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目次 < 参考 >... 4 1. 概説... 6 1.1. 本仕様の適用範囲... 6 1.2. 本仕様の目的... 6 1.3. 本仕様の規定内容... 6 2. 用語と略語の定義... 6 2.1. 用語... 6 2.2. 略語... 6 3. アーキテクチャ... 7 3.1. ルーチング方式... 7 3.2. DB 構成... 7 3.3. プロトコル スタック... 7 3.4. 通信事業者網の要求条件... 8 4. ENUM インタフェース... 8 4.1. DNS... 8 4.1.1. DNS メッセージフォーマット... 8 4.1.2. 基本動作... 10 4.2. ENUM... 10 4.2.1. Query... 10 4.2.2. Answer... 11 付録 i シーケンス メッセージ例... 15 i.1 概要... 15 i.2 ENUM シーケンス例... 15 i.2.1 基本 ENUM 問合せ (Query/Answer)... 15-3 - TS-1021

< 参考 > 1. 国際勧告等の関連本仕様書は 3 章参照文書の国際標準及び国内標準文書を利用して規定している 注 1) 本文 3 章に示すルーチング方式 DB 構成などの前提条件において国際 IP 相互接続方式との乖離が生じた場合には 国際 IP 相互接続方式との整合性を保つため将来本仕様の規定が変更される可能性があることに留意すること 注 2) 本文 3 章に示すルーチング方式 DB 構成などの前提条件または国内のネットワーク構成における前提条件に変更が生じた際には将来本仕様の規定が変更される可能性があることに留意すること 2. 改版の履歴 3. 参照文書 3.1. 規準参照文書 版数 制定日 改版内容 第 1.0 版 2015 年 3 月 5 日 制定 以下の規準参照文書には 本仕様書を刊行した時点で最新のバージョンを示している 全ての規準参照文書は 技術 的な変更を伴う改版が行われる可能性がある 本仕様書は 以下の規準参照文書に準拠して規定の明確化をしているこ とから 規準参照文書のバージョンの最新化にあたっては 本仕様書における規定への影響を考慮して行う [ITU-T E.164-Sup.2] "Number portability", ITU-T E.164 Supplement 2, June 2014 [JT-Q769.1] 注 )JT 化され次第 参照先を変更する " 番号ポータビリティをサポートするための ISDN ユーザ部の拡張 Number portability", TTC 標準 JT- Q769.1 第 2 版情報通信技術委員会 (The Telecommunication Technology Committee), 2000 年 11 月 3.2. IETF の簡略標準本仕様書で直接参照する IETF の簡略標準を以下に示す [RFC 1035] "DOMAIN NAMES IMPLEMENTATION AND SPECIFICATION", IETF RFC1035, Internet Engineering Task Force, November 1987 注 )JF 化され次第 参照先を変更する [RFC 3261] "SIP: セッション開始プロトコル ", TTC 標準 JF-IETF-RFC3261 第 1 版, 情報通信技術委員会 (The Telecommunication Technology Committee), 2005 年 6 月 [RFC 3402] "Dynamic Delegation Discovery System (DDDS) Part Two: The Algorithm", IETF RFC3402, Internet Engineering Task Force, October 2002 注 )JF 化され次第 参照先を変更する [RFC 3403] "Dynamic Delegation Discovery System (DDDS) Part Three: The Domain Name System (DNS) Database",IETF RFC3403, Internet Engineering Task Force, October 2002 注 )JF 化され次第 参照先を変更する [RFC 3764] "enumservice registration for Session Initiation Protocol (SIP) Addresses-of-Record", IETF RFC3764, Internet Engineering Task Force, April 2004 注 )JF 化され次第 参照先を変更する [RFC 3966] " 電話番号のための tel URI(The tel URI for Telephone Numbers)", TTC 標準 JF-IETF-RFC3966 第 1 版, 情報通信技術委員会 (The Telecommunication Technology Committee), 2005 年 6 月 [RFC 4694] "tel URI 型式の為の番号ポータビリティ パラメータ (Number Portability Parameters for the "tel" URI)", TTC 標準 JF-IETF-RFC4694 第 1 版, 情報通信技術委員会 (The Telecommunication Technology Committee), 2007 年 11 月 [RFC 4769] "IANA Registration for an Enumservice Containing Public Switched Telephone Network (PSTN) Signaling - 4 - TS-1021

