日 本 食 生 活 学 会 誌 第 ₂₅ 巻 第 ₃ 号 ₂₁₁ ₂₂₀(₂₀₁₄) [ 資 料 ] 世 界 のナマズ 食 文 化 とその 歴 史 寺 嶋 昌 代 * ** 萩 生 田 憲 昭 ( * 東 海 学 院 大 学 健 康 福 祉 学 部 管 理 栄 養 学 科, ** 武 庫 川 女 子 大 学 附 属 高 等 学 校 ) ( 平 成 ₂₅ 年 ₁₀ 月 ₂₁ 日 受 付, 平 成 ₂₆ 年 ₉ 月 ₃ 日 受 理 ) Catfish foods and catfish gastronomic culture in all ages and countries Masayo Noda-Terazima, Noriaki Hagiuda * Tokai Gakuin University, Department of Food and Health Sciences 5-68, Nakakirino-cho, Kakamigahara-shi, Gifu, 501-8511 ** Mukogawa Women s University Senior High School 4-16, Edagawa-cho, Nishinomiya-shi, Hyogo, 663-8143 * ₅₀₄ ₈₅₁₁ 岐 阜 県 各 務 原 市 那 加 桐 野 町 5 68 ** ₆₆₃ ₈₁₄₃ 兵 庫 県 西 宮 市 枝 川 町 4 16 This paper investigates the present situations of the catfish foods in Japan and the world, and summarizes the traditions related to catfish foods and the eating of catfish in Japan and the world. Although it is a familiar freshwater fish and eating habits are common, especially in the western part of Japan, the environmental condition of the river got worse during the economic high-growth era, and catches of natural catfish have decreased. However, the catfish dishes remain common in some areas of Japan as local culinary specialties. Many other parts of the world also have catfish traditions and cuisines, and the fish catch of cultured catfish is markedly increasing in Asia and United States. If development of catfish farming technology progresses also in Japan and the stable supply becomes possible, an expansion of catfish food consumption will be expected, because catfish has the nutritional merit such as high protein, low fat, and low cholesterol, which meets the needs and tastes of modern consumers. 1.はじめに 日 本 に 生 息 する 淡 水 魚 ナマズ 属 は,ナマズ(マナマズ) (Silurus asotus),ビワコオオナマズ(silurus biwaensis), イワトコナマズ(Silurus lithophilus)の ₃ 種 である ₁,₂) 最 近 では 特 定 外 来 生 物 アメリカナマズ(Ictalurus punctatus)が 観 察 されている ₃) わが 国 でナマズを 食 用 として 利 用 している 地 域 は 埼 玉, 千 葉, 群 馬, 茨 城, 栃 木, 岐 阜 など 限 られた 地 方 である という ₄) 昭 和 ₄₀ 年 代 の 経 済 の 高 度 成 長 期 に, 埋 め 立 て 干 拓 事 業 や 河 川 の 中 下 流 域 の 護 岸 化, 水 田 での 化 学 肥 料 や 農 薬 の 使 用 などにより,ナマズの 生 息 環 境 が 悪 化 し, ナマズ 資 源 が 減 少 したことから ₄),その 養 殖 技 術 開 発 が 必 要 とされるようになった 埼 玉 県 (₁₉₇₈ 年 )を 始 め 各 県 でナマズ 養 殖 技 術 開 発 試 験 が 開 始 され, 今 日 ではナマズの 仔 魚 期 の 共 食 いがミジ ンコと 配 合 飼 料 の 連 続 給 与 により 解 決 され ₅), 本 格 的 な 養 殖 事 業 が₁₉₉₆ 年 に 発 展 し, 埼 玉 県 では 養 殖 場 が₁₆か 所 となり, 生 産 量 は 年 間 ₂₃トンに 増 加 し ₄), 食 用 魚 生 産 に 寄 与 している ナマズは 漁 業 権 魚 種 に 指 定 されていない ところが 多 いので, 日 本 全 体 でのナマズの 漁 獲 高 として 数 値 が 示 されていない しかし, 琵 琶 湖 での 水 揚 げ 高 は ₁₉₉₄ 年 には,₁.₄トンという 報 告 があり ₆), 岐 阜 県 では, ₁₉₈₈ 年 に 最 高 量 ₁₀₂トンとの 報 告 がある ₇) 内 水 面 漁 業 での 漁 業 権 魚 種 としてナマズを 指 定 している 県 は 茨 城, 長 野, 愛 知, 岐 阜, 岡 山 の ₅ 県 である ₈) 漁 業 権 魚 種 に 対 しては, 資 源 を 増 やす 努 力 義 務 があり, 種 苗 放 流 や 産 卵 所 造 成 が 行 われる 岐 阜 県 では₁₉₇₆ 年 以 (₆₃)₂₁₁
Vol. No. 降, 毎 年 ナマズの 稚 魚 の 放 流 が₅₀₀~₁,₂₆₀ kg 程 度 行 わ れてきており, 資 源 の 保 護 増 加 が 図 られてきた ₇) し かし,このような 努 力 にもかかわらず, 岐 阜 県 の 河 川 で のナマズ 漁 獲 高 は 揖 斐 川, 長 良 川, 木 曽 川 において, ₂₀₀₉ 年 の₁₀トンを 記 録 してから 減 少 しつつある 一 方, 地 域 起 こしと 関 連 させて, 海 津 市, 大 垣 市, 養 老 町, 安 八 郡, 揖 斐 郡, 飛 騨 市 などに 養 殖 場 ができ ₉), 年 間 ₁ ト ン 前 後 のマナマズが 養 殖 されるようになった 世 界 に 目 を 移 すと,アジア 地 域 では 古 くからナマズを 食 用 として 利 用 しており,アメリカ 南 部 でもナマズ 類 を 食 用 として 利 用 している 本 稿 では,ナマズに 関 する 膨 大 な 資 料 のうちから, 日 本 および 世 界 におけるナマズ 食 の 実 態 とその 食 文 化 の 歴 史 をまとめ,ナマズ 食 の 伝 統 と 文 化 を 未 来 に 継 承 するための 資 料 とする 2. 日 本 におけるナマズ 食 日 本 には 上 述 のナマズ ₃ 種 類 が 存 在 している ₁₀) ほぼ 日 本 全 土 に 分 布 する 全 長 ₆₀ cm のマナマズ, 滋 賀 県 の 琵 琶 湖 でのみ 生 息 する 全 長 ₁ m のビワコオオナマズ,さ らに 琵 琶 湖 と 余 呉 湖 に 生 息 する 全 長 ₆₀ cm のイワトコナ マズである これらは, 小 糸 網,モンドリ,はえ 縄, 置 き 針 などの 方 法 で 採 捕 されてきた ₆) このうち, 食 用 に 適 するものはマナマズとイワトコナマズであり, 肉 質 は 淡 泊 な 白 身 でやわらかく, 天 ぷらやかば 焼 きに 適 し,た たき,さしみ, 姿 煮 やすっぽん 煮 (ぶつ 切 りにして 煮 た もの)としても 食 されている ₄) ビワコオオナマズにつ いては, 黄 色 い 脂 質 の 層 が 厚 く 形 成 されており,その 脂 肪 層 のためか, 本 種 を 鍋 で 煮 ると 他 の 魚 種 にはない 強 烈 な 臭 気 があり,この 臭 気 のためか, 本 種 の 肉 は 食 用 と して 流 通 することはない ₁₁) とされる 滋 賀 県 教 育 委 員 会 編 の 報 告 書 (₁₉₈₀( 昭 和 ₅₅) 年 ) ₁₂) にも,ビワコオオ ナマズの 肉 は 油 が 多 くて 味 がよくないためにほとんど 食 用 とされないとある まれに 市 場 へ 出 されても, 値 段 は ₁ kg 当 たり₁₀~₂₅ 円 と 極 めて 安 いと 記 載 されている イワトコナマズについては, 彦 根 藩 士 の 従 臣 である 小 林 義 兄 による 湖 魚 考 に 美 味 と 称 賛 されている ₁₃) 市 場 では,イワトコナマズはマナマズの ₃ 倍 ほどの 値 で 取 引 されていたこともあったようだ ₁₂) 日 本 では,ナマズ 料 理 は 郷 土 料 理 として 賞 味 される 文 献 より, 東 は 岩 手 県 の なまずのすり 身 汁 から, 