている 次 に 旅 費 の 支 給 については 松 山 市 職 員 等 の 旅 費 に 関 する 条 例 の 第 5 条 に おいて 職 員 が 旅 行 する 場 合 には, 当 該 職 員 に 対 し 旅 費 を 支 給 する と 定 め 出 張 する 当 該 職 員 に 対 して 旅 費 を 支 給 することとしている 旅 費 の 支 給 方 法 については 会 計 事 務 局 が 作 成 した 会 計 事 務 の 手 引 き にお いて 現 金 払 と 口 座 振 替 払 が 指 定 されている また 同 局 が 作 成 した 会 計 事 務 に 関 するQ&A によると 旅 費 を 口 座 振 替 の 方 法 で 支 出 できる 場 合 は 市 外 か らの 招 聘 講 師 等 又 は 派 遣 等 により 市 外 に 滞 在 する 職 員 など 事 前 の 現 金 支 給 が 困 難 な 場 合 及 び 出 先 機 関 に 勤 務 する 職 員 等 で 口 座 振 替 が 適 切 と 認 められる 場 合 とされていることから 松 山 市 における 旅 費 の 支 給 方 法 は 当 該 職 員 に 対 する 現 金 払 が 通 常 の 方 法 であり さらに 旅 費 を 支 給 されたものは 領 収 書 を 添 付 のう え 一 人 ひとり 精 算 する 必 要 があるため 個 々に 旅 行 会 社 から 領 収 書 を 受 領 する ことは 自 然 な 処 理 方 法 であると 考 える (4) 旅 費 の 支 出 負 担 行 為 兼 支 出 命 令 書 に 添 付 されていた 市 長 の 日 程 に 不 自 然 な 点 は ないのか 請 求 人 は 請 求 人 陳 述 において 追 加 の 事 実 証 明 書 として 愛 媛 県 から 入 手 した 台 湾 出 張 日 程 平 成 23 年 1 月 7 日 現 在 を 提 出 し 概 算 払 の 書 類 上 松 山 市 長 の 日 程 は 松 山 市 から 直 行 便 で 台 湾 台 北 に 行 った 事 になっているが 愛 媛 県 の 資 料 に よると 松 山 市 長 と 知 事 は 羽 田 から 台 北 に 渡 ったことになっており 松 山 市 の 資 料 と 全 く 合 わないと 主 張 している しかし 請 求 人 が 陳 述 で 示 した 愛 媛 県 資 料 の 日 程 は 2 月 12 日 ( 土 )から 2 月 15 日 ( 火 )となっており 日 付 からも 明 らか な 通 り 今 回 住 民 監 査 請 求 の 対 象 となっている 松 山 市 台 北 市 観 光 交 流 訪 問 に 伴 う 用 務 とは 別 の 愛 媛 県 松 山 市 台 北 市 政 府 等 表 敬 訪 問 団 派 遣 に 伴 う 用 務 に 関 する 日 程 である 平 成 23 年 11 月 3 日 ( 木 )から 6 日 ( 日 )の 訪 問 については 松 山 空 港 からチ ャ-ター 便 により 渡 航 したことは 交 渉 の 経 緯 からも 明 らかであり 市 長 の 日 程 に 不 自 然 な 点 は 認 められない - 9 -
上 記 のとおり 請 求 人 は 松 山 市 から 支 出 された 旅 費 については 確 認 しているが 台 湾 側 が 負 担 したとする 費 用 について 自 ら 確 認 しているものではなく 招 待 があったら 当 然 向 こうからお 金 を 現 地 で 受 け 取 っているはず ( 請 求 人 陳 述 )とする 請 求 人 の 主 張 は いずれも 推 測 や 事 実 誤 認 に 基 づくものであり 二 重 払 いが 行 われたと 認 める 根 拠 にはな りえない また ほかに 二 重 払 いが 行 われたと 疑 うに 足 る 事 実 も 見 受 けられなかった もとより 招 待 状 を 送 った 協 会 が 航 空 チケット 等 の 補 助 をしていないことを 証 明 し ていることから 台 湾 側 が 経 費 を 負 担 し 松 山 市 長 が 重 複 して 旅 費 を 受 領 したという 事 実 はなかったと 考 えるべきである 3 結 論 以 上 のことから 松 山 市 長 が 松 山 市 から 受 領 した 旅 費 の 返 還 請 求 については 請 求 人 の 主 張 に 理 由 はないものと 判 断 する ( 棄 却 ) - 10 -