野球規則 審判はこんな時の処理はどうするのだろうか? 今までに聞いたり経験したりしたケースを 順次掲載していく予定です 解釈等で間違いがあれば 連絡していただければ幸いです 目次 1. 走者の足にボールが当たる P2 2. 野手が打球処理のボールを暴投 P3 3. 捕手のファウルチップの捕球 P4 4. 二人の走者が同時に 1 つの塁を占有 P5 5. 二塁走者が盗塁し投手が三塁へ送球 P6 6. 塁に走者がいるときは 次の場合ボークとなる P7 7. 空振りしたボールが打者に当たる P8 8. 走者がいないときに 投球動作中にボールが落ちた P9 9. 一塁方向の打球処理で捕手が一塁へ投げたが打者走者に当たる P10 10. インフィールドフライでバッターアウト P11 11. ユニフォームの規定 P13 12. ワインドアップポジションからセットポジションはボーク P14 13. 第 3アウトの置き換え p15 14. ボールデッドラインの扱い方について ( ローカルルール ) p18 15. 審判員の裁定 ( ハーフスイング ) p19
1. 走者の足に打球が当たる 公認野球規則 7.09 の (m) 項 例 ノーアウト満塁 前進守備のショートの横をボールが抜けた 2 塁走者がボールを 避けようとしたが足に当たりファールゾーンまで転がった 7.09 の (m) 項 野手 ( 投手を含む ) に触れていないフェアボールが フェア地域で走者に触れた 場合 ランナーアウト ただし 走者がフェアボールに触れても (1) いったん内野手 ( 投手を含む ) に触れたフェアボールに触れた場合 (2) 一内野手 ( 投手をのぞく ) に触れないでその股間または側方を通過したフェアボールにすぐその後方で触れても この打球に対して 他のいずれの内野手も守備する機会がない場合 (1)(2) の場合には 審判員は走者が打球に触れたという理由でアウトを宣告してはならない 個人解釈ショートのすぐ後ろで避けられなかった場合は 二塁走者は石ころと同じでイレギュラーしたと判断しプレイはそのまま続行かと思われる ただし ショートの後方で明らかに避けられる余地はあったと審判が判断した場合はランナーアウトを宣告しなければならないと思います * 足に当たったボールがそのままファールラインを越えてしまった場合はど う判断したらよいか * ここで言うファールラインとは ローカルルールで 球場で言うと スタ ンドに入る ベンチにボールが入ることと同じ解釈をする
-2-2. 野手が打球処理のボールを暴投 公認野球規則 7.05 の (g) 項 例 無死走者 1 塁 ヒットエンドランが成功し ライト前にポテンヒット を打ち ライトはライトゴロにするため 1 塁へ送球したがミットをはじきボ ールはファールラインを越えた 1 塁走者は 7.05の (g) 項 二個の塁が与えられる場合 送球が (1) 競技場内観衆があふれ出ていないときに スタンドまたはベンチに入った場合 ( ベンチの場合は リバウンドして競技場に戻ったかを問わない ) 審判員は二個の進塁を許すにあたって 次の定めに従う すなわち 打球処理の内野手の最初のプレイに基づく悪送球であった場合は 投手の投球当時の各走者の位置 その他の場合は 悪送球が野手の手を離れたときの各走者の位置を基準として定める 個人解釈ヒットエンドランがかかっていたので 1 塁走者がライトの送球時に 2 塁に到達していれば そこから二個の塁が与えられるのでホームインとなり バッターランナーは 2 塁へ 1 塁走者が 2 塁に到達していなければ 2 塁 3 塁で再開される * ここで言うファールラインとは ローカルルールで 球場で言うと スタンド にボールが入る ベンチにボールが入る と同じ解釈をする * また ボールは越えていないが 野手の足や体の一部がラインを越えた場合も上記と 同じ解釈をする