[RFC 6116] Information", IETF RFC4769, Internet Engineering Task Force, November 2006 注 )JF 化され次第 参照先を変更する "The E.164 to Uniform Resource Identifiers (URI) Dynamic Delegation Discovery System (DDDS) Application (ENUM)", IETF RFC6116, Internet Engineering Task Force, March 2011 注 )JF 化され次第 参照先を変更する 4. 工業所有権 TTC の 工業所有権等の実施の権利に係る確認書 の提出状況は TTC ホームページで公開されている 5. 標準策定部門 信号制御専門委員会 - 5 - TS-1021

1. 概説 1.1. 本仕様の適用範囲本仕様は 国内の通信事業者網間において E.164 番号に対応する URI 情報を取得するためのキャリア ENUM インタフェース仕様を規定するものである 1.2. 本仕様の目的本仕様は 国内の通信事業者が E.164 番号に対応する URI 情報を取得するためのインタフェース規定の解釈を一意とすることで 通信事業者の接続性の向上に寄与することを目的とする 1.3. 本仕様の規定内容本仕様は ENUM を用いて E.164 番号から URI の取得を適切に行うために国内の通信事業者が従うべき必須事項として下記を規定する (1) キャリア ENUM インタフェース a) DNS に関する事項 ( 本文 4.1 節 ) b) ENUM(Query/Answer) に関する事項 ( 本文 4.2 節 ) また 参考情報として 下記の項目を記述する (2) シーケンス メッセージ例 ( 付録 i) 2. 用語と略語の定義 2.1. 用語本仕様に関する用語は [ITU-T E.164-Sup.2] [RFC 6116] 及び[RFC 3261] に準拠する 以下には 上記の文書で利用されていないが 本仕様で利用する用語の定義を示す 用語発信事業者網番号取得事業者網着信事業者網移転先事業者網 定義発信するユーザを収容する事業者の網ユーザの番号を取得した事業者の網着信するユーザを収容する事業者の網番号ポータビリティユーザを現在収容している事業者の網 2.2. 略語 本仕様で利用する略語を示す DB Data Base DNS Domain Name System ENUM E.164 NUmber Mapping FQDN Fully Qualified Domain Name IMS IP Multimedia Subsystem IP-POI IP Point Of Interconnection IPv4 Internet Protocol Version 4 IPv6 Internet Protocol Version 6 NAPTR The Naming Authority Pointer SIP Session Initiation Protocol TCP Transmission Control Protocol UDP User Datagram Protocol URI Uniform Resource Identifiers - 6 - TS-1021

3. アーキテクチャ図 3.1 にキャリア ENUM インタフェースを用いた通信の形態を示す 本仕様では IMS 網等の事業者網間で SIP を利用した通信を対象に キャリア ENUM インタフェース ( 図 3.1 における NNI(ENUM/DNS) 規定点 ) 上で送受されるメッセージ (Query/Answer) の設定条件を規定する 番号取得事業者網 ENUM/DNS NNI(ENUM/DNS) Initial INVITE ENUM Query ENUM Answer Initial INVITE NNI(SIP/SDP) 発信事業者網 着信事業者網 図 3.1/TS-1021 ENUM/DNS を用いた通信の形態 3.1. ルーチング方式本仕様におけるルーチング方式については [ITU-T E.164-Sup.2] の規定に従い All Call Query 方式を前提としたインタフェース仕様を規定する 3.2. DB 構成本仕様における DB 構成については [ITU-T E.164-Sup.2] の規定に従い 個別 DB 構成 ( 自社データ保有型 ) を前提としたインタフェース仕様を規定する なお 本仕様では Tier0 Tier1 は利用しない [ITU-T E.164-Sup.2] では real time DB と non-real time DB が定義されるが 本仕様における ENUM/DNS サーバは real time DB に該当する 3.3. プロトコル スタック図 3.3.1 に本仕様における ENUM/DNS のプロトコル スタックを示す 4.1 節で DNS に関する規定 4.2 節で ENUM に関する規定を記載する なお 本仕様ではキャリア ENUM/DNS インタフェースにおいて IPv4 及び IPv6 の両方の IP バージョンのサポートを必須とする - 7 - TS-1021

