1 標準化文書説明資料 本資料は, 以下の標準化予定文書を説明した資料である. JJ-300.00: ホームNW 接続構成特定プロトコル :HTIP 次世代ホームネットワークシステム専門委員会 作成日 :2010 年 6 月 17 日
参考 標準化対象と作成委員会 新規対象の TTC 標準 JJ-300.00 対応する国際標準 無し 次世代ホームネットワークシステム専門委員会 インタオペラビリティ SWG JJ-300.00 原案作成 物理 リンク層 SWG 2
本資料の内容 3 ホームネットワーク ( 以下, ホーム NW) にて, 今後想定される課題 課題解決に向けたプロトコル HTIP の紹介 HTIP のスコープ 技術内容 < 前提 > JJ-300.00 にて主に参照した文書である. ただし, 以下の文書への追加項目はないものとする. ITU-T Rec, G.9971, Requirements of transport functions in IP home network, June 2010. ISO/IEC 29341-1: Information technology UPnP Device Architecture Part 1: UPnP Device Architecture Version 1.0, Edition 1.0, December 2008. IEEE Computer Society: 802.1AB-2009: Local and Metropolitan Area Networks - Station and Media Access Control Connectivity Discovery, September 2009.
4 背景 ホーム NW 利用者にとって今後予想される課題 ホームNW 内に接続可能な *1 が増加傾向にある. 無線 LAN,PLC, 同軸ケーブル等,NW 機器 *2 も多種多様であり接続形態も多様化. の利用において必要な設定も複雑化. 課題 ユーザは IP サービスの不具合発生時に, 不具合発生箇所の切分けができず, ユーザ一人での復旧が困難. どんな端末が どんな構成で接続されているか 全体像が分からない. NW 機器の適切な設定が分からない. など. ホーム NW ユーザ AGW NW 機器 ホームネットワーク 図. ホーム NW 内のの例と NW 機器の例 *1 :IP パケットを終端する機能をもった端末のこと. *2 NW 機器 :IP パケットを終端せず, 転送する機能を持った端末のこと.
準化の 接続機器 / 構成の把握標検討範ホーム NW 構成特定プロトコル HTIP * の標準化 まずは, 接続機器とホーム NW 構成の把握 (L2 構成の可視化 ) と, 接続性の確認を行い, ユーザ自身の手 で不具合発生箇所の切り分けができる仕組みを提供することを目的とし 標準化の検討範囲とする また, ホーム NW 内に接続された任意の端末においても, ホーム NW 構成を確認できるようにする. L2 構成可視化イメージ B 社 HDR 機種名 : ooo 型番 : ppp E 社 TV 機種名 : kkk 型番 : lll D 社ケ ーム機機種名 : iii 型番 : jjj A 社 PC 機種名 : aaa 型番 : bbb H 社機種名 : mmm 型番 :nnn port4 port1 port1 N 社ケ ーム機機種名 : ggg 型番 : hhh port6 PLC port NW 機器 wifi port port1 K 社 PLC モテ ム機種名 : eee 型番 : fff port2 port3 C 社 AGW 機種名 : ccc 型番 : ddd port4 L2 構成可視化に必要な情報 端末の機器情報 区分 メーカ名 機種名 型番 間の接続経路 NW 機器 伝送路の種別 ポート番号 ユーザ操作 接続確認 不具合対応 / 予防 囲 品質確認 機器設定 遠隔サービス * HTIP: Home-network Topology Identifying Protocol 5
JJ-300.00(HTIP) のスコープについて 下図は, 本仕様のスコープとするホームNWを表しており, 実線で囲まれたリンクレイヤブロードキャストドメインにおいてのみ利用される.WAN における接続構成と, 配下の接続構成の特定はスコープ外とする. 例えば, からUSBケーブルで接続された端末や,AGW 以外に, ホームNW 内に接続されたルータ配下の接続構成に関しては関与しないこととする.AGW *3 は,LAN 内に0 台もしくは1 台存在する. そしては,LAN 内に1 台以上接続される.NW 機器は,0 台以上,AGWと間に接続される. 図. HTIP が利用されるホーム NW の構成 *3 AGW:IP サブネットが異なる NW を接続する機能を有し, ホーム NW と WAN との間のインタフェース 機能を有する. と NW 機器の両方の機能を併せ持つ. 6
JJ-300.00(HTIP) の技術内容について Managerでは,UPnPとLLDPを組み合わせたHTIPにより, ホームNWの構成図を作成する.Managerは, 任意の端末で動作可能である.L3パケットを終端するは,UPnPを利用して(a) 機器情報をManager に通知し,L3パケットを転送するNW 機器は,LLDPを利用して(a) 機器情報と (b) 接続構成情報を通知する. 実装する機能 拡張する点 エンド UPnP Device Architecture 機器情報を通知するため,UPnP DDD にてエレメントを新規に定 端末 における controlled devices 義し, また, 既存のエレメントへの記述形式をガイドライン化 機能 区分 : <htip:x_devicecategory> ( 新規定義,P.9 参照 ) メーカコード : <htip:x_manufactureroui>( 新規定義 ) 機種名 : <modelname> 型番 : <modelnumber> NW 機器 IEEE 802.1AB-2009 に ベンダ拡張部に, 区分, メーカ名, 機種名, 型番を格納 おける LLDP Agent ベンダ拡張部に接続構成情報 (MAC アドレステーブル ) を追加 (Transmit only) 機能 送信先 MAC アドレスをブロードキャストアドレスに設定 agent NW 機器 NW 機器 agent agent Manager Agent の情報から Manager において, ホーム NW 構成情報を特定する Agent による機器情報の通知 NW 機器 Agent による機器情報, 接続構成情報の通知 7