-3-3. ファウルチップの捕球 公認野球規則 6.05 の (b) 項 例 ボールカウントはツーストライクで3 球目をファウルチップし 捕手がミットに当てたあと 胸に当てて落ちる前に取った 6.05の (b) 項 第三ストライクと宣告された投球を 捕手が正規に捕球した場合 原注 正規の捕球 ということは まだ地面に触れていないボールが 捕手のミットの中に入っているという意味である ボールが 捕手の着衣または用具に止まった場合は正規の捕球ではない また 球審に触れてはね返ったボールを捕らえた場合も同様である チップしたボールが最初に捕手の手またはミットに触れてから 身体または用具に当たってはね返ったのを 捕手が地上に落ちる前に捕球した場合は ストライクであり 第三ストライクにあたるときは 打者はアウトである また チップしたボールが 最初に捕手の手またはミットに当たっておれば 捕手が身体または用具に手またはミットをかぶせるように捕球することも許される 個人解釈今まで 最初にミットに当たっていても正規の捕球ではないという解釈をしていた審判の方々もおられると思います 最初にミットに当たれば落ちる前に捕ればストライクであり ツーストライクの後であれば三振ということになります ミットや手に当たらずに直接胸に当たったボールを捕球した場合は すぐに ファールボール と両手を挙げて宣告しなければならないということです
-4-4. 二人の走者が同時に 1 つの塁を占有 公認野球規則 7.03 項 例 ノーアウト満塁 スクイズをはずされ 三塁走者が三塁へ戻り 二塁走者と二人 が三塁ベースを占有することになった 7.03の項 二走者が同時に一つの塁を占有することは許されない ボールインプレイの際 二走者が同一の塁に触れているときは その塁を占有する権利は前位の走者に与えられているから 後位の走者はその塁に触れていても触球されればアウトになる 個人解釈このさい 三塁走者に触球してから二塁走者に触球したときは 競技者必携には 審判員は塁に着いている三塁走者に触球したとき セーフ とコールする (7.03 審判上の取り決め十二関連) と明記されています 二人への触球に間があれば三塁走者に セーフ とコールできるが 間がない場合はどうなるか? そのときは 三塁走者へ向かって セーフ 二塁走者に アウト を宣告して 審判側の誤審を防がねばならない ( 県の審判講習会より )
-5-5. 二塁走者が盗塁し投手が三塁へ送球 公認野球規則 8.01 項 (c) 8.05 項 (d) 例 一死走者二塁 二塁走者は投手が打者に投げると思い三塁へスタートしたが 投 手はそれに気づき直接二塁へ投げた 8.01の項 (C) 投手が 準備動作を起こしてからでも 打者への投球に関連する動作を起こすまでなら いつでも塁に送球することが それに先立って 送球しようとする塁の方向へ 直接踏み出すことが必要である 8.05の項 塁に走者がいるときは 次の場合ボークとなる (d) 投手板に 触れている投手が走者のいない塁へ送球したり 送球のまねをした場合 ただし プレイの必要があればさしつかえない 問 走者一塁のとき 走者のいない二塁に送球したり または送球するまねをしたらボークか 答 ボークである しかし 一塁走者が二塁に盗塁しようとしたのを防ぐ目的で 第一動作で二塁の方向に正しく自由な足を踏み出せばボークにならない なお 投手が投手版を正確にはずせば ステップをしないで送球してもかまわない 個人解釈走者一塁のときはプレートを後ろにはずす場合が多い 走者二塁のときは 盗塁やヒットエンドランなどのサインが出たときに走者が投手の投球モーションを盗もうと早くスタートすることが多く この場合は自由な足を直接三塁方向へ踏み出せばボークにならないと言うことです
-6-6. 塁に走者がいるときは 次の場合ボークとなる 公認野球規則 8.05 (13 項目あります ) (a) 投手板に触れているピッチャーが投球に関連する動作を起こしながら投球を中止した場合 * ランナーが出てファールボールが飛んだ後 投手がランナーの存在を忘れてセットポジションの態勢に入らず プレートに両足を揃えてサインを見ました すぐに気づきその態勢で横にむき直してセットに入った場合はこの項のボークに該当します この場合は そのまま後ろに下がってプレートを外してから再度セットに入り直さなければなりません (b) 投手板に触れているピッチャーが 1 塁に送球する真似だけして実際に送球しなかった場合 (c) 投手板に触れているピッチャーが塁に送球する前に足を直接その塁の方向に踏み出さなかった場合 (d) 投手板に触れているピッチャーがランナーのいない塁へ送球したり送球する真似をした場合 (e) ピッチャーが反則投球をした場合 (f) ピッチャーがバッターに正対しないうちに投球した場合 (g) ピッチャーが投手板に触れないで投球に関連する動作をした場合 (h) ピッチャーが不必要に試合を遅延させた場合 (i) ピッチャーがボールを持たないで投手板に立つかこれをまたいで立つか あるいは投手板を離れていて投球するまねをした場合 (j) ピッチャーが正規の投球姿勢をとった後 実際に投球するか塁に送球する場合を除いて ボールから一方の手を離した場合 (k) 投手板に触れているピッチャーが故意であろうと偶然であろうとボールを落とした場合 (l) 故意四球が企図されたときにピッチャーがキャッチャースボックスの外にいるキャッチャーに投球した場合 注 キャッチャースボックスの外にいるキャッチャーとは キャッチャーがキャッチャースボックス内に両足を入れていないことをいう 従って故意四球が企図されたときに限って ボールがピッチャーの手を離れないうちにキャッチャーが片足でもボックスの外に出しておれば本項が適用される (m) ピッチャーがセットポジションから投球するに際して完全に静止しないで投球した場合 個人解釈 (l) の故意四球が企図されたとき はたして審判はそこまで見ているだろう
か? 高校野球を見ていると セットポジションから投げる動作に入ったら 捕手はボックスから出て捕球動作に入っているように思います 中学野球もその解釈でいいのでしょうか? -7-7. 空振りしたボールが打者に当たる 公認野球規則 6 05f 例 一死走者三塁 打者はツーストライクの後の 3 球目を空振りし そのままボール が体に当たりバックネットまで転がった 三塁走者はホームインした 6 05 打者は 次の場合 アウトとなる 6.05の項 (f) の項二ストライクの後 打者が打った ( バントの場合も含む ) が 投球がバットに触れないで 打者の身体に触れた場合 個人解釈 (l) 審判は空振りしているので ストライク をコールし その時点で打者は三振となり 同時にボールデッドとなる したがって 三塁走者のホームインは認められず三塁走者は戻って 二死三塁でプレイが再開される
-8-8. 走者がいないときに 投球動作中にボールが落ちた 公認野球規則 8 01(d) 例 無死走者なし 投手は打者に投げようとしたが バランスを崩しボールが手から落ちて転がっていった 8 01 正規の投球 投球姿勢にはワインドアップポジションとセットポジションとの二つの正規のものがあり どちらでも随時用いることができる 投手は投手板に触れて捕手からのサインを受けなければならない 8.01の項 (d) の項塁に走者がいないときに 投手が反則投球をした場合には その投球にはボールが宣告される ただし 打者が安打 失策 四死球 その他で一塁に達した場合は除く 原注 投球動作中に 投手の手から飛び出したボールがファウルラインを越えたときだけボールと宣告されるが その他の場合は 投球とみなされない 塁に走者がいれば ボールが投手の手から落ちたときただちにボークとなる 個人解釈 (l) 一昨年の選抜大会でもあったが 走者がいないときに投球動作中にボールが落ちてすぐに拾った場合は 何もカウントされずに再度投球となる しかし 転がってファウルラインを越えた場合はボールが宣告されなければならない 走者がいた場合はすぐに ボーク となり 走者は安全に進塁となる
-9-9. 一塁方向の打球処理で捕手が一塁へ投げたが打者走者に当たる 公認野球規則 6 05 例 無死走者なし 打者は打ち損ないでゆるいゴロが一塁方向へ転がった 捕手はボ ールを一塁へ投げたがラインの上を走っていた打者走者の腕に当たった 6 05 打者は 次の場合 アウトになる 6.05の項 (k) の項一塁に対する守備が行われているとき 本塁一塁間の後半を走るにさいして 打者がスリーフットラインの外側 ( 向かって右側 ) またはファウルラインの内側 ( 向かって左側 ) を走って 一塁への送球を捕らえようとする野手の動作を妨げたと審判員が認めた場合 ただし 打球を処理する野手を避けるために スリーフットラインの外側 ( 向かって右側 ) またはファウルラインの内側 ( 向かって左側 ) を走ることはさしつかえない 個人解釈ライン上は走路に含まれるから 守備妨害とはならない したがってボールインプレイで成り行きとなる ボールがファウルゾーンに転がっていってもタイムはかからない ファウルラインの内側 ( 向かって左側 ) を走っていてボールが走者に当たった場合は 当然走者はアウトになる 以前 兵庫県の高砂市の大会で二塁打で走者二塁 送りバントをして三塁に進め 打者は一塁でアウトになったが ファウルラインの内側 ( 向かって左側 ) を走っていたということで野手の妨害はしていないのに打者走者はアウトになり 二塁走者も三塁へ進めず二塁に戻されたことがあった これはどうなんだろうか? 今も疑問である
