アイヌ宝物ツクナイ関根達人じめアイヌ宝物役立つゆ価値イヨクペ豪華素晴イコロ美金属飾刀や矢筒ど多イコロ所持者ニシパニシ空パ上長表呼ばイコロ威信財般宝物ちシントコ呼ば行器耳盥柄杓蓋

2014 32

アイヌ宝物ツクナイ関根達人じめアイヌ宝物役立つゆ価値イヨクペ豪華素晴イコロ美金属飾刀や矢筒ど多イコロ所持者ニシパニシ空パ上長表呼ばイコロ威信財般宝物ちシントコ呼ば行器耳盥柄杓蓋付椀オッチケ呼ば膳上並べ4 組杯天目台棒酒箸ど漆器類アイヌ家屋ソパ上座近北側壁沿並べ刀類や矢筒削房後ろ壁吊下げマンロー記録ばトンペ光輝呼ば金属装飾施さイコロ何霊力手触魔除け霊力薄考わざわざんだ屋内安置さ小松訳 2002アイヌ人々時宝物身内内緒深秘蔵特ベラシトミカムイ箆つ宝器意やキロウ角意呼ばアイヌ宝物最重要さ鍬形病人枕元お災払ど霊力家置お祟め普段地室蔵新井石蝦夷志深巌窟秘蔵安ず松前広長松前志アイヌ人々宝物漆器武器武具類基本的和製品古体示ほど貴ば傾向アイヌ伝わ漆器や刀類鎌倉南北朝室町時代製作さやそ真似少金田杉 1943 1 アイヌ嗜好つ小林真人氏アイヌ民族衛府太刀打掛け鎧行器ど接そ実際使わ時代おそアイヌ民族土器化捨転換過程深わろ見方提示北海道開拓記念館 2001 擦化オホーツク化アイヌ化みikor 的存在つ検討宇田川洋氏 ikor 的存在お交易拠点交易ルート明宇田川 2003 本稿史料出土品アイヌ宝物み武器武具実態明そ製作流通関仮説提示 1

⑴ アイヌ宝物 ① 史料見宝物史料現アイヌ宝そ社会的機能つ岩崎奈緒子氏先行研究岩崎1998 元４ 1739 成立さ蝦夷随筆寺沢和田黒田編1979 筆者坂倉源次郎アイヌ和製古器物わち鍔目貫小柄ど刀装具や古蒔絵漆器宝物秘蔵親子兄弟内緒へ隠置ど記寛政３ 1791 菅江真澄松前出発有珠岳登頂経虻田旅際日記蝦夷迺天布利ぞぶシラリカコタン北海道八雲町ウセツベアイヌ家泊際や財貨ひねろねちばめ具ど匜盤耳盥角盥貝桶どめや積みさね外器行器ケマウシシントコ酒入そび壁タンネツフふやつぎちエモシポシヤモシポど平太刀頭巾鉢巻ぜ掛記様々漆器や刀類宝器アイヌ家屋内置様述べ内田宮本編1971 蝦夷島奇観や享和元 1801 東蝦夷地トンベツ十勝郡浦幌町訪蝦夷地御用掛松平忠明随行磯谷則吉記蝦夷道記ばトンベツ長人シリメキシュ経破損激本州伝来緋威打掛け鎧美霊鎧１領含む10数領鎧他タンネップ飾太刀エモシ太刀鎌倉時代行器古様黒漆塗金蒔絵耳盥保有松浦武四郎蝦夷訓蒙図彙秋葉編1997 土人宝物トミカモイ惣称内地刀剣具甲冑類是む甚其次行器貝桶耳盥其余漆器惣而古き貴び新き不悦宝物トミカモイ総称漆器武器武具価値高考古ほど価値高ど確認さ羽後八森出身ノツケシベツ場所通辞や支配人務め加賀伝蔵遺記録類加賀家安政四黒正調ニシベツ川２留網並び領境論争お子モロ場所請負人藤野家河口設置張切網留網川上鮭遡上難渋クスリアイヌニシベツ川天明頃先祖宝差出川口子モロアイヌ買取主張クスリアイヌ子モロアイヌ渡宝列記さ秋葉編 1989 タン子ブ六クスリ村タサニシイムシホ六ヘケレニシイムシウンヘ六イカヨフ六〆 2

タン子ブ三ケウニ村タラケソイムシホ三イムシウンベ三イカヨフ三〆タン子フ弐タツコツトミチャイムシホ弐ヱウンベ弐イカヨフ弐〆イムシホ四トウロ村ラホチタン子フ四ヱウンベ四イカヨフ四史料ばクスリアイヌニシベツ川漁業権買取め子モロアイヌタン子フ太刀イムシホ短刀イムシウンヘ=ヱウンベ刀鞘イカヨフ矢筒各 15 点支払主張主張対子モロアイヌ川売買件クスリ側作話アツケシ役所訴出そ対詰調役喜多野省吾安政 4 18573 月下裁定川売買件つ証拠退けクスリ小使メンカクシ祖父ペケレニシ昔銀細工太刀鞘 1 本銀盃 6 個子モロ四郎左衛門祖父イカシュンテ贈ニシベツ川筋通管理頼んだ事実認定川口張切網漁禁止事実上子モロ側藤野家側敗訴確定件アイヌ宝物刀類や矢筒アイヌ生業根幹河川漁業権対価交換さ示ニシベツ川留網並び領境論争化 10 1813~ 天保 4 1833 頃話子モロアイヌタミシナイ秋ちポンベツへ来梁仕掛けろクスリアイヌコリタメンカクシムンケケ3 人ほ多人番人緒やきタミシナイポンベツへ梁設置訴訟ちけほ場所へ梁け仕方対価アシンベヱムシ太刀 3 本銀覆輪セツバ鍔 3 枚銀細工ヱムシニツ刀柄 3 本差出やそ必要以上過分宝物ど述べお同じ加賀家シベツ名主宅蔵申口クナシリ島セセキ村村長トベブシシベツ有力者娘求婚際金拵ひ網引形太刀宝物婚資出伝承記録さお岩崎氏紹介さ岩崎 1998 3

2 伝承残宝物アイヌ伝承宝物ばば登場特釧路地方カツラコイ釧路市桂恋酋長キリボイエカシ家代々伝わ金黄金鏤め鎧ウライケチャシ釧路市春採チャシや布伏内チャシ阿寒町ポンタッコブチャシ宝物金角つけ甲持トオヤ釧路市遠矢酋長カネキラウコロエカシど甲冑宝物伝承多み宇田川 1981 生き刀妊婦切刀奪わ宝物取返話や人喰刀宝物守ろ話伝わ興味引トイチャシ釧路地方番将乙名春秋桂恋昆布森遠矢どコタン家来乙名熊皮や鷲尾羽ど持させ多献上者シャモ地和人地渡きタンネップ飾太刀やテコロパチ角盥ど宝物や松浦武四郎東蝦夷日誌記さ釧路市トイチャシ関伝承伝承和製太刀や漆器ど宝物数多入手者対和人交易品集荷システム要アイヌ首長層頂点立物語 3 出土宝物出土アイヌ宝物岩陰や地隠伝鍬形宇田川洋氏瀬川拓郎氏兜宇田川氏福士廣志氏鏡宇田川氏検討さ福士 1985 宇田川 2003 瀬川 2009 留萌市海ふさ館 2005 筆者実測材質調査行北海道余市町浜遺跡栄町 1 遺跡札幌市北 1 条西 8 丁目括出土埋納品取上げアイヌ宝物実態確認お金属製品材質分析弘前所蔵エネルギー分散型ハンドヘルド蛍光 X 線分析装置 DELTA Premium 日本電子用非破壊非接触行測定条件 X 線管 :4WRhターゲット管電圧 :40kV 管電流 :200μA 最 X 線照射径 :10mm 測定時間 :20 秒浜遺跡出土品北海道余市町川町字浜位置浜遺跡川遺跡や入舟遺跡余市川河口東へ約 2.2km 海岸線 80mほど離標高 4m 前後低砂丘川砂丘上立地昭和 26 1951 登川流路切替工事伴地表下約 60cm 遺物不時発見さ出土状況詳細不明発見さ遺物陶磁器内耳鉄鍋漆器刀刀装具永楽通寶含む銭鎧どさ松下 1984 発見後工事関係者持ち去現在余市水産博物館余市警察署届けや後日工事関係者余市町教育委員会回収所蔵さおそ部松下亘氏や佐藤矩康氏紹介さ部遺物つ後述栄町 1 遺跡遺物緒保管さめ出土遺跡表記混乱生じ松下 1984 佐藤編 1990 3 お浜遺跡出土品ち刀刀装具つ廣井雄氏鎧つ鈴木友也氏陶磁器つ吉岡康暢氏石井淳平氏各々詳細報告さ佐藤編 1990 吉岡 2001 石井 2003 実測図 4

公表さ兵庫鎖太刀足金物陶磁器だけ今回陶磁器以外遺物つ実測図面掲載浜遺跡胴丸鎧太刀や腰刀刀装具ニンカリ矢筒鍬形装飾用円形金属板国産青磁古瀬戸天目碗漆器内耳鉄鍋永楽通寶出土胴丸鎧胸冠板背面押付冠板脇冠板杏葉小札鞐出土お1 領分み図 1 全体復元図残存部位図 2 部位ご実測図図示胸冠板 1 鏡地薄鉄板上菊唐草銀摺付象嵌銅板重ね鍍金銅製覆輪巡み鉄板腐食失わ鉄板銅板上部覆輪寄打鍍金さ小桜鋲留めさそ下菖蒲銀摺付象嵌横長銅板重ね左右央 3 所二個対鍍金菊笠八双鋲固定左右形やや内寄部分綿噛紐通め二個対孔穿鍍金小刻玉縁鵐目付け背面押付冠板 ⑵ 胸冠板同様鏡地鉄板上菊唐草銀摺付象嵌銅板重ね鍍金銅製覆輪巡お横列打鍍金さ小桜鋲鉄板銅板留め脇冠板 345 基本的胸冠板や背面押付板同じ作や装飾杏葉 6 7 折曲げ自由きせめ上下分お鍍金銅製蝶番繋杏葉冠板同様鏡地薄鉄板上菊唐草銀摺付象嵌銅板重ね鍍金銅製覆輪巡杏葉上半央鍍金銅製菊座据金物打そ打ち出菊座 2 枚重ね上小刻 2 枚置きそ笠鋲留め造小札 14 ~ 32 鉄製頭切付入左右丸碁石頭伊予札鞐 33 銅製鍍金きさみ立挙脇冠板連結脇鞐考鈴木友也氏胴丸鎧銀摺付象嵌施銅製鏡板鉄板上重ね点ど特異造み上製作時期鎌倉南北朝推定佐藤編 1990 太刀刀装具切羽目貫足金物み図 3 1 銅製木瓜形切羽表面み毛彫青海波施 2 銀覆輪銅製木瓜形切羽四方猪目透表面魚子地左右高肉象嵌銀桐配鍍銀施 3 銅製木瓜形切羽四方猪目透表面魚子地上下左右毛彫竜胆施 4 太刀用目貫銀製花形座金頂部鍍銀銅製目釘 5 太刀用目貫銀製花形座金唐草剣透彫表鍍金施さ 6 厳物造太刀付兵庫鎖足金物ず銅製鍍金施さ足金物瓶子形両面上下羽根広げ鶴高肉彫さ永仁 7 1299 針銘有重要化財金銅装鶴丸兵庫鎖太刀熱田神宮蔵酷似 76 組み合帯執紋金具思わ足金物同様銅製羽根広げ鶴意匠み鍍 5