プロトコルスタック ENUM NAPTR DNS TCP/UDP IPv4/IPv6 図 3.3.1/TS-1021 ENUM/DNS のプロトコル スタック 3.4. 通信事業者網の要求条件 本仕様に従い キャリア ENUM インタフェースを適用する通信事業者網の要求条件を記載する (1) 発信事業者網 番号帯に対応する番号取得事業者網の ENUM/DNS の IP アドレスは既知であること 本仕様の 4.2.1 節に従い ENUM Query を送信できること (2) 番号取得事業者網 自事業者が取得した番号帯に関する ENUM/DNS インタフェースを提供すること 本仕様の 4.2.2 節に従い ENUM Answer を送信できること (3) 着信事業者網 本仕様における要求条件はない 4. ENUM インタフェース 4.1. DNS 本仕様における DNS に関する仕様として [RFC 1035] を基に国内の補足事項を規定する 4.1.1. DNS メッセージフォーマット DNS メッセージのフォーマットは [RFC 1035]4.1 節に従う DNS メッセージは ヘッダ部 質問部 回答部 権威部 追加情報部からなる 以降に参考として DNS メッセージフォーマットおよび 各フィールドの説明と設定値を記載する 図 4.1.1.1 にヘッダ部のフォーマットを示す 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 ビット ID QR OPCODE AA TC RD RA Z RCODE QDCOUNT ANCOUNT NSCOUNT ARCOUNT 図 4.1.1.1/TS-1021 ヘッダ部フォーマット - 8 - TS-1021

表 4.1.1.1 にヘッダ部のフォーマットにおける各フィールドの定義を示す 表 4.1.1.1/TS-1021 ヘッダ部フォーマットフィールドの定義 フィールド名 定義 設定値 ID 問合せの識別子 [RFC 1035] 4.1.1 節に従う QR メッセージの種別 [RFC 1035] 4.1.1 節に従う OPCODE 質問の種別 [RFC 1035] 4.1.1 節に従う AA 権威サーバからの直接応答であることの識 [RFC 1035] 4.1.1 節に従う 別子 TC データサイズ切り落とし実施有無の識別子 [RFC 1035] 4.1.1 節に従う RD 再帰問合せ要望 本仕様の 4.1.2.1 節に従う RA 再帰問合せ可否識別子 [RFC 1035] 4.1.1 節に従う Z 予備 ( 将来利用するためのリザーブ ) [RFC 1035] 4.1.1 節に従う RCODE 回答の種別 [RFC 1035] 4.1.1 節に従う QDCOUNT 質問部のエントリ数 [RFC 1035] 4.1.1 節に従う ANCOUNT 回答部のリソースレコード数 [RFC 1035] 4.1.1 節に従う NSCOUNT 権威部のリソースレコード数 [RFC 1035] 4.1.1 節に従う ARCOUNT 追加情報部のリソースレコード数 [RFC 1035] 4.1.1 節に従う 図 4.1.1.2 に質問部のフォーマットを示す 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 ビット QNAME QTYPE QCLASS 図 4.1.1.2/TS-1021 質問部フォーマット 表 4.1.1.2 に質問部のフォーマットにおける各フィールドの定義を示す 表 4.1.1.2/TS-1021 質問部フォーマットフィールドの定義 フィールド名 定義 設定値 QNAME 質問するドメイン名 [RFC 1035] 4.1.2 節に従う QTYPE 問合せ種別 [RFC 1035] 4.1.2 節に従う QCLASS 問合せクラス [RFC 1035] 4.1.2 節に従う - 9 - TS-1021