-10-10. インフィールドフライでバッターアウト 公認野球規則 2 40 6 05(e) 7 08(f) 例 一死満塁 打者は前進守備をしている二塁手のやや後ろに飛球を打ち上げた 2 40 無死または 1 死でランナーが 1 2 塁 1 2 3 塁にあるとき バッターが打った飛球 ( ライナー及びバントを企てて飛球となったものを除く ) で内野手が普通の守備行為をすれば捕球できるものをいう この場合 ピッチャー キャッチャー及び外野手が内野で前記の飛球に対して守備したときは 内野手と同様に扱う 審判員は 打球が明らかにインフィールドフライになると判断した場合には ランナーが次の行動を容易にとれるように 直ちにインフィールドフライを宣告しなければならない また打球がベースラインの近くに上がった場合にはインフィールドフライ イフ フェアを宣告する インフィールドフライが宣告されてもボールインプレイであるから ランナーは離塁しても進塁してもよいが そのフライが捕らえられればリタッチの義務が生じ これを果たさなかった場合には普通のフライの場合と同様アウトにされる恐れがある たとえ審判員の宣告があっても 打球がファウルボールとなれば インフィールドフライとはならない 付記 インフィールドフライと宣告された打球が 最初に( 何物にも触れないで ) 内野に落ちても ファウルボールとなれば インフィールドフライとはならない またこの打球が 最初に ( 何物にも触れないで ) ベースラインの外へ落ちても 結局フェアボールとなれば インフィールドフライとなる 原注 審判員はインフィールドフライの規則を適用するにあたって 内野手が普通の守備行為をすれば捕球できるかどうかを基準とすべきであって 例えば 芝生やベースラインなどを勝手に境界線として設定すべきではない たとえ フライが外野手によって処理されても それは内野手によって容易に捕球されるはずだったと審判員が判断すればインフィールドフライとすべきである インフィールドフライはアピールプレイであると考えられるような要素はどこにもない 審判員の判断が優先し その決定は直ちに下さなければならない インフィールドフライが宣告されたとき ランナーは危険を承知で進塁してもよい インフィールドフライと宣告された飛球を内野手が故意落球したときは 6 05(l) の規定にもかかわらずボールインプレイである インフィールドフライの規則が優先する 注 インフィールドフライは 審判員が宣告して初めて効力を発する
-11-7 08(f) インフィールドフライと宣告された打球が 塁を離れているランナーに触れたときはバッター ランナーともにアウトになる 例外 インフィールドフライと宣告された打球が 塁についているランナーに触れた場合 そのランナーはアウトにならず バッターだけがアウトとなる 個人解釈インフィールドフライは 内野手が容易に打球を捕球できると ( 外野手が前に来て内野手の守備範囲の場合も含む ) 審判員が判断したときにだけ適用されると理解して良い ライナーやバントの飛球に対しては上記の2 04にもあるように 審判員は宣告してはならない かつて 1991 年 6 月 5 日の横浜大洋ホエールズ対広島東洋カープ戦で 2-2 の同点で迎えた 9 回裏一死満塁の場面 大洋の打者 清水義之が本塁付近の三塁線上に飛球を打ち上げ 球審の谷博は インフィールドフライ イフ フェア の宣告をした 打球は広島の捕手 達川光男の頭上に跳ね上がり 達川はワンバウンドしたボールをフェアグラウンド上で捕球して 本塁を踏んで一塁に送球した しかし三塁走者はワンバウンドしたので本塁へ走り ベースを踏んだ この時点で横浜大洋ホエールズサヨナラゲームになった これは審判がインフィールドフライを宣告した時点でフォースプレイではなくなり 走者に対してはタッチプレイとなる したがって 捕手は走ってきた三塁走者にタッチをしなければならない そうすれば バッターランナーはインフィールドフライでアウト インプレイであるので 捕手が走者にタッチをすればダブルプレイでチェンジになる 満塁でバントして小フライになった打球を審判員がインフィールドフライを 宣告してしまい それを内野手が落球してしまった場合の処理はどうなるの だろうか? -12-