残存部位図 1 北海道余市町浜遺跡出土胴丸鎧復元図筆者作成 6

1c 1e 1d 1b 1a 2b 2c 2a 3 4 5 8 6a 6b 7a 9 11 6c 7b 0 10 cm 1 ~ 7 10 12 14 15 16 17 18 19 13 20 21 22 23 24 25 33 26 27 28 29 30 31 32 0 10 cm 8 ~ 33 図 2 北海道余市町浜遺跡出土胴丸鎧筆者実測 7

1 2 3 4 5 7 8 6 9a 9b 0 10 cm 図 3 北海道余市町浜遺跡出土刀装具 1 ~ 5,7 ~ 9 筆者実測 6 吉岡 2001 転載 8

金施さ 8 太刀用双脚式銅製足金物鍍銀施さ甲羅金花弁形櫓金座花形座小刻座堅菊座重ね 9 腰刀兜金 9a 鏢 9b 銅製どち央猪目透施上下鍬形状縁段高そ鍍銀施廣井雄氏類例至徳 2 1385 正月前参議葉室長宗春日神社奉納さ菱作打刀国宝挙げ石突鏢先春日神社奉納刀やや細そやや時代下見方示佐藤編 1990 図 4-1~4ニンカリ材質銀製 4 銅錫鉛亜鉛合金製 1~3Ω 形ニンカリ恵庭市カリンバ2 遺跡第 Ⅵ 地点 AP-5 墓壙恵庭市教育委員会 2000 厚真町オニキシベ2 遺跡 1 号土壙墓同 3 号土壙墓厚真町教育委員会 2011 恵庭市ユカンボシE 4 遺跡 7 号土坑恵庭市教育委員会 1997 出土カリンバ例国産磁皿 D 群共伴お15 世紀後半 16 世紀前半代与オニキシベ例 1 号土壙墓共伴鍔形シトキ加工さ吹双鳥鏡 12 世紀後葉 ~ 13 世紀前葉やAMS 代測定値み14 世紀代所産みユカンボシ例オニシキベ例同様鍔形シトキ出土お近時期所産み 56 円形薄金属板矢筒鍬形象嵌さ思わ浜遺跡出土陶磁器図 5 国産青磁無端反碗 1 点 1 同雷碗 1 点 2 同蓮弁碗 2 点 34 同端反皿 3 点 5~7 同稜花皿 2 点 89 古瀬戸天目碗後 Ⅳ 新 1 点 10 国産青磁碗 4 点全内底面見込み茶筅擦思わリング状線状痕認め碗 5 点小皿 5 点数致お小皿天目台代わ碗下置き使用可能性考お千歳市美々8 遺跡北海道埋蔵化財センター 1996a1996b1996c 茶筅茶筅擦国産青磁碗 E 類共伴出土お 15 世紀代道央部アイヌ喫茶風習伝わ可能性関根 2011 浜遺跡青磁碗や天目碗アイヌ人々茶碗宝器扱示ろ浜遺跡括出土品胴丸鎧や兵庫鎖太刀吊金具ど鎌倉時代遡含埋納時期陶磁器や永楽通寶み15 世末頃み和人アイヌ交易拠点栄和人居住想定さ余市川河口川遺跡 15 世紀葉断絶迎お浜遺跡時期ず浜遺跡性格つ本州北部地域武士団抗争結果敗武将難逃めご少人数程度財宝的持ち落人現在浜海岸ど着址説松下 1984や川遺跡併存川遺跡取代わ北方交易拠点説吉岡 2001 示さ松下説吉岡説浜遺跡出土品和人残 9

1 2 3 0 2 cm 1 ~ 4 4 5 0 10 cm 56 6 図 4 北海道余市町浜遺跡出土金属製品筆者実測 10

1 4 3 2 5 7 6 8 9 10 0 10 cm 図 5 北海道余市町浜遺跡出土陶磁器石井 2003 転載 11

点共通みき浜遺跡出土品銀製ニンカリや象嵌用円形金属板どアイヌ民族特有遺物含筆者余市アイヌ宝物埋納場所可能性高考栄町 1 遺跡出土品余市町栄町 155 位置栄町 1 遺跡余市川河口東へ約 4km 史跡フゴッペ窟東へ約 200m 砂丘上立地昭和 33 1958 畑拡張作業遺物不時発見さ昭和 37 7 月名取武光氏指導余市町教育委員会余市町郷土研究会発掘調査行わさ報告刊行さおず詳細不明小浜峰藤本 1963 本遺跡出土遺物松下亘氏や佐藤矩康氏紹介さ前述通浜遺跡出土品だ混乱生じ松下 1984 佐藤編 1990 栄町 1 遺跡出土品ち刀刀装具つ廣井雄氏磁つ石井淳平氏各々詳細報告さ佐藤編 1990 石井 2003 実測図公表さ磁み今回磁以外遺物つ実測図面掲載栄町 1 遺跡太刀太刀伴刀装具腰刀そ伴刀装具磁碗出土図 6 12 太刀 1 銅製泥障形鍔銅製切羽 2 枚小切羽 2 枚銅製鎺鍍銀施銅製柄縁金具縁鍍銀施銅製鞘口金具ど刀装具 2 銅製細長銅製木瓜形鍔伴 1 柄縁金具銀メッキみ 3 上下突起有太刀用縁金具 45 太刀用目貫座金透花施さ 6 腰刀用兜金 6a 筒金 6b 銅製鍍銀銀製 7 腰刀用筒金 7a 栗形付材質銅製部鍍銀み 8 腰刀兜金目貫 9a9b 組む兜金銅製側面猪目透高彫菊枝飾加菊花金銀メッキ施兜金先端 2 所孔みそわ草毛彫さ対目貫振菊枝透彫さ肉厚菊花金銀メッキ施さ 10 銅製鐺側面先端葉高彫さお猪目部分金部分的残お鍍金さ可能性 11わゆ口禿磁碗見込み花思わスタンプ有 13 世紀後半 14 世紀前半国製品以上栄町 1 遺跡出土遺物おおそ14 世紀代収複数太刀や腰刀出土おアイヌ墓つ存在可能性否定き8 腰刀鎌倉末期代表的作品知毛利家伝来国宝菊造腰刀毛利博物館蔵匹敵優品イコロ呼ぶふさわ砂地人骨発見さ考慮 12

1a 1b 3 4 2 0 10 cm 12 5 6a 6b 7a 7b 9a 9b 8 10 11 0 10 cm 11 0 10 cm 3 ~ 10 図 6 北海道余市町栄町 1 遺跡出土遺物 1 ~ 10 筆者実測 11 石井 2003 転載 13

アイヌ人々宝物埋納場所考札幌市北 1 条西 8 丁目出土品北海道植物園博物館明治 20 1887 現在札幌市北 1 条西 8 丁目出土鍬形標本番号 33188 星兜同 33189 鎧脇冠板思わ破片同 33187 所蔵さ図 7 4 12 鍬形同じ標本番号 33188 付与さ別個体 1 北海道内出土鍬形集成宇田川氏や瀬川氏取上げ2 全未公表資料宇田川 2003 瀬川 20091 本体木胎鉄板貼飾金具角先端覆金具覆輪銀胴央長形 10.8cm 短径 10.3cm 縦長銀製円板左右鋲留めそ上左右直径 2.5cm 銀製小円板象嵌左右角付け根直径 3.5cm 銀製円板象嵌さそ先幅 0.9cm 前後帯状銀板 2 条直径 2.5cm 銀製小円板交互 4 組配置角先端金具表全面覆裏側縁部分み覆二股分角先端小さ孔角ソケット状差込んだ先端金具鋲留めさ判 21 違厚み鉄本体銀製覆輪け表面央鋲留め直径 2.5 cm1.5cm 銀製小円板残お銀製小円板別 2 直径 7.5cm 鉄製円板付着鉄製円板偶然鉄錆付本来別製品部材考 2つ1 同じ鍬形考管見限形状類例知 3 矧板鋲留式 12 間星兜鉢長径約 21cm 短径約 20cm 高さ14.1cm 眉庇失わ全体形状どめ形状膨み少円形腰巻裾わず開矧板留め鋲鉄塊削作無垢星星数 1 行 67 点み頂辺座央孔直径約 4.5cm 本資料北海道留萌市エンドマッカ現塩見町出土星兜福士 1985 似おそ特徴平安時代後期末期製作さみ 4 鎧脇冠板残欠思わ鉄地内面皮革残存お銀覆輪け角近部分紐通用孔玉縁銀製鵐目付け以上札幌市北 1 条西 8 丁目出土品平安時代後期末期製作さみ厳星兜鎧残欠 2 点鍬形アイヌ人々宝器埋納場所考鍬形製作時期特定き埋納時期世以前可能性高思わ 5 アイヌ人々土埋納考宝物類括出土事例本稿取上げ3ヶ所以外 28 間星兜じめ小札蝦夷太刀 3 点腰刀 2 点日本刀 1 点笄ニンカリど出土深川市納内遺跡例葛西皆川越田 199212 間厳星兜じめ胴丸杏葉青磁碗青龍刀如き刀出土伝留萌市エンドマッカ例福士 1985 兜眉庇刀鍔出土足寄町トブシ例宇田川校訂 1983 鍬形 7 点括出土栗町桜例東京国立 14

