Title 超薄切片法に依るCondyloma Acuminatumの電子顕微鏡的観察 Author(s) 矢吹, 芳一 Citation 泌尿器科紀要 (1960), 6(11): 1073-1087 Issue Date 1960-11 URL http://hdl.handle.net/2433/112039 Right Type Departmental Bulletin Paper Textversion publisher Kyoto University
Electron-Microscopic Studies on the Condyloma Acuminatum by Ultra-thin Sectioning Yoshikazu YABUKI M. D. From the Jikei University School of Medicine, Dept. of Urology. (Director Prof. T. Minami) Since Lipschiltz and others have presumed the virus as a suspicious cause of the condyloma acuminatum, the virus infection theory has been considered as the most probable etiology of the condyloma acuminatum. The author, recently, has studied its fine structure by means of electron-microscope in twenty-five cases. The results are summarized as follows. 1) In only two out of the twenty-five cases, the abnormal granules are seen in the cytoplasm of the prickle cell, and are suspicious enough as a virus of 150-250mp in size. 2) In the six cases including the above mentioned two, some changes are noticed in the cytoplasm ; i. e. a relatively non-structural clear change in, the two cases and a vacuole like change in the rest of the four. 3) In all the twenty-five cases, the stratum corneum is generally edematous and less cornified. 4) In the nineteen cases excluding above mentioned six, the prickle cell stroma reveals generally clear structure. 5) The nucleus and nucleoles of the prickle cell are generally larger and relatively stable. 6) The mitochondria reveals remarkable enlarging deformity and the arrangement of the cristae mitochondriales is rarely in order. 7) The endoplasmic reticulum, Golgi area, etc. are relatively less developed. 8) The tonofibril has remarkably decreased in the cells of which cytoplasm revealed the above mentioned degenerations.
矢 吹 一 超 薄 切 片 法 に 依 るCondylomaAcuminatumの し る 電 子 顕 微鏡 的観 察 1079 り 灘馨 る 参い お ノ ロ.町 ワ b砲 駅 騒 り σ7 ら り. 礎 'L'9` じず 噌 3 う..鋳 騒難 正 常 包 皮 内板 の光 顕 像100 Fig.1 鍵驚 裁 野, 難綴 乾 ル.'..ftt' 雪 1,二 'v: 鉾 審 刃 帳鳶 応 紹ヒ Fig.2正 常 包 皮 内板 表 反 の 角 質 と穎 粒 層 写 真 の右 上 は略 均 質 無 構 造 な角 質 層 が 層 状 に 見 られ る. 大 部 分 は 不 規 則 な 樹 枝 状 の 張 原線 維 が交 錯 して い る穎 粒 層 で,変 形 糸 粒 体 かKeratohyalin穎 穎 粒 が混 入 し て い る. N=nucleusSc=StratumCorneum3500 粒 か鑑 別 不 明な