11. ユニフォームの規定 競技者必携より ( 全日本軟式野球連盟 ) ( 財 ) 全日本軟式野球連盟が編集発行している競技者必携の規定細則の10 項の用具 装具の3. ユニフォーム 他の中の2 番目の項目に 袖の長さは両袖同一で 左袖に都 道 府 県名を必ずつけること 左袖には他のものをつけてはならない なお 右袖には社章 商標 クラブのマスコット等は付けても差支えない と明記されています 個人解釈 2010 年 田原本中学校が県新人戦に優勝し秋の近畿大会に出場しました そして 伏見中学校が最近よく練習試合をしていただいている 京都の 南シニアフリーダム と対戦して見事勝利し 全国大会の切符を手に入れました 田原本中学校の O 監督さんの話によると 大会終了後 軟野連の方から そのユニフォームでは全国大会に出場できませんよ と言われたそうです よくよく話を聞くと 左袖には 奈良 という文字が入っていなかったそうです 結局 新しくユニフォームを新調されました 以前は 奈良の中体連は今のように 軟野連主催の近畿大会に出場していなかったので どんなユニフォームでも問題はなかったのですが 今は 新人戦や春の選抜に優勝すると 軟野連主催の近畿大会に出場していくので ユニフォームを新調するときは 左袖は県名だけにした方がいいかな? ということです また 右袖には校章などが入っても問題はありません 近畿大会や全校大会出場はうちの野球部は関係ない??? という学校は 気にせず好きにしたらいいのでは と思います -13-
12. ワインドアップポジションからセットポジションはボーク 公認野球規則 8 00 投手 ( 例 ) 一死走者 1.3 塁 投手は前の打者がフライでアウトになったあと 不注意で両足を揃えて打者に正対しワインドアップポジションをとった しかし 走者がいることに気づき そのまま横に足を90 度向けてセットポジションに移った 8.01 正規の投球 投球姿勢にはワインドアップポジションとセットポジションとの二つの正規のものがあり どちらでも随時用いることができる 投手は投手板に触れて捕手からのサインを受けなければならない (a) ワインドアップポジション投手は 打者に面して立ち その軸足は ( 投手板の側方にはみ出さないように ) 全部投手板の上に置くか 投手板の前縁に触れて置き 他の足は 投手板の上に置くか 投手板の後縁およびその延長線より後方に置く 原注 2 本条(a) 項の姿勢から 投手は 1 打者に投球してもよい 2 走者をアウトにしようとして塁に踏み出して送球してもよい 3 投手板をはずしてもよい ( ボールを両手で保持した投手は 投手板をはずしたら必ず両手を身体の両側に下ろさなければならない ) 投手板をはずすときは 最初に軸足から ( 右投げ投手は右足から ) はずすべきで 自由な足を最初にははずすことは許されない また 前記の姿勢から セットポジションに移ったりストレッチをすることは許されない 違反すればボークとなる 個人解釈審判は投手が走者がいるのに ワインドアップポジションに入ったら ボーク をとる準備をして そのままセットポジションに移ったら 即ボークを宣告 しなければならない -14-
13. 第 3アウトの置き換え ( 出典ウィキペディアより抜粋 ) フォースアウトでない第 3 アウトが成立しても それ以外に有利なアピールプレイが残っている場合 守備側は第 3 アウト成立後であってもアピールプレイを行うことができる このアピールが認められ 審判員がアウトを宣告した場合 このアウトはすでに成立した第 3 アウトと置き換えることができる 第 3 アウト後のアピールアウトは第 4 アウトと記録するのではなく すでにアウトとなった第 3 アウトの記録を取り消して アピールアウトを第 3 アウトとして記録することになる これを 第 3 アウトの置き換え という イニング終了時におけるアピールは 投手および内野手全員がフェア地域を離れるとその権利が消滅する 第 3 アウトを置き換えたほうが守備側が有利になる場合とは 次のような場合である 得点している走者が塁を空過している場合その走者の得点は認められない 走者のフォースアウトまたは打者走者が一塁に達する前のアウトが第 3 アウトにあたる場合同じプレイ中にこのフォースアウトよりも先に走者が本塁を踏んでいても 得点は記録されない 前位の走者が塁を空過していたことによるアピールアウトが第 3 アウトにあたる場合それより後位の走者については アピールプレイが行われる前に本塁を踏んでいても得点は記録されない 例えば 二死一 二塁で打者が外野に二塁打を打ち 二塁走者が本塁通過後 返球を受けた捕手が一塁走者に本塁手前で触球し 三死となった しかし守備側が 二塁走者が三塁を踏み損ねていたことに気づいていた場合 第 3 アウト成立後であっても三塁に送球しアピールすれば 二塁走者を三塁でアウトにすることができる この場合 アピールがなかったら得点は 1 点だが アピールした場合は得点していた二塁走者が三塁でアウトになったので 0 点となる また 二塁走者は三塁でフォースアウトになったことになるので 打者の二塁打も取り消され 打数のみが記録される 第 3 アウトの置き換えにまつわる有名なエピソードとして 水島新司の漫画 ドカ ベン で描かれた ルールブックの盲点の 1 点 がある -15-