西 は 宮 崎 県 に 伝 わるハレの 百 日 の 祝 いで 用 意 される なま ずの 煮 つけ まで,₁₈ 県 において₃₇ 事 例 を 挙 げることが でき, 表 ₁ にまとめた 徳 島 県 では なまず 汁 として 次 のような 郷 土 の 伝 統 として 受 け 継 がれている ₁₄) ナマズはお 産 のときには とくに 重 宝 がられ, 娘 が 出 産 すると 里 の 親 がナマズをわ らで 編 んだ すぼけ に 入 れて 持 っていく このナマズ を なまず 汁 にして 食 べると, 産 後 の 肥 立 ちがよい という このように, 産 婦 の 肥 立 ちを 早 め, 母 乳 の 出 が よくなるようにとのことでナマズを 食 べさせる 地 域 とし ₁₅) ₁₆) ₆) て, 福 岡 県 の 城 島 町 と 大 木 町, 滋 賀 県 湖 北 町 など がある さらに 福 井 県 丸 岡 町 の 女 形 谷 の 白 山 神 社 の 境 内 に 鎮 座 する 国 堂 様 といわれているお 堂 は,お 産 の 神 様 の お 堂 であり,この 神 様 のお 使 いは 白 ナマズといわれてい る ₁₇) ナマズを 食 べると 産 後 の 肥 立 ちがよい,あるいは 母 乳 の 出 がよいなどと 考 えられてきた 滋 賀 県 栗 東 町 大 橋 の 三 輪 神 社 では, ₅ 月 ₃ 日 の 三 輪 神 社 大 祭 でドジョウとナマズのスシがふるまわれる この ナレズシは, 大 祭 の 前 年 の ₉ 月 ₂₃ 日 に 漬 け 込 み 半 年 かけ て 発 酵 させたナレズシである ₁₈) 木 曽 三 川 ( 木 曽 川, 揖 斐 川, 長 良 川 )が 合 流 する 地 域 である 輪 中 地 帯 には,ナマズのかば 焼 きなどを 食 べさせ る 川 魚 料 理 店 が 多 く, 商 売 繁 盛 の 神 社 である 千 代 保 稲 荷 神 社 に 参 って,ナマズを 食 べて 帰 るという 参 詣 者 が 多 く, 月 参 りの 習 慣 ができてからは, 参 拝 客 は 年 間 ₁₀₀ 万 人 を 超 えており ₁₃),ナマズは 観 光 資 源 としても 役 立 っている のである ₁₉₀₄( 明 治 ₃₇) 年 に 岐 阜 市 に なまずや が 創 業 し,その 後 各 地 に 店 を 出 している この 店 は, 現 在 では,ナマズよりもウナギ 店 として 繁 盛 しているようで ある 地 元 産 のナマズだけでは 需 要 を 満 たせず, 琵 琶 湖 産 のものや 岡 山 県, 兵 庫 県, 四 国 地 方 などからも 仕 入 れ ることもあったようである 一 方, 阿 蘇 の 国 造 神 社 にある 鯰 社 が 代 表 されるよ うに,ナマズが 神 格 化 された 故 に,ナマズを 食 べないと いう 風 習 がある 地 域 もある ₁₉) 3. 日 本 におけるナマズ 食 の 歴 史 化 石 資 料 としてのナマズは, 香 川 県 の 中 期 中 新 世 讃 岐 層 群 ₁₅₀₀ 万 年 前 の 凝 灰 岩 中 から 検 出 されており, 世 界 的 にみても 古 いといえる また, 約 ₃₀₀ 万 年 前 の 古 琵 琶 湖 層 群 からも 検 出 されている ₂₀) ナマズの 動 物 遺 存 体 が 検 出 されているのは 西 日 本 においてであり, 東 日 本 へは 水 田 耕 作 や 移 植 などにより 人 為 的 に 分 布 したと 考 えられて いる 江 戸 時 代 初 期 までは, 関 東 地 方 には 分 布 しなかっ たが, 江 戸 時 代 中 頃 には 関 東 地 方 に 見 られるようになり, 東 北 地 方 では 江 戸 時 代 後 半 に 確 認 されるようになったと いう ₁₃) 日 本 ではいつ 頃 からナマズを 食 していたのであろうか 縄 文 時 代 早 期 から 中 期 に 位 置 付 けられる 滋 賀 県 大 津 市 の 粟 津 貝 塚 湖 底 遺 跡 より,ナマズ 科 の 歯 骨 片 が 出 土 してい ることから ₂₁),この 時 代 にはナマズを 食 していたといえ る 平 安 時 代 末 期 (₁₁₂₀ 年 前 後 )に 成 立 された 今 昔 物 語 集 巻 第 二 十 出 雲 寺 別 当 浄 覚 食 父 成 鯰 肉 得 現 報 忽 死 語 第 三 十 四 において,ナマズが 煮 て 食 べられていたこと が 記 されている ₂₂) 室 町 時 代 の 公 家 の 山 科 家 による 日 記 山 科 家 礼 記 ( 応 永 ₁₉ 年 から 明 応 元 年 ₁₄₁₂~₁₄₉₂ )には, 日 常, 食 し ていた 魚 介 類 が 全 体 では₇₁₀ 件,₃₉ 種 類 確 認 できるが, そのうち 淡 水 魚 介 類 は ₇ 種 類, 海 水 魚 介 類 は₃₂ 種 類 を 数 ₂₁₂(₆₄)
表 1 ナマズを 用 いた 郷 土 料 理 名 (37 種 類 ) 料 理 名 所 在 地 報 告 書 : 日 本 の 食 生 活 全 集 農 産 魚 村 文 化 協 会 より ₁ なまずのすり 身 汁 岩 手 県 南 部 日 本 の 食 生 活 全 集 ₃ 岩 手 の 食 事 p.₂₁₉(₁₉₈₄) ₂ なまずの 煮 くずし 茨 城 県 南 部 水 田 地 帯 日 本 の 食 生 活 全 集 ₈ 茨 城 の 食 事 p.₁₂₅(₁₉₈₅) ₃ なまず(うどんだし, 焼 いて 乾 燥 ) 栃 木 県 鬼 怒 川 上 河 内 日 本 の 食 生 活 全 集 ₉ 栃 木 の 食 事 p.₇₃(₁₉₈₈) ₄ なまずのてんぷら 栃 木 県 渡 良 瀬 川 輪 中 同 上,p.₂₆₅~₂₆₆(₁₉₈₈) ₅ なまずのたきだんご( 味 噌 だんご) 同 上 同 上,p.₂₆₆,₃₄₇(₁₉₈₈) ₆ なまずの 煮 つけ 同 上 同 上,p.₂₆₆~₂₆₇(₁₉₈₈) ₇ なまずのおつけ 同 上 同 上,p.₂₆₇(₁₉₈₈) ₈ なまずこく 同 上 同 上,p.₂₆₈(₁₉₈₈) ₉ なまずのたたき 群 馬 県 東 毛 平 坦 地 日 本 の 食 生 活 全 集 ₁₀ 群 馬 の 食 事 p.₂₉₀(₁₉₉₀) ₁₀ なまずのすっぽ 煮 同 上 同 上 ₁₁ なまずの 姿 揚 げ 同 上 同 上,p.₂₉₀~₂₉₁(₁₉₉₀) ₁₂ なまずのてんぷら 埼 玉 県 東 部 低 地 日 本 の 食 生 活 全 集 ₁₁ 埼 玉 の 食 事 p.₂₃₆(₁₉₉₂) ₁₃ なまずのひっこかし 千 葉 県 利 根 川 流 域 日 本 の 食 生 活 全 集 ₁₂ 千 葉 の 食 事 p.₃₁₈~₃₁₉(₁₉₈₉) ₁₄ なまずの 煮 つけ 同 上 同 上,p.₃₁₉(₁₉₈₉) ₁₅ なまずの 色 づけ 石 川 県 加 賀 潟 河 北 潟 日 本 の 食 生 活 全 集 ₁₇ 石 川 の 食 事 p.₂₀₅(₁₉₈₈) ₁₆ なまずの 味 噌 汁 同 上 同 上 ₁₇ なまずの 味 噌 漬 石 川 県 能 登 山 里 吉 田 同 上,p.₂₆₃(₁₉₈₈) ₁₈ なまずのかき 焼 き( 砂 糖 醤 油 ) 福 井 県 福 井 平 野 日 本 の 食 生 活 全 集 ₁₈ 福 井 の 食 事 p.₅₄(₁₉₈₇) ₁₉ なまずのかば 焼 き 岐 阜 県 南 濃 輪 中 日 本 の 食 生 活 全 集 ₂₁ 岐 阜 の 食 事 p.₂₉₉(₁₉₉₀) ₂₀ なまずの 刺 身 静 岡 県 中 遠 水 田 地 帯 日 本 の 食 生 活 全 集 ₂₂ 静 岡 の 食 事 p.₂₀₄(₁₉₈₆) ₂₁ なまずの 煮 つけ 滋 賀 県 琵 琶 湖 沖 島 日 本 の 食 生 活 全 集 ₂₅ 滋 賀 の 食 事 p.₄₈(₁₉₉₁) ₂₂ なまずのじゅんじゅん 同 上 同 上,p.₄₉(₁₉₉₁) ₂₃ なまずのかば 焼 き 同 上 同 上,p.₅₂(₁₉₉₁) ₂₄ なまずの 浜 炊 き 同 上 同 上 ₂₅ なまずの 味 噌 汁 岡 山 県 吉 備 高 原 日 本 の 食 生 活 全 集 ₃₃ 岡 山 の 食 事 p.₂₁₉~₂₂₀(₁₉₈₅) ₂₆ なまずの 照 焼 き 同 上 同 上 ₂₇ なまずの 煮 つけ 同 上 同 上 ₂₈ なまずの 干 乾 し 同 上 特 別 展 鯰 百 話 千 葉 県 立 大 利 根 博 物 館,p.₃₇(₁₉₉₁) ₂₉ なまずの 刺 身 同 上 同 上,p.₂₃₄(₁₉₉₁) ₃₀ なまず 汁 徳 島 県 那 賀 川 下 流 日 本 の 食 生 活 全 集 ₃₆ 徳 島 の 食 事 p.₂₄₈~₂₅₀(₁₉₉₀) ₃₁ なまずの 炊 きごみごはん 愛 媛 県 肘 川 流 域 大 洲 日 本 の 食 生 活 全 集 ₃₈ 愛 媛 の 食 事 p.₁₁₂~₁₁₃(₁₉₈₈) ₃₂ なまずご 飯 福 岡 県 筑 後 川 流 域 日 本 の 食 生 活 全 集 ₄₀ 福 岡 の 食 事 p.₁₇₄(₁₉₈₇) ₃₃ なまずのかまぼこ 佐 賀 県 佐 賀 平 野 クリーク 日 本 の 食 生 活 全 集 ₄₁ 佐 賀 の 食 事 p.₅₁(₁₉₉₁) ₃₄ なまずのがんもどき 同 上 同 上 ₃₅ なまずの 味 噌 炊 き 佐 賀 県 多 良 山 麓 同 上,p.₃₀₀ ₃₆ なまずのかば 焼 き 大 分 県 祖 母 傾 山 麓 日 本 の 食 生 活 全 集 ₄₄ 大 分 の 食 事 p.₁₄₀(₁₉₉₂) ₃₇ なまずの 煮 つけ 宮 崎 県 延 岡 日 本 の 食 生 活 全 集 ₄₅ 宮 崎 の 食 事 p.