1080 矢 吹 一 超 薄 切 片 法 に 依 るCondylomaAcuminatumの 電 子 顕 微 鏡 的観 察 y. を凶今 N と N τ て' 占. ξ 筋 舗 魏 艶: "V 写 〆 べ 冠 ボ 議 瓢 難 欝.壽 享 弩翻<三.擁 麟繊 1冨: 鱗轡 濡露.ぺ 髪. の 鋤 'v瀞..街 蕊 織.墨1,憶 'tss7% 淋 寵 N 隔 一 鏑..ゼ 続=若 '犠 魂 ナ ゑ 曽 箪,灘 メ/ し 際 繕 ゴ ' ' ゴ1耗 し醐 一 でバ 警 穿 晦 講 護 骸N 働 施 N l鷺..撫, Fig.3正 常 包 皮 内板 表 皮 の棘 細 胞 層 の 一 部 細 胞 間 橋 に 於 け る 細 胞 膜 は の 所 で 二 重 膜 に 見 ら れ る, Mitochondriaは ほ ぼ 均 一 な 大 き さ でcytoplasmに 一 様 に 分布 して い る. NnucleusNI=nucleolusM=mitochondria Tf=tonofibril6000
矢 吹 一 超 薄 切 片 法 に 依 るCondylomaAcuminatumの 禽 7 tsn.'溺 1081 越レ $..EV 1夢 層 瀞 電子 顕 微 鏡 的 観察 ジ 〆 犠 響 雛.傷 動 阿 c1 轟 そ 攣 r 歓 驚 21 t孟'ly' ち ざ.嘉. 轟 参観 '聖 ゆ な.悔 聖 鷺 %娼 義 隔 夢1呂 竃;, `診 `. 侵 声 身 勉.づ Fig.4正 常 包 皮 内 板棘 細 胞 の一 部 核 の下 方 原 形 質 の一 部 に 電子 密 度 の高 い Golgi氏 装 置 と 思 は れ る 像 が 見 ら れ る. N:nucleusNI=nucleolusM:mitochondria Erendoplasmicreticulum9000 醜謬 漏 誌. 脳 '.'.蝉 膠 馳 鱒 欧 鍵蕪 響 録1: Fig 5正 ⑳馨ノ盛写 ノ る盈 鰭. 常 包 皮 内板 表 皮 基 底 層 の一 部 基 底 細 胞 は 棘 細 胞 と 比 し て 密 に 接 合 し て 居 る が, 細 胞 間 橋 で 連 絡 な く,Tonofibri1も 居 る の が 認 め られ る. N=nucleusNI:nucleolusA4:mitochondria Bm:BasalmembraneTftonofibri17500 間橋で終つて
1082 矢 吹 一 超 薄 切 片 法 に 依 るCondylomaAcuminatumの ち ' 繍 繋 鴨 おコハ ぴ 電 子顕 微 鏡 的 観 察 ウ も だ 盤織 Fig.6CondylomaAcuminatumの 光 顕 像 100 願 /灘 ξ 喧 胤 仁7' 冨 /v.iv観 ` グ 叢 冠, = ρ.吃 ゆ 触 壷 瘍. パ ざr多ノダ き.彦 '`晦.ぱ.'転 ;s, ら ン 絶 マ".同7 髭 ゆ "戸 ケ.許1 を ほ '! ぐ 夢 o,σ 賦 t 丁 'も 賦振 参 陛 〆 り 誓ξ 織,,.〇 諺 一 卑 卸.tx 魂 吻= { 凡 か ま 留". Fig.2と れ な い.角 比 較 す る と,穎 憂 酵 Fig.7CondylomaAcuminatumの 触, 角質層 粒 層 で は 張 原線 維 が 見 ら 質 層 は 破 壊 し て,角 1ノィ ー 化 が 見 られ な い. 4000
矢吹 超糊 柚 依 るCndy1mAum a mの 電 子騨 弓' グ7.多 鏡白 襯 察 礎 } 籍`` 1 N. ザ 墜 瓢 ψ 司 Eレ N 尺 臓 γ ノ ど肩 を 儀属 凶 H へTS N IA 一 Nl Fig.8CondylomaAcuminatumの Fig.3と 比 較 す る と,核 棘 細胞 層 の 一 部 周 囲 の 基 質 に 明 帯 が 見 ら れ る. 核 の 不 正 形,Mitochondriaの ら れ る.細 れ,完 1083 膨 大 不均 一 が 著 明 に 認め 胞 間 橋 に 於 け る 細 胞 膜 も誼 の 所 で 明 瞭 に 認 め ら 全 に 隣 接 細 胞 が 隔 て られ て い る の が 解 る. NnucleusNIInucleolusM:mitochandria Tf:tonofibrilErendoplasmicreticulum 6000