2 0 10 cm 12 4 1 3 0 10 cm 34 図 7 北海道札幌市北 1 条西 8 丁目出土遺物筆者実測 15

博物館 1992 横田 2002 瀬川 2009 星兜胴丸残欠太刀出土釧路町頓化鉄道用地例東京国立博物館 1992 ⑵ ツクナイ手印宝刀ツクナイ日本語償由来アイヌ他アイヌや和人与損害や犯罪対宝物賠償行為説明さ多差出さ宝物必ず賠償品相手側没収さ定期間相手側留め置後事態解決回復判断さ段階返さ原則点和人社会償異契約際そ証拠相手宝物渡約束果さ預け置手印ツクナイ手印差出さ宝物種担保近ツクナイや手印つ菊池勇夫氏や岩崎奈緒子氏優先行研究近渡部賢氏シャクシャイン戦終結際ツクナイ起請つ論証行菊池 1991 岩崎 1998 渡部 2007 岩崎氏アイヌツクナイ用宝物筆頭挙げ刀剣類指摘先行研究びつつツクナイや手印出さ宝物実態心検討 1 シャクシャイン戦伴ツクナイ永正 12 1515ショヤコウジ兄弟蜂起享禄 23 1529タカサカシ蜂起天 5 1536タリコナ蜂起どシャクシャイン戦以前和人対アイヌ抗争や天 19 1550 勢田内ハシタイン志利内チコモタイン和睦和人蠣崎氏側宝物用意アイヌ見せ償出どおアイヌ側和人ツクナイ要求さシャクシャイン戦初め菊池勇夫氏指摘非常注目さ菊池 1991 蝦夷蜂起や寛拾狄蜂起集高倉編 1969ば松前藩シャクシャイン戦戦後処理東西蝦夷地アイヌツクナイ出さけば商船派遣旨通告自然ツクナイ出申間敷ふみつぶ可申候脅迫アイヌ提出さツクナイ詳細不明だ高値ヱモシポ二腰き作壹腰壹腰さやん壹腰んちけほ魚類ほ候由めぬき雉子下地銀上金見事見得申候由紫檀製鞘入短刀や魚様毛彫真鍮製鞘入短刀銀地金メッキ雉子形目貫ど和製上手刀類含判明おき作小柾作アイヌ製作彫刻施木製鞘入刀思わ 2 クナシリメナシ戦伴手印寛政元 17895 月飛騨屋久兵衛請負場所起きクナシリメナシ戦鎮圧め松前藩派遣新井田隊攻戦み潔理談鎮定方針手印取交わ道東クナシリ乙名層協力取付け鎮圧後彼松前藩御味方アイヌ乙名層徒党アイヌ差出手印預け地域平和秩序回復委ねさ 16

菊池 2010 新井田隊閏 6 月 7 日十勝川河口オホツナイ豊頃町津到着際メナシおびトカチ地方アイヌ首長層南部下北畑湊村出身アイヌ蜂起負傷通丸水主庄蔵通鎮圧隊差出さ手印松前藩鎮圧隊番頭新井田孫三郎著寛政蝦夷乱取調日記高倉編 1969 記載さ銀覆輪二枚鍔壹枚つふヲヒヌカル銀覆輪貮枚鍔壹枚同所但桐模様ニサフロ銀覆輪貮枚鍔壹枚同所やん但猪獅子模様ノチクサ粕尾壹把つふシツタフカヱモシ壹振同所シヨンコ金覆輪鍔壹枚つけ但菊リミシアイヌヱモシポ壹振ち但竿添シヤムクシテヱモシ壹振ぬ但銀地ゑ模様チヤラアイヌヱモシ壹振ち但至古物セントキ上記手印ちち首長和人殺害首謀者人さホロメキ息子セントキだけ負傷庄蔵助け印差出だ他アイヌ松前藩御味方証手印提出手印内訳鍔 4 枚ヱモシ太刀 3 振ヱモシポ短刀 1 振粕尾矢羽根素材オジロワシ当歳尾羽根 1 把 1 把 =10 尻 =120 枚鍔最多銀覆輪二枚鍔銀覆輪銅製鍔同じ銀覆輪銅製切羽セット本論図参照ろ手印差出さ鍔金や銀覆輪や様透施さお上手和製品みお手印鎮圧後返還さ方寛政蝦夷乱取調日記加賀家安政四黒正調クナシリメナシ戦鎮圧後お詫びめ手印差出アツケシ7 名ノツカマブ6 名クナシリ6 名計 19 名アイヌ名前差出さ品名記さ安政四黒正調ニサフロ記載 17

タン子フ振アツケシ土人エコトヰニシヤハヤレヰモシホ振同人母ヲツケニウタヨハケ同振シモチタン子フ振イニンカリカニウエヱモシホ振シウチヤシクルウタヲハケタン子ブ振ニシコマツケエモシホ振エツトルカタン子ヱモシホ振ノツカマブ土人シヨンコアヱノタン子フ振ノチクサエモシホ振ニサフロエモシホ振ホロヤシャヒシエモシホ振コヱカアヱノカテカ子エモシホ振ハシタアヱノタン子ヱモシホ振クナシリ土人ツキノヱ同振カンタクエムシ振ウテクンテ同振イコリカヤニ同振シコシヤク同振トヘウシ史料クナシリメナシ戦鎮圧後アイヌ差出さ手印全刀類アツケシ乙名イコトイニシコマケノツカマフ乙名シヨンコクナシリ惣乙名ツキノエアツケシバラサン乙名イニンカリシヤモコタン乙名ノチクサ乙名層タン子フわち金物拵太刀アツケシ脇乙名シモチクナシリ脇乙名イコリカヤニエムシわちアイヌ自製木製拵入刀そ以外人々エモシモ短刀差出さお刀類価値高タン子フエムシエモシモ序列確認き注目べき前述鎮圧隊現地入前アイヌ御味方証提出さ手印鍔主対賠償意味合強鎮圧後手印べ刀類点差出さ19 振刀類松前藩永御留さ事実上没収さみ象徴的せ刀狩武装解除的意味合読み取 3 そ他ツクナイ寛政 2 1790 蝦夷国風俗人情沙汰高倉編 1969 最上徳内ラッコ皮鷹羽 18

アシカアザラシ熊皮熊膽ヱブリコ万能薬サルノコシカケ科多生菌等課税役人上乗松前藩アツケシ派遣さ松井茂兵衛クナシリ産偽熊膽巡通詞林右衛門入牢命じ林右衛門救出めアツケシ惣乙名イコトイじめ近郷近在乙名達ツクナイ差出へ深埋め或古木朽椌へ入秘蔵せ陣太刀鞘巻太刀合口短刀其他宝物ど此處善き宝物全自分物松前戻ち松井茂兵衛そ売払金得批判的記そ 1 振 30 両陣太刀述べ余市場所請負人竹屋林家天保 14 1843 詫札之事題古駒木根 2009 運上屋以外出稼和人自家用ニシンニシン子数子笹目ニシン腸鰓混ざ乾燥品商取引下ヨイチアイヌ運上屋出詫び証謝罪証拠差出さ具体的品々判貴重史料史料ば科人乙名ヲシトンコツ銀拵イカエフ矢筒 1 銀拵イムシ太刀 2イムシ小取合 4 計 7 点科人母ケウシ銀フクリン覆輪鍔? 脇乙名イコンリキ小使ホフイ産取科人弟レフン産取イヌヌケ産取ヌケクル平夷人チ子ヘカ5 名各々鍔 1 枚小使カ子ヤイムシホ短刀 1 点産取タサライムシ太刀 1 点産取ヒラトモイカイフ矢筒 1 点ツクナイ問題解決間運上屋預け置ツクナイ科人本人みず所属共同体全体連帯責任役夷人心提出さ家宝太刀短刀鍔矢筒選ば点銀拵銀装定量認め点確認おき以上つ史料ツクナイ手印対象宝物つ検討史料的制約アイヌ人々取交わさツクナイ身つ不明せざ得アイヌ和人対差出さツクナイ手印部分刀類鍔矢筒次ぎ漆器皆無近判明和人相手行わツクナイや手印賠償弁償忠誠服従証明さ約束手形的多様だ当事者加連帯責任そ者所属共同体指導者層負担宝物刀類特選ば特徴げ ⑶ アイヌ刀めぐ習俗アイヌ人々刀類や刀装具時呪術的力持道具考メッカ打ちやニウエン呼ば呪術的舞踏行進刀重要役割果メッカ打ち死者近親者額地方頭背エムシ太刀背血出打つ行事弔客同様打河野 1951メッカ背刀背意味アイヌ語 mekka 由来そ目的身体つ悪神払享保 5 1720 完成新井石蝦夷志登場寛政 11 1799 成立さ秦檍麿筆蝦夷島奇観東 19

京国立博物館蔵メッカウチ図萱野編 199518 頁みお松田傳十郎北夷談アツケシ惣乙名イコトイちちチヤアランケ公事喧嘩仕掛けメッカ打ち負け側償刀脇差袴塗類ど宝物差出させめ東地番宝持称記載見つ久保寺逸彦氏指摘和人太刀メッカ打ちスッ呼ば棍棒制裁混同スッ打ち興行化さ物語佐々木編 2001 凶事おけ悪霊退散や遠帰舟迎場合ど行わ呪術的舞踏行進ニウエン男ち抜身太刀振ざ力込め足踏みめ行進舟上太刀や鑓抜き放ち掛け声激船進めニウエン秦檍麿蝦夷島奇観図谷本 2000229 頁みメッカ打ち同様和人眼奇異映風習ウケウェホムシュ呼ばニウエン起源古正平 11 延元 1356 成立諏訪明神絵詞蝦夷千島戦場臨む際甲冑身固めウケウェホムシュ行人々住ん記さ ⑷ 蝦夷拵太刀腰刀製作流通日本刀著異蝦夷刀つ18 世紀蝦夷地関紀行どカラフト産見方み例ば古ろ元 4 1739 成立さ蝦夷随筆寺沢和田黒田編 1979 筆者坂倉源次郎ヱグシ蝦夷細工カラフト渡銀多き所方銀ざ獣草ど彫物刀八九寸ば赤さび夷殺害事き故刀磨宝物秘置故述べ銀拵蝦夷太刀アイヌ自製カラフト産見方示そ方俗蝦夷後藤呼ば手込んだ刀装具つ昔畿内戦乱避け近江松前渡金工家後藤門アイヌ向け製作今松前やそ周辺姿消奥アイヌ稀伝世品所持述べ天明 8 1783 幕府巡見使随行松前渡古川古松軒東遊雑記藤編 1964 太刀数多何北方遠き島前渡見制違述べ多様蝦夷太刀べカラフト産見方示確ヴェリュ世界図 1562 やオルテリウス太平洋図 1589 北海道島 Isla de Plata 銀島表記さオランダ東インド会社金銀島探検計画 1643 北海道島太平洋オホーツク海沿岸南千島樺太南部東海岸周航フリース船隊航海記録北構 1983カラフトサハリン島タライカ湾沿岸やウルップ島原住民銀拵刀所持記載実際カラフトサハリン島ちろん沿海州お金物装飾富むタイプ蝦夷刀製作さ痕跡全確認き方田沼意次政権天明 56 178586 蝦夷地探検隊見聞記録蝦夷拾 20