₉₃~₉₄(₁₉₉₁) える ₂₃) 淡 水 魚 では 鮎 鮒 鯉 がほとんどの 中 で,ナマ ズが ₃ 例 ( 文 明 ₉ 年 ₁₄₇₇ ₃ 月 ₁₄ 日 条, 同 ₁₈ 日 条, 同 年 ₄ 月 ₄ 日 条 ) 見 られる 注 目 すべきことは, ₃ 例 とも, 例 えば 文 明 ₉ 年 ₃ 月 ₁₈ 日 条 にある 飯 尾 賀 州 鯰 ニ 遣 之, これにてなまつのしる 仕 候 て( 後 略 ) と 記 されている ようにナマズを 贈 答 品 として 利 用 していることである また,ナマズが 京 の 六 角 町 の 魚 棚 で 売 られていたこと が, 次 の 浄 土 真 宗 の 本 願 寺 第 ₈ 世 蓮 如 の 作 と 伝 えられる 歌 謡 蓮 如 上 人 子 守 歌 に 示 されている ₂₄) ( 前 略 ) 六 角 町 ニ 売 り 物 コイフナ,タイトスヾキト ウグイカレ イナマヅト( 後 略 ) さらに 同 時 代 の 宗 五 大 双 紙 ( 大 永 ₈ 年 ₁₅₂₈ )の 料 理 の 事 項 には, かまぼこハな まづ 本 也 蒲 のほをにせたる 物 なり とナマズの 利 用 法 が 記 されている ₂₅) 江 戸 時 代 の 料 理 書 である 料 理 物 語 ( 寛 永 ₂₀ 年 ₁₆₄₃ ) の 川 魚 の 部 なまず 項 には, 汁,かまぼこ,なべ 焼 き, 杉 焼 き と 記 されている ₂₆) 人 見 必 大 著 本 朝 食 鑑 ( 元 禄 ₁₀ 年 ₁₆₉₇ )にも ( 前 略 ) 味 は 稍 佳 いとはいえ, 但 鱠 や 蒲 鉾 にするにすぎない それ 以 外 では 食 べるによく ない( 後 略 ) とするナマズの 料 理 法 が 記 されている ₂₇) 貝 原 益 軒 著 大 和 本 草 ( 宝 永 ₆ 年 ₁₇₀₉ )には, 甚 大 ナルモノアリ, 本 草 曰 ク, 毒 ナシ, 或 イハ 曰 ウ, 毒 ア リ, 肉 羹 (カマボコ)トスレバ 病 人 ニモ 害 ナシ, 虐 疾 ニ ナマツヲ 食 ヘバヨクオツル 妙 方 ナリ などと 記 されてい る ₂₈) 当 流 節 用 料 理 大 全 ( 正 徳 ₄ 年 ₁₇₁₄ )の 川 魚 の 部 のナマズに 関 する 箇 所 に, これはいつもあるが, あまり 祝 儀 用 の 料 理 には 出 さない ただし, 料 理 にはか まぼこ 汁,こくしょうにも 使 う という 記 述 がある ₂₉) つまり 室 町 時 代 の 山 科 家 礼 記 にはナマズは 贈 答 品 と して 使 われていたが, 江 戸 時 代 中 期 の 当 流 節 用 料 理 大 (₆₅)₂₁₃
Vol. No. 全 には 祝 儀 用 の 料 理 には,ナマズが 用 いられることが 少 なくなっていたことが 示 唆 される また, 同 じ 書 物 の 魚 類 能 毒 書 にはナマズの 効 能 が 次 のように 記 されている 甘 く, 平 の 物 毒 なし, 大 小 便 を 通 じて 水 腫 の 病 を 治 す 乳 がでないときに 味 噌 汁 にして 与 えるとよい 牛, 猪, 鹿,きじは 食 い 合 わせを 嫌 うから 心 する 目 の 内 が 赤 くひげのないのは 毒, 箒 色 ならば 人 を 殺 す 現 在 にも 伝 わる, 乳 がでないときに 味 噌 汁 にして 与 え るとよいという 慣 習 は,この 頃 に 登 場 している 飲 膳 摘 要 ( 文 化 元 年 ₁₈₀₄ )にも, 母 乳 をよく 出 るよう にする と 記 されている ₃₀) 山 科 家 礼 記 に 挙 げられている 贈 答 品 のナマズは, 江 戸 時 代 後 期 の 小 林 義 兄 が 著 す 湖 魚 考 ( 文 化 ₃ 年 ₁₈₀₆ )に 味 よろし と 記 されている 岩 とこなまつ(イ ワトコナマズ) ₃₁) であると 考 えられる 琵 琶 湖 の 魚 類 を 記 した 渡 辺 奎 輔 著 淡 海 魚 譜 ( 天 保 年 間 ₁₈₃₀~₁₈₄₄ )には, ナマズハ( 筆 者 補 足 ), 湖 沢 中 ニ 多 シ, 渓 澗 ニモアリ, 四 時 共 ニ 捕 フ, 冬 春 尤 モ 多 シ, 梅 雨 ノ 比 ハ 陸 ニ 上 ル 事 アリ,( 中 略 ), 串 ニ 押 テ 炙 ル ヲ 蒲 ヤキト 云, 鮓 トナシテ 美 味 也, 黒 津 ノ 名 産 也, 又 煮 テ 食 ス 虚 労 及 疳 疾 ヲ 治 ス, 腸 ト 骨 トヲ 焼 テ 酒 ニテ 服 ス, 疳 眼 雀 盲 ヲ 治 ス と 記 述 されている ₃₂) 江 戸 時 代 の 庶 民 の 生 活 を 窺 うことができる 俳 諧 にもナマズは 夏 の 季 語 と して 次 のような 句 の 中 に 読 み 込 まれている ₃₃) 地 震 の 蒲 鉾 雷 の 香 の 物 ( 柳 多 留 ) 当 時 地 震 と 連 想 されていた ナマズが 蒲 鉾 の 材 料 として 用 いられ, 庶 民 に 食 されてい たことがこの 句 から 推 察 できる 歌 川 広 重 の 東 海 道 張 交 圖 會 (₁₈₅₀ 年 頃 作 成 )に 描 かれた 吉 原 宿 の 名 物 として 不 ニ 沼 鯰 鱣 がある ₃₄) つまり 不 ニ 沼 ( 現 浮 島 沼 )で 捕 れるウナギとともにナ マズも 名 物 とされていたわけである 江 戸 時 代 末 期 とみ られるが,この 不 ニ 沼 産 のウナギのかば 焼 きの 味 は 日 本 一 と 評 判 が 高 く, 鯰 丼 はこの 鰻 丼 より ₄ 割 安 かったとい う ₃₅) ナマズが, 江 戸 時 代 後 期 の 安 政 時 代 頃 には 池 沼 等 で 養 殖 されていたという 資 料 が,₁₉₀₃( 明 治 ₃₆) 年 発 行 の 大 阪 府 誌 である ₃₆) この 資 料 の 三 島 郡 項 に 記 されて いる 養 殖 及 び 池 沼 漁 業 数 ( 溜 池, 入 江 等 にして 自 然 蕃 殖 又 は 季 節 を 限 り, 水 戸 口 を 堰 き 止 め 捕 獲 するものを 含 む) には, 江 戸 時 代 の 安 政 時 代 から 明 治 ₃₄ 年 までの 期 間, 魚 種 の 種 類 としてナマズがコイ フナ ウナギ 雜 魚 と ともに 挙 がっている ナマズの 漁 獲 時 期 として ₄ 月 から ₁₁ 月 までとなっている この 資 料 にある 水 産 物 種 類 別 及 数 量 價 額 には,コイ フナ ウナギとともにナマズ も 数 値 が 示 されている( 表 ₂ ) この 表 において, 文 久 年 間 から 明 治 ₃₀ 年 まではウナギ の 數 あたりの 價 はナマズの ₂ 倍 から ₅ 倍 である しかし, 安 政 年 間 には,ナマズのほうが ₆ 倍 も 高 価 であった ナ マズを 買 い 求 める 庶 民 が 多 くいたから 値 段 が 上 昇 したと みられるが,ナマズの 価 格 が 高 騰 した 理 由 は 何 であろう か 安 政 年 間 は, 各 地 で 地 震 が 多 発 し, 特 に₁₈₅₅( 安 政 ₂ ) 年 ₁₀ 月 ₂ 日 は 江 戸 直 下 型 大 地 震 が 起 きた 年 である この 地 震 直 後 に 出 版 された 錦 絵 が 鯰 絵 である 鯰 絵 の 一 つ 流 行 三 人 生 酔 を 読 み 取 ると, 大 工 や 左 官 たちは, たしかに 復 興 景 気 の 恩 恵 を 受 けて 大 喜 びであり, 地 震 を 引 き 起 こした 鯰 に 感 謝 する 立 場 にあり, 笑 い 上 戸 として 描 かれ とある ₃₇) 大 工 や 左 官 たちは, 地 震 特 需 に 感 謝 の 意 味 を 込 めてナマズを 買 い 求 めた 結 果,ナマズの 価 格 が 高 騰 したとも 考 えられる その 他 多 くの 鯰 絵 に 登 場 す るナマズは, 着 物 を 着 てじゃんけん 遊 びをしていたり, 化 粧 回 しをつけて 相 撲 をとっていたり, 鹿 島 大 明 神 に 押 えられたり,ひょうたんや 要 石 で 首 根 っこを 押 さえられ たり, 畏 れられつつも,とても 身 近 でユーモラスな 存 在 として 描 かれている 岐 阜 県 大 垣 市 の 八 幡 神 社 例 大 祭 で は, 鯰 軕 という 山 車 が 出 て,そこではナマズをひょうた んで 押 さえる 人 形 からくりが 演 じられる ₁₃) このように 身 近 な 魚 類 であるナマズを 食 べることは, 日 本 では, 滋 養 がある, 乳 の 出 がよくなるという 滋 養 強 壮 面 のみならず,ハレの 日 のごちそうであったり,ある いは 地 震 と 関 連 づけられたりして, 単 に 食 べ 物 である 魚 というだけではなく, 文 化 的 意 味 づけがされてきた ₃₈) 表 2 大 阪 府 誌 による 水 産 物 種 類 別 および 数 量 價 額 魚 族 種 類 名 鯉 鮒 鰻 鯰 数 量 價 格 數 價 數 價 數 價 數 價 安 政 ₃₀₀ ₉₀ ₆₀₀ ₁₂₀ ₂₀₀ ₁₀₀ ₃₀₀ ₉₀₄ 文 久 ₃₀₀ ₁₂₀ ₅₀₀ ₁₅₀ ₁₅₀ ₁₅₀ ₂₀₀ ₈₀ 明 治 元 年 ₂₅₀ ₂₁₀ ₆₀₀ ₁₉₀ ₁₅₀ ₁₃₅ ₁₅₀ ₆₀ 明 治 ₅ 年 ₂₅₅ ₁₇₂ ₁,₂₀₀ ₄₉₀ ₁₉₈ ₂₁₉ ₁₅₀ ₅₅ 明 治 ₁₀ 年 ₂₉₅ ₂₀₆ ₁,₂₈₄ ₅₆₇ ₂₀₈ ₂₁₉ ₁₆₁ ₆₂ 明 治 ₁₅ 年 ₃₈₃ ₂₄₄ ₁,₃₀₀ ₅₉₅ ₂₉₁ ₂₈₄ ₁₈₂ ₆₂ 明 治 ₂₀ 年 ₃₉₁ ₂₉₂ ₁,₃₂₄ ₆₅₁ ₂₈₃ ₃₃₃ ₁₇₁ ₆₈ 明 治 ₂₅ 年 ₄₇₆ ₃₆₂ ₁,₄₈₃ ₇₂₉ ₃₃₂ ₃₈₄ ₂₂₂ ₉₄ 明 治 ₃₀ 年 ₆₅₈ ₅₀₈ ₁,₆₃₅ ₈₅₀ ₄₀₈ ₄₆₅ ₂₃₈ ₉₆ 明 治 ₃₄ 年 ₇₄₉ ₇₂₉ ₂,₂₄₉ ₁,₁₃₀ ₆₀₉ ₁,₀₀₉ ₆₄₇ ₂₃₂ 數 = 貫, 價 = 円 ₂₁₄(₆₆)