図 4.1.1.3 に回答部 権威部 追加情報部で用いるリソースレコードのフォーマットを示す 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 ビット NAME TYPE CLASS TTL RDLENGTH RDATA 図 4.1.1.3/TS-1021 リソースレコードフォーマット 表 4.1.1.3 に回答部 権威部 追加情報部のリソースレコードフォーマットにおける各フィールドの説明を示す 表 4.1.1.3/TS-1021 リソースレコードフォーマットフィールドの定義 フィールド名 定義 設定値 NAME 所属するドメイン名 [RFC 1035] 4.1.3 節に従う TYPE RDATA フィールドの情報の意味 [RFC 1035] 4.1.3 節に従う CLASS RDATA フィールド内の情報のクラス [RFC 1035] 4.1.3 節に従う TTL リソースレコードがキャッシュ可能な時間 [RFC 1035] 4.1.3 節に従う但し 回答部の場合は本仕様の 4.1.1.1 節に従う RDLENGTH RDATA フィールドの長さ [RFC 1035] 4.1.3 節に従う RDATA TYPE フィールドと CLASS フィールドで [RFC 1035] 4.1.3 節に従う 指定された形式のリソースデータ 但し 回答部の場合は本仕様の 4.2 節に従う 4.1.1.1. その他の推奨事項 本仕様において キャッシュ生存時間である TTL の値は 60 を推奨する なお キャッシュ生存時間の満了前であっ ても キャッシュを使用せず DNS サーバへの問合せを行ってもよい 注 ) ネガティブキャッシュの生存時間である MinimumTTL の値も 60 を推奨する 4.1.2. 基本動作 4.1.2.1. DNS 問合せ本仕様では DNS への問合せは 反復問合せ を利用しなければならない そのため DNS メッセージのヘッダ部の再帰要望 (RD) フィールドには 0 を設定しなければならない 4.1.2.2. 逆引き本仕様では IP アドレスから FQDN への逆引きは規定しない 4.1.2.3. 最終的な回答の返送 本仕様では 事業者間の信号数の削減のため 番号取得事業者網内で可能な範囲の解決を行い 番号取得事業者網は 発信事業者網に最終的な回答のみを返送しなければならない 4.2. ENUM 4.2.1. Query 4.2.1.1. フォーマット本仕様では ENUM Query のヘッダ部 および質問部は [RFC 1035] 4.1.1 節 4.1.2 節のフォーマットに従う - 10 - TS-1021

4.2.1.2. 基本動作 本仕様では E.164 番号から ENUM Query を作成する手順について [RFC 1035] 3 章及び [RFC 6116] 3 章に対し 国内 の補足事項を規定する 4.2.1.2.1. E.164 番号変換規則 本仕様において E.164 番号を ENUM Query の質問部の QNAME に設定する有効なドメイン名への変換規則を以下に 記載する なお ENUM Query の最後尾に指定するドメインは ".e164enum.net" を設定しなければならない 注 1) ENUM のトップレベルドメインについては ".e164enum.net" から見直される可能性があることに留意すること 1 E.164 番号から先頭の "+" および visual-separator を除外する 例 )"+81-3-5297-2571" "81352972571" 2 数字を逆順に並べ替える 例 )"81352972571" "17527925318" 3 数字の間にピリオド "." を挿入する 例 )"17527925318" "1.7.5.2.7.9.2.5.3.1.8" 4 末尾に ".e164enum.net." を付与する 例 )"1.7.5.2.7.9.2.5.3.1.8" "1.7.5.2.7.9.2.5.3.1.8.e164enum.net." 4.2.2. Answer 4.2.2.1. フォーマット本仕様では ENUM Answer のヘッダ部 質問部 および回答部は それぞれ [RFC 1035] 4.1.1 節 4.1.2 節 4.1.3 節のフォーマットに従う 回答部の RDATA フィールドに設定する NAPTR リソースレコードのフォーマットは [RFC 3403] 4.1 節に従う 図 4.2.2.1.1 に NAPTR リソースレコードフォーマットを示す 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 ビット ORDER PREFERENCE FLAGS SERVICES REGEXP REPLACEMENT 図 4.2.2.1.1/TS-1021 NAPTR リソースレコードフォーマット - 11 - TS-1021