一死で 三塁走者と 他に一塁や二塁走者がいるときに スクイズプレイやヒットエンドランなどで走者が投球と同時にスタートを切った状況を考えよう 打者が投球を打ち これが飛球やライナーになった場合 塁上の走者はスタートを切っているため 飛球が捕らえられた場合のリタッチのための帰塁が難しくなる 守備側は 飛球を捕らえて二死 大きく離塁している走者も続けてアウト ( 併殺 ) にし これで三死で攻守交代することができる そこで 飛球を捕らえた野手が 三塁走者ではない他の走者が帰塁すべき塁 ( 一塁または二塁 ) に送球し 塁に触球したとする これで第 3 アウトが成立したが このアウトはフォースアウトではないことに注意が必要である このとき三塁走者が三塁にリタッチせず 第 3 アウト成立より先に本塁に到達していたとする すると この進塁はひとまず認められ 球審は 得点 を宣告する ただし 三塁走者は三塁にリタッチしていないから 守備側は 他の走者で第 3 アウトを成立させたあとでも 三塁に触球して 三塁走者がリタッチしていないことをアピールすれば 三塁走者をアウト ( 第 4 アウト ) にすることができる そうなれば 第 3 アウトの置き換えが行われ このプレイでの得点は記録されない しかし 守備側が 三塁走者ではない他の走者をアウトにして第 3 アウトを成立させ そのままベンチに引き上げようとして投手及び内野手がフェア地域を離れると 三塁走者の本塁到達は認められたことになるから 得点が記録される 水島新司の野球漫画 ドカベン 単行本 35 巻 ( 文庫版では 23 巻 ) では これに関するエピソードが描かれており ルールブックの盲点の 1 点と呼ばれている また 転じて アピールプレイを怠ったことによる失点全般を指すときにも使われる ボールを持って塁に触れるという共通の動作のため フォースアウトとアピールアウトが混同されていることが守備側の勘違いの要因と言えるプレイで 実際にも起きている 最近の実際に起きた事例 2012 年 済々黌高校対鳴門高校 2012 年 8 月 13 日に行われた第 94 回全国高等学校野球選手権大会の第 6 日 済々黌高校 ( 熊本県 ) 対鳴門高校 ( 徳島県 ) 戦の 7 回裏 済々黌の攻撃中一死一 三塁で ライ -16-
ナー性の打球を遊撃手が捕球した 一塁走者はヒットエンドラン 三塁走者も飛び出しており 一塁走者は帰塁をあきらめた 遊撃手は一塁手へゆっくり送球し 捕球した一塁手が一塁に触球して一塁走者をアウトにした 三塁走者は送球が一塁手にわたる前に本塁に到達していた 鳴門高校側はそのまま投手と内野手全員がファウルラインを越えたため アピール権が消失した それを確認した審判団は三塁走者の得点を認めた 済々黌は 5 回裏にも一死一 三塁の状況で同様の作戦を行っていたが このときは球審が本塁生還よりも第 3 アウトの方が先として退けていた なお済々黌の三塁走者は小学生時代 先述したドカベンにおけるエピソードを読んでおり 得点成立を狙っていたことを試合後に明かしている また 鳴門の捕手もルールは分かっていたが 打球の方向に集中していたため三塁走者が第 3 アウトよりも先に本塁に達したことを把握できず 審判員へアピール出来なかったと語っている -17-
14. ボールデッドラインの扱い方について 私たちが活用している公認野球規則の本や競技者必携の本は球場を対象として書かれています 中学校野球はいつも球場を使用するとは限らないので 中学校のグラウンドを対象としたローカルルールが発生します その中で 一番ややこしくなるのが 必ず試合であるファールライン ( ボールデッドライン ) の扱い方です 県の中体連野球専門部の解釈では 空間上の位置で判断 だそうです つまり悪送球がゴロならば ラインを越えた時点で タイム が宣告されます また 打球がフライになり 走って捕球体勢に入って ファールエリアで捕球してもボールがグラブに入ったまま ラインを越えてしまったら タイム が宣告され ボールデッドとなります また このままだと 止まれずにラインを越えてしまうと判断出来るときは 安全優先で捕球の前に ファールボール を宣告することになっています これはランナーがいるとき いないときは関係ありません -18-