表 3 世 界 のナマズ 目 の 養 殖 生 産 量 ( 単 位 :t) 国 名 ₁₉₉₉ 年 ₂₀₀₀ 年 ₂₀₀₁ 年 ₂₀₀₂ 年 ₂₀₀₃ 年 ₂₀₀₄ 年 ₂₀₀₅ 年 ₂₀₀₆ 年 ₂₀₀₇ 年 ₂₀₀₈ 年 ベトナム ₈₇,₀₀₀ ₁₀₀,₀₀₀ ₁₁₄,₀₀₀ ₁₃₅,₀₀₀ ₁₆₃,₀₀₀ ₂₅₅,₀₀₀ ₃₇₆,₀₀₀ ₅₂₀,₀₀₀ ₈₅₀,₀₀₀ ₁,₂₆₀,₀₀₀ 中 国 ₂₇₄,₇₀₃ ₃₂₅,₉₀₈ ₄₁₂,₅₅₆ ₅₁₉,₁₈₆ ₆₄₈,₀₉₈ ₆₉₀,₀₁₅ 米 国 ₂₇₀,₆₂₉ ₂₆₉,₂₅₇ ₂₇₀,₈₄₆ ₂₈₆,₀₃₉ ₃₀₀,₀₅₆ ₂₈₅,₉₇₀ ₂₇₄,₆₆₄ ₂₅₈,₀₄₉ ₂₅₅,₇₈₁ ₂₃₃,₅₆₄ インドネシア ₂₇,₃₅₀ ₃₁,₆₂₉ ₃₆,₉₇₉ ₄₉,₄₅₇ ₇₀,₈₂₆ ₈₀,₂₃₄ ₁₀₂,₀₉₀ ₁₀₉,₈₁₁ ₁₃₀,₇₆₇ ₂₁₈,₀₆₂ タイ ₈₃,₆₂₈ ₈₉,₂₂₆ ₉₂,₅₄₃ ₁₀₁,₃₁₂ ₁₂₄,₆₉₁ ₁₈₉,₉₄₀ ₁₆₈,₆₅₀ ₁₆₉,₇₅₇ ₁₅₇,₅₈₄ ₁₅₈,₆₅₅ マレーシア ₁₁,₇₆₇ ₁₂,₁₁₅ ₁₅,₁₂₄ ₁₅,₆₂₃ ₁₈,₃₄₅ ₂₀,₈₄₉ ₂₄,₆₈₉ ₂₅,₀₅₆ ₂₈,₈₇₆ ₅₀,₁₇₄ ナイジェリア ₂,₆₅₄ ₄,₅₁₈ ₄,₈₄₁ ₇,₈₉₆ ₁₀,₆₈₄ ₂₇,₅₉₃ ₃₅,₆₆₉ ₅₃,₅₄₇ ₅₃,₈₇₀ ₃₈,₉₀₂ ウガンダ ₉₅ ₁₂₀ ₅₄₀ ₂,₇₂₈ ₃,₀₀₀ ₃,₈₂₇ ₆,₅₂₈ ₂₀,₉₄₁ ₃₄,₀₉₆ ₃₅,₀₀₀ ミャンマー ₃,₇₀₀ ₄,₇₀₀ ₇,₄₀₀ ₈,₇₀₀ ₁₀,₅₀₀ ₁₁,₁₀₀ ₂₀,₄₁₉ インド ₄₂,₈₇₈ ₂,₁₄₀ ₂,₆₁₇ ₄₀,₉₃₉ ₄₂,₀₁₆ ₄₄,₂₄₇ ₄₅,₇₄₀ ₅₆,₄₅₃ ₃₈,₂₁₂ ₁₈,₁₀₀ その 他 の 国 の 計 ₁₅,₈₈₂ ₂₀,₄₁₇ ₂₁,₄₈₁ ₂₃,₈₀₀ ₂₂,₁₇₆ ₂₈,₁₂₁ ₄₄,₃₂₄ ₄₈,₆₉₉ ₅₃,₃₆₃ ₅₈,₀₀₆ 総 計 ₅₄₁,₈₈₃ ₅₂₉,₄₂₂ ₅₅₈,₉₇₁ ₆₆₆,₄₉₄ ₁,₀₃₄,₁₉₇ ₁,₂₆₉,₀₈₉ ₁,₄₉₉,₆₁₀ ₁,₇₉₁,₉₉₉ ₂,₂₆₁,₇₄₇ ₂,₇₈₀,₈₉₇ 数 値 の 原 典 は Fishstat Plus ₂₀₁₀:FAO( 国 連 食 糧 農 業 機 構 )の 時 系 列 世 界 水 産 統 計 Online 版 ₂₀₁₀ 表 4 世 界 のナマズ 目 の 種 別 養 殖 生 産 量 種 の 英 名 種 の 学 名 生 産 量 (t) 和 名 Pangas catfishes nei Pangasius spp. ₁,₃₈₀,₇₀₂ 諸 種 のパンガシュウス 属 の 魚 Channel catfish Ictalurus punctatus ₄₆₂,₄₁₆ アメリカナマズ Amur catfish Silurus asotus ₃₂₁,₀₇₁ ナマズ(マナマズ) Torpedo-shaped catfishes nei Clarias spp. ₂₃₇,₆₃₄ その 他 のヒレナマズ 種 の 魚 Catfish, hybrid C.gariepinus C.macrocephalus ₁₃₅,₅₀₇ Yellow catfish Pelteobagrus fulvidraco ₁₃₄,₄₄₈ 和 名 なし North African catfish Clarias gariepinus ₃₃,₉₂₄ アフリカンクララ Striped catfish Pangasius hypophthalmus ₂₃,₁₈₆ チャー Freshwater siluroids nei Siluroidei ₁₉,₇₀₀ その 他 諸 種 のナマズ 目 の 魚 Chinese longsnout catfish Leiocassis longirostris ₁₅,₃₄₇ 和 名 なし Other Other ₁₆,₉₆₂ その 他 TOTAL ₂,₇₈₀,₈₉₇ 数 値 の 原 典 は Fishstat Plus ₂₀₁₀:FAO( 国 連 食 糧 農 業 機 構 )の 時 系 列 世 界 水 産 統 計 Online 版 ₂₀₁₀ Clarias gariepinus と Clarias macrocephalus の 交 配 種 今 日 でも,ナマズは 一 部 の 地 域 で 郷 土 料 理 として 愛 好 さ れ, 伝 承 されている 4. 世 界 のナマズ 食 ナマズは 世 界 に 広 く 分 布 するが, 北 欧,シベリア,カ ナダなどの 寒 帯 地 区 とオーストラリア 南 部 には 生 息 して いない ₃₉) 世 界 的 にみてナマズの 食 材 としての 利 用 価 値 はどうであろうか 世 界 漁 業 養 殖 業 白 書 ₂₀₁₀ 年 によると, 養 殖 生 産 物 からの 産 品 は 水 産 物 の 貿 易 向 け シェアの 増 加 に 寄 与 しており,エビ 類,サケ マス 類, 貝 類,ティラピア 類,ナマズ 類 (バサ),スズキ 類,タ イ 類 等 が 主 なものである ₄₀) と 記 されている なお,バサ (Pangasius bocourti)はカンボジア 名 で,チャー(Pangasius hypophthalmus)と 共 に 日 本 でも 流 通 しており, 日 本 で も 通 常 バサの 名 称 が 使 用 されている また, ₂₀₀₈ 年 に は 養 殖 は 漁 業 養 殖 業 全 体 の 食 用 向 け 生 産 のおよそ₄₆% を 提 供 した 養 殖 は 主 として 天 然 に 漁 獲 していたエビ 類, サケ マス 類, 二 枚 貝 類,ティラピア,バサ 等 の 魚 種 を 主 として 養 殖 による 生 産 に 移 行 し, 価 格 を 引 き 下 げて, 商 品 化 を 促 進 することによって 需 要 と 消 費 を 後 押 しし た という 記 述 がある ナマズは 養 殖 魚 として 世 界 的 に 注 目 されていることがわかる 世 界 のナマズ 養 殖 生 産 量 ( 上 位 ₁₀か 国 )は,₅₄₁,₈₈₃ トン(₁₉₉₉ 年 )から₂,₇₈₀,₈₉₇トン(₂₀₀₈ 年 )へと,こ の₁₀ 年 間 で 約 ₅.₁に 倍 増 加 している( 表 ₃ ) 地 域 別 (₂₀₀₈ 年 )では,アジア 地 域 (ベトナム, 中 国,インドネシア, タイ,マレーシア,ミャンマー,インドの ₇ か 国 )だけ で 約 ₈₇%を 占 めている アメリカ 地 域 (アメリカ)で 約 ₈ %で,アフリカ 地 域 (ナイジェリア,ウガンダの ₂ か 国 )で 約 ₃ %になる 種 名 別 (₂₀₀₈ 年 )でみると,アジ ア 南 部 原 産 の Pangasius spp. で 約 ₅₀% 近 くを 占 める ₁,₃₈₀,₇₀₂トン, 第 ₂ 位 は 北 アメリカ 原 産 Ictalurus punctatus の₄₆₂,₄₁₆トン( 約 ₁₇%)である( 表 ₄ ) ナマズは 白 身 で 脂 がのっているため,フライ,ソテー, ムニエルにも 適 し, 冷 凍 フィレとしても 出 回 っている フィッシュ&ティップスの 白 身 魚, 弁 当 の 白 身 魚 フライ (₆₇)₂₁₅
Vol. No. にもなっている 5. 世 界 のナマズ 食 の 歴 史 今 日,アメリカの 大 規 模 なナマズ 養 殖 地 として 位 置 付 けられている 南 部 のミシシッピ 州 のデルタにおいて, 紀 元 前 ₂₀₀₀ 年 頃 に 花 開 いたアメリカ 先 住 民 のポヴァティ ポイント(Poverty Point) 文 化 が 存 在 する その 貝 塚 な どからナマズの 骨 が 出 土 していることから ₄₁), 先 住 民 た ちは 州 内 を 流 れるミシシッピ 川 に 生 息 するナマズを 食 し ていたとみられる より 古 い 資 料 が,ドナウ 河 が 流 れ 込 むヨーロッパ 南 東 部 セルビア 共 和 国 において 紀 元 前 ₅₉₈₀~₅₅₂₅ 年 頃 の 遺 跡 レペンスキ ヴィール(Lepenski Vir)である ₄₂) この 遺 跡 から 動 物 遺 存 体 の 約 ₂₀%がコイであるが,ナマズ (Silurus glanis)も 約 ₁₀% 近 くを 占 めていた 以 前, 萩 生 田 が 論 じたように ₄₃), 古 代 エジプトでは, ナマズは, ナルメル 王 パレット( 紀 元 前 ₃₁₅₀ 年 頃 ), 墓 の 壁 画, 新 王 国 時 代 ( 紀 元 前 ₁₅₆₉~₁₀₈₁ 年 頃 )の 宗 教 パピルス( 洞 窟 の 書,アムドゥアド), 医 術 パピル ス(エーベルス パピルス) などに 記 されている 観 察 力 に 優 れた 古 代 エジプト 人 は, 魚 の 特 徴 や 習 性 を 微 細 に 壁 画 に 描 いている それゆえ, 今 日, 壁 画 などから Clarias anguillaris,clarias lazera, Heterobranchus