表 4.2.2.1.1 に NAPTR リソースレコードフォーマットにおける各フィールドの定義を示す 表 4.2.2.1.1/TS-1021 NAPTR リソースレコードフォーマットフィールドの定義 フィールド名 定義 設定値 ORDER 複数の NAPTR リソースレコードがある場 本仕様の 4.2.2.1.1 節に従う 合の処理の順序 PREFERENCE ORDER フィールドの値が同一である 本仕様の 4.2.2.1.2 節に従う NAPTR リソースレコードの処理の優先度 FLAGS リソースレコードの動作を指定 本仕様の 4.2.2.1.3 節に従う SERVICES リソースレコードが対象としているサービ 本仕様の 4.2.2.1.4 節に従う スを指定 REGEXP 区切り文字 (delim-char 部 ) で区切られ 本仕様の 4.2.2.1.5 節に従う POSIX 拡張正規表現による置換規則 (ere 部 ) と置換対象となる文字列を指定 REPLACEMENT ドメイン出力時 REGEXP の代わりに使用 (REGEXP とは排他で 使用しないときは "." を指定 ) 本仕様の 4.2.2.1.6 節に従う 以降の従属節では 本仕様で規定する NAPTR リソースレコードの各フィールドの設定値に関する事項を記載する 4.2.2.1.1. ORDER フィールド 本仕様では [RFC3403] に従い ORDER 値を設定しなければならない 値は事業者間協議により決定する 4.2.2.1.2. PREFERENCE フィールド 本仕様では [RFC3403] に従い PREFERENCE 値を設定しなければならない 値は事業者間協議により決定する 4.2.2.1.3. FLAGS フィールド 本仕様では [RFC 6116] に従い FLGAS フィールドは URI を出力させる "u" を設定しなければならない 4.2.2.1.4. SERVICES フィールド本仕様では 1 つの E.164 番号に対応する "E2U+sip"[RFC 3764] のレコードの設定を必須とする また 国内の通信事業者間の接続が IP-POI 接続のみになるまでの期間 +81ABCDEFGHJ( 地域固定電話着信 IP 電話着信 ( カテゴリ A)) の E.164 番号に関しては上記の "E2U+sip" のレコードに加え "E2U+pstn:sip"[RFC 4769] のレコードの設定を必須とする 4.2.2.1.5. REGEXP フィールド 本仕様では REGEXP フィールドは [RFC 3402]3 章に対し 国内の補足事項を規定する (1) 区切り文字 (delim-char 部 ) には "!" を設定しなければならない (2) 置換規則 (ere 部 ) には "^.*$" を設定しなければならない - 12 - TS-1021

4.2.2.1.5.1. URI 本仕様では REGEXP フィールドに記述される URI 形式として SIP URI を指定しなければならない 4.2.2.1.5.2. SIP URI フォーマット 本仕様では REGEXP フィールドに記述する SIP URI のフォーマットは [RFC 3261] 及び [RFC 3966] のフォーマットに 従う SIP URI のフォーマットを図 4.2.2.1.5.2.1 に示す sip:<global-number-digits><par>@<hostport>;<uri-parameter> 図 4.2.2.1.5.2.1/TS-1021 SIP URI のフォーマット REGEXP フィールドに設定する SIP URI は SERVICES フィールドで指定されるサービスごとに条件が異なる なお 欠番の場合でも SIP URI を設定しなければならない (1) E2U+sip に設定する SIP URI( 番号ポータビリティユーザ 欠番を含む ) の場合 par 部には tel URI パラメータを設定してはならない ( 設定例 )sip:+81422609999@example1.ne.jp;user=phone (2) E2U+pstn:sip に設定する SIP URI の場合 番号ポータビリティユーザの E.164 番号に対する SIP URI ( 設定例 )sip:+81422609999;npdi;rn=+81422610051@example1.ne.jp;user=phone 上記以外の E.164 番号 ( 欠番含む ) に対する SIP URI ( 設定例 )sip:+81422609999;npdi@example1.ne.jp;user=phone 4.2.2.1.5.3. global-number-digits 部 本仕様では global-number-digits 部には E.164 番号を設定する この値は ENUM Query で問合せた E.164 番号と同値で なければならない また visual-separator は設定してはならない 4.2.2.1.5.4. par 部 ("E2U+pstn:sip" の場合のみ ) 本仕様では par 部に設定される tel URI パラメータとして [RFC 4694] で定義される "npdi" tel URI パラメータを設定しなければならない また 番号ポータビリティユーザの E.164 番号に対する SIP URI への "rn" tel URI パラメータについては 全通信事業者間の接続が IP-POI 接続のみになるまでの期間は設定しなければならない (IP-POI 接続のみの場合の設定条件はオプション ) "rn" tel URI パラメータが設定される場合 その値に移転先事業者網へのネットワークルーチング番号 ([JT-Q769.1] 3 章 ) を global-number 形式で設定されなければならない その他の tel URI パラメータは設定してはならない 4.2.2.1.5.5. hostport 部本仕様では hostport 部は SIP メッセージのダイアログ外リクエストの Request-URI に指定されるドメインと同じドメインを設定しなければならない ドメインは 表 4.2.2.1.5.5.1 に示す通り 問合せ対象である E.164 番号の番号ポータビリティの有無により設定値が異なる - 13 - TS-1021