1084 矢 吹一超 薄切 片法 に 依 るCondylomaAcuminatumの 電子顕微鏡的観察 鱗 警 ぐ1義 雌ゴ " 欝 /.tn 孤 続.昌 擬 避鴎 脳 多隔 壷.撚. 弗輪 互 パ ー Fig.9CondylomaAcuminatumの 表皮基底層 核Mitochondriaの Fig.5と 増 大 が 見 ら れ る.基 比 し て 平 滑 を 欠 く.基 底膜は 底 膜 で 境 され る 下 方 は 血 管 で あ る.6000 /認 評1翻1 ll愚 鹸 癒麟 Fig.10CondylomaAcuminatumの 棘 細 胞 の 原 形 質 内 変 性. 周 囲 と は 明 瞭 に 区 別 出 来 る 明 る い 構 造 で 中 に は, Mitochondriaも 見 られ る.右 形 増 大 が 認 め られ る. NlnucleusNInucleolusM:mitochondria Tftollofibril6000 隙 に は 核 小 体 の変
矢 吹 一 超 薄 切 片 法 に 依 るCondylomaAcuminatumの 電 子 顕 微 鏡 的観 察 罫 沸蕊 励%脇 "ズ ザ 愛 ニ ン:.藷 1085 凹'tT.1 瓜 欝麟 ジ ろ 統 りれ ぷ ひ らやもフムロ 解 気 t,:騨 /,N 蒙嬢 霧慰 ぐ 臨 擁 急 壕鉱 '欝 蒙:羽1 疑 ゴ ン残 '`::鱈.. tt r'1 一, 呂'.ゼ 嘘 Fig.11CondylomaAcuminatum棘 細 胞 原 形 質 の 変 性. 核 を 包 囲 す る 様 に 無 構 造 な 比 較 的cearな Matrixに 構 造 で あ る. 類 似 せ る 構 造 な る も 異 常 穎 粒 は 見 ら れ な い. NnucleusMmitochondria6000 7 1壕 蔵爵 款響., 1鳴1険 λ ご騨 譜 一 汎:蒐 藻 覧:1 :図 燃 一 椀轟 譜貸蘂 '縛,,. _,僧.蓼 s 1. 図 塗悉 撫 影;寵 ヅ宇 1. 耀 '勉 髪 二 鰭, 帯.,2亨 嬬1.4 穣 ぐ1:三 7i 瞬 擁1., ぐ ' 講 実ニ ニ 7.罷 響 ズ1:講 尋.二 騒'61. 刈 一 N =翔.!`を %嵐 翫1. L噌肛 櫓' Fig.12尿 官 道 口 に 発 生 せ るCondylomaAcuminatum 棘 細 胞(比 較 的 表 層)の 一 部 で,原 異 常 穎 粒 が 見 ら れ る. N:nucleusM:mitochondriaG:golgiarea Er=endoplasmicreticulumAg:abnormal granules8000 形 質 の周 辺 部 に.白_雪
矢 吹 一 超 薄 切 片 法 に依 るCondylomaAcuminatumの 1086 電 子 顕 微 鏡 的観 察 ヤ 鱗 麹 ξ' 窟 ll 騨 鍮 鱗i"M 物 ノ る 鰐'皐 な ワ ドる 雄 麟'一 舞 響搾 一 孫 顔 肇 確 灘'/_'夕 鰍 忽 凶 鍵/ 鰯轟 勿 げドカ が.懸 藩霧 懸麟 ぐ Fig.13Condylomaacuminat.棘 Fig.14こ 細 の写 真はFig.13の 近傍で 胞 原 形 質 内変 性 あ る が空 胞 状 に 内容 が 穎 粒状 乃至 網 目 蜂 巣 状 に 充 実 性 無 構 造 物 質 が 見 られ, 状 に 見 え る.10000 一 部 で は 限 界 膜 が 破 壊 され て い る 10000 '肝 隔議 髪 鬼 聯 5x"鰍ttt 〆o /統 ず 姦 漸% チ,^t't ピ 陸" va瞬 う ワ 渤5麟 た 〆 勧 嘱 御, 偽 冨. も 細 嘱 議' 麟鰍 婚 み 蟻 窒ご 轍 数惹 '弟 髪 影 儀 k.2 曳 轟.吻 雛..xij". ビ. : 饗 灘 壕 樫 嚢繍贔傍 彰 ー 1ノ イ 壕 鴛プ 刈,,.橘 脚 噌繭 網 一 堀 Fig.15Fig.13,14と 同 一一A症例 で あ る が 切 片 を 異 に す る.各 空 胞 は 全 く融合 し て 原 形 質 全 体 に 広 が つ て い る. Mitochondriaも 変 形 著 明. 10000 Fig.16 影 瓠 Fig.13の 毒 磁..蓼 近 傍 に 於 け るGolgi area 15000
矢 吹 一 超 薄 切 片 法 に 依 るCondylomaAcuminatumの 電子 顕 微 鏡 的 観 察 1087 ^銅 珍 毎 毎 そ%. 沸 霧 膨 脅 争 も鞠 簗働 観 を い 豹 勢 夢 幽 5淑 鮎 弗 曳 撫: 審 咳.鼻 傷 峨 鱒 濠衛,., '.1'毒 曳 識 躍 ラ争 篠 雌} Fig.17尿 侮 施洗 ン一.多 ゼ 轡 卿' 梅 甑..議 繍 道 口 発 生 のcondyLacuminat 質 に 於 け る 異 常 穎 粒,単 鋸 身 棘細胞原形 層 限 界 膜 が 認 め られ,cristae ら し い 構 造 は 見 ら れ な い.15000 畷 彫 多ク 壷 f.is μ 勲 一 辮暫 野1嬉 讐l Fig.18包 皮 内 板 発 生 のcondyl.acuminat.の 棘 細 胞 原 形 質 に 於 け る 異 常 穎 粒.15000