bidorsalis, Heterobranchus longifilis, Schilbe mystus, Synodontis schall, Synodontis batensoda, Malapterurus electricus のナマズが 確 認 できる ₄₄) 例 えば, 古 王 国 時 代 第 ₅ 王 朝 時 代 の 高 官 ティのマスタ バ 墓 には, 小 舟 から 投 げられた 魚 網 には₃₃ 種 の 魚 類 が 描 かれており,すべて 魚 類 の 同 定 が 行 われている その 中 に, Synodontis schall, Synodontis batensoda, Clarias anguillaris, Clarias lazera, Schilbe, Malapterurus electricus のナマズが 描 かれている ₄₅) 興 味 深 いことに, 古 代 エジプト 人 はナ マズが 濁 った 水 を 好 むことから, 夜 間, 冥 界 の 世 界 の 暗 やみの 川 を 通 る 太 陽 船 をナマズが 導 くと 信 じていた ま た,ナマズの 鬚 から 彼 らはネコを 連 想 していたので,ナ マズはネコの 頭 をもった 神 聖 なバステト 女 神 の 現 れとも 見 なしていた ₄₆) いつ 頃 から,ナマズが 特 別 な 地 位 ある いは 神 聖 な 魚 類 として 存 在 していたかは 明 確 ではないが, すでにナマズは, 初 期 王 朝 第 ₁ 代 ナルメルの 王 名 ( 象 形 文 字 ナル=ナマズ+ 象 形 文 字 メル= 鑿 で 表 示 )に 用 いら れていることから,ナマズは 古 代 エジプト 人 にとって 特 別 な 魚 類 であったとみられる ナマズを 食 している 壁 画 などは 見 出 せない しかし, 新 王 国 時 代 の 夢 占 い 本 には 次 のようにナマズが 食 さ れていたことが 窺 われる ₄₇) 身 を 開 いているナマズを 食 している 夢 をみると, 凶 ;クロコダイルに 襲 われるこ とを 意 味 する エーベルス パピルスには,すべてを 柔 らかくするための 軟 膏 の 薬 材 料 としてナマズの 肉 が 用 いられている ₄₈) 古 代 ギリシアの 哲 学 者 アリストテレス ( 紀 元 前 ₃₈₄~₃₂₂ 年 )はその 著 動 物 誌 において, 食 材 としてのナマズを 次 のように 記 している ₄₉) 川 や 湖 沼 の 魚 は 卵 や 精 液 を 放 出 して 後, 完 全 に 回 復 したときが 最 上 である はらんでいる 時 は,サペルディスのように 良 質 のものと,ナマズのように 駄 目 なのとある ところ で, 他 の 魚 はみな 雄 の 方 が 雌 より 良 いが,ナマズは 雌 の 方 が 雄 より 良 い 同 時 代 の 喜 劇 詩 人 エピッポスは,ナ マズの 切 身 が 食 されていたことを 書 き 残 している ₅₀) ₂ 世 紀 頃 にローマでの 宴 会 に 供 された 食 材 を 描 いた,アテ ナイオスの 著 食 卓 の 賢 人 たち において,ナマズ 料 理 の 位 置 付 けが 描 かれている ₅₁) ことは 注 目 に 値 する ( 前 略 ) 例 えばロドスの 方 でもお 呼 びになってごらん なさいまし,お 着 きになったらもうすぐに, 大 きなシル ロス( 著 者 註 オオナマズ)かレビアス( 著 者 註 魚 の 一 種 )かの,まだ 熱 いのをお 出 ししなければなりません 天 人 花 の 香 りをつけた 水 で 手 をおすすぎになるよりは, この 方 がずっとお 気 に 召 すようで 真 っ 先 にシルロス というのは 文 化 的 だな シルロスを 食 することが 文 化 的 といわれているという ことは,ナマズを 食 することがステータスシンボルに なっていたのではないだろうか ₁ 世 紀 後 に 記 された, アイリアノスの 著 動 物 誌 には, シルロスは( 筆 者 補 足 ),あまり 大 きいので,これを 引 き 揚 げるときは 馬 か 牛 (いずれも 複 数 )を 使 う と 記 述 されている ₅₂) またプリニウス(₂₃ 年 頃 ~₇₉ 年 )も,その 著 博 物 誌 に ナマズはうろつきまわっていて,ところかまわず, どんな 生 物 をも 求 めてゆく 泳 いでいるウマを 引 き 込 む こともしばしばである と 書 いている ₅₃) つまりシルロ スは, 巨 大 で 貪 食 であることが 窺 われることから,それ なりの 身 分 か 地 位 の 者 が 食 することにふさわしい 魚 とい う 認 識 であったのかもしれない プリニウスは 先 の 書 物 の 中 で 海 棲 動 物 から 得 られる 薬 剤 として,ナマズの 利 用 を 次 のように 記 している ₅₄) 咽 喉 の 薬 項 目 : 生 のあるいは 塩 漬 けにしたナマズ を 食 物 として 食 べると 声 がよくなる 坐 骨 神 経 通 の 薬 項 目 :ナマズの 塩 水 を 浣 腸 剤 として 注 入 することによっ て 癒 える 腸 の 薬 とイガイの 薬 効 項 目 : 腸 は,ナマ ズをその 煮 汁 といっしょに 食 べることによって,デンキ ナマズを 食 べることによって, 栽 培 キャベツに 似 たハマ ナによって これは 胃 には 悪 いが 効 き 目 の 早 い 下 剤 であ る そしてその 刺 激 性 のため 脂 肪 の 多 い 肉 で 煮 る そし てまたどんな 魚 でもよいがそれを 煮 た 液 によって 緩 めら れる この 最 後 のものはまた 利 尿 剤 でもある 肉 にく いこんだ 武 器 を 抜 く 方 法 項 目 :カワナマズ(これはナ イル 河 その 他 の 諸 河 にいる)の 肉 を, 生 のものでも 塩 蔵 したものでもよいが, 塗 りつけると 抜 ける この 魚 の 灰 は 鋭 いものを 抜 き 取 る その 脂 肪 と 背 骨 の 灰 は 骨 灰 の 代 りをする 婦 人 の 病 気 の 薬 項 目 :ナマズ,とくにア フリカナマズは 分 娩 を 容 易 にし( 中 略 )わたしがデンキ ナマズについて 知 ったことも 不 思 議 だ すなわち, 月 が 天 秤 宮 にあるときそれを 捕 え, 三 日 間 戸 外 に 放 置 してお ₂₁₆(₆₈)
く それが 部 屋 に 持 ち 込 まれた 後 は 出 産 の 都 度, 産 が 楽 になる プリニウスと 同 じ 時 代 に, 小 アジアのキリキア 地 方 生 まれのディオスコリデスが 著 わした 薬 物 誌 にも 次 の ようにナマズの 効 能 が 描 かれている ₅₅) ナマズは 新 し いうちに 食 べると, 滋 養 分 も 多 く 胃 によいが, 塩 で 味 つ けすると, 滋 養 物 がなくなってしまう しかしこれは, 気 管 を 浄 化 し 声 をきれいにする 作 用 がある 塩 で 味 つけ された 肉 は,とげを 抜 く 効 果 がある その 塩 水 は 坐 浴 に 用 いると 血 性 下 痢 に 効 き, 初 期 カタル 性 疾 患 を 追 い 出 す またこれで 浣 腸 すると, 坐 骨 神 経 痛 疾 患 を 癒 やす ディオスコリデスが 記 した 薬 材 料 としてのナマズの 利 用 について, 同 時 代 のプリニウスも 記 していることから, この 時 代 には,ナマズを 薬 剤 として 用 いたことが 浸 透 し ていたことが 窺 われる ナマズ 類 が 民 間 療 法 に 使 われた 歴 史 もある それはア ラビア 湾 産 のハマギギ 科 の Arius bilineatis である ₅₆) そ の 表 皮 分 泌 物 には 血 を 固 めるなど,₆₀ 種 類 程 度 の 治 療 効 果 が 存 在 するという 日 本 産 のナマズの 表 皮 分 泌 物 に 関 しては, 江 戸 時 代 前 期 の 食 物 和 解 大 成 ( 元 禄 ₁₁ 年 ₁₆₉₈ )に, 鯰 ノ 皮 ニ 粘 滑 ナルモノ 毒 ナリ 能 粘 ヲ 去 テ 食 ベシ と 記 されている ₅₇) 一 方, 皮 膚 病 の 一 種 である 癜 (なまず)を 癒 すためには, ナマズ( 筆 者 注 癜 ) を 鯰 ( 筆 者 注 ナマズ)の 腹 でこすると 癒 る という 言 い 伝 えが 存 在 する ₅₈) 中 世 ヨーロッパに 入 ると,ドイツのルペンツベルクの 女 子 修 道 院 を 設 立 したヒルデガルト(₁₀₉₈~₁₁₇₉ 年 )が 記 した 医 学 に 関 する 著 作 フィジカル ( 薬 あるいは 薬 効 のある 薬 の 本 )が 伝 えられている ₅₉) この 書 物 の 第 五 の 書 として 魚 が 記 されており,ナマズに 関 する 記 述 が 次 のようにある ナマズは 冷 性 というよりも 温 性 の 空 気 からなる 夜 よりも 昼 を 好 む 水 中 に 落 ちた 穀 物 とその 良 質 の 植 物 を 餌 にしている 身 は 健 康 であり, 健 康 人 だけでなく 病 人 にも 食 用 に 適 している 放 卵 は 他 種 の 魚 と 同 様 である 眼 が 曇 っている 人 は 胆 汁 を 採 取 し, フェンネルの 液 汁 を 少 量 とワインを 数 滴 加 えなさい こ れらを 混 合 して, 液 が 眼 に 直 に 入 らないよう 注 意 して 眼 の 周 りにそっとすり 込 むと, 眼 の 曇 りは 晴 れるだろう また 