表 4.2.2.1.5.5.1/TS-1021 hostport 部の設定値 ENUM Query の問合せ先 E.164 番号 設定値 番号ポータビリティユーザの E.164 番号 移転先事業者網のドメインを設定する 上記以外の E.164 番号 ( 注 ) 番号取得事業者網のドメインを設定する 注 : 番号取得事業者網で管理される E.164 番号の場合 4.2.2.1.5.6. uri-parameter 部 本仕様では uri-parameter 部に設定される SIP URI パラメータとして "user=phone" を設定しなければならない また その他のパラメータを設定してはならない 4.2.2.1.6. REPLACEMENT フィールド 本仕様では "." を設定しなければならない 4.2.2.2. 基本動作 本仕様では 受け取った ENUM Query を基に ENUM Answer を検索 / 送信する手順について [RFC 1035] 3 章及び [RFC 6116] 3 章に従う - 14 - TS-1021

付録 i シーケンス メッセージ例 ( 本付録は参考資料であり 仕様ではない ) i.1 概要 本付録では ENUM における一般的なシーケンス メッセージ例を記載する 本付録で記載したシーケンス メッセージ例は あくまで実装時の参考の位置づけである i.2 ENUM シーケンス例 本付録に記載するシーケンス名と対応する章節を付表 i.2.1 に示す なお 本シーケンスでは IMS 網が本仕様で規定 するキャリア ENUM インタフェースを利用する場合の例を記述している 付表 i.2.1/ts-1021 掲載シーケンス例一覧 No. シーケンス名 対応節 1 基本 ENUM 問合せ (Query/Answer) 付録 i.2.1 i.2.1 基本 ENUM 問合せ (Query/Answer) 発信事業者網と番号取得事業者網間で基本的な ENUM 問合せを行い 番号ポータビリティしているユーザの URI 情報を取得するシーケンス メッセージ例を記載している なお 各表の設定値欄の値は 設定値の意図が読み取りやすいよう英数字及び記号を用いているが 実際の ENUM Query/Answer にはバイナリに変換された値が設定される 各フィールドの設定値は参考値であり 実際の ENUM Query/Answer には適切な値が設定される - 15 - TS-1021

着信者電話番号 :0422-60-9999 着信事業者網ドメイン名 :example1.ne.jp ネットワークルーチング番号 :0422-61-0051 ENUM/DNS サーバ名 :ns.example2.ne.jp ENUM/DNS サーバ IP アドレス :192.0.2.123 発信事業者網 F1: ENUM Query F2: ENUM Answer 番号取得事業者網 付図 i.2.1.1/ts-1021 基本 ENUM 問合せ (Query/Answer) F1: ENUM Query ヘッダ部 質問部 フィールド名 設定値 ID 1 QR 0 OPCODE 0 AA 0 TC 0 RD 0 RA 0 Z 0 RCODE 0 QDCOUNT 1 ANCOUNT 0 NSCOUNT 0 ARCOUNT 0 QNAME 9.9.9.9.0.6.2.2.4.1.8.e164enum.net. QTYPE 35 QCLASS 1-16 - TS-1021

F2: ENUM Answer ヘッダ部質問部回答部回答部 フィールド 設定値 ID 1 QR 1 OPCODE 0 AA 1 TC 0 RD 0 RA 0 Z 0 RCODE 0 QDCOUNT 1 ANCOUNT 2 NSCOUNT 1 ARCOUNT 1 QNAME 9.9.9.9.0.6.2.2.4.1.8.e164enum.net. QTYPE 35 QCLASS 1 NAME 9.9.9.9.0.6.2.2.4.1.8.e164enum.net. TYPE 35 CLASS 1 TTL 60 RDLENGTH 63 ORDER 100 PREFERENCE 10 RDATA FLAGS u SERVICES E2U+sip REGEXP!^.*$!sip:+81422609999@example1.ne.jp;user=phone! REPLACEMENT. NAME 9.9.9.9.0.6.2.2.4.1.8.e164enum.net. TYPE 35 CLASS 1 TTL 60 RDLENGTH 89 ORDER 100 PREFERENCE 20 FLAGS u RDATA SERVICES E2U+pstn:sip REGEXP!^.*$!sip:+81422609999;npdi;rn=+81422610051@example1.ne.jp;user=pho ne! REPLACEMENT. - 17 - TS-1021

権威部 追加情報部 NAME 0.6.2.2.4.1.8.e164enum.net. TYPE 2 CLASS 1 TTL 86400 RDLENGTH 18 RDATA ns.example2.ne.jp. NAME ns.example2.ne.jp. TYPE 1 CLASS 1 TTL 86400 RDLENGTH 4 RDATA 192.0.2.123-18 - TS-1021