遺蝦夷太刀み本朝衛府太刀鞘巻刀ど古物おそ刀身失わお蝦夷後藤呼ば金具古代江州彦根柳川製見さ今エムシアイヌ人々渡松前及秋田淳代等麤鍛冶作鈍鍛ひ述べ琵琶湖湖畔位置柳川松前進出近江商人主要出身地そ意味蝦夷地繋深柳川蝦夷後藤称さ上手刀装具生産さ形跡全確認きずそ可能性低わざ得そ対 18 世紀代松前や日本海交易栄秋田や能代アイヌ向け下手刀や刀装具製作可能性高結論ば木製樹皮巻鞘や柄ど拵やそ付金属板少加工程度き金物類アイヌ人々手だ平造特徴刀身勿論鍔じめ金属製刀装具部分和製考べき問題そ和製だ日本国内ど作どルートアイヌ人々手渡そ答ウイマム呼ば藩主へ御目見儀礼やオムシャ呼ば会所行わ下賜支給儀礼求めき松前藩ウイマム御目見つ検討菊池勇夫氏松前主水広時日記事例挙げアイヌ乙名層代替わ際御目見お行わ松前藩主アイヌ間刀献上下賜や取アイヌ松前藩対忠誠松前藩乙名認知相互確認さ指摘菊池 1991 菊池氏例挙げ元禄 5 16925 月 29 日アツタ酋名乙名シモタカ犬同 6 月 2 日ナコタラヘモネヅシオサルシモ御目見どちアイヌ手印小柾作アイヌ製作彫刻施木製鞘入刀思わ 1 振献上さ藩主松前矩廣エモシポ短刀下賜さ領内住むアイヌウイマム御目見際盛岡藩や弘前藩同様蝦夷刀下賜行わ筆者指摘関根 2007a2007b 寛 5 16657 月行わ南部領下北アイヌ御目見盛岡藩主夷太刀下賜さお盛岡藩雑 : 青森県史資料編近世 1421 頁所収弘前藩享保 9 17242 月 17 日 5 代藩主津軽信寿弘前城武具蔵犾刀二腰取出させ手元置記事藩庁日記国日記見青森県史資料編近世 1557 頁ず藩領内本州アイヌ支配道具犾装束最重要要素蝦夷拵刀管理時下賜示武家社会主従関係確認御目見際刀剣類下賜般的み行為藩主アイヌ乙名層へ蝦夷刀下賜そ延長線上位置づけウイマム本来異社会集団や民族間儀礼的要素含んだ交易や贈答わけ近世幕藩体制成立以前成立以後和人アイヌ関係性き変わシャクシャイン戦アイヌ人々刀類日本刀含むそ交易や贈答形和人入手想定きシャクシャイン戦以降アイヌ人々日本刀入手機会失わ 21

蝦夷刀場合時代遡ば遡ほど交易近時代下つ贈答儀礼的意味合強最終的ウイマムやオムシャ際下賜形定着ろ実際蝦夷地交易品目刀類ほんど確認きず管見松田傳十郎北夷談友 1944 丹交易おけ蝦夷刀交換比率蝦夷刀 1 振 = 北蝦夷地産貂皮 9 枚 = 米 18 升示さ確認どシャクシャイン戦以降基本的蝦夷刀純粋商品交易品般流通可能性指摘おき方藩主松前家や松前藩重臣蝦夷刀保持示資史料ウイマム御目見関史料以外存在伝世品越後黒島阿部家伝わ蝦夷拵腰刀新潟市指定化財挙げ腰刀柄全体鞘両端桐鳳凰高彫銀板包んだ典型的蝦夷拵腰刀江戸後期阿部家当主良伯実弟松前藩医務め際下賜さ新潟市 2002 寛政 10 1798 近藤重蔵村上島之丞北方探検お水戸藩医師木村謙次 1752-1811 北行日録崎編 1983 厚谷新下蝦夷後藤刻刀飾ノ器ヲ示ス牡丹彫金ノスリハゲ銀ノ色ヲアラハシタルモノナリ記述み松前藩近侍番頭や奥用人務め厚谷新下貞政蝦夷後藤称さ牡丹高彫さ上手銀製刀装具保持判江戸時代本州そ蝦夷刀や蝦夷拵製作形跡全確認きそ主生産地松前城下考妥当ろ青森市浪岡城跡や青森県八戸市根城跡蝦夷拵用思わ質劣太刀鍔鋳型発見さお関根 2007a2007b 戦国期道南松前上之国下之国周辺加北奥主要世城館やそ城下アイヌ向け刀や刀装具作みだろ方京作上手刀装具日本海交易北海道島や北奥運ば後アイヌ人々蝦夷拵組み立みおわアイヌ人々本州渡来古武器武具やそ写宝物珍重時そ道具社会様々問題解決術機能様アイヌ社会観察機会得和人眼奇異映紀行ど記録さ方世和人社会お国産倣古銅器や高級陶磁器類座敷飾や茶道具珍重さ名物茶道具破格値付き武功対恩賞ど特別扱受け例ば日本社会鎌倉時代以降ず国産天目茶碗対需要国天目茶碗生産衰退明代以降国宋や元代作古物輸入さ瀬戸窯ど古唐物天目碗模製品作続けそ本州武器武具太刀や鎧胴丸廃後アイヌ人々そ求め続け姿重日本武家社会宋風宗教 22

化根差唐物良アイヌ社会世前期和製武器武具好続け本稿和人き留め古記録類や出土資料通アイヌ宝物頂点和製武器武具やそ写そアイヌ社会和人関わ合集団関係円滑化機能持確認そ価値観出土品みアイヌ化成立期遡可能性高古記録 19 世紀至長保持さ続け判明本稿アイヌ刀類彼手木製金属板簡単加工加刀装具除き基本的和製古交易品時代下つ贈答儀礼品最終的ウイマムやオムシャ際下賜品見方示京作上手製品除き蝦夷刀蝦夷拵主生産地世上之国下之国や津軽南部津軽海峡周辺域近世松前城下推定今後松前城下発掘調査進み松前金属加工実態解明さ期待謝辞本研究関根研究代表者 JSPS 科研費 22242024 助成受け浜遺跡栄町 1 遺跡出土品調査乾芳宏氏余市町教育委員会札幌市北 1 条西 8 丁目出土品調査加藤克氏北海道北方生物圏フィールド科センターそぞお世話史料解読小田桐睦弥さん弘前特別研究員ご教示得図版作成舛谷顕氏弘前卒業生佐藤里穂さん弘前生協力得末筆記感謝申上げ註 1 例ば東北歴史博物館所蔵杉寿栄男氏旧蔵重要化財長覆輪太刀北海道沙流郡同じ銀蛭巻太刀樺太東多来加現ロシア連邦サハリン州ポロナイスキー区プロムィスロヴォーエ収集さ東北歴史博物館 2001 2 摩周湖南東西別岳源発根釧台地経別海オホーツク海そそぐ西別川サケ名産地知そ獲サケ西別鮭評価高 3 栄町 1 遺跡刀や鎧出土報受け名取武光氏調査行出土状態不自然さ感じ沢口清氏第発見者確認ろ正式調査前発見ささ刀鎖鎧実浜遺跡発見さ明佐藤 1992 4 星兜鍬形出土地つ加藤克氏詳細検討札幌市北 1 条西 8 丁目突き止め加藤 2001 5アイヌ鍬形編行瀬川拓郎氏アイヌ鍬形 17 世紀成立札幌市北 1 条西 8 丁目出土鍬形本論図 7-1 代 Ⅲ 群 19 世紀前半瀬川氏考正 23

鍬形作明治 20 1887 発見さ50 前後土そ場合緒掘出さ12 間厳星兜図 7-3や鎧脇冠板同 4 代け離到底括埋納資料みせ同じ場所同時宝器出土以上括埋納遺物み自然瀬川氏材質つ銅亜鉛合金真鍮鉄へ変化真鍮国内生産始 17 世紀上限筆者考方反対鍬形限ず17 世紀以前アイヌ金属製品刀子矢筒鉄地銀装飾多み鍬形関札幌市北 1 条西 8 丁目出土鍬形本論図 7-12 鉄地や木胎鉄板貼銀象嵌古真鍮製新考べき引用献青森県 2001 青森県史資料編近世 1 近世北奥成立北方世界秋葉実編 1989 北方史史料集成 2 加賀家北海道出版企画センター厚真町教育委員会 2011オニシキベ2 遺跡石井淳平 2003 栄町遺跡浜遺跡出土世陶器つ余市水産博物館研究報告 61 6 頁岩崎奈緒子 1998 日本近世アイヌ社会校倉房宇田川洋 1981アイヌ伝承砦北教養選 3 北海道出版企画センター宇田川洋校訂 1983 河野常吉ノート考古編 2 北海道出版企画センター宇田川洋 2003アイヌ化形成過程めぐ試論国立歴史民俗博物館研究報告 107217 250 頁内田武志宮本常編 1971 菅江真澄全集 2 未来社恵庭市教育委員会 1997ユカンボシE4 遺跡恵庭市教育委員会 2000カリンバ2 遺跡第 Ⅳ 地点友喜作 1944 北夷談北蝦夷図説東蝦夷夜話北光房葛西智義皆川洋越田賢郎 1992 深川市納内遺跡出土遺物つ北海道考古 28 北海道考古会 19 35 頁加藤克 2001 北海道農部博物館所蔵考古資料 ⑴ 北植物園研究紀要 1 北海道北方生物圏フィールド科センター植物園 19 34 頁萱野茂編 1995アイヌ民族写真絵画集成 1 祭礼日本図センター菊池勇夫 1991 北方史近世日本校倉房菊池勇夫 2010 十八世紀末アイヌ蜂起 -クナシリメナシ戦サッポロ堂店北構保男 19831643 アイヌ社会探訪記 -フリース船隊航海記録 - 雄閣出版金田京助杉寿栄男 1943アイヌ芸術 3 金工漆器篇第青社河野広道 1951アイヌ話河野広道著作集 Ⅱ 続北方化論再録小浜基次峰巌藤本英夫 1963 有珠善光寺遺跡北海道化特集号北海道化財保護協会 24