肝 臓 を 煮 て 食 べると, 胃 の 中 の 泡 状 粘 液 と 毒 物 はす べてこの 肝 臓 の 周 りに 集 まり 引 き 寄 せられるだろう そ してこれらが 肝 臓 とともに 排 出 されてトイレに 至 ると 胃 は 癒 されるだろう しかしこの 魚 の 心 臓 は 食 用 にも 薬 用 にも 無 価 値 であり,これを 食 べた 人 は 害 をこうむる ナ マズのその 他 の 部 分 は 薬 としての 価 値 はない 近 世 にはいると,スイスの 博 物 学 者 コンラート ゲス ナー(₁₅₁₆~₁₅₆₅ 年 )は,その 著 動 物 誌 第 ₃ 巻 魚 類 ₆₀) の 中 で,ナマズに 関 して 若 い 個 体 の 肉 は 美 味 で あり 好 ましく 食 することができ, 王 国 の 食 卓 にも 出 る 年 老 いた 大 きなものは 食 べるには 不 快 である とされる この 王 国 の 食 卓 にも 出 る とされるナマズは, 同 じ₁₆ 世 紀 頃,ドイツで 作 成 され 料 理 と 家 庭,そして 滋 養 と 健 康 への 実 践 的 な 助 言 を 与 える 料 理 カレンダー にも 描 かれている つまりこのカレンダーの ₃ 月 は 公 爵 の 魚 として, 王 侯 貴 族 が 食 する 魚 がナマズであったことが 記 されている ₆₁) この ₂ つの 文 献 にナマズが 王 侯 貴 族 に 値 することが 記 されていることは, 先 のアテナイオス の 著 食 卓 の 賢 人 たち に 描 かれたナマズを 食 すること がステータスシンボルになっていたと 推 察 したことの 傍 証 になるのではないだろうか ₁₇ 世 紀 におけるナマズの 旨 味 に 関 して 次 のような 興 味 深 い 記 述 がある ₆₂) ナマズ(ないし, 魚 の カジカ)は, 食 べてみると 美 味 しい 魚 だが,そのひどい 姿 のため,ま たヒキガエルに 酷 似 しているため, 多 くの 女 性 は 調 理 す るのを 嫌 がっていた ₁₉ 世 紀 後 半 には,ロシアでは, 南 部 の 都 市 アストラハ ン(Astrachan)から 毎 年 塩 漬 けのナマズ 約 ₁₆₇ 万 kg が 輸 出 されていた ₆₃) すでに 記 したように,プリニウスがその 著 博 物 誌 で,アフリカナマズが 分 娩 を 容 易 にし,デンキナマズを お 産 の 場 所 に 置 くと,お 産 が 楽 になることを 描 いている これと 類 似 した 風 習 として, 今 日,アフリカのマリに 住 むドゴン 族 やナイジェリアのティヴ 族 もナマズを 出 産 に かかわる 儀 礼 に 用 いている ₆₄) ことは 興 味 深 い ザイールで 焼 畑 農 業 を 主 に 生 業 としているソンゴーラ 族 エニャ 支 族 の 魚 類 の 性 質 を 調 べた 安 渓 遊 地 氏 は,ヒレ ナマズ 科 の Heterobranchus longifilis の 味 覚 に 関 して 次 の ように 記 している ₆₅) 大 変 美 味 皮 は 柔 らかく, 脂 鰭 には 脂 がのっている 頭 の 中 央 は 石 のように 堅 いが 両 側 には 肉 があり, 腹 には 黄 色 い 脂 肪 がある 包 み 焼 きにし たら ほっぺたがおちるほど 美 味 女 も 喜 んで 食 べる この 脂 肪 に 関 して 興 味 深 いことを 記 したのが,タンザ ニアに 住 むトングウェ 族 による₂₁ 種 の 魚 類 の 旨 味 を 調 べ た 伊 谷 純 一 郎 氏 である ₆₆) トングウェ 族 による 魚 の 旨 味 は, 脂 肪 の 多 いことが 美 味 であることのひとつの 基 準 になっ ていること,そして 小 骨 の 多 いことと 肉 が 軟 らかいこと が 不 味 であることを 明 らかにしている この 基 準 によると, この 地 で 食 されるオオナマズ(ヒレナマズ 科 の Dinotopterus cunningtoni)は 第 ₉ 位 であった ちなみに 第 ₁ 位 はイエ ローベリー(カワスズメ 科 の Boulengerochromis microlepis) である 中 国 においては, 李 時 珍 が 本 草 綱 目 (₁₆₀₃ 年 初 版, ₁₆₃₇ 年 和 刻 初 版 )の 中 で,ナマズの 肉 に 関 して 次 のよう に 記 している ₆₇) 甘, 温 は 臛 にすると 水 腫 を 治 し 小 便 の 出 をよくする また 五 痔 下 血 肛 痛 を 治 す 葱 と 一 緒 に 煮 て 食 べる,と 食 用 というよりは, 薬 として 用 いられていたようである 日 本 にもこの 本 草 学 の 考 え 方 が₁₆₃₇ 年 以 降 流 入 してきたと 考 えられる (₆₉)₂₁₇
Vol. No. 6. 日 本 における 食 材 としてのナマズと ナマズ 食 のこれから 以 上 のように, 世 界 のナマズ 食 文 化 をみてきたが, 食 材 としてのナマズの 利 用 には 共 通 した 以 下 の ₃ 点 がある と 考 えられる 1 栄 養 素 として( 熱 量 およびたんぱく 質 ) 2 健 康 を 増 進 するため( 例 えば, 産 後 の 肥 立 ちや 母 乳 の 出 が 良 くなるために) 3 病 気 を 予 防 するあるいは 治 療 するため( 例 えば, 身 体 の 機 能 を 回 復 させるために) ナマズの 栄 養 成 分 に 関 しては, 日 本 食 品 標 準 成 分 表 ₂₀₁₀ ₆₈) より,ウナギ( 養 殖 )とアユ( 天 然 )と 比 較 す るため 表 ₅ とした ナマズは,ウナギよりたんぱく 質 が やや 多 く, 脂 質,コレステロール,レチノール(ビタミ ンA)が 少 ない リノール 酸,アラキドン 酸,α リノ レン 酸 などの 多 価 不 飽 和 脂 肪 酸 が 多 いという 特 徴 がある ₆₉) ナマズの 脂 肪 についての 研 究 によると, 日 本 産 のマ ナマズの 脂 肪 酸 組 成 の 特 徴 として,オレイン 酸 (₁₈:₁ n ₉ )が 多 く 含 まれており,また, 外 国 産 ナマズと 比 べ て 日 本 産 ナマズは n ₃/n ₆ の 比 率 も 高 い 高 たんぱく 質 で 低 脂 肪, 低 コレステロールであり,コ レステロール 低 下 作 用 をもつ 脂 肪 酸 や 多 価 不 飽 和 脂 肪 酸 も 多 く 含 有 するというナマズの 特 徴 は,ヘルシー 志 向 で ある 現 代 のニーズにあった 魚 であるといえる ナマズは, 内 水 面 に 存 在 する 淡 水 魚 としては 大 型 の 魚 で 可 食 部 が 多 く, 内 陸 地 域 の 貴 重 なたんぱく 源 であった が, 最 近, 日 本 各 地 での 天 然 のナマズの 漁 獲 高 は 減 って きている ナマズだけではなく 日 本 の 水 産 業 および 養 殖 業 は 減 少 傾 向 にあるという ₇₀) 一 方, 日 本 人 一 人 当 たり の 年 間 水 産 物 消 費 量 は₆₀ kg で, 日 本 人 は 世 界 平 均 の ₄ 倍 近 くの 水 産 物 を 消 費 している ₇₁) 日 本 人 の 旺 盛 な 水 産 物 資 源 消 費 量 に 対 応 して, 十 分 な 供 給 を 図 る 国 家 的 戦 略 が 必 要 である 表 ₃ に 示 したような 世 界 におけるナマズ 養 殖 生 産 量 の 増 大 を 考 えても, 水 産 物 資 源 の 消 費 国 であ る 日 本 は, 国 や 県 などの 行 政 レベルでその 養 殖 高 拡 大 に 関 して 尽 力 すべきである 近 年, 養 殖 用 のウナギの 稚 魚 が 減 少 し 値 段 が 高 騰 して きたため,ウナギに 代 わるものとして,ナマズを 食 べよ うという 意 見 もみられる ₇₂) ウナギの 完 全 養 殖 も 望 まれ るが,ナマズの 養 殖 量 を 増 大 させ, 安 定 的 供 給 が 可 能 に なるようになれば,ウナギに 代 わる 漁 業 資 源 として 期 待 できる ナマズを 郷 土 料 理 として 提 供 していた 県 は 表 ₁ で 示 したように₄₂ 都 道 府 県 のうち₁₈ 県 も 含 まれていたが, 現 在, 漁 業 権 魚 種 としてナマズを 指 定 している 県 はわず 表 5 ナマズの 可 食 部 100gあたりの 栄 養 素 単 位 ナマズ ウナギ アユ エネルギー kcal ₁₅₉ ₂₅₅ ₁₀₀ たんぱく 質 g ₁₈.₄ ₁₇.₁ ₁₈.₃ 脂 質 g ₈.₆ ₁₉.₃ ₂.₄ カルシウム mg ₁₈ ₁₃₀ ₂₇₀ レチノール 当 量 μg ₇₁ ₂,₄₀₀ ₃₅ ビタミンD μg ₄ ₁₈ ₁ α トコフェロール mg ₆.₃ ₇.₄ ₁.₂ ビタミンB₁₂ μg ₂.₃ ₃.₅ ₁₀.₃ 葉 酸 μg ₁₀ ₁₄ ₂₇ パントテン 酸 mg ₀.₈₁ ₂.₁₇ ₀.₆₇ 脂 肪 酸 総 量 g ₆.₉₉ ₁₅.₄₅ ₁.₈₃ 飽 和 脂 肪 酸 g ₁.₇₆ ₄.₁₂ ₀.₆₅ 一 価 不 飽 和 脂 肪 酸 g ₃.₄₈ ₈.₄₄ ₀.₆₁ 多 価 不 飽 和 脂 肪 酸 g ₁.₇₅ ₂.₈₉ ₀.₅₄ n ₃ 系 多 価 不 飽 和 脂 肪 酸 g ₀.₉₆ ₂.₄₂ ₀.₄₆ n ₆ 系 多 価 不 飽 和 脂 肪 酸 g ₀.₇₅ ₀.₃₉ ₀.₀₈ パルミチン 酸 mg ₁,₂₀₀ ₂,₈₀₀ ₄₉₀ ステアリン 酸 mg ₂₉₀ ₇₁₀ ₄₁ パルミトレイン 酸 mg ₅₈₀ ₉₇₀ ₂₇₀ オレイン 酸 mg ₂,₅₀₀ ₅,₉₀₀ ₂₉₀ リノール 酸 n ₆ mg ₅₃₀ ₂₂₀ ₆₂ α リノレン 酸 n ₃ mg ₁₂₀ ₅₉ ₂₄₀ アラキドン 酸 n ₆ mg ₁₂₀ ₇₁ ₁₅ イコサペンタエン 酸 n ₃ mg ₂₁₀ ₅₈₀ ₈₉ ドコサペンタエン 酸 n ₃ mg ₁₂₀ ₄₅₀ ₃₄ ドコサヘキサエン 酸 n ₃ mg ₄₄₀ ₁,₁₀₀ ₅₈ コレステロール mg ₇₃ ₂₃₀ ₈₃ ウナギ( 養 殖 ) アユ( 天 然 ) データは 日 本 食 品 標 準 成 分 表 ₂₀₁₀ ₂₁₈(₇₀)