以下, 参考情報 8
参考 端末区分情報リスト ( 抜粋 ) NW 機器の区分を, 下記端末区分情報リストを参照して記述することで, 曖昧性が軽減され, Managerは明確にホームNW 構成を作成可能になる. 本リストはTTC 次世代ホームネットワーク専門委員会にて標準化中である. 大区分区分説明値 ネット TV 端末テレビ AV_TV STB セットトップボックス AV_STB AV 系 PC 系通信系くらし系娯楽系 デジタルカメラ デジタルカメラ AV_DigitalCamera プロジェクタ プロジェクタ AV_Projector フォトフレーム デジタルフォトフレーム AV_PhotoFrame デスクトップ デスクトップPC PC_DeskTop ノートPC ノートPC PC_Notebook PDA PDA PC_PDA プリンタ プリンタ PC_Printer 携帯電話 携帯電話 COM_Cellular ルータ ブロードバンドルータ COM_IGD スイッチングハブ スイッチングハブ COM_Switch PLCモデム PLCモデム COM_PLCModem 同軸ケーブルモデム 同軸ケーブルモデム COM_CoaxModem エアコン エアコン LIFE_AirConditioner 洗濯機 洗濯機 洗濯乾燥機 LIFE_WashingMachine 照明 照明 LIFE_Lighting Webカメラ Webカメラ LIFE_WebCamera ゲートウェイ ゲートウェイ コントローラ LIFE_Gateway 床暖房 床暖房 LIFE_FloorHeating 炊飯器 炊飯器 電子ジャー LIFE_RiceCooker 据置ゲーム機 据え置き型のゲーム AM_GameMachine ポータブルゲーム機 ポータブル型のゲーム AM_PortableGameMachine 家庭用ロボット ロボット AM_HomeRobot 9
参考 UPnP の機能概要 UPnPではホームNW 内 ( 同一サブネット内 ) で, Control Point( クライアント ) がControlled Device( サーバ ) に対して以下の機能を実行する. コントロール, イベンティング, プレゼンテーション機能は各 WC 毎に異なる. 例 : UPnP IGD (Internet Gateway Device) のコントロールではHGWのポートマッピングを行う. 例 : UPnP AVのコントロールでは, あるControlled Deviceから曲リストを取得し, その曲リストの中からある曲を再生 停止 巻き戻し等の操作が可能. UPnP の Control Point と Controlled Device のイメージ PC Control Point Description, Control の結果, Eventing Controlled Device audio Discovery, Control UPnP の基本機能 上位機能は各 WC で異なる (UPnP-IGD,UPnP-AV(DLNA),UPnP-DM) 3 コントロール 4 イベンティング 5 プレゼンテーション 2 ディスクリプション ( 機器情報, 実装しているコマンドを XML 形式でやり取り ) 1 ディスカバリ (SSDP) 0 アドレッシング (DHCP,AutoIP) 10
参考 UPnP-WC 一覧 UPnP は大まかに機器ごとに Working Committees(WC) がある. UPnP Device Architecture で 0. アドレッシング ~2. ディスクリプションまで定義され,3. コントロール機能以降は各 WC で定義される. HTIP では,2. ディスクリプションの記述方法のみを記述しているため, どの WC の仕様に則るかは実装依存とする. Steering Committee UPnP の全体像 Technical Legal Committee Committee Marketing New Projects Committee Committee Standards Committee UPnP Implementers Corporation Working Committees( 抜粋 ) AV WC AV 家電の制御 Solar Protection ブラインドや窓の制御 Blind WC Low Power WC 電力制御の機能を規定 Internet Gateway WC BB ルータの制御 UPnP Device Architecture Digital Security Camera WC セキュリティカメラの制御 QoS WC QoS の機能を規定 Printer WC プリンタの制御 HVAC WC 空調の制御 Device 端末管理の機能を規定 Management WC Scanner WC スキャナの制御 Lightning Control WC 照明の制御 家電特有の制御を規定 家電の種類に依存しない機能を規定 11
参考 LLDP(Link Layer Discovery Protocol) の機能概要 2009 年 9 月に IEEE 802.1AB-2009 として標準化 LLDP は L2 の制御フレームで管理情報をマルチキャスト送信するだけであり, 実装が容易 一方的に情報を送信するだけであり, リスニングポートを持たない LLDP 自体には設定変更の仕組みなし ( 双方向のプロトコルではない ) TCP/IPのプロトコル スタックを搭載していない端末も管理可能 LLDPフレームを送信するタイミングは, リンクアップ 時と管理情報の変更時. そして, あらかじめ設定した間隔で定期的に送信する. 間隔は管理者が自由に設定可能 ( 推奨値 120 秒 ) LLDPが扱う情報は, 機器の識別情報, ポートの識別情報, 有効期間 (TTL) の三つが必須項目機器とポートの識別情報にはMAC/IPアドレス, インタフェースの名称, ポート番号などが含まれており,LLDPを受信した機器はTTLで指定された時間だけ情報を保持 独自に拡張可能なフィールドが用意されている (HTIP では, このフィールドを利用 ) 以下のような情報を一定間隔でマルチキャスト送信 機器固有情報 (MAC/IP アドレス,etc.) MAC アドレステーブル 設定情報 etc. LLDP 搭載 NW 機器 AGW 12