38 ~ 124 頁駒木根恵蔵 2009ヨイチ場所アイヌ出稼和人取引つ北資料 127 資料語北海道歴史講演会講演録北海道立図館佐々木利和編 2001 久保寺逸彦著作集 1アイヌ民族宗教儀礼草風館佐藤矩康編 1990 鉄器語余市化財佐藤奨会佐藤矩康 1992 埋余市宝物北海道化財保護協会瀬川拓郎 2009 宝王誕生 -アイヌ宝器鍬形起源めぐ型式的検討 - 北海道考古 45 北海道考古会 1~ 14 頁関根達人 2007a 本州アイヌ生業習俗北奥社会北方社会史視座 1 清堂 217 ~ 250 頁関根達人 2007b 本州アイヌ考古的痕跡アイヌ化成立変容法政国際日本研究所 797 823 頁榎森進小口雅史澤登寛聡編 2008b 北東アジアアイヌ世界岩田 317 ~ 343 頁再録関根達人 2011 出土茶道具仏具み蝦夷地内国化 - 平成 22 度北海道北斗市矢不来館跡発掘調査踏 - 日本考古協会第 77 回総会研究発表要旨 7273 頁高倉新郎編 1969 日本庶民生活史料集成 4 三房谷本之 2000アイヌ絵聴北海道図刊行会寺沢和田敏明黒田秀俊編 1979 北方未公開古集成 1 叢社東京国立博物館 1992 東京国立博物館図版目録アイヌ民族資料篇東京美術東北歴史博物館 2001 杉コレクションアイヌ関係資料図録新潟市 2002 新潟市化財新潟歴史双 6 北海道開拓記念館 2001 知ざ世北海道 -チャシ館謎せ- 開館 30 周記念事業第 52 回特別展図録北海道埋蔵化財センター 1996a 美沢川流域遺跡群 ⅩⅧ 北海道埋蔵化財センター調査報告 102 北海道埋蔵化財センター 1996b 美沢川流域遺跡群 ⅩⅨ 北海道埋蔵化財センター調査報告 113 北海道埋蔵化財センター 1996c 美沢川流域遺跡群 ⅩⅩ 北海道埋蔵化財センター調査報告 114 福士廣志 1985 北海道留萌市出土星兜鉢おび杏葉残欠つ考古雑誌 71-1 日本考古会 88 ~ 103 頁松下亘 1984 北海道出土国陶磁北海道研究 2 考古篇 Ⅱ 清堂 271 305 頁崎栄作編 1983 北行日録横田直成 2002 栗町桜出土鍬形北海道化 74 北海道化財保護協会 115 ~ 129 頁吉岡康暢 2001 北方世史川遺跡川遺跡おけ考古的調査 Ⅳ 余市町教育委員会 401 ~ 448 頁留萌市海ふさ館 2005 海峡越き武具 - 世蝦夷地第 17 回特別展図録渡部賢 2007ツクナイ起請アイヌ化成立変容法政国際日本研究所 531 25

564 頁榎森進小口雅史澤登寛聡編 2008b 北東アジアアイヌ世界岩田 151 ~ 184 頁再録 26

敦煌諸石窟ウイグル語題記銘關箚記二松井太じめ敦煌地域諸石窟莫高窟, 楡林窟, 東千佛, 西千佛ど殘さ石窟壁畫, 漢語チベット語西夏語ウイグル語モンゴル語ど諸語銘記さ筆者, 諸語銘ち, 西曆 10~14 世紀屬古代ウイグル語おび13~14 世紀モンゴル時代屬モンゴル語銘資料繼續的調査銘資料,10~14 世紀敦煌地域歷史, 敦煌諸石窟心ウイグル佛教徒信仰や巡禮態樣解明め貴重次資料, 筆者調査成果部紹介前稿 [ 松井 2013] 示通本稿, 前稿引き續き, 間筆者ウイグルモンゴル題記資料調査成果, 歷史學的重要情報提供目的お, 前稿比較參照便鑑み, 節番號前稿連續させ 5. 莫高窟第 409 窟ウイグル王供養人像傍題敦煌歷史お, 西曆 11 世紀初頭 ~ 葉, 敦煌沙州ウイグル勢力支配さ時期わち沙州ウイグル期畫期, 歷史學美術史雙方立場ほぼ承認さ, 沙州ウイグル, 東部天地方據點西ウイグル王國傘下集團,そ西ウイグル獨立王國形成點つ, 學界お論爭續沙州ウイグル槪念じめ提唱森安孝夫, 現在國學界優勢沙州ウイグル獨立王國説, 多數論據擧げつつ批判, 沙州ウイグル貫西ウイグル王國傘下主張 [ 森安 2000; 森安 2011, pp. 527-529]そ所論おおむね肯綮考だ, 森安論據つ, 沙州ウイグル期屬敦煌諸石窟供養人像裝束,トゥルファン地域西ウイグル時代佛教石窟描ウイグル供養貴人像裝束ほぼ致點 [ 森安 2000, p. 25; 森安 2011, pp. 527-529; cf. 謝靜謝生保 2007, p. 82; 竺小恩 2012], 西ウイグル政治的離反獨立集團, 化要素西ウイグル裝束そ襲 27

用得, 供養人像裝束致, 沙州ウイグル西ウイグル傘下決定づけ論據現在敦煌學界沙州ウイグル獨立王國説代表楊富學, 装束致關森安指摘認めつつ, 肖像西ウイグル獨立沙州ウイグル王國君主貴人ちみ[e.g., 楊富學 2013, p. 269] 問題解決め, 沙州ウイグル期石窟ウイグル供養貴人像付さ傍題彼人名や稱號讀み取, 西ウイグル諸種獻みウイグル支配層人物同定, 直接的手提供ず森安沙州ウイグル期石窟楡林窟第 39 窟前室甬道北壁, 莫高窟第 148 窟甬道第 409 窟, 西千佛第 13 窟傍題銘解讀,そ試み環, 殘念, 供養貴人像所屬決定づけ情報お得 [ 森安 2011, pp. 523-529] 對, 筆者, 森安及楡林窟第 39 窟前室甬道南壁ウイグル男性供養貴人像傍題イル=オゲシil ögäsi, 宰相サングン=オゲ=ビルゲ=ベグsangun ögä bilgä bäg 解讀つつ,そちサングン=オゲsangun ögä 西ウイグル王國沙州將軍相當稱號可能性,おび人名ビルゲ=ベグbilgä bäg 西ウイグル時代ウイグル語み同名宰相 il ögäsi 同定さ可能性提示お[ 松井 2013, pp. 30-33] さ筆者,2013 12 月 24 日, 莫高窟第 409 窟主室東壁南側描ウイグル王 1 像圖版 1 傍題再調査,わず問題解明つ情報得ウイグル王前方北側 = 向左側, 上下約 132 cm, 幅約 10.5 cm 區畫區畫,ウイグル王像人物同定め傍題使用さ確實そ, 傍題上約 52 ~ 65 cm 部分, 右模寫銘 2 行判讀きそ解読以下通銘 5: 莫高窟第 409 窟, 主室東壁南側, 先頭ウイグル王供養人像北側傍題 01 il alsran xan イル=アルスラン=ハン 02 män sävgi ---- 私セヴギ This portrait is of İl-Arslan-qan. I, Sävgi? wrote this? 1 供養貴人像長西夏王みさき,やトゥルファン地域西ウイグル供養貴人像裝束致沙州ウイグル期描ウイグル王み見解, 現在ほぼ承認さ[ 森安 1982; 森安 2000, p. 22; Russel-Smith 2005, pp. 69-70, 231-232; 謝靜謝生保 2007, p. 82; 森安 2011, p. 524; 竺小恩 2012] 28

森安孝夫筆者,つ2006 現地調査お, 第 1 行冒頭イルil ~ el:,ひび, 部衆, 國家語判讀 2 後續 alsran = ʼʼLSRʼN, 獅子,ライオン意味古ウイグル語 arslan = ʼʼRSLʼN 語 -L- 字フック添加位置誤周知通,ハンxan ~ Mong. qan 君主, 王意味第 2 行 män = MN 明瞭, 後續語不鮮明假 sävgi ~ sävigi < sävig, sävgü < sävüg 轉寫, 題記筆者人名みおだ,ŠʼČW = šaču 沙州敦煌讀ん, 題記筆者出身地示可能性否定き以降, 墨摩滅判讀不可能以上, 傍題銘イル=アルスラン=ハンil arslan xan,ウイグル國獅子王意味稱號知, 漢資料西ウイグル西州回鶻亀茲回鶻國王ばば師子王稱さ 3 西曆 981 北宋遣使き西ウイグル王稱號西ママ州外生師子王阿廝蘭漢ち, 末尾阿廝蘭漢 arslan xan 音寫, 先行師子王そ漢譯考同西ウイグル王,トゥルファン出土ウイグル語獻 arslan bilgä tängri ilig 獅子ご勇猛賢明天王及さ1020 北宋朝貢亀茲王わち西ウイグル王可汗師子王智海稱お,そウイグル語正式稱號 kün ay tngridä qut bulmïš uluγ qut ornanmïš alpïn ärdämin il tutmïš alp arslan qutluγ köl bilgä tngri xan 日神月神天寵得, 天寵受け, 勇猛さ果敢さ國保つ, 勇猛獅子ごき, 天寵ち, 湖ご知恵深き, 神聖ハンさ,1067 ウイグル語譯彌勒會見記 Maitrisimitハミ寫本み西ウイグル王稱號, tngri bögü il bilgä arslan tngri uyγur tärkänimiz 神聖賢明, 國, 知恵深獅子ごき聖ウイグル王公 [ 森安 1991, pp. 183-185], 周知,キタイ帝國契丹, 遼入貢西ウイグル王國ばば阿薩蘭回鶻わちアルスラン=ウイグルArslan Uyγur 稱さ[ 安部 1955, pp. 359-360; 森安 2000, p. 27] 以上諸史料み西ウイグル國國號や王號勘案ば, 莫高窟第 409 窟銘イル=アルスラン=ハンil arslan xan, 西ウイグル國王さほぼ確實ば, 銘き手ウイグル人セヴギSävgi, 描ウイグル王像西ウイグル王認識,イル=アルスラン=ハン稱號記推定さだ, 銘き手認識正確否つ, 抹疑問殘現地調査確認ろ, 銘, 傍題區畫上部 50 cm 以上空殘記さお,そ空部分銘記さ形跡ほんど殘ささ不自 2 翌 2007 再調査際 il ~ el 語判讀き報告さ[ 森安 2011, p. 524], 確認不十分め 3 宋會要輯稿蕃夷 4 亀茲華局版,p. 7720 龜茲, 回鶻之別種也其國主自稱師子王或稱西州回鶻, 或稱西州龜茲, 又稱龜茲回鶻, 其實也宋史巻 490 外國傳亀茲華局版, p. 14123ほぼ同 29