かに ₅ 県 のみである ナマズ 資 源 の 保 護 増 加 のために, かつてナマズの 郷 土 料 理 が 存 在 した 県 すべてに 漁 業 権 魚 種 としての 指 定 を 拡 大 することも 提 案 したい ナマズには 食 材 としての 価 値 だけではなく, 郷 土 の 伝 統 料 理 としての 価 値 があり,ナマズ 食 文 化 というものが 存 在 する 滋 養 強 壮 や 産 後 の 肥 立 ちによいとか,ハレの 日 のごちそうとか,ナマズを 食 することがステータスシ ンボルになっていたり,その 薬 効 が 宣 伝 されたり,いず れも,ナマズを 尊 重 する 意 味 づけがなされ, 大 事 にされ てきた 身 近 な 生 き 物 を 食 する 文 化 というのは 一 朝 一 夕 にできるものではない 現 代 のように 食 材 が 世 界 各 地 か ら 供 給 される 時 代 にあっても, 同 じ 土 地 に 生 きる 生 き 物 を 食 べて 生 命 をつなぐという 郷 土 料 理 は 食 の 原 点 である 思 う また, 泥 の 中 のプランクトンを 餌 にしてしたたか に 生 息 するナマズの 姿 の 中 に 古 代 からの 人 々は 強 力 な 生 命 力 を 感 じ,ナマズのその 生 命 力 をいただくという 意 味 において, 食 文 化 として 定 着 したのではないだろうか ナマズ 食 文 化 は, 同 じ 河 川 の 食 文 化 であっても 山 紫 水 明 な 日 本 の 河 川 の 清 流 に 釣 り 糸 を 垂 れるアユやアマゴの 食 文 化 とは 異 なる ナマズは 下 流 の 泥 の 中 に 生 きる 洪 水 から 集 落 を 守 る 堤 防 で 囲 まれた 輪 中 でも 有 名 な 濃 尾 平 野 の 長 良 川, 木 曽 川, 揖 斐 川 という 三 川 が 合 流 する 河 口 近 くの 三 角 州 地 帯 に, 現 世 ご 利 益 商 売 繁 盛 のお 千 代 保 稲 荷 がある 通 称 おちょぼさん と 呼 ばれるその 参 道 に は 今 日 でも 十 軒 ほどの 川 魚 料 理 の 店 が 軒 を 連 ね,ユーモ ラスなナマズの 看 板 が 参 拝 客 をナマズ 料 理 に 誘 う ナマ ズの 生 命 力 は, 商 人 や 民 衆 にとっては 困 難 にもめげず 泥 の 中 のような 混 迷 の 時 代 でも 生 き 延 びる 活 力 にもつなが り, 珍 重 されてきたのであろう 筆 者 は,ナマズ 食 文 化 は 生 命 力 の 礼 讃 であると 考 える 日 本 においても 世 界 においても, 形 は 変 わっても 通 じる ものは 共 通 である 日 本 各 地 に 伝 わるその 地 方 固 有 のナ マズの 食 文 化 が 消 滅 しないうちに,ナマズ 食 の 伝 統 と 文 化 を 確 認 し 未 来 へ 継 承 するためにこの 資 料 が 一 助 となる ことを 願 っている 謝 辞 本 稿 を 作 成 するにあたり, 慶 應 義 塾 大 学 三 田 メディア センター 貴 重 書 室, 真 道 重 明 ( 元 東 南 アジア 漁 業 開 発 セ ンター 事 務 局 次 長 ), 深 川 慎 吾 ( 古 代 学 協 会 客 員 研 究 員 ), Wolf Jan( 語 学 学 校 主 宰 ), 望 月 宏 充 ( 郷 土 史 家 ) 敬 称 略 には, 多 大 なるご 協 力 をいただき 感 謝 申 し 上 げる 特 に, 真 道 重 明 先 生 には,FAO Fishstat の 世 界 データのナマズ 目 の 養 殖 生 産 および 種 名 を, 日 本 語 版 エクセルにエクス ポートして 絞 り 込 み 調 整 し, 作 成 していただいたことを 感 謝 したい また, 岐 阜 県 農 政 部 農 政 課 水 産 振 興 室 中 居 裕 氏 には, 岐 阜 県 のナマズについて 資 料 を 提 供 していた だいたことに 感 謝 したい 文 献 ₁ ) Tomoda Y: Two new catfishes of the genus Parasilurus found in Lake Biwa-ko. Memoirs of the college of Science, University of Kyoto, Series B, 18(₃), ₃₄₇ ₃₄₅(₁₉₆₁) ₂ ) 友 田 淑 郎 : 日 本 の 野 生 動 物 ₁₀ 進 化 の 秘 密 をさぐる 琵 琶 湖 とナマズ, 汐 文 社, 東 京 (₁₉₇₈) ₃ ) 水 産 庁 : 霞 ヶ 浦 におけるペペレイとアメリカナマズの 生 態 調 査, 及 びワカサギ,モクズガニ,カマキリ,カジカとヨー ロッパウナギの 養 殖 技 術 開 発, 新 養 殖 技 術 開 発 事 業 報 告 書 ( 平 成 ₁₂~₁₅ 年 度 ), 新 魚 種 開 発 協 会 (₂₀₀₄) ₄ ) 田 崎 志 郎, 金 澤 光 :ナマズの 養 殖 技 術, 新 魚 種 開 発 協 会, 緑 書 房, 東 京 (₂₀₀₁) ₅ ) 水 産 庁 : 新 魚 種 養 殖 技 術 開 発 事 業 報 告 書 コレゴヌス, ナマズ,カジカ,ペヘレイ, 大 型 ザリガニの 養 殖 技 術 開 発, ₂₃ ₅₁(₂₀₀₀) ₆ ) 水 産 庁 : 日 本 の 希 少 な 野 生 水 生 生 物 に 関 する 基 礎 資 料, ₃₉₉ ₄₀₅(₁₉₉₄) ₇ ) 岐 阜 県 農 政 部 水 産 課 : 岐 阜 県 の 水 産 業,p.₄₀(₂₀₁₁) ₈ ) 滋 賀 県 立 琵 琶 湖 博 物 館 編 : 近 江 文 庫 ₂₆ 鯰 魚 と 文 化 の 多 様 性,サンライズ 出 版, 滋 賀,p.₁₇₃(₂₀₀₃) ₉ ) 岐 阜 県 : 岐 阜 県 広 報 平 成 ₂₅ 年 ₅ 月 ₃₁ 日 号 外 ( ₂ ),(₂₀₁₃) ₁₀) 川 那 部 浩 哉, 水 野 信 彦 編 監 修 : 山 渓 カラー 名 鑑 日 本 の 淡 水 魚 [ 特 装 版 ], 山 と 渓 谷 社, 東 京,p.₄₁₂ ₄₂₁(₁₉₉₀) ₁₁) 高 井 則 之 : ビワコオオナマズの 基 礎 生 態 に 関 する 研 究, エコフロンティア, 2,₄₈(₁₉₉₉) ₁₂) 前 畑 政 善 :びわ 湖 の 魚 介 びわ 湖 の 専 業 漁 撈 琵 琶 湖 総 合 開 発 地 域 民 俗 文 化 財 特 別 調 査 報 告 書 Ⅱ, 滋 賀 県 教 育 委 員 会, ₁₇ ₁₈(₁₉₈₀) ₁₃) 宮 本 真 二 編 : 鯰 魚 がむすぶ 琵 琶 湖 と 田 んぼ, 滋 賀 県 立 琵 琶 湖 博 物 館, 滋 賀,p.₂₁,₃₁,₃₆,₃₇,₄₀,₄₂,₁₄₄, ₁₄₇ ₁₅₀(₂₀₀₁) ₁₄) 日 本 の 食 生 活 全 集 徳 島 編 集 委 員 会 編 : 日 本 の 食 生 活 全 集 ₃₆ 聞 き 書 徳 島 の 食 事, 農 山 漁 村 文 化 協 会, 東 京,p.₂₄₈ ₂₅₀(₁₉₉₀) ₁₅) 城 島 町 教 育 委 員 会 編 : 城 島 町 史 蹟 遺 跡 文 化 財, 城 島 町 教 育 委 員 会, 福 岡,p.₅₇₃ ₅₇₄(₁₉₉₀) ₁₆) 大 木 町 誌 編 纂 委 員 会 編 : 大 木 町 誌, 大 木 町 誌 編 纂 委 員 会, 福 岡,p.₁₁₈₆(₁₉₉₃) ₁₇) 丸 岡 町 教 育 委 員 会 編 : 丸 岡 町 の 民 話 と 伝 説, 丸 岡 町 民 憲 章 推 進 協 議 会, 福 井,p.₅₃(₁₉₇₅) ₁₈) 前 掲 書 ₈ ),p.₁₂₈ ₁₃₅(₂₀₀₃) ₁₉) 熊 本 日 日 新 聞 編 集 社 編 集 : 新 阿 蘇 学, 熊 本 日 日 新 聞 社, 熊 本,p.₄₁(₁₉₈₇) ₂₀) 小 早 川 みどり, 奥 山 茂 美 : 古 琵 琶 湖 層 群 伊 賀 油 日 累 層 産 のナマズ 族 魚 類 の 化 石 について, 瑞 浪 市 化 石 博 物 館 研 究 報 告, 11,₁₀₇ ₁₁₀(₁₉₈₄) ₂₁) 宮 本 真 二 : 縄 文 時 代 以 降 のナマズの 分 布 変 化. 鯰 ナマズ イメージとその 素 顔 ( 川 那 部 浩 哉 監 修, 前 畑 政 善, 宮 本 真 二 編 ), 八 坂 書 房, 東 京,p.₃₉(₂₀₀₈) ₂₂) 馬 淵 和 夫, 国 東 文 麿, 今 野 達 校 注 訳 : 日 本 古 典 文 学 全 ₂₃ 今 昔 物 語 集 三, 小 学 館, 東 京,p.₁₃₂ ₁₃₆(₁₉₈₉) ₂₃) 澁 谷 一 成 : 山 科 家 の 日 記 から 見 た 一 五 世 紀 の 魚 介 類 の 供 給 消 費 日 本 中 世 魚 介 類 消 費 の 研 究 一 五 世 紀 山 科 家 の 日 記 から, 琵 琶 湖 博 物 館 研 究 調 査 報 告,25,₁₈,₂₃,₃₀, ₁₀₅(₂₀₁₀) ₂₄) 殿 南 直 也 : 蓮 如 上 人 子 守 歌 をめぐって, 解 釈 と 鑑 賞, (₇₁)₂₁₉