15. 審判員の裁定 ( ハーフスイング ) (a) 打球がフェアかファウルか 投球がストライクかボールか あるいはランナ がアウトかセーフかという裁定に限らず 審判員の判断に基づく裁定は最終のものであるからプレーヤー 監督 コーチまたは控えのプレーヤーがその裁定に対して異議を唱えることは許されない 原注 ボール ストライクの判定について異議を唱えるためにプレーヤーが守備位置または塁を離れたり 監督またはコーチがベンチまたはコーチスボックスを離れることは許されない もし宣告に異議を唱えるために本塁に向かってスタートすれば 警告が発せられる 警告にもかかわらず本塁に近づけば試合から除かれる (b) 審判員の裁定が規則の適用を誤って下された疑いがあるときには 監督だけがその裁定を規則に基づく正しい裁定に訂正するように要請することができる しかし監督はこのような裁定を下した審判員に対してだけアピールする ( 規則適用の訂正の申し出る ) ことが許される 注 1 イニングの表または裏が終わったときはピッチャー及び内野手がフェア地域を去るまでにアピールしなければならない 注 2 審判員が規則に反した裁定を下したにもかかわらずアピールもなく定められた期間が過ぎてしまったあとでは たとえ審判員がその誤りに気づいてもその裁定を訂正することはできない (c) 審判員がその裁定に対してアピールを受けた場合は最終の指定を下すに当たって 他の審判員の意見を求めることはできる 裁定を下した審判員から相談を受けた場合を除いて 審判員は他の審判員の裁定に対して批評を加えたり 変更を求めたり異議を唱えたりすることは許されない 審判員が協議して先に下した 裁定を変更する場合 審判員はランナーをどこまで進めるかを含め 全ての処置をする権限を有する この審判員の裁定に プレーヤー 監督またはコーチは異議を唱えることはできない 異議を唱えれば 試合から除かれる 原注 1 監督は 審判員にプレイ及び裁定を変更した理由について説明を求めることはできる しかし いったん審判員の説明を受ければ 審判員に異議を唱えることは許されない 原注 2 ハーフスイングの際 球審がストライクと宣告しなかったときだけ監督またはキャッチャーは振ったか否かについて 塁審のアドバイスを受けるよう球審に要請することができる 球審はこのような要請があれば塁審にその裁定を一任しなければならない 塁審は球審からの要請があれば直ちに裁定を下 -19-
す このようにして下された塁審の裁定は最終のものである ハーフスイングについて監督またはキャッチャーが前記の要請を行ってもボールインプレイであり 塁審がストライクの裁定に変更する場合があるから バッター ランナー 野手を問わず状況の変化に対応できるよう常に注意していなければならない 監督がハーフスイングに異議を唱えるためにダッグアウトから出て 1 塁または 3 塁に向かってスタートすれば警告が発せられる 警告にもかかわらず 1 塁または 3 塁に近づけば試合から除かれる 監督はハーフスイングに関して異議を唱えるためにダッグアウトを離れたつもりでも ボール ストライクの宣告について異議を唱えるためにダッグアウトを離れたことになるからである (d) 試合中 審判員の変更は認められない ただし病気または負傷のため変更の必要が生じた場合はこの限りではない 個人解釈 公式戦であっても 予選や1 回戦 2 回戦などは3 審制で審判を行っており ハーフスイングのリクエストは出来ないことになっています 最近気になることは このハーフスイングをストライクと判定しすぎる審判員が多いと思います 4 審制ならば少々ボールと判定しても 捕手からのリクエストができるので 塁審の判断を仰いで判定を変える事は出来ます そのバッターがボールを打とうとしたスイングで 止めようとしたが回ってしまった場合はスイング判定でいいと思いますが 体が動いているがバットは明らかに止まっている場合は 勇気を持って ボール とコールするべきだと思います たまにありませんか? バット全然動いてないやろ~ なのに ストライク っていう判定 -20-