然, 銘體注意要さき森安, 銘體西ウイグル時代特徴的半楷體み[ 森安 2011, p. 524], 銘體, 例ば上述楡林窟第 39 窟西ウイグル時代傍題 [ 松井 2013, pp. 30-33] 典型的半楷體異若干肉細,むろモンゴル時代獻み丁寧草體みさべきそ筆者, 銘記さ至状況, 以下考ず, 莫高窟第 409 窟ウイグル王供養人像描際, 彼有長稱號題額全域記さ,そ何理由塗抹さそ後,モンゴル時代以降,めウイグル王像イル=アルスラン=ハンil arslan xanつ西ウイグル王認識舊西ウイグル國人傍題銘再度記さわち, 傍題銘, 問題ウイグル王像西ウイグル王, 彼沙州直接的支配下置立證同時代資料,モンゴル時代ウイグル人, 漠北ウイグル可汗國時代さぼ民族史叙述傳統有 [ 森安 2002; 茨默 2009; Zhang / Zieme 2011; 森安 2013, pp. 140-139], 莫高窟第 409 窟傍題銘モンゴル時代ウイグル人記さだ, 彼ウイグル王像イル=アルスラン=ハンつ西ウイグル王稱背景,そ歷史的知識想定思わずせ,ウイグル王像最終的同定つ, 銘 5,そ下塗抹さず本來傍題, 嚴密解讀必要國側諸研究機關傍題 X 線撮影赤外線撮影ど實施, 鮮明状態學界提供期待 6.ウイグル佛教徒殊信仰敦煌石窟佛教お悟得め智慧司殊師利菩薩 Skt. Mañjuśrī bodhisattva 對信仰, 東アジア諸地域佛教徒廣みウイグル人佛教徒だ殊菩薩信仰存在,つ出土獻確認き例ば,11 世紀以前敦煌藏經出土ウイグル語佛教獻 Or. 8212-121, 漢佛典佛説無量壽經 Taisho, Vol. 12, No. 360 對應内容つ漢テキスト十六士菩薩列擧後,そ皆, 普賢士德遵, 對應ウイグル十六菩薩ち,み普賢殊師利菩薩後缺 bu altï ygrmi bodisvt-lar alqu tüzü tüzün mančuširi [...] bodisvt [...]お, 漢殊師利 mančuširi < Skt. Mañjuśrī 揷入さ[MOTH, p. 26] モンゴル時代ウイグル人佛教徒間弘通殊菩薩關係經典, 聖妙吉祥眞實名經 Ārya- gīti 特筆さ經典ウイグル譯本斷片ドイツ=トゥ Mañjuśrīnāmasam ルファン探檢隊將來ウイグル語資料多數確認さお,34 系統刊本推定さ[BTT VIII, Text B; Kara 1981, p. 233; UBL, pp. 114-116]そ識語斷片 U 4759, 30

ウイグル語へ飜譯事業, 元ウルス宮廷仕國師パクパʼPhags pa, 1235-1280, 國師在位 1261-1270, 帝師在位 1270-1274 師事ウイグル人高僧カルナダスKarunadas > Chin. 迦魯納答思, 西曆 1302 都塔寺わち聖壽萬安寺現在妙應寺完成さ判明 [BT XIII, Nr. 50; BT XXVI, Nr. 48; 村 2013, pp. 16-17] ウイグル語譯聖妙吉祥眞實名經モンゴル時代ウイグル佛教徒間實際流行樣子, 敦煌莫高窟北區將來ウイグル語簡 Pelliot Ouïgour 16 bis 内容簡安藏博士飜譯眞實名經 Antsang baxšï-nïng aqtarmïš namasanggidど經典授受關係簡, 眞實名經 Uig. < Skt. Mañjuśrī- Namasanggidgīti 譯者及さ安藏 Antsang, 前述カルナダス師ウ nāmasam イグル人高僧 [ 森安 1983; Hamilton 1992]さ,モンゴル時代釋智チベット語漢語飜譯さ聖妙吉祥眞實名經 Taisho, Vol. 20, No. 1190 漢テキストウイグル字音寫斷片數種確認さお[Kara 1981; Zieme 1996; 庄垣内 2003, pp. 1-26], 漢語譯本ウイグル人佛教徒廣讀誦さ知以外, 殊信仰關わモンゴル時代ウイグル語佛典,トゥルファン地域發現殊師利成就法 Mañjuśrī-sādhana 斷片 [ 小田 1974]や, 敦煌莫高窟北區發現殊師利所説不思議佛境界經 Acintyabuddhavisayanirdeśa 識語斷片 [Abdurishid 2006, pp. 24-27; BT XXVI, Nr. 11] 知前者モンゴル時代チベット語原典ウイグル語飜譯さ, 後者トゥルファン地域主要都市リュクチュンLükčüng 出身チスンČisön < Chin. 智全 / 智泉都統 14 世紀後半漢原典ウイグル語譯さドイツ隊將來資料,モンゴル時代典型的草體ウイグル, 殊師利讃美頭韻斷簡 Ch/U 7118v[BT XIII, Nr. 32]さ, 泰定 3 1326 立石漢ウイグル合璧重修殊寺碑,チャガタイ系豳王家當主ノムダシュNomdaš 聖殊師利僧兄弟王子ち禮拜べ 13 ary-a mančuširi-ning sangram-ïnta 14 aqa ini-lär birlä y küngäli, 肅州南方殊寺訪, 寺重修聖殊師利請わせ 21 ary-a mančuširi-ni činglad ïp 鐘樓や碑石建傳 [ 耿世民張寶璽 1986] 央アジア甘肅河西地域東來き東方チャガタイ家王族,そ配下ウイグル人佛教徒おけ殊信仰反映みき[cf. 松井 2008a, p. 37] 以上例, 東部天高昌トゥルファン地域甘肅河西敦煌肅州さ都, ウイグル人モンゴル時代政治的經済的活躍地域重形,ウイグル佛教徒殊信仰看取き[cf. 楊富學 2004] 筆者前稿紹介, 莫高窟第 61 窟甬道南壁モンゴル時代ウイグル語題記銘, 高昌 Qočo 出身ウイグル人佛教徒西夏路 Tangut čölgeつ寧夏府路現在銀川窟本尊殊菩薩 mančuširi bodistv 參拜際殘 [ 松井 2013, 銘 4D, 4E], 上述ウイグル佛教徒殊信仰擴重 31

筆者, 間敦煌諸石窟現地調査通じ, 殊菩薩信仰關係ウイグル語銘,さ以下銘 6A ~ 6E 確認きず草體お,モンゴル帝國時代屬み銘 6A: 莫高窟第 138 窟, 主室北壁, 先頭女性供養人像西側, 草體ウイグル 13 行第 13 行斜體表記部分,わゆパクパʼPhags-pa > 八思巴字記さ從, 銘,パクパ字制定さ西曆 1269 以降屬確實 01 ----------------WX----- K kirtgünč...up 02 ---------------- taγ? buqar? T... ----... 03 ---------------- 04 ---------------- pala ök bulayïn tip män darm-a širi 05 ---------------- XY ʼʼS T..KY namasangid ögränip 06 ---------------- -larïγ..l T... birlä sözläp 07 ----------------...Č yol qy-a-nïng? burxan? 08 --------------- sävinč-siz tälim toluy ögüz täg?..tyk 09 ----------------ald an tigin : yana 10 qočo... biš... darm-a širi qač käs ig 11 ky-ä bitiyü tägintim kinki körgüči......m 12 uluγ adam könčüg...muz-nung ------------.WNKWR? bar ärsär 13 ---------------------------[sa]t u sat u bolzun b n di t n m s ŋ g[i]d.... bu l su n 01 信心 02 寺? 03 04 得,, 私ダルマシリ 05 眞實名經學ん 06 ち説, 07 ヨル=カヤ? 佛? 08 歡喜無き多海?? 09 アルタン=ティギン,さ 10 高昌私ダルマ=シリ幾行 11 き奉後世見者 12 我祖父コンチュグば, 32

13 善哉, 善哉博士眞實名經得!... 1 belief... 2 the mountain temple?... 3... 4 I shall obtain...-pāla, thus saying, I, Darmaširi,... 5 learning gīti... Nāmasam 6... speaking together, 7... Yol-Qyaʼs? Burxan? 8... there are a lot of unhappy people?, like? ocean... 9 Altan-Tigin, and 10 Qočo... five... I, Darmaširi, 11 wrote this inscription of several lines. Posterities to see this inscription... 12 my great father Könčüg... if there is..., 13... Sādhu, sādhu! gīti of Master... shall obtain...! Nāmasam 語註 : 6A2, taγ? buqar? : 明瞭判讀き, 試案寺推補おぜ, 敦煌諸石窟ウイグル語銘, 莫高窟や楡林窟寺 taγ buqar; taγ süm 稱例頻見 [e.g., Hamilton / Niu 1998, Inscriptions D, E, P, Q] 莫高窟寺稱漢語題記銘例,モンゴル時代西夏時代遡確認さ 4, 西夏語題記銘寺廟 1 shyan 2 miqʼ 2ʼyen,モンゴル語銘楡林窟寺 aγulan süme 稱例発見さ[ 荒川 2010, p. 53; 敦煌研究考古研究所内蒙古師範學蒙系 1990, p. 12]わち, 莫高窟や楡林窟對寺通稱, 漢人西夏人ウイグル人モンゴル人間共通敦煌地域おけ, 語異佛教徒ち化的交流示唆 6A4a, --- pala : おそ, 語末 pāla a guard, protector つサンスクリット語護法神名 Lokapāla, Dharmapāla, etc. 借用語ろ例ば[]=パーラ佛像得脈想定き知 6a4b, darm-a širi : Skt. dharmaśrī 由來人名第 10 行, 彼本銘き手知 6A5, : namasangid ~ namasanggid < Skt. mañjuśrī- gīti. 6A8, toluy ögüz : ウイグル語佛教獻二 nāmasam 詞意 hendiadys taluy ögüz 海 ; 海河頻出 [e.g., ED, p. 502; 庄垣内 2008, p. 648], 敦煌藏經出土ウイグル善惡二王子經 taluy 海異形 toluy 用 toluy ögüz 表記在証さ[CBBMP, p. 15; cf. ATG, p. 49] 6A10, qočo. biš : 銘筆者名ダルマシリdarm-a širi < Skt. dharmaśrī 先行,そ出身地示表記み高昌 [ 國 ]ビシュ[バリク出身 ]qočo uluš biš balïq-lïγ ど再構き, 實見十分判讀き 6A13, b n di t n m s ŋ g[i]d.... bu l su n : パクパ,ウイグル語 bandit namasaŋg[i]d.... buls un 博 41 莫高窟第 61 窟東壁, 西夏期上座姚 / 巡禮寺到 / 天慶四月廿日 [DMGD, p. 25];2 莫高窟第 464 窟, 西夏期宋閬州閬縣錦屏見在西涼府賀家寺住坐 / 遊禮道沙州寺宋師父楊師父等 [DMGD, pp. 174-175]3 莫高窟第 108 窟主室東壁德拾十月十三日趙德秀至寺禮拜 [DMGD, p. 53];4 莫高窟第 45 窟東壁僧人劉祖到? 寺焚香禮拜 ; 至順二四月初日道了寺記耳筆 [DMGD, p. 16];5 莫高窟第 98 窟主室南壁至正四四月十日雲 / 遊寺聖焚香記耳 [DMGD, p. 48] 到 33