Vol. No. 63(₁₀),₉₃(₁₉₉₈) ₂₅) 塙 保 己 一 編 纂 : 武 家 部 十 四 宗 五 大 艸 紙 郡 書 類 従 卷 第 四 百 十 三, 群 書 類 従 第 二 十 二 輯, 武 家 部, 八 木 書 店, 東 京, p.₅₈₀(₁₉₈₉) ₂₆) 平 野 雅 章 編 : 料 理 物 語. 日 本 料 理 秘 伝 集 成 第 ₁ 巻 日 本 料 理 法 秘 伝 Ⅰ, 同 朋 舎 出 版, 京 都,p.₂₃(₁₉₈₅) ₂₇) 島 田 勇 雄 訳 注 : 本 朝 食 鑑 ₃, 平 凡 社, 東 京,p.₃₅₃(₁₉₇₈) ₂₈) 矢 野 宗 幹, 河 本 寿 之 校 註 : 大 和 本 草 第 ₂ 冊, 有 明 書 房, 東 京,p.₈₃(₁₉₈₀) ₂₉) 平 野 雅 章 編 : 四 條 家 高 嶋 氏 撰 当 流 節 用 料 理 大 全. 日 本 料 理 秘 伝 集 成 第 ₃ 巻 日 本 料 理 法 秘 伝 Ⅲ, 同 朋 舎 出 版, 京 都,p.₆₁,₈₀ ₈₁(₁₉₈₅) ₃₀) 中 村 璋 八, 佐 藤 達 全 編 : 小 野 蘭 山 : 飲 膳 摘 要. 日 本 料 理 秘 伝 集 成 第 ₁₇ 巻, 食 品 食 物 学 食 医 学 同 朋 舎 出 版, 京 都, p.₁₃₈(₁₉₈₅) ₃₁) 前 掲 書 ₂₁), 北 原 糸 子 : 本 草 学 のナマズから 鯰 絵 の 鯰 へ, p.₆₈ ₆₉ ₃₂) 前 掲 書 ₂₁),p.₇₂ ₃₃) 磯 直 道 : 江 戸 の 俳 諧 にみる 魚 食 文 化, 成 山 堂, 東 京,p.₉₄ (₂₀₀₆) ₃₄) 図 録 東 海 道 張 交 圖 會, 東 海 道 広 重 美 術 館, 東 京,p. ₄ (₁₉₉₄) ₃₅) 松 尾 四 郎 : 史 話 と 伝 説 富 士 郡, 松 尾 書 店, 静 岡,p.₅₈ ₅₉(₁₉₅₈) ₃₆) 大 阪 府 : 大 阪 府 誌 第 三 編,p.₁₁₆₀,₁₁₆₃,₁₁₆₆(₁₉₀₃) ₃₇) 小 松 和 彦 : 民 衆 の 記 憶 装 置 としての 鯰 絵. 鯰 絵 震 災 と 日 本 文 化 ( 宮 田 登 高 田 衛 監 修 ), 里 文 出 版, 東 京,p. ₅, ₄₇,₁₁₇ ₁₁₈,₂₃₅ ₂₃₇,₃₅₅ ₃₅₆(₁₉₉₅) ₃₈) 萩 生 田 憲 昭 :いにしえの 人 々はナマズをどのように 表 現 していたのか?. 真 道 重 明 ( 元 東 南 アジア 漁 業 開 発 センター 事 務 局 次 長 )ホームページ,http://home.att.ne.jp/grape/ shindo/mougoa.htm, ₄ 月 ₁ 日 付 投 稿 (₂₀₁₂) ₃₉) 木 村 重 : 魚 紳 士 録, 緑 書 房, 東 京,p.₂₃₁(₁₉₈₃) ₄₀) 国 際 農 林 業 協 働 協 会, 嶋 津 靖 彦 翻 訳 : 世 界 漁 業 養 殖 業 白 書 ₂₀₁₀( 日 本 語 要 約 版 ), 国 際 農 林 業 協 働 協 会, 東 京,p.₄₆, ₅₀(₂₀₁₁) ₄₁) Richard Schweid: Catfish and Delta, Ten Speed Press Berkeley, California, p.₁₇₇ (₁₉₉₂) ₄₂) John Langridge: The Complete Book of the Giant Catfish, The Medlar Press Ellesmere, p.₁₁ (₂₀₀₉) ₄₃) 萩 生 田 憲 昭 :ナマズにみる 象 徴 表 現 古 代 エジプト 文 明 と 現 代 アフリカの 種 族 を 例 として,JANES ニュースレ ター,12,₁₆ ₁₈(₂₀₀₄) ₄₄) Ingrid Gamer-Wallert: Fische und Fischkulte im Alten Ägypten, Otto Harrassowitz, Wiesbaden, S. ₉ (₁₉₇₀) ₄₅) 前 掲 書 ₄₄),S.₁₄₀ ₄₆) Douglas J.Brewer, Renée F.Friedman: Fish and Fishing in Ancient Egypt, Aris & Phillips, Warminster, England, p.₂ (₁₉₈₉) ₄₇) Susan Tower Hollis:The Ancient Egyptian Tale of Two Brothers, University of Oklahoma Press, Norman and London, ₁₁₁ ₁₁₂ (₁₉₉₀) ₄₈) Ghaliougui, P: The Ebers Papyrus, Academy of Scientific Research and Technology, Cairo, p.₁₆₈ (₁₉₈₇) ₄₉) 島 崎 三 郎 訳 :アリストテレス 全 集 ₈ 波 書 店, 東 京,p.₅₁(₁₉₆₉) 動 物 誌 第 ₃₀ 章, 岩 ₅₀) 丹 下 和 彦 : 食 べるギリシア 人 古 典 文 学 グルメ 紀 行, 岩 波 書 店, 東 京,p.₈₇ ₈₈(₂₀₁₂) ₅₁) 柳 沼 重 剛 編 訳 : 食 卓 の 賢 人 たち, 岩 波 書 店, 東 京,p.₉₅, ₄₂₂,₄₂₇(₁₉₉₂) ₅₂) 前 掲 書 ₅₁),p.₄₂₂ ₅₃) 中 野 定 雄, 中 野 里 美, 中 野 美 代 訳 :プリニウスの 博 物 誌 第 Ⅰ 巻, 雄 山 閣 出 版, 東 京,p.₄₀₂(₁₉₈₆) ₅₄) 前 掲 書 ₅₃), 第 Ⅲ 巻,p.₁₃₁₄ ₁₃₁₅,₁₃₂₀ ₁₃₂₂(₁₉₈₆) ₅₅) 小 川 鼎 三 ほか 編, 鷲 谷 いづみ 翻 訳 :ディオスコリデスの 薬 物 誌,エンタプライズ, 東 京,p.₁₂₉(₁₉₈₃) ₅₆) Catfish Slimeʼs Healing Agents: The New York Times MEDICAL SCIENCE, Tuesday, January ₂₆ (₁₉₈₈) ₅₇) 馬 場 幽 閑 : 食 物 和 解 大 成. 食 物 本 草 本 大 成 第 ₁₁ 巻 ( 上 野 益 三 監 修, 吉 井 始 子 編 ), 臨 川 書 店, 京 都,p.₄₄(₁₉₈₀) ₅₈) 市 橋 鐸 : 俗 信 と 言 い 伝 え, 泰 文 堂, 名 古 屋,p.₁₈₂(₁₉₇₀) ₅₉) 井 村 宏 次 監 訳, 聖 ヒルデガルト 研 究 会 訳 : 聖 ヒルデガル トの 医 学 と 自 然 学,ビイングネット プレス, 相 模 原, ₇ ₈,₂₁₉ ₂₂₀(₂₀₀₂) ₆₀) コンラート ゲスナ-: 動 物 誌 魚,オンライン デジ タル ファクシミリ, 慶 應 義 塾 大 学 所 蔵,S.₁₈₄(₁₅₉₈) ₆₁) Barbara Rias-Bucher: Die echte Bayerische Küche im Jahreslauf, Südwest Verlag GmbH & Co KG, München, S.₈₀ (₁₉₉₉) ₆₂) キース トマス 著, 山 内 昶 監 訳 : 人 間 と 自 然 界, 法 政 大 学 出 版 局, 東 京,p.₇₅(₁₉₉₇) ₆₃) B. Fries, C. U. Ekström and C. Sundevall: A history of Scandinavian fishes, P.A. Norstedt & soner, Stockholm, オン ライン デジタル ファクシミリ,p.₇₀₂(₁₈₉₂) ₆₄) 前 掲 書 ₄₃),p.₁₈ ₆₅) 安 渓 遊 地 :ザイール 川 とタンガニイカ 湖 漁 撈 民 の 魚 類 認 知 の 体 系,アフリカ 研 究,21, ₂,₁₆,₂₄(₁₉₈₂) ₆₆) 伊 谷 純 一 郎 :トングウェ 動 物 誌, 伊 谷 純 一 郎 原 子 令 三 編, 人 類 の 自 然 誌, 雄 山 閣, 東 京,p.₄₅₈,₄₅₉,₅₁₀(₁₉₇₇) ₆₇) 島 田 勇 雄 ほか 訳 注 : 和 漢 三 才 図 会 ₇, 平 凡 社,p.₁₈₅ ₁₈₆, 東 京,(₁₉₈₇) この 書 物 は 本 草 綱 目 を 引 用 してナマズ の 形 態 効 能 などを 記 す ₆₈) 文 部 科 学 省 科 学 技 術 学 術 政 策 局 政 策 課 資 源 室 : 日 本 食 品 標 準 成 分 表 ₂₀₁₀( 転 載 許 可 済 み) ₆₉) 白 井 展 也 ほか: 天 然 および 養 殖 ナマズの 可 食 部 の 脂 肪 酸 組 成,Nippon Suisan Gakkaishi,65( ₅ ),₈₅₉ ₈₆₈(₂₀₀₀) ₇₀) 片 野 歩 : 魚 はどこに 消 えた? を 救 う,ウエッジ, 東 京,p. ₅,₁₈,(₂₀₁₃) 崖 っぷち, 日 本 の 水 産 業 ₇₁) 勝 川 俊 雄 : 漁 業 という 日 本 の 問 題,NTT 出 版, 東 京,p.₂₀ (₂₀₁₃) ₇₂) 有 路 昌 彦 : 絶 滅 寸 前 ウナギに 代 わるのは,ナマズのかば 焼 き ホントが 知 りたい 食 の 安 全, 日 本 経 済 新 聞 ₂₀₁₃ 年 ₇ 月 ₂₆ 日 ₂₂₀(₇₂)