士 bandit < Skt. pan d ita 眞實名經得! 再構き 5 銘全體的煙燻被め, 各行不鮮明箇所, 銘全體解釋困難, 第 5 行眞實名經學んnamasangid ögränip 記載, 第 13 行パクパ博士眞實名經得!bandit namasaŋg[i]d.... bulsun, 眞實名經 gīti 經典敦煌ウイグル人佛教徒間廣流通示 Nāmasam 前述, 敦煌出土ウイグル語簡 Pelliot Ouïgour 16 bis 眞實名經授受問題軌みろ銘 6B: 楡林窟第 2 窟, 主室南壁, 最東側説法圖東端枠線内, 草體ウイグル 1 行 01 qud luγ luu yïl aram ay yiti yangï-da män čina išvari šabi bu qud luγ mančuširi bodistv-ta y kündüm sa 幸龍正月初旬七日, 私チナ=イシュヴァリ沙彌, 幸殊菩薩禮拜善 [ 哉 ] On the 7th day, the 1st month, the fortunate Dragon year, I, Čina-İšvari-šabi, worshiped this heaven-favored Mañjuśrī Bodhisattva. Sā[dhu]! 巡禮者名チナ=イシュヴァリčina-išvari Skt. jina-īśvara victorious lord 由來人名末尾 sa sadu 善哉 < Skt. sādhu 斷ろ銘 6C: 楡林窟第 2 窟, 主室北壁, 央淨土變相圖右 = 東端黑枠線内,ウイグル字刻 2 行 01 bu mančuširi 殊師利 This Mañjuśrī 02 bodisdw 菩薩 Bodhisattva 第 2 行 bodisdw = PWDYSDW, 菩薩 bodistv = PWDYSTV 誤刻みさ, 楡林窟第 2 窟, 西夏時代開鑿さ,モンゴル時代清代重修さ正面東壁央殊變相圖描,そ主尊殊菩薩考 5 筆者舊稿,パクパ字箇所つ,2006 9 月現地調査結果基づき部分的引用 [ 松井 2008a, p. 37],そ時點眞實名經 namasaŋg[i]d 箇所判讀き 34

AXYLK 1990, p. 278 現在央基壇据塑造殊菩薩像清代おそモンゴル時代殊菩薩塑像据ろわち銘6b, 6c 楡林窟第２窟主尊殊菩薩禮拜際記念みき銘 6D 楡林窟第16窟主室甬道北壁甘州ウイグル公主供養人像西側草體ウイグル２行パクパ字１行 01 män yïγmïš 私イグミシュ I, Yïγmïš 02 y kündüm worshiped here. 禮拜 03 m n u ši ri 殊師利 Mañjuśrī! 銘既公刊カラー圖版段傑 1990: pl. 115; AXYLK: pl. 57 確認き圖版２第３行斜體表記パクパ字殊師利 m n u ši ri = man uširi 第1-2行ウイグル字銘字寸近似そ筆者イグミシュ yïγmïš ろ楡林窟第16窟主室西壁南側や殊變相圖描 AXYLK 1990, p. 303 銘6D 楡林窟第15窟前室西壁北側パクパ字銘１行 01 m u ši [.] 殊師利 Mañjuś[rī]! パクパ字銘おそ m n u ši [ri] = man uširi 殊師利推測さ銘壁面殊變相圖描 AXYLK 1990, p. 302 第２字 n き忘ろ語末 ri 部分壁面剥落銘6E 楡林窟第33窟主室甬道南壁供養人像右肩脇草體ウイグル２行 01 bu qudluγ qaču [...] taγ? 幸瓜州? 02 mančuširi taγ qïlïp? 殊師利作? This fortunate [...] mountain? of 瓜州 Guazhou. Making? the mountain of Mañjuśrī... 銘草體おやモンゴル時代屬推定さ瓜州 Chin. > Uig. Qaču 及さ楡林窟直近城市だ第２行殊師利後續作 taγ qïlïp 殊居所臺次節參照描意味 -ta kälip 殊菩薩禮拜來讀むべき 35

注目べき, 楡林窟第 33 窟壁畫, 殊菩薩直接關係 [AXYLK 1990, p. 309] 從, 題記殊師利 mančuširi < Mañjuśrī 及, 壁畫内容無關係逆説的, 題記記ウイグル人佛教徒, 日常的殊菩薩深信仰示考べきろ以上, 殊菩薩信仰關係銘 6B ~ 6E, 筆者現時點偶然目睹得過ぎ, 管見限, 例ば, 敦煌諸石窟佛教壁畫お殊菩薩ばば對置さ描普賢菩薩, 題記銘同樣及さ例見出せ敦煌諸石窟ウイグル語題記銘お, 特殊菩薩頻繁及さ歷史的背景 [ 點つ次節參照 ]ふつつ, 銘資料悉皆調査繼續必要 7.ウイグル佛教徒臺前節扱殊菩薩信仰關係,ウイグル人佛教徒おけ臺信仰つ及お周知, 國西省東北地方臺清涼, 殊菩薩化現聖地, 東アジア全域わ崇敬對象さき[ 頼富 1986] 敦煌臺殊菩薩居所信仰盛ん, 莫高窟楡林窟壁畫ばば臺圖描 [ 日比野 1958; Wong 1993; 趙聲良 1993; 杜斗城 2004], 藏經出土獻臺讃臺曲子や往臺行記類出土 [ 杜斗城 1991; Cartelli 2004; 高田 2012, p. 6] 示さ, 藏經出土サンスクリット語チベット語對譯佛教語彙集や,サンスクリット語コータン語對譯會話練習帳, 西曆 10 世紀頃おインドチベットコータン人佛教徒盛ん臺巡禮, 彼巡禮敦煌重要繼地點 [Hackin 1924, p. 40; 熊本 1988; 高田 2002, pp. 3-4; 高田 2011, pp. 3-6]11 世紀以降河西支配西夏王國佛教, 臺信仰重要要素 [ 公維章 2009; 楊富學 2010] 方,トゥルファン地域發現ウイグル佛典,ウイグル語譯臺讃 Udayšanzan 異 2 寫本斷片 Ch/U 6956; U 5684a-cや, 漢臺讃ウイグル字音寫含む冊子本 U 5335 6 發見さ[Zieme 2002]さ,エルミタージュ美術館所藏さ西ウイグル期ベゼクリク石窟壁畫斷片, 殊菩薩臺描 [プチェリナ 1999, pp. 325-326],ウイグル人佛教徒おけ臺信仰存在確證 6 U 5335, 複數ウイグル字音寫さ漢語佛教テキスト集成冊子本, 庄垣内正弘包括的研究近刊予定 Masahiro Shōgaito, Chinese Text Written in Uighur Script U 5335: A Reconstruction of the Inherited Uighur Pronunciation of Chinese Berliner Turfantexte XXXVI. Ed. by S. Fujishiro / N. Ohsaki / M. Sugahara / Abdurishid Yakup. Turnhout in press. お, 本稿成稿, 庄垣内正弘先生訃報接場借, 長わ御示教深甚謝意表, 謹ん御冥福お祈申上げ 36

さ筆者, 間調査お,わず2 条, 臺關係ウイグル語題記銘確認き銘 7: 楡林窟第 3 窟, 主室西壁南側, 普賢菩薩像下, 縁取枠線内合計 8 条ウイグル題記筆者南側 a ~ h 假編號 a šakyapal uday-qa barïr-ta kinki-lär-kä ödig qïldïm 私シャキャパル, 臺行時, 後人ちへ記念 I, Šakyapal, going to = leaving for Wudai Mountain, made this record for posterities. c täväči tud ung uday-qa barïr-ta ödig qïldïm sadu bolzun 私テヴェチ都統, 臺行時, 記念善哉 I, Täväči-tudung, going to = leaving for Wudai Mountain, made this record. Sādhu! 銘草體お,やモンゴル時代屬推定さ銘 7a 後,モンゴル幸福,qutuγ-tu boltuγai kemen 題記續け記さ,ウイグル別筆思わ銘 7a, 7c 筆者,ず楡林窟 uday 行記 uday, 明臺音寫, 臺意味 7 わち, 題記, 楡林窟臺へ巡禮向モンゴル時代ウイグル人佛教徒き殘さ,ウイグル人佛教徒間殊信仰臺信仰流行傍證, 彼佛教巡禮圏, 敦煌莫高窟楡林窟東方, 瓜州肅州や寧夏西夏路越 8, 西臺及ん示さ, 前掲トゥルファン地域發現ウイグル語譯ウイグル字音寫臺讃諸寫本紹介 Zieme, 臺讃流行, 敦煌佛教トゥルファン=ウイグル佛教強固結びつき示位置づけ[Zieme 2002, pp. 223-224]10 世紀以降ウイグル佛教對敦 7Uig. uday 用例, 居庸關サンスクリット語チベット語モンゴル語ウイグル語西夏語漢六體合璧碑在證さ Uig. uday 臺音寫, 臺意味, チベット語對譯箇所 rtse lnga つ頂わち臺 ri bo rtse lnga 略稱み鐵案 [CYK, pp. 228, 238, 263, 276] 用例對,Röhrborn / Sertkaya Skt. udaya the eastern mountain behind which the sun is supposed to rise 關連させ案提示, 楊富學反論ウイグル人佛教徒殊信仰臺信仰観點め臺音寫み主張 [Röhrborn / Sertkaya 1980, pp. 320, 333; 楊富學 2003],ず,チベット語ウイグル語對譯關 CYK 指摘注意 8ウイグル人佛教徒巡禮圏つ, 拙稿 [Matsui 2008b, pp. 27-29; 松井 2013, pp. 38-44] 參照 37

煌佛教強影響與, 百濟康義 [ 百濟 1983] 創唱以來, 學界廣承認さお, ちろん筆者同意だ,ウイグル語譯臺讃 1 件 Ch/U 6956 = Zieme 2002, A,ウイグル字音寫臺讃冊子本 U 5335, 草體モンゴル時代寫本, 銘 7a, 7c, 明モンゴル時代題記,モンゴル時代ウイグル佛教徒おけ臺信仰流行要因,モンゴル帝國臺佛教聖地尊崇歷史的状況 [ 日比野小野 1942, pp. 85-91; 崔正森 2000, pp. 540-546] 考慮べきろさ,モンゴル帝室歸依受けチベット佛教お, 歷代帝師輩出サキャSa skya 派殊菩薩特尊崇お,1244 涼州モンゴル王族コデンKöden > 闊端赴サキャパンディタSa skya Pan d itaそ歸途臺巡禮 [ 陳慶英 2007, p. 42; cf. 福田 1986, pp. 32, 42]ち初代帝師パクパ,クビライ登極以前 1257 5 月 7 月け臺巡禮, 殊菩薩賞賛頌殘 [ 福田 1986, pp. 48, 64-65; 陳慶英 2007, pp. 65-70]チベット佛教おけ臺信仰,つ古代チベット帝國吐蕃時代浸透 9,パクパ巡禮契機モンゴル時代さ流行み, 臺そモンゴル宮廷庇護受けチベット佛教據點サキャパンディタ弟子タムパDam paクビライ臺壽寧寺住持任命さ, 第 4 代帝師イェシェーリンチェンYe shes rin chen, 位 1286-1295 臺死去 [ 陳慶英 2007, p. 70] 德 5 13014 月 28 日付第 5 代帝師タクパオーセルGrags pa ʼod zer, 位 1291-1303 發行漢法旨, 臺壽寧寺免税特權確認め臺發令さ, 臺帝師活動據點つ示 [ 蔡美彪 1955, p. 49; 村 1993, p. 59] モンゴル時代, 帝國支配層庇護受けチベット佛教影響, 甘肅河西東トルキスタンさ東方ユーラシア各地活動ウイグル佛教徒及んだ, 舊稿 [ 松井 2008a, pp. 37-41] 述べ通ば, 前節示殊菩薩信仰關ウイグル語銘 6B ~ 6E, 本節みウイグル人佛教徒臺巡禮,モンゴル時代チベット佛教おけ殊信仰臺信仰隆盛影響感化さ可能性高思わ臺へ向お銘 7a 筆者名シャキャパルŠakyapal,チベット語 Shākya dpal 由來, 彼チベット佛教接近わせお, 臺ウイグル佛教徒關係, 高昌出身ウイグル人比丘尼舍藍藍 1269-1332 事蹟注目さ佛祖歷代通載巻 22 所収傳記ば, 彼女成宗テムル時代 r. 9 舊唐巻 196 下吐蕃傳, 長慶 4 8249 月吐蕃遣使求臺圖 [ 日比野小野 1942, pp. 63-64] ₁₀モンゴル時代おけ, 非漢族高位宗教者對稱號 baγsi> Chin. 八合失 ~ 八合赤 ~ 八合識 ~ 八哈室 ~ 八哈石つ, 村松川 1993, pp. 73-75 參照 38

1294-1307, 第 5 代帝師タクパオーセル迦羅斯巴斡即兒 < Tib. Grags pa ʼod zer 師出家, 武宗ハイシャン時代 r. 1307-1311 皇太后ダギ仕バクシ八哈石 < Mong. baγsi < Uig. baxšï 師僧 < Chin. 博士尊稱さ 10 仁宗アユルバルワダ時代 r. 1311-1320, 宮廷賜與原資, 都妙善寺だけ臺わち臺普明寺建立,そウイグルぞ佛經藏安置させさ金泥用番字おそチベット字や畏兀字チベット經典作成させ, 吐蕃寺高昌國旃檀佛寺都萬安寺ど多額資産蓄させ[cf. 楊富學 2004, p. 446; 村 2013, p. 22]わち, 舎藍藍,サキャ派出身帝師チベット佛教教受けモンゴル宮廷仕つつ, 都臺高昌チベット各處結ん佛教的活動展開, 銘 7a, 7b 臺向おウイグル人佛教徒,モンゴル宮廷榮達同族舎藍藍臺建立普明寺目指, 至正 7 1347 臺立石さ臺善法藏寺記所傳ば, 泰定元 1324 臺法會實施, 善法藏寺建立, 後順帝トゴン= テムルr. 1333-1370 灌頂國師號賜高僧アマラシリ=パンディタ*Amaraśrī Pan d ita > 阿麻剌室利板的答, 西域諸國僧俗部族總治 [ 日比野 1973, pp. 652-654, 657-660; 松井 2008a, p. 29] 西域諸國具體的地理範圍疆域不明, 推測ば, アマラシリ出身地罽賓國わちカシミールや, 彼崇敬集めチベット西部ヤツェYa tse > 雅積國おび央チベットサキャSa skya > 撒思加瓦だけ, 甘肅河西や東部天地方どウイグル人佛教徒居住地域含そ意味, 前述舎藍藍活動地域重ろそ, 灌頂國師アマラシリ=パンディタ西域諸國僧俗部族總治表現, 彼臺據點置きつつ, 殊菩薩臺崇敬西域諸地域おそ, 多ウイグル人含む佛教徒対宗教的權威臨ん意味思わ 11 ₁₁11 世紀以降,ウイグル佛教界おけ最高指導者ウイグル語 šazïn ayγučï > Chin. 沙津愛忽赤 / 沙津愛護持, etc.わち教義總統稱號與 [ 森安 2007, pp. 16-19],モンゴル時代お帝國佛教界樞活躍者複數知 [ 村 2013, p. 14]1280 トゥルファン出土ウイグル語 SUK Em01, わゆピントゥング解放ウイグル佛教最高指導者教義總統 šazïn ayγučï 及さ, 通制條格巻 4 戸令女多渰死条漢譯さ引用さ至元 13 12767 月 2 日付クビライ聖旨,カルシャ教義總統 *Qarša šazïn ayγučï > 哈兒沙沙津愛忽赤, 高昌 = 火州 < Qočoリュクチュン呂 < Lükčüngトゥルファン禿兒班 < Turpanどウイグル王國領おけ事案つ皇帝クビライおそ直接上奏示 [ 梅村 1977, pp. 04-06]さ,トゥルファン出土チャガタイ =ウルス發行モンゴル語 BT XVI, Nr. 69, そ名記さ教義總統 Mong. šas-in aiγuči < Uig. šazïn ayγučïや師僧 baγsiち筆頭佛教寺へ安堵状 14 世紀葉以降屬可能性高, 時期トゥルファン地域ウイグル佛教徒, 39

以上,わず2 条ウイグル語題記銘 7a, 7b,ウイグル佛教徒臺結びつきつ, 相當推論重ねき今後,さ諸史料博捜, 臺そ,ウイグル人巡禮者關係題記銘や佛典そ他ウイグル語資料殘さ, 調査必要參考獻 Abdurishid Yakup 2006: Uighurica from the Northern Grottoes of Dunhuang. In: Studies on Eurasian Languages: A Festschrift in Honour of Professor Masahiro Shōgaito s Retirement, Kyoto, pp. 1-41. 安部健夫 1955: 西ウイグル國史研究彙堂店荒川愼太郎 2010: 莫高窟楡林窟東千佛西夏題記譯注荒川愼太郎編西夏時代河西地域おけ歷史語化諸相關研究科研費報告 No. 19520598,pp. 45-106. ATG = Annemarie von Gabain, Alttürkische Grammatik, 3. ed. Wiesbaden, 1974. AXYLK = 敦煌研究編國石窟安西楡林窟平凡社物出版社,1990. BT VIII = Kara, György / Zieme, Peter, Die uigurischen Übersetzungen des Guruyogas Tiefer Weg von Sa-skya Pandita und der gīti Berliner Turfantexte VIII. Berlin, 1977. Mañjuśrīnāmasam BT XVI = Cerensodnom, Dalantai / Taube, Manfred, Die Mongolica der Berliner Turfansammlung Berliner Turfantexte XVI. Berlin, 1993. BT XXVI = Yukiyo Kasai, Die uigurischen buddhistischen Kolophone Berliner Turfantexte XXVI. Turnhout, 2008. 蔡美彪 1955: 元代話碑集錄科學出版社 CBBMP = James Russel Hamilton, Le conte bouddhique du Bon et du Mauvais Prince en version ouïgoure. Paris, 1971. Cartelli, Mary Anne 2004: On a Five-Colored Cloud: The Songs of Mount Wutai. Journal of the American Oriental Society 124-4, pp. 735-757. 陳慶英 2007: 元朝帝師八思巴國藏學出版社初 :1992 崔正森 2000: 臺佛教史上下, 西人民出版社 CYK = 村田次郎編著居庸關京都學工學部,1957. DHMGK = 敦煌研究編國石窟敦煌莫高窟第 5 巻, 平凡社物出版社, 1982. DMGD = 敦煌研究編敦煌莫高窟供養人題記物出版社,1986. お教義總統統轄下推知さ,ウイグル佛教徒統轄指導者教義總統, 本及西域諸國僧俗部族總治臺灌頂國師アマラシリや, 14 世紀後半チャガタイ=ウルス保護受け東部天地方 ~ 敦煌巡禮灌頂國師ドルジ=キレシス=バル=サンポMong. Dor i kirešis bal sangpo < Tib. rdo-rje bkra-shis dpal bzang-po[ 松井 2008a] 關係,さモンゴル帝國治下佛教チベット地域統括宣政ウイグル佛教徒關係つ,お檢討餘地 [cf. 村 2013, p. 15] 40

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圖版１莫高窟第409窟主室東壁南側ウイグル王供養人像柳宗元金岡照光敦煌石窟寺世界聖域別巻２講談社, 1982, pl. 43 圖版２楡林窟第16窟主室甬道北壁甘州ウイグル公主供養人像段傑編國壁畫全集敦煌９代宋遼寧人民出版社, 1990, pl. 115 6D 44

研究活動報告 20134月 20143月凡例 ⑴ 現在研究テーマ ⑵ 著論そ他 ⑶ 研究発表講演ど ⑷ 外集講義ど ⑸ 海外出張研修そほ海外活動ど ⑹ 科研究費補助金そほ競争的研究資金ど ⑺ 共同研究受託研究ど ⑻ 弘前人部主催共催会研究